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1948-06-22 第2回国会 衆議院 水産委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十二日(火曜日)     午前十時二十二分開議  出席委員    委員長 馬越  晃君    理事 石原 圓吉君 理事 夏堀源三郎君    理事 西村 久之君 理事 庄司 彦男君    理事 藤原繁太郎君 理事 鈴木 善幸君       川村善八郎君    坂本  實君       關内 正一君    冨永格五郎君       仲内 憲治君    金野 定吉君       鈴木 雄二君    吉川 兼光君      青木清左ヱ門君    内藤 友明君       外崎千代吉君  委員外出席者         議     員 井谷 正吉君         議     員 長野 長廣君         議     員 和田 敏明君         議     員 守田 道輔君         農 林 技 官 林  眞治君         專門調査員   小安 正三君     ――――――――――――― 六月十九日  入漁権撤廃に関する請願内海安吉紹介)(  第一五五一号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件   請 願  一 香深港築設の請願坂東幸太郎紹介)(    第三一号)  二 燒尻村漁港築設の請願坂東幸太郎君紹    介)(第四〇五号)  三 羽幌漁港修築請願坂東幸太郎君外三名    紹介)(第八〇一号)  四 川南村通山浜に漁港築設の請願押川定秋    君紹介)(第五〇号)  五 鼠ケ関港修築願請(泉山三六君紹介)(    第五一号)  六 青森漁港修築促進請願山崎岩男君紹    介)(第六一号)  七 知床半島漁港築設の請願飯田義茂君外    一名紹介)(第七四号)  八 伊万里漁港修築請願森直次君外四名紹    介)(第一五七号)  九 漁業協同組合法制定促進請願田中稔男    君紹介)(第一一七一号) 一〇 鮮魚介陸揚地に対する地区別報奬物資差別    撤廃請願田中稔男紹介)(第一一九    〇号) 一一 美川漁港修築請願竹田儀一紹介)(    第一五号) 一二 宿田曽漁港修築請願松田正一紹介)    (第二六一号) 一三 燒尻村漁港築設の請願岡田春夫君外一    名紹介)(第三五一号) 一四 河野港漁港修築請願長野長廣君紹    介)(第四〇八号) 一五 伊達町に漁港築設の請願(稻村順三君紹    介)(第五五八号) 一六 柏漁港修築請願井谷正吉君外九名紹    介)(第六〇九号) 一七 眞穴穴井漁港築設の請願井谷正吉君    外九名紹介)(第六一〇号) 一八 内海家串漁港築設の請願井谷正吉君    外三名紹介)(第四四一号) 一九 標津村薫別に漁港築設の請願伊藤郷一君    紹介)(第六四四号) 二〇 羅白村の各河川に鮭鱒孵化場設置請願(    伊藤郷一君紹介)(第六四七号) 二一 羅白船入澗鉱張工事施行等請願伊藤郷    一君紹介)(第六八一号) 二二 久慈漁港修築請願山崎猛紹介)(第七    四二号) 二三 網走支廳管内オホーツク沿岸北海道水    産試驗場支場設置請願永井勝次郎君紹    介)(第九〇五号) 二四 船舶船入澗拡張工事施行請願和田敏明    君紹介)(第九五四号) 二五 貝取澗村船入澗築設請願川村善八郎    君紹介)(第四四四号) 二六 泊村に船入澗築設請願川村善八郎君紹    介)(第八三七号) 二七 尾札村木直船入澗築設請願(川村善八郎    君紹介)(第八四三号) 二八 田老港に船溜築設の請願鈴木善幸君紹    介)(第二五号) 二九 眞鍋島村に漁港築設の請願多賀安郎君紹    介)(第四〇〇号) 三〇 稻取漁港修築助成請願小松勇次君紹    介)(第七八二号) 三一 入漁権撤廃に関する請願内海安吉君紹    介)(第一五五一号) 三二 深浦港を漁港として修築請願井谷正吉    君外九名紹介)(第一〇四六号) 三三 須佐漁港修築請願守田道輔君外一名紹    介)(第一〇四七号)   陳情書  一 輪島港並びに舳倉島避難修築に関する陳    情書    (第三九号)  二 手打港修港構築に関する陳情書    (第一五六号)  三 泊村に船入澗築設陳情書    (第三六一号)     ―――――――――――――
  2. 馬越晃

