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1948-06-29 第2回国会 衆議院 商業委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十三年六月二十九日(火曜日) 午前十時八分
開議
出席委員
委員長
堀川
恭平君
理事
石神 啓吾君
理事
笹口
晃君
理事
細川八十八
君
理事
中村元治郎
君 關内 正一君 多田 勇君
冨永格五郎
君 前田 郁君 松井 豊吉君 山本 猛夫君 林 大作君
松原喜之次
君 師岡 榮一君 山口 靜江君 井村 徳二君 櫻内 義雄君
唐木田藤五郎
君 小西 寅松君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長
中山喜久松
君
公正取引委員会
委員
蘆野
弘君 六月二十八日
委員金子益太郎
君辞任につき、その 補欠として
角田藤三郎
君が議長の指名で
委員
に選 任された。 ――――――――――――― 六月二十八日
輸出品取締法案
(
内閣提出
)(第一九四号) の
審査
を本
委員会
に付託された。 六月二十五日 自
轉車競爭
の
市営実施
に関する
陳情書
( 第九一九号)
為替レート
の設定に関する
陳情書
(第九五四号) を本
委員会
に送付された。 ━━━━━━━━━━━━━ 本日の
会議
に付した事件
貿易資金特別会計法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
)(第七五号)
事業者團体法案
(
内閣提出
)(第一一六号) ―――――――――――――
堀川恭平
1
○
堀川委員長
ただいまより
会議
を開きます。まず
貿易資金特別会計法
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。
本案
は討論を省略してただちに採決したいと思うのでありますが御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堀川恭平
2
○
堀川委員長
ではさよう決定いたします。 これより採決を行います。
本案
の
原案
全部の御賛成に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堀川恭平
3
○
堀川委員長
御
異議
なきものと認めます。よ
つて本案
は
原案
通り
可決いたしました。 この際お諮りいたしまするが、
衆議院規則
第八十六條による
委員会報告書
の作成については、
委員長
に御一任願いたいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堀川恭平
4
○
堀川委員長
それではさよう決定いたします。 —————————————
堀川恭平
5
○
堀川委員長
次に
事業者團体法案
を
議題
といたしたいと思います。実は
会議
を開く時間が本日十時までしかもら
つて
いないのでありまして、はなはだ短時間で相済まぬのでありますが、本日は
商業委員
のみの会を開きまして、そうして明日中
連合審査
をやりたいと、かように存じております。 それではこの
事業團体法案
につき、前会に引続きまして質疑を継続いたしたいと存じます。
唐木田藤五郎
6
○
唐木田委員
最初の日に
ちよ
つと申し上げましたように、
公聽会
の場合にも
農村
及び
漁村関係
の
口述人
がなかつたので、その
方面
の
意向
がこの
法案
に反映していないというおそれが多分にありますので、この際特に
事業者團体法案
に対する
農村関係諸君
の
意向
をまとめて、いささか
意見
を申し上げ、御
質問
申し上げたいと存じます。
卒直
に申しますと、このたびの
事業者團体法
というものが、
事業体系
の実情に即しておらないということを言われておるのであります。それは
日本
の
経済再建
の基本が、各
方面
における
中小商工業
の
発達
を促すことであるということは言うまでもないし、その
中小商工業
の中核をなすものは
生産加工
