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1948-06-09 第2回国会 衆議院 水産委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月九日(水曜日)     午後一時四分開議  出席委員    委員長 馬越  晃君    理事 石原 圓吉君 理事 夏堀源三郎君    理事 西村 久之君 理事 庄司 彦男君    理事 藤原繁太郎君 理事 三好 竹勇君       坂本  實君    關内 正一君       仲内 憲治君    本間 俊一君       金野 定吉君    矢後 嘉藏君       吉川 兼光君   青木清左ヱ門君       小松 勇次君    内藤 友明君  出席政府委員         農林事務官   藤田  巌君  委員外出席者         議     員 内海 安吉君         專門調査員   小安 正三君     ————————————— 本日の会議に付して事件   請願  一 魚の公定價格改訂に関する請願中村俊夫    君紹介)(第四九号)  二 水産廳設置その他漁業に関する請願多賀    安郎吉君八名紹介)(第一三七号)  三 男女群馬島開発請願藤原繁太郎君紹    介)(第一九九号)  四 魚の公定價格改訂に関する請願馬越晃君    紹介)(第二二三号)  五 漁業者に対する復興金庫よりの融資に関す    る請願馬越晃紹介)(第二二四号)  六 同(馬越晃紹介)(第二三八号)  七 魚の公定價格改訂に関する請願馬越晃君    紹介)(第二四〇号)  八 同(松原一彦紹介)(第四二二号)  九 魚介類小賣利潤改訂に関する請願小澤專    七郎君紹介)(第四六五号) 一〇 魚介類小賣利潤改訂に関する請願中原健    次君外一名紹介)(第五二九号) 一一 内水面水産増殖に関する請願田中源三郎    君紹介)(第五四九号) 一二 羅臼村の各河川に鮭鱒孵化場設置請願(    伊藤郷一君紹介)(第六四七号) 一三 水産業対策に関する請願馬越晃君外十二    名紹介)(第六七九号) 一四 魚の公定價格改訂に関する請願中村俊夫    君紹介)(第七五号) 一五 網走支廳管内オホーツク沿岸北海道水    産試驗場支場設置請願永井勝次郎君紹    周)(第九〇五号) 一六 即岸漁業助成に関する請願馬越晃君外一    名紹介)(第九三三号) 一七 網走市に水産試驗場支所設置請願永井    勝次郎紹介)(第一一六一号) 一八 漁業協同組合法制定促進請願田中稔男    君紹介)(第一一七一号) 一九 鮮魚介陸揚地に対する地区別報奬物資差別    撤廃請願田中稔男紹介)(第一一九    〇号) 二〇 伊萬里湾漁業権開放に関する請願内海安    吉君紹介)(第一二一〇号)   陳情書  一 水産廳設置並び水産業團体法改等に関す    る陳情書(第三五号)  二 漁村対策に関する陳情書(第二三九号)  三 水産物生産増強等に関する情情書(第三    四二号)  四 魚類統制價格撤廃に関する陳情書(第四    九二号)     —————————————
  2. 馬越晃

    馬越委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き請願審議をいたします。なお採決は前会同樣審議愼重を期するため本委員会付託の全請願審査終了の上いたしたいと思いますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 馬越晃

    馬越委員長 ではさように決定いたしました。日程第一、魚の公定價格改訂に関する請願は、紹介議員がまだ見えておりませんので、後回しといたします。日程第三、男女群島開発請願文書表第一九九号を議題にいたします。まず紹介議員藤原繁太郎君の説明を求めます。
  4. 藤原繁太郎

    藤原委員 男女群島開発に関する國庫全額負担の件につき、紹介議員といたしまして一應簡單な御説明申し上げます。  男女群島長崎縣南松浦郡富江町に属しておりまして、五島を離るること南西洋上約四十海里に位置しております。男島苫路岐島、寄島、花栗島、女島の五つの小島からなつておりまして、男島面積において二百三十一町歩女島は百二十七町歩、沿線は男島は三里、女島は二里半といつたような絶海の孤島としては比較的大きい面積をもつております。この地方は南方漁場といたしまして非常に魚族の多いところでありまして、長崎縣ばかりでなく、南方遠洋漁業をする者はみんなこの周辺に集まりまして、漁業を営んでおるという状態なのでありますが、何分にも拠り所がなく、季節風並びに颱風の通過路になつておりまして、非常に犠牲が多いのであります。今までの統計を見ますと、船において一千艘、人間において三千人からの犠牲を受けておる。こういう状態になつておりまして、日本將來水産という面から見ましても、速やかにこの地区漁港を開設して、水産に貢献さしていただきたいという念願でありまして、長崎縣といたしましては農林省並び運輸省にも慫慂いたしまして、一昨年の夏一部の調査をいたし、三十戸ぐらいの住民をもつという計画をいたしたのでありまして、その工費は当時の金額において四千万円、三箇年計画になつておりました。速やかに全額國庫負担において開発せられんことをお願いする次第であります。どうか本委員会におかれましても実情斟酌の上御採択あらんことをお願いいたします。
  5. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対する政府所見を求めます。
  6. 藤田巌

