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1948-06-15 第2回国会 衆議院 水産委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月十五日(火曜日)     午前十時二十一分開議  出席委員    委員長 馬越  晃君    理事 石原 圓吉君 理事 西村 久之君    理事 庄司 彦男君 理事 藤原繁太郎君    理事 三好 竹勇君       川村善八郎君    關内 正一君       冨永格五郎君    仲内 憲治君       金野 定吉君    中原 健次君       矢後 嘉藏君   青木清左ヱ門君       小松 勇次君    内藤 友明君       外崎千代吉君  出席政府委員         農林事務官   藤田  巌君  委員外出席者         議     員 田中  豊君         議     員 村上 清治君         農 林 技 官 林  眞治君         專門調査員   小安 正三君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件   請 願  一 香深港築設の請願坂東幸太郎紹介)(    第三一号)  二 焼尻村に漁港築設の請願坂東幸太郎君紹    介)(第四〇五号)  三 羽幌漁港修築請願坂東幸太郎君外三名    紹介)(第八〇一号)  四 川南村通山濱に漁港築設の請願押川定秋    君紹介)(第五〇号)  五 鼠ケ関港修築請願(泉山三六君紹介)(    第五一号)  六 青森漁港修築促進請願山崎岩男君紹    介)(第六一号)  七 知床卒島漁港築設の請願飯田義茂君外    一名紹介)(第七四号)  八 伊萬里漁港修築請願森直次君外四名紹    介)(第一五七号)  九 漁業協同組合法制定促進請願田中稔男    君紹介)(第一一七一号) 一〇 鮮魚介陸揚地に対する地区別報奬物資差    別撤廃の請願田中稔男介紹)(第一一    九〇号) 一一 美川漁港修築請願竹田儀一紹介)(    第一五号) 一二 宿田曽漁港修築請願松田正一紹介)    (第二六一号) 一三 大原漁港修築請願田中豊紹介)(第    三二〇号) 一四 焼尻村に漁港築設の請願岡田春夫君外一    名紹介)(第三五一号) 一五 河野港漁港修築請願長野長廣君紹    介)(第四〇八号) 一六 伊達町に漁港築設の請願(稻村順三君紹    介)(第五五八号) 一七 柏漁港修築請願井谷正吉君外九名紹    介)(第六〇九号) 一八 眞穴村穴井に漁港築設の請願井谷正吉君    外九名紹介)(第六一〇号) 一九 内海村家串に漁港築設の請願井谷正吉君    外三名紹介)(第四四一号) 二〇 標津村薫別に漁港築設の請願伊藤郷一君    紹介)(第六四四号) 二一 羅臼村の各河川に鮭鱒孵化場設置請願(    伊藤郷一君紹介)(第六四七号) 二二 羅臼船入澗拡張工事施行等請願伊藤郷    一君紹介)(第六八一号) 二三 上濱村小砂川に船溜築設の請願村上清治    君紹介)(第六五六号) 二四 久慈漁港修築請願山崎猛紹介)(第    七四二号) 二五 網走支廳管内オホーツク沿岸北海道水    産試驗場支場設置請願永井勝次郎君紹    介)(第九〇五号) 二六 船泊船入澗拡張工事施行請願和田敏明    君介)(第九五四号) 二七 江差漁港修築並びに拡張工事施行請願(    冨永格五郎紹介)(第一七号) 二八 熊石村に船入澗築設並びに拡張請願(冨    永格五郎紹介)(第一八号) 二九 奥尻稻穗船溜築設の請願冨永格五郎    君紹介)(第一三六号) 三〇 熊石関内船溜築設の請願冨永格五郎    君紹介)(第一三八号) 三一 熊石相沼泊川船入澗築設請願冨永    格五郎紹介)(第一三九号) 三二 釣懸船入澗拡張工事施行請願冨永格五    郎君介)(第一四一号) 三三 奥尻神威脇船入澗築設請願冨永格    五郎紹介)(第一四二号) 三四 小島茂草船入澗築設請願冨永格五    郎君外一名紹介)(第一四七号) 三五 上ノ國村に船入澗築設請願冨永格五郎    君紹介)(第一四九号) 三六 江良船入澗拡張工事施行請願冨永格五    郎君紹介)(第一五〇号) 三七 太櫓村に船入澗築設請願冨永格五郎君    紹介)(第一六八号) 三八 貝取澗村船入沫築設の請願冨永格五郎    君紹介)(第七二四号) 三九 尻岸内村大澗に漁港設並びに脊泊船入    澗拡張請願冨永格五郎紹介)(第二    〇二号) 四〇 鹿部漁港修築請願冨永格五郎紹介)    (第二〇八号) 四一 貝取澗村船入澗築設請願川村喜八郎    君紹介)(第四四四号) 四二 泊村に船入澗築設請願川村善八郎君紹    介)(第八三七号) 四三 尾札村木直船入澗築設請願川村善八    郎君紹介)(第八四三号) 四四 苫小牧漁港修築請願三好竹勇紹介)    (第一七六号) 四五 伏吉別勇拂及び鵡川船入澗築設請願    (三好竹勇君介)(第一七七号) 四六 東靜内船入澗修築請願三好竹勇君紹    介)(第三六一号) 四七 三石船入澗拡張工事施行並びに鳧舞船入    澗築設請願三好竹勇紹介)(第三六    二号) 四八 田老港に船溜築設の請願鈴木善幸君紹    介)(第二五号) 四九 氷見漁港浚渫に関する請願内藤友明君紹    介)(第三九号) 五〇 西田常神船溜築設の請願青木清左ヱ    門願紹介)(第二〇九号) 五一 眞鍋島村に漁港築設の請願多賀安郎君紹    介)(第四〇〇号) 五二 稻取漁港修築助成請願小松勇次君紹    介)(第七八二号)   陳情書  一 輪島港並びに舳倉島避難修築に関する陳    情書    (第三九号)  二 手打港築港構築に関する陳情書    (第一五    六号)  三 泊村に船入澗築設陳情書    (第三六一号)     ―――――――――――――
  2. 馬越晃