    馬越委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き、請願審議をいたします。日程第一ないし第一五は後回しにいたしまして、日程第一六柏漁港修築請願文書表第六〇九号、井谷正吉君外九名紹介日程第一七眞穴穴井漁港築設の請願文書表第六一〇号、井谷正吉君外九名紹介日程第一八、内海家串漁港築設の請願文書表第四四一号、井谷正吉君外三名紹介、以上三案は同一紹介にかかる請願でありますので、一括審議いたします。紹介議員井谷正吉君。
  3. 井谷正吉

    井谷正吉君 柏漁港修築請願要旨を申し上げます。  本請願要旨は、愛媛縣南宇和内海村柏港は、近海航路船舶、旅客船の定期寄港地として重要視され、かつ漁港としても郡内随一であるが、港湾設備がないため、荒天に際しては船舶繋留にも困難を感ずる状態で、船舶破損網干場その他工作物被害は多大である。ついては速やかに本港防波堤を築設されたというのであります。何とぞ格別の御審議をもちまして御採用あらんことをお願い申し上げます。  次に眞穴穴井漁港築設の請願要旨を申し上げます。  本請願要旨は、愛媛縣西宇和眞穴村は全村山岳地帶で、農耕は困難を極め、農業のみの生活は至難である、しかし本村は宇和海の宝庫を控えているので、村民生活漁業によつて大いに助けられているが、港湾設備がなく、船舶破損が続出している、又本村海上交通に依存しているが、荒天の際は定期船もよりつけず、荷客は他部落に陸揚げされる状態で、村民の不利不便は大である、ついては本村穴井漁港を築設されたいというのであります。  次に内海家串漁港修築請願要旨を申し上げます。  本請願要旨は、愛媛縣南宇和内海家串は、漁業及び水産物加工業をもつて立ち、本縣水産業に多大の貢献をしているが、港湾施設に乏しく、風災害による船舶被害は大である、殊に昭和十九年の風水害には防波堤を破壞されたが、その復旧は縣財政をもつては達成できない、ついては家串由良岬周辺避難港とするため、かつ地方産業開発のため、家串漁港を築設されたいというのであります。
  4. 馬越晃

    馬越委員長 以上請願三件につきまして政府所見を質します。
  5. 林眞治

    林説明員 柏港につきましてはその修築必要性は十分認められますが、具体的な計画については、今後十分檢討いたしまして、財政の許す限り、なるべく早くこれが実現をみますように努力いたしたいと思います。  それから穴井の船だまりにつきましてはただいま別途所管をもつて災害復旧の方は施工する予定になつておると考えますが、將來漁業施設に対する拡張につきましては、諸般情勢を勘案いたしましてその実現をはかつてまいりたい、こういうふうに考えております。  それから家串につきましては、その修築の必要は十分認められますので、なるべく近い將來に、その実現を期してまいりたいと考えております。
  6. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか。     —————————————
  7. 馬越晃

    馬越委員長 それでは日程第一九より日程第三一までは後回しにいたしまして、日程第三二、深浦港を漁港として修築請願文書表第一〇四六号、井谷正吉君外九名紹介、これを議題にいたします。紹介議員井谷正吉君。
  8. 井谷正吉

    井谷正吉君 本請願要旨は、愛媛縣南宇和東外海深浦港は、愛媛縣の最南端に位する天然良港で、高知縣境に接し、漁獲高も多く、各方面よりの船舶出入も多いが、同港陸上に平野がなく空地が少いため、物資積下しに不便があり、また防波堤がないため、颱風時には港口より激浪が浸入するおそれもあり、將來愛媛縣及び高知縣における漁業発展を期するためには、該港を最高位重要漁港として指定し、名実ともに完備した漁港を設定されたいというのであります。何とぞ格別の御詮議をもちまして御採用あらんことをお願いする次第であります。
  9. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  10. 林眞治

    林説明員 深浦漁港は前年度に引続きまして、昭和二十三年度におきましても修築を継続いたします。そうしましてなるべく本二十三年度にもちまして計画工事を完了したい、こういう考えで、それに必要な予算を組むつもりでおります。なお防波堤の問題につきましては、必要は認められると考えますが、その計画につきましては、十分將來檢討いたしまして、その実現をはかつてまいりたい、いわゆる第二期的に考えてまいりたいと考えております。
  11. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はありませんか。     —————————————
  12. 馬越晃

