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1948-03-27 第2回国会 衆議院 図書館運営委員会 第9号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年三月二十七日(土曜日) 午後一時四十三分
開議
出席委員
委員長
中村
嘉壽
君 理事 石井
繁丸
君 井上 知治君 松田 正一君
多田
勇君
圓谷
光衞
君
出席政府委員
大藏事務官
河野
一之君
委員外
の
出席者
國立國会図書館
長
金森徳次郎
君
衆議院法制部長
三浦
義男君
参議院法制部長
川上
和吉君 —
——
——
——
——
——
——
本日の
会議
に付した事件
國立國会図書館
と
法制部
との
機能調整
に関する 件 —
——
——
——
——
——
——
中村嘉壽
1
○
中村委員長
これから
会議
を始めます。 本日は
衆参両院
の打
合会
を開くつもりでありましたが、
参議院
の
方々
が御都合が悪いというので、
委員会
といたします。本日この
会合
を催しましたことは、
大藏当局
の方におきまして、この
國会図書館
のことについて、まだ御
了解
がいかないところがあるようでありますから、そのことを明瞭にしたいということが起りであります。と申しますことは、
國会図書館法
は過日通過いたしまして、すでに
発足
をしておるのでありまして、この
法律
に基いて
予算
が提出してあるのでありまするが、今
大藏当局
の方においての
説明
によりますと、別に
法制局
という
厖大
なものができるので、その方に人を要し
予算
を要するのであるから、
國会図書館
の方はこれを半額ぐらいにするというお
考え
であるようなことを聞いたのであります。それは私
ども
から
考え
ますと、少し何かそこに誤解があるのではないか。いろいろ確かめてみますと、まだ
法制局
というものはここに
法律
もできていないのであります。のみならず、この問題につきましては、過般
アメリカ
から
使節團
が來ました折に、いろいろ相談をいたしました結果、
國会図書館
においての眼目とするところは
リフアレンス局
にあるのだ、これを充実して
法制局
をつくることにしなければいかぬのである。これに対しましては
法規委員長
におきましてもいろいろ
論議
をされ、さらに去る正月三十日午後四時
帝國ホテル
において
図書館運営委員長
が両方から出て、
法規委員
との
合同打合会
が開かれたのであります。
法規委員長
からは
樋貝
、
藤井両君
が出られ、
事務局
から
参議院
の
川上法制部長
、
衆議院
の
三浦部長
も
出席
をしておられたのであります。
國会図書館
の方からは
参議院
の
委員長並び
に私も出まして、
事務局
からも
細野調査
第一課長も
出席
したのであります。この
機会
におきまして
図書館
の
使節
の
人々
といろいろ
懇談
をしたのでありまするが、ここで
大分論議
が盡されました。どうしても
法制局
というものを充実しなければならぬという
論議
がありましたが、
向う
の
図書館使節
の
人々
は、
法制局
というのは
アメリカ
にもないではない。ないではないけれ
ども
、きわめて小さなスタツフによ
つて
行われておるし、約五人か十人の
程度
の者でできておる。これを
リーガル
・カウンシルとい
つて
おる、レジスラテイヴ・カウンシルというふうにい
つて
、
法制
をつくる上において
フイニツシング・タツチ
をする
任務
をも
つて
おる、こういう
お話
があ
つたの
であります。そこでみんなが
了解
してくださ
つて
、殊に
樋貝
君のごときは、それでは
法制局
というものはもう要らぬことになるのではないかというような
言葉
まで発せられたことを、私
ども
は記憶しております。ここにおいでの両
法制部長
はよく御
承知
のことと存じます。そこで
納得
をしていきましたけれ
ども
、
使節団
はなお
衆議院運営委員
の
人々
にもよくこの話をば聽いてもらいたいというので、二月二日に
運営委員会
が開かれまして、ここにおいてまた
論議
をされ、同じことが繰返されておるのであります。先ほど申し上げましたように、今
法制部
というものは存立をしておるが、しかしそれは
アメリカ
では五人か十人であると思う。そんな
厖大
なものは必要はないが、フイニシツング・タツチをするということでこの
レジスラテイヴ局
において
法律
のあらゆる
資料
を提供し研究し、骨組をつくるのだということを
お話
に相なりまして、これは
運営委員会
の
人々
並びに
出席
をした
人々
は、むろん
納得
をされたと私は信じております。重ねてこの