    馬越委員長 これより会議を開きます。前回に引き続き請願審議をいたします。日程第一より第一二に至る請願後回しにいたしまして、日程第一三大原漁港修築請願文書表第三二〇号、田中豊紹介議題にいたします。紹介議員田中豊君。
  3. 田中豊

    田中豊君 大原漁港修築請願に關しまして、詳細は請願書に記載してございますので、要点を簡單に二、三申し上げさせていただきたいと思います。  大原漁港昭和十三年に修築工事を始めまして、昭和十六年に第一期工事が終了したのでございますが、なお非常に漁船が輻輳いたしますので、昭和十七年に拡充工事を始めたのでございますが、戰爭のために中絶いたしまして現在に至つたのであります。現在大原漁港に所属する漁船は、いわしあぐりあみ漁船が五十五隻と延べなわ及び一本漁船が百五十隻、なお附近沿岸町村漁船が相当ございますが、その約半数しか現在漁港に收容できない有樣でございます。  第二の御承知通り九十九里浜沿岸は、日本でも有数のいわし漁場でございますが、今申しました通り漁港がないために現在非常に困つております。せつかくとれたいわしも、これを水揚げすることができないような状態が多いので、遠く房総沿岸漁港まで持つて行くのでございますので、もしも大原漁港が完全に修築されたら、ここに水揚げされまする魚は、陸路東京に鉄道でも三時間、トラツクでも三時間で到着することができますので、東京都のいわゆる台所として非常に有望視される所でございます。從つて農林省におかれましても、二十二年度甲級陸揚地と指定されておるのが現状でございます。  第三に先ほど申し上げました通り九十九里沿岸いわしの漁が多いのでございますが、御承知通り銚子以西は有名な九十九里浜でございます。漁港はさらにございませんので、各縣より漁場を目指してまいります船が、万が一突風その他の氣候の激変によりまして邁進する場合には、これが避難する漁港が全然ないのでございます。從つて大原漁港を目指して避難しても、現在漁港が狹隘のために、せつかく避難しても漁港にはいることができないというのが現状でございますので、もし修築されましたならば、避難及び燃料の補給その他について非常に漁港の成果が発揮されるのじやなかろうかと存ずるのでございます。非常に簡單でございますが、詳細は先ほど申し上げました通り請願書に記載してございますので、水産委員会の皆樣方におかれましてはどうぞ特別に御審議くださいまして、ぜひこの修築請願を御採択くださいますようお願い申し上げます。
  4. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  5. 藤田巌

    藤田政府委員 大原漁港修築必要性は十分認めるところでございますので、財源の許す限りなるべく速やかに実施し得るよう考慮いたしたいと思つております。
  6. 馬越晃

    馬越委員長 他に御発言はございませんか。     〔「質問なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  7. 馬越晃

    馬越委員長 それでは日程第一四より日程第四八は後回しといたしまして、日程第四九、氷見漁港浚渫に関する請願文書表第三九号、内藤友明紹介議題にいたします。内藤友明君。
  8. 内藤友明

