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1948-05-06 第2回国会 衆議院 水産委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年五月六日(木曜日) 午前十一時七分
開議
出席委員
委員長
青木清左ヱ門
君
理事
夏堀源三郎
君
理事
西村
久之君
理事
三好
竹勇
君
理事
鈴木
善幸
君
石原
圓吉
君 坂本 實君
冨永格五郎
君 仲内 憲治君 森 幸太郎君 本間 俊一君
金野
定吉
君
藤原繁太郎
君
宇都宮則綱
君 神山 榮一君 内藤 友明君 受田 新吉君 河口 陽一君
委員外
の
出席者
大藏事務官
忠 佐市君
專門調査員
小安
正三
君 ————————————— 本日の
会議
に付した
事件
漁業課税
に関する件 —————————————
青木清左ヱ門
1
○
青木委員長
これより
会議
を開きます。
石原圓吉
君より、
漁價並びに資材
の
問題等
に関し
発言
を求められております。これを許します。
石原圓吉
2
○
石原
(圓)
委員
西日本水産振興会
におきましては、二十三年四月二十五日
大会
を開きまして、以下申し述べる各項目に対する
陳情
をいたしてゐるのであります。この
西日本水産振興会
は、
大阪以西
の
漁業題係者
を網羅しておるものでありまして、およそ全國の半数に達する
漁業者大衆
よりの声であります。第一に
高級魚
に対する
價格統制
を廃止されたい。現行の
制度
は
價格算定
の基礎に大なる
誤謬
がある。この
誤謬
の点につきましては
陳情書
に明記してありますから、
説明
は省略することにいたしますが、
從來高級魚
というものはいわゆる
大衆
の口にはいらないのでありまして、大体旅館、
料理店
その他いわゆる生活の高き家庭へはいるのであります。この
高級魚
が採捕されるまでには、
從つて種々
の
大衆魚
と此較にならないほどの時間と
漁具
とその他の
資材
に対する費用が莫大に要るのでありまして、
大衆魚
と同率にやるということは根本より
間違
つて
いるのであります。これは長く叫ばれていることでありますが、この價格を
撤廃
するということは、
物價局等
よりは間接に漏れているけれども、まだ
撤廃
するもののごとく
新聞等
には出るけれども、実際未だ確定しないのであります。しかし
漁業関係者
は、すでに
撤廃
になるものと信じて
漁獲
に対する準備をして、現在
漁獲
に着手しつつあるのでありますが、この
高級魚
の
漁期
はもう目前に差迫
つて
おるのでありまして、この一両月が最も
漁期
の重要な時期でありまして、これが速やかに
撤廃
が
発表
されない場合には、
漁業
がたちまち停止され、
漁業者
が沖に出ないおそれがあるのであります。であるから、これは今日ただいま速やかに
高級魚
の
價格統制
を
撤廃
してもらわなければならぬという
趣旨
であります。 次は
沿岸漁業者
に対して
労務加配米
を交付されたいという問題であります。
遠洋漁業
、トロール、その他各種の
漁業
に対して
加配米
を出しておるのにかかわらず、
沿岸漁業
にはどうして
加配米
が今日まで交付されないのか、この点は非常に不合理なのでありまして、
遠洋漁業
その他は港を出てから戻るまでの間、船員としては
漁業
に從事する以外に、あるいは
漁業
以外の
労働
というものはむしろ
沿岸漁業
よりその率は低いのでありまして、
沿岸漁業者
こそ
沿岸
と沖との往復が頻繁に行われるので、
労働
の上からはむしろ
沿岸漁業者
に
加配米
を出さなければならぬというのが事実であります。それにかかわらずこのことが未だ実行されないということは、
漁業
の減退を
來す
よりしかたがないという
実情
にあるのでありますから、これは速やかに
沿岸漁業者
に対して
労務加配米
を交付されたいという
趣旨
であります。 次は
漁具
及び
漁場
に対するところの
保險制度
を設けられたいという点であります。
從來漁船
には
保險制度
がありますけれども、定價
漁業
であるとか
養殖業