の
企業
であること、また言うまでもないのであります。この
生産加工企業
は
農村
、
漁村
、山村などの
原始生産財
、たとえと申しますれば農業とか畜産の産物とか、あるいは林産物、水産物、
鉱産物
というようなものを加工するという
事業
を高度に
発達
せしむることが、最も大事なことであると思います。この
生産加工企業体
は
協同組合
のみに限ることは、もとより不合理であります。もちろん
中小商工業
が
協同組合
の
組織
で十分に
発達
してまいりました後においては差支えないかもしれませんが、少くとも現在の段階において、
協同組合法
のみによ
つて
この達成を期するということは、木によ
つて魚
を求むるよりもむずかしいと思います。
会社事業
の方が適当のものもありますし、また
協同組合
が適当のものもあります。そして
会社企業形態
にもいろいろあ
つて
、純然たる
産業資本家
のためのみの
会社
もありますが、
生産民
を加えた、
会社
とも
協同組合
ともつかないような
会社
もあり得るのであります。こういうふうに
考え
てみますると、
生産者
と、
加工技術者
を有する
從業員
との
協同会社
も生れるわけであ
つて
、いかなる形で生れるかということは、そのときの
事情
とか、業態とか、
地理的條
件というものがそれぞれ違
つて
おりますから、そう簡單にはまいらぬと思います。
從つて私的独占
にわたるものとか、あるいは
理正
な
競爭
を排除するというような、
経営体
を抑制することは絶対に必要でありますが、それ以外に対して
過度
の
制限的干渉
をすることは、むしろ非常な害があ
つて益
がないと思います。
生産復興
の阻害になると申し上げても少しも
過言
ではないと思います。 その次に申し上げたいことは、
卒直
に申しますと、この
法案
の主たる
目的
が一般のものに明確にな
つて
おりません。
説明
を承
つて
おるとわかつたような氣がいたしますけれ
ども
、実際はよくわかりません。その第一に、この
法律
の
趣旨
が
私的独占
の
禁止
及び
統制
の排除のため、
事業者團体
の
活動範囲
を制限することが主たる
目的
と解することがでぎますけれ
ども
、実際において
本法
すなわち
事業者團体法
の
定義
第
二條
に基定されておりますところは、あまりにも包括的であり、たとえ
私的独占
にわたらず、また公正な
競爭
を阻害するおそれがない
民主的性格
の新
協同形態
の
会社團体
までも禁圧する、
過度
の非
民主的立法
であると申し上げたいのであります。このため現在行われております
法律
が存在して
適用
を除外されるもののほかは、いかなる
社会公益的性格
をもつところの
企業形態
のものであ
つて
も、存立不可能というようなことにな
つて
しまいますし、また
戰後各地方
に生れつつある多数のこの種類の健全なる
民主的協同経営事業
は、いずれも解体または改編のやむなき運命となりまして、全國の
産業界
は実に重大な影響を免れないと
考え
られるのであります。これは現在及び將來のわが
産業形態
において、自由公正にして非独占的な
民主的協同企業態
の伸張をふた葉のうちにつみと
つて
しまうものであ
つて
、
戰後國民経済
の
構造的変化
に現われた好ましき
民主化
及び
社会化
の
自然発展的傾向
をかえ
つて
人為的、また反動的に弊害多き過去の
原始資本主義
の
形態
に逆行せし
むるものであると言つて
も、また
過言
でないと思うのであります。この結果最も打撃を受けるものは、資力乏しき
零細事業者
と、
原始的生産
に從事する
職業者
であります。
從つて本法
の第
一條
すなわち
目的
においては、その
立法
の
主眼
たる
私的独占
を抑圧し、
統制
を排除するため
同業者
の
統制的團体
を対象とするという本來の
趣旨
を明確にし、そうして
本法
の
運用
にあたり
過度
の行き過ぎのないようにいたしたいということを心から願うものでありますが、これに対する当局の所見を承りたいと思います。 さらに
事業者
及び
事業團体
の
範囲