    内藤委員 富山縣氷見漁港浚渫に関する請願でありますが、この漁港は大正十二年に第一次漁港築造審議にはいりまして、その当時五十万円の金をもちまして起工せられたのであります。昭和三年九月、工成りまして今日の漁港になつておるのでありますが、その後浪害、水害のために非常に浅くなりまして、漁船の行き來に非常に困難を感じておるのでありますので、本請願になつたのであります。本委員会におきましてよろくお取ざらい願いたいのであります。きわめて簡單でありますが請願の趣旨を御説明申し上げた次第であります。
  9. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  10. 藤田巌

    藤田政府委員 氷見漁港改修必要性は十分認めておるところでございますので、財政の許すかぎりなるべく近い將來実現されるよう考慮したいと存じております。
  11. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  12. 馬越晃

    馬越委員長 それでは次は日程第五〇、西田常神船溜築設の請願文書表第二〇九号、青木清左ヱ門紹介議題にいたします。青木清左ヱ門君。
  13. 青木清左ヱ門

    青木委員 西田常神福井縣三万郡にあるのでありまして、これは天然良湾をなしております。從つてここには防波堤等の築設の必要がないのでありまして、現在の良湾それ自体が良港として活用されるのであります。またこの附近にはさばの大謀網きんちやく網の漁場になつておりまして、港湾施設の完備によつて、この漁場を完全に活かすことができるという非常に経済的な船だまりとしての價値を具えておるわけであります。ただ問題になりますのは、山脈が深く海の中に食い入つている関係上、陸上設備を行う場所がないのであります。從つて現在は砂浜にわずかに土盛りをやつて、そこでいろいろな作業に從事しているのであります。この作業場を完全なものにすることによりまして、漁業の能率を高め、なおこの天然良湾を活かし得ることになるのであります。從つて地元民大謀網を組立てる作場とか、その他の船だまり施設をつくるための工事を、早急に完成していただきたいという希望をもつておるのであります。どうか本委員会としても、地元民の熱情をくみとられまして、本請願の御採択をせられんことを望む次第であります。
  14. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  15. 藤田巌

    藤田政府委員 常神船だまり築設の必要性は十分認められますので、國庫財政の許す限り、なるべく二十三年度に実現するよう努力いたしたいと思います。
  16. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑ありませんか。     —————————————
  17. 馬越晃

    馬越委員長 それではもとに帰りまして、  日程第四四苫小牧漁港修築請願文書表第一七六号三好竹勇紹介。  日程第四五、伏古別勇拂及び鵡川船入澗築設請願文書表第一七七号、三好竹勇紹介。  日程第四六東靜内船入澗修築請願文書表第三六一号、三好竹勇紹介。  日程第四七、三石船入澗拡張工事施工並びに鳧舞船入澗築設請願文書表第三六二号三好竹勇紹介、  いずれも同一紹介議員紹介になる請願でありますので、一括して議題に供したいと存じます。紹介議員三好竹勇君。
  18. 三好竹勇

    三好委員 本請願要旨を申し上げたいと思います。本請願要旨は、北海道勇払苫小牧町は太平洋に面して魚族が豊富で、沖合漁業等將來最も有望な地であり、かつ管内東部中心地として交通の要路である。ついては該町に漁港を築設されたいというのであります。何とぞ御採択のほどをお願いいます。  次に請願第一七七号を申し上げたいと思います。本請願要旨は、北海道日高國浦河港から膽振國室蘭港に至る二百キロの海岸は豊富なる魚族を有しながら、一つ漁港一の避難港もない現情で、漁港発展を著しく遅らせている、ついてはこの白老郡と伏古別郡の境界にある伏古別でありますが、これは自然の港湾として、天然地形に惠まれておりますので、今日この伏古別漁港ができ上つておらないということは、まことに政治的貧困から生ずるものであることをすべての人が認めているものであります。特にこの伏古別漁港の着工をお願いしたいのであります。さらに勇拂郡苫小牧勇拂及び同郡の鵡川鵡川船入澗を築設されたいという請願であります。これも何とぞよろしくお願いいたします。  さらにまた第三六一号の請願であります。これは北海道靜内郡靜内町東靜内船船入まは、その工事設計に技術的な誤りがあつて、年々土砂及び海草流入するところとなり、今日においてはまつたく埋没の惨状を呈して、発動機船繋留はもとより、磯船出入さえできない、ついては昭和二十三年度において本船入まの修築をされたいというのであります。どうぞよろしくお願いいたします。  さらにまた請願第三六二号といたしまして、この請願要旨北海道三石三石船入まはその被履面積狹小かつ水深浅く、機船出入碇泊に危險を伴い、一朝高浪時には繋留がまつたくできない、また三石字鳧輸は、港湾として天與地形に惠まれ、若干の人工を加えることにより良港となることは疑いない、ついては本道魚田開発のため、三石船入まの拡張工事施行並びに鳧舞船入まを築設されたいというのであります。何とぞ御採択のほどをお願いいたしたいと思います。
  19. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  20. 藤田巌