    馬越委員長 それでは日程第一四、河野港漁港修築請願文書表第四〇八号、長野長廣紹介右請願を上程いたします。紹介議員長野長廣君。
  13. 長野長廣

    長野長廣君 河野港高知縣安芸郡にありまして、安芸郡の中心である安芸町及び二、三関係町村の最も要望している港であります。今より三百年ほど前、野中兼山のすでに手を加えた所でありまして、現在港の形は残りまして、ただその出入の口が少しく閉鎖されたような形になつておるのであります。高知縣はたい、かつお、まぐろというような魚族のきわめて豊富にとれているところでありますが、この地点もまたこれらの魚族の基点として大いに尊重さるべきものでありますが、遺憾ながらこの附近に適当なる船だまり漁港がないのであります。つきましてはさいわいにすでに相当工事もできております本港を生かしまして、この最も要望せられておりますところの使命を果すように御施設を願いたいと存ずる次第であります。地元はもとより非常な熱意をもつておりますので、この際速やかに調査を願いますとともに、これに対する適当なる施設を講ぜられんことをお願いする次第であります。
  14. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  15. 林眞治

    林説明員 河野港附近におきます漁業中心でありまして、ただいまの施設をもつてしては狹小であるということは十分認められていると思います。從いましてその拡張修築という問題は、ぜひ必要な問題だと考えますが、その具体的な計画につきましては十分調査檢討をいたしまして、財政の許す限り、なるべく早くその実現を期してまいりたいというふうに考えております。
  16. 長野長廣

    長野長廣君 まことに感謝にたえませんが、農林省としてはまだ御調査がないものと思います。この際急いで調査員を派遣して御調査あらんことをお願いいたしたいと思いますが、いかがですか。
  17. 林眞治

    林説明員 調査につきましては、なるべく近いうちに中央からも調査員を派遣いたしまして、縣と御連絡をとりまして、計画檢討をはかつていきたいというふうに考えております。ただ工事の実施につきましては、ただいまのところ戰災復旧工事が非常にたくさんございますので、縣の工印施行能力もおのずから限度がありますので、それと見合いまして工事をやつてまいりたいと考えます。
  18. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか。     —————————————
  19. 馬越晃

    馬越委員長 それでは日程第二五、貝取澗村船入澗築設請願文書表第四四四号、川村善八郎紹介日程第二六、泊村に船入澗築設請願文書表第八三七号、川村善八郎紹介日程第二七、尾札村木直船入澗築設請願文書表第八四三号、川村善八郎紹介、以上三案は同一議員紹介になる請願でありますので、一括上程審議いたしたいと存じます。紹介議員川村善八郎君。
  20. 川村善八郎

    川村委員 ごく簡單に請願趣旨を申し上げます。  第一に久遠貝取澗村の船だまり築設の問題でありまして、本件貝取調村長松前吉太郎君外二名の請願であります。本村久遠郡のほぼ中央にあります五百戸程度漁村であります。この方面魚族はいか、いわしさば、その他海産は非常に多いのでありまするけれども、遺憾ながらこの村には漁港並びに船入澗の築設がないのであります。過去におきまして、四十数万円をもつて計画を立てたことはありましたけれども、國家財政その他町村財政都合で、つい今日まで延引しておるようなわけであります。ひとりこの村の沿岸魚族が豊富なばかりでなく、北海道檜山郡の沖合数十マイルの所に、有名な奥尻の魚田がありまして、この魚田開発すべく北海道開発委員会を開いて、調査は試驗済みでありますので、着々その方面魚田開発に努力しておるわけであります。さいわいにこの漁港が完成いたしますれば、この方面からもその魚田開発に協力し得ると思いますから、どうか國家財政多端の折でありますけれども、本委員会において十分御檢討の上、御採択あらんことをお願いいたします。  次に檜山郡泊村に船入澗の築設をしてもらいたいという請願でありますが、本件泊村長服部利吉君外一名の請願にかかつておるものであります。本村檜山郡の中央にある漁村でありまして、この方面魚族の豊富なことは今さら申し上げるまでもないのでありまして、いか、さばいわし等がまことに豊富でありまして、そのほかにも魚族が豊富でありまするけれども、当村にも船入澗がないのでありましてただ見ながらにして魚族を逃してしまうというような現状であります。殊にいわし限つては、最もこの方面は回遊が濃厚になるところでありまして、年々相当漁獲はするのでありまするけれども、船入澗がないために、その半数も放棄しなければならぬという、非常な悲哀を感じておるようなわけであります。さいわいにこの村に船入まができまするならば、やはり貝取澗と同樣に、豊富な魚田も併せて開発ができますので、ぜひ本村船入澗の築設をお願いしたい、こういう請願であります。  次に、北海道茅部尾札部字木直船入澗を新築してもらいたいという請願であります。尾札部村長杉谷梅一氏請願であります。この村は茅部郡の最も北端にありまするところの純漁村でありまして、約二百五十戸ほどあります。水産物こんぶいわし、いか、さば、その他相当に豊富でありまして、この方面漁港がないために、前回に申し上げたように、魚族を逃しておるというような状態であります。なおこの沖合には有名な惠山の有望な魚田があるのであります。これも北海道開発委員会で取上げて、すでに試驗的にこの方面札撈に從事しておるのであります。願わくばこの船入澗も一時も早く築設いたしまするならば、この魚田開発と併せて、相当水産開発ができるということに相なつておりまするので、どうかこの三つの問題に急速度に解決をつけられるようにお願いしたい、こういう請願であります。もちろん國家財政多端折柄でありまして、容易でないことは本員もよく承知しておりますが、食糧危機突破のためにも、この豊富な魚田開発のために御審議くださいまして、築設くださることをお願い申し上げて、請願趣旨を申し上げる次第であります。
  21. 馬越晃