    藤田政府委員 男女群島漁港、根拠地の設備をいたします必要は、私どもといたしましてもこれを認めておる次第でありまして、昭和二十三年度の予算計上の際にも、農林省といたしましてはこれを要求した次第でございますが、財政その他の関係上、現在までのところは実現困難になつておる次第であります。しかしながら私どもとしては今後とも財政の許す限り、できるだけ速やかな機会にこれが実現いたしますよう努力いたしたいと考えておる次第であります。
  7. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対しまして他に御質疑はありませんか。——質疑はないものと存じます。     —————————————
  8. 馬越晃

    馬越委員長 次は——  日程第四、魚の公定價格改訂に関する請願文書表第二二三号、馬越晃紹介。  日程第五、漁業者に対する復興金融金庫よりの融資に関する請願文書表第二二四号、馬越晃紹介。  日程第六、漁業者に対する復興金融金庫よりの融資に関する請願文書表第二三八号、馬越晃紹介  日程第七、魚の公定價格改訂に関する請願文書表第二四〇号馬越晃紹介四  日程第一六、沿岸漁業助成に関する請願文書表第九三三号馬越晃君外一名紹介。これは関連性をもつておりますので、一括して上程いたしたいと存じます。私より本請願趣旨説明いたしたいと存じます。  日程第四は鮮魚に対する現行統制價格鮮度品質の点が全然考慮されていないため、これと格段の差違ある遠洋物も同一視されており、能率漁業による漁獲物に有利であり、非能率漁業による漁業に不利である、これは統制の主眼が高級魚よりも大衆魚へと向けられた結果であるが、そのため沿岸の小漁民には極めて不利である、ついてはこの統制價格を是正するとともに能率漁業による漁獲物以外は統制撤廃されたというのであります。  日程第五は漁船建造はわが國水産業復興対策上緊急の重要問題であるが、最近建造費は急激に高騰して、今までのよう復興金融金庫融資額ではとうていその建造はできない、ついては漁業者に対する復興金融金庫融資はその実情に即した取扱をされたいというのであります。  日程第六はこれはただいま御説明申し上げました日程第五と同じ趣旨でございますので説明を省略させていただきます。  日程第七は日程第四と同じ趣旨でございますので、やはり説明を省略させていただきます。  日程第一六は現行の魚の價格統制は、鮮度の良否による品質の差違については全然考慮されておらず、また能率漁業による漁獲魚種に有利で、沿岸漁業による漁獲魚種に不利であるため、沿岸漁業者の生活は極めて不安定である、ついては沿岸漁業再建のため(一)高級魚價格統制廃止(二)沿岸漁業者労務加配米の交付(三)漁具保險制度設立(四)漁業に対する税制の改善とこれを事業税の対象より除外(五)農林水産復興金庫設置(六)系統團体燃油配給事業復活等措置を講ぜられたというのであります。本請願に対しまする政府所見を質したいと存じますが、この際先般前回の委員会におきまして  日程第二、水産廳設置その他漁業に関する請願文書表第一三七号、多賀安郎君外八名紹介  日程第八、魚の公定價格改訂に関する請願文書表第四二二号、松原一彦紹介  日程第一〇、魚介類小賣利潤改訂に関する請願文書表第五二九号、中原健次君外一名紹介  日程第一三、水産業対策に関する請願文書表第六七九号、馬越晃君外十二名紹介 この請願はそれぞれ紹介議員説明を聽いておりますので、これも同一趣旨請願でございますので、同時に政府所見を質したいと思うのであります。
  9. 藤田巌

