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1948-03-30 第2回国会 衆議院 商業委員会鉱工業委員会連合審査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年三月三十日(火曜日)     午後一時五十三分開議  出席委員  商業委員    委員長 喜多楢治郎君    理事 石神 啓吾君 理事 笹口  晃君    理事 細川八十八君       佐竹 新市君    林  大作君       松原喜之次君    山口 靜江君       岡野 繁藏君    櫻内 義雄君       松井 豊吉君    山本 猛夫君       關内 正一君    辻  寛一君       多田  勇君    寺崎  覺君  鉱工業委員    委員長 伊藤卯四郎君    理事 大矢 省三君 理事 松本 七郎君   理事 生悦住貞太郎君 理事 澁谷雄太郎君       衞藤  速君    萬田 五郎君       村尾 薩男君    生越 三郎君       庄  忠人君    西田 隆男君       三好 竹勇君    平島 良一君       深津玉一郎君    淵上房太郎君       谷口 武雄君    前田 正男君       高倉 定助君  出席國務大臣         商 工 大 臣 水谷長三郎君  出席政府委員         商工事務官   細井富太郎君  委員外出席者         專門調査員   谷崎  明君         專門調査員   保科 治朗君     ————————————— 本日の会議に付した事件  中小企業廳設置法案内閣提出)(第一四号)     —————————————
  2. 喜多楢治郎

    ○喜多委員長 これより商業委員会鉱工業委員会連合審査会を開きます。  中小企業廳設置法案について前日に引続き質疑を継続いたします。生悦住委員
  3. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 商工大臣にお尋ねいたしたいと思います。中小企業廳設置法案については、前提として私は非常に賛成であります。ところがこの法案内容を見ますのに、非常に漠然たるものであつて、一体この中小企業廳なるものが、各省関係に向つてどれだけの権限を有するか、そうしてこれの運営をどうするかということについては非常に不明確である。この点についてもう少し強力な——昨日も質問が出ましたが、まつたく無力であつて資金資材をもたない、ただ單にアドヴアイスをするというだけであつて、それが自主的に活動を開始し、それに権限を附與されておるものでないというところに欠陷がありししないか、こういう点について商工大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  4. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 生悦住さんの御質問にお答えいたしますが、中小企業廳商工省各局並びに他省との関係のことであると思いまするが、これは昨日ある程度局長からもお答えしたと思うのですが、物資の生産配給に関しまする直接の仕事は、依然さして商工省各局、または省にあるのでございまして、その点は中小企業廳ができても何ら変化はございません。ただ中小企業廳はあくまで中小企業者立場においてその利益を擁護し、かつその向上の必要な指導を行うものでありまして、一面各現局章策に関與いたしますとともに、他面ではこれをば補うていくという使命があるのでございます。しかし実際には不即不離の関係を保つこてが必要でありまして、各局または他省中小企業廳との間には、兼任制または連絡委員会方法等をとりまして、その間に食違いのないようにやつていこうというのが、このたびの中小企業廳のねらいでございます。
  5. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 今大臣の御説明を聽いておりますと、商工省内各局において兼任をするとか、あるいはそうしたことによつて便宜を與えられるかのごとく仰せられますが、私は本質的に、企業廳自体が強力を権限をもつ何かの方策を講ずべきで、こうした無力なものであつてはならない。もう少し力強いアドヴアイスができるものにすべきで、單なる世話役ということであつてはならない、こう思いますので、その所信を聽きたいのであります。
  6. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 この法案の中におきましても、第三條で、中小企業廳は、中小企業関係ある事項については、他の行政廳協力を求めることができる」ということになつておりますので、強力な力を中小企業廳が発揮することができないようになつておることは仰せの通りでございます。しかしながらこれまで、たとえば商工省の内部といたしましても、あるいは鉱山局、あるいは科学局、その他ほとんど各省にわたつて中小企業というものに関連することはあるのでありまして、從來はそれが何らの連絡調整なしに、結局思い思いのことをやつておつたことに弊害があるのでありまして、それをこのたび中小企業廳によりまして、そういうような弊害を除いて、総合的な対策をやつていくという面だけにおきましても、非常なプラスになるのではないかと考えております。ただいまおつしやいましたようなことで、この中小企業廳構成考えていきますと、商工省各局は一度ばらばらに全部解体してしまわなければどうすることもできない。そういうことをしますと、極端な例をもつて言えば、商工省のほとんど半分くらいの仕事、あるいは見ようによつてはそれ以外の仕事が、中小企業廳にはいつてくるのではないかというような氣がいたします。そういうことはただいまの現状ではとうていできません。ひとまず各現局におけるところのばらばら中小企業対策というものを、中小企業廳によつて統一調整して、そうしてその機能を発揮するというところに一つのねらいをもつて生れたのが、今度の中小企業廳であるというぐあいに御承了願いたいと思います。
  7. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 今の御説明で大体わかりました。しかし中小企業廳というものはここにも示してあるように、商工省外局であつて、その質事性質というものは、全然違つたものであると了承しております。そこで今までのあなたの説明によりますと、どうも具体性が伴つていない。さらに突進んで、この内容を強化して、ほんとうに中小企業の発展に資するために、今ここに盛られた法案の中の條文を読んでみますと、非常に力を弱いという感じしか受けないのでありまして、中小企業廳指導的立場に立つて仕事ができるように、もう少し強化された法案をつくつていただきたいのです。いずれ條文にはいましたときに、われわれの意見もさらに申し上げることにして、一應この質問を打切ります。  その次にもう一つ聽きしたいことは、人員構成でありますが、この人員構成について、大体どれだけの人間をもつて、どういう組織でやるかということを、具体的に御説明を願いたいと思います。
  8. 細井富太郎

    細井政府委員 ただいまの御質問にお答えをいたします。昨日も御質問がございまして、大体機構につきましては、どういう機構でやつていくつもりかということを申し上げた次第でありますが、これに配置する人員につきましては、明年度予算に組んでありまする人間は、本省分といたしまして一級官、二級官、三級官、その他部員雇員等を合わせまして百三十三人を予定いたしております。他方商工局の系統におきましては、二級官、三級官、部員を合わせまして百三十八人を予定しておりますので、合計二百七十一人という予算の上の立て方になつております。これらの人員を昨日申し上げました振興局におきましては三課、指導局におきましては四課、そのほかに工藝室、それから官房に庶務課というものを置きますが、こういうところに配置する予定でおります。なおこれらの人員は、專任として從事する人間でございますが、そのほかに現在の各方面の官民の研究機関並びに地方廳の職員の全力をあげた御協力を願うという熊態考えている次第でございます。なおこまかいことでございますが、現局との関係を緊密にいたしまする意味で、現局からとりあえず二十四名の兼務者を予定いたしておる次第でございます。
  9. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 昨日もちよつとお話がありましたが、地方商工局と各府縣連絡については、どういうふうになさるおつもりでありますか。
  10. 細井富太郎

    細井政府委員 ただいま考えておりまする構想では、地方商工局に管下の各府縣仕事連絡調整する機構といたしまして、適当な課を設けるなり、あるいは現在ありまする部課の中でそれを拡充いたしまして、その仕事をやつていただく。それから各府縣にありまする商工局資材割当関係をやりまするために出張所がございまするが、出張所に若干の人数を増員いたしまして、出張所の全機能をあげて府縣第一線仕事協力する体制を整えるというふうに考えております。そうして実際の具体的の講習会等によりまする一般的な指導、あるいは各工場に対する個別の実地指導というような事務は、すべて府縣廳中心府縣の全機能を活用いたしまして、これに関係の團体なり、商工会議所等協力も得まして、府縣知事中心にいたしまして第一線仕事を進めていただく。これに商工局なりその出張所が、全力をあげて協力なり、全体の取りまとめなり、調整をしていくというような運用でいくのが一番よろしいかと考えております。一部の意見といたしまして、資材割当権をもつておりまするところは、比較的工場の実体に通曉しておるというような観点から、全部商工局中心となつて、むしろ府縣廳はこれに協力態勢をとつてやるべきだというような意見もございますが、私ども考えでは、やはり從來から各府縣下中小企業者に対しましては、府縣全力をあげて予算を計上し、全力をあげてこの指導に当つてまいりました長年の仕事から申しまして、やはり府縣廳中心に、この第一線仕事をやつてもらうのが、円滑に効果をあげてやつていく上に必要じやないかというふうに信じておる次第でございます。
  11. 生悦住貞太郎

    ○生悦住委員 ただいまのお話でよくわかりました。そういうふうにぜひ希望したいと思います。それで一應その人員構成、それから各府縣との連絡を一覽表にして委員の手もとに配付を願いたい。
  12. 細井富太郎

