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1948-02-03 第2回国会 衆議院 治安及び地方制度委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年二月三日(火曜日)     午前十一時十八分開議  出席委員    委員長 坂東幸太郎君    理事 門司  亮君 理事 中島 茂喜君    理事 川橋豊治郎君 理事 松野 頼三君       大石ヨシエ君    菊池 重作君       久保田鶴松君    松澤 兼人君       佐藤 通吉君    坂口 主税君       千賀 康治君    中垣 國男君       小暮藤三郎君    中島 守利君       外崎千代吉君  出席政府委員         総理廳事務官  久山 秀雄君         総理廳事務官  荻田  保君         運輸政務次官  田中源三郎君  委員外出席者         專門調査員   有松  昇君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  最近の火災頻発状況に関する件  列車事故及び軍内治安に関する件  地方財政委員会に関する件  市制施行促進に関する件     ―――――――――――――
  2. 坂東幸太郎

    坂東委員長 これより治安及び地方制度常任委員会を開きます。  本日の日程は、最近の火災頻発状況に関する件、列車事收及び車内治安に関する件、地方財政委員会だ関する件、市制施行促進に関する件、大体さような事項がございますが、それに先だちまして、昨月われわれ委員警視廳に参りましたときに、職員組合のある委員から委員会へ出した嘆願書があります。これを御報告申し上げます。     嘆願書  世界の注目を浴び、犯罪史上まれに見る帝銀毒殺事件、そして今後ますます惡辣巧妙をもつてすると思われる犯罪警視廳通信職員は、これら犯罪の端緒をつかむに、また火災の発見に、一分一秒を爭う警視廳通信網確保に從事する労働者である。われわれはは終戰後その復旧にあらゆる惡條件を克服して今日に至つたのであるが、警視廳の封建的な官僚は、表面塗沫的机上プランに終始し、末端の通信連絡は半身不随と言えよう。これがため逮捕さるべき犯人を逃がし、小火のうちに鎮火できるものさえ大火災なつた例はいくらでもある。これら惡條件の中にあるわれわれの生活條件も、終戰以來ますます惡化し、機材とともに、その労働力も瀕死と言えよう。それに加えて警視廳が、二・一ゼネストを契機として、強制的にわれわれ労働者間に、警察通信に未熟練な警察官を轉用させ、健全なる労組の発展を妨害したのみならず、技術の面にも一大支障を來したのである。このままに推移すれば、今後ますます惡化する犯罪に対抗する通信機関充実、そしてこれに從事する労働者待遇改善なく、通信系統技術官一本で強力にその向上に研究のメスを入れなければ、事態はまことに憂慮すべきものと信ずる。二万に余る警察官は根強い封建制のもとに、完全に口をふさがれ、絶えず圧迫を受けつつある、通信労組の任務も技術面であるがために、ますますもつてその向上支障を來し、遺憾ながら今後予想せられる犯罪にタツチすることは困難である。よつて左記事項の速やかなる実現を望む。一、即時通信網充実。一、通信職員待遇改善。一、技術系統より警察官追放。  以上はわれわれ帝都治安の一端を握るものの最小にして最大の希望である。右合掌して嘆願する。   昭和二十三年二月二日  議会治安委員会殿    警視廳職員組合委員 池田一  こういう歎願書がまいております。これに対する檢討は他日に讓ります。  それではただいままいつております政府委員から、順次説明をお伺いいたします。地方財政委員会に関する件であります。地方財政委員会事務局長からひとつ御説明を願います。
  3. 荻田保

    荻田政府委員 地方財政委員会は、御承知のように、先般の議会で成立いたしました地方財政委員会法に基きまして、一月七日にできたわけでございます。本委員会使命といたしますところは、地方財政自主化をはかるというのが大きな使命でございます。あたかも内務省解体に際しましてできましたので、一應終戰後内務省地方局財政課の仕事を引継いだようなかつこうになつておりますが、單にそれだけではなく、むしろ地方財政自主化ということを盛つた大きな改革笑をつくり上げるのが、本委員会使命になつておるわけであります。つまり地方自治法ができまして、地方分権地方自治拡充ということが機構の上に確立したのでありまするが、その裏づけをなしまする財政組織に、未だ自主的なものが乏しいので、地方自治の將來にとりまして、必ずしも地方自治法の示すような自治拡充地方分権方向をとることができないというところからいたしまして、地方財政自主化しなりればいけない、その法案を立案するというのが地方財政委員会の大きな使命なのでございます。しかもその立案は、本法の施行後九十日以内とございますので、三月六日までに法案をつくりまして、國会に提出しなければならはい義務を負つておるのでございます。  財政委員会ができまして以來、各委員承知と思いまするが、委員長竹田國務大臣國会代表竹谷源太郎氏、知事代表安井東京都知事市長代表神戸京都市長町村長代表とたしまして生田町村長会長、この五人の方が集まつておられるのでありますが、開設以來熱心に御討議を願いまして、着々と進行しておるのでありま未だ具体案を得ませんのでありまするが、大体の方向をきめまして、それに基きまして草案をつくり、それをもちまして関係各省、あるいは関係方側と折衝をしておるのが現状なのでございます。從いまして未だ具体案につきまして申し上げるまでに至つておらぬのでありまするが、大体委員会考えでおりまする方向につきまして申し上げますると、今回の地方財政自主化は二つのことを目標にしたらいいのじやないか。  一つは、地方財政自主化を徹底すること。つまり今のように國家財政に依存的なものではなく、また税制國税に從属しておるというようなかつこうになつておるが、この非自主的な制度を改めて、地方分権地方自治拡充の線に沿つた財政組織を確立するということが、一つの大きな目標であります。  もう一つは、現在のこの経済情勢に即應したような税制をつくるということでありまして、現在の税制では古い。こういう激變期に臨みますると、てれにマッチしていくことができないような税制になつておるわけであります。從いまして、こういうようなインフレ進行をしておりまする激動期に対処していくような税制財政制度をつくるのが第二の目標になつております。  こういう目標を達しますために、方則といたしまして、第一に國家財政地方財政、あるいは國秘体系地方税体系との関連性をできるだけ切り離し、それぞれ自主的に事が行えるようにすることが一つの狙いであります。  第二に、國政事務地方國体に委任するがために、地方財政が大きな負担をこうむつております。それで國政事務地方國体に委任いたしますことは、これは地方分権の精神よりいたしまして、好ましいことでありますが、單に事務を委任するだけでは、それを賄つていく財源のことを考えないと、実質的におきまして、地方團体財政上大きな負担をこうむる。そのために地方財政状況が惡化しているのであります。たとえば六・三制のごとき問題が、今大きな地方財政上の問題になつているわけであります。この点を解決する方途を講ずる。  第三に、災害がたびたび起つておりまするが、このために地方財政圧迫を受けております。これを防止する方法を講ずる。  第四番目には、地方税制につきまして、自主的な税制にする。現在のように、地方分與税税收入中の五割を占めるというようなことでは、何としても國家依存的なものになるので、もう少し自主的な税制にする。しかし現在のように各地方團体財政力に凹凸のある時代におきましては、最少限度の分與税を與えて、なるべく自主的税制にする。  第五番目に、インフレ進行に感じて税收が減收することを地方税制に持込むということであります。原則として地方税國税に比べてこのような働きが少いのであります。從いましてインフレ進行によつて物價が上り、給與水準が上りますと、それによつて税收入を得ることができませんので、経つてすぐ國家補助金をもろうというような問題になつてくるわけであります。それでインフレ進行に應じて、すぐ増收が得られるような税收地方税中に入れるということであります。  第六番目に、地方團体金融の円滑をはかるということであります。現在のような状態では、どうしても地方債を発行しなければならない状況であります。ところがこれを消化するのにきわめて困難を感じている。從つてこの金融円滑化をはかることが、大きな問題であると思われるのであります。  第七番目に、地方税及び財政に関しまする國家監督権をなるべく廃止する。たとえば許可認可制度のごときは、できるだけ廃止する、地方分権の理想的な形体から申しますれば、すべてこれを廃止するのが理想でありましようけれども、現在のように、経済國家統制を必要とするような時代においては、これを全廃することはできませんので、なるべく最少限度に切詰めるというのが第七番目の方針であります。  以上のようなことを達成するために、具体的にどういうことを行つたらいいかということを、ただいま檢討中でございまして、いずれ成案を得られることと思いますので、その暁には法案といたしまして本國会に提出いたしまして、本委員会の御審議を受けることになると思うのであります。  以上大体、地方財政委員会が発足いたしまして以來の経過を、簡單に御報告申し上げる次第でございます。
  4. 坂東幸太郎