を緩和するということが非常に大事であります。今申し上げます
通り
、この
原案
の
通り
であるとするならば、
事業者
及び
事業團体
の
範囲
はきわめて少くな
つて
しまい、また昨日、一昨日の
お話
でも
つて
、大体その訂正すべき箇所を承りましたが、まだ
はつ
きり明確にな
つて
おりませんので、私はここにこのことを重ねて申し上げたいと思います。
本法
のいわゆる
事業者
及び
事業者團体
の
範囲
は、第
二條
の
定義
においては
廣汎
かつ微細にわたり全網羅的に
適用
され、ただ除外されるものは、第六
條現行
の
法律規定
にもある
通り
、ある
團体
というものは
零細農
、漁民だけであ
つて
、
構成事業者
が十四人を超えざるものというふうに出ておりますが、いわゆる
事業者
というようなものは、右の除外された以外のいかなる
零細事業者
、たとえば
くず屋
、
行商人
、一銭
あめ屋
、あるいは
きせる屋
、げたの
歯入れ等
の、ただ生計の資料を得るだけのきわめて微細な
業者
であるとか、農、
漁村
の
從業員
とかいうようなものまでも含まれることになりまして、この結果これらの
零細事業者
は自力では生きられず、
同業仲間
で
共通
の
利益
を増進する
目的
で
事業
を営むことはむろんのこと、たとえそれが
社会的互助連帶
の
理想
のもとに、
自助協同
の
企業経営
で公私の
利益
に副い、かつ公正なる
競爭
を阻害するおそれなき
團体
として
出資経営
をする場合も、
本法
案によ
つて協同組合法
によるの以外には、第
二條
の
規定
により、
事業團体
として一切の
経済的活動
は許されないことになる。実に
考え
れば恐ろしいほどだと思います。
從つて
私は一々法の
技葉末節
の問題にタツチしてこれを申し上げるいとまをもちませんけれ
ども
、願わくはこの
法律
をつくる
主眼
を、
はつ
きりと明らかにしていただきたい、
法律
というものは元來
法律
なきに至るをも
つて
その
理想
とすべきものであ
つて
、いたずらに
文字
を羅列し、法文をたくさんにして親切を押賣りした結果かえ
つて民
を苦しめ、その
生産
を阻害するという思わざる結果に陷ることは、法を立てるものの最も
愼むべきもの
である。もつとも法は三章をも
つて
治むべ
きである。民の良心と民の良識を涵養して、別にごつごつしたいかついものでなくてその
目的
を達することができるようにという、法の本來の
精神
を間違わないように、それを
文字
の上に、
構成
の上によく表現していただいて、願わくは昨日のアンチ・トラストの課長の
説明
されたようなあの線に
沿つて
、あの線を間違えずに親切に、
文字
通り
涙ぐましき親切として感謝されるような結果を齎すことのできるように、心から私たち念願いたしまするがゆえに、今これだけの御
質問
を申し上げたわけであります。
中山喜久松
7
○
中山
(喜)
政府委員
ただいまはこの
法律
の
立法趣旨
に当りますか、また解釈に当ります際における非常な御懇篤なる御忠告を賜り、非常に感謝いたしておる次第であります。
お話
の
通り
でございまして、法のない
社会
、もしくは法が存在してもそれを
適用
する必要のない
状態
にしなければならぬということは、私も同樣に
理想
といたすべきものだと
考え
ておるのでありまして、希わくばそういう
社会
の実現を切に望んでおる次第でありまする。この
事業者團体法
はなるほどごらんくださいますと、あるいは見方によりましては、いかにもいかつい感じを與えられるかもしれませんけれ
ども
、前にも申し上げましたごとく、
法律
の
制定
を望まれるに至りましたことを沿革的に
考え
ますると、戰後の
事業者團体
なるものが、戰時中からの
統制方式
の変更によりまして
閉鎖機関
に指定される。またそれに代りますものができますれば、また
閉鎖機関
に指定せられるというような現状でありまして、一体
事業者團体
はいかにあるべきかということについて非常な問題が起り、疑念が起
つて
おることから、
事業者團体
なるものにある
方向
を示す必要があり、また
事業者團体
