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金森國會図書館長 図書館長の任命を受けましてから、中の機構を具体的に重ねて言う必要があることはもとよりですが、ただいまのところ、
場所も旧
赤坂離宮の跡を、およそ
建割りにして、半分くらいを使用することを
お許しを願うように、あちらこちらにお願いしておりまして、
國会の両院の
運営委員会等におきましても、懇談的ではございましたが、そういうような方法で
お話が進んでおりまするので、私どももその線に
沿つて内容を具体化していきたいと思
つておりますが、もとよりこの
部分は確定はいたしておりませんし、そこに多少の理想をおいて
考えておるわけであります。そうしてまた人をとりまする
関係、規模を固めまする
関係におきましても、ただいまのところは、もとより十分な人を一遍にそろえるということもできませんが、まずこの第一年の年頭におきまして、そうして
法律の予想しておりまするところに
從つて、
図書館としてどうしてもやらなければならない
最小限度の
事務だけを正確に遂行したいと思います。一度任務を命ぜられました上は、
法律のなかみを
一つでも犯すようなことがあ
つては相ならぬと
考えております。その前提から
考えていきますと、どうしても
法律が予想している
部分の局もつくらなければなりませんし、言葉は使
つておらぬにしても、
從來からの
審議の経過に顧みまして、どうしてもつくらなければならぬ局もございまするので、その点を
考えまして、大体局といたしましては
管理事務局、いわば総合の官房に近い局でありますが、それを置きまして、その中に
庶務部、
人事部、
経理部という三つの部門を設けたいと
考えております。
図書館の
事務が
人事ということに中心を置いておる以上、そうしなければ新らしい
図書館は滑らかには運営できませんし、かつまた他よりの特別なる影響なくしては動き得ないというところで、
人事部をはつきり固めるという予想をしております。
経理部、
庶務部はもとより当然必要なことと
考えます。
次に
図書館事務といたしましては、
書物を受け入れて、速やかに、また確実に予定の
計画を実行いたしまするためには、まず
受入局をぜひともつくらなければならぬので、かような局を設計しております。
次に受入れました
書物を
整理して実用に適するようにいたしまするために、どうしても
整理局を設けなければならぬのでこれを
考えております。
次にさようにして
図書館の
実質が満たされますると、これを
一般の
目的に合わせて
書物を読んでいただいたり、貸出しをしたい、あるいはまた
法律その他の
資料を並べて
利用に供するということを
考えまするためには、
一般レフアレンス局というものをつくらなければならぬ、これも当初の
審議の道順の中に
考えられておるものであります。
次に
立法レフアレンス局という、これは正確な名前ではございませんが、今まで言
つております。その
立法レフアレンス局というものは
法律の中にはつきり予想せられておりまして、その中の働く人も限定されております。これは
法律上是が非でもつくらなければならぬものであり、また
人員の
組立等もこの局に
重点を置いておりまして、
法律の
趣旨に比較的早く副うようにいたしたいと
考えております。
次に
支部図書館局というものを
一つ予想しなければなりません。これはやはり
法律の中にありまするように、
最高裁判所及び
各省の
図書館を統括的な
意味において
國会図書館でもたなければならぬ。そこで
支部図書館局というものは
法律上どうしても必要にな
つてくると
考えております。さらにまた
國会の分館ということも一應
考えておりますが、これは別に局長とかいう問題には
関係はありませんけれども、現在
國会の中にありまする
図書部をそのまま別の所に移しますることは結局議員の方々が
書物をお
使いになるのに不便であり、また
調査の点につきましても、やはりここにしつかりした窓口を経由して、いろいろの御便利を私の方としては計らいたいし、またいろいろな御要求を受付けたい、こう
考えておりまして、これは比較的軽微なものではございますが、それを設けるつもりでございます。
次に
支部図書館といたしまして、
日本で有数な
書物の集りでありますところの東洋文庫、
靜嘉堂文庫を統括いたしまして、これらの中に含まれておりまする貴重な
文献が散逸しないようにという
考えをも
つておりまして、これも
從來からのいろいろな御
計画の流れに
從つて考えておるわけでございますが、そういうふうなものを整備したいと思
つております。
大体全部総計いたしますると、
相当の
人員になるのでありますけれども、要するにこれはこの第一年度に必要な、いわば
事務的図書館の組織というところで案を立てておりますので、しかるべく
お許しを願いたいと
考えております。