    坂東委員長 ただいまの御説明に対しまして、もし御質問がありますならば、簡單にお願いいたします。
  5. 松澤兼人

    松澤(兼)委員 われわれが多年望んでおりました地方財政自主化をはかられるために、地方財政委員会ができましたということは、まことに慶賀にたえない次第であります。この点につきまして、三月六日までに成案を得て國会審議にかけるというお話を聽きまして、たいへんうれしく思つております。そういたしまして、この地方財政自主化、あるいは独立化ということが、大体の成案といたしましてできましたあとに、地方財政が確立する時期のお見透しはどういうものであるか、四月一日からできるのであるか、あるいは來年くらいから眞の地方財政の確立というお見透しがつくのか、その辺のところをひとつお聽かせ願いたいのであります。  それからもう、一つは、なるほど先ほど仰せになりました地方財政國家的な干渉統制から切り離すということは、これはまことに結構なことであります。しかし一方から考えてみますと、地方財源が枯渇いたしまして、何ともしてもやつていけない場合におきまして、地方が勝手に思い通りの財源を確保いたしまして、そこから歳入を得るという方針になつてまいります。と、國家全体のあるいは経済的な観点から、あるいは財政的な観点からみて、必ずしも望ましくないといつたような新税ができるという可能性も十分考えられるのでありまして、昨今たいへん地方において問題となつております。たとえば耕作反別税というようなものを地方においておやりになる。そういたしますと、結局新しい土地を開墾いたしまして、耕地を殖やして食糧増産に一生懸命になるという人々が、この耕作反別税というようなものを取られる結果になりまして、努力して、生産をするものが結局馬鹿をみるというような結果になるということも考えられるのであります。こういうことは一方におきまして、耕地面積を増加し、食糧増産を期待しておりますところの國家方針から考えてみて、はたして妥当であるかどうか、地方財源を確保する意味からいえば、耕作反別税といつたようなものは、あるいは耕地税といつたようなものは、財源としては非常に結構かと考えられるのであります。しかし國家が一生懸命に食糧増産供出努力しておりますときに、こういつた税がもしできるということになりますと、反対の結果を來すということを考えます場合に、國家的な統制干渉から地方財政というものを切り離すということは、一應うなずけるのでありますが、ここにはやはり地方財政委員会などで、地方財政調整と申しますか、あるいは財源調整、そういうことをする必要があるのではないか。一定の秘の基準を設定し、もしくは新税などに対しましては、許可あるいは認可といつたようなことは別といたしまして、一應國家的な見地から、どういうものが妥当であるかどうかということを檢討いたしまして、それに対して承認を與えるというような方向に進んでいかなければならないのではないか。地方的な事情は十分考えるが、しかし國家的あるいはまた経済的な立場から、それに対して嚴正な調整を加えていく。干渉ということはいけないと思うのでありますが、調整を加えていくことが必要になつてくると思うのであります。こういつた点につきまして財政委員会としては、どういうふうなお考えをもつておられるかということを第二にお尋ねいたしだい。第三には、何と申しましても地方財源として現收入が最もその基本的なものであることは申すまでもありませんが、同時に私どもは、地方財政財源として公企業拡充していくという点に重点をおいていかなければならないと考えるのであります。しかるに、これまで地方財源として最も有力なものでありました給電事業などは、配電会社に統一されてしまいますし、あるいはまた、発電事業なども縣によつてつてつた所もあるのでありますが、これが日発吸收されてしまう。でありますから、相当利益のあがる公共事業の根幹をなすものが國家門機構の中にはいつてしまいまして、地方財政財源として非常に有望であるこういうものを失つたところに、一つ地方財源の枯渇ということか考えられると思うのであります。こういうものをもう一度、地方財政に還元されるお考えがあるかどうかということをお尋ねいたしたい。これはもちろん地方財政の点からのみ考慮することができないのでありまして、電力事業などは別の見地から考えられなければなりませんが、こういつた給電事業あるいは発電事業地方復元という問題が、地方議会などにおきまして相当有力に運動されておるのであります。この点に関するお考えをお伺いいたしたい。  それに関連いたしまして、いわゆる公企業一つとして地方團体において、あるいは競馬法改正等により地方競馬をやる。あるいはまた地方自治團体金融機関をつくる、そうしてこの金融機関に預金の吸收をいたしましてこれを貸しつけて、運用の利益公企業利益として地方財政に繰入れるということは、一つ考えとして非常に結構なことであると思うのであります。はたしてこういつた地方自治團体が、公企業としての金融事業を経営することができるようなふうにお考えになつておられるかどうか。あるいはどの程度まで、こういつた地方自治團体金融事業経営ということについて調査をされておりますか。はたして、そういうものを地方から願い出てまいりましたときに、許可される御意思がありますかどうか。この点についてお伺いしたいのであります。以上の四点について御答弁を得たいと思います。
  6. 荻田保

    荻田政府委員 第一の地方財政改革案の実施の時期でございますが、これは財政の問題でございますので、年度初めと考えております。從いまして來年度初めから実行いたしたいと思います。ただ法案進行状況もありますから、あるいは遡つて適用ということになるかもしれませんが、一應われわれの目標といたしましては、來年度の初めより適用することにいたしたいと思います。  第二に、地方税制について独立性を與える結果、國家的な立場と矛盾することが起らないかという御懸念は起ると思いまして、その点はわれわれといたしても一番苦心いたしておるところでございます。お述べになりましたように、これに対して、たとえば独立税の設定について許可とか、認可ということを残すことは、何としても地方自治という観点から適当でないと思われますので、こういう方法は避けたいと思います。しかし國家公益地方公共團体の自主権が調和するようにということは、地方財政委員会法の中にも規定してあるのでございます。何らかの形において、そういう目的が達せられるようなことを考えておるのであります。たとえば独立税について申し上げまするならば、この法律をもつてこういう税は取つてはいけないというようなことを、なるべく具体的に書いておいて、その範囲内においては地方の自由にいたしたいと思います。また第二段どいたしまして、これはほんの一つ草案でございまして、まだ確定しておるわけではありませんが、一つ地方税制審議会というようなものをつくりまして、政府から離れた民主的な、中立的な委員会をつくつて、各地方で起します税について不服のある人はこれに訴えて出る、それをその審議会が大きな見地から、單に地方團体だけの見地にとらわれずに判断して、適当でないものはその條例を取消すということにしたらよくはないかと考えております。  次は公企業の問題であります。電氣事業につきましては、お述べになりましたように、從來地方でも相当行つておりましたものを、電力統制によつて発送電なり、配電会社にわかれてしまいました。最近これをもう一度地方に返せという声のあることを、われわれ承知しておるのであります。公企業といたしまして、われわれの立場から考えまするならば、電氣事業などは非常に適当な事業と思われますが、何ぶんにも、單にその立場だけでなく、日本の電力問題をどうするかという立場からも考えなければならぬ問題と思いますので、未だ商工省方面とはつきりした相談はいたしておりませんが、この財政委員会も今度の根本的改正を一應立案いたしましたあとは、こういう問題にもふれていきたいと思つております。  競馬の問題につきましては、大体農林省の方におきまして、いわゆる地方競馬府縣営ということになつておるようでございますが、これなどは財政上からも適当な方法考えております。  それから次の金融機関の問題でありますが、公共團体が一般的な金融機関、たとえば銀行のごとき作用をするということまでは、われわれ考えおりませんが、ただ先ほど申し述べましたように、地方團体金融がきわめて不円滑な状態にある点に鑑みまして、何か独身の金融機関をもたなければいけない。この関係者においては相当前から言われております地方團体中央金庫というようなものをつくりまして、これが地方債の発行につきまして、一般資金吸收ということに、地方團体が一体となつてそれに当るというような機構にしてはどうかと考えまして、大藏省方面と折衝しておるような次第であります。
  7. 松澤兼人

    松澤(兼)委員 地方競馬の問題でありますが、府縣がこれを開催することができるようになつておりますが、五大都市側がら府縣並に五大都市主催地方競馬を認めてもらいたいという意向があるようであります。これは申すまでもなく、五大都市特殊性ということを考えまして、そういうことが十分に理由のあることであると考えておるのてあります。この点につきましては別段御答弁を承らなくてもよろしいのでありますが、五大都市側府縣と同等に地方競馬を開催し得るような途を、將來考慮していただきたいという希望を申し上げておきたいと思います。
  8. 坂東幸太郎

    坂東委員長 それでは時間の都合もありますので、次は日程にもどるようでありますが、最近の火災頻発状況に関する件、これは小暮君から……。
  9. 小暮藤三郎

    小暮委員 終戰後住宅難、また物資拂底の折から、建設方面に力を注ぐべきはもちろんでありますが、せつかくできた立派な建物火災から防禦するという面に大いに意を用うべきは、今さら言うまでもないのであります。先日私は警視廳消防部に参りまして調べたところによりますと、昨年の冬季に比しまして火災の件数は殖えておる、けれども火災面積は減つておる、こういうことを聞いたのでありますが、これは警視廳消防部関係職員がなみなみならない努力をしておるその賜であるということを感じまして、感謝して帰つてまいつたのであります。しかるに最近の新聞紙に頻々として重要施設の焼失を報道しております。殊にそれらのものが、たとえば廣島縣の國家地方警察本部長野縣の縣廳、それから警視廳警察学校、三高とか、五高とかの寄宿舎が燒けた。いずれも政府の直轄の建物頻々として燒失していくということは、実に遺憾だと思うのであります。一方において、消防の第一線の係員が寝食を忘れて防火努力しておりますのに、地方において政府みずからがこれをぶちこわしていくような形にある。それはいかにも政府が物を粗末にする。その点において消防係員努力に対しても相済まない。そういうことを考えてみますときに政府はそれに対してどういう責任をおもちになつておるか。またこの点に関して政府はいかなる考えをも、つておられるか。政府がただいま述べたような諸施設火災に際しまして、最善を期してその消火に当つておるか、これらの点について承りたい。これからは再びかかる政府建造物を燒くというようなことを繰返すことはないと信じております。けれども頻々として報道されておるところをみると、どうもその点が心配だ、その点について政府は怠慢ではないか、こういうような民間の声もありますので、これについてどういう対策を講じておるか、詳細な御説明を願いたいと思います。  次に私は、新たに増員になる三万人の新しい警察官募集状況について承つておきたいと思うのであります。警保局長もおいででありますから、地方の実際の状況はどうか。昨日警視廳へ参りまして警視総監の話を聽き、警務部長の話を聽きますと、警視廳は非常によい成績のようであります。いつも警視廳巡査増員のときには、地方反対に、きわめて募集に困難を感ずる。昨日の話では、警視廳が新たに採用する充員については見透しがついておるが、地方ではその反対である。そういう点について当局は十分お調べをしておられると思うのでありますが、それらについて承つてみたいと思うのであります。  さらに教養の点でありますけれども、警視廳でもこの点については大いに困つておるようでありますが、全國の各自治体警察が非常に困難を感じておるのではないか。それで結局三万人の新しい巡査募集が十分にいかないで、素質が低下した者でも何でも、この際定員だけは募集しなければならぬというむりな募集をしておるのではないか。はたしてそうであるとすれば、教養の点はいかになさる方針であるか。その点につきまして赤裸々な御答弁を伺いたいと思います。御答弁によりましては再び御質問申し上げてみたいと思います。
  10. 久山秀雄

