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原説明員 最初に
お話のございました数段階にわかれましたために、終局において相当に負担になるのではないか、特にミシンのような製造工程の段階の多いものにつきましては、相当上るではないかというような点でございます。これは全部に
あたりまして結論は、実はとても間に合わないのでありますが、いろいろなものについて計算いたしましたところでは、最終
消費者價格におきまして三%から四%、あるいはもう少しいくという程度ではないかというふうに見ております。ミシンなどにつきましても、一應の見当をつけてみましたが、これは三%ぐらいで済むのではなかろうか。製造者が原料を下請に出し、部品を下請に出すというように、段階が大分はいると、第一段階が一%であるから十段階はいれば一〇%になるというふうに、
ちよつと
考えやすいのでありますが、それは実はその段階ごとにはい
つてまいりますマージンとか、あるいは賃金の部分は
税金がかかりませんので、最終段階になりますと、十段階でありましても、四、五%ですむというようなものが多くな
つてまいるわけであります。大体見当はそんなところにおいて
考えているわけであります。
次に脱税の問題、これは先ほど
梶川委員からも御
指摘がありましたところでありますが、われわれといたしましても、どうしたらこの税がすまくとれるかということが最も心配の種でありますし、最も苦心しているところであります。その
一つの方法といたしまして、
印紙納付という珍らしい形をとりましたのもそのためでありまして、これは
営業者が物を賣
つて金を受取るときには、必ず印収を相手に渡してもらう。
從つて社会
一般が
取引高税というものを納めなければならないのだといういう態度になりますれば、
営業者が納めまいと思いましても、
印紙をくださいと
言つて、
印紙をくれなければ脱税をしているということを
言つてくだされば、どうしても
営業者は納めなければならなくなるのであります。それでもなおかつ納めないということがありますれば、第三者通報という制度を設けまして、これは惡く見れば密告でありますが、税は
一般の
納税義務者が隠そう隠そうとするのは
あたりまえで、税務官吏のみがそれをとるのが
あたりまかだというのではなくして、第三者通報というのも決して密告というのではなくして、税を納めない人があるということは、
日本のきま
つた法律、さらに大きく申しますれば、
日本の
経済を再建してまいるためになさなければならない
義務を怠
つているのでありますから、
日本の変えていくという意味で、大きな立場から第三者通報によ
つて、あの人は税を委めていないということを
指摘してもらいたい。わずかな税務官吏以外の人は、もう税を免けよう免れようというような態勢でお
つて、税務官良だけがそれを抑えるというようなことではとてもや
つていけないわけでありまして、その辺を第三者通報のわかに、今回は
印紙交付という手を使いまして、買う人が、皆さんが氣をつけていただけば
営業者は是が非でも
印紙を渡さなければならないということになりますので、こういう方法を
考えたわけであります。なおそれ学校、慈善團体等が集めても
つてきてくれましたならば、それに若干の交付金を出すという制度を置きましたのも、まことにこれは見ようによ
つてはえげつない、きたない方法でという御批判も出るかも知れませんが、その辺の國民の
納税の態度を期待いたしましてのことなのであります。まことにただいまの脱税に関する御
指摘は深刻な問題で、われわれも、どうだ、とれるかと言われて、まことに首をうなだけるわど現実の事担はいろいろな惡條件の多いわけでありますが、この点はわれわれといたしましても、
一般の社会層が、
納税ということは何も國がと
つて自分たちは食われるのだという観念でなしに、国会できめた税を納めるということは、國民の
義務、
日本再建のための必要な
義務であるということから、社会全部が税が納まりますように力を揃えるというような方向にな
つていただきたいというつもりで、第三者通報、特に
取引高税法におきましては、
印紙納付というようなことを
考えておるのであります。なおこれでも御
指摘のようになかなか脱税問題というものは手にあまる事態が多いと思うのでありますが、これはただいまのような
考え方をもちまして、國民の
納税観念に大きな期待をもちつつ、この
日本の再建のために、われわれといたしましてはわれわれの分を盡して適正な処置をとるように頑張
つてまいりたいというふうに
考えておる次第でございます。