    細井政府委員 承知いたしました。
  13. 山本猛夫

    山本(猛)委員 お尋ねいたします。わが國は戰爭権を放棄したのでありますから、これから貿易経済立國國是としていかなければならない場合に、加工貿易関係等をも含めました考えで、中小企業の基盤を背景とする体制を確立しなければならぬということは明白な事実であります。よつてこの要綱案に対しましても、われわれは愼重審査を行わなければならないことは当然であります。私の考えでは中小企業廳を設置なさるという御精神には大賛成であります。しかし昨日も質問が出たようでありますが、中小企業とはどの程度の線を中小企業と見なすかという問題が確立しません場合においては、これを明確ならしめざる場合において中小企業に対する対策を論ずるということは早計であると思うのであります。まずこの線をはつきりしていただきたい。その線がもしおわかりにならないならば、その線がわかるまで御檢討願つて、さらにそれに必要なる案の御提出をお願いいたしたいのであります。これを拜見いたしてみますると、たとえば商工当局の談話を例にとつて申しまするならば、中小企業現状は、その技術及び経営において、依然低調を脱せず、今後よほどの努力をもつてその質の向上をはからなければ、加工貿易の上にも、はたまた國内の競爭の上にもとうてい耐え得らるべくもないというのでありまして、そして独占禁止法精神にも明らかなように、自由競爭経済を根本の原則とするのであつて、この精神を効果あらしめるためにも、競爭力の弱い中小業者を強固なものに育成することが必要である、こう言われております。ところがしばしばお役所におやりになつておりますことは、指導育成というものに名をかりて、非常なる干渉をおやりになる場合が多い。たとえば業者が希望する。それに対して伸縮性をもたせなかつたり、こうなつておるからあくまでこうだというように、業者便宜をはからうとしなかつたり、あるいはまた他面において、不必要な便宜をはかることもあるでありましようけれども大方の場合、干渉がましいような建前に立つておられるようなことが見受けられるのであります。それからもう一つには、今日の実情として、單に中小企業であるからという理由のみをもつて、これに資材資金総花式に供給することは許されず、あくまで資材資金効率的配分を期することが肝要である、こう言われております。これはまことに結構であります。結構でありまするけれども、私は大体もう役所というものを民主化するというようなことは、口では言われておりますが、現在商工省の中へ行つてみましても、どの役所へ行つてみましても、なかなかそうは行われていないようであります。特殊な関連性のあるところはあるいはどうかわかりませんが、大方の場合、殊に面識もなくて行つたような場合には、まことに融通のきかないようなことが行われる結果、民間の企業というものは、遅々としてその企業運営ができないというようなことが、まま散見し得られるのであります。でありますから、独立廳として、商工省外局としてかようなものをお設けになることは結構でありまするけれども、ただいたずらに業者の手足を縛るようなことを、指導育成に名をかけておやりになるような結果に直なつてはならないと思います。もう一つには今日は役人が非常に多い時代でありますから、さらにまた役人をこしらえるというがごとき結果に堕するというようなことがあつてはならない。いずれにいたしましても、どの辺に線を引いて中小企業となすや否やということが明確に明らかになりませんと、この審査を進めることはむだだと思うのであります。でありますからこの審査は一應打切りを願つて、さらに御檢討の上、案の再提出をお願いいたしたいと思います。
  14. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 中小企業とは何ぞやという点に関しましては、昨日私がお答えした通りであります。それにもかかわらず、今山本さんが中小企業の線をはつきりさせなければ審査はむだだとおつしやいますが、それでは私が山本さんにお聽きしたいのでありますが、あなたに今、中小企業とはどういうものであるか納得できるように定義をしていただいた上で、私どももお答えいたしたいと思うのであります。
  15. 山本猛夫

    山本(猛)委員 中小企業とはどうかという定義をくだせという商工大臣からのお話でありますが、この要綱案は、商工当局がお出しになつたのでありますから、少くもこの要綱案をお出しになります以上は、どういうふうな建前のものを中小企業と言うや否やということは、当然お考えになつておると思います。その点につきましてはこちらの方からお尋ねしたいと思います。
  16. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 その点はきのうはつきりお答えした通りです。それに対してあなたが不服であるとすれば、あなたはそれでは中小企業というものはどういうものであるかという建設的の意見を吐かれるのが、國会議員としての任務である。
  17. 松原喜之次

    松原(喜)委員 二、三御質問申し上げたいことがあります。ただいま問題になつておる中小企業定義の問題でありますが、これは明確な定義私募聞にして知らない。ただしかしながらこの法案が出て、実際行政上の活動が始まるのでありますから、從つてこの対象となるものが相当に明確でなくてはならないということは、これは申すまでもないことでありまして、この点について山本さんが御質問なさつたのではなかろうかと私考えております。これを具体的に申しますと、要綱の一番最後の備考のところにあるのですが「一方能率が不充分なため、経営技術、金融、税務、統計その他営業一般につき他の指導が必要でふるようなものである。」こういうふうに書いてありますが、これは一体その前の定義とは別であつて、必ずしもその規模が小さくなくても、その能率が不十分なため、これこれの指導が必要であるようなものというふうに加えてあるのであるか、あるいは行にあげてある比較的規模の小さい、また他の分野との関係のないような企業でゐしかもこういう性質をもつておるというふうに考えておられるのであるか、この点をはつきりとしていただきたいと思います。と申しますのは、この指導を要するような企業であるならば、相当規模が大きくても、それは中小企業廳対象たる企業になるのだというふうな考え方もあるようでありますが、もししかりといたしますならば、結局本來の中小企業というものが対象にならずして、比較的大きな企業がその中にはいつてまいる。そしてその比較的大きな企業の方が、よけいにその恩惠をこうむるというようなおそれも相当考えられると思いますから、その点を明かにしていただきたいと思います。なおもしできますならば、その規模におきましてもある程度標準、非常に嚴格な標準でなくてもよいですが、大体の標準というものがなければならないと思いますので、その点に関するお考えも併せてお答え願いたいと存じます。
  18. 細井富太郎

    細井政府委員 中小企業廳定義につきまして、昨日以來御質問がございますようですから、ちよつとこの機会に法案を立てました場合のいきさつにつきまして、御説明申し上げまして御了解を得たいと思います。本來ならば中小企業廳設置法案に、この中小企業という言葉を使つておる以上は、何らか條文でその定義を明かにするのが建前でございます。殊に從來法律は、およそそういうふうに明確に出ておる次第でございますが、この法案において中小企業定義を明確に定義することは、非常に困難であるというような実情と、中小企業というものは非常にその範囲について彈力性をもたせる必要があるというような関係から、画一的に法律でもつてその範囲を限定することは、むしろ適当でないだろうということで、実はこの條文には入れなかつた次第であります。大体の定義につきましては、先般閣議決定をみました御承知の中小企業対策要綱備考にございますような定義になつておりまして、この定義によりますと、資本金額とか、從業員数、あるいは生産額等によつて、機械的に形式的に限界を設けることをことさらに避けております。かりに何らかの基準で定義をくだすといたしましても、業種別に見まして、必ずしもそれが限界として適当であるかどうかというようなことも非常に疑問がございまして、その線を画することが困難でございます。同時にかりに線を画することができましても、それによつてどういう利益があるかということになりますと一般取扱いの場合ですと、その範囲を明確にいたしまして、これによつて権利賦與あるいは義務を課するということに関係いたしまして、はつきりしないと困るというような観点がございますが、中小企業対策の場合は、そういうような権利義務関係ではなくして、むしろ常識的に考えまして、政府指導援助という事柄が必要だという実質的な観点から、彈義性のある運用をすることが最も妥当ではないか、こういうふうに考えられる次第でございます。從來考え方から申しますと、一應いろいろな統計数字なんかをまとめる場合には、從業員百人未滿の工場中小企業というようなことで、数字を整理しておりまするけれども中小企業対策対象となるものにつきましては、必ずしもそういうような線をおく必要がないのじやなか。從つてこの備考にあります定義につきましても、初めにありますように、およそ左に述べるところに準じてとありまして、非常に彈力性のある含みをもたしております。從いまして規模その他につきましても、相当彈力をもつて考えていただきたい。要は具体的に業種別に見まして、はたしてこの程度のものが指導援助を必要とするかどうかという具体的な実情に合わして判断していくのが、最も対策として当を得た結果が得られるのじやないかと信じている次第でございます。
  19. 松原喜之次

    松原(喜)委員 御答弁で私了承したのでありまするけれども、ただ一言この点について申し上げておきたいことは、その業種によつてそれを中小企業廳の傘下に入れる。たとえば時計工業中小企業廳管轄に属するとか、あるいはメリヤス工事中小企業廳管轄に属するというようにおきめになるやのうわさも聞いたことがあるのでありまするが、はたしてそうとするならば、その業種の中にもやはり大企業とみなすべきものを若干含んでおるというような場合に、実情といたしましては、比較的大きな業者の方は從來統制関係、その他の関係から、官廳との連絡が非常により。しかるに多くの他の本來の中小商工業者は、非常に連絡惡い。こういう結果、得てして偏頗な取扱いを受けがちであるというふうなことは、実務に携わつておる連中の常におそれておるところでありまするから、少くとも心構えにおいてこの要綱あるいはその裏面にもうたわれておりまするように、これは單に生産政策のみをもつて考えるべきものではなく、社会政策的な分子を非常に多く包含されて、中小企業廳仕事運営されるのでありますから、比較的小さな企業に重点をおくという心構えをもつて常に一貫していただきたい。こういう点であります。
  20. 細井富太郎