    久山政府委員 政府建造物の間から最近非常に火災が多いという点につきましては、さらに消防課長より詳細にお答えいたすはずであると思います。仰せのように、最近直接政府建物から、東京地方警察学校の一部と廣島の警察部が燒けたのでありまして、これは何とも申訳のない次第でありますが、よく事情を聽いてみますと、結局残火の不始末と申しますか、本人は始末をしたつもりでおつたのでありますが、それが完全に始末ができておりませんために火災なつたということで、この始末が完全でなかつたということについての責任は免れることはできないのであります。さらに建物に対する消火施設が、いずれもきわめて不十分でありまして、終戰後の、戰災の後で残つた建物などを借りて、そこにはいつておる関係もあるのでありますが、非常に水利施設が惡いのであります。もしそういつた施設が普通にできておりますれば、両方とも割合早く発見しておるのでありますから、当然小さな火災で済んだものと考えるのであります。両方とも非常に水利施設が惡く、そういうことが全然できておらぬという状況でありまして、この点につきましても申訳ないと思います。從いまして火を扱う者が、個人として残火始末を完全にやるという責任感をもたねばならぬのに、警察に職を奉じておる者がそういうことから火災を起こすといふうなことでは、とうてい防火の宣傳等の先頭に立つて人を指導する資格がないのであります。そういう点につきましては注意を喚起すると同時に、いろいろ資材なり、あるいはそこにおる限りは、そこに普通程度の水利を早急に施設するということに一層の努力を拂うよう、各府縣に対しまして嚴重なる通牒をいたしたのでありますが、こういうことは、何かこういつたようなことがありました機会に、全部が深く反省いたしまして、それぞれのおります建物について、改めて詳細に檢討を加えて、それに対する対策をできる限り講ずることにいたすより仕方がないと思うのでありまして、二つの警察建物が燒けましたことについては、責任は十分感ずるのでありますが、この機会に改めて、それぞれの部署において最善の努力を盡すようにということの注意を唆起したのでありまして、おそらくそれぞれそういうことに向つて努力し、それの施設をはかることだろうと考えております。  それから三万人の緊急増員に対する募集状況は、大体非常に成績がいいのでありまして、もちろん関係者の非常な努力もあるのでありますが、全國的に申しますと、大体第一次を終つたのでありますが、おおむね予定のように進行いたしたのでありまして、非常に喜んでおるのであります。ただ今お話のように、地域的場所的には非常にいい所と惡い所とあり、希望者と需要とが一致しない点がもちろんあるのでありまして、その点を顧慮いたしまして、今度の計画は各府縣それぞれの所要人員を充足するということで終るものではなくて、全体としてその目的が達成されなければならぬ。從いまして、自分の縣だけの需要は当然充たした、しかしそこにさらに希望者がある場合には、從來の警察官の志望者とその任地との関係等からいたしまして、縁故のある所々を各ブロックにわけまして、その縣で需要する以上の希望者は、他の府縣の必要なところへまわすというふうな協定をつくりまして、全國一体となつてこの増員の目的に歩調をそろえて努力いたしておりますので、第二次第三次と、だんだん最後に至りますほど成績は落ちてくると思うのでありまするが、現在の見透しといたしましては、大体予定しておつたより以上のいい成績をあげておるように考えておるのであります。ただその点につきまして、ただいま御心配のありましたように、素質の問題がきわめて重要なる問題になつてまいるのであります。私も多年警察におりまして経驗をいたしたのでありますが、素質の惡い者を警察官に採用いたしますると、これは教養を加えましても、なかなか警察官にはならないのでありまして、何と申しましても、最初に採用いたしますときに、りつぱな素質の者をとるということが、警察向上させる第一歩であるということは、十分承知をいたしておるのであります。從いまして今回の増員は、是が非でも完成しなければならぬことではありまするけれども、それがために質の惡い者をとるということだけは絶対にないように、万やむを得ないぎりぎりの場合には、自分たちが責任をもつから、数をそろえることに急ぐあまり、質の惡い者をとるということだけは絶対にいかぬということは、強く要望をいたしておるのでありまして、各府縣ともその点にまつきしては同じように考えておることでありまして、これも先般、全國の採用にあたつておりまする教養関係責任者を集めました席上におきましても、その点につきましても今までのところは、割合にそう素質が特に惡いと思いながら程度を落して採用しておるということもないようでありまして、新しい日本の現状から、治安の問題につきまして、一般の関心が非常に高まつておるということの証拠であると思いまして、私ども非常に心強く感じたのであります。ただ早急に多数の人を募集いたしまするので、教養などの施設におきましても、またその期間におきましても、非常ご不満足不十分な点が多いのでありますが、しかし素質のいい者さえとつておきますれば、そのし直しはさらに続いてやれるのでありますから、まずとにかく素質ということに重点をおいてやつておるのであります。一應不完全な教養の期間において、警察官として第一線に出すわけでありまするが、それはさらに引続いての教養によつて補う。とにかく今回の増員を、質を落さずして充足いたしたい、また大体そういうふうにいけるという見透しをもつておるのでありまして、その点は先ほど申しましたように、一般の警察治安の問題に対する自覚の結果と、非常に感謝をいたしております。
  11. 小暮藤三郎

    小暮委員 ただいまの御説明を聽きまして、非常に意を強くいたしました次第であります。お話によりますると、素質のよい警察官が新しく募集されつつある、こういうことでございまして、お話のように素質がよくなければ教養にいかに努めても、その効果が挙らないということは、言うまでもないのでありますが、この教養の面につきましての詳細なお話は承らなかつたのであります。大体前には警察官教養は六箇月とかあるいは八箇月とか、相当長い間数養されたようにみておりますが、今度募集される者は、どのくらいの期間教養をなさつて第一線で活動させる予定であるか。全國の教養機関の設備を見まして、恐らく長い期間の教養は困難じやないか、こういうふうに私どもは感じておるのでありますが、その点についてさらにお答えを願いたいと思います。  それから、実はこれは先般の委員会に私が質問し、そのときに警保局長からお話がありまして、私実は強く質したいと思つたのでありますけれども、どうも強く質しますることはどうかと思つて遠慮しておつたのでありますが、例の警察法の施行上きわめて重要な面をもつ國家公安委員の問題は、今どういう状況になつておりますか。地方財政委員会のごときは、お話もございましたように、たいへんに整つて、人選も経つて、活発に発足しておるようでございますが、かんじんな警察法による公安委員は、今どの線まで進んでおりますか。國家地方警察本部の準備はどの程度まで進行しておりますか。これは実は総理大臣に聽いてみたいと思うくらいの重要な点でありますかこの機会に重ねて、ね尋ねいたしま
  12. 久山秀雄

    久山政府委員 今回増員いたします三万人の教養期間は、これは六月未日までに、とにかく三万人というものの増員を完結いたさなければなりません関係上、二箇月しか教養期間がないのであります。もちろん從來六箇月、短くとも四箇月ぐらいは普通やつてつたのでありまして、それを二箇月ということはい教養の点からは短い期間なのであります。しかし完成いたしまする時期が限られております関係上、一應二箇月で出しまして、その後引続いて必ず相当な教養を続けてやらなければならぬ、こういう計画を立てておるのであります。ただ司令都側の考え方なども非常に参考になるのでありまして、日本の從來の警察官の、殊に初歩的な教養におきまして、むずかしい学理のようなものを相当やつておりたのでありますが、そういうものはおいおいその後の教養において続けることにいたしまして、とにかく第一線の警察官として、現実の問題を処理する限度の教養によつてまず出す、そうして学問的な、法律的な深い研究は、その次の機会に讓るというようなことにいだしまして、一應二箇月で、現実の問題に対して警察官として取扱いのできる最小限度のことは、大体やれるのではなかろうかということで、そういう程度に教養の課目を組み、ます二箇月で今回は出す、さらに引続いて教養を続けるということでいきたいと思うのであります。  それから國家公安委員会委員の問題は、重ねてお尋ねがあつたのでありますが、実は私もどういうふうに進行しておるのか、具体的には知らないのでありますが、おそらく内閣の中枢におきまして十分考慮をされておることと、間接に承知をいたしておるのであります。
  13. 松澤兼人

    松澤(兼)委員 ただいま新しく募集された警察官教養の問題についてお話がありましたが、昨日警視廳で承つたところによりますと、五千人ほど採用決定を見ておる、ところがその教養施設が十分でないので、漸次にそれらの者を收容して教養していくという話であつたのであります。それほどお急ぎになつていらつしやるのなら、なぜもう少し教養機関を拡充されて、五千人の者を一度にでも、場所は違いましてもう教養機関に收容いたしまして、できるだけ短期間に十分の教養を與えて第一線にお出しになるという点を考慮されていないかという点と、それから、すでに各府縣などにおきまして、新しい制度による警察署長以下の任命が行われておるようでありますが、公安委員会というものが各自治体にできておるにもかかわらず、今回の任命は公安委員会に十分な連絡なしにむしろ公安委員会から推薦しなければならない状態であるにかかわらず、公安委員と十分なる了解を得ずに上から天降り的に任命されておるというような傾向が見えるのでありますが、その点につきましてどういう指示をお與えになつておるのか。もちろんこういう場合でありますから、公安委員から推薦するという手続をとることは、非常に困難とは思いますけれども、この大切な時期に十分地元の公安委員に相談なく、天降り的に署長を配置するということは、新警察法の趣旨にももとることであると考えてるのでありますが、どういうふうな指示をお與えになつておるのかうそれを承りたいと思うのであります。
  14. 久山秀雄