    藤田政府委員 苫小收附近における中心連絡港といたしまして、運輸省所管で処理されることになつておるのでございますが、漁業施設につきましては、將來各般情勢を勘案いたしましてその実現を期したいと考えております。  次に伏古別船入ま築設の必要性は十分認められますので、具体的計画について愼重檢討いたしました上、財政の許す限りなるべく速やかに実現することを考慮したいと存じております。  さらに勇拂及び鵡川につきましても、同樣財政の許す限りなるべく速やかに実現いたしたいと考えております。  次に東靜内でございますが、東靜内の船入修築必要性は十分認められるのでありますが、公共土木事業費が非常に窮屈になつておりますので、二十三年度にこれを実現することは困難かと考えておりますが、財政の許す限りなるべく速やかに実現するよう考慮したいと考えております。  次に三石及び鳧舞船入拡張の問題でございますが、この必要性も認められますので、これは將來財政の許す限り実現するように努力したいと考えております。
  21. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか。     —————————————
  22. 馬越晃

    馬越委員長 それでは  日程第二七江差漁港修築並びに拡張工事施行請願文書表第一七号、冨永格五郎紹介。  日程第二八、熊石村に船入澗築設並びに拡張請願文書表第一八号、冨永格五郎紹介。  日程第二九、奧尻村稻穗船溜築設の請願文書表第一三六号、冨永格五郎紹介。  日程第三〇、熊石関内船溜築設の請願文書表第一三八号、冨永格五郎紹介。  日程第三一、熊石相沼泊川船入澗築設請願文書表第一三九号、冨永格五郎紹介、  日程第三二、釣懸船入澗拡張工事施行請願文書表第一四一号、冨永格五郎紹介。  日程第三三奧尻村神威脇船入澗築設請願文書表第一四二号、冨永格五郎紹介。  日程第三四、小島茂草船入澗築設請願文書表第一四七号、冨永格五郎君外一名紹介。  日程第三五、上ノ國村に船入澗築設請願文書表第一四九号、冨永格五郎紹介。  日程第三六、江良船入澗拡張工事施行請願文書表第一五〇号、冨永格五郎紹介。  日程第三七、太櫓村に船入澗築設請願文書表第一六八号、冨永格五郎紹介。  日程第三八、貝取澗村船入澗築設請願文書表第七二四号、冨永格五郎紹介日程第三九、尻岸内村大澗に漁港設並びに背泊船入澗拡張請願文書表第二〇二号、冨永格五郎紹介日程第四〇、鹿部漁港修築請願文書表第二〇八号、冨永格五郎紹介。 以上いずれも同一議員紹介になる請願でありますので、一括して上程いたしたいと存じます。紹介議員冨永格五郎君、御説明を願います。
  23. 冨永格五郎