使節
の
人々
は、もし
法律
をつくる材料、すなわち
法制部
の
ほんとう
の
仕事
というものをここでするのでなければ
——レジスラテイヴ・ライブラリー
というものが必要でないならば、
図書館
というものはもう返上していいのであるということまで
言つたの
であります。そういう
意味合
で
ライブラリー
はつくるのでありますから、この
ライブラリー
と
重複
をするようなものができたとするならば、
大藏当局
がお
考え
になるのはそれは私は当然だと思
つて
おります。あえて
大藏当局
にかれこれ言うのではありませんけれ
ども
、そういう
情報
があ
つて
、この
情報
によ
つてほんとう
にすでにできておる
法律
の運行について
支障
を來すようなことがあ
つて
は、も
つて
のほかのことだと思うのでありますから、
大藏当局
にもよくこのことを御
了解
していただいて、そうして
屋上屋
を重ねるようなものをつくることなく、
國会図書館
というものがその
運営
を全うするために
全幅
の御努力を願いたい、こういうことを私
ども
は
希望
するような次第であります。 われわれがこの
図書館
を必要とするゆえんは今まで
法制局
というものがあ
つて
きわめてビリトルテツクであり、しかして
議員
の職能がなく、
機関
がなく、
機会
が與えられないために、
ほんとう
に完全なことをなし得なか
つたの
が、こういう
機関
ができたならばその
目的
を達することができ、一面においては
官僚跋巵
の声が小さくな
つて
いくのだ、かくて
立法
が満足にいくし、各
國家機関
の間が円満に行くということを試みてや
つたの
ですから、それにもかかわらずこの
國会図書館
の本然の
仕事
と競爭するような
仕事
ができるということは非常に遺憾だと思う。殊に
國費
を
重複
に使うということは好ましからざることだと存じております。この点についてよく御
了解
を得たいと思
つて
おる次第であります。ここに
川上部長
も
三浦部長
もおられます。この
方々
もその席におられたのでありますから、私の今申し上げておりましたことが事実であるかどうかということを確認していただきたい、これが私の
希望
であります。
三浦義男
2
○
三浦法制部長
私、
衆議院
の
法制部長
といたしまして、事務的にただいまの
お話
に関連いたしまして申し上げておきたいと思います。前々から
法制部
の
機能拡充
の問題につきましては、
議院運営委員会
あるいは
法規委員会等
において御研究にな
つて
お
つたの
でありまするが、その間たまたま
國立國会図書館
の
拡充
問題も起
つて
まいりまして、これらの間をどう
調整
するかというようなことにな
つて來
たと
考え
られるのでありまするが、この
法制部
の
機能拡充
の問題をどうするかということは、これは
國会自身
がおきめになることでありまして、私
ども立場
上、今ここで云々することは差控えたいと
考え
ておるのであります。ただいまの
委員長
の
お話
に関連しまして、私の知
つて
おる
範囲
内において、簡單に御
了解
を得ておきたいと思
つて
おります。 まず先ほど申しましたように、
法制部
は
國会法
の制定とともに、
法律
の上に、特に
議員
の
法制
に関する立案に資するため、
法制部
を各
議院
に置くことにな
つたの
であります。その後
衆議院
におきましては、
法制部
の
機能
をどうやるか、いろいろ事務的に檢討されました結果、
目下法制部
のもとに、いわゆる
勅任部長
を下に置きまする二部を持
つて
おりまして、その下に参事を置いておるのであります。
参議院
の方におきましては、
法制部
の下に
各課——
現在四課あると思
つて
おりますが、そういうような構成にな
つて
おるのであります。ところが
議員各位
がいろいろ
議員提出
の
法案
を立案されようとするにあたりまして、現在の
法制部
の
機能
なり、あるいは
機構
では十分にその
目的
を達し得ないというような要望が
方々
にありまして、
衆議院
の
議院運営委員会
におきましては、ある党から、各
議院
に
法制局
を置くという案を提出せられたのであります。その後なお
衆議院
、
参議院
両
議員
でも
つて
構成されておりまするところの
両院法規委員会
におきまして、
両院
別々に置くよりも、
國会
をまとめて、一本とした
國会法制局
を置いたならばどうかという熱烈なる
意見等
が展開されました結果、
國会法制局法案
というものを
両院法規委員会
において取上げられまして、これを勧告の形において
両院
各議長に提出する
運びとなつておつたのであります
。そのときに先ほど
委員長
からも
お話