    藤田政府委員 ただいま御説明のありました請願事項に関しまして意見を申し上げたいと考えております。まず魚價の問題でございますが、現在の魚價を是正をし、しかも沿岸小漁民の捕獲するようなものについては統制撤廃されたいという問題でありますが、魚價の問題につきましては、数次の改正によりまして漸次高くなつてまいつておるわけでありまして、われわれといたしましても今後とも魚價改訂の際には不合理なことのないように、しかもまた生産費を償い得て、公定價格出荷いたしますことによつて事業を継続していけるというふうな、合理的な妥当な魚價を決定してまいりたいと考えておるわけであります。なお高級魚統制一部撤廃の問題につきましては、從來からも各方面から御意見のあるところでございまして、今般政府において閣議決定をいたしました新しい強化対策の中にも、この問題を取上げておるわけでありまして、まだい、ちだい、さわら、すずき、しらうお、及び海産性あみ、新しくこれだけの種類のものをこのたび統制撤廃したわけであります。しかしながらこの問題については、今後の撤廃後の各種事情をも檢討いたしまして、それによつて統制全体が非常に影響を及ぼされるようなことがあるか否か、また撤廃をいたしましたことが、うまく合理的にその趣旨によつて実現をされておるかということをよく研究をいたしました上、さらにそれ以後の問題についても適当な考慮してまいりたい、かように考えておるわけであります。  それから鮮度の問題が出ておりますが、これは公定價格がございます以上は、どうしても鮮度のよし惡しでもつて價格をきめるということは実現不可能なわけでありまして、やはり價格は一率にこれを決定いたさなければならぬのでありますけれども、今回鮮度を非常に重んずるというふうな考え方からいたしまして、鮮度の良好なるものの出荷についての報奬制度を考えておるわけであります。それによつて鮮度の良好なものの出荷奬励をいたすことによつて、できるだけ鮮度の保持に一般の認識が深められていくということに向けてまいりたい、かように考えておるわけであります。  それから次に漁船建造の問題でございましたが、從來漁船建造に対しまして復興金融金庫方面から融資をいたしておりますが、契約当時と引渡しの当時とは非常に建造費が高騰してまいりまして、とうてい借りた金では引渡しを受けることができない。そういう事態がたくさん出ておりますことは、私ども承知をいたしておるわけであります。現在そういうふうな問題で、非常に船主側造船所側とで問題を起しておりますものについては、これを運輸省あるいは安本、農林省、その他各関係官廳、その他金融機関も集まりまして委員会に組織いたしております。その委員会によつて具体的にこれを解決をしていく、そうして必要があればまたさらにそれに対する融資金融機関に対して依頼をする。こういうようやり方で具体的な問題によつてこれを解決してまいりたいというふうにやつておるわけであります。  それから將來金融の問題としての農林漁業復興金庫の問題については、これは私どもとしても十分必要を痛感をいたしております。農林省として極力これが実現を期しておるわけでありますが、まだ関係方面との完全なる了解には立至つておらないわけであります。今後ともこの問題については、私どもとしては急速に実現するよう努力をしてまいりたいと思つておるわけであります。  それからそのほか二、三の点についての請願がございました。たとえば沿岸漁業者労務加配米を交付するようにしてもらいたいということであります。現在もやはり沿岸漁業者にはリンンによる方法によつて加配米を交付する方法がとられておるわけであります。しかしながら実際問題といたしましては、その加配リンク率が地方的には非常に惡くなつております関係上、漁業者が必要とする米をその分のみでは充たすことができないよう事情のあることも承知いたしております。私どもといたしましては、これは現在一定漁業、たとえば捕鯨、トロール、以西の低引あるいはかつお、まぐろというふうな一定漁業專業漁業者につきましては、一定量加配をする、つまり一日五合になりますように、基準配給の二合五勺にさらに二合五勺の加配米禎すということでやつているわけでありますが、この制度をできるだけ他の漁業部門へも及ぼしていきたいというふうなことで、現在食糧管理局方面にも話をしているわけであります。私どもといたしましては、專業漁業労働者加配米については、できるだけ確保のできるようにやつてまいりたいと考えております。しかし沿岸漁業者全体に定量加配というふうなやり方をとりますことは、沿岸漁業者の数あるいは沿岸漁業者自体半農半漁民であるというふうな部分も相当廣いわけでありまして、その点については多少難色はあるかと考えております。先ほど申し上げましたように、はつきりと把握し得る漁業部門については、できるだけ定量加配制度というふうなやり方で、その必要なり米の確保に努めてまいりたいというような方針で進んでいるわけであります。  それから漁具保險制度設立の問題でありますが、これは私どもといたしましてもその必要を痛感しております。なおこの制度を確立するに必要なる基本的な資料について、現在これが蒐集について努力中であるわけであります。この問題もわれわれといたしましては、できるだけ速やかに調査をしまして、なお財政その他の許す限り、この制度が急速に実現されるようにしてまいりたいと考えているわけであります。  それから系統團体燃油配給事業復活という問題でありますが、これは現在御承知の通り、漁業協同組合法がまだ正式に決定しておらないわけであります。從つてその間における暫定的な取扱いといたしまして、個人の資格によつて從來通りできるだけ実情に即してこれを配給業者として登録して措置するようにやつているわけであります。協同組合法制定を見、設立を見ました曉におきましては、私どもとしましても、できるだけこれらの團体燃油配給事業に從來携わつておりましたようやり方で現わるようにやつてまいりたい、かように考えているわけでありますがゐなおこの問題につきましては、規則の関係その他関係方面の意向も徴さなければならぬと考えます。私どもといたしましてはさような方向に努力してまいりたいと思つているわけであります。
  10. 馬越晃

