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1948-10-09 第2回国会 衆議院 商業委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十月九日(土曜日)     午後三時二十分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 笹口  晃君 理事 細川八十八君    理事 中村元治郎君       鈴木 仙八君    關内 正一君       多田  勇君    山本 猛夫君       梶川 靜雄君    林  大作君       岡野 繁藏君    櫻内 義雄君      唐木田藤五郎君    小枝 一雄君       赤松 明勅君     ————————————— 本日の会議に付した事件  貿易振興に関する件  小賣商営業法案起草に関する件     —————————————     〔筆記〕
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 会議を開きます。  さきに閉会中における審査事件として本委員会に付託されました貿易振興に関する件、及び小賣商営業法案起草に関する件を議題といたします。  まず貿易振興に関する件については、各委員の御熱心なる御視察によつて、このほど小委員会における調査は本体終了いたしました。林小委員長より調査報告をお願いします。
  3. 林大作

    ○林(大)委員 ただいま議題となりました貿易振興対策小委員会調査経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  今日における世界経済は、單純なる自由経済への復帰を許さない事情にありまして、放縦なる自由貿易主義を、世界貿易機構計画化に改め、さらには戰後経済復興計画化に焦点を指向すべきであると思われます。殊に、我國におきまして、國内経済はインフレーシヨンの恐慌に追いつめられ、なおかつ、國際経済の圏外にある今日、一刻も早く國際経済完全加入に努めねばならないことは言うまでもありません。すなわち國際経済政策にマツチする経済政策の立案は、國内物價体系の樹立とともに、わが國経済再建には貿易振興にまつところ多いと思われます。この観点によりまして、わが國の貿易方針は今後いかなる点におくべきかを、実態把握所管官廳の所見を対照調査しまして、貿易振興具体案並びに日本貿易のあるべき姿を十分に認識し、確固たる國策を樹立しなければならないというのが趣旨であります。  つきましては七月四日設置以來、小委員会は三回にわたつて貿易廳長官並びに次長との懇談会を行い、特に公團問題に関しては、本日纖維、鉱工品公團の各責任者より意見を聽取した次第です。また本件に関する調査方法としまして、まず貿易振興状況東北北海道、関東、中部北陸、関西、九州の五箇班により調査せられ、次に関係官廳に対して各種の書類の提出を求めて、日本貿易の諸問題を提出して、その解答を得たのであります。ともに貿易不振の隘路も十分認識しまして、貿易不振または貿易関係手続繁雜であるという貿易業者意見所管官廳に通告するとともに、本日の貿易振興小委員会においては具体案として貿易振興対策案を発表したのであります。詳細につきまして調査報告書も後日発表されると思いますので、調査報告書を御一覧願いたいと思います。本日までにおきまして小委員会は相当に効果を收めたものと思います。委員各位の御努力に衷心より謝意を表するものであります。  以上をもつて簡單ながら御報告申し上げます。
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 ただいまの小委員長報告に関して御意見ありませんか。     〔「意見なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 堀川恭平

    堀川委員長 本件に関する審査はこれで終了いたしますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 堀川恭平

    堀川委員長 それではさよう決定いたします。  お諮りいたします。調査報告書の作成については委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 堀川恭平

    堀川委員長 さよう決定いたします。     —————————————
  8. 堀川恭平

    堀川委員長 次に小賣商営業法案起草に関する件については笹口委員長より経過の御報告を願います。
  9. 笹口晃

    笹口委員 ただいま議題と相なりました小賣商営業法案起草小委員会につきまして、審議経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  まず本法案趣旨を御説明申し上げます。現在中小商業経済組織体系の未端配給機構でありまして、辛うじて手数料によりまして営業を維持している現状であります。しかるに中小商業はほとんど小資本のため、配給物資運轉に莫大の資金を要する結果、戰後特に市場に乱立をみています各種各樣のマーケツト式営業、または購買者の便益に重点的に営業方針をとつています百貨店が、一般物資配給機関としての中小商業者を圧迫する懸念が最近擡頭しました次第であります。この観点からしまして、中小商業者を保護し、これを育成するとともに、百貨店における営業の設備、娯樂設備、催物に対する場所貸借等の大資本によりなし得る百貨店形式は、当然にその範囲を定めなければならないというのがこの目的であります。つきまして本小委員会は七月四日以後二、三回各委員個人的に打合せを行い、今日に至つたのでありますが、本日の小委員会におきまして今後の運営方針をお諮りいたしましたところ、櫻内委員より左のごとき発言をみたのであります。統制経済の段階におきまして、今日ある一部統制價格撤廃が実施されていますが、しかし現在の中小商業者百貨店によりまして不利に圧迫されるほどに一般物資市場に出まわつているかどうか、物品流通購買力が大資本経営面の形態に集中しつつあるとは考えられないのでありますので、この法案起草は一應保留の形に止め、今後かかる事態が発生するおそれあると認むる機会に、再審議されんことを希望するとの発言があり、各委員に諮りましたところ、各委員一致にて櫻内委員趣旨に賛成がありましたので、小委員審議打切つた次第であります。  右報告いたします。
  10. 堀川恭平

    堀川委員長 ただいまの小委員長報告に関して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 堀川恭平

    堀川委員長 本件は小委員長報告通り審査を終了することができませんでしたが、御了承願います。  これにて散会いたします。     午後三時四十五分散会