のありましたように、
國立國会図書館
の問題が起
つて
まいりましたので、その間の
調整
をどうするかというようなことで、
向う
の
國立國会図書館
の
使節
もお見えにな
つて
おりましたので、
両院法規委員会
の
委員長
の
樋貝
さんもその席に参られまして、
先ほどお話
のありました
帝國ホテル
で
懇談会
が開かれたのであります。そのときには今、
委員長
からの
お話
では
参議院
の
法制部長
も出られたという
お話
でありましたが、
参議院
の
法制部長
はそのときには出なか
つたの
でありまして、
樋貝委員
と
参議院
の
新谷委員
とそれから私が
参つたの
であります。そのときにいろいろ
お話
がありました結果、
國立國会図書館法案
において
考え
られております事柄は、いろいろの
関係
から
——使節
が帰國せられる
関係等
もありまして、非常に急いで
國会
を通過させなければならぬというような
事情
もありまして、さらにこの問題を
議院運営委員会
においても取上げまして、早急に
法律
として通過させようという
運びになつたわけであります
。 この問題を
考え
ますに、私
ども
事務的な
見地
からだけ申し上げたいと思いますが、現在の
法制部
の
機構
におきましては、十分に各
議院
の御
要求
に應じ得るようには、まだ程遠いように
考え
ておるのでありますが、それにいたししまても、現在
衆議院
だけについて申し上げましても、いろいろ
議員立法等
につきまして私
ども
の方に御連絡がありまして、少い陣容をもちながら相当繁忙なこのむずかしい
仕事
を取扱
つて
おるわけであります。現在の
法制部
の
機能
といたしましては十分ではありませんけれ
ども
、
ちようど政府
におきましては
法制局
があ
つて
各省
から一
應法律案
を
法制局
に提出しまして、
法制局
がこれを
法制
的にまとめ上げて
政府
の案として
國会
に提出するのでありますが、ここの
法制部
におきましては、
各省
が
法制局
に提出するようなそういう
内容
の事項をも
法制部
において研究
調査
し、要綱を立案しまして、さらにまた
法制局
が今までや
つて
おりましたような
法制
的な
見地
から、他の
憲法
あるいは
法規等
の関連においてこれをどう取捨し整理するか、そして
りつぱな法案
とするかというような問題をも取上げて研究いたしておるわけであります。今後の行き方といたしまして、
國立國会図書館
ができますれば、その
法律
に示されてありますように
機能
が充実いたしまして、ますます
國会
の
機能
を増進されるような運びになりますことにつきまして、私
ども一言
の異議をさしはさむものでないのでありますが、ただ問題は、
國立國会図書館
においてお取上げになるといわゆる
立法リフアレンス局
におけるところの
仕事
と、それから
法制部
なりあるいは
法制部
を
拡充
しましたところの
法制局
なりにおいて取扱う
仕事
の
限界
がどこにあるかという問題に帰着すると思うのであります。現在におきましては、
國会法制局法案
は一應そのままになりまして、現在
衆議院
におきましては、
議院運営委員会
におきまして、
國会法
の他の
改正
とともに各
議院
にそれぞれ別々に
法制局
を置くという案が研究せられておるのでありまして、まだ
法案
として同
委員会
の
最終決定
を得てはおりませんが、一應そういう形において行
つた
らどうかというようなことで、
目下審議
中であります。從いまして現在の
法制部
が
法制局
になるかどうかということは、その
審議
の経過なり
國会
の
決定
にまつより仕方がありませんが、事務的に申し上げますれば、私
ども
といたしましては、
國立國会図書館
でおやりになる
機能
を十分に充実していただくことはもちろんでありますが、さらにそれに足りない点をわれわれ
法制部
が
法制局
に
機構
が
拡充
せられまして、なお補い得る余地もあるかと
考え
ておるのでありまして、そうして
りつぱな法律
がつくられるように
國会
の
機能
を充実したい、こういうことが私
ども
の念願であるのであります。まだ
法制局法案
につきましては結論を得ておりません、
審議
の中途にありますので、今ここでどうだということを申し上げることは差控えたいと思いますが、大体さような状況にな
つて
おりますし、また事務的にも、一
應法制局
なりに
拡充
せられまして、
國立國会図書館
と並行して
機能
を
拡充
して、
國会
の
ほんとう
の
機能
を発揮したい、かように
考え
ております。
中村嘉壽
3
○
中村委員長
ただいま
三浦
さんの
説明
によ
つて
、
帝國ホテル
の
会合
、
運営委員会
の