    久山政府委員 教養施設拡充の問題につきましては、実は非常に努力をいたしておるのでありまして、司令部の方におきましても、ずいぶん援助を與えていただいおります。いろいろ候補地がありまして、そのうちすでに決定したものもあり、現在交渉中のものもあるのでありますが、大体近くこれを解決いたしまして、とにかく相当な施設の中で教養が受けられることになることと存じております。  それから新しい制度の訓練として、現在自治体に公安委員ができ、新しい警察官の配置が行われまする際の処置といたしまとては、もう十分新しい制度に即して、法律は実施されておりませんけれども、実施されておると同じような状態をつくり上げて、そうして訓練をするというふうなことで進んでおりますのでもちろん各府縣におきまして、公安委員の方々と十分相談の上で、御了解を願つた上で、新しい警察の幹部の任命を行うべきものであり、またそういうふうに処置をいたしておるというふうに、私どもは承知いたしておるのでありますが、全然そういうことなくして、ただ一方的にやるというふうなことは、私どもの指示したところとは非常に違うのでありまして、それは私どもの指示に從つてやるということは、何回もよく通達をいたしておるところであります。
  15. 川橋豊治郎

    ○川橋委員 この際、本委員会として一言希望を申し上げたい。実は昨日警視廳を見学いたしまして、総監並びに各部長とともに、現在頻々行われます凶惡犯罪の防犯檢挙等についていろいろ懇談をしたのであります。その際当局のお話によりますと、最近各犯罪が非常に手品が巧妙になつて從つて檢挙の方に非常な支障を來している、しかし特にその中で、交通機関あるいは通信網の関係その他装備の点において、資材関係上能率があがらないことも一つの原因だ、こういうことを聞いたのであります。その後いろいろの通信機関等を見学しますと、たとえば電話によつて一齊通信をやる場合におきましても、現在においては全部の警察署に対して通信できな状態である、こういうことが檢挙能率のあがらぬ一つの原因となつておるそうであります。今日の日本の状態からみまして、すべてにおいて資材の不足を告げているということは、ただいま現実の問題でありまして、あるいは無理かもしれませんが、今日のような世相において、犯罪檢挙あるいは防犯等に対しまして、十分当局の手腕を発揮させることが民生安定の上からみまして急務中の急務と考えますから、内務当局におかれましては、資材問題についでは特に注意を拙いましで、警視廳から要求のあつた資材については安本等とも十分相談せられまして、至急にそういう方面への資材を充実するということに対し努力されることを、本委員会といたしまして希望いたしておきます。
  16. 坂東幸太郎

    坂東委員長 ちよつとお諮りいたします。ただいま川橋君の御発言は委員会としての要求でありますが、それに御異議ありませんか。     〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  17. 坂東幸太郎

    坂東委員長 御異議なしと認めます。
  18. 久山秀雄

    久山政府委員 ただいまのお話は至極ごもつともでありまして、実は今具体的にいろいろ詳細な計画書をもちまして大藏省とも折衝いたしておるのであります。予算の点は第二といたしまして、資材そのものにつきましても、これは司令部の方でも非常に強力に御援助をいただいておるのでありまして、特に警察の輸送、通信というものが警察活動の大半の役割を占めるということは申すまでもないことでありまして、殊に今回のような重大なる凶惡犯罪の檢挙にあたりまして、そういうことのために犯罪捜査に支障を來しておるということでありますれば、まことに申訳ないことてありまして、ただいまお話しのように、その点につきましては今後一層関係方面と連絡をいたしまして、早急に必要な復旧ができますように努力いたしたいと思います。
  19. 坂東幸太郎

    坂東委員長 川橋君から消防法起草に関しまして中間の報告を求められております。川橋君。
  20. 川橋豊治郎

    ○川橋委員 消防法起草小委員会は、先月の二十九日に小暮君が仮委員長として開会いたしました。同仮委員長指名のもとに全会一致の推薦によつて、不省委員長といたしまして審議進行することになりました。ますこの委員会におきましては、第一回國会におきまして衆議院を通過いたしました消防法を原案として、それに内事局の消防課長より消防方面の意見、並びに警視廳の意見も参酌いたしまして、審議進行するということに意見が一致いたしまして、同日は大体警視廳方面並びに内事局の意見を聽取し、引続いて昨日さらに小委員会を開会いたしまして、逐條審議いたしました結果、大体において修正箇所等の意見が一致いたしましたので、さらに明日午後一時から小委員会を開会いたしまして、大体において小委員会の意見を決定して、この次の本委員会に、小委員長から委員長に報告するというような進行方針を辿つております。大体におきまして三月七日に新警察法が実施されますから、それと並行して消防法を実施したいといつたような当局の御意見もありますので、なるべく本月の十日頃までに本委員会で決定をみるような程度に進行したい、ごういつた方針で目下進行しております。以上報告いたします。
  21. 坂東幸太郎