    細井政府委員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。誤解をまねくといけませんから用よつと申し上げたいと思いますが、中小企業廳では特定の業種を限りまして、これに対して資材割当その他企業全般を所管するという建前はつつておりません。ただ中小企業廳資材割当等事務はいたしませんが、各工場の具体的な指導育成という面につきましては、中小企業廳対象になりまするものにつきましては、いかなる業種についても、これをやつていく。いわば指導育成という面では、あらゆる中小企業業種を所管するというかつこうになるわけでございます。從いまして一例を申し上げますと、たとえば陶磁器工業というようなものをとりましても、日本陶器あるいは日本碍子というような非常に大きなメーカーがございます。こういうものを直接所管することはございません。しかし陶磁器工業の中には、おのずから中小メーカーが多いわけでございまして、こういうものにつきましては、資材の割合は直接はいたさないにいたしましても、その技術指導なり、あるいは向上というものに対しましては、中小企業を直接所管しておる所管廳が実際にはやつておる。こういう観点に立つてこの面から見ますと、比較的中小企業の多い業種には比較的多くタツチしていくことになろうかと考えております。
  21. 松原喜之次

    松原(喜)委員 次に少しこまかい問題になりますが、法案を見ますると、技術の点につきまして「試驗研究機関協力を求め」こういうように書いてありまするが、要裂を見ますると、むしろ中小企業廳以下一連の新しい機関技術面中核体として働く、こういうふうに書いてあるのであります。私ども考えますのは、日本技術の水準を上げるためには、まず一般的な、根本的な問題を取扱つて研究をやつていかねばならないことが第一であり、その次には具体的に各期種についての技術指導向上考えていかねばならぬ。この二つの面があるのでありまするが、戰後非常に欠けておるところのものは、その一般的な研究機関であり、技術向上指導についての基本的な研究であると思うのであります。從つて中小企業廳がこれを所管するということは、非常にむずかしいのでありますから、むしろ既設の研究機関を大いに拡大強化して、今非常に萎微をきわめております研究機関活動を復活せしめるところに意を用いなければならないと思うのであります。ただ中小企業廳関係技術者というものは、それらの研究機関の成果を常に知つてつて、そうしてそれらの研究機関業者との間を取りもつという程度のことしかできないのじやないか、この点を初めから明らかに考えておいてもらつて、もしできるならば予算時におきましては在來の研究機関相当補定を與えるとか、その他いろいろの研究振興策を講じていただくことに意を用いていただいたらどうかと考えるのであります。
  22. 細井富太郎

    細井政府委員 中小企業指導面に対する試驗研究機関運用方針でございますが、これに対しましては二通り運用方針ができ上ると思います。それはたとえば要網にございますように、各企業体審査制度というようなものを実行いたしまする場合に、試驗研究機関の有能な方々に参加していただいて、その工場下部技術その他いろいろな面からの判定にひとつ協力していただき、直接この仕事に参加していただくという方法と、試驗研究機関自体でもつて中小企業機関相談相手になつていただく。あるいはみずからいろいろな講習会その他の仕事をやつていただくという面もあると思います。この対策におきましては両方を私ども併用していきたいと考えておるわけでありまして、たとえば試驗研究機関相談相手機能といたしましては、こういう作業についてはどこの研究所のたれそれが非常に権威者であるというふうな、細大漏らさないリストをつくりまして、これを中小企業者に知らせるようにしてやる。たとえばプレス作業を教えらもらいたいというような場合には、どの研究機関のどの先生のところへ行けば一番よく教えてくれるというような連絡をしてやることが、中小企業廳一つの役目ではないか。一面先ほど申しましたように、試驗研究機関のそういう権威者を企業審査その他個別の指導講習会等の直接中小企業廳の計画する実際の事業面に参加していただくということも必要ではないかと思つております。こういう両面から極力活用していきたいというふうに考えておるのでありまして、閣議決定の点と、法律案の協力を求める点とは矛盾するのではなく、両方をねらつておるというふうに御了解を願いたいと思います。
  23. 松原喜之次

    松原(喜)委員 次に審査のことでありまするが、從來この審査をするに当つては、原單位効率の標準をもつてきてやるというふうなことを聞いておりますが、現在のわが國の中小工業の実体から申しますれば、さような複雜にして理論的な審査をするというようなことは、実際に今のところあてはまならないのであつて、むしろもつと常識的に、そして中小商工業者が受入れられるような標準によつてやらないと、いたずらに実体と遊離した運営になるのではないかということがおそれられるのであります。この点についてどういうふうに考えておられますか。さらにまたこの審査に合格したならば、それに対して何らかの特典があるのかないのか。法案によりますと、企業者自体が申出でなければ審査しないということになつておりますが、もしその審査の結果何らの利害関係がないものとするならば、單に指導を受けるというだけのことであるならば、進んで審査を受けようというような中小業者も非常に少いのではないかと思うのであります。もとより能率効率等を考えられる点から申して、審査の結果、審査に合格したならば資材、資金等の方面において、特殊な便宜を與えるというような考え方をもつて審査をなさるのであるかどうか、はたしてそうであるならばどういうふうな標準をもつて審査の合格か不合格かをきめられるのであるか、この点についてひとつ……。
  24. 細井富太郎

    細井政府委員 審査制度運用につきましては、その根本方針といたしまして御意見通りに大体考えておりまして、あまり細目にわたつて專門的な計算によつてやるのではなくて、比較的常識的にこれを判定していきたいというふうに考えております。また原價位計算等につきましても、あるいは原價計算等につきましても、中小企業の面では、理論的な面をあまり強制しないで、今後の指導方針といたしましてもなるべく今までの大福帳式のものでも困る。しかしあまり專門的なものでもただちにやらせるのはむづかしいという点がございますので、簡易な計算方法を大体指導いたしまして、これによつてこの税の関係の算定等の税務署の参考資料としてもいいものが得られる。企業者としても改善ができるというような点をねらつて、あまり高級な指導をしないつもりであります。  それから審査の結果どうかということにつきましては、ここにあります通り審査は申請によつて行うのでありまして、強制的には行わないというのが指導理念になつております。しかし單なる合格不合格というような決定はいたしませんで、この工場はいろいろな面から見て、小さいながらも大体においてバランスがとれておるいい工場であるというような判定で、等級をつけるかもしれませんが、合格不合格のみをきめないで、この工場はどこが惡いかというような健康診断的な結論をつけることにいたしております。その結果惡い点を直せば、さらに優秀なものになつてくる。合格したものは大体バランスがとれておるというようなことで、結局合格点までいつたものについては、その工場内容をそれぞれ所管の各原局に連絡いたしまして、資材割当、あるいは生産割当等に対してこれを優先的にいい工場として取扱つていただく。こういうふうに取扱つていきたいと考えております。
  25. 松原喜之次