会合
のことについては、ほぼおわかりにくだす
つた
ことと思
つて
おります。なお
帝國ホテル
の
会合
において
川上部長
も御
出席相
なつ
たと私は思
つて
おりましたが、そうでなか
つた
ということですから、これは私は撤回いたしますが、その
会合
の席上のことを私が
確め
たことは、
三浦
さんもお認めくだす
つた
ことと存じております。 ただいまお伺いいたしますと、今の
法制部
において大分いろいろな
調査
があ
つて
、人も足りないから人も必要だというふうにも聞いております。もちろん今
國会図書館
の方は
発足
をしておりませんから、何もしておりませんが、これが
発足
しましたならば、おのずから
法制部
が今や
つて
おるようなことの大部分の
仕事
をやる
任務
をも
つて
おるということは、先ほど私が申し上げた
通り
であります。また
使節団
の
説明
してくれた
通り
、
アメリカ
の
國会図書館
のや
つて
おる
通り
なのであります。そのあとに
フイニツシング・タツチ
をするような
一つ
の
機関
が必要だということは、これはわれわれもむろん認めるのでありますが、これが非常に
厖大
な
予算
であるがために、それができるのだからとい
つて
、まだそれができる以前において、その
方面
から
大藏省
の認めようとする
予算
に、もし
制肘
を加えるようなことがあ
つた
とするならば、はなはだ遺憾だと私は思
つて
いるのであります。われわれが今日まで伺
つて
おるところでは、
事務当局
の
方面
からかような案が出ておるのだからというようなことで、
大藏省当局
は遠慮しておられるとか、控えておられるとかいうふうに伺
つて
おりますから、後にどんなものができようと、それは別な問題でありますけれ
ども
、現実にできているところの
國会図書館
が
発足
に対して障害になるようなことがあ
つて
はならぬと思うのであります。
全幅
の
働き
をするだけの人数を認め、
予算
を認めていただかないとその
目的
を達しないことになりますから、そのことをよく
大藏省当局
に御
了解
を願いたいと思うのであります。
主計局次長
が見えておるようでありますから、今
三浦
さんから
お話
をよくお聽きくだす
つた
と思いますが、これに対して
大藏当局
の御決心をお伺いしたいと思います。
河野一之
4
○
河野
(一)
政府委員
御
意見
よく拜聽いたしました。
多田勇
5
○
多田委員
今、
三浦
さんの
お話
の中に、
法制局法案
をつくるべく
進行
中であるというような
お話
がございましたが、現在
法制局法案
をつくるべく
進行
中であるかどうか、もう一度お伺いしたいと思います。
三浦義男
6
○
三浦法制部長
御
承知
の
通り
現在
國会法
の
改正
に関しまして、先方からのいろいろな
意見
の提示もありまして、多くの
法規
の
改正
をいたさなければならない点もございますので、これに関連いたしまして、前から問題にな
つて
おります
法制部
を
法制局
にするという案も取上げられまして、すでにその案は
議院運営委員会
に提出されまして、
議院運営委員会
の案といたしまして
目下審議
中でございます。今日もそれが開かれることにな
つて
お
つたの
でありますが、午前中いろいろな
関係
でできなくて、
各派交渉会
が済んだあと、さらにまた開くというような
お話
に聞いております。さような
進行状態
であります。
多田勇
7
○
多田委員
國立國会図書館法
をつくる際に、この
図書館
は
議員
の
立法
のために資するあらゆる
調査資料
を集め、そして
議員
の
立法
の
事務的処理
までするという
建前
のもとに、
國立國会図書館法
が新しくできたものとわれわれは了承しておるのであります。しかも
アメリカ
の
使節團
の話としまして、
アメリカ
においては
法制部
はあるけれ
ども
、
日本
においては
國立國会図書館
がすべての
議員
の
立法
についての補助をするという
建前
のもとに、
図書館
をつくり上げたいという
希望
がありましたことを聞いておりますので、もしかりに
法制局法案
について
運営委員会
で取上げられておるといたしますれば、これは
國立営会図書館
を創立する、
拡充
するという趣旨に反するだろうとわれわれは
考え
るのであります。少くとも同じような性質のものが
國会
の内部に二つできるということは、いろいろな面で
支障
が生ずるし、しかも現在のような非常に逼迫した
経済事情下
において、経費の点でも相当大きな問題として
考え
なければならないと思いますので、この点は
委員会
の
意向
として、
委員長
から
議院運営委員会
に対して、
國立國会図書館
の