の方からも、いかにすればよろしいかという希望が盛んでありました結果、いろいろ考案されて、その
折衝交渉
をされてきた結果がここに現われまして、この法の
制定
に
なつ
たわけであります。
從つて
第
一條
にも掲げてありますように、正当な
活動範囲
を定める、このことが実は沿革的に
考え
ますと主たる
目的
であつたのであります。
從つて
第四條におきまして
許容活動範囲
を掲げておりますことも、この
意味
から
考え
ますと、この
法律
の
主眼
とするところと言わなければならぬかと思うのでございます。そういう
意味
でむしろ
事業者團体
の向うべき
方向
をここに明らかに示して、その
活動
を明朗闊達なものにしていくべきであるという
趣旨
に出ておる点を
十分くみ
と
つて
いかなければならないのではないかと思うのであります。またこの
團体そのもの
は、ただあるがままに認めていこうというのでありまして、これに対して
一定
の
組織
を與えようとか、あるいはあるものはこれを抑えようというような
考え
はないのでございまして、
團結そのもの
によ
つて業者
の
技術
の向上並びに能率の改善をや
つて
、そうして
事業者
としての
利益
の増進をはかれることを望んでおるのであります。
團体そのもの
には、そういう協同してその
共通
の
利益
を増進するという一面におきまして、
團体
の反面の惡い
性格
といたしまして、いろいろのことがあり得ると思うのであります。これをこのいわゆる
私的独占禁止法
によ
つて
打建てられました現下のこの公正自由なる
経済競爭態勢
の上から批判いたしまして、
團体
として避けていただかなければならないような点が多々あるわけでございまして、これに対して第
五條
におきまして、ここに
主眼
を置きましていろいろの
禁止規定
が設けられたわけであります。その
精神
は、要するに各
事業者
の公正にして自由なる
経済
上の
競爭
によりまして
事業
の
円滿
なる
発達
をなし、そうしてこれが
社会
的にも
一つ
の貢献をなしていかれるということを
主眼
にいたしております。要するに
事業者團体法
は
事業者團体
の行うべき
方向
を明らかにするとともに、その途を
独占禁止法
の立場からい
つて
間違われないように、というところにあるわけであります。われわれはこの
精神
を十分了解しておるつもりで、これによ
つて運用
を行いたいと
考え
ております。なおその他の点につきましては
芦野委員
の方から御
説明
を申し上げます。
蘆野弘
8
○
蘆野政府委員
本法
の立案に当りまして、
農村
、
漁村方面
の
事情
をあまり考慮しなかつたのではないかということが御
質問
の第一点であつたと存じます。これは十分に
考え
に入れられました。その
一つ
の現われがただいま御
指摘
になりましたごく小さい
規模
で経営する
農村
、
漁村等
をわざわざ
適用除外
にしたというのも、その考慮された
一つ
の現われでございますが、そればかりでなく、全面的に
事業者團体
の
許容活動
、あるいは
禁止行為等
を
考え
ますにあた
つて
も、十分そのことは考慮に入れまして、
農村
、
漁村等
の
方面
にも差支えないというつもりでこのようにしたわけであります。 第二の
事業者團体
の
範囲
が非常に
廣範
であるということでございますが、これは
法律
の
目的
を十分達して遺漏ないためにはこういうふうにする必要があつたので、
事業者團体
と認めたから
といつて
も、あるいはその
範囲
が廣い
といつて
も、
事業者團体
に
なつ
たものがすべて
行動
を非常に制限されるという
意味
ではないのでございます、毎々申し上げましたが、
会社企業
というようなものは、少しも
事業者團体
の中にははい
つて
おりません。それからただいま御
指摘
になりました零細なる営業に從事する者、こういつたものがどういう形式で
協同事業
をいたしますか存じませんが、そういう方も十分
考え
まして、これらのものは
事業者團体
の中にやはりはいらない。そういうものもこの
事業者團体
で規制しようということは
考え