    松原(喜)委員 なお二、三承りたい点がありますが、次の機会に讓りまして、私の質問は本日はこれだけにしておきます。
  26. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 私はごく簡單に商工大臣にお尋ねしたいと思います。この要綱にも政府考えとして発表されておりますように、中小企業を維持育成しなければならぬことはよくわかつておりますが、現在の状態で中小企業をある程度まで整備しなければならぬという問題も、相当に重要問題の一つ考えられておると思う。中小企業の維持育成という問題と、企業整備の問題とに対する現内閣の根本方針をはつきりと明確に御答弁願いたい、これだけです。
  27. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 ただいまの御質問の点でございますが、先ほど山本さんのお言葉にもあつたのですが、現在の経済力によりまして、中小企業を振興すると言つても、ある一定の限度がありますので、たとえば輸出振興であるとか、基礎産業の関連部門の中小企業、あるいは生活必需物資というようなものに対して、やはり重点を置いて進まなければ、二兎を追う者は一兎を得ずということになろうかと思います。從つてそういうような線からはずれたものは、そういう産業に轉換してもらわなければ、ある程度やはり整備の対象になるということは、私はやむを得ないのではないかと思つております。
  28. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 それでは重ねてお尋ねいたしますが、基礎産業あるいは重要産業以外のものに対しては、企業整備を断行する意思もあるといふうに承知してよろしいか。
  29. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 さきに申しましたように、輸出産業あるいは基礎産業に関連したところの中小企業とかいうもの、そういう重点的に扱う以外のもので、比較的不急不用のものに関連するところの中小企業に対しては、ある程度整備はやむを得ないのといふうに御了承願つておきたい。必ずしもそれ以外のものは全部淘汰するという意味ではありません。
  30. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員 この問題はよほど重要な問題でして、なんと申しましても一方におきましては企業を整備しなければならぬという声が相当に高いのでありまして、他方におきましては中小企業を維持育成しなければならぬという声もある。これはごもつともことであります。とかく世間ではそれが誤解をされておりまして、混同するおそれがある。この点はよほどはつきりしておきませんと、私は將來いろいろな問題が起つてくるのではなかろうかと考える。たとえば一つの例をあげますと、ある事業におきましては、実際において現在の生産能力が國内の需要を充たし、あるいは輸出産業を営みましても、まだそれ以上に生産能力を余つておるのではなかろうかというような業種相当あるように思われるのであります。しかし御承知の通り企業許可令が撤廃されまして後というものは、最近におきまして不健全な工場相当できておるのではなかろうか。これらの業者はこの要綱にも書いてありますようにいたずらに貴重な資材を浪費しておりまして、満足な品物ができない。これらの工場をそのままに存置することがはたして國家のためにいいのか、それともこの際やはりある程度まで根本的な整備を断行することが妥当かという問題は、相当にこれは研究を要する大問題だろうと思います。そこでここに今企業廳を設置しまして、中小企業を維持育成するという建前を何か矛盾したようなことになりはせぬか。それがややともすると世間の誤解を招きまして、日本の産業の発達のために、かえつて非常に迷わなければならぬような状態に追いこまれるのではないかということを懸念するわけであります。これは法案に対して賛成とか不賛成とかいう意味ではないのでありますが、現実の姿から判断いたしまして、その点に対しまして政府当局は確固たる信念をもつてそれを実行されると同時に、世間に誤解のないように確然と表明していただくことが最も必要だと思いますので、重ねてお尋ねするわけであります。
  31. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 あなたの御質問の趣旨は、私も十分了承しておりまして、あなたのお考えと私の考えとは少しも矛盾しておらないと思います。現在の日本の経済界におきまして、経営の合理化、企業の整備というものが必要であることは言うまでもないのでありまして、この点は中小企業であるからといつて、除外例を設ける問題ではないというぐあいに御了承願いたいと思います。
  32. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 二、三機構上の問題についてお尋ねしたいと思います。さつき商工大臣が、中小企業ばらばらであつて、それでは弱体であるから育成、指導するための機関としてこういうものをつくるというようにとれたのでありますが、この点私は同感であります。中小企業廳行政の一元化について、その機構権限の点ですが、たとえば資金なり資材なり物資というものを、やはり中小企業廳が一元的に把握されて、一切のこうした権限、権能というものをもつてやられる。あるいは必要量というものは中小企業廳が計画をされ獲得されて、それらを配分される権限までもたれるのかどうか。こういう点をひとつお尋ねいたします。
  33. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 ただいまの伊藤君の御質問は、さつき生悦住委員から中小企業廳商工省各局並びに他省との関係いかんという御質問がありましたときに、私が答えた通りでございます。すなわち中小企業廳が一元的に物資なんかを統制するのではなしに、それはあくまでも現局がやることは言うまでもないのでございまして、物資の生産、配給に関する直接の仕事は、依然各現局または各省にあるのでございまして、その点中小企業廳ができてもどうも変化がないということは、先にお答えした通りでございます。それでは困るじやないかというような御質問もあり、また伊藤君の御趣旨も、もつと強力なものでなくてはならぬのじやないという御質問であろうと思うのでありますが、そういうことはなかなかむずかしいので、その御趣旨に副うならば、一應商工省各局ばらばらにしなければならぬほど、中小企業というものの範囲各局にまたがつておるのでございまして、ただいまのところは、先ほど生悦住氏に申し上げたような程度によりまして各現局各省調整連絡を緊密にやつていくという方向にもつていくのが正しいのではないかと考えております。
  34. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 機構上の問題については、なるほど今商工大臣が言われるように、永らく間において役所の割拠主義が非常に動脈硬化をしてしまつておるので、その点を中小企業廳一つつくることによつて全体の割拠主義というものの中から中小企業に必要なものだけをとつて一元化するという点においては、相当困難な点があるということもわれわれはわかります。しかしながらその割拠主義をそのままにしておいて、中小企業廳というものをつくつて單に中小企業の振興指導をする、あるいは中小企業の健康診断をするという程度であるならば、それはおそらく從來と大した変つたことはないのではないか。中小企業者がほんとうに期待をして、そこを中心にして自分らの將來の工業の発展、自分らのよりどころをもつことができぬのではないか。たとえば資金なり資材なり物資についても、中小企業廳はあるけれども各省各局各課をまわつて歩かなければならぬということであるならば、中小企業廳指導権威というものを期待さすことはできないと思うのであるが、そういう点に対してもう少し中小企業廳業者から期待されるというところの行政上の権能について、さらに考うべき点があると思うが、こういう点について商工大臣相当考えになつておるかどうか伺いたいと思います。
  35. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 ただいまの伊藤議員のお尋ねは、中小企業対策に対制力がなく、從つて政策の浸透力が非常に弱いので、こういうことではだめじやないかという重ねての御質問であろうと思うのでございますが、中小企業技術向上及び経営能率化、すなわちその本質の改善をはかるを目的とする事業というものは、私は本來は強制すべきものではないと考えております。またいかに強制しても、ただ強制によつて実効をあげることは困難であろうと思います。けだし技術経営等の向上というものは、向上せんとする中小企業者自体の問題でございまして、みずから発するところに適当な指導を與えてこそ効果があろうと思うのであります。このような指導行政におきましては、強制ということは意味がないのでございまして、中小企業廳はあくまでも何人をも納得せしめる、眞に適切なる指導を與えることによりまして、中小企業者向上を意欲を触発せしめ、その水準引上げの実効をあげることをわれわれは期しておるのでございます。これがためには制度の運用は結局人にある点に鑑みまして、このたび中小企業廳構成に対しましては、石炭局のように法制上過半数を民間人で占めなくてはならないというようなことはうたつてありませんが、できるだけそういうような趣旨に沿うてやつていこうと思つております。この点はさきにどなた樣か知りませんが、指導干渉というようなことを申されまして、ややもすれば指導干渉に陷る、こういうようなことではだめだという御注意もあつたのでありますえゆえに、あくまでもただいま申し上げましたような線に沿つて中小企業というものを指導していこうというのがわれわれの考えでございます。
  36. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 商工大臣答弁は、私が業者に対する経営に対して、何か強制的な点を必要としておるかのごとき質問であつたように解されての答弁のようでありますが、私は先ほどの質問には、業者に対しての経営上に対する指導的な強制ということは考えておらぬのであります。私が先ほど伺つて点は、各省各局のセクシヨナリズムというか、なわ張り主義というか、そういうものをそのまま存置させて中小企業廳をつくつても、中小企業者から期待されるということはあり得ないのではないか、中小企業廳中小企業者がら信頼期待されるということであるならば、やはりそういう省内にある各局のセクシヨナリズムの割拠主義に陷つている点を相当中小企業廳が統轄して、業者の信頼期待のよりどころをそこに求められるようにしてやる必要があるのではないかという点を私は質問をしておるのでありまして、その点はひとつ誤解のないようにしておいてもらいたいと思います。この点に対して私はまだ商工大臣答弁では非常に意見が違うので、割り切れない点がたくさんあるのでありますけれども、これ以上探く突込んで進めることはやめたいと思つております。  そこで中小企業指導するという問題でありますが、從來はこの業者がそれぞれ團体なり組合なりを皆もつてつたのであります。これは御承知のように今度関係方面との折衝によつて解散をしなければならなくなつて、今日では皆ばらばらになつてしまつたおるのであります。そこでこの個々ばらばらになつているものを—一一体何十万数があるのか私よくわからないが、そのばらばらのものをそのままにしておいて、これを診断し、振興育成するということは容易ではないと思うのですが、やはりこういうものはそれぞれに業種別というか、何か組織体をつくらして、その組織体を中心にして技術なりあるいは診断なり、あるいは振興の方法なり指導方法を講ずる必要があると思うが、業者のそうした組織の点についてどういうふうにお考えになつておられるか、中小企業の信用というものは、個々ばらばらではあまりに貧弱で対象にならぬのであります。やはり業者の信用というものは、そういう組織体をつくらして、組織体を中心にして資格信用というものが出てくるのであります。たとえば資金の問題にしても、資材の問題にしても、あるいは仕事をとるにしても、あるいはそれを配分しておのおのの能力に應じて仕事をやるにしても、やはりそういう一つの組織体が中心にならなければ思うようにならぬのだが、新しい中小企業者のそういう組織について、一体解産後の業者をどういうように扱おうと考えておられるかをひとつ伺いたいと思います。
  37. 細井富太郎