性格
及びその具体的な
内容
について、はつきりした申入れをしていただいて、そしてこのような二重の施設をするような点を、至急に除去していただくようにお願いしたいと思います。
中村嘉壽
8
○
中村委員長
ただいまの
多田
君の御
意見
は、ま
つた
くその
通り
だと
考え
ております。われわれがこの
図書館
に力を入れたいと思いますことは、すなわちそこにあります。今までの弊害と認められてお
つた官僚主義
というものをなくして、そして
國務
が円満に
進行
していくということの
目的
のために、こういうような
國会図書館
をつくろうということであるのであります。それと
重複
するようなことがあ
つた
り、競爭するようなことがあ
つた
りすれば、ま
つた
くこの
目的
に反することでありますから、ただいま
多田
君の御
意見
は
委員
すべての
意見
といたしまして、私の方から
運営委員会
の方にも取次ぐことにいたします。さよう御了承願います。
三浦義男
9
○
三浦法制部長
ただいま
國立國会図書館
と
目下審議
中の
法制局
とが
重複
しないかという
お話
がありましたが、これは十分それぞれの
委員各位
において
審議
せられることであろうと
考え
ておるのであります。ただ御
参考
までに申し上げておきたいと
考え
ておりますのは、現在
審議
中の
法制部
の
拡充
の問題は、
國立國会図書館
と
重複
して、特にそれと対抗するようなものをつくろうというようなことは、全然含まれておりませんし、また
國立会図書館
でおやりになる
仕事
をじやましようというようなこともないのでありまして、ま
つた
く
國会
の
機能増進
のために、それぞれある
限界
をもちながら、そして互いにその
機能
を発揮し
合つて
、結局は
國会自体
の権威を
機能
の完全なる発揮にあるという点だけを、私
ども
は外から見ておりまして感じておりますので、御
参考
までに
ちよ
つと申し上げておきたいと思います。
多田勇
10
○
多田委員
ただいま
三浦
さんからの御
意見
もございました。
國会図書館
と
法制部
と
重複
するような点がないし、かつ
法制部
の
拡充
が必要であるというような御
意見
でございましたけれ
ども
、
國会図書館
は
議員
の
立法
について
資料
を提供し、あるいはその
法文化
について事務的な
処理
をするというところまで行うという
建前
のもとにできていると
考え
るのであります。この点について、
國会図書館
だけで
法制部
がなければ
議員
の
立法
に
支障
を生ずるというような点があるかどうかはつきりしておりませんから、
委員長
からお答え願いたいと思います。
中村嘉壽
11
○
中村委員長
多田
君の御質問にお答えいたしますが、われわれはそういうことが
支障
のないような
レフエレンス局
をつくろうというのが
目的
であります。だから今
法制局
をつくろうということは、
アメリカ
にあるような五人か十人の
程度
で
フイニツシング・タツチ
をするようなものに止めたい。しかるに私
ども
聞くところによると、一方においては競走的でないという今の
三浦
君の
お話
でありますが、競走的なことはお
考え
にならぬかもしれぬが、おのずから人材を集めるにいたしましても、
法制局
の方がそういうふうに出てくるとすると、
そつちの方
にずつといいものを引きつけようという
傾向
になるし、あるいは
図書館
の方にこれを競走してとろうという
傾向
が出てきて、二重のことが行われるようなことになるのであります。われわれが
法制部
の必要であるという点は、そういうような
厖大
なものをつくるということを予想していないのであります。
國会図書館
がその大きな
任務
を遂行する、こういうつもりでおるのでありまして、
國会図書館
でやることが不足であるということは少しも
考え
られることではなし、これを十分に充実しなければならぬ。今
法制局
が意図しておるようなことを充実させようというのがリイフアレンス・ライブリーの
目的
であると私は信じております。
多田勇
12
○
多田委員
よくわかりましたが、これにつきまして、
法制部
の併置の問題、さらに実際の
図書館
の
運営
問題について、
法制
の
関係
をどういうように
考え
にな
つて
おられるか、
館長
の御
意見
をお聽かせ願いたいと思います。
金森徳次郎
13
○
金森國立國会図書館長
私
自身
の
立場
としては、この
國会図書館法
に基きましての
働き
を完全にしたいというわけでございますから、從來よりもう少し高い面に立
つて
、
國会
内に
法制局
ができることがいいか
惡いか
ということまでは、実は
言葉