    冨永委員 ただいま委員長から一括上程になりました北海道東南における各漁村漁港船入修築改築及び拡張施行に関する請願でございますが、それは請願店に詳細したためでございますので、この場合簡單に御紹介申し上げたいと思います。  江差漁港修築並びに拡充工事施行請願でございますが、北海道檜山江差港は漁港として、殊に避難港として重大なる使命を有しているが、北洋漁業失つた今日、その使命はますます重きを加え、他方陸上交通中心として、又地方物資集散地として、將來が有望視されているが、その設備は不完全な点多く、未完成の状態にあり、かつ竣工後一回の修築も行われず、その利用度はきわめて低い現況にある、ついては同港の修築並びに拡指工事を速やかに施行されたいというのであります。  熊石村に船入澗築設並びに拡張請願でございますが、北海道爾志熊石村は農漁山海資源に富み、將來開発の見るべきものが多々あるにもかかわらず、産業、経済、文化の施設に惠まれず、わずかに熊石本村に船入まの施設があるのみであるが、これも設備が不十分であるので、同澗内の浚渫拡張をなし、更に同村字相沼泊川船入まの築設並びに同村字關内に船だまり場を築設されたいというのであります。  奧尻村稻穗船溜築設の請願、でございますが、北海道奧尻郡奧尻村稻穗は、豊富な海田に惠れ、最も魚族の多い良漁場であるが、船だまり施設がないため漁業者海難を恐れて無為に過している、ついては水産資源増産のため該地に船だまりを築設されたいというのであります。  熊石関内船溜築設の請願でありますが、北海道爾志熊石村は開拓の歴史古く、農漁山海資源に富み、將來開発にまつべきものが多々あるにかかわらず、産業発展に資すべき施設に惠まれず、わずかに熊石本村に船入まの施設があるだけである、ついては本村字関内に船だまり場を築設されたいというのであります。  熊石相沼泊川船入澗築設請願でございますが、北海道爾志熊石字相沼泊川は戸数五百五十戸を有し、全住民は漁業を專業としているが、その附近船入まはもとより、船どまり設置すらなく、漁業振興上の不利は大である、ついては食糧増産輸送力の強化並びに海難防止のため、昭和二十三年度において全額國庫支弁により速やかに該部落に船入まを築設されたいというのであります。  釣懸船入澗拡張工事施行請願でありますが、北海道奧尻郡尻村釣懸船入まは、昭和八年第一期工事として施行したが、工事半ばで中止されているため、澗内狹小で、荒天に際しては船舶の衝突、死傷等の惨事を生じている、ついては本船入まの拡張工事施行されたいというのであります。  奧尻村神威脇船入澗築設請願でございますが、北海道奧尻郡奧尻村西海岸は何らの施設がないため居住する者少く、多大の魚族を有したまままつたく未開の宝庫として眠つている、しかも生産物陸上運搬についても、東海岸に通ずる横断通路が原始当時そのままで荒廃の極に達している、ついては該村神威脇船入まを築設されたいというのであります。  小島茂草船入澗築設請願でございますが、北海道松前小島村は日本海に面する道南ただ一つ漁場中心地であり、又本地内に産する松前陶石は礦量千百万トンで天草陶石同一品格を有する優秀品である、しかるに船入まがないため魚田開発並びに陶石積出に多大の支障を來している、ついては本村茂草に速やかに船入まを築設されたいというのであります。  上ノ國村に船入澗築設請願であります。本請願要旨は、北海道檜山上ノ國村は日本海に面する純漁村で、沿岸沖合漁業とも盛んであるが、七里に及ぶ長い海岸線を有する本村船入まが一つしかないので、漁業発展に大なる支障を來している、ついては本村沿岸既設石崎船入まの外に別途申請の汐吹船入まに併せて、最も地の利を得た上の國船入まを築設されたいというのであります。  次に江良船入澗拡張工事施行請願であります。本請願要旨は、政府昭和二十三年度計画において北海道松前大島村のある地点に港湾築造または既設港湾を完備して、本村地先の離島、大島周辺の新魚田開発を企図しているようであるが、その最適地本村江良港以外にない、ついては江良港の船入拡張工事施行されたいというのであります。  次に太櫓村に船入澗築設請願であります。本請願要旨は、北海道太櫓太櫓村は北海道の西端に位し、日本海に面する漁村であるが、船入まの設備がないため常に波浪の荒い本村においては出漁が思うようにならず、漁業振興に重大な影響を及ぼしている、ついては同村船入まを築設されたいというのであります。  次に具取澗村船入澗築設請願であります。本請願要旨は、北海道久遠貝取澗村は、魚族の豊富なる日本海に面し、純漁村として面目を保つてきたが、近來漁撈樣式が大規模となり、そのほとんどが機械化されるに及び、船だたり船入まの施設がないため、その施設を有する隣村に追随していくことができず、村民の收入は年一年と減少を來している、ついては無限なる日本海魚田國鉄瀕棚線を結ぶ海陸生産物資中継基地として最短距離にある同村字宮野、白泉及び長磯に船入まを築設されたいというのであります。  次に尻岸内村大澗口漁港設並びに背泊船入澗拡張請願であります。本請願要旨は、北海道亀田尻岸内村は本道屈指の惠山魚田沖合に有し、道近各沿岸を初め新潟、山形、宮城、若手よりの漁船並びに津軽海峽トロール操業船等がこの沖合に集つてくるが、函館以南漁港がないため、一朝しけに際してその混乱はなはだしく、遭難するものも多い、ついては本村大澗に漁港を築設し、山背泊船入まを改修拡張されたいというのであります。  次に鹿部漁港修築請願であります。本請願要旨は、北海道芽部鹿部村小漁港は、昭和九年に築設されたが、その後東防波堤は全面的に傾いて盛んに土砂が流入し、港内は埋つて、干潮時は陸地も同樣となり、多大の支障を來している、ついては本港の修築昭和二十三年度において施行されたいというのであります。  以上よろしくお願いを申し上げます。
  24. 馬越晃