ておりません。その他
契約関係といつて
も、一回のそのとき限りのことに何か購入するとか、註文を受けるとかいうことは一切はい
つて
いません。ただいま非常に御
関心
にな
つて
おるところの
農漁村
あるいは都会にいたしましても、小さな
商工業者
の
活動
が妨げられるということはちつともないのでございます。またそういう
漁村等
の
協同事業
が
協同組合
だけでは必ずしも賄い切れないというお
考え
でございますが、
会社企業等
もすることはちつとも差支えない。ただ
本法
の目指すところは、そういう
会社
がさらにたくさん結合して、自由なる
競爭
を阻害するということが起らないようにすることが
本法
全体のねらいでございます。
許容活動
の
範囲
が狹すぎる。あるいは
禁止行為
の数が多すぎるというお
考え
のようでございますけれ
ども
、これをよく見ますと、実は正当なる
事業者團体
として通常なし得るということは、これに大抵含んでおります。ただ從來とかく行われておりましたところの
私的團体
の
統制
ということが行われなくなるということでございます。また
禁止活動
はたくさん並んでおりますが、これは実は
米國
における実例が主にな
つて
並んでおるのでございまして、
日本
の
法律
になぜ
米國
に起つたことをわざわざ書くのかという御
質問
であると思うのでありますが、御
承知
の
通り日本
には
從來独占禁止法
というものはございませんでした。ですから、たとえば第
五條
の
禁止活動
に触れるようなことがなかつたのでございますが、
米國
には古くから
独占禁止法
がありまして、これをくぐるためにとかくこういうことがしばしば行われるものをおもに並べたわけでございまして、今度
独占禁止法
ができたもとでは、とか熊こういうことが起りがちであると
米國
の例から想像されるのでありまして、そういうおもな
行為
を並べたのが第
五條
の
禁止規定
でありまして、これは決して御
関心
にな
つて
おるところの小さな
商工業者
の
活動
を妨げるものでなく、大きな
企業者
が多数の
結合力
によ
つて
小さな
企業者
を圧迫することのないようにということが、
本法
全体を通じて流れるところの
根本思潮
なのでございまして、ただいま御
質問
の御趣意、最も御
関心
にな
つて
おる点とわれわれの
考え
とは、その点一致しておることなのでございます。その点は特に御了承願いたいと思います。
唐木田藤五郎
9
○
唐木田委員
御
説明
を聽き、よくわかりましたが、御
承知
のような滿州
事変以來
、
日本
はまさに
法律
に圧死されそうなかつこうであります、時々物々
ことごと
に
法律
々々々々で、朝から晩まで
法律
を課されて、
法律
というものに中毒しておるのであります。なおまた
法律
というものに必要以上に威圧を感じて、まだそれが拔け切
つて
おりませんので、
從つて
今御
説明
のようにきわめて親切な思いやりのある
法律
をつく
つて
いただくにかかわらず、その表現がその
氣持
によく副
つて
おりませんときには、全然逆効果をもたらすことが当然あり得るのであ
つて
、そういう点を私は非常に心配しておるのであります。ですから、弱い者の
声なき声
を聽き、形なき形を見るというのが政治の本質でありますから、私たちはこの
事業者團体法
というようなものが出ると聞いて
以來
、耳にたこのできるくらいきわめて悲しい話を聽かされておりますので、いささか思いすごしかもしれませんけれ
ども
、今私が申し上げたようなことを
卒直
に申し上げる方が、
技術
的な
枝葉末節
の
文字
の羅列や、
法律
の訂正をするにもいいのではないかという老婆心からいろいろ申し上げるのであります。ただいずれの場合においても言い得ることは、
法律
をつくる人の
氣持
が、これが実際に行われるときには少しも行われない。とんでもない方へい
つて
しまうことがあり得るのだ。もしそういうようなおそれが実現しますならば、これこそとんでもないことだ。思わざるもはなはだしいと言うだけでは済まされない。どうかそういうこまかな点まで氣をつけて、
せつ
かく親切にこの