    馬越委員長 次は——  日程第一、魚の公定價格改訂に関する請願文書表第四九号、中村俊夫紹介、  日程第一四、魚の公定價格改訂に関する請願文書表第七五号、中村俊夫紹介、  日程第九、魚介類小賣利潤改訂に関する請願文書表第四六五号、小沢專七郎紹介  以上三案は紹介議員が御不在で御出席になつておられませんから、便宜藤原繁太郎君に代理を願つて説明を聽くことといたします。藤原繁太郎
  11. 藤原繁太郎

    藤原委員 魚の公定價格改訂に関する請願趣旨は、今回政府は新物價格体系に基く魚類公定價格改訂されたが、その算定の根拠に重大な誤りがあり、きわめて不合理不公平で、全國三百万漁民の三分の二以上を占める沿岸漁民困窮ははなはだしい、ついては政府は速やかに正当なる調査を行い、大衆以外のものは公定價格より除外し、鮮度高低に基き適当なる自然の價格に任されたいというのであります。  日程第一四は同じく魚の公定價格改訂に関する請願要旨でありますが、今回政府昭和九、十、十一の三箇年平均價格の六十五倍を目途として魚類公定價格を定めたが、その算定に重大な誤りがあり、沿岸漁業者困窮ははなはだしい、ついては速やかに正当なる調査を行い、魚の鮮度高低に基く複数制公定價格制定されたいというのであります。  次は魚介類小賣利潤改訂に関する請願で、これは小沢專七郎紹介となつております。その要旨は、生鮮食料品確保に関する緊急具体措置の実施に伴い、魚介類の小賣業者が正常な配給を行い、民生安定に寄與しようとしても、その経営の維持を困難となりつつあるので、魚介類の小賣利潤を最低三割に改訂し、税金を最小限に低減されたいというのであります。  以上三案の政府の御説明をお願いいたします。
  12. 馬越晃

    馬越委員長 ただいま議案となりました三件に対しましては、すでに上程せられました同一請願に対しまして、政府より説明を聽取いたしておりますので、この説明を省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 馬越晃