    馬越委員長 ただいま一括議題となつております請願に対しまして、政府所見を質します。
  25. 藤田巌

    藤田政府委員 江差漁港附近における連絡中心港といたしまして、運輸省所管で処理されることになつておるのでございますが、漁業施設につきましては、將來諸般情勢を考慮いたしまして、その実現を期したいと考えております。なお熊石村の関内相沼泊川奥尻村の稻穗及び神威脇小島茂草上ノ國村、江良船入ま、貝取澗村尻岸内村大澗の船入ま及び太櫓村の船入ま、これらはいずれもその必要性は十分認められておるわけでございまして、具体的計画に関して愼重檢討いたしました上、財政の許す限り、なるべき速やかに実現するよう考慮いたしたいと考えます。なお釣懸港は奥尻附近中心連絡港として運輸省所管で処理されることになつておるのであります。漁業施設につきましては、將來諸般情勢を勘案いたしまして、その実現を期したいと考えております。それから鹿部漁港修築、これもその必要性は十分認められますので、財政の許す限り、なるべき速やかに実現するより努力したいと考えております。
  26. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  27. 馬越晃

    馬越委員長 それでは次に日程二三、上浜村小砂川に船溜築設の請願文書表第六五六号、村上清治紹介、本請願議題にいたします。村上清治君。
  28. 村上清治

    村上清治君 秋田縣と山形縣の縣境にあります上浜村小砂川港の問題でありますが、これは以前にも船だまり修築に着手したことがあるのであります。しかし村の財政が伴いませんために中止せられたものであります。この村は耕地が少く、海岸は船だまり場としての天然的要素には惠まれているのであります。しかるに船だまり修築いたしませんため、本村の耕地の少いのと、漁業が振いませんために、住民は主として農業を中心として、森林收入によつて生活をしているものでありますが、加うるにこの辺を通過している國鉄は羽越線のみでありまして、縣下産業開発のためにも非常に支障を來しているわけであります。ついては本村小砂川に船だまり修築せらるるよう請願する次第であります。
  29. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を質します。
  30. 藤田巌

    藤田政府委員 上浜村小砂川の船だまりを築設する必要は十分認められますから、これは具体的に檢討した上で、財政の許す限り、なるべく速やかに築設するよう考慮いたします。
  31. 馬越晃

    馬越委員長 他に御質疑ありませんか。なければ他の請願紹介議員がお見えになつておりませんので、後日に譲ることといたしまして、この際石原圓吉君より質問の申出がありましたので、これを許します。石原圓吉君。
  32. 石原圓吉