法律
をつく
つて日本
の
産業再建
をしてくれるという
氣持
に背かないように、この局に当る人々がこの上とも十二分の御戒心をされるように申し上げて、私の
質問
を終りたいと思います。
笹口晃
10
○
笹口委員
三、四点伺いたいのでありますが、第四項にいろいろ例示してあります
事項
がきわめて限られておりますが、これ以上できないということになれば非常に困りますので、私としましてもこの各号に掲げてありますもののほか、
公正取引委員会
でこういう仕事はどうか
といつて
認可
をしてもらう。
認可
したものはよろしいというような修正を加えたいと
考え
ておるのでありますが、こういう点に御同意なさる用意があるかどうか。もう
一つ
はなぜこういうような
規定
を掲げるか。昨日のウエルス氏の來られたときにも私
ちよ
つと発言したのでありますが、この
法律
によりまして大きな
事業体
というものが
事業團体
によ
つて
結合し、トラスト化するということは、私
ども
は当然反対なのであります。しかしながらその反面に、きわめて小
規模
の
業者
というものが共同して大
規模
の
事業者
に当るということが不可能にな
つて
しまう。
せつかく力
を協せて今いくらか大
企業
と拮抗していこうというような
考え
をも
つて
も、この
事業者團体法
によ
つて
それができかねる場合が非常に多いのでありますが、そういうようなときには、一々その事例によ
つて公取
において
認可
をなさいますときに、御斟酌願えるものかどうか。この点が第一点であります。 それから第二点は第六條でありますが、六條にはいろいろ
届出適用除外
の
規定
がございますが、
適用除外
を受ける
團体
といえ
ども
、第三條によります
届出
をしなければならないということにな
つて
おります。しかしこの第六條の
適用除外
の
團体
をずつと調べてみますと、その第一号から第三号までに掲げられてありますものは、すべて
法律
に基くものでありまして、その
目的
、
構成
、
組織等
はすべて
一定
をいたしております。そしてまたその成立に際しましては、やはり一々これがどこかの
政府機関
に
届出
せられておる、こういうものがあると思うのであります。この第三條によ
つて
、これらの諸
團体
の定款とか、
役員名簿
とかを届け出すということになりますると、届ける方にしてみると重複をすることになりますが、この第三條の
目的
は、これら諸
團体
の実態を把握することが目標でありまするならば、これは
公取
が随時にそれらの
主務官廳
といいますか、
監督官廳
といいますか、こういうところをお調べになればわかることなのでありまして、ことさら
届出
をさせるというような手間をかけなくてもよろしいのでないか。それでなくてもあまりに
團体
の数が多い。十数万というか、数十万というか、そういうものをお取扱いになりまするが、なるべく荷を軽くする
意味
で、こういうようなものをお取除きになりますることについての御
意見
を聽かせていただきたいと思います。 それから最後に昨日も私
ちよ
つと
質問
したのでありますが、
漁業者
が
漁業協同組合法
がございませんために、
漁業者
の中の特に
小規模経営者
というものは、まつたく
協同事業
をやる方途がなくなるわけであります。やがて
漁業協同組合法
が生れてまいるでございましようが、それまでの間でもこういう
事業者團体法
が先にできますと、非常に不便をこうむりますので、特にこの
漁業者
についての
漁業協同組合法
ができまするまでは、この
法律
の
適用
を一時猶余するというような経過的な
規則
を入れたい、かように
考え
まするが、この点についての御
意見
はいかがであるか。以上三点をお伺い申します。
中山喜久松
11
○
中山
(喜)
政府委員
ただいまの御
質問
の第一点の四條の第九号の次に第十号といたしまして、
公正取引委員会
の
認可事項
につきまして、といつたような点を加えたらどうかという御提案につきましては、われわれは同意する
考え
であります。なおその
運用
につきましての
お話
がございましたが、