    細井政府委員 ただいまの御質問は、役所のセクシヨナリゼムの打破という根本問題に触れておりますので、中小企業廳がこれに対してどういう役割を果すかという点は、その部分的な点におきましてはある程度の力になろうかと思います。と申しますのは、中小企業廳が各業種にわたりましてその対象となつておる中小企業技術指導等にタツチいたしまして、これによつて得られました結果を各現局なり各省に要請いたしまして、その育成指導してよくなつ工場を活用してもらうというような面に触れていくという意味合におきましては、中小企業廳活動は、ある程度セクシヨナリズムの打破という点に力を現わすのではないかということが期待されるのでありますが、しかしセクシヨナリズムがいいか惡いかということは別といたしまして、セクシヨナリズムの打触ということを中小企業廳の責任のごとく考えますると、少し期待し過ぎるんじやないかということを考える次第でございます。中小企業廳がかりに資材その他の面で相当権限をもつてやるという建前をとることにいたしましても、あまり中小企業廳権限によつて他廳を抑えるというようなことを強硬にやりますることは、またこれ一つ中小企業廳のセクシヨナリズムに陷るというような点もおそれるのでございます。中小企業廳は金融の面あるいは資材面におきまして、審査制度の活用いかんによりましては、まじめにやればますます信用を受け得るということを信ずる次第でございます。なお一つの組織体をつくつてやれば一層効果があるじやないかというような御意見に対しましては、現在の制度といたしましても協同組合の制度がございます。またさらに近く企業者團体というものも、法制的な基礎がどういう形で現われますかわかりませんが、新しい理念のもとにできることになろうかと存じます。そういうような組織体は、ある程度この活動に対してまとまつた協力態勢をとり得るんじやないかということを期待しておる次第でございます。しかしあまり組織体によつて統制的な機能をもつてやるということは、戰時中に陷りました弊を繰返すことになるわけでございまして、その点組織体の力をあまり強権をもつて期待するということは、今後におきましてはとり得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  38. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 現在のところは業者が一應ばらばらのようになつておる。從來一つの團体組織というようなものを解散して、新しい協会とか何とかいうクラブ式のような名前をつけてつくろうとしておるようでありますが、何かそういう新しい法律によることが指示されるまでは、現在のような業者の自由な状態に置いておこうというお考えでありますか。そういたしますると、やはりこれらを振興指導する上において、非常に困難な点があるのではないか。たとえば從來商工会議所などを中心にしてやつておりましたけれども、これらも今日では御承知のように、そういうところに深くはいつてやるということが、ほとんどできなくなつておるようでありますが、地方における業者とこの中小企業廳との関係というものが、もつと何か血の繋がりというか、そういう点について中小企業廳業者とこういうふうに結びついてやつていくのだ、しかし個々ばらばらのものとしてはとうてい容易でないから、このように業種別的にやつていくのだという構想をもつておられるかどうかをひとつ伺いたい。それから先ほどもお話が出ておつたようでありますが、地方の府縣においての関係であるとか、その府縣内における中小業者の組織と言うか、それと府縣関係というものをどういうようにお考えになつておるか。あるいは地方商工局とその府縣との関係というものをどういうようにお考えになつておられるのか。たとえばその府縣内においてたくさんな小中企業者がある。あるいはいろいろな組織というものをつくつておる。そういうところから資金なり資材なりの必要量というものがもち出されてくる。そうすると、府縣はそれをまとめて、多分中小企業本廳にもつてくるというようなこともあるであろうと思う。あるいはその場合に地方商工局との関係というものもまた、いろいろそこに複雜微妙なものが起つてくると思うのだが、そういう点に対してどういうようにさばきをされようとしておられるのか。あるいは府縣における駐在員というか、そういうような係管は、單にこの工場の健康診断をする、あるいは振興指導をする、そういう精神的な技術的な面だけを扱つてやるのか。そうすると資金なり資材というものは取上げてやらぬのか。そういうような関係について少しはつきりした御説明を願いたいと思います。
  39. 細井富太郎

    細井政府委員 個々の企業者の扱いをばらばらにしないで、組織体をつくつてやるという問題につきましては、今日御承知の通り独占禁止法関係等もございまして、強力な組織体にある程度とりまとめた仕事をやつていただく、また役所の側におきましても、この組織体を使つていろいろな仕事をやるということはできなくなりますので、自然に現在の制度として認められております協同組合の制度をできるだけ利用するようになろうかと考えるのであります。協同組合の制度は、元來これも強制的なものでありませんし、またある地域のある業種業者を全部網羅するというものではございませんが、今日の中小企業者の形態から申しまして、数は別といたしまして、ある程度大部分を何らかの形で包擁するような團体に発展していくのじやないか。その意味におきまして、協同組合の制度は、相当組織体としての活動もできるというようなことを期待しておる次第でございまして、指導育成いたしまする面から申しますと、こういう協同組合があるということは、ある程度のまとまつた的があるということで、非常に指導しやすくなるということが期待できるのではないかと存じます。それからまた一面、新しい意味の事業者團体、あるいは商工会議所等につきましても、独占禁止の建前からは強力な統制的な仕事を除去されておりますけれども指導的な面におきましては相当活動が期待されるのではないかというふうに考えておる次第でございまして、これらの協力も私どもは期待している次第であります。  それから府縣廳商工局あるいは本省の中小企業廳との関係につきましては、先ほど御質問がございまして、一應お答えいたしたいのでございますが、実務は府縣廳中心にやつていただくのがいいと私ども信じております。これは多年の間府縣廳相当の経費と人員とをかけて、管内の中小企業の育成には努力しておるわけでございまして、最近は資材割当というような仕内はもつておらないにいたしましても、相当指導力をもつておるというふうに考えられますし、また指導することに対しては、各府縣の知事以下相当の熱意をもつておられるということが見受けられますので、これらの全面的な活動によつてつていただくということが一番効果をあげるのにいいのではないか。地方の商工局におきましては、各府縣の具体的な仕事がやりいいようにいろいろの手を貸してやる。あるいは資材割当をやつておりますので、その面から見ていろいろの実情をよく把握しておるという面からも、府縣廳のそういう仕事に力を貸してやるというようなことにもつていつたらいいのではないか。從いまして、府縣にありまする商工局出張所のごときも、その所員をあげて府縣指導仕事に参加させるということが望ましいのではないか。また審査の結果、あるいは指導の結果によりまして、優秀な工場がだんだんできてまいりますれば、商工局なりその出張所は、資材割当の面においてそれを取入れて措置していくということもでぎるのではないかと考えております。この中小企業指導というものは、單なる掛声あるいは精神的な心構えのひつぱつて行き方でなくて、技術面指導でございますから、その実益は非常に大きなものがあると考えるのであります。しかしこの仕事は非常に困難な衆事でございますので、関係の向きが協力して、相当の期間熱心に飽きずにこつこつやらなければでき上らないということを覚悟をいたしておる次第でございます。
  40. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 どうも自分が聽き方が惡いのか私にはよくわからないのですが、だんだん説明を聽いておりますと、とにかく物の面にはなるべく触れないようにして、あくまで精神的な技術的な振興指導に重点を置かれているように考えられのですが、そうすれば中央地方を問わず、資金なり物資なりという物の面には触れない、直接責任をもつてさばいてやらないというお考えであるかどうか。この点は中小企業を振興指導する上に、再建してさらに中小企業國として今後の平和産業として発展さす上に、非常に重要であると思うのであります。もちろんそれぞれ工場の診断をして、技術的に高い水準にもつていくということも非常に必要であるけれども、しかし今日一番困つているのは、何と言つてもやはり資金と資材というような物がないために、ほとんど手をあげてしまつている。だからこういう物の問題をこの数多い業者が一々中央、地方等に出かけて行つて陳情しなければならぬ。しかしながらそれも中央、地方においても企業関係当局において一元的には受けて取扱つてもらえない。物の問題になれば、旧來からあるところの機関に一々陳情して獲得しなければならぬということになつてくると、地方においてはほとんど商工局が握つているのであつて、そこに陳情しなければならぬ。さらにまた中央に出てくれば、商工省のそれぞれの局、課に陳情しなければならぬ。あるいは他の各省各局に陳情しなければならぬということになつてくると、実際問題として中小企業を今後盛んにしてやろうということは、なかなか容易でないのじやないかと思う。精神的な面だけを中小企業廳が取上げてやられんとするのか、物の問題についても中央、地方を通じて相談相手になられるというような一元化について相当の計画をもたしてやられるとするのか。この点をもつと明確に御答弁願いたい。
  41. 細井富太郎

    細井政府委員 物の面につきましては、しばしば各委員から御質問がございまして、大臣からもお答えがございました通りでありまして、中小企業廳はみずから物をもつて與えるという指導はいたさない建前にいたしております。これは反面から申しますと、物を持たないで仕事をやるということは、非常にやりにくいというような点もございますが、しかし重要資材の問題の扱い方につきましては、特に中小企業の分はこれだけ、その他のものについてはこれだけというようなわけ方で計画することは、非常に困難であるのみならば、実際にそういうことをいたしましても、業種別にこれを扱います場合に、非常に総合性を欠くという点がございますので、物の面は特に中小企業廳は直接はもたないという建前にいたした次第でございます。しかしながら物の勲につきましても、中小企業廳活動によりまして、逐次向上いたしました中小工場の実態を、物をわける官廳に十分に徹底させまして、そして、物をわけるにつきましていやいくも優秀な工場をオミツトすることのないような扱わせるという大きな仕事も側面からはあるのではないか。これは何も持たなくても、中小企業廳はこれだけの調査をし、業者の方でも相談の上、これだけ扱わしてくれという要望をいたすことによりまして実効をあげることができるのではないかということを信じでおる次第でございます。また物の面は直接もまたないとしても、中小企業廳の任務は、決して單なる精神的な指導でなくて、技術指導経営指導というそのこと自体が具体的な仕事でございまして、これは非常に大きな仕事であるて考えております。
  42. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 他の委員からも相当この問題については御意見があると思いますので、これで私の質問は一應打ち切つておきたいと思います。どうも今までの政府側の答弁では、中小企業廳設置の実力というか、そういう点に対して私ははなはだ宇得いかない。今政府委員から答弁された程度のものであれば、中小企業廳という業々しいものには考えられない。経営技術指導だけならば一局の衆事にすぎない。少くとも中小企業庁という銘を打つて設置する以上は、中小企業に関する限り商工大臣も言われておつたように、行政の一元化をはかつていく。その一元化された行政力をもつて各省各局等にまたがるセクシヨナリズムというものを、中小企業廳を盛にするために、これらの一元化した力をもつていく。行政の面においてそういう一元化をやつていくとともに、物の面においてもできる限り行政の並行して、中小企業庁が一元化して取上げて、直接の業者あるいは府縣に駐在するところの駐在員を中心にして期待されるようにやつていく。そういう技術経営指導を併せてその裹ずけとして、直接必要な物というものも行政の並行してもつていく、こういう権限をもたないならば、單に商工省一つの廳が殖えたというほかに、あまり期待されない結果になるのじやないか。從來からとかくいろいろな廳その他ができても、初めに期待されたこともあとからその期待がされないということは、結局古い省に一つ新しい廳ができて、そういうセクシヨナリズムというか、そういうなわ張りが一つ殖えたというもの以上に期待されるものが今までない、だから少くともそういう廳を一つつくる以上は、その廳を中心にして行政も一元化さしていく。あるいは物の面も、あるいは技術の面も、あるいは指導の面も一幹化さしていつて、そうして復雜なる從來行政機構というものをそういう一つの新しい機構によつて漸次その時代に即應して、國際情勢においても、この企業の上においても、あるいは製品の上においても、あるいは市場進出の上においても、そういう時代に即應じて指導していくということにならないならば、古い官廳役人機構の中に、依然として一つ殖えたというだけなら、およそ新しい性格というものはもち得ないのでないか。そういう点に対して少くとも中小企業廳をつくられる以上は、今私が申し上げた点を十分商工大臣はお考えの上に、今後中小企業廳の設置をされ、あるいは行政を一元化され、あるいは機構権限運営等の上に十分ひとつ留意をしてもらいたいと思うのであります。なおまだ意見がありますけれども、これはいずれあとで意見等を戰わせる場合に申し上げることにして、私の質問は以上で打切つておきます。
  43. 前田正男