    馬越委員長 以上三つ請願に対しまする政府所見を質します。林説明員
  22. 林眞治

    林説明員 見取澗、泊、尾札部、この三つ船入まの新設あるいは拡張、こういう問題は、渡島の東西両海におきまする未開発魚田の程発上、きわめて必要なものと考えられるのでありまするが、その具体的な修築計画につきましては、今後十分檢討をいたしまして、將來なるべく早くその実現をはかつてまいりたい、こういうような思つております。
  23. 馬越晃

    馬越委員長 他の御質疑がございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 馬越晃

    馬越委員長 そ磨では次に移ります。     —————————————
  25. 馬越晃

    馬越委員長 日程第二八、田老港に船溜築設の請願文書表第二五号、鈴木善幸紹介紹介議員鈴木善幸君。
  26. 鈴木善幸

    鈴木(善)委員 岩見縣下閉伊田老港に船溜築設の請願を御紹介申し上げまして、各位の御同情ある御審議をお願いしたいと思うのであります。  田老港は三陸漁場を控えておりまして、三陸有数漁港であります。宮古港以北において將來ある漁港でありまして、最近同地方には沿岸漁業はもとよりのこと、沖合遠洋漁業も終戰後企画化されまして、最近漁獲等におきましても非常に目ざましい発展ぶりを示しておるわけであります。ただ遺憾ながら外洋にさらされておりまする関係から、絶えず波浪にもまれるのでありまして、船舶繋留その他出漁等につきましても多大の不便を感じておるのであります。そのためにわずかばかりの荒天であつて、出港さえすれば相当漁獲を期待できる際でありましても、船だまりに欠くるところがありまするために、漁船はせつかくの出漁を見合わせざるを得ない、こういうような状態に置かれておるわけであります。当地方はいかつり漁業、さらに機船底引網漁業、その他巻網漁業等が盛んでありまして、今後とも延なわ漁業等非常に有望な地方であります。宮古を隔たるわずか航路にいたしまして二時間あまりでありまするが、附近漁場には、あわび、あるいはこんぶわかめ等の非常に生産があがるのでありまして、もしさいわいにして船だまりの築設を見まするならば、その生産は飛躍的に増大いたしまして、現下のわが國の食糧事情に寄與うるところが非常に大きいものと期待いたしておるわけであります。  何とぞ諸般事情を御管案いただきまして、地元民の然願が達成されますよう、何分の御審議をお願いしたいと思います。
  27. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  28. 林眞治

    林説明員 田老船まり修築は、三陸沿岸におきまする漁業開発のためにきわめて必要なものと考えますが、その修築の具体的な計画につきましては、十分に檢討いたしまして、なるべく早い機会にその実現を見ますように努力してまいりたいと思います。
  29. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 馬越晃