    ○石原(圓)委員 漁港が終戰後全國的に非常に多数の要望があるのでありますが、これは当然のことでありまして、いずれも緊要なものであると思うのであります。それとにらみ合わせて解決せねばならぬ問題があると思うのでありますが、これは終戰前にすでに漁港計画して、そうして一部が完成し、また完成せんとしてそのままになつているものは相当あると思うのであります。このものは地もと関係者においては、セメント等の資材がないからやむを得ないというような考え方で、じつと本省の方針、指揮命令等を待つているという状態のところも相当あると思うのであります。これをこのまま捨てておけば、あとの子が先になつて、終戰後言い出したものはでき上るが、戰前から計画してその必要性を認め、地元が相当の負担をして、また國も縣もそれに比例した予算を出してやつているものが、結局後回しになるというようなことが起つてくるのではないか、これは地元の要望のいかんにかかわらず、本省においてはその必要性を十分檢討して、たとい地元がじつとしておつても、本省としてはすでに國費を出し、縣費を出し、中途はんぱにしておるということは非常な醜態でもあるし、また漁業能率の上にもうまくいかぬと思うのであります。であるからこういう漁港及び船だまりは、各縣に相当あると思うのでありまして、これはたとい一年に一縣に一箇所ずつなりとも、この苦しい予算の中から捻出をされて、本省独自の立場から解決をしていくということが、私は当然とるべき処置でなかろうかと思うのでありまするが、これに対する御所見を伺つておきたいのであります。私としては未解決のもの、工事中で捨ててあるものは、たとい一年に一縣に一縣に一箇所ずつなりともぜひ解決していき、それから所規要求のものとを並行して完成を期せなければならぬものであると考えておる次第であります。この点を明確にしておきたいと思いますので、御所見を伺つておきたいのであります。  それからこれに関連したとは言えないのでありますけれども、終戰後軍艦、駆逐艦等多数の廃艦ができましたものを、ある地方では防波堤のかわりに拂下げを形け前、それをもつて築港をやらんとする計画があるようであります。漁港においてもさような計画があるのでしようか、その点はどうなつておりましようか。私の見るところでは、ただ軍艦を駆逐艦をもらつてきて、港の人口でそれを沈めても、防波堤としてはそのままではとうていうまくいかぬ所が多いのでなかろうか、基礎工事、またその船体の上層部分、中腹等へセメント、石材その他相当の資材を使つてうまく按配しなければ、簡單に船一艘を持つてきて沈めただけで港ができるというようなことにはいくまいと思うのでありますけれども、港によつては、まだその船の大きさや形によつては、全然間に合わないものでもなかろうと思うのであります。この際多数の軍艦やそういうものがあるわけでありまして、これをどういうことに利用したら最も漁港、船だまりのために有益であるかということは、お考えになつておるのでありましようか、御研究を願いたい点であると思うのでありますす漁港、船だまりに関係する点はその程度であります。  ついでに私が申したいのは、從來港湾協会というものがありまして、この港湾協会は全國の港を実現するに必要な権威のある推進力となつたものである。ところが今度漁港のみの協会ができた。この漁港のみの協会の機構ややり方が、もし下手をやると、港湾協会がいわゆる國土計画の方面の勢力に圧倒されて、かえつて予算の面でも、その他の方面でも不利益な立場になりはせんかということを私は心配するのであります。できた限りには非常な強力な権威のあるものとして、漁港漁港として、他の港湾と並行して——むしろより以上にできていく、実現性をもたすところの威力のある、権威のあるものにしなければならぬと思うのでありまして、これらに対しては出発点を誤ると、全國の漁港、船だまりのために非常に不利益になると考えますので、十分御檢討をお願いしたいと考えるのであります。  次には金融の問題でありますが、水産金融にありましては、大体主として復興金融金庫の融資の問題でありますが、遠洋漁業、資本漁業会社、その他加工、製氷等には相当融資をされたようであります。しかるに一番重要な沿岸漁業に対する融資がどうも不徹底なようであります。復興金融金庫においても、本所も支所もこの沿岸漁業に対する融資に対しては二の足を踏んでおるような点があるのでありまして、これは漁獲物の数量を比較におきましても、また今日までの成績におきましても、一番重要視しなければならぬ沿岸漁業に対する融資の問題が不徹底であるということは、増産に影響するのみならず、全國の沿岸漁業者に対して意氣沮喪せしめるおそれがあると思うのであります。殊にあぐり網、流し網、地引網、それらの定置漁業はむろんでありますが、それらのものに対して急速に復興金融金庫は、これまで融通した遠洋漁業や製氷や、その他のところに融通した以上の熱意をもつて、融資をすることにしなければならぬと思うのでありまして、これは早急にその方針をとるように、局長より特に復興金融の部門について申入れをし、またあるいはその他の方法をとつて、急速に実現するように御処置を願いたいと思うのであります。以上に対して所見をお伺いしたいのであります。
  33. 藤田巌

    藤田政府委員 第一に御質問のございました終戰以前から計画したもので資材その他で行詰まつておりますものの問題、及び軍艦の拂下げの問題は林技官から説明をしていただきまして、そのあとの問題を私からお答えいたしたいと考えております。  漁港修築必要性というものは、これはひとしく認めておるところでございますが、從來なかなかこの方面に対して予算その他のわれわれの要求が実現しないようなうらみが非常にあつたのでありまして、一般にもつと漁港修築必要性というものを十分に各方面に認識せしめる必要があると考えておるのであります。その意味合におきまして、最近漁港協会が設立されまして、いろいろと民間の團体としてこの方面の実現をはかりますために、強力に計画をし、また推進をしていただく機構のできましたことは、まことに結構だと考えております。お話のように私どもといたしましては、この漁港協会の今後の活動に非常に期待をしておるわけでございまして、その機構なり、運営の問題については、お話のように権威あるものにすることは、これはもちろん必要なことであろうと考えております。今度とも十分そういうふうな点につきましても、私どもといたしましてはできるだけ注意をいたしまして、やつてまいりたいと考えておる次第であります。  なお沿岸漁業方面の金融の問題のお話が出たのでございますが、御指摘の通りに、この方面の金融というものは、非常な不利な立場に現在おかれておるのであります。私どももこの点は非常に痛感をいたしております。ただこの点につきまして、現在の復興金融金庫の実際の運営によつて、ある程度はもちろんこの方面にも融資していただくくとはできようかと考えております。その方面に力を私どもとしても注いでまいりたいと考えております。しかしながら、これは端的に申しますと、現在の復興金融金庫のあの形で、また今やつておりますようなことでは、なかなかわれわれの考えておりますような零細漁民の、しかも生産者團体のきわめて貧弱なるものに対するところの金融というものは、どうしても欠けるように考えております。それはやはり特別にそういう使命をもつたところの新しい金融機関というものができるということが、やはり望ましいのではないかというふうに思つておるのでありまして、この点についてはいわゆる農林、漁業の中小業者というものを対象にいたしました、殊にまたそれらの協同組合を対象にいたしましたところの特別な金融金庫の設定ということを、現在農林省としては計画をして、それによつて関係方面に交渉をしておるわけであります。私どもといたしましては、この機関が速やかに実現されて、お話のございますように沿岸漁業者の方面にも理解のあるところの融資のできるようにやつてまいることがやはり必要ではないか、その方面に私どもとしては努力をいたしたい、かように考えております。
  34. 林眞治