であるとか、そういう
漁場
内の
設備
、
種々
の海に対する
設備
についての
保險制度
がないのであります。また網であるとか綱であるとかいうような
漁具
が失われた場合、またははえなわというものが失われた場合の
保險制度
がないのであります。
從つて漁業者
は非常なはからざる損害をこうむるのみならず、ここに
一大支障
を生じておるのは、
漁船
は
保險制度
があるから、
復金
、中金その他
金融
の面においては、相当今日までは円滑に
融資
されておるのでありますけれども、
定置漁業
のごとき、また
漁船
以外の
漁具
のごときは、少しも
金融
の
対象
にならないことにな
つて
おるのでありまして、この際これらの
漁船
以外の
漁具
、
漁場
の
設置等
へも、速やかに
保險制度
を設けられたいという
趣旨
であります。 次に
漁業
に対する
税制
の問題であります。この
税制
の問題は、今日の
事業税
に関する問題でわれわれ
委員会
は態度をきめなければならぬことにな
つて
おるのでありますが、この
漁業税
にははなはだ不合理の点が多いのでありまして、速やかにこれを改善されたい。
漁業者
がいたずらに
融資
であるとか、その他國の助成を望むが、一面税金は免れたいという
意向
に聞えることは非常に遺憾なのでありまして、そういう
意味
ではないのであります。
漁業者
といえども
國民
の一部であり、
國費
を
負担
するのは当然でありますから、合理的な
税制制度
を改廃するようにという
趣旨
であります。 次は
金融機関
の問題であります。
從來
われわれは
水産銀行
であるとか、
水産金融
の独立したものを制定しなければ、
日本
の
水産
は
金融
のために急速なる発達は見られないということは、長く
主張
しておるのでありますが、今回
復興金融金庫
の
制度
ができましても、その大部分は鉱山であるとか、あるいは
工業等
の
方面
に
融資
をされ、最近
新聞
にもあるように、ある
一つ
の大きな
方面
、
会社等
へ
融資
して、それが
調査
を要するような
実情
にな
つて
おる、
漁村
においてはまことに微弱なものの集まりでありますから、この
復興金融金庫
の
融資
の爭奪は、要するに資本的な
方面
、
鉱工業者
、それらに圧倒されて
しまつて
。円滑なる
融資
が受け得られない
実情
にあるのであります。ゆえにこの際
農林水産復興金庫
と申しますか、とにかく
水産金融
の独立した
制度
を設けられたいという
趣旨
であります。 次に
燃油
の
配給
の
制度
であります。
終戰
までは
漁業用
の
燃油
は大体
系統機関
を通じて
配給
されてお
つたの
でありまするが、その後
石油公團
というものができて、それがまた逆轉して、
漁村
の
石油配給
の慣例を無視するような状態にな
つたの
でありまして、これはある
意味
から言えば、昔の
石油業者
を救済するというような傾きもないとは言えないのであります。はたしてさような事実がありとすれば、これは
時代
の逆行であります。
漁業
における
燃油
というものは、人間における
主食
の米麦と同等の地位にあるものでありまして、
漁業用
の
燃油
は
漁業者團体
すなわち
漁業者
の手によ
つて輸入
をし、また
配給
をするようにしなければならぬものであると
主張
をしておるものであります。この
趣旨
をも
つて
、速やかに
漁業用燃油
は
漁業者
の手において取扱うような
制度
を設けられたいというのであります。 荒筋でありますけれども、以上が大体この
陳情
の要旨でありまして、詳細はここに書面に認めてありまするから、御
檢討
を願いたいのであります。 なおもう
一つ
、
資材調整事務所
を廃止されたい。この
資材調整事務所
の行う
事務
は、
從來
この
制度
のない以前は、
都道
府縣
において
取扱つて
おつたものでありまして、この
都道
府縣
の扱いに多少の非難があつた所がありまするけれども、要するに
都道
府縣
の縣廳に取扱いをせしめて、
配給
の
委員会
の
制度
を設けたならば、必ず円滑敏速にいくものであるとわれわれは
考え
てお
つたの