    馬越委員長 では次に移ります。     —————————————
  31. 馬越晃

    馬越委員長 日程第三三、須佐漁港修築請願文書表第一〇四七号、守田道輔君外一名紹介。本請願議題にいたします。紹介議員守田道輔君
  32. 守田道輔

    守田道輔君 本請願山口縣阿武須佐町、須佐漁港建設期成同盟会会長増野忠外四百四十四名の請願でございます。再建日本の重要なる課題であります食糧流産に並行いたしまして、生鮮魚介類の増産増獲もまた重要緊急なる案件の一つでありますことは、今さら警言を要しないところであります。私ども須佐漁民もまたその使命重大性に鑑みまして日夜これが天職の発揮に最善を盡すべく、漁撈の改善に、漁獲物の処理に創意くふうを凝らし、乏しき資材にて最高の能率を挙揚すべく、惡戰苦鬪をいたしておる次第であります、わが須佐港は天然良港ではありますが、未だ過去における人工施設の見るべき実績に乏しく、殊さらに漁港といたしましてはわずかなる船だまりさへ有しないあわれ、貧困なること言語に絶するものがあります。現在漁家戸数三百有余戸を有しながら、漁獲高年産僅か三百余万円に過ぎず、從つて漁村経済も、漁價の高騰により現在辛じて相償うの程度であります。ここにおきましてわれら漁民はもちろん、七千町民とともに奪然と蹶起いたし、須佐漁港建設期成同盟会を結成し、総親和、総努力の熱意を結集し、強固なる團結力をもつて可及的速やかに本目的を達成せんとするものであります。一度本漁港完成の曉は、別紙計画書のごとく優に三百余トンの漁船岸壁横ずけは容易に可能と相なり、陸上設備製氷冷藏等施設の完備を見れば、地理的條件に伴う近隣の漁船相つどい、その基地を形成し、大型機船漁業発云とともに、一躍年産五千万円の水揚漁獲を得るの盛観を呈するの確約を誓うものであります。願わくは國帑多端のときではありますが、叙上の事情御賢察くだされ、北浦一帶にわたりただ一つ漁港をも持たない私ども漁民福利増進のため、特別の御詮議をもつて本要望を速やかに御採択くださいますよう、町民の連署をもつて請願いたす次第であります。
  33. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。林説明員
  34. 林眞治

    林説明員 須佐漁港山口縣の北におきまする枢要な漁業地であります、天然良湾には惠まれておりますが、漁業施設の築設ということはぜひ必要だと考えられます。しかしながらその具体的な計画につきましては、十分檢討をいたしまして、そして將來なるべく早くその実現をはかつてまいりたいと考えております。
  35. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はありませんか。     —————————————
  36. 馬越晃

  37. 和田敏明

    和田敏明君 この船泊港は北海道の一番北端礼文島の一漁村でありますが、何しろ附近は非常な有望な魚田があるのですが、漁港や船だまり設備が非常に不完全なため、十分な生産が得られていない。現に本年度も同地方北海道におけるにしんの最大の收穫地であつたのであるが、船入澗が不完全なために、数億のにしんを流してしまつたというふうな実情があるのであります。その意味で食糧増産のやかましい折から、ぜひともこの船入澗拡張工事を施行せられたいというのが本請願趣旨であります。十分御詮議の上通過せられんことを望みます。
  38. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  39. 林眞治

    林説明員 船泊漁業の根拠地でもありまするが、礼文島におきまする一般運輸交通中心港といたしまして、きわめて重要なものでありますので、運輸省所管といたしまして別途改良が考慮される予定になつております。なお漁業施設につきましては、將來諸船情勢を勘案いたしまして、その実現をはかつてまいりたいと考えております。
  40. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか。     —————————————
  41. 馬越晃

    馬越委員長 次は日程第一一、美川漁港修築請願文書表番号第一五号、窪田儀一紹介、本請願竹田儀一君に代つて青木清左ヱ門君に御説明を願います。
  42. 青木清左ヱ門

    青木(清)委員 この美川漁港につきましては、私の郷里の隣縣である関係上、よく状況を知つておりますので、私から代つて説明申し上げたいと思います。  美川漁港石川縣石川郡にあるのでありまして、手取川の河口を利用いたしまして、ここに漁港建設をしようというのであります。石川縣は、大体において能登半島には多数の漁港、船だまり場があるのでありますけれども加賀沿岸にはあまりその数はないのであります。從つてその中心をなすところのこの美川漁港をつくつて、ここに附近魚田開発をやろうというのであります。なおこの美川町には鉄道の便もあるのでありまして、ここにこの加賀沿岸漁獲した漁獲物を集散するには非常に都合のよう所でありまして、縣下唯一の水産物補給源たる地位をもつているのであります。昭和九年に手取川の大出水によりまして土砂の増積を來し、船舶出入は目下はなはだ困難となり、まつたく往昔の漁港としての價値は荒廃するに至つておるのであります。ついては國庫助成をもつて速やかに同港修築せられんことを希望するのであります。どうか地元民の熱望を容れられて、本請願を御採択あらんことを切望する次第であります。
  43. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  44. 林眞治