    坂東委員長 次は列車事故及び車内治安に関する件について、政府側から簡單に御説明願います。
  22. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 列車の内部におきましての治安の問題に対しましては、いわゆる終戰当時は非常に列車の秩序が紊れておりまして。のみならず運轉キロ数もまことに縮小されておりましたので、自然に旅客が殺到してまいりまして、各列車とも満員の状況になりました。その場合におきまして一部の人たちが、あるいは窓から乗り、あるいは非常に多数の乗客の中には、むりやりに殺到いたしまして、結局旅客の荷物を整理いたすと称して、その間に旅客の荷物が紛失いたすとか、あるいは暴行傷害等も起つてまいつたのであります。  これらのことにつきましては、帰するところは列車の回数を増加し、営業キロ数を増しまして、とれによつて旅客の緩和を図りまするとともに、できるだけ鉄道自体も、列車内部及び駅等の秩序を保ちますために公安員の制度を考慮いたしまして、列車は昨年未にかけては、大体において漸次秩序も正常の状況になつてまいつたのでありますが、石炭の生産減に伴いまして、割当の減額が自然営業キロ数を減少いさなければならぬ事態に立至つてまいりまして、一部路線におきましては、これがためにまたまた非笹に旅客の殺到をみまして、これに対して一部には乗車制限を行いまするとともに、努めて正常乗車を行いまする等考慮いたすとともに、明るい鉄道の施策をもちまして、できる限り秩序の維持と旅客のサービスの改善に努めてきたのてございまするが、ただいま申しましたように、一部地方におきましては営業キロ数を減じなければならぬといつたような事態に立至りましてなかんずく東北におきましては、一月二十七日より二月二十八日に至る間におきまして行つたのであります。それで上野発青森行の八一〇七列車、これは普通列車でございまするが、これに集團的な列車強奪事件が発生しましたことは、まことに乗客に対しで御迷惑をかけて申し訳ない次第であります。この列車内に起りました集團強奪事件は、三十一日現在におきましては、まだ犯罪人を逮捕するに至つておりませんが、その國籍は不明でありまして、被害の程度は約二十件程度になつておりますが、主としてリュックあるいはボストンバツク、ハンドバツクその他の中から、手回品を強簿されてるようなわけでございます。これらの事件は、あるいは計画的であつたか計画的でなかつたか、その点はまだ不明なのでありますが、少くとも多数の者が乗込みまして、そしてこれらの事故を起しましたことは、結局その犯罪の動機は、あるいは多少計画的なものがあつたのではあるまいかというふうにも疑われるのであります、  終戰後におきまして、列車の秩序を保ちます上におきまして、先ほど申し上げました通りに、警乗警官の乗車を願いますのみならず、公安制度をもつて、漸次秩序が改善されてきておつたのでありまするが、その後警察制度の改正に伴いまして、その警乗警官の乗車が一部廃止になつてつたのであります。それらの警備状況の手薄をにらんで、これらの事件が発生したのではあるまいかとも考えておるのであります。ただいま申しました八一〇七列車の一月二十七日の事件のごときは、その列車の前部三輌に、上野、赤羽、大宮から乗車した百五十名の集團が、荷物整理と称して網棚や腰掛の下の手回品をリレー式にデッキに送りまして、そして福島駅でとり降したように見せかけて後尾の車輌に移動したが、被害者は暴行を恐れて申告をしなかつた。そこで仙台駅で手回品を強奪されました旅客が、犯人の下車するのを改札口で見張つたが、ついに判明することができなかつたようなわけで、駅前の交番に申告いたしまして、その旅客と警察官とが車内を捜査したが、発見することができなかつた。盛岡駅の駐在公安係は、一ノ関の駅から旅客に対しまして、警察官とともに被害者の実情を調査いたした次第であります。しかしそれらの犯人の一味は小牛田、田尻、瀬峰の各駅で下車したあとで、逮捕するに至らなかつたのでございますが、被害者が大体二十数名に達していることがわかつたのであります。盛岡駅の駐在公安係で大体調べましたところを総合いたしてみますると、被害者はほとんどリュックサック、ボストンバツクなどから衣類その他高價品をねらつておつたようなわけであります。  なお、本事件終戰後つてない大規模のものでございまするが、犯人が堂々と車中で犯行をいたしまして、しかも一名もまだ檢挙することができなかつたということは、まことに私どもも申訳のないことでありまして、遺憾に存じて、極力犯人捜査に努めておるわけでありまするが、これらの事件が生じました結果、その後の善後処置といたしまして、その事件発生の翌日から今日まで、管理部の公安官を十名ずつ、仙台、一ノ関間の一〇三列車、一〇六列車、八一〇七列車につきまして、特別檢札をいたしておるようなわけであります。一月二十九日から当分の間、警察官百名をトラック四十台をもちまして、犯人が下車したとおぼしき先ほど申し上げました田尻、瀬峰、新田等の各駅一帯において犯人の帰りを待つておるが、まだ檢挙するに至つてないのであります。二月の三日から九日まで、公安官より成る十二名の一般の非常の警乗員が一ノ関、仙台間、八一〇七列車、一三〇列車、二〇一列車、二〇二列車、一二三列車、二〇八列車、それから一二五列車、一〇六列車に乗込み警備をいたしておるようなわけであります。一月二十九日から一週間の間公安官正名の者をもつて先ほど申しました注意を要すべき田尻、瀬峰、新田その他の各駅を特別巡察警備をいたしておるのでございます。なお鉄道局報並びに部報あるいはラジオ等によりまして、被害旅客よりの申告を督促し、かつ一般旅客にも不法行為防止につき極力協力方をお願いいたしておるわけであります。と同時に、他面一月三十日仙台の檢事正を中心に関係者の打合せを行いまして、でき得る限り犯罪檢挙に努めまするとともに、内事局の方へ連絡いたしまして、全國的なる列車内の秩序及び犯罪の檢挙につきまりて、御協力方をお願いいたしておるようなわけでございます。これらの対策といたしましては、帰するところ列車の秩序を保つことは、列車回数をます第一に殖やして、旅客を混乱せしめ、ないようにすることが必要でございますので、まずとりあえず上野、青森間に島行列車を一本増発いたしたのであります。なお石炭の見透しかつきさえいたしまするならば、漸次列車の回数を殖やして、この列車の混乱を防いでいきたい、こういうふうに考えておるわけであります。  次に鉄道公安官の問題につきましては、先般当委員会においてその構想を申しました通りに、大体八千九百三十人の予定人員をもつていたしておるのでありますが、現在約八百人余りは教養を終えまして、その職についておりますが、近く五百人ばかりの者が出ますので、合計千三百人くらいは、まずその教養を終えました者が配備につくということになつております。予算の関係がつき次第に、できるだけこの鉄道公安官を充足いたしまして、全國的な鉄道の治安維持に努めたいと考えておるのであります。さらに地方的には、地方警察または國家警察等によりまして、でき得るだけ警察官の警乗をお願いいたしていきたいのであります。これらの予算関係につきまして、今各賞廳と連絡をいたしておるようなわけであります。  かようなわけでありまして、できるだけ鉄道通信を利用いたしまして、檢察廳の捜査に協力して、かような突発事件につきまして捜査を続けていく。同時に、公安官と申しましても武器をもつておらぬのであります。元來はいわゆる犯人の逮捕、秩序維持等につきましては警察官にお願いをいたしまして、ただ鉄道の公安を維持するためのものでありますために、何らの武器をもつておりません。終戰当時におきましても、食糧の一般の買出團体の中には、青年のごときでも、あいくちをふところに持つておる。まことに最近の世相の上からみまして嘆かわしいことでございますが、これらの暴行を加える不良な者は、武器をもつておるというようなことも見受けられるのであります。現に私どもも列車内においてそれを目撃いたしたこともあります。これらの暴行いたすような仲間においてさえ、爭いをいたして多数の旅客に迷惑をかけるのみならず、列車の硝子戸を破壊いたすとか、実に乱暴をきわめるのであります。どうしても公安官に一定の武器を持たして、これらに対抗をいたさなければならぬのであります。かような問題につきましてその筋の了解を得て、これらの処置をとりたいと考えておるのであります。  同時に、一般の旅客の方々が、かような推定をもたれ、あるいは列車秩序がまことに危險であるというようなお感じをもたれます場合はは、遠慮なくもよりの駅にすぐ連絡をとられますとか、あるいは車内の車掌に通じていただきますとか、被害があります場合は、ただちにその被害を的確にお示しくださるようにお願いをいたしたい。  すなわち協力的の措置をお願いいたしたいわけであります。最近の東北の列車事故は、要するに警乗警官の手薄と集團の暴行でございまして、これは今まで東海道列車におきましても、たとえば、南風崎行とか、あの列車等におきましてはしばしば終戰後において浜松、鶴橋、名古屋間、こういうような方面においてはすいぶん乱暴があつた。これらは主として集團買出人の暴行でありまして、それらも網棚の上に荷物を整理するを称して、いつの間にか荷物がなくなる。同時に網棚の上に寝そべつて、旅客の肩や頭の上を越えていくというような事態が、終戰後において長くあつたのでありますが、これらのものも大体においてその後の秩序の回復によつてなくなつたのであります。今度の事件のごときも、やはり警乗警官の手薄及び列車の非常な削減による混雑に便乗して、一部の者たちが計画的に行つたものではなかろうかというような想像をもつているわけでありまして、まことに國民に対し申しわけのない次第でございますが、ただいま申したような対策をとつて極力犯人の檢挙に努めるとともに、今後においてかような事態の発生しないように、全國の各局に指令を出すとともに、各府縣廳の当局にも御協力を願つて、犯人の檢挙及び今後の秩序の維持に努めたいと存ずる次第でございます。  以上大体の概略を申し上げまして御報告に代えたいと考えます。
  23. 小暮藤三郎

    小暮委員 ただいまの御報告を伺いまして、当局の苦心のほどは十分お察しするものでありますが、われわれが列車に乗つて見ておりましても、ことさら混雑している列車を目がけて集團的にはいてくる、それで旅客は手も足も出ないというのが実情であります。  ただいまのお話の中にはございませんでしたが、混んでいる列車を目がけてことさらに各駅から乗つて來る。ほかの人は身動きもできない。そして腕つぶしの強いのが脅迫する。そういう点について私は特に御注意を唆起したいのであります。ただいまのお話によりますと、そういう点までの御注意がまだ届いていないのではないか。たいへん失礼な申しようでありますが、調査にあたつてそういう点を御存じないのじやないかと思やます。たとえば七列車なり八列車なり続いておる中の一番混雑しておる列車、相当の物をもつてつておる人一々のところを目がけて各駅からはいつてくる。われわれそれに乗り合わしておつて、この客車は非常に混雑しておる、前の客車もあとの客車も非常に基いておるではないか、そこに乗つたらよい、こう言つても、計画的ですからむりやむ乗り込んでくる。旅客は手も足も出ない。そういう点、駅でも手はまわりかねるでしようが、御注意に加つて、そういう強硬な犯行等は案外よりどころがある、計画的のものであつて、檢挙が容易でないかと思う。こういう点をちよつと氣づきましたから、御参考までに申し上げておきます。
  24. 千賀康治