であります。しかるに突如として、
農林省
は
資材調整事務所
を
都道
府縣
に置くことにしておるが、そのためにむしろ
都道
府縣
の
水産関係官吏
との間に
摩擦相尅
が起り、対称的な傾向を生ずるおそれがあるのであります。
せつかく
府縣
には
事務
的にもすべてそれだけの
施設
があつたものを、それを無用の長物として、さらに
本省出張所
を設けるということは、
時代錯誤
であり、
中央集権
であります。
地方分権
を叫ばれ、
民主主義
を叫ばれておるときに、その逆作物を起すところの
中央集権主義
をここに
実現
するということは、この
民主主義政治
を実行しなければならぬときに、
まつ
たく
間違
いのはなはだしいものであると思います。そのために各
府縣
のこの種の
出張所
、同種の
地方
の役所は大体閉鎖
撤廃
されるようなことを
政府
は声明しておるのでありますけれども、この
資材調整事務所
は未だ廃止しない、廃止するという
意思
の
表示
がないのでありまして、はなはだ怪訝にたえないのであります。まずこれより早く
撤廃
すべしという
要望
が全國の
漁業者
の声であります。どうかこの点も速やかに
撤廃
されんことを希望するものであります。 以上が
西日本水産振興会
の
総意
であります。よろしくこの主旨の貫徹に向
つて委員長
及び
委員各位
におかれましては、
政府
を御鞭達あらんことを希望いたします。
青木清左ヱ門
3
○
青木委員長
本件に関しましては、
関係当局
の
政府委員
の
出席
がございませんので、これを
速記録
に留めてございまするから、他の適当な
委員会
の日にこれの
説明
を求めたいと存じます。なおただいまお述べになりました
事項
は、いずれも本
委員会
におきましても、以前より論議
研究
されておる点でありまして、おそらく
委員諸君
もすべて同感であり、その
趣旨
は支持されるものと
考え
る次第であります。 —————————————
青木清左ヱ門
4
○
青木委員長
次に
漁業課税
の問題につきまして、前会に引続き討議をいたします。本日は
大藏省主税局管理部
第一
課長忠佐
市君並びに
経済安行本部財政金融局財務課岡野節
君が
出席
されております。
各位
の御
意見
の御
発表
を許します。
西村久之
5
○
西村
(久)
委員
まず
漁業者
に対しまして
漁業事業税
を創設せられんとする
当局
のお
考え
を先に御
発表
が願いたいと思います。
忠佐市
6
○
忠説明員
事業税
につきましては、私直接担当いたしておりませんので、ただいま
趣旨
その他について申し上げることができないのは、はなはだ遺憾とする次第でございますが、要するに
地方税
の問題といたしまして、
地方財政
の充実と確立というような面から、ただいま
研究
の道程にあると
考え
ておる次第でございまして、なお詳細につきましては、後刻担当の
方面
からお答えを願うようにさしていただきたいと思います。
西村久之
7
○
西村
(久)
委員
ただいまのお話によりますと、おわかりにならないもようでございますから、これ以上質問いたすことは遠慮しなければならぬと存じますが、私の
考え
といたしましては、今日のような
時代
に、さなきだに
負担
の多い
漁民
に、
漁業事業税
という惡税を
負担
させるという
考え
方は、根本的に改むべきものであるという信念をも
つて
おります。理由その他につきましては追
つて
申し述べたいと存じまするけれども、
地方
の
財源
が枯渇いたしておりまする
財源緩和
の
方法
としては、漁師をいじめないでも、ほかに別途の
方法
が、
國民
全体を通じての
均衡
を保ち得る
負担
の
方法
があり得るやに私は信ずるのであります。かるがゆえに不
均衡
にまたがりますこういうような一職業に偏するような
方法
の税は、これは撤回をして、
考え
直しを
政府
にお願い申し上げまして、私の
意見
は適当な他の機会に申し述べたいと存じます。
青木清左ヱ門
8
○
青木委員長
ただいま
西村
君の御
発言
もございましたが、
地方財改委員会
の
事務局長
がこちらへ参ることにな
つて
おりまするから、
出席