    林説明員 美川漁港修築は、附近におきまする漁場開発のためにきわめて必要なものと考えますので、その修築の具体的な計画につきましては、今後十分に檢討いたしまして、なるべく速やかにその実現を期してまいりたいと考えます。
  45. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか——他日程請願紹介議員が御出席になつておりませんのデ、これは後回しにいたしまして、次は陳情を付議いたしたいと存じます。     —————————————
  46. 馬越晃

    馬越委員長 陳情日程第一、輪島港並びに舳倉島避難修築に関する陳情書文書表第三九号、石川縣鳳至輪島町長日吉周藏外四名、第二、手打築港構築に関する陳情書文書表第一五六号、鹿兒島縣薩摩郡下甑村長島居範基外一名、第三、泊村に船入澗築設陳情書文書表第三六一号、北海道檜山郡泊村長、服部利吉外一名、以上三件を上程いたします。專門委員小安正三君、朗読を願います。
  47. 小安正三

    ○小安專門調査員 輪島港並びに舳倉島避難修築に関する陳情(第三九号)  陳情書 石川縣鳳至輪島町長 日吉 周藏外四名 石川縣能登半島北端外浦海岸に面する輪島港並びに同港を離ること二十七浬余の舳倉島避難港は、日本海唯一の水産物宝庫と称せられる同半島外浦沿岸の中核をなし、経済的地位はきわめて重要なものがあるが、輪島港は近年防波堤に損傷を來し、そのまま放置するときは、いたずらに損害の増大な招き、使用にたえがたくなるのは必然であり、かつ現在の施設では船舶避難に安全を保しがたいものであるから、同場の修築とともに、防波堤を新築し、併せて港内の浚渫並びに外港の岩礁破碎を実施されたい、また舳倉島避難港は現在の施設では漁船避難に不十分であるから、速やかに防波堤を築設しその水面抱擁面積を拡張して利用價値の昂上をはかられたい。 手打築港構築に関する陳情第一五六号  陳情者 鹿兒島縣薩摩郡下甑村長 島居範基外一名  鹿兒島縣薩摩郡下甑村は、薩摩半島西方東支那海に浮ぶ甑島列島南部を占むる下甑島にあり、豊富な漁場に近接し、村民漁業を主として生計を営んでいるが、本島南端にある手打港は、漁港として、また海上交通の要地として優秀性を具えながら、施設不完全で利用價値低く、本村漁業発展を阻害することはなはだしい、ついては本港漁船の安全地として築港し、本村発展をはかるとともに、併せて食糧問題解決の一助たらしむるよう速やかにこれが実現を要望する。 泊村に船入澗築設陳情(第三六一号)  陳情者 北海道檜山郡泊村長 服部利吉外一名  北海道檜山郡泊村は地勢上農村地帶と漁村地帶に二分せられ総戸数の半数は漁業に從事し附近に豊富な魚田を擁しながら、船人澗の設備がないために成績をあげえぬ状態であり、その損害は甚大であるについては、速やかに本村船入澗を築設されたい。
  48. 馬越晃

    馬越委員長 以上陳情書に対する政府所見をお伺いします。
  49. 林眞治

    林説明員 石川縣輪島港及び舳倉島の拡張並びに避離港としての問題につきましては、能登半島開発の意味からいたしましても、その必要性は十分に認められると考えます。從いましてその具体的な計画につきましては、十分に檢討いたしまして、なるべく早くその実現をはかつてまいりたいと考えます。  手打船だまりにつきましては、その必要性は十分に認められますので、なるべく近い將來にその実現を期したいと考えております。  それから水海道の泊船入澗の築設につきましても、同樣その必要性は十分に認めますので、なるべき早くその実現ができますように努力してまいりたい。こういうふうに考えます。
  50. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 馬越晃

    馬越委員長 残余の日程はこれを延期し、本月はこれをもつて散会いたします。次会の日程は公報をもつてお知らせいたします。     午前十一時七分散会