運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-05-04 第2回国会 衆議院 水産委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月四日(火曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 青木清左ヱ門君    理事 西村 久之君 理事 三好 竹勇君    理事 鈴木 善幸君       石原 圓吉君    坂本  實君       冨永格五郎君    仲内 憲治君       森 幸太郎君    本間 俊一君       金野 定吉君    藤原繁太郎君       神山 榮一君    宇都宮則綱君       小松 勇次君    多賀 安郎君       受田 新吉君    河口 勇一君  委員外出席者         農林事務官   小山 義夫君         專門調査員   小安 正三君 四月六日馬越弘君、菊池豐君及び松本眞一君が委 員を辞任した。 同日仲内憲治君、中原健次君及び受田新吉君が議 長の指名で委員に補欠選任された。     ――――――――――――― 四月六日  大原漁港修築請願田中豊紹介)(第三二  〇号)  燒尻村漁港築設の請願岡田春夫君外一名紹  介)(第五三一号)  東静内船入澗修築請願三好竹勇紹介)(  第六三一号)  三石船入澗拡張工事施行並びに鳧舞船入澗築  設の請願三好竹勇紹介)(第六三二号)  眞鍋島村に漁港築設の請願多賀安郎紹介)  (第四〇〇号)  燒尻村漁徳築設の請願坂東幸太郎紹介)  (第四〇五号)  河野港漁港修築請願長野長廣紹介)  (第四〇八号) 四月十五日  魚の公定價格改訂に関する請願(松原一彦君紹  介)(第四二二号)  内海村家串に漁港築設の請願井谷正吉君外三  名紹介)(第四四一号)  貝取澗村船入沫築設の請願川村善八郎君紹  介)(第四四四号)  魚介類小賣利潤改訂に関する請願小澤專七郎  君紹介)(第四六五号)  音戸漁港修築請願大原博夫紹介)(第四  八〇号)  三津漁港修築請願大原博夫紹介)(第四  八一号)  沖浦漁港修築請願大原博夫紹介)(第四  八二号)  安浦漁港修築請願大原博夫紹介)(第四  八三号)  田島漁港修築請願大原博夫紹介)(第四  八四号) の審査を本委員会に付託された。 四月八日  手打港築港構築に関する陳情書  (第一五六号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  國政調査承認要求に関する件  漁業課税に関する件     ―――――――――――――
  2. 青木清左ヱ門

    青木委員長 これより会議を開きます。  去る五月一日に本委員会の打合会を開きました席上、特に漁業課税の問題は緊急を要するものであるから、委員諸君におきましては、種々お差支えがあるかもしれませんけれども、本日特に委員会を開いて、この問題につき討議したらよろしかろうという委員諸君の御意見に從いまして、本日漁業課税の問題に関して委員会を開くことにいたしました。御了承を額いたいと存じます。  仄聞するところによりますと、政府におきましては、漁業に関し事業税を課する計画があり、なお中央地方ともに、種々の名目において水産業者に対し課税が重複しておるもようであります。この現情では、漁民生産意欲を阻害することはなはだしく、漁民の生活を守ることも不可能と存ずる次第であります。よつて委員会といたしましては、この問題につき十分檢討を続けていきたいと考える次第であります。  まず本日は、農林省水産局企画室農林事務官小山義夫君が出席されておりますから、政府の大体の課税方法、並びに水産当局の御意見を承りたいと思います。  なお本日は大藏省経済安定本部地方財政委員会等より、政府委員出席を求めておきましたが、税制に関する政府の打合会があり、その方にこれらの首脳部出席されておるもようでありまして、本委員会出席を見ないのははなはだ遺憾に存ずね次第であります。まず小山義夫君。
  3. 小山義夫