    ○林説明員 第一のすでに着手いたしましたものの資材その他の関係で一時中止の形になつているそういう問題に対しましてお答えいたします。戰爭中、あるいはそれ以前に着手いたしましたもので、資材、特にセメントの面について非常に窮屈になつてまいりました。セメントが入手困難の場合には、ほとんど工事の進捗も見られないというようなものが多少出てまいつたわけでありまして、この点につきましては、やむを得ず一時工事施行を停止しておる次第であります。計画そのものを決して放棄したわけではありません。資材の入手の見透しがつき次第、なるべく速やかにこれをやつていきたい。工事場所の性質によりましては、他の資材で一應代替いたしまして計画を進める、あるいは工事場所の変更、勘案というようなことによりまして、工事の継続をし得る場合にはやつておりまするが、絶対にセメントでなくてはどうにも進捗が見られないというようなものは、やむを得ず一應工事の実施を中止しておるような状態で、なるべくこれは早くやりたいと思つておりますが、二十三年度におきましてはまだ実際上においてセメントの見透しというものが確定いたしませんので、二十二年度よりはよくなつてくるとは考えておりますが、來年度あたりは相当セメントを上向いてくると考えておりますので、なるべく既定の方針に從いまして、その実現を奬励していくようにいたしたい、このように考えております。  それから廃艦の問題でありますが、れもこ漁港、船だまり関係におきましても実施する計画を立てて着々やつておりますのが、ただいまのところ二箇所ございます。この廃艦の問題につきましては、いろいろ関係方面との折衝もありまして、多少めんどうな面もあるのでありますが、ようやく二箇所だけは最近実現することに決定いたしております。なおこれに適当な場所があれば考えてまいりたいとは思つておりますが、だんだんと廃艦使用の問題につきましてはいろいろの條件が起きてまいりまして、今後は愼重に考えてまいらなければならぬかと考えておりますが、この施行につきましては、いろいろお話のございましたように、ただもつてまいりましただけでは、これは安定も惡いし、どうにもならないのでありますが、先ほど申し上げましたように、セメントの関係などもありまして、さしあたり内容を全部コンクリートで填入するということは、これは現状からいつてなかなか困難でありますので、内容につきましては、主として大小の石材をまぜ合わせて使用する。それから將來セメトントが相当多量に出ました場合にセメントを注入するというような方法も、ただいまのところ考えておるわけであります。それから安定の問題、つまり基礎の問題その他につきましては、十分安定計算などをいたしまして万遺憾ないようにいたしておる次第であります。大体以上でお答えといたします。
  35. 石原圓吉

    ○石原(圓)委員 金融の問題でありますが、御承知のように遠洋漁業や大型船、捕鯨船等の金融は、乘組員には重大な利害関係があるが、あとは資本関係である。その人の数から見れば非常に少い。ところが沿岸漁業のあぐり網というものになると、乘組員は六十人であるが、その家族が背後に七、八百人も千人も生活しなければならぬ。こういうような実情においては、この零細な非常な多数の生活問題に直面しておるのでありますから、殊に復興金融金庫の性格といたしまして、一般金融機関より融資の状態として危險を感ずるものを復興金融が融通するというのが、建前でありまするから、この見地から申しましても、この零細な沿岸漁業を速やかに救済するという意味の融資を、至急お手配を願いたい。昨今農林省において金融のわくを査定する。査定を受けて許可を受けたら、もう漁業者は喜び勇んで家に帰るが、どこへ行つても金は借りられないというので、再び失望して計画も瓦解するというのが多いのであります。局長の言われる將來の金融金庫、水産金庫、農林金庫等は、これはぜひ必要でありますが、それが実現されるまでの、今日ただいまの、局で査定されるものに対する融通は今すぐの問題でありますから、これをまず解決してやつていただくように特に希望申し上げる次第であります。なおその他申し上げたいが、委員長の御注意がありましたのでこの程度に止めまして、次にまたお尋ねいたします。
  36. 馬越晃

    馬越委員長 本日はこれをもつて散会いたします。次の日程は公報をもつて御通知いたします。     午前十一時二十二分散会