私的独占禁止法
の建前からいきまして、十分にその
精神
に副
つた範囲
において、その点も
運用
いたしていきたいと
考え
ます。 第二点の第三條の
届出
の点でございますが、われわれといたしましては、全部われわれの方に把握いたしまして、
状態
を調べていきたいと
考え
ております。なおこの第六條の第一号のところは
私的独占禁止法
の二十四條に該当するもののみが
適用除外
なのでありまして、こういう点の把握の上からいきましても、われわれの方へやはり
届出
をもらわなければならぬというふうに
考え
られております。 それから第三番目の御
質問
の、
漁業者
の
協同組合
につきまして、
水産業協同組合
のできますまで、経過的な
規定
を設けてよろしいかという
お話
でございましたが、これはわれわれの方で、この
法律
のできるまでは
十分運用
で、その
漁業者
の
團体
の
行動
に差支えないようにも
つて
いくように
考え
ております。
笹口晃
12
○
笹口委員
私の
質問
いたしました第一点、第三点については、
公取
としましても十分その
精神
を生かして
運用
していただくということがわかりましたので、その点は非常に満足をいたしております。ただ第六條の点で多少私
ども
の
考え
と違いまするが、今
お話
になりました第六條の第一号でありますが、こういうような
組合
が成立いたしまするときには、それぞれやはり相当の
手続
をしてやるというようなことで実害はないのでありますけれ
ども
、一一この法規に基いて
届出
をしなければならぬということになりますと、これはずいぶんやる方の身にな
つて
みますと、あまり実益のないのに、こういう
手続
をしなければならぬということにな
つて
、非常におつくうなものなんでありまして、これは
確か罰則
がついていると思いますが、こういうような單なるあなたの方でどういう
組合
がどこにある。それがどういう
目的
でや
つて
おるかということだけの実情を把握いたしまするだけに、こういうようなものにすべて
届出
をさせるということがはたしてどうであろうか。あなたの方もそれは御自分の手もとに全部
届出
があれば、それを集計すればこれは十分に御便利になるに違いないと思いますが、それによ
つて
そのような該当
組合
が受けまする不便といいますか、煩瑣な
手続
といいますか、重複した
手続
をすることを
考え
願いますならば、でき得ることならば、これらのものはそれぞれの法規に基いて、
主務官廳
ないしは
監督官廳
で、実情がわかるのでありますから、あなたの方でお手をかけていただければそういうこともできるのではないか。要は役所の御便利になるということ、あるいはその反面にはこれらの諸
團体
というものは、非常に事務的な煩瑣な
手続
をする。しかもこの單なる
届出
ということだけのために罰則等もあるということになりますると、どうも私
ども
、にわかにこれに賛成いたしかねるのですが、この点について何とか御考慮を拂
つて
いただけないものでしようか。重ねてお尋ねいたします。
蘆野弘
13
○
蘆野政府委員
届出
の点につきまして、ただいまの御趣意はまことにごもつともであると思います。実際問題として、全体を寄せればかなり厖大なものになるのでございましようが、
公正取引委員会
というものは、ほかの役所とは違つた角度から、あらゆる産業
團体
の実情を把握しておくということが必要であり、また意義のあることであるということはお認めくださるだろうと思います。そのために
届出
事項
のごときものも、なるべき簡單にして、その
手続
き等については、
公正取引委員会
において
規則
を定めることにな
つて
おりますが、それらの点も考慮しまして、なるべく簡單に済むように、第三條に書いてありまする
届出
の本務はきわめて簡單なものであろうと思います。これに掲げる定款、役員の名簿等その他普通あることで、そう届け出たのに、非常に重
なつ
た負担をかけることにはならないというふうに用意したつもりでございますから、この点はひとつわれわれの立場も御了承くだす
つて
、賛成を願いたいと思
つて
おります。