を用いたくないと存じております。ただ
國会図書館法自身
の中の規定におきまして、
図書館
は両
議院
に対しまして、
立法
の
準備
をいたしましたり、また御
要求
に應じましては
議案
を起算するという義務があるわけでございますから、どうしても
法律
を確実に施行いたしますためには、
図書館
の
立法調査
と、
立法
の
議案
を
準備
する
意味
におきましての職員は、ぜひともなければならない。これは少しでも不十分でありますればそれだけ
図書館
の
機能
か妨げられる、こう存じております。そういうふうになりますると、
國会側
におきまして
法制局
をおつくりになることに理由があるかどうかという問題にいきおい触れていくわけでございますけれ
ども
、これは非常にデリケートな微妙な問題でありまして、
國会図書館
の方でいい
法律案
を出しますれば、
國会
の方で特別に多くの
法律
的な
働き
を
準備
的に
法制局
でなさらなくてもいい場合が多かろうと存じております。
從つて國会
の方でみずからの
法制局
をおもちになりまする
機箱
は、前にも
委員長
から
お話
がありましたように、
図書館
の方で
十分注意
の行き届きそうもないような点
——
そういうことがあるかどうかは別問題として、仮想的に申しますれば、そういう面についていろいろ各
法律
と
法律
との間の
調整
問題の
考え方
、あるいはまた
憲法
との
関係
におきましても、若干の
論議
も扱われるという、ごく限られた
範囲
に限定せられるのが正当なように存じております。根本にこれをまず建て直しまして、どういうふうに権限を分配するかということになりますれば、これは
一つ
の問題になろうかと思います。この
國会図書館法
があります限りは、主たる
責任
は
國会図書館
において
立法準備
の
責任
をとるべきだというふうに
考え
ます。
多田勇
14
○
多田委員
館長
の御
意見同感
でございます。私
ども
は、現在の
日本
の
行政機構
が非常に
複雜
であり、このことがあらゆる面に
支障
が生ずるという
意味
において、
行政機構
の
改革
を行わなければならないという
考え方
をも
つて
おります。そうい
つた
考え方
のもとに、おそらく
國会自体
として
行政機構
の
改革
も
考え
られておるだろうと思いますが、そうい
つた
考え方
のもとに立ち、
國会自体
がただいま
館長
から
お話
がありましたように、
図書館
の
機能
が
議院
の
要求
に應じて
立法
についての
準備
をし、あるいはその草案をつくるという
一つ
の
仕事
を與えられておるにもかかわらず、それと同じような形の
仕事
が
法制局
において行われなければならないというようなことは、非常に矛盾しているだろうと
考え
ておるのであります。少くとも
國会図書館
がはつきりした
性格
をも
つて
おりますし、最も
機構
を簡素化することが必要と思われますから、当
運営委員会
の
意向
としてそれぞれの
方面
に、はつきり
國会図書館
の
性格
、
國会図書館
の
任務
を確立されまして、こうい
つた
二重の
機構
、
複雜
な
機構
をつくらないようにしていただくように御努力願いたいと思います。
圓谷光衞
15
○
圓谷委員
委員長
に
ちよ
つとお尋ねします。
法制局
の
任務
でございますが、
法制局
の
任務
は
國会図書館
において全部できるということでありますか、そこのところを伺いたい。
中村嘉壽
16
○
中村委員長
圓谷
君にお答えいたします。
任務
を果し得ると信じております。ただこれにいくらかの
フイニツシング・タツチ
をする
程度
のものが必要だということを思
つて
いるのであります。
アメリカ
の
國会図書館
では年に四、五万の
法律
をつくるとい
つて
おりますが、それはずつと
國会図書館
の方が材料を提供しているのです。材料を提供するということは、フアクター、データーを提供する。事実決してそこにいる專門
委員
たちが自分の
意見
を加えるということではなしに、材料を提供して法文をつくらせて、今
館長
も言われましたように、いろいろな摩擦を解くとか疑義を解くというために
法制部
というものが設けられている。その人間は五名か十名の
程度
だということで、それは
両院
に置いておる。セネトにもあれば下院にもある。そういう
程度
の
法制部
が
日本
の
両院
においてもあることの必要は認めますが、残余の
立法
をするということは、大方
國会図書館
の
立法
リフアレンスによ
つて
やられると思
つて
おります。
圓谷光衞
17
○
圓谷委員
三浦部長
にお尋ねいたします。現在
法制局
で
考え
られている大きな構想のものが、もし
國会図書館