がありました場合この問題に対する
審議
を継続いたすことといたしまして、この問題はしばらく保留いたしたいと存じます。 次に何か御
発言
ございませんか。
石原圓吉
9
○
石原
(圓)
委員
今回の
國会
においては、
委員制度
を設けて
水産
が
一つ
の独立した
委員会
を形成したことは、これは
財戰後
の
日本
が
重要産業
の第一として、最も
重大性
のある
將來重要
な
産業
であるから、
農林部門
より切放して、そうして
水産常任委員会
を設けたいということは明らかな事実でありまして、これが
常任委員会
を整理するとか、その数を減すとかいうようなことのために、
水産常任委員会
が他へ併合されてなくなるということは、非常なる不合理なことと
考え
るのでありまして、すでにその必要を認めたから独立した。おそらく
産業部門
で
一つ
の独立した
委員会
にな
つたの
は、
水産
が他のいずれの
産業
にも
優越性
をもち、
重大性
をも
つて
いるものであるから設けられたのであ
つて
、この際これをただちに併合するということは絶対に
反対
である。この
意向
はかねて
委員長
は何らかの
意思表示
をされていると信じているのでありますが、これに対して
從來
とられた処置がありますならば、簡單に御
説明
を
願つて
、さらに
発言
を求めたいと
考え
るのであります。
青木清左ヱ門
10
○
青木委員長
お答えいたします。
農林委員会
と
水産委員会
との併合に関しましては、この問題が起りましたのは、今より約二箇月前のことでありますが、
委員諸君
の
総意
をもちまして、
議院運営委員長
の浅沼君並びに
衆議院事務総長
の大池君に対しまして、われわれの意のあるところを傳えたのであります。その後
衆議院
の
運営委員会
においても、
常任委員会
を
各省別
に分類するか、またはこれを
業種別
に分類するかという点については、まだ
議がま
とま
つて
おらないかのように聞いておるのであります。
從つて常任委員会
の数を十五ないし十六に減ずるという
既定方針
は変りはないが、そのいずれの
方法
にするかということについては、まだ
決定
を見ておらないもののようであります。実はこの問題について本
委員会
の
委員各位
の熱望する点は、ただいま
石原委員
よりお述べに
なつ
たことをも
つて
代表されているのでありまするが、
委員会
として相当の
意思表示
をするとともに、また
政治
の
基盤
は政党にあるという建前から、
各党
において
党議
をまとめ、
議院運営委員
がわれわれの
意向
によ
つて
動いていただくという
方法
を講ずる必要があると存じまして、私は
各党
の方々にもお願をいたし、なお私の属しておりまする
民主党
においては、過日
役員会
において、
農林
、
水産委員会
は
合弁すべ
からずという
決議
をいたしておるのであります。なお四日、五日の両日にわたりまして、
民主党
の
党大会
が行われたのでありまするが、不肖私は
水産対策委員会
の
委員長
といたして
水産対策
を
決定
したのでありまするが、その
決議事項
の第二項に
衆参両院
の
水産常任委員会
は、
農林
とは
別個
の
事業形態
を有する
水産
の
立法基盤
として
存置
するという
事項
を挿入いたし、昨日
党大会
において党の
基本方針
として
決定
を見ておるのであります。どうか
民主自由党
、
社会党
、
國民協同党
、
社会革新党
その他
各党
におきましても、
党議
をも
つて
この問題を御
決定
に相なるとともに、わが
水産常任委員会
においても、
一致
の
要望
として
関係方面
の
了解
を得ることに万全を期したいと
考え
ております。
石原圓吉
君。
石原圓吉
11
○
石原
(圓)
委員
経過の点は了承いたしました。
参議院
の
水産常任委員会
は
全会一致
でこの
反対存置
を強調して、それに対しては進駐軍へまでも
陳情書
を出し、またそれの
存置
の
要望
を申し出ておる。これは
衆議院
の
常任委員会
よりも一段と
熱意
をもち、前進しているように心得るのでありまするが、ただいま
委員長
の申されるように、ここに固き
