○
武内國会図書館経理部長 國立國会図書館の
経費の
予算につきまして御説明申し上げます。
まず
人員について申し上げますが、お
手もとに差上げておきました
國立國会図書館所要人員概数で、ひとつ御覽願いたいと思います。これに書いてございます
通り、みんなで六百四名の
人員を
要求してございますが、そのうち特級一名、それから
一級官三十名、二級官が百四十名、三級官が二百三十名、雇が百十二名、傭人が九十二名と
なつております。そのうちで特に
人員の多い所と申しますれば
立法考査局でございまして、これは
一級官が十七名おりますが、一名は
局長、一名は
次長、
あとの十五名は
議会の
專門委員に照應する十五の
分野にわけて、その
分野の
分担者一人をこれに充てるように
なつております。それからその各
分野の
專門委員に二級、三級その他の者を五名ないし六名属せしめるようにできております。この局が一番
人数が多いのでありまして、一番重要な
仕事に当ります
関係上、これ以上
人員を減らすことは、結局
仕事を阻む結果になると思うのであります。その他の点におきましては、別に特別なものはございませんで、大体
最小限度と思われる
人員をあげてあるつもりでございます。
それから次にお
手もとに差上げてあります
國立國会図書館経費概算要求額(
人件費を除く)と書いてございますが、それをごらんくださいますと、
順序はちよつとおかしく
なつておりますが、一番初めに
東洋文庫と
靜嘉堂文庫があげてあります。これは両方とも
國会図書館がこれを管理いたしますことが最も適当であると思考いたしまして、その
経費を両
図書館に諮りましてそのうちから
人件費を除いた
物件費だけをここにあげた次第であります。
東洋文庫の大
部分の
書物は、ただいま地方に疎開してございますので、それを東京に取寄せるために
相当多額な費用、約百万円程度の
維持費を加えてあげてあります。それから
図書購入費は一千二百万円、これは昨年度の
購入費が一千万円と
なつておるそうでございますが、これに約二割を加えたものでございます。次に
営繕費を千二百万円。それから次に
設備費が六百万円に
なつております。
設備費は
営繕費とともに非常に
多額のように見えまするが、
図書館は一品もございません。こちらの
議会図書館にありますもの以外、全部新しくつくらなければならぬものでございまして、たとえば
書物を整備するためには、
專門家の言うところによりますと、今五百の
書架が必要だと申しております。その五百の
書架は大体今一
箇一万円近くもするのではないかと思います。ただいま見積りをさせておるのでございますが、
相当高いものになると思います。それからその他この
図書の閲覽の
設備、これも大体二百名ぐらいを最初予定しておりますので、二百名分の机、いすを用意しなければなりませんが、これはやはり一人分六、七千円の
経費を要するものと考えられます。その次の
印刷費三百六十万円、これはいろいろな
目録をつくらなければなりません。その
目録が一年のものじやなしに、できれば毎月
日本で発行される
書物、
定期刊行物の
目録をつく
つて、そうしてこれは出版しなければなりませんので、
印刷費は
相当多額になると
思つて三百六十万円あげました。それから
紙類は六百万円、これもやはり
相当多額ではありますけれ
ども、
図書館の
仕事は紙を使わなければできない
仕事が多いのでありまして、これも必ずしもそう
多額であるとは
思つておりません。それから
写眞の
複写費二百四十万円、これは今すぐに
設備ができるかどうかわかりませんが、なるべく早い
機會に
設備をいたしまして、ただいま
図書も少いことでありますから、読書の
要求に應じまして
書物の特殊な箇所を複写して、そうしてこれを実費でわけてあげるというようなことにしますと、非常に便利になると思いまするが、これもまだ機械が
手もとにすぐにはいるというわけでもありませんので、ただ
概算二百四十万円計上いたしました。次に
自動車八百六十万円、これは乘用車十台、五台は中型と見ましてこれを一台八十万円、それから五台は小さいダツトサン、これは二十五万円くらいあるいは三十万円くらいというような勘定でも
つて大体百五十万円あげておきました。しかしこれは実際に
自動車を買う段になりますと、なかなか
自動車は今高いそうでありまして、昨年の暮ごろから月に十万円ずつ上
つておるといううわさもありますので、十台と書き出しましても、実際この金額で買える
自動車の数は半分になりはしないかとも考えられます。次に
バスニ台を計上いたしましたが、これは一台八十五万円でディーゼルエンジンの品物で
相当よいものだそうであります。
赤坂離宮の方に開館いたしますと、
赤坂離宮と議事堂との間を頻繁に往復しなければ、議員の
皆様が
図書を利用することもできないし、また
立法考査局などにおいていろいろ相談することもうまくいきませんので、
定期にバスを運用いたしましてその不便を除こうとして計上したものであります。それからトラツク四台あげてありますが、これはやはり
図書を運ぶためでございまして、大体二名は大型、二台は小型と
思つております。これも実際四台書き出しましたが、買う段になりますと、あるいは半分しか買えないような結果になりはしないかと思います。次に
官邸五百万円これは
館長の
官邸でございますが、これは今見当がついておるわけでございません。ただ一應ここに五百万円計上しておきました。それから
交際費九十万円これは
図書館が文化の
交流機関であるために、やはり
相当のこういうような
経費が要るのであります。
経済安定本部とほぼ同額をあげたつもりでございます。これで合計六千二百四十万七千円と
なつておりますが、人間の六百四名は、大体において一人につきまして五万円ないし七万円かかるそうでございます。平均六万円と見ましても三千六百万円、合わせて大体一億円を
要求しております。こういう
数字をも
つて大藏当局と相談を非公式に進めてみましたところが、
大藏当局の方では非常な財政難であるという理由で、結局お
手もとにございます
國立國会図書館所要人数(
主計局査定)に書いてございます
通り、三百十六名だけ承認をしてくれたのであります。特にこの中でも
つて困りますのは、先ほど申しました
立法考査局でございます。これは
一級官五名しかはい
つておりませんので、
局長と
次長を除きますと、
あと三名の
專門調査員しか採用できないような仕組に
なつております。これではおそらく
仕事にならぬのではないかと思われます。その他の局におきましても、これだけの
人員をも
つてしては、とうてい
日本で発行される全書籍の
総合目録などをつくるなんということは、考えも及ばないところじやないかと思われます。それから
人員以外の
廳費の方につきましては、お
手もとに差上げております
國立國会図書館経費概算(
主計局査定)と書いてございますが、これにございますように、
人件費として二千万円、これは今申しました三百十六名を賄う
経費でございます。
廳費といたしましては七百四十万円、その内訳は、
物品費として二百二十万円、
維持費として三十万円、
図書購入費として百万円、
自動車購入費、これは二台分だそうですが、八十万円、
交際費として三十万円、
食糧費が十万円、
営繕費が千二百万円で、これは
要求の全額を満たしておりますが、その他の
経費はごらんの
通り、非常に貧弱なものでございまして、合わせて三千九百五十八万六千円人と
なつております。大体
数字はこういうことに
なつております。