    ○千賀委員 列車回数が減つたことを、石炭の減産に責任を轉嫁しておられるようでありますが、丸ビル前に石炭。月産額が大きな罫線で示されておりますが、去年の四月ころと今日と比べますと、非常な差をもつて増産されておりますが、こういう増産の事実があるのに、石炭減少のために列車が出ない、また列車の回数を減らされるということは國民として受け取れない。この点政務次官の説明では納得しかねるのであります。  それから東北の集團強盗の件は、すこぶるわれわれの遺憾とするところであります。その後東海道線で、再び同じようなことが繰返えされておると新聞は報じております。この事実を当局は認められるかどうか、伺います。  また鉄道從業員の問題でありますが、戰前は大体今のダイヤを動かすのに二十五万人で動かしたといわれております。現在の鉄道從業員は六十万人に達しておると聞いておる。はたしてこれは事実であるか。それなのに、鉄道の運轉回数の減つておることは、戰前に比べておそらく何分の一かに減つておると思います。しかしながら機械がボロ機械であつたり、修繕の必要が起り、その回数は戰前よりも多いであろうと思いまするから、この点に多少の剰員は要るとしても、列車の運轉單位から考えてみますと、非常に人間が余つているはずであります。それならば、その余つている人たちを列車公安維持のためにもつと使つたらどうか。鉄道從業員の一人々々が、ほんとうに精魂を盡して公務のために働く時間は、相当に短縮されているというような噂も聞くのでありますから、それであるならばなおさらのこと、列車公安維持のためにそうした人間を使つてはどうか。必ずしも武器をもたして公安員という名をもたせなくても、また新しい予算を計上しなくても、この剰員を、もつてここに充当し得る、かように私は考えます。このわれわれの考えのどこに欠陥があるのか、どこに実行に移しがたい点があるのかを伺います。それから、鉄道と地方警察に共通してのことでありますが、ただいまは犯人捜査に非常に困つておられるようでございます。しかしながら犯人が高飛びをするような際には、彼らは現在鉄道によつて高飛びをするよりほかに途がない。またこれを追跡するものも不便な鉄道によるよわほか途がない。逃げる者も追う者も、速力は同じであります。ここに何らか速力の優秀さがなければ、犯人を適切に檢挙することは非常に困難であるということは、論を要せざるところでございます。われわれの考えるところは、なぜ飛行機を使わないのか。ポツダム宣言におきまして、日本は飛行機の製造を禁止せられておるのであります。しかしながら製造は禁止せられても、飛行機に乗ることは禁止せられておるのではありません。日本の治安がよくいき、日本の統治がよくいくことはわれわれへも、また今統治している連合軍といたしましても、おそらくこれは望むところであろうし、また非常な名誉であると思いますけれども、連合軍の飛行機を、特に重大な犯人逮捕のために必要であるときぼ、日本の警察官憲に使わせてもらいたいということは、もちろんわれわれの大きな望みでありまするが、政府当局は、かようなことを連合軍に申込まれたことがあるか、相談をしてみられたことがあるか、これを伺うとともに、さような場合に飛行機を使わせてもらい、犯人檢挙のために積極的な援助をしてもらうということを申入れる意思があるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  25. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 先ほど御指摘になりました、混乱せる列車に向つての計画的な乗入れを注意することが肝要であるということに、ついては、鉄道当局も十分実際を知悉してその対策をいたしておらぬではないか、というような御指摘をいただいたのであります。私もしばくそういう列車に乗りまして実情をよく存じておりますし、その点につきましては、十分に現業に向つても注意をいたしておるのであります。東海道線に過去におきまして事收の起きまする列車は、いわゆる南風崎行の列車でありまして、これは深夜に浜松及び明け方にかけて各古屋に着くのであります。こういうような列車には買出しが計画的に乗つてまいりまするし、また御指摘のように、非常に暴力をもつて窓を叩いてはいつて來る。つきましてはこれらに対して、持つておりまする荷物を旅客鉄道では制限をいたしておりますし、漸次その面につきまして、最も混雑時をねらつで來るというような列車に対しては、あらかじめ乗車制限をすることよりほかに途がないのであります。その後におきまする南風崎行の列車等におきましては、よほど緩和いたしておりましたが、最近にはまたその点について多少の混乱があるように現業の方から承つておりますので、さような場合には適宜乗車制限を行つて、できるだけそういう混乱をさせないように手配をいたしておるようなわけであります。御指摘の点につきましては、今後とも十分に現業におきまして、それらの事態の発生しないように重ねて手配をいたす考えでおります。  千賀さんのお尋ねの石炭の問題でありまするが、私どもは石炭に籍口はいたしません。しかしながら、今日の日本の鉄道におきましては、客車におきましても非常に減じておりまするし、機関車におきましても、使用年齢の過ぎたるものまでもこれを修理して使つておるような実情であります。問題は路線の手入れを十分にいたさなければなりません。全國的に戰時中から酷使いたしました鉄道の路線を修理いたしまするのみならず、同時に石炭のカロリーが非常に減つておるのであります。從來石炭は選炭されておりまして、今日六千カロリーある石炭は、実質的にこれを檢討いたしますならば、おそらくその二割は減つておると思います。そういうふうで非常に惡い石炭を鉄道はたいており、路線も非常に傷んでおる。機関車の修理も非常におくれておち。こういう面がございまして、石炭ばかりに籍口いたしませんが、その上年未にかけましても数万トンの石炭をたき切られるのであります。現在の石炭を、私どもはあらゆる無理算段をいたしまして、その筋の了解も得まして一貯炭を食つてようやく今日の営業キロを維持いたしておるようなわけでありまして、総合的な面から考えてみます場合に、その重要な点は石炭であります。石炭さえ今日相当量割当をいただきますならば、営業キロ数も殖します。また同時にできるだけ修理も急いでやつておりまするが、さらに石炭があれば、ただいま申しました今日の列車キロ数を増加して、旅客の混乱を救うということはでき得るのであります。この点特に御了承を願いたいと存ずるのであります。  なお東海道の列車につきまして、集團的な問題があつたとは、まだ公式な通知には接しておりませんが、要するに、先ほど申しました八〇一七の列車でありまするが、この列車に多少の事故が起きたことは新聞記事に出ておるのでありますが、まだ公式な通知は私の方で接しておりません。しかし先ほど申しましたように、この列車は東京発南風崎まで参りまするので、前から非常に乗客が多く混乱するのであります。そういうわけで、特に最近におきましては注意をいたすのみならず、警乗警官もこれに向つて乗車方を願つておるようなわけであります。いずれ詳細を調べまして、次会に御報告申したいと思います。  なお鉄道従業員は、前には二十万余りの從業員であつたが、現在六十万近くおつて相当剰員がある。この剰員を治安維持の方に振り向けてはどうかという御意見でございますが、現在の鉄道におきましては、私どもは減員不補充の政策をとりまして、余儀なく必要な面以外は新規採用はいたしておりません。約五十七万近い今日の――籍はなるほど六十万ありましても、まだ未復員の者が二万人余りあると思います。現在五十七万程度だと思うのでありますが労働基準法が実施されてこれをいたしますならば、逆にまだ三万人近い者を入れなければならぬとうような事態になります。私どもの方はできるだけ配置轉換を行いまして――配置轉換と申しましても、受入れ態勢をいたさなければならぬのであります。なるほど地域的には過剰の地方と、非常に少い地方とが現実にございます。この受入れ態勢を整えまして配置轉換をいたしまするとともに、ただいま申しましたような減員不補充の方針をもつていたしておるようなわけであります。今後におきまして人が余るということを言われますが、今申しましたような実態から申しまするならば、労働基準法の実施に伴うて、逆に三万人ばかりも入れなければならぬという事態がきますのを、私どもの方では、今重ねて申しましたように、減員不補充でやつておるようなわけであります。剰員があるということは、あるとみればあるというふうにも言い得るでございましようが、要するに鉄道の独立採算制をとるにつきまして、今後の合理的な企業の運営を行います上に、まずもつて鉄道の積極面と消極面との二つの面を考えていかなければならぬのであります。積極面におきましては、物件費を減らすということと、これを機械化するということであります。機械化をいたしまするならば、たとえば踏切にアラームをつけますならば踏切番が要らなくなる。つまり現在の鉄道は非常に老朽いたしておりまして、人をもつてすべての作業をいたしており、機械化を行つていないということであります。これがために先ほど千賀さんもお述べになりましたように、余剰人員が非常にあるように思われますけれども、現実にはこの老廃した鉄道を維持するために人力でやつておるような状態で、今後の積極的における機械化あるいは物件費の減額、機械化のうちの一番大きなのはいわゆる電化でありますが、これには電源及びセメント、鉄、銅、資金等ももちろん要るのでありますが、かようにいたしますとともに、積極面と消極面の問題では行政整理の問題が政府に出ております。しかし鉄道は特殊な企業でありまして、企業能力と人員とを考えなければなりませんので、一般的な行政整理のごとく人員を減らすというようなわけにはまいりません。私どもは消極面におきまして、できるだけ人間の配置轉換と能率増進に努めますと同時に、消費物件の節約を行い、かつまた列車運行能率を高めていく上におきまして、先ほど申しましたような石炭消費を中心とした物件費を減じましで、消極、積極の内面的の施策をとりまして企業の合理化をはかり、同時に適正なる人員の配置轉換をいたしたい、かように考えておるわけでございます。この点われわれの今日とつておりますることを篤と御了承を願いたいと思います。  なお、かようなわけで、ただちにこれをもつて秩序維持に振向けるということはできないのでありますが、現在働いております鉄道の者は、かようなことのあるなしにかかわりませず、全力をあげてこれらの治安維持に努めるように、指令をいたして努力せしめておるようなわけでございます。  なお犯罪捜査に飛行機の使用ということにつきましては、現在日本は軍政下にありまして、御承知のごとく單独に航空機を使用することは困難であります。未だ軍政部に対しまして、飛行機の使用に対する協議をいたしたことはございませんが、事態の発生に伴いまして、緊急やむを得ざる場合には、御指摘のように軍政部の方に依頼をいたしましてその御協力によつて犯罪を捜査することもまた必要があるものと考えているのであります。右よう御了承をお願いしたいと思います。
  26. 外崎千代吉

