○
阿部(美)
政府委員 きわめて適切な御
意見を承りまして、非常に私
どもも意を強うしておる次第であります。というのは、私がしばしば申しております
通り、わが國の
建築は主として
木材に依存しておりますために、非常に
火災の率が高いのであります。昨年は、建設された
戸数と焼失しました
戸数を統計にとりますと、焼けた方が全体の約四二%ほどに当
つておる次第でありまして、このために失われる
資材も莫大でありますが、
資金の点においても百億以上に上ると思うのであります。それでこれはできるだけ
耐火構造、あるいは
耐火建築にしなければならぬことは、ただいま私から喋々申し上げるまでもないと思うのでありますが、ただいままで実現できなか
つたのは、
主要資材であるセメントの生産がこれに伴わなかつたということであります。
來年度以降は、
総理大臣の
施政方針にも、相当増額されるように
なつておりますので、相当な量において
耐火建築を施工し得ると思うのであります。現在
日本的ではありますが、
東京高輪におきまして
総合住宅、アパートを鉄筋コンクリートによ
つてつく
つております。こういうものを漸次
都道府縣、特に六大都市においては十分に普及できるように推進していきたいと
考えておる次第であります。
それから、
建設院があるために
復興建築が阻止されるのではないかというお説でありますが、これはまことにわれわれにと
つても遺憾なことでありますけれ
ども、そういうことではないと私は思うておるのであります。今日まで
復興建築が進まなか
つたのは、主として
資材の面であ
つたのであります。今
お話の
認可、
許可が非常に複雑であるというような
お話もありますが、これは
使用資材そのものが物調法による
切符制に
なつておりますために、どうしてもああいうような多小複雑ではありますが、
資材表をつけて出願するということになりますので、
一般にはまことに
手数に感ずる次第でありますが、十七
品目の中に
木材が入
つております
関係上、ああいうことが必要であります。原則としては、これは私個人の
意見になりますが、十二坪以下の小
住宅は、できるだけ
認可許可からはずしていきたいのでありますが、今申し上げましたように、
木材その他の
使用資材が十七
重要資材の中にはい
つております
関係上、どうしても
切符を切らなければならない。
從つて認可許可が要るようなことになるのであります。しかし
手続の問題については、できるだけこれを簡素にしていきたいというので、ただいまたとえば
東京のごとき大量の出願がありますところでは
窓口、つまり
区役所で小
住宅、あるいは
手持のものについては
窓口において速かに
認可ができるように、できれば一週間以内に処理ができるようにする
方法を立てて、これを近く
実行することに
なつております。そういうような次第でありまして、ただいままで進まなか
つたのはまことに遺憾でありますが、今後はそういうことのないように、十分処理いたしたいと思うのであります。
地方出先の方に
権限を委譲するということにつきましても、われわれはその
趣旨に副うようにいたしたいと存じておるのでありますが、先ほ
ども申し上げましたように、十七
品目の中にはい
つております
関係上、今のところこれを自由に
許可なしにやるということにはできないように
なつております。その点御了承を願いたいと思います。