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柴田説明員 入場税のとり方をどうするかという問題でありますが、方法といたしましては、全額市町村負担の税金とする場合と、府懸におきまして本税を課して、市町村が
附加税を課するという場合があるわけであります。現在の方法といたしましては、市町村になるべく多くの
財源を與えるという方向で進んでおりますので、あるいは前者の方になるのではないかと
思つておりますが、この点はまだ論議中でありまして、
はつきりきま
つておりません。
それから第二点は農業
事業に関する課税でありますが、
お話のように、農業というものは食糧生産の中心であ
つて、いわば
國民活動の原動力ともいうべきものであります。それに対して課税するということは、あるいは食糧供出問題に重大なる影響を及ぼす恐れがあるということ、そういう説が出るということは一應うなずけるのであります。ただ農業に対して課税をするということは、農業をいじめるということではないのでありまして、税負担の均衡をはかるという
意味であります。現在の勤労所得者に対して課せられておりますところの所得税というものと、その他の
一般のものに対する所得税というものの均衡からいいましても、また農業者の家計
状況から見ましても、農業に全然担税力がないということは言えないのであります。農業はなるほど原始産業であ
つて、あるいは山林業も原始産業であ
つて、水産業もみな原始産業であるというその点から、今までは税の対象にな
つておらなか
つたのでありますが、むしろ実際は純粋の企業であるかどうかという問題ではなくして、
一つの
事業形態に対しましては、やはり担税能力を認めていくのが、当然じやないか。ただそれに対する課税の仕方というものは、たしかにむずかしいのであります。実際問題といたしまして、何も商業帳簿もなく、かつ日給簿等もないという素朴な経営形態をや
つておる農業に対しまして、どういうように担税力を捕促するかという問題でありますが、こういうものにはどうしても純益主義を貫くということは、かえ
つて徴税費用をかさみ、眞の担税力を得るゆえんでない。
從つて外形標準を使
つて、これに課税していきたいと思うのであります。ただ外形標準の立て方をどうするかということでありますが、單なる耕作反別だけをつ
かまえましては、あるいは不均衡が起ると存じます。従いまして耕作反別にしましても、畑地と山田、あるいはその他の水田というようなものにつきましては、それぞれ区別しなければならぬものがあるのであります。同じ田でもその場所によ
つて区別が必要であるし、また耕作の対象とな
つておるものは、蔬菜を中心にしておるか、あるいは水田であるか、あるいはその他の畑のようなものであるかということによ
つて、やはり区別をしなければならぬと思うのであります。この点につきまして、どういう課税標準をとるように法文化するか、その問題については目下検討中でありまして、まだ正式にきま
つたものはございませんが、やはりある
程度の合理性をも
つた、ある
程度の細分された基準というものをつ
かまえて課税していきたいというように考えております。現在の見込みでは、大体一戸当り四百円
程度としましたならば、そう重い税金でない、このように考えております。