笹口晃
14
○
笹口委員
重ねて申し上げますが、私は
届出
する手間はよろしいと思うのです。手間は今
お話
のように複雜といえば複雜、煩瑣といえば煩瑣なんですが、この
届出
を怠つた者に一年以下の懲役もしくは二万円以下の罰金、こういうものがついておる。それでこれを各
組合
などかこの法規の
適用
を受ける
團体
でありますならば、これはやむを得ないことといたしましても、法規の
適用
を実質的には受けないという
團体
、單にあなた方の御便利をはかるために、
届出
をするというその
團体
が
届出
を怠つたならば、一年以下の懲役もしくは二万円以下の罰金というのは、どうもあまりひどいじやないか、こういう氣がいたすのであります。それで私はできることならこれは除いていただきたい。あるいはもう少し
考え
まして、罰則の方でこれをの
届出
を怠つた者に対して、かようなほかと同じような罰則を加えない。このどちらか
一つ
御考慮願えないか。どうもあまり御便利をはかるためにかような罰則がついたということはひどいと思います。
林大作
15
○林(大)
委員
関連して━━実はそのことに関して、きのうもいろいろお尋ねした向きがあつたのですが、事実上ある
一定
の数字以上のものになりますと、あなた方がいくら逆立ちされても利用できないものにな
つて
しまう。そのことはお互いによくおわかりだと思います。
ちよ
うど震災後の道路片づけができなくて、道のまん中に芥がうず高く積
つて
とれないと同じような書類が、
公取
に集まることになる。これは單に一旦届け出ただけでなくて、次から次へ起るものはまた届け出ていく。その
届出
のために前のやつがきれいに取去られるかというと、
日本
の今までの慣習としては、ほとんどそれは取去られずにほつたらかされて、またそれに積んでいきますから、動かざる
一つ
のマツスができる。私
ども
そういう経驗は実はあります。ありますから申し上げるのです。きのうもそれを申し上げたら、わかつたようなわからぬような返事をしておられましたが、要するにこれはあなた方が、
公取
の方にやれと言われて、やりましようとおつしやるからいけないので、そんなことを言われてもできないと
はつ
きりおつしやれば、この問題は解決する、こう私は見ておるのです。それから
二條
を見ますと、実にこまかいものまで調べ上げなければいけないというのであるが、ある
一定
の人数以下、及び
一定
の資本以下の結合は免除してもらうとか、何しろできませんからとある程度あなた方が横にな
つて
いただくことによ
つて
、ずいぶんにたくさんの人の手間と紙がセーヴされる。そうして犯罪からもセーヴされる。かように私
ども
は思う。この点は事実論です。
法律
論ではないのです。事実論ですから、事実は事実をも
つて
おあたりになれば、これは決して恥でも何でもないと思う。それでいいのだ、こう私は思う。このことについては強い確信をもち得る過去の経驗をも
つて
おるわけです。どうかひとつそのおつもりでこの事実論に立つた御返事をいただきたいと思います。
堀川恭平
16
○
堀川委員長
ちよ
つと速記を中止してください。 〔速記中止〕
堀川恭平
17
○
堀川委員長
速記を始めてください。
林大作
18
○林(大)
委員
これは経過
規定
を
はつ
きり設けて、いつから施行する。しかしこれこれのものはこれだけの期間を除くということに
はつ
きりした経過
規定
を設けるべきであると思います。
中山喜久松
19
○
中山
(喜)
政府委員
これは
水産業協同組合
がこの議会へ提案されて、実は通るという
考え
で、最初から計画内容も予想していなかつたのです。そういう
事情
だけ申し上げておきます。 それから今の
届出
のことでありますが、これは実はあなたの方の
お話
のことは、われわれも痛切に感じておることなんです。再三その
お話
は
芦野委員
その他総務部長なんかもしたのでありますが、どうしてもそういうことではいかぬというので、その御
趣旨
はわれわれはよくわか
つて
おるのであります。
堀川恭平
20
○
堀川委員長
本日はこの程度で散会いたします。 午前十一時散会