    ○前田(正)委員 私がこれから質問しようとするのは、ただいまの伊藤委員意見とまつたく同感でありまして、先ほど來またはいろいろとそういうお話を聞いておるのでありますが、私自身も未だに了解することはできません。ここではなはだ重複するようになりますけれども、あらためて同じような点につきまして質問さしていただきたいと思つております。まず第一の問題として、中小企業定義について、先ほど來いろいろの御意見があつたようでありますが、この法案を見てみますると、中小企業者はこの廳に向つて届出をしなければならぬとか、あるいは廳が中小企業者に対していろいろ行うことがあるようでありますが、その場合にどういう範囲、どういうものが含まれるかということが、ある程度わかつていなければならず、またそういうものを規定するような銓衡委員会とかいつたものがなければ、実除問題として困るのでないか、業者の方も困るし、まだ企業廳自身も困るし、自分らはこの廳に関係あるかどうかということすらわからない、そういう問題が実際問題として運用上出てくるのでないかと思うのでありますが、これに対してはどうお考えになるか聞きたいと思います。
  44. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 前田さんの重ねての御質問でございますが、中小企業はどういうものであるか、その範囲というのは昨日來または本日、局長等からお答えした通りであります。大体戰爭時分百人以下程度從業員のところは中小企業と言われておつたのですが、このたび場合においては、例外は除いて、原則としては大体從業員の数からいえば、その程度が界になりのではないか、このように考えております。その他昨日あるいはきよう局長がお答えいたしましたようなことを考えていただきますならば、大体常識的に中小企業の分野がわかつてくるのじやないかと考えております。
  45. 前田正男

    ○前田(正)委員 今のお話で大体の目安はつきましたが、しかしながら今のお話のように例外があります。私どもから見ましてもそういう目安は從來の常識で結構だと思つておりますが、しかしその中に経営の未熟であるとか、その他いろんな点で不十分なものに対しては、多少大きなものでありましても、あるいは製品の品質が惡い、こういうところに対しては、從業員に対して指導しなければならぬ。そういうものも出てくると思いますので、そういつた例外と思われるところに対しては、これは中小企業廳に属するのだという指定をする意思があるか、その点についてお伺いしたい。
  46. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 たとえば百人以上の企業に対して、こちらからお前の方は中小企業に属するのだというぐあいに指定するのは、この法案性質からはないと思います。御案内のように、この法案審査を受ける場合においても、皆それぞれ業者の注文によつてやるのでありまして、むしろこちらが受身と申しまするか、こちらからがむしやらに強制的にやつていくというような性格のものでございませんので、もし百人以上の企業においても、自分が中小企業であると思つて、いろいろのことを御相談に來られたり、あるいはその他の用件で來られた場合におきましては、実情に即してやつていきたい、こういうような建前で行きたいと思つております。
  47. 前田正男

    ○前田(正)委員 ただいまの御説明では、はなはだ曖昧な点があるのであります。これはやはり中小企業者を代表するというふうに中小企業廳建前もあるわけでありますから、もう少し明確にする必要があるばかりでなしに、実際の業務をやる場合において、企業廳の方においても、また中小企業者自身においても、設備、技術、あるいは診斷を受けるとか、あるいは事業の阻害を受けたときの報告をするとか、いろいろ明確な範囲が出てないと困ると思いますので、できましたならば、一應こうしたものについて民間の委員会でも設けるなり、あるいは何か設けて、どこに属するか、どういうものを対象とするか、その対象から明らかにして、この法案の中に入れる必要があるのじやないかと思うのであります。
  48. 細井富太郎

    細井政府委員 中小企業範囲はいろいろ問題もございますが、中小企業廳取扱い対象となりまする業種なり、あるいはその範囲というものは、仕事を進めてまいりまするとおのずから明確になつてくるわけでございまして、大体今日予想しているものについては、先ほど申した通り、同じ陶磁器といつても、大メーカーもあれば中小のものもある。しかしある業種には比較的中小企業が多いものもあり、あるいは大メーカーが多いものもございます。たとえば織物工業のようなものは大工業もあれば、中小工業もあり、メリヤスのようなものはおそらく大部分が中小にはいるのじやないか。陶磁器でもそうであります。しかし私どもでさしあたり想定しておりまする中小企業廳技術対象とした業種が多いと思われますのは、機械局関係で、機械、器具関係仕事においては農器具とか、のこぎり関係、作業用具、やすりのようなのも、これは大体中小企業形態が多いのであります。電氣通信機械局関係では、電氣通信機械の部品のメーカー中小業者が多いというように私ども想定いたしております。鉱山局関係ではメツキ、金網、その他鉄鋼等第一次製品関係業者は大体中小企業者が多いのでありまして、くぎ、針金等もそうであります。また化学局関係では先ほど申し上げましたように、陶磁器関係、ガラス製品関係、琺瑯鉄器の関係、合成樹脂の関係というようなものが例示的にあげられます。その他スレート、顏料関係等もはいると思います。纖維局関係では、各種の織物関係、その中でも相当中小企業形態のものがあるし思われます。その他纖維製品の布帛、ハンカチ、タオル、あるいは眞田紐というような二次製品関係は比較的中小企業形態が多いのではないかと存じます。その他生活物資局所管の関係では、マツテ、各種の金属器具、あるいは玩具、セルロイド、ボタン、その他いろいろありますが、大体そういうもので、どういう業種は比較的中小企業形態が多いだろうか、その中のどの範囲のものが比較的早く指導を要するかということが、作業を進めてまいりますと自然固まつてくると思うのでありまして、一概に中小企業とはどうかということをあまり画一的にきめては、私はかえつて仕事のじやまになるというように考えており次第であります。
  49. 前田正男

    ○前田(正)委員 範囲を画一的にきめることははなはだ私どもも不適当だと思つております。しかしながらその場合の範囲は、企業廳の役人がそのときの自分の考えと都合によつて勝手にきめていくというようないき方であつては、業者においても、また本來中小企業者立場を代表してもらうところのわれわれの機関であるという意味においても、一官吏の判断によつてそのときどきによつて融通性をもつていくという考え方はおもしろくないと思います。なるほど私どもから見ましても、品質の向上であるとか、経営の合理化であるとか、日本の今後の産業の発展の上においても、大いに私は融通性をもたせて、ここに一定の限度をもつてきめておくことの必要は絶対にないと思つております。しかしながらそれを一々企業廳の官吏が勝手にきめらるべきものではないと、私はこう思うのでありまして、この辺は私はやはり民間の意見、各方面の総合した意見の集つた範囲委員会、そういうものを設けるべきではないかと私は思うのであります。この法案についてはいろいろと私自身も修正しなければならぬところもありますので、詳しいことはそのときにあらためてもう一度申し上げることにいたします。  その次にお聽きしたいことは、中小企業対策要綱の趣旨に「自由公正な競爭経済下において中小企業の健全な発達を図ることが我國経済再建の眞の基盤なることを固く信ずるが故に」と書いてあります。こういう建前からわれわれが見ていきますと、新しい企業がどんどん起つてくることになるわけでありますが、これに対しては現局においていろいろと資材を渡さなければ、たとえ企業が起つても実際運轉ができないゐ電力の許可を受けなければ実際の企業運営ができないということになつてきまして、中小企業廳自身がねらつておるところの自由公正なる競爭経済下において中小企業の健全なる発達をはかるということは、私は中小企業廳にそれだけの権限がないとできないと思いますが、その点はどうお考えでありますか。
  50. 細井富太郎

    細井政府委員 中小企業廳権限の問題につきましては、先ほどお答え申し上げました通り、特に資材の面で権利をもたなくても、実際の指導の面あるいはそれを反映して、それに基いて資材割当をする官廳に向つて必要な要請をするということの役割につきましては、相当の力を発揮できるのじやないかという意味におきまして、特別に資材の面で権利をもたなくても、相当やれるというふうに信じておる次第でございます。なおこの資材の面につきましては、特に中小企業廳中小企業者の以弁と申しますか、指導をすると同時に、弱い中小企業者の代弁をいたしまして、資材割当を例にとつてみましても、大企業に偏しないで、中小企業の面にも公正にその能力に應じてやるというようなことを努力していく、こういうような点におきまして、中小企業廳が眞に中小企業者の味方として、割当官廳に対して要請することはできると信じておる次第でございます。しかしこれは機構の問題でなくて人の問題であります。それからもう一つ資材割当することのみが商工省行政ではございません。技術指導をすることが商工省の非常に大きな仕事である。從つて中小企業廳のもつ仕事も、それが何年か努力を重ねまして非常にプラスになる仕事であるということを確信いたしておる次第でございます。
  51. 前田正男