    ○外崎委員 政務次官にちよつとお伺いいたします。石炭が足らなくなり、あるいは物がなくなると、いざとなると東北線、あるいは常磐線、奥羽線というものを詰めて、要するに急行をなくしたりする。そうして東海道のような方面は、常に二等車でもちやんとつけ、貨車も減さないで使う。東北方面の列車はどうしても粗未な取扱いを受けて、そうしていざとなると列車を減らすようなとをする。北海道を控えて一番重要なる線であるのに、どういうものか東北と関西方面とは比重をつけておるような嫌いがありますが、これには何かめんどうな関係があるのか、ひとつ御教示願いたいと思います。  それから乗車制限ということをやつておりますが、乗車の制限をやるよりも、もう少し増車をする方法はないか、伺いたい。  また青森の山猫ストライキの原因は、機関区のものの話を聽くと、機関車を修理する部分品が來ていない、仕事ができないのを無理に強いるから機関車が動かなくなつてしまつたのだということが、あの辺の連中のストライキを起した一番の原因だと主張しております。この点はどういうふうになつておるか。  もう一つは、最近鉄道員が不親切であるということ、人間を扱うのに荷物扱いをするような状態が見えるが、この点を今後どういうふうにするのか。以上は運輸省の関係であります。  次は警保局長さんに、この間もお伺いしたのでありますが、こういう世の中となつて、さまざまの事態が起つてくる、集團強盗が起きた場合、通信方面、運輸方面、たとえば自動車、オートバイ、自轉車、無線電信、電話等、こういうものの予算をどのくらいとつておるのであるか。とつておるとすれば、どのくらいとつて、それではたして完全であるかどうかということを伺いたい。
  27. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 常磐、奥羽、東北本線が非常に恵まれない状態である、列車削減のときも非常にこれをやられて不便である、これは東海道線や山陽線とは不均衡であるというお叱りをいただいたのであります。過去の鉄道を見ますと、戰時中はすべて日本は太平洋沿岸から南の方に主力をおいていた傾向があると思うのであります。從つて鉄道の運輸において、御指摘のような嫌いなしとしないと私は考えるのであります。その後において、北海道と本州との産業という面から考えましても、東北方面が非常に重要な立場にあるということと、過去の不均衡を是正するために、北海道においても冬期輸送対策を立てますとともに、今後におきましては重点的の輸送行政をとる、こういうふうにして今やつておるようなわけであります。どうかこの御疑念の点は解消すると存じますから、御了承願いたいと思います。  青森に起きましたいわゆるワイルドキヤツトストライキの問題でありますが、これは実際から申しますと、青森機関区におきまして、一部は御指摘になりましたように、なるほど機関車も、私が先ほど申したように、年齢を経過しておるものもございます。また修繕もできるだけ今努力をいたしておるようなわけでありまして、そういうようなわけで、北海道の輸送状況を完璧にいたすために、修繕車のごときも青森に送つてきた場合に突つ返えしたという事態から考えますときには、必ずしも今御指摘になりましたような意味のみではございません。そこに從業員といたしましての服務規律の上におきまして、どうも業務上において欠くるところがあつたのであります。それらの代表の中村君は、やむなく業務違反として私どもの方で解雇したのでございまして、必ずしも修繕に要する資材が足りない、あるいはその他の條件が惡いというばかりではなかつたのでございます。その後青森機関区におきましてもよく了承いたしまして、目下この点については非常に改善されてまいつておるような状態であります。この点は御了承願いたいと思います。われわれの方といたしましても、機関車の修繕に非常に努力をいたしておるような状態であります。  なお從業員のサービス問題でございますが、これは先日も参議院におきまして、岡本議員からも御指摘を受けたのであります。最近におきます鉄道從業員が、いろいろな事態をひき起しますことは、一にかかつて今日の世相である、敗戰によつて國民の思想が惡くなつたから、鉄道の従業員が惡くなつたのであるとは私は申しません。これは明らかに私どもの監督、行政の力が足りないのであります。責任は私にあると考えております。決して部下に責任をかけるようなことはいたしません。しかしながらまず労働團体自身が、全部みずからの体制によつてその仲間の犯罪を防止するのみならず、心から、われわれがこの鉄道を国民から預つておるのだ、國家から信託を受けて預つておるのだ、その心持に立ちかえつて協力をして、今後における職務に励精をされんことを、私は行くたびに從業員を集めて、涙を流さんばかりに、ありのままの実態を話をしておるのであります。たまたま各地方におきまして不心得の者が出てまいりますために、多くの善良なる從業員の意氣を沮喪し、その勤労意欲を減殺されることは、非常に私どもの遺憾とする点でございますので、特にこの点につきましては労働組合とも話をいたしております。組合もこの点は非常に了承いたしてくれまして、それらの点についても漸次みずからの手によつて、今後行くべき遂について努力いたしてくれておるようなわけであります。今後漸次この点は改善をして、國民に満足のいくようにいたしたいと考えまして、先般來も行政監察の面だけにつきましても、監察員の方々に十分その点については調査を願いまして、目下改善されつつあるようなわけでございます。私どもの力の足らざるところ、いろいろ國民に御迷惑をかけて申訳ないのでありますが、今後は絶対にさ占うなことを防止していきたいと、目下努力をいたしておるようなわけであります。この点も併せて御了承を願いたいと思います。
  28. 外崎千代吉

    ○外崎委員 もう一つ次官に伺いたい。これは上野駅によくあることですが、朝の六時か七時に行つて番をとる、十時ころ行つて点呼を受ける、それから晩の六時ころから行つて並んで九時ころ乗る。そうやつて前の日から行つて朝から晩まで並んで一番か二番になつていても、汽車にはいつてみると、すでに客がいつぱいで乗る所がない。どういうわけかというと、蔭からまわつて百円、二百円つかませると、先に乗れる。朝から行つて並んでおつた連中は乗る席がないということですが、こういうことについてお調べになつたことがあるかどうか、お尋ねいたしたい。
  29. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 上野駅におきまして、御指摘になりましたような噂を、私どもも数回拝承いたしました。先般私は、自分で駅の構内を夜遅く一人でぶらぶら歩いて、実際を見てまわつたのであります。そういう噂も聞きましたので、駅長にさような事態が起らないように、そういう風評が市井に立つということは、官紀の振粛上面白からぬことでありますから、絶対にそういうことのないように嚴重に取締るように申したようなわけでございまして、もし未だにさような事態がありますようなことでありますならば、私どもの監督の上におきまして欠くるところがあると存じます。さらに私みずから是正いたすように、駅長を呼びまして御指摘のありました点は、十分是正させるようにいたしたいと思いますが、何とかして私どもも、犯行を現実につかまえたいと考えております。大阪におきましては、すでにつかまえました事例が多々ございます。上野におきましても、そういうような犯行が現実にありまするならば、つかまえて、そういうことについては、さらに特別の申告箱でもつくりまして、できるだけ事態のありましたときに、一般國民各位からわれわれの方にインフォメーシヨンをしてもらい、そのインフオメーシヨンによつてつかまえるということります。もし未だにそういう点がございますならば、先ほど申したように、重ねて嚴重にいたしまするが、どうか一般大衆の方々からも、そういうことがあることついてわれわれに御申出を願つて、犯行を現実につかまえたいと考えておるようなわけであります。
  30. 久山秀雄

    久山政府委員 通信施設の整備につきましては、ます中央と各警察管区本部との直通連絡ができますように、新しく線を整備いたしたいと考えております。現在は仙台と大阪と廣島、この三箇所しか通話連絡ができないのであります。北海道と福岡はできないのでありまして、これを逓信省の市内電話線を專用化いたしまして、管区本部とは直接通話できるようにしたい。さらに管区本部と府縣警察本部の連絡でありますが、これが全國で十一縣ばかりこの通話のできません所がありますので、これも同様電話線を整備いたしますとともに、逓信省線を借り上げまして直通線をつくる。これが第二段であります。  それから犯罪捜査その他の関係上、現在東京と大阪及び廣島の間に電送写眞の施設ができておるのでありますが、これをさらに本年度は名古屋及び福岡に――これは前にあつたのでありますが、戰災で被害を受けて一部故障を起しております福岡と名古屋を復旧いたしまして、電送写眞の整備をはかる。それから地方警察電話の整備でありますが、現在の都道府縣警察本部と警察署の間の電話線を整備いたしますことは当然でありますが、未だ駐在所、派出所などで電話のいつておりませんところが、全國で三千六百ばかりあるのであります。電話がありません駐在所、派出所は、まずこの際それを架設いたしまして、とにかく府縣警察本部から出先のところまで、電話はすべて可能になるように整備いたしたいと思つておるのであります。  それから全般的に線が非常に古くなりまして腐朽いたしております。これは職事中から全然保守をやつておりません上に、戰災によりまして壊れました部分が、大体全体の五〇%くらいにわたつておる。約半分くらいがそういつたような状況でありまして、通じてはおるのでありますが、事実上話ができないというようなことでありますので、この際できるだけ保守をはかる。これに相当多額の金を使いまして整備をいたしたい。  さらに、新らしく自動車による無線の通話を実施いたしたいと考えまして、まず二十三年後は一應百台くらいを予定いたしまして、自動車による無線の通話の連絡をはかるというふうなことで、大体通信の方の整備をはかつてまいる考えでおるのであります。  さらに自動車につきましては、現在電車、貨物車、いろいろあるのでありますが、新しい警察署につきまして、少くともトラック一台と、大型の乗用車と小型の乗用車、おのおの一台を整備いたしまして、必要があります都度、ただちに所要の箇所に出動ができ、また應援できるというふうなことにいたしたいと考えまして、國家警察の部門におきまして乗用車八百十四台、貨物自動車七百二十一台の要求をいたしておるのであります。自輔車につきましては、これは大体駐在所、派出所はもちろん、署にも相当数あるので直ります。か、これもタイヤとかチューブとかの不足のために動かないのが相当あると思うのでありまして、この際刑事警察用といたしまして一万台、それから一般的な警備用といたしまして千五百台というものを要求をいたしておるのであります。  それから拳銃でありますが、これは現在二万五千ほどあるのでありますが、これはすべて自治体の方に移讓いたすことにいたしまして、新たに國家警察といたしまして三万の要求をいたしておるのであります。  あとでこのこまかい表は差上げたいと思いますが、一應そういうことで計画をいたしておるのであります。
  31. 千賀康治

