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千賀委員 料理屋の
轉廃業に関して
政府は、
措置をと
つておると今
説明しておいでになるが、
轉廃業に対してどんな実質的な
措置をと
つておられるか。言いかえれば、
轉廃業をする者にどのくらいな
生活援助なり
補助費なりを支給しておるのか、その点が
はつきりしないから明瞭にお答え願いたい。
掛声だけでは、もちろんさようなことはできるはずがない、また何をするにも、このインフレの世の中で
相当多額の費用を要するときに、
掛声くらいで
轉廃業してくださいと言
つたところで、これはむしろ反感を買うばかりで実効はあがらない。その点に対して、どの
程度の実際的な
援助をしておられるか伺いたい。
そば屋等を
許可するようにしたいという
お話でありますが、
許可することはまことに結構でありまして、またその数は多々ますます弁ずるで、多ければ多いほど結構であると思います。ところがただいま
説明せられた
範囲におきましては、すこぶる数が少いと思う。必ずしも、
そばが
主食糧の領域に食い入
つていくということばかり
考えずに、
そばの
原料に未
利用資源というか、今まで
そばの
原料にはならないと
考えてお
つたものを利用すれば、
そば屋の数を殖やしてもいい、こういうことになれば
相当に殖えてもいいのではないか。たとえばあなた方が
そば屋を許すために、一年に何万石かのうどん粉なり
そば粉なりを消費する。それだけの
数字を
基本にしておいて、そこに未
利用資源の何を加えても、その
そばのでき
上つた量を
基本量の二倍とか三倍とかに殖やして
営業しても、それは構わないということになれば、
相当に
そば屋の数もあなた方の
考えておるより殖やし得ると思います。いずれにいたしましても、
飲食店営業の
禁止のために
國民の受けておる被害というものは、非常に深刻で
廣汎でありまして、これを一日も早く許すことが当然であると思います。なるべく廣い、徹底した
範囲に許していかなければならぬと思います。
高級料理店にいたしましても、
いたずらに
高級料理店はと
言つてこれを抑えておることは、すこぶる人道上いかがかと思います。この
高級料理店を擁しておる
人々の
租税負担額は実に莫大でありまして、その
家屋税その他の財源を何によ
つて捻出するかという点も、実際解決しておらないのであります。
裏口営業、
裏口営業と言いますけれ
ども、
裏口営業でも、どんな
パンパン宿でも、解決されざる限りは、
人間は生きる権利をも
つておりますから、や
つていかなければならない。こういうような割り切れないものをいくらでもつく
つておくことが、
政府のやるべきことではないと思います。先ほど來の
質問應答を聽いておりますと、
いたずらに苦しいことはG・H・Qがということでありますけれ
ども、G・H・Qは
内閣に対して
意見を言われるかもしれませんけれ
ども、あらゆる点は
内閣が
責任をも
つて政治をいたしておるのであります。
政府の
当局だけは、片端から
自分の秕政はG・H・Qだというようなことになすりつけて、この議会を押しつけていこうという、これはすこぶる悪趣味だと思います。あなた方がG・H・Qの言うところに共鳴をして実はこれをやらないのだというのなら、G・H・Qがやるのだと言わなくても、われわれ
政府はさような意思がないということを断乎として
言つていかれたらよろしい。それと、われわれと
論戰をいたして、あなた方が利がないと
思つたならば
内閣を投げ出すのもよければ、勝つと
思つたらどんどんと強硬にや
つていかれたらいい。これを妙なところに、われわれが質問する途の明いていないところに、G・H・Qが、G・H・Qがと
言つてやられることは、すこぶる不満であ
つて、これを押し進めていくならば、こんな
委員会は必要はない、勝手におやりなさい、こういうことにな
つてくる。私はあまり
政府当局の口からG・H・Qということを
言つてもらうことは不愉快だ。たとえそういう事実があなた方の腹の中にあろうとも、われわれの質問対してあなた方は
責任をも
つて答えていただきたい、かように思います。
料理飲食店の問題のごときも、むろんあなた方は、
國民感情として無理であることを知
つておられましよう。これに対して逆行する
政治をやるというところに苦しみがあるから、そうした他力本願の
氣持を起すのだろうと思いますけれ
ども、これはやはり
國民自身のことであります。何万人、何十万人という
人間が路頭に迷うのを見ながら、ただこれをひとごとのように、あれがああ言うから抵抗しようというような、いくじのない
考えを起さずに、われわれは
政府当局をどこまでも追求をして、
人々の生きる途を明けてやるということが必要であると思います。私
どもは第一回
國会におきましても、
料理飲食店を速やかに
再開させるべし、生きる途を明けずして、
いたずらに止めておくというような不自然、不合理な暴圧に近い
政治をやるべからずという
意味で
請願を
採択するという
立場に立
つたものでありますが、その
氣持は依然として同じであります。微動だもいたしておりません。再びこの問題が当
委員会に上程をさせられましたことは当然であると思います。私は第一回の
國会において、この
採択に賛意を表したと同じ
氣持で、今回もこれを迎えたいと思
つておるのであります。私の特に
説明を求めた点は、話が長くな
つてぼけたかもしれませんが、どういう
具体案をも
つて彼等の
更生轉業なりを指導していかれるか、単にかけ声だけであ
つてはならぬ、そうではないかどうか、この点であります。