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大村委員 この際簡單に総論的なことを
お尋ねしてみたいと思うのであります。
過
ぐる憲法議会におきまして、新
憲法の
條項と相照應いたしまして、わが國の
地方制度を根本的に
民主化するという
建前から、当時の
府縣制、市制、
町村制等一連の
地方制度に
相当廣範囲の
改正が行われたのであります。その後私からここで申し上げるまでもなく、
地方自治法という一本の
地方制度が打立てられたのであります。その後もこの
地方自治法が数次
改正されてきたように思うのでありますが、今回またここに
地方自治法の
相当廣範囲の
改正が提案されてまいつたのであります。もとより
地方制度の上においても、その
民主化を徹底させる上においては、途次法令を
改正するということも、実際問題として当然のことでありますけれども、しかし、あまりに頻繁なる
改正は、
國民をして確固たる信念をもつてこの新
制度を
運用していく面において、遺憾な点が起るのではないかと思うのであります。すなわち
制度の
安定性というものは
相当重要視しなければならぬことと思うのであります。さりとて前に申しました通りに、
民主化の過程においては必要なる
改正を逐次やらなければならぬという必要もあるのであります。この両者をいかに調和するかということは、実際問題としてむずかしい問題ではありますが、
地方自治の健全なる発達を庶幾いたします上からいたしまして、この点は
相当に
考慮を加えなければならぬ問題ではないかと思うのであります。
そこで一、二
お尋ねしてみたいと思いますのは、今次提案されました
地方自治法の一部を
改正する点については、いかなる
理由、いかなる必要からこのような
改正を提案されるに
至つたのであるか。これはいろいろな
理由がありましようが、想像いたしまするに、
從來の諸
改正を実地に
運用してみて、そこに
欠点不備を発見してそれによつてこれを
改正しよう、あるいはまた
地方制度民主化の線に沿うて
改正をするといたしましても、一足飛びに理想の域に達するわけにもいかない、漸進的に
改正するのやむを得ない
事情があるから、そこでこの段階においてこのような
改正案を出すに
至つたというようなこともあるいはあるかも存じません。またあるいは
関係方面のアドヴアイスと申しまするが、レコメンデーシヨンがありまして、まことにもつともな意見であるとして、それを実際採用したということもあろうかと思います。それらの点につきまして、もしお
差支えがないといたしますならば、お
差支えのない限度において、今次
改正案を提案するに至りました動機と申しまするか、
理由というような点につきましての御
説明を承りたいと思うのであります。