方針
の
決定
を見て、一段と速やかに前進することを
要望
する次第であります。
民主自由党
にありましては、
水産関係議員
は、全部これの
存置
を強く党の
幹部
へ要求しておるのであります。なおこれに対する党の
決議
を求めることにな
つて
おります。どうか他の
各党
においても、
委員長
の仰せられるように
党議
をきめ、速やかに
参衆議院
の
提携結束
によ
つて
、これの
存置
を貫徹することにお取計らいあらんことを、強く切望する次第であります。
青木清左ヱ門
12
○
青木委員長
藤原繁太郎
君。
藤原繁太郎
13
○
藤原委員
委員会
統合問題に関しまして、
社会党
といたしましても、ただいま
石原委員
が言われたと同様の
趣旨
において、
農林
と
水産
というものはおのずからその性格を異にいたしております。
農林
、
水産委員会
が一緒になるということは、われわれ
日本
の
水産業
の將來を
考え
て立
つて
おる
水産人
といたしましては、まことに同意できないものがあるのであります。從いまして
社会党水産委員
といたしましても、この議が起きました第二
國会
の初めにおいて、しばしばこれを
党幹部
と協議をなしてまい
つたの
でありまするが、当時は大体において
農林委員会
に
水産委員会
が合流するという案は中止いたしまして、できるならば
水産委員会
で独立していく、こういうことに大体
方向
が向いてお
つたの
でありまするが、その後しばらなこの問題が中絶されまして、また
自然休会明け
の今日にこの問題が出てまい
つたの
であります。われわれ
社会水産委員会
といたしましては、
石原委員
の申されたことく、
社会党
全体として、
水産委員会
は独立していくという
方面
に全力を注いでいきたいと存ずる次第であります。
從つて
その
方法
といたしましては、やはり
幹部
との
折衝
によりまして、
党議
としてこれをきめるというところまで力強く推進していきたい、こう存ずる次第であります。
各党
同様な
一致協力
をしていただきたいことは、
石原委員
の言う通りわれわれも十分これを諒とし、それに共鳴して進んでいきたいと
考え
ておる次第であります。
青木清左ヱ門
14
○
青木委員長
鈴木善幸
君。
鈴木善幸
15
○
鈴木
(善)
委員
社会革新党
といたしましては、先に
党議
をも
つて
農林
、
水産
両
委員会
の統合問題につきましては、これを絶対に避くべきことであるという
決定
をいたしまして、
議院運営委員会
におきましても、
外崎委員
をも
つて
党の
主張
を強く
主張
いたしておるのであります。ただいま
石原
、
藤原
両
委員
から申されましたように、
農林
と
水産
とはおのずからそこに非常なる差異と特色をも
つて
おるのでありまして、今日
水産廳
の
設置
を
要望
し、
水産行改
の面でも、総合的に、強力に
水産政策
を推進しようという
要望
が全
漁村
に高ま
つて
おります際に、これと
水産委員会
が相ま
つて
、強力に
水産政策
を樹立推進するということが絶対に必要であると思うのであります。特に
漁業協同組合法案
の
審議
及び
農地改革
に匹敵いたしますところの
漁村民主化
の
基本法案
である
漁業権改革
の
問題等
も、いまだに設定されておらない現段階におきまして、
水産委員会
の使命と任務はますます重大さを加えておる時でありますので、この際
水産委員会
はあくまでこれを
存置
いたしまして、十分なる
審議
と
研究
を本
委員会
においてとりまして、
國会
の権威を十分に発揮できるように、
水産委員会
はあくまで
存置
すべきものである、こういう
趣旨
のもとに、
社会革新党
といたしましては、
党議
をもつと強くこれを
主張
いたしたいのであります。
青木清左ヱ門
16
○
青木委員長
金野定吉
君
━━ちよ
つと
速記
を止めて…… 〔
速記中止
〕
青木清左ヱ門
17
○
青木委員長
速記
を始めてください。
水産常任委員会
の
存置
の問題に関しましては、
各党
ともただいまの御
発言
によりまして、御
賛成
のもようでありますので、どうか