の中にその
機能
がそつくり入れられるという場合においては、現在立案されておる
法制局
の問題は、
図書館
の方に移しても差支えないというようなお
考え
でありますか。
三浦義男
18
○
三浦法制部長
その点に関しましては、先ほど申し上げましたように、
國会法
の
改正
自体は
議院運営委員会
の
委員各位
がお取上げにな
つて
おるのでありまして、その御
要求
に應じて
國会法
改正
の案を特に事務総長のところにおいてとりまとめて、ただ便宜上提出しておるようなわけであります。問題は
議院運営委員会
自体がその問題を研究しておられるのであ
つて
、それにこういう
資料
を出せということが提示されているような
立場
でございます。將來の問題といたしまして、
法制部
は
法制局
になりましても、先ほど來申しましたように、特に
厖大
なものをつく
つて
、
國会図書館
と
重複
したような行き方を
考え
ておるわけではないのでありまして、私
自身
の個人的見解といたしましては、
國立國会図書館
の
機能
を発揮しながら、なお
法制局
としてもその
機能
を発揮し得る余地はあり得ると
考え
ております。
圓谷光衞
19
○
圓谷委員
議院運営委員会
において提出しろということで出したのでありますか、また
法制局
を残さなければならぬというようなことを今までの
法制局
におられた
方々
が立案をされて
議院運営委員会
に
審議
してくれということで出したのでありますか、そこのところをはつきりしていただきたいのであります。
議院運営委員会
の方から
要求
があ
つて
出したのであるか……。
三浦義男
20
○
三浦法制部長
その点は最初に
議院運営委員会
において昨年第一
國会
において取上げられました場合においては、社会党の提案として
法制局
案が出されたのであります。それから先ほど來申し上げましたような経過によ
つて
現在に至
つた
わけでありますが、
國会法
の
改正
の問題に関しまして、
関係
方面
からある指示が参
つて
いるのでありまして、その中に
法制部
の問題も一應取上げられてあ
つたの
であります。その後私直接この問題は当事者でもありますので、私から積極的に進んでやりますことはどうかと
考え
まして、特に事務総長の手もとにおきまして、事務総長みずからそれぞれの
関係
の方にも連絡し、
議院運営委員会
等とも連絡をされまして、や
つて
おられるようなわけであります。その間の
事情
を私は十分に
承知
いたしておりませんが、とにかく現在
運営委員会
においては、
國会法
の
改正
の中に
法制局
を置くという案が取上げられているような次第であります。
多田勇
21
○
多田委員
先ほど申し忘れましたが、
法制部
がその立案されたものについて
憲法
との
関係
、あるいはその他について疑義があ
つた
場合に、
法制部
としてそれを取上げるために必要であるという
委員長
の御
意見
でございましたが、これらの問題は、
法制部
をつくらなくとも
両院法規委員会
の
事務局
を置いて、そこにおいてそれらの問題を取扱うことが至当であろうと思いますが、いずれにしましても
議院運営委員会
においてこの問題が取上げられているという現在の段階におきましては、この問題を
処理
するために
議院運営委員会
との連合審査会を開いて、この問題を討議していくようにお取計らい願
つた
方がいいのじやないかと思います。
中村嘉壽
22
○
中村委員長
承知
いたしました。そういうことはまことに結構だと思いますから、一遍連合
委員会
を開くことにいたしましよう。
圓谷光衞
23
○
圓谷委員
法制局
の方の大体の人員並びに
予算
というのがおわかりにな
つて
いるなら、
大藏当局
の方でもおいでにな
つて
おるならば承りたいと思います。
中村嘉壽
24
○
中村委員長
圓谷
君の今
お話
に
なつ
た材料は、
法制部
の方にありませんか。
三浦義男
25
○
三浦法制部長
予算
請求しましたものはございますが、
事務局
でまとめましたものを私はここにも
つて
まいりませんでした。
中村嘉壽
26
○
中村委員長
またの
機会
で結構ですから御提出を願いたいと思います。
石井繁丸
27
○石井
委員
ただいま連合審査会を開いてこの問題を討議しろという案が出たのは、まことに結構な御
意見
であります。ただいま
法制部長
の話で、
法制局
案は社会党から提案されて、それを
法制部
の方でいろいろと
議院運営委員会
に諮
つて
問題を進めておる、また
審議
を願
つて
いる、こういう話でありますが、実際にこれは社会党のわれわれの同志の方から発案せられた問題なのであります。ただその当時発案された根本的な動機というものは、議会というものが