    馬越委員長 それでは省略することにいたします。     —————————————
  14. 馬越晃

    馬越委員長 次は日程第二〇、伊萬里湾漁業権開放に関する請願文書表第一二一〇号、内海安吉紹介内海安吉君に御説明を願います。
  15. 内海安吉

    内海安吉君 佐賀縣伊萬里湾における漁業権長崎縣に占有せられまして以來、いろいろな問題が起りまして、昭和二年ごろより長崎縣との間に入漁契約によりまして、辛うじてその漁業を経営してまいつたのでありますが、長崎縣側操業の際は、佐賀縣側は遠慮しなければならない状態であつて、しかも入漁契約がその漁業にひどく制肘を加えておりまして、せつかく漁場を目の前にながめながら漁業権のない佐賀縣漁民操業が著しく制約せられるところとなつて漁業権の有無が、操業の成果に決定的な判定を下すこととなつて佐賀縣側は優れた技術を有しながら、漁業権をもたないため、最も不利な條件のもとにおかれ、現在におきましては漁業の沈滯はもちろん、一大危機に直面しておるような次第であります。これが対策といたしまして伊萬里湾における漁業権長崎佐賀縣民による共同取得とすること、海の行政に関する限り縣ブロツクを打破されたいこと、すなわち今日のごとき制約の覊絆から脱して、自由に伊萬里湾における漁業権長崎縣のみに限らず、佐賀縣漁民にも開放し、共同所有としてもらいたいのであります。その第二は長崎佐賀縣民操業による漁業の荒廃、その他紛爭の調停、漁業指導機関として調整委員会設置を要望してやまないのであります。以上何とぞ御了承くださいまして、御採択あらんことをお願い申す次第であります。
  16. 馬越晃

    馬越委員長 本請願に対しまする政府所見を質します。藤田政府委員
  17. 藤田巌

    藤田政府委員 漁業権制度改正につきましては、現在漁業法改正をいたしまして、漁場を総合的に利用し、しかも漁業生産力の増進と漁村民主化をはかる趣旨をもちまして、今急いで関係法律改正について、各方面と最後的な打合せをしておるところでございます。この請願の問題につきましても、新しく改正されまする漁業権制度のもとにおきまして、関係海区に漁業調整委員会設置いたしまして、その漁業調整委員会によつて当該漁場実情に即して、最も合理的に、総合的に漁場を利用する方式を決定していただきまして、それによつて新しく免許の再配分をしていく。その他の各種漁業調整をやつていくというように進んでまいりたい、さように考えておりますので御了承を願います。
  18. 馬越晃

    馬越委員長 本日ただいままでに上程いたしました請願につきまして、他に御質疑がございませんか。——質疑はないものと存じます。他の請願につきましては紹介議員がお見えになつておりませんので、これは後廻しにいたすことにいたします。     —————————————
  19. 馬越晃

    馬越委員長 次は陳情審議いたしたいと思います。なお陳情採決請願同樣審議愼重を期するため、本委員会送付の全陳情書審査終了の上いたしたいと思いますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 馬越晃

    馬越委員長 ではさように決定いたします。  一、水産廳設置並び水産業團体法改正等に関する陳情書文書表第三五号、都道縣水産業会協業会代表東京中央東京水産業会長平林龍  二、漁村対策に関する陳情書山口縣漁民大会漁村対策委員会委員長山口縣豊浦豊西大字吉毎松尾百合一外八千百九十名第二三九号  三、水産物生産増強等に関する陳情書靜岡縣漁業者大会靜岡縣水産業会長佐野寅藏第三四二号  以上三件を議題にいたしますが、便宜上子安專門調査員にこの陳情書の朗読をいたさせます。     〔子安專門調査員朗読〕  水産廳設置並び水産業團体法改正等に関する陳情(第三五号)    陳情書 都道縣水産業会協議会代表 東京中央東京水産業会長 平林龍 都道縣水産業会協議会は次の議事項につき、政府に対し要望する旨議決したについては、速やかにこれが実現を図られたい。 一、水産行政機構一元院し且つこれを拡充強化するため、水産廳設置を急速実施すること。二、水産業團体民主化するため、水産業團体法改正を急速実施すること。 三、現行水産業團体資産処分の制限を速かに廃止すること。 四、現在閉鎖機関に指定せられている中央水産業会資産は、將來実現せらるべき漁業協同組合中央機関に引継がるべきものであるがゆえにその設立を見るまで、本資産処分を行はれざるよう措置すること。 五、中央水産業会閉鎖機関に指定されるとともに、同会附属漁業会学校閉鎖なつたが、これは水産業團体中堅的人物養成の我が國唯一教育機関であり、設立経緯特殊事情もあり、同会資産として一律に処理されるのは妥当でないから、右学校関係資産は今回の閉鎖より除外されるよう措置すること。     ————————————— 漁村対策に関する陳情(第二三九号)   陳情書 山口縣漁民大会漁村対策委員会委員長 山口縣豊浦豊西大字吉母 松尾百合一外八千百九十名 食糧問題の解決水産物増産に俟つところ大であるが、幾多の惡條件のためにその増産はもとより、日本漁業特に沿岸漁業は頻死の状態にあるがゆえに、現下食糧事情並び沿岸漁民の窮状を打開するために(一)地方的、季節的、鮮度等を考慮した合理的價格を設定し(二)水産局による劣弱なる行政を改め綜合的一元的機構たる水産廳設置し(三)沿岸漁業に対する融資積極化並びに手続の簡易化を図り(四)漁業法改並び漁業協同組合法制定を促進する等の措置を講ぜられたい。     ————————————— 水産物生産増強等に関する陳情(第三四二号)   陳情者 静岡縣漁業者大会静岡縣水産業会長 佐野寅藏 水産物生産増強生鮮食糧品完全供出現下経済情勢下において、極めて肝要であるが、これがためには生産資材完配魚價引上対策甲乙地区区別撤廃等を必要とするから、速やかにこれせ対策を講ぜられたい。
  21. 馬越晃