各党
の
政治力
を結集し、各
方面
の御
了解
も得、また
参議院方面
との運絡も緊密にいたしまして、
各位
の意のある点をくみまして、
委員長
におきましてそれぞれ
交渉
を開始し、善処いたしたいと存じます。
石原圓吉
18
○
石原
(圓)
委員
近く
自然休会
のようなことに
議会
の
空氣
が見えるのでありまするが、
休会明け
ということになれば、非常に期日が遷延してよろしくないと思います。この
休会明け
までに、
参議院
と
衆議院
の
合同会
を開いて、この問題の歩調を強く進めていくようにお取計いを希望するものであります。
青木清左ヱ門
19
○
青木委員長
了承いたしました。 なおこの際御報告申し上げ、併せて御
了解
を得たいことがございます。それは私の一身上に関する
事件
でございますが、今回
民主党
の
総意
によりまして、その保有す
委員長
を総て交代することに党
議がま
どま
つたの
でありまして、私も本
委員会終了
後、議長に対しまして辞表を提出いたしたいと
考え
るのであります。
委員長就任以來約
一年間、
各位
の御援助と御鞭撻によりまして、私の職員を無事果し得ましたことを、厚く感謝する次第であります。 振り返りまして、私の在任中における
水産関係
の
種々
の問題を
考え
ますると、
魚價
の問題につきましては、昨年約九割余の
値上げ
を見、また今年の三月八日には五割程度の
値上げ
を見ておるのであります。
魚價
の問題と
資材
の
リンク
の問題とは、その
関連性
において
十分檢討
を要する点もあることと存じまするが、とにかく一應
漁民
の
熱意
が報いられたという点におきまして、私は満足しているものなのであります。
高級魚
の
統制撤廃
につきまして、ただいま
石原委員
からも
発言
がございましたが、さらに一歩を進めまして、
高級魚
の
統制撤廃
よりは、むしろ
國民
の
主食
の
対象
となるべき
大衆魚
のみを統制し、それ以外のものを
撤廃
するという
方向
にも
つて
いくべきではないかとも
考え
たのであります。すなわち
大衆魚
は約九種、いわし、にしん、たら、さんま、かつお、まぐろ、ぶり、さば、いかというようなものでありますが、
政府方面
及び
関係上面
とも
折衝
いたし、來る六月の一般物價の改訂の際、私どもの
目的
は達成するのではないかと
考え
られるまでに、この点の
交渉
が進んでおるのでありますが、
漁期等
の
関係
もありこれが
実現
の急速を期してお
つたの
であります。 なお
資材
の問題につきましては、
漁業資材
を確保いたしまして、
漁獲
に必要な
リンク
の完璧を期するとともに、漁網、網の
製造工場
を拡大しなければならないと
考え
て、これらの点について鋭意
努力
してまい
つたの
であります。すなわちマニラ麻、綿糸あるいは
ワイヤロープ
、
燃油
、という
資材
につきましては、すべてこれは
輸入
にまたなければならないのでありますけれども、ただいまのところ
輸入
の見透しは十分ついておるのでありまするが、残念な
がら製網工場
、
製綱工場等
の
設備
がこれに伴わない、ゆえにこれらの
工場設備
を拡充強化しなければならないという
考え
をも
つて
おるのでありまして、この点われわれの
努力
が報いられて、こうした
漁業資材
が
連合軍
の好意によ
つて
続々國内に
輸入
されつつあることは、御同慶に
考え
る次第であります。 なお
金融
の問題につきましては、零細なる
漁民
に対しまして
融資
の途を開き、
水産施設
を完成し、次の飛躍に備えるために、特に
金融
の方途を講じなければならないと
考え
まして、
農林委員会等
と連絡いたしまして、
農林水産金庫
の設立に向
つて努力
して來たのでありますが、まだこれが
実現
を見ないのははなはだ遺憾に感ずる次第であります。しかし今までの
金融
の
方法
はこれを改めまして、
零細漁民
の
漁船
の建造並びに
加工工場
の
建設等
に対して
融資
の途が開け、われわれの
目的
とするいわゆる
零細漁民
に対する
融資
という点におきましては、希望の一端が
実現