    ○千賀委員 先ほどの鉄道次官のお答えにつきまして、伺つておかなければならぬことがありますので伺いますが、去年の暮でありますが、石炭廳並びに亜炭局あたりを訪問いたしまして、出炭の状況についていろいろ質してみたのでありますが、確かにその人らも増産と認め、産地北海道、九州等におきましては、相当額の貯炭さえもできておるということを言つております。ただいまの次官の御答弁では、依然として石炭が足らぬと言われるのでありますけれども、足らぬのは石炭ではなしに、あなた方のくふうが足らぬのじやないか。ただ石炭を積取るのを、從前のルートによつて考えでおられるから、鉄道に利用ができないのではないか。これを、鉄道に代るのに船をもつてするとか、それぞれの方法をとられたならば、そんなに石炭の不足するはずはない。確かに石炭廳の責任者諸君は、相当に増産なつたことを認め、むしろ鉄道の積取不足をかこつておるという事実があります。この点に対しまして、どうもあなた方の御答弁は腑に落ちない。  やはり去年の暮でありますが、豊橋に、幣原さんその他、数名のわれわれの同志が、演説会に参つたのでありますが、その席上にたくさんの青年が聽講に來ておつた。済みましてから二、三人の青年が、われわれの楽屋に飛びこんで参りまして、私どもは豊橋の駅に勤めておる從業員である、あなた方は勇敢にわれわれの労働の欠陥を指摘してくれた、今までの演説会では、たれ一人として、われわれにこびる話はしてくれたが、われわれの欠陷を突いて考え直さすような向きの演説をしてくれた者はないが、あなた方は勇敢にこれをやつてくれた、おつしやる通りわれわれはほんとう働いていない、ほんとうにわれわれの働く時間を計算したら、一日に三時間か、四時間だと思う、一日に三時間か四時間しか働いていない、実際これで日本の復興ができるなどということは、まことにわれわれ自身としては、とても考えられないことだ、ということを言つております。あなたはただいま、労働基準法によればまだ三割ぐらいな増員が必要だと言われるのでありますが、三時間か、四時間ほかみずから働かないというような、ほんとうにこれは良心に目覚めたりつばな從業員がさような述懐をしているのに、これよりもまだ三割も増員するという。それでは労働基準法によれば今度は二時間か、三時間ほか日働かない鉄道從業員を網羅するということになるのであります。労働基準法というものはさような法律であるか。少くもわれわれは、これは人間として健康であるならば、八時間十分に働かせようという法律であると解釈をしておりまするが、二時間か三時間働けばそれでよいというようなものであろうか。あなた方はまたさようなふうに認めておられるかどうか、私どもは、労働者の働かないのは基準法のためではない、給與のためだ、たとえば二千五百カロリー対千五百円カロリー、かような問題で何となしにおつくうな気持で動かないのだということを今まで認識しておりまするが、今日政府当局の説明によれば、労働基準法のために働かないのだ、労働基準法をほんとうに適用すれば、まだ三割も人間が要るのだということを言われると、非常にわれわれは労働基準法に対する根本観念を、またあらためて考え直さなければならない。この点であります。  それから飛行機の問題は、私は必要なときがあると思う。それに対して、必要のあるときには申し入れるのもよかろうということを言つておられまするが、今までには連合軍にさような申し入れをせられたことがないということは、今日の答弁においてはつきりいたしますが、將來かような点が必要であるという場合には、ぜひ申し入れてその了解を求めて、必要な方が乗せてもらつて犯罪檢挙を徹底的に速やかにやつていただきたい。これをすれば犯罪者に対しても非常に大きな脅威であると思います。実際の実効が現われるよりも、もつと犯罪者に対する精神的の効果、この方が大きな問題であると思います。ぜひともこれはやつていただきたい。おそらくこれは私は、聽き届けられると思います。それの証拠といたしまして、政界におきましても、実業界におきましても、時と場合によつて便乗さしてもらつて、便宜を得ておられる例も実際あるのであります。國家的に必要な場合であればなおさら、これはむしろ喜んで同調してもらえるのではないか、かように思つているのでありますから、ぜひともこれは鉄道の地方警察関係の方も、さような心組で將來に対処していただきたい、かように思います。
  32. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 御質疑の要点に対してお答えいたします。私が先ほど申しましたしうに、石炭が増産してきたのはう臨時石炭管理法ができました最近の状態でございまして、出てくるまでには相当の時日の経過があります。われわれの方に割当られる石炭の量が減じた、かように申しておるのでありまして、出炭を減じたという意味ではありません。つまり鉄道配炭が減じられたということを申し上げたのであります。  それから積取の問題でありまするが、積取は運輸省に限つては、決して積み残しをするようなことはありません。船のみならず、陸送ももちろんできるだけのものをスムースにいたすことにしておるのであります。それで配炭量の減炭による列車削減をなさなければならないということを申したのでありまして、この点食い違いがないように御了承願いたい。  それから青年の言葉でありますが、いかような青年がどう申したか私は存じませんが、要するに労働基準法を実施すれば、八時間労働の上において現在まだ三万人くらいを入れなければならないということを申したのであります。われわれの方が増員をしようといの範囲で、できるだけ配置轄換を行つう考えをもつておりません。現從業員の範囲で、できるだけ配置轉換を行つて職員の能率向上をはかつておるのであります。もしあなたのおあけになつた青年が、三時間か四時間しか働いておらぬということでありまするならば、それは從業員としての服務規律に反するものじやないかと思います。当然八時間働くべきところを、それらの人たちは三時間か四時間しか働いていない。たまたま豊橋の駅の從業員が一部、そういうことを申したからといつて、全國の從業員がさような怠業的な服務をいたしておるとは、私は断じて信じておりません。この点については私は、一應のお話として承つて、今後の業務上に対する私どうの参考にはいたしまするが、どうかこの点について、かさねて御了承願いたい。なお詳細なことについては、業務局長も参つておりますから、お答えしても差支えないと思います。
  33. 松澤兼人

    松澤(兼)委員  簡單にお尋ねしたい。ただ、ま田中政務次官のお話を聽いていて感じたのでありますが、三十一日に至るまで、集團的に犯罪を犯した者の一人も檢挙されておらないということは、まことに遺憾なことであります。その報告中私感じましたことは、犯罪が発覚して直後、司法警察官、つまり一般警察と適当な連絡がとれていなかつたのじやないかという懸念があります。なるほど被害を受けた人々が、後難を恐れで速やかに届け出なかつたことが、この檢挙を困難ならしめる最も大きな原因であると考えるのでありますが、それにいたしましても、警察当局と密接な連絡をとつて、ときを移さすそれぞれ、犯人が下車したと思われるところに警察官を配置し、檢挙の方法をおとりになつたならば、あるいはそのうちのある者を檢挙することができたではないかというふうに感ずるのであります。この点から私は、二つの点を申し上げて御答弁を得たいと思いますことは、鉄道治安を確保するために鉄道公安官ができたということはよくわかるのであります。しかしながらここで考えなければならないことは、鉄道のことは鉄道でやる、一般の警察の厄介にならないでやつてみせる、やつていかなければいけないといつたことが、惡く言いますと、そこに縄張り根性というものがありまして、実際それだけの実力がないにもかかわらず、鉄道で起つたことは鉄道で処分しなければならないという考え方から、一般の警察とうまく連絡がとれなかつたのではないかということを心配するのであります。  もう一つ心配いたしますことは、鉄道公安官はいわば鉄道の側に立つておるのでありまして、今度の犯罪とは直接関係がありませんが、各種の問題が起つた場合に、本來ならば第三者的の立場に立たなければならないにかかわらず、鉄道公安官が助役であつたり、その他車掌であつたりする関係から、鉄道の利益を第一に考えて、第三者的な態度をとらないということを、私は見聞きしておるのであります。この点は、將來この制度を公正に運営していく上からいつて、一應は車掌であろうと、助役であろうと第三者的な立場、つまり鉄道の利益をのみ主張する立場に立たないで、第三者的な立場に立つていかなければ結局何にもならないと考えます。從來のやり方を見ておりま承を願いた、  それから今回の集團的な不祥事件にて、一般の人たちの利益考えないというきらいがありますので、この点に対する政府としての指導方針が一体どこにあるのか、お尋ねしてみたいと思うのであります。
  34. 田中源三郎

    ○田中(源)政府委員 松沢さんの御質問につきましてお答え申し上げます。鉄道の公安局は、鉄道自体が鉄道の秩序を維持していく立場で、一般的の國家警察並びに地方自治警察、あるいは司法当局と連絡が不十分であつて、セクシヨナリズム的であるというふうにお考えになられておる点があろうと思うのでありますが、さような点は決してございません。鉄道の公安というものは、元來はデッキその他の秩序及び列車内におけるものもございまするが、主として犯罪に対しては、從來は警乗警官にお願いをしておつたようなわけでありまして、そういう点につきまして、決してセクシヨナリズムな考え方はもつておりません。これは國家産業の維持の上から考えまして、國民生活の上から考えまして、不可分一体のものと考えておりますので、その見地に立つて指導しておりますから、どうかこの点は誤解のないよう御了承を願いたいと思うのであります。鉄道固有の利益のみを擁護して、第三者的な立場を忘れておるようなことはございません。繰返し申しますが、國家産業と國民生活の総合的な見地に立つた考え方で主張いたしておるわけであります。どうかこの点につきましては、われわれの指導方針もそこにあると御了承を願いたい。それから今回の集團的な不詳事件に対しまして、事態が発生すると同時に、これらの旅客が窓を開けて、次ぎに着いた駅ですぐ、事件が起きたということを御申告願いますならば、直ちに鉄道電話をもつて連絡いたしまして、その次の駅でその地方警察官とも連絡をとりまして処置することができた。ところが旅客から一向その申告がなかつたのであります。殊に超満員の状態であつたためでありますが、申告がございませんので結局その次の駅もその次の駅も、そういう事態の報告を受けなかつたということが、逮捕の上において非常な手落ちがあり遺憾な点があつたのである、こう考えております。警乗警察官も乗つておりませ、超満員であつたために、被害の旅客からも申告がなかつた。事件発生と同時に旅客の方から御申告をくださいますならば、相当な手配ができておりたのではなかろうかとも存ずるのであります。御指摘の点につきましては、十分に今後とも緊密な連絡をもちまして、こうした事態を再び繰返さないようにいたしたいと考えております。
  35. 坂東幸太郎

    坂東委員長 お諮りいたします。市制施行促進に関する件は次会に讓り、本日はこれで散会するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 松澤兼人

    松澤委員 散会する前に、ちよつと申し上げたいと思います。警察制度の切替えにつきましては、私先ほど御質向いたしましたように、多少変則的なことが行われているのではないかという懸念をもつのであります。この点は警察法が施行されていないから、便宜的なことをやつているのかもわかりませんが、しかしこれは新しい警察制度が発足する上におきまして、非常に重要なことだと思うのであります。つきましては議会が、あるいは最近に休会になるかも知れないというときにおきまして、できるだけわれわれは手分けをいたしまして、各府縣につきまして新警察制度の発足前後の事情、あるいは將來の運営の状況などにつきまして、これを調査する必要があるのじやないか、かように考えておりますので、各委員の御同意を得られれば、委員長においてしかるべく調査の方法、手続をとつていただけならば幸いだと思うのであります。
  37. 坂東幸太郎

    坂東委員長 ただいまの松沢君の御意見に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 坂東幸太郎

    坂東委員長 それではさよう取計らいます。  次会は公報をもつてお知らせいたすこととし、本日はこれをもつて散会いたします。     午後一時四十三分散会