議員
立法
しなければならないというのに、
議院
においては
立法
機関
をも
つて
おらないので常に
政府
案の提出を待
つて
審議
する、こういうふうなことになる。どうしてもわれわれ自体の
立法
機関
をもたなければいかぬ、その
資料
を集める所をもたなければいかぬ、こういうことからしまして、ひとつ
法制局
というような問題をとらえて力を充実したい、こういうわけで問題が始ま
つた
わけであります。その後
図書館
の方も急速に進展いたしまして、
立法
リフアレンスができるというようなことになりますと、その場面においても、また
國会
議員
の
要求
しているところの
立法
ということについて、大いなる力が得られることに
なつ
たわけであります。さような
関係
でありまするから、これは
図書館
でどうしてもしなければならぬのだ、あるいは
法制部
を
法制局
にしなければならないのだ、こういうふうな問題に初めから限定されたのでなく、本來の動機が、われわれ
國会
においてひとつ
立法
的なる
機関
をもちたいという点から出たことでありまするから、
國会図書館法
ができまして、それらの点について各
方面
の
了解
を得てお
つた
以上は、また
議院運営委員会
にその問題をよく討議してもらいますれば、十分なる
了解
点が出ようと思うのでありまして、この点われわれ
法制局
をいろいろと発案しました一員としまして経過を申し上げておく次第であります。
中村嘉壽
28
○
中村委員長
ただいま石井君の御
説明
によりまして、よくわか
つた
ような氣がいたします。私はおそらく
議院
運営
委員
が動機であ
つた
ならば、
議院
運営
委員
の諸君がこの
國会図書館
の趣旨を十分に御了承なか
つた
ことに起因すると思
つて
おります。あるいはわれわれがよく
議院
運営
委員
の方にお知らせすることにならなか
つた
、こういうことにも
考え
られるのでありますが、この
機能
を十分に御
了解
くださ
つた
ならば、必ず今石井君の言われたように、
國会図書館
の
立法
リフアレンスの方でこれがやれるとなれば、何も別に強いてやらなくちやならぬという必要もなさそうこ見えるのであります。これは今度の連合審査会においていろいろ
論議
したいと思
つて
おります。 ただ私たちが
希望
いたしますことは、先ほ
ども
申し上げましたように、
大藏省
がすでにできた法の運用に関して相当な
予算
を認めてくれなければ、この運用が無効になるものに対しましても、なお一種の制圧を加えるがごときことがあ
つて
、こんなものが將來にできるのであるから、その方の
予算
はあまり認めないというふうな動機を生むことがあ
つた
とすれば、これははなはだ遺憾なことでありますから、この点は十分に御
了解
願
つて
おきたいと思います。
圓谷光衞
29
○
圓谷委員
議院運営委員会
に対してこの精神をよくのみこませるために、
参議院
と
衆議院
の方で何か決議というようなことでもいたしまして、
委員長
がよく御
説明
するという方法がありましたら……。
中村嘉壽
30
○
中村委員長
圓谷
君の御提議ごもつともだと思
つて
おります、実は今日打
合会
を開きたいと思
つて
おりましたのは、
参議院
の方とも打合わせ、協力いたしまして、もつと効果あらしむべく努めたのでありますが、
参議院
の方ではほかにも御都合がありましで、今日集まることができませんでした。
ちよ
つと片言隻語でありますけれ
ども
、
参議院
の方はほかにも方法を
考え
るということを言
つて
おります。やはり連
合会
の方でも相談して、さらに
運営委員会
とも相談することが必要だろうと思いますが、適宜適当な時期におきまして
——
ただわれわれの
予算
はすぐ
発足
をせなくちやならぬのですから、それに
支障
のあることが非常に困るので、今日
大藏当局
に來てもら
つて
、そうしてこの間われわれがしばしば話をしたことをひとつ主務当局にも確認してもらおうというのが
目的
であ
つて
、大体その
目的
は達せられたと思います。何かあなた方の方で
要求
がありますか。 なおこの際お諮り申し上げたいことがありますが、今
圓谷
君の御提議によりまして、
参議院
とも合同
委員会
を開くこと、それから
多田
君の御提議によ
つて
、
議院運営委員会
との連
合会
を開くことをここできめておくことがよいと思いますが、お差支えありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
中村嘉壽
31
○
中村委員長
それではさよう
決定
いたします。 ほかに御質問がなければ、本日はこの
程度
で散会いたします。 午後二時三十分散会