されつつありますことは、これまた欣快に存ずる次第であります。
水産
のために
政治
がはなはだしく貧弱でありますることは、
自他とも
に遺憾にするところでありまして、どうしてもこれは
行政面
の増強をはかり、次に
漁業
の
根拠地
の拡充をはかり、さらに
漁民
全体の
政治力
を結集するという、この三点に向
つて努力
をいたさなればならないのであります、第一の
行政面
の問題とは、
水産廳
の
設置
でありまして、
各位
の御
協力
を得て、
関係方面
どの
折衝
も
衆議院
の
総意
をも
つて
進むとともに、なお
農林省
の
水産局
の手を通じまして、
関係方面
の
天然資源部
と
交渉
いたしました結果、この
方面
の
了解
は一應妥結いたしまして、ただいま
法案
の整備を終り、これを他の
関係方面
に御協議申し上げておるような現状なのでありまして、不日
水産廳設置
の
法案
は本
議会
に提案を見ることと存じております。 次の
漁業
の
根拠地
の
漁港
の問題でありまするが、これまた本
委員会
に
各位
の御
協力
を得まして、
衆議院
の
水産常任委員会
に
漁港調査会
というものをつくるという御
賛成
を得たのでありますが、その後
種々官制法規等
の
関係
で
衆議院
内につくることなく、これを
別個
の
團体
としてつくる方がよろしいというような
考え
に変
つて
まいりまして、
社團法人漁港協会
というものをつくる
方針
を定めたのであります。元の
農林省水産局長井出正孝
君、同じく
寺田省一
君、元
農林省水産局施設課長橘英三郎
君、同じく
横山登志丸
、君元
農林省水産局農林技師小田賢郎
君、
衆議院
の
水産常任委員会專門調査員小安正三
君、
千葉縣漁港協会長安西直一
君、
宮城縣漁港協会
副
会長木田豊吉
君、
下関水産振興協会
副
会長
七
田末吉
君、これらの方を
世話人
といたしまして、來る五月八日にこれが
創立
に関しましての
世話人会並
に
発起人会
、できればただちに
創立総会
を開く予定にまで取運んでおるのであります。 第三の
政治
的な
漁民
の
團結
についての、私の
考え
といたしましては、
農村方面
におきましては
日本
農民組合、全國農民組合、全
日本
農民組合あるいは農村協同民主運盟というような形におきまして、各政党に
基盤
をもつた農民の
團体
がありまして、おのおの独自の
目的
をも
つて
農民の
政治
的進出をはか
つて
おられるもようであります。私どもは政党を否定いたしません。すなわち
政治
の根拠は政党にあるのであ
つて
、どこまでも今後の
水産
行政も、やはり政党に
基盤
をもたなければならないのでありますけれども、
漁民
の数は全國でわずかに三百五十万でありまして、これを現在の中選挙区において一人の代議士を選ぶというような場合は、北海道、長崎等においては
漁民
の投票のみをも
つて
選出される代議士は、選出可能でありますけれども、その他の選挙区におきましては、おそらくこれは至難のわざだと
考え
るのであります。この点に鑑みまして、もちろん
政治
は各政党に
基盤
をもつものでありますけれども、
漁民
総体の利益を守るためには
各党
とも手を握り、
漁民
同士が
一致
團結
して
政治力
を結集し今後の
政治
的進出をはからなければならないと
考え
るのであります。
從つて
私はこういう
意味
における全
日本
漁民
連盟——これはかりの名前でありますけれども——というものを設立いたしまして、今後の
漁民
の
政治
的進出に備えなければならないと
考え
たのであります。この点がまだ
実現
されずして、私が
委員長
の任を退かなければならないのは、はなはだ遺憾に存ずる次第なのであります。 過去一箇年間、
各位
の御後援、御助力によ
つて
、つつがなく
委員長
の職を全うすることができましたことは、ここに退任に際しまして厚く感謝の意を表する次第であります。今後
委員長
を退きましても公私とも
各位
の御援助と御鞭撻を賜わらんことを切望いたしまして、皆樣に御報告を申し上げ、併せて御
了解
を得たいと存ずる次第であります。 本日はこれをも
つて
閉会いたします。 午後零時十分散会