    馬越委員長 それでは本陳情書に対する政府所見を質します。
  22. 藤田巌

    藤田政府委員 水産廳設置につきましては、すでにこれは閣議において設置を決定されております。現在までの経過に簡單に御報告申し上げますと、これは農林省設置法の中に織込んで、現在司令部のガヴアメント・セクシヨンのアツプルーブルを得るために出しておるわけでありまして、まだ完全なる承認がまいつておりません。それからもう一つは、行政調査部の方で農林省設置法につきましていろいろ意見があるわけでありまして、司令部方面とそれから行政調査部方面との間にも話合いをつけるために、現在折衝中と聞いております。ただ問題になつておりますところは、水産廳の部分ではございません。水産廳の部分につきましては、これはガヴアメント・セクシヨンの方も行政調査部の方も完全に了解がついておるわけであります。それ以外の農林省の他の部局の問題につきまして多少懸案になつておるのでございまして、そのために延びておるわけであります。私どもの聽いておりますところでは、この問題も近く解決いたす見込みであります。解決つき次第議会に農林省設置法は上程されるというふうに考えております。  それから水産業團体法の問題、新しい漁業協同組合法の問題につきましては、これは先ほどちよつと御説明いたした通りでありまして、なおこの法案の詳細につきましては、次の委員会において詳しく御説明いたしたいと考えております。その中にただ現在の水産業團体資産の制限を撤廃する、資産制限を解除するという問題がございましたが、これは実現は困難かと考えております。  それから中水自体の資産を、將來中央團体のできるまでこれを存置する問題でございますが、これもこの次の委員会が詳しく御説明いたしたいと考えておりますが、漁業協同組合連合会の中央團体というものをつくることは困難かと考えております。從つてわれわれといたしましては、この中水の資産につきましては、陳情趣旨にありますように、もともと漁民の出資による財産でございますので、その趣旨からいたしまして、適当なる團体にこれを讓り渡すというふうに指導をしてまいりたい、かように考えておるわけであります。  それかに漁村対策の問題でございましたが、合理的な魚價設置する問題、それかに水産廳設置の問題、それから沿岸漁業に対する融資積極化、手続の簡易化の問題、あるいは漁業協同組合法設置の問題、これはいずれも御説明をいたしました通りでございます。  それかに水産物増産対策のうちで、甲級、乙級の区別を撤廃する問題でございますが、これにつきましては、最近決定いたしました新強化対策によりまして、全面的に甲級陸揚地を撤廃するわけにもいかぬのでありますけれども、從來の実績、生産、集出荷、輸送等の諸條件を勘案いたしまして、整理すべきものはこれを整理していく。一部を乙級陸揚地に変更していく。またあまり少数な甲級陸揚地につきましては、新しく追加をする。そうして方向といたしましては、甲級陸揚地は漸次これを整理をいたしまして、確実に農林大臣が責任をもつて把握し得る場所にのみ止めていく。他の場所はこれを知事にお任せをいたしまして、知事の責任出荷の体制に移していきたい。かように考えております。  なおリンクの問題、資材の裏づけの問題についても、私どもも必要を痛感しておりますので、統制が存続します限りは裏づけ物資は確実にこれがはいる、約束しましたリンク物資が確実に手にはいるというふうに、今後とも確保する手段を具体的に実行してまいりたい。かように考えるわけであります。
  23. 馬越晃

    馬越委員長 以上の陳情に対しまして、他に御質疑はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 馬越晃

    馬越委員長 御質疑はないものと存じます。  残余の請願はこれを延期し、本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつて御通知いたします。     午後一時五十五分散会