    ○前田(正)委員 今の政府委員答弁を別に取上げるわけではないのでありますが、商工省指導技術指導をする、その他能率中心仕事もあるということならば、これは今まで商工省の中においてそういふ仕事をやつておつたところが当然あると思います。そういうものを、今までわれわれは商工省というものを無視おつたのではない。そういう行政をやつておつたところがあると思いますが、いかがでございましようか。
  52. 細井富太郎

    細井政府委員 商工省行政は、中小企業者を拔きにしてやつておる行政ではないことはお説の通りでございますが、從來の永年の関係から見まして、非常に多数を占めております中小企業のめんどうを一つこまかく見て、これを指導してやつていくというような力がなかなか人の面においてもないのでございます。從いまして今回こういうものをつくりまして、そうしてこまかいものを丹念に親切に指導していくというようなことが、どうしても必要ではないかと考える次第でございます。
  53. 前田正男

    ○前田(正)委員 私は適切なる指導を與えるということは、今までの生活物資局振興課その他で、これからいろいろ陣容を直して十分できるのじやないかと思います。少くともこれを中小企業廳として取上げてやつていく以上は、その要綱に書いてあるように、中小企業立場を強力に主張する、そうして今まで非常に不利であつたところに対して、いろいろと中小企業のために鬪つていく。こういうことでなくては、権限は單なる指導くらいのことでは、ほんとうのことはできないと思う。この中小企業が今まで非常に不利なる立場にあつたのに対して、強力に発言していこうということでありますので、そこで企業廳が生れてきたのではないか。そういう点から見ますと、單なる指導機関であるというならば、今までの振興課を拡張するというような程度で私は結構間に合うと思うのであります。そこでこれを思いきつて廳にする以上は、この要綱に書いてあるような自由公正な競爭経済界における中小企業の健全な発達ということに対しまして、まず第一に私たちは取上げる問題があると思います。私たちは現実に新規事業を今やろうと思いまして、そうして商工省に行つていろいろ話をいたしましても、現実において資材が足りないとか、あるいは既存の大工場があつて、それに十分の資材がとられているから資材割当ができないということで、実際は工場ができましても運轉ができない。企業を始めることができない。そういうことでは、この趣旨に書いてあることは全然違つてきます。なるほど日本の現在におきましては、物資も資材も足りません。そこでこれを円滑に動かしていくというようなことは、商工省として当然やらなければならぬことでありますが、しかしながら今まで申しましたように、現在大企業と新らしく出てくる中小企業、殊に戰爭によつて企業整備等の行われましたところの事業を、この際復元してくれというような要望は、纖維方面その他につきましても多数にある。しかしながらそれをもつていきましても、すぐには受け入れられない。これは中小企業廳が大いに護らなければならぬことでありますが、そういうことは現実においては護られておりません。こういう矛盾をどういうふうに除去していかれるかということが問題ではないかと思います。この点に対する御意見を伺いたい。
  54. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 ただいま前田さんの御質問の点は、ひとり中小企業だけではなしに、日本の産業全般に対する悩みでありまして、それをば何とか解決しなければならぬというので、われわれは今度のこの中小企業廳設置法案なるものを提出したようなわけでありまして、ただいま前田さんが御質問なされました点は、不十分ではございますが、中小企業廳設置法案の提案理由の説明のたきにも、相当詳しく述べておいだつもりでありまして、前田さんが御指摘になつた、そういうようなことをば打解するために、かような中小企業廳を設置することが必要であるというぐあいに御了解を願いたいと思います。
  55. 前田正男

    ○前田(正)委員 それならばどうしても私は中小企業廳が資金、資材割当権をもたなければ、そういうような目的は達成することができないと思うのであります。ところが先ほど來お話を聽いておりますと、そういうことがなくても、いわゆる総合的な対策を立てていけばいいというのでありますが、実際問題としてはそういうことはできないと思いますが、いかがでございますか。
  56. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 その点も繰返して申し上げますように、現在の乏しい資材、資金をそれぞれ所要の方面に割当てますがためには、一つの総合的な計画のもとにおきまして、こういう場面にはこのように、あるいはまたああいう場面にはこのようにというぐあいにして、中小企業が独立して、そういうような総合的な関連性を無視するわけにはいきませんので、その点はやはり從來通りの方針でいくよりほかに途がないと考えております。
  57. 前田正男

    ○前田(正)委員 もちろん私は資材の総合的な計画などは無視せよとか、今の現局などは要らないというようなことを申すのではありません。一應融通面なら融通面に対しては全体の割振り、総合計画なるものを立てなければならぬと思いますが、しかしそれは中小企業廳対象となるような業者に対して割振られた全体のわく、これは中小企業廳の中において実績主義なり、あるいは能力主義に應じてこれを配分していく。中小企業廳としては中小企業立場からこれだけのわくをとりたい。こういうことから自分たちの手から、これを自分たちの対象とする業者にわけるというようなことをやらなければ、実際問題としては私は何らほんとうの力はないのではないか。一々現局の所に行きましたならば、これは先ほど申しましたように今まで実際に経驗しておるところでありまして、大工場の人たちのために、戰爭中に設置された工場すら復元ができない。かような現実の姿になつておるのでありまして、その点ひとつよく考えていただきたいと思うのであります。私は実際問題として、そういう点にこれからの食い違いが出てくるのではないかと思うのでありまして、この点につきましてはさらにつつこんでおつても同じことでありますから、また後で私の修正の考えを述べる時にお話をすることにします。  次に私のお伺いしたいことは、この中小企業経営状況の調査及び診断等に基いて必要な指示をすることができるというように書いてあります。また中小企業者の申請に基くことを必要とすると書いてありますが、かように何でもかんでも業者から申請したからやるというようなお考えのもとにこの法案ができておるようでありますが、それならば先ほど渋谷委員からお話がありましたように、現在の企業者の企業権、われわれが平等にもつておる企業権に対してさえ、企業整備を行おうとしておる。それなのに現存するところの企業、その企業をさらによくしていこう、皆さんで指導していこう、こう思つておるのに、企業に対して申請しなければ手を加えることができない、こういうようなことではまるきり精神が相反しておるように思いますが、いかがでしようか。
  58. 細井富太郎

    細井政府委員 先ほど來大臣からもお答えがございましたように、中小企業指導面はあくまで強制的に行うべきものではないということを確信いたしております。戰爭中はかなり強権をもつて、あるいは法的バツクをもつて企業整備あるいは企業の廃止合同等を強制いたしたこともございましたが、今後の日本の産業再建におきましては、そういうような強権をもつて臨んでいくということは許されないのでありまして、どこまでも民主的に業者の自発的な面によつてつていく必要があろうかと思います。ただ先ほど來お話いたしました通り、この資材の有効活用というような面から、重要産業、あるいは生活必需品、あるいは輸出産業その他重要基礎産業に関連のある産業につきましては、特に重点的に扱い、現下の状況において不要不急の産業につきましては、なるべくそれは重点的に扱わないというようなことになります結果、おのずから企業整備と同じような結果を招來するのでございますが、その点はあくまで法制的に強権をもつて臨むのではなくして、自然に技術惡いものから落ちていく。あるいはその製品が不急なものだからやむを得ずそれはしばらくやめていただくというような、自然的な結果に陥るということが望ましいのでありまして、私どもはあくまで強制的な考えをもつて、この審査制度運用していきたいというふうに考えていないのでございます。
  59. 前田正男

    ○前田(正)委員 今のお話のように、強制的にやらないということについては、私どもも大体自由競爭のもとでやるということですから、当然だと思います。しかしながら今申しましたように、資材が足りないという当然一定のわくをもつているわけですから、そのもとにおいて企業整備をやらなければならぬ、これは先ほど大臣お話通りであります。その対象といたしまし技術惡いというようなこともお話通りでありまして、そういうふうになりましたならば、当然この中小企業廳企業者に対しましてはその技術を改善してやつて、それを整備から助けてやるというのが、この中小企業者である中小企業廳立場ではないかと私は考えますが、その点についてどうですか。ただ申請に基いてやつていくというようなことでは、ほんとうの中小企業者の代表であるというふうに言われないと思いますが、いかがでしようか。
  60. 細井富太郎

    細井政府委員 この申請によつてやる建前につきましては、いかにも業者の方で、自分がその申請を受けたくなければ勝手なことをしてよいというふうにとられますが、申請の結果惡い点を直してもらえる。あるいは申請の結果よいと判断してもらつたものに対しましては、その資材の面、資金の面等において優先的にできるだけの扱いをしていただくというような効果をもつておりますので、相当この申請は任意にはできておりますけれども、ある程度範囲に保われるのではないかということを期待しておる次第であります。それからまた技術の劣弱なものに対しましては、お説の通りこれをどこが惡いかということを見てやりまして、できるだけこれをひつぱつていくということは、中小企業廳のもつ役目でございますけれども、どうしてもついてこれぬというようなものにつきましては、ある程度これは他の産業に轉換等を斡旋するのも、これまた一つ方法ではないか。どうしても力のないものを無理にひつぱつていくということも困難な場合もあろうかと存じます。しかしながら素質のあるものにつきましては、できるだけこれを指導いたしまして、技術向上させたいということをだんだんとやつてまいりまして、おそらくは各資材の面におきましても年を経るに從つてだんだんと増産され、輸出も振興していくということは期待しておりますので、技術向上するものが多くなりましても、それらがやつていけるというように、事態はだんだんと好轉していくものということをわれわれは、期待しておるのでございます。
  61. 前田正男

