○石原(圓)委員
漁港が終戰後全國的に非常に多数の要望があるのでありますが、これは当然のことでありまして、いずれも緊要なものであると思うのであります。それとにらみ合わせて解決せねばならぬ問題があると思うのでありますが、これは終戰前にすでに
漁港を
計画して、そうして一部が完成し、また完成せんとしてそのままにな
つているものは相当あると思うのであります。このものは地もと関係者においては、セメント等の資材がないからやむを得ないというような考え方で、じつと本省の方針、指揮命令等を待
つているという
状態のところも相当あると思うのであります。これをこのまま捨てておけば、あとの子が先にな
つて、終戰後言い出したものはでき上るが、戰前から
計画してその
必要性を認め、地元が相当の負担をして、また國も縣もそれに比例した予算を出してや
つているものが、結局
後回しになるというようなことが起
つてくるのではないか、これは地元の要望のいかんにかかわらず、本省においてはその
必要性を十分檢討して、たとい地元がじつとしてお
つても、本省としてはすでに國費を出し、縣費を出し、中途はんぱにしておるということは非常な醜態でもあるし、また
漁業能率の上にもうまくいかぬと思うのであります。であるからこういう
漁港及び船だ
まりは、各縣に相当あると思うのでありまして、これはたとい一年に一縣に一箇所ずつなりとも、この苦しい予算の中から捻出をされて、本省独自の立場から解決をしていくということが、私は当然とるべき処置でなかろうかと思うのでありまするが、これに対する御
所見を伺
つておきたいのであります。私としては未解決のもの、
工事中で捨ててあるものは、たとい一年に一縣に一縣に一箇所ずつなりともぜひ解決していき、それから所規要求のものとを並行して完成を期せなければならぬものであると考えておる次第であります。この点を明確にしておきたいと思いますので、御
所見を伺
つておきたいのであります。
それからこれに関連したとは言えないのでありますけれども、終戰後軍艦、駆逐艦等多数の廃艦ができましたものを、ある地方では防波堤のかわりに拂下げを形け前、それをも
つて築港をやらんとする
計画があるようであります。
漁港においてもさような
計画があるのでしようか、その点はどうな
つておりましようか。私の見るところでは、ただ軍艦を駆逐艦をもら
つてきて、港の人口でそれを沈めても、防波堤としてはそのままではとうていうまくいかぬ所が多いのでなかろうか、基礎
工事、またその船体の上層部分、中腹等へセメント、石材その他相当の資材を使
つてうまく按配しなければ、
簡單に船一艘を持
つてきて沈めただけで港ができるというようなことにはいくまいと思うのでありますけれども、港によ
つては、まだその船の大きさや形によ
つては、全然間に合わないものでもなかろうと思うのであります。この際多数の軍艦やそういうものがあるわけでありまして、これをどういうことに利用したら最も
漁港、船だ
まりのために有益であるかということは、お考えにな
つておるのでありましようか、御研究を願いたい点であると思うのでありますす
漁港、船だ
まりに関係する点はその程度であります。
ついでに私が申したいのは、從來
港湾協会というものがありまして、この
港湾協会は全國の港を
実現するに必要な権威のある推進力と
なつたものである。ところが今度
漁港のみの協会ができた。この
漁港のみの協会の機構ややり方が、もし下手をやると、
港湾協会がいわゆる國土
計画の方面の勢力に圧倒されて、かえ
つて予算の面でも、その他の方面でも不利益な立場になりはせんかということを私は心配するのであります。できた限りには非常な強力な権威のあるものとして、
漁港は
漁港として、他の
港湾と並行して——むしろより以上にできていく、
実現性をもたすところの威力のある、権威のあるものにしなければならぬと思うのでありまして、これらに対しては出発点を誤ると、全國の
漁港、船だ
まりのために非常に不利益になると考えますので、十分御檢討をお願いしたいと考えるのであります。
次には金融の問題でありますが、水産金融にありましては、大体主として復興金融金庫の融資の問題でありますが、遠洋
漁業、資本
漁業会社、その他加工、製氷等には相当融資をされたようであります。しかるに一番重要な
沿岸漁業に対する融資がどうも不徹底なようであります。復興金融金庫においても、本所も支所もこの
沿岸漁業に対する融資に対しては二の足を踏んでおるような点があるのでありまして、これは漁獲物の数量を比較におきましても、また今日までの成績におきましても、一番重要視しなければならぬ
沿岸漁業に対する融資の問題が不徹底であるということは、増産に影響するのみならず、全國の
沿岸の
漁業者に対して意氣沮喪せしめるおそれがあると思うのであります。殊にあぐり網、流し網、地引網、それらの定置
漁業はむろんでありますが、それらのものに対して急速に復興金融金庫は、これまで融通した遠洋
漁業や製氷や、その他のところに融通した以上の熱意をも
つて、融資をすることにしなければならぬと思うのでありまして、これは早急にその方針をとるように、局長より特に復興金融の部門について申入れをし、またあるいはその他の方法をと
つて、急速に
実現するように御処置を願いたいと思うのであります。以上に対して
所見をお伺いしたいのであります。