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高岡委員 ただいま
建設院總裁の
お話によりますと、午後より二十三年度
公共事業豫算の
配分の問題について
閣議があるそうでございますから、この
機會にきわめて強き
要望を申し上げ、併せて御質問をいたしたいと思うのであります。二百七十億の
豫算が四百十億に増額されたということは、ただいま
石田議員の言われたいわゆるふくらましで、
當然のことであるとおつしやるのは、私はあまりに數字が大き過ぎるので、
一松總裁その他
閣議において強き御主張の上に
滿足ではありませんけれ
ども、四百十億の
豫算の計上されましたことはまずある程度
滿足せざるを得ないのではないかと
考えているのでありますが、つきましては午後の
閣議が終りました直後におきまして、できる限り早い
機會に各
事業への
配分の内譯の表を、われわれ
委員に御配付を願いたいのであります。それから
災害費の各縣別の間もなるべく早く御配付をいただきたいと思うのでありますが、前囘の
委員会におきまして、あるいは本日御
説明のございましたこの
災害復舊費が驚くなかれすずめの涙ほどの、
豫備費を併せてわずかに八十八億というきわめて遺憾の數字であります。仄聞いたしますところによりますと、本日午後
閣議にかけられるところの
公共事業費の内容なるものは、先ほど總裁が御朗讀になりました表であると思いますが、私の調べたところによりますと、砂防におきまして百一億、
道路におきまして二十億、
山林におきまして百八十九億、
水産におきまして五十五億、
港灣におきまして三十二億という
ような數字に相な
つておると思われるのでありますが、特に私の申し上げたい點は、この
山林の百八十九億という
豫算は、
山林の関墾に使われる
經費であると
承知いたしているのでありますが、御
承知の
通り山林の開墾には、増段開墾と入植開墾との二種類がございまして、増段開墾は御
承知の
通り十町歩以内が町村農地
委員会、十町歩以上が縣農地
委員會——ここに開拓局長も御列席でありますが、私
ども親しく陳情申し上げて、
地方の行過ぎの
具體的な例を是正していただく
ように
要望しているのでありますが、この農地
委員會が獨斷專行、
絶對權限をも
つておりますために、ややもすれば過激分子を含めた農地
委員のありますところには、この開墾というものが非常に行過ぎをいたしまして、
山林資源を涸渇し、濫伐、過伐の傾向があることはいなむこができない現象なのであります。そこがために各地に大
水害が起りまして、わずか一町か二町、ないし五町開墾することによりまして、何百町歩、何千町歩のその下流の美田を流さなければならないという、まことに芳しからぬ現象を呈しているのでございまして、この小開墾、すなわち増段開墾が全國津々浦々に至るまで非常な行過ぎのある点を是正せしめること、それから入植開墾は御
承知の
通り何百町かをわくの中に入れまして、その決定までは植林もできず、伐採もできず實に
山林所有者は困り抜いているのであります。そのうち
査定いたしましてわずから一部を選定する。その選定された入植開墾地に對しては、これから
山林を伐採して
住宅を建てて、それから滿洲、朝鮮あたりから
引揚げた人たちをそこへ入れ
ようという、これはまことに私は愚策であると思います。私新潟縣人でありますが、たとえば新潟縣の例を見ますと、六日原とか、銀山平であるとか非常な廣漠たくところの高原があるのであります。こういう所へそういう小植者を入植せしめたならば、勞力少くしてその目的を達せ得られるのではないか。
住宅を建てますにも、開墾をいたしますにも、最も少い勞働をもつとその目的を達することができるのではないか。入植開墾のごときは
關係方面からの命令でありますならばいたし方ないといたしましても、ともかく
政府の施策といたしましてはまことに私は愚の骨頂であると
考えざるを得ないのでありまして、こういう行過ぎがあり、まことに愚策である、
山林の開墾等にお使いになる
經費がありますならば、これをはつきりとその下流の美田を荒すところの
災害復舊に利用して、水利の
方面に、あるいは
災害復舊の
方面にもつとも有効的にお使いになるということがもつとも賢明な策じやないかと
考えるのでありまして、この見地よりいたしまして午後の
閣議には極力
山林の開墾の
經費等を削減しても、
災害復舊の
經費を増額していただく
ように格段の奪鬪御
努力をいただきたいと思うのでございますが、これらの點について御所見を承ることができたならば幸いだと存じます。