    ○前田(正)委員 今のお話はなるほどもつともなところがありますけれども、そういうふうな考えをもつておるなら、これを申請に基きというように向うから出てくるのを待たないで、どうしてこちらから出ていくような積極的な施策を法案の中にもりこむことができないか。なぜそういうような中小企業に対して、積極的に指導するという意思をもりこむことができないか。そういうことは企業廳として本質的にどこに反するのか。こういう点についてお聽きしたいと思います。
  62. 細井富太郎

    細井政府委員 実は私ども強制と申しますか、こういう申請によつてやるというのではなくて、建前上こういうことをやるということにいたしましても、結果は同じことだと考えておる次第でありますが、この対策要綱におきましては、やはり建前といたしましては申請によつてやる。あくまで強制によつてやるのではないという新しい思想を取入れたのにすぎないのでございます。御了承をお願いしたいと思います。
  63. 前田正男

    ○前田(正)委員 実は私は昔こういう診断をやつた経驗をもつておるのでありますが、実際問題といたしまして、これを申請に基きというようなことでは、なかなかほんとうの要求は出ない。それは自由経済のときに、あるいは経営の合理化によりまして、資金、資材等がどんどんとはいつてくる可能性があるというときには、なるほど申請も非常に出てくるかもしれません。あるいはまた輸出がどんどん振興できるというときには、そういう企業意欲に燃えてやるかもしれませんが、現在のようにある程度実績主義というものが資金、資材に織りなされており、最近大分やかましく皆さまのお考で能率主義、能力主義の業態の中を変えていこうとしておられますけれども、未だに資金、資材等の配給におきましても実績主義は相当重んぜられておる。こういうときには、企業者自身が自分自身の旺盛なる企業意欲に燃えてそれを申請して、その経営の中を変えていこうというような氣持はまず出てこないのが多いのじやないか。実際問題として経驗をもてばそういうことは当然わかつてくると思います。  それからその次の問題でありますが、中小企業者を拘束しないということは、これまた今のお話のような、強制しないというお考えであるようでありますがゐしかしながらこれからのいろいろな問題をこの戰後の日本の再建のためにやつていかなければならぬというときには、今申しましたような企業自身においても企業整備をさせていかなければならね。こういうような日本自身の整理過程にあるときに、これを拘束しないというようなことでありましたならば、これはてんでむだに終ります。私ども自分でやりました経驗から見ましても、いくらよい意見を述べても、その幹部あるいはその從業員においてやる意思がないということであつたならば、それは何ら意味がない。ここに欠点があるとわかつてつてもどうにもできない。日本の生産のためにこの企業をよくしてやらなければならぬ、輸出の振興のためにこの会社を何とか助けてやらなければならぬと思つてつても、これを拘束しない、向うもやる意思がない、そういうことで置いておかれたら、これは何ら意味がないことでありまして、中小企業廳がありましても、拘束しないならが何ら意味がないということになつてきます。こういう診断ということをもし取上げてやる以上は、ある程度拘束するというものにしなければならぬ。それくらいの権限をもたないでやつてみたところで、何ら意味がないと思います。殊にこの問題は業者自身に対して拘束するためでなしに、そのやりましたこと自身が政府各省に対しまして拘束する、あるいはそれに対してぜひとも強制的に協力する。たとえば輸送が足りなければ、鉄道省は必ずその診断の結果に対しては全面的に協力して、輸送をまわしていく。あるいは資金、資材の配給方法がいわゆる実績主義で、能率主義でない。せつかく能率を改善したものが、資金、資材の配給がその能率について伴つてこない。あるいはまたいろいろな隘路があるというようなことは、殊にこれは政府側の欠点も多分にある。相当むだな書類を出すとか、あるいはむだな手続をするとか、いろいろな欠点があると思いますが、そういうものが政府自身においてある程度強制的に行われない。こういうものであつては、業者に対してさえ拘束しないで、政府自身に対してそれが権利がないというものであるならば、この診断というものはただペーパー・プランであります。私はそういうふうなあいまいな診断はほんとうの診断ではないと思います。これは先ほど石炭について北海道あるいは九州において行われましたことについて、その成績は相当よく上つて増産になつたというふうに私たちは聞いて、はなはだ喜んでおる次第であります。しかしそれは相当の力があり、また各省の権威の方が行かれ、またさらに関係筋がこの協力を願つたというふうに聞いております。そのくらいの力のあるものでなければ、中小企業の診断をして指導していくという値打はないと思つておりますが、その根本問題についていかがお考えになりますか、御説明願いたいと思います。
  64. 細井富太郎

    細井政府委員 いろいろ御意見もございますが、私どもも最初これを立案いたしますときに、檢定制度に類するような方法も考究したこともございますが、やはり何と申しましても中小企業指導は、どこまでも監督行政でなくて助長行政で、一歩でもよくしてやるということが任務であるといたしますと、あまり強制的にものをやらせるというのではなくて、自発的なところの不足を補うというところが一番大事ではないかというふうに観念いたした次第であります。
  65. 前田正男

    ○前田(正)委員 今のお話の点は調査指導のときの話であまして、少くとも診断をやるという以上は、それに対して相当工事の中におきましても、手間もかかるし日数もかかる。診断というものはそういう不眞面目なものではないのであります。今のお話ならば当然これは指導する、あるいはまたいろいろ援助を與えるという程度のものでありまして、診断という言葉をこの際用いる必要はないと私は思つております。診断というものはもつと権威のあるものでなければ何の役にも立たないと思つております。そのほかいろいろこまかいことについて意見があるのでありますが、根本的にお尋ねしたいことがあります。それはまず第一に今申しましたような点で、どうしてもこれに対して資金、資材等の裏づけのないようなこういう中小企業廳に対しては、私自身未だ了解することはできません。先ほど來民主党の生悦住委員、あるいは社会党の伊藤委員長からも同様の趣旨のお話でありました、こういう趣旨の話があるのに対しまして、商工省といたしましてはこの案を修正する意思があるかないか、商工大臣の御返答をお願いいたします。
  66. 水谷長三郎

    水谷國務大臣 その件に関しましては、先ほど來お答えした通りでございまして、前田さんの非常に御熱心なる御質問ではございますが、前の答弁をかえるわけにはまいりません。
  67. 前田正男

    ○前田(正)委員 委員長一つ聽きしたいことがあるのであります。それは本審査につきまして、私たち鉱工業委員が合同審査をやることになつたのでありますが、先ほど申しましたように私たち委員の中には、これに対して異論をもつておる者が相当おります。つきましては私たちの意見を容れて、修正あるいはまた採決にわれわれ委員が参加できるものがあるかどうか、この点について委員長の御考慮をお願いしたいと思います。
  68. 喜多楢治郎

    ○喜多委員長 これは國会法によりまして、合同審査の場合は衆参の者で決議して決定する、こういうことになつておるものですから、これをまげるということはできないのではなかろうかと思いますが、十分に御意見を御発表願うということにはやぶさかでない考えをもつておるわけでございますので、どうか鉱工業委員の方々も、十分に御発言願つたら結構だとかように考えておる次第であります。
  69. 前田正男

    ○前田(正)委員 これは実は私たちの委員の中におきましては、昨年來この問題につきまして不審査などいたしておりまして、私たち自身も相当意見をもつてつたのでありますが、この際議会の決定によりまして、われわれの委員会から商業委員会に移つたという経緯でありまして、私たちとしてはなはだ残念に思つておるのでありますが、しかしながら一旦まきつた以上は、それに從わなければならぬということならばこれはやむを得ません。しかし先ほど來のわれわれの質問應答を委員長が聽いていただいとおわかりの通りでありまして、われわれ委員の各派の代表の方からこれに対しまして修正の希望意見が出ておるのであります。それに対しまして商工当局の方からは、ほとんどこれまたそれを修正する意思はないような答弁が出ておるのでありまして、私たちの委員会にその権限がないといたしましても、商業委員の方におかれましては、われわれの委員会のほとんど一致したような意見につきまして十分に御参酌願いたいと、こう思つております。いずれまた審議の機会に私はさらに詳細なり意見を述べて御質問したいと思つております。きようはこれで終ります。
  70. 喜多楢治郎

    ○喜多委員長 では日本は質疑はこの程度で一應打切りたいと思います。なおお諮り申し上げたいことは、商業並びに鉱工業の合同審査を一應打切りまして、衆参の商業委員会で正式になお審議をいたしたい。しかし鉱工業の委員の御希望の方は随意に御出席願いまして、優先的に御発言をしていただいたら結構だろう、かように考えており次第でありますが、皆さんにお諮りいたします。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 喜多楢治郎

    ○喜多委員長 ではさように決定をいたしまして、本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時五十六分散会