    小山説明員 漁業に対する課税の問題につきましては、大藏省並びに地方財政委員会主務官廳が御説明するのが至当だと思うのでありますが、今委員長がおつしやいましたように、主務官廳からは出ていらつしやいませんので、私代りまして、今の税制がどういうふうになつておるか、それに対して、われわれ水産行政を預つておる者は、どういう考えをもつておるかということを、ごく簡單に御説明いたします。  税の中で國税地方税があるわけでありますが、國税特に所得税並びに法人税がいかに今重い負担なつておるかということは、もう私が説明するまでもなく、皆樣御存じのことと思います。今度新しく問題になつておりますのは、都府縣知事が課しておる地方税の問題であります。地方税の中で現在すでにいろいろかかつているものについてはあとで申し上げますが、そのほかに新しく水産業にかけられると約束されているものに事業税というものがあります。この事業税というのは、今までの営業税でありまして、営業税を名前をかえて水産業にも課税しようというわけであります。営業税というのは、御存じの通り今まで商工業を主たる対象として課せられております。それを今度は農業水産業鉱業等原始産業、それから自由業にも課税対象を拡げて課しようという意味でありまして、これは地方財政委員会が立案しております。その内容は、一般の商工業については百分の一五を課する予定でありますが、漁業農業等に対しては百分の八ないし一〇という予定でおるようであります。これは純粹の純益課税ではなしに、適宜課税標準について外形主義を採用したいということを申しております。  この新規課税及び現在の漁業にかかつておる各種の地方税に対しまして、水産局としてどういう考えをもつているかと申しますと、まず第一に今の漁業者にはこれ以上課税に対する負担能力がないということであります。そこで現在すでに漁業権に対しては漁業権税、それ以外の許可漁業とか自由漁業とかに対しては特別漁業税というものがかかり、船には船舶税舟税その他がかかりますが、これにはそれぞれ町村の附加税がかかつているわけでありまして、このように実にたくさんの税金がかかつております。しかも現在のような資材の配給状態であり、かつ現在のような魚價のもとでは、これ以上課税するということは、漁業の再生産の基盤を破壞してしまう。かつ現在連合軍の協力のもとに行つております鮮魚介及び加工水産物統制取締りを、根底から覆してしまうことになる。こういう事態を恐れるために、われわれとしましては、ほんとうの正直に漁業をやつている者には、これ以上負担を負わしてもらいたくないということを、強硬に主張しておるわけであります。そこで國家財政としましても、あるいは地方財政としましても、きわめて逼迫しているときでありますから、全然漁業からは税金をとるなということは言わない。もうけているところからはいくらでもとつてもらいたいという方針でありまして、この事業税はかけてもよい。その代りに鮮魚介配給規則並びに加工水産物配給規則によつて出荷しているところの、出荷代金にはかけてくれるなということを、われわれとしては主張しているのであります。だからやみをやつてもうけているところからは、いくらでもとつてもらいたいという方針であります。  それからもう一つは、課税標準外形主義をとる。外形主義と申しますのは、たとえば権利なら権利一つに対していくら、あるいは水掲高の何割というふうに、経費をみないで一律にぶつかけてくるかけ方でありますが、こういう税金とり方は、なるほどとる人はとりやすいけれども、物を生産している者の立場に立つてみたときは、きわめて始る。漁業は特に豊区の差がきわめて甚だしい。また漁船だとか、漁具だとか、あるいは乘組員すらしばしば犠牲にしなければならないような災害に、絶えず見舞われている。そういう漁業の本質から言つて外形主義課税は困る。純益課税にしてくれ、收益金額の中から必要な経費を落して、しかも利益残つた場合に、その利益に対していくらというふうにかけてもらいたいというふうに主張しているのであります。  それからもう一つ、これは非常に大事なのでありますが、現在すでに漁業権税とか、特別漁業税とかいう税金がかかつておりますが、それは地方税法に基いてかけられているのであります。その地方税法というのは、ただ府縣議会承認さえあれば、そういう税金をとることができるということだけしか書いておりません。從つてそれをどれくらいとるか、あるいはどういう方法でとるかということは、各縣の任意であります。從つて各縣が現在どういうとり方をしておるかということを調べてみると、ずいぶんまちまちなのであります。縣が異なるだけの理由で、同じ漁業を営んでおりながら、たとえば同じ定置漁業を営んでおりながら、ある縣では数十万円の税金を課せられており、ある縣では僅か数百円の税金でいいという、非常に矛盾した課税状態なつております。あるいは漁業権税特別漁業税とか二重課税なつておるようなところもある。漁業権税というのは免許漁業に、特別漁業税というのは免許漁業以外の漁業に課せられるように一應予定されてつくられたが、この二つが競合して、二重課税なつておる縣すらある。こういう状態でありますから、今の地方税法を徹底的に整理してもらいたい。もちろん地方財政の独立ということもありますが、大体常識を外れない程度に、全國を統一してもらいたいということを希望しております。漁業に対する地方税の問題、並びにそれに対する水産当局意見としましては、ただいま申し上げた通りであります。説明を終ります。
  4. 青木清左ヱ門

    青木委員長 本件につきましては、來る六月午前十時より委員会を開き、これが審議を継続いたしたいと存じます。  なお議長に対し漁業課税に関する國政調査要求はいたしたいと思います。その文案等委員長に御一任を願いたいと思います。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 青木清左ヱ門

    青木委員長 御異議なければさよう決定いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時五分散会