○
久山政府委員 ただいまの
小暮さんの
お尋ねに対しまして、現在資料をも
つておるところに基きましてお答えを申し上げたいと思います。
自治体警察が
設置せられることになりまそ、各
府縣いろいろ一定の
要件に該当いたします市及び
町村に
自治体警察を置くわけでありますが、いろいろそういうことを決めます上におきまして、一般的に申しまして、
財政的な
方面の
心配から、少くとも積極的に
警察をもつことを
希望しない、できれば今までのような
國家警察の形でや
つてもらつた方がいいというふうな
意味合におきして、いろいろ
お話になりました
町村は、各
府縣の
警察部長の話を聽きましても、
相当数が多かつたように聽いておるのでありますが、しかしそれはそれといたしまして、置くべき
一定の
要件のありますところは、おのずから
警察をもたなくてはならぬのでありますから、それで
財政的にいろいろ
心配はありましようけれども、まず置くことにいたしまして、現在まで
進行をいたしておるのであります。もちろん
政府といたしましても、
法律の
精神に從いまして、
從來國家財政の
そういつた面におきます
負担の能力がもち得られますように、適当なる
財政的措置を
考えておるのでありまして、これ も近く
法案として御
審議をい
ただくことになると思うのであります。しかし具体的に
中央まで
陳情書のようなものを出されまして、どうしても
財政的に置きたくないというようなことで
お話のありましたのは(
高知縣に九つの町がありましたし、
島根縣で
一つ、
長野縣で二箇村が特に
陳情書を出されまして、
財政的な事由から、できれば置かないようにできないだろうかというふうな話があ
つたのであります。しかしこれも当然
法律において置くべき
要件を備えている所でありますので、
財政的な問題につきましては、全般的に
ただいま申しましたような
措置を講じまして、しかるべく
財政を補給いたし、やれるようにすることにな
つておりますので、これらのところにおきましても、一
應自治体警察を
設置するということに進んでおるわけであります。
それで
自治体警察をもちます
自治体の数は、まず千六百十というものが確定をいたしておるのであります。そのうち現在までに
公安委員の
選定を終りました
町村は、一月二十六日現在で千六十八ということにな
つておるのであります。大体の
進行の
予定を申し上げますと、御承知のように、
千葉縣がいち早く昨年の十一月末に
準備を完了いたしまして、新しい
制度による形を整えたのでありますが、その後
管区本部をもつでおります
府縣がその次に、そういつたような
準備を十二月中に大体完了いたしたのであります、
東京都にける二十三区は、特別の
事情があ
つておくれているのでありますが、それ以外の
管区所在地の
府縣の
準備は、大体十二月中に完了いたしたのであります。それ以外の
府縣は、天体一月末までに
公安委員の
選定を終りまして、二月十日までにそれぞれの
警察官の配置も完了いたし、それから新しい
制度の形による
準備訓練が始まり、おそくとも二月十一日からは、全國の各
府縣が新しい百度
こよみ準備訓練の
態勢にはいる、こういうふうな順序で進んでいるのでありまして、一月二十六日現在で千六十八の所は、すでにその
準備を完了いたしておるのであります。残る所も、
ただいまの
予定に從いまして、一月十日までには全部完了いたしまして、千六百十という
自治体警察を置くべき
市町村に、すべて新しい形の
準備が完了する、かような計画で進んでいるような
状況であります。
國家警察と
自治体警察の
人員の割振りにつきましては、
先ほどお尋ねがありましたように、三万と九万五千という
わけ方が、はたして
実情に即しているかどうかという点につきましては、これはいろいろ問題がある思うのでありまして、田舎の
地方を
國家警察は宜轄をいたすのであります。その
警察官一人
あたりの
人口割からいたしまして、都市を
中心にいたします
自治体警察の割合から申しまして、
警察官一人の
担当人口が非常に多いことはやむを得ないのであります。
ただ三万、九万五千という
比率を割振
つてまいりますと、すでに
國家警察の方の人数が
自治体警察の方に比べまして、手不足であるように
考えられるのであります。しかしこれは一應き
まつた数字でありますので、今後の
実施の
状況によりまして、もしどうしても
國家警察の方が
自治体警察の
人員に比べて非常に手薄であ
つて、
國家警察たるの実をあげる上にいろいろ
支障があるというふうなことが、
現実に出てまいりました場合におきましては、さらに十分ひとつ御檢討をい
ただきまして、適正なる
人員の配分につきまして御考慮をい
ただかねばならぬようになるかとも思うのでありますが、とにかく、現在のところでは、多少手薄のように思いますけれども、一應三万、九万五千という
法律により定められました
人員によりまして、新しい
制度の出発をしてまいりたい、かように
考えておるのであります。
それから
公安委員の任命につきまして、特別に困難を感じたというふうな点も、取上げて申し上げるようなことはないのでありまして、
人選がうまくきまらないでおるというふうな
市町村では、あるいはその
施政一般についていろいろ、あるい
市町村長派と申しますか、あるいは反
市町村長派と申しますか、その
自治体の
施設全般に対しまして、いろいろ対立なり問題のあるところは、やはり
公安委員の
選定につきましても、そう円満にいかない
事情もあるようでありますが、全体的に申しまして、特に
公安委員の
人選につきましては、特別に困難な
事情というようなものはなかつたように聞いておるのであります。
一月二十六日までに参
つております
公安委員の
職業別などの表ができておりますのであとでお手もとに差上げたいと思いますが、この
職業の
わけ方も適正かどうかわかりませんが、
会社重役が二百二十一、
会社の從業員が百六十六、
團体の
役職員が五十三、商業が百五十、農業が四百四十二、その他の
自家経営者というのが二百二、
医療関係者が三百五、
宗教家が百九十五、
教育家が二十二、無職の方が百二十、その他四十八というふうな
職業別にな
つておるのであります。
それから
警察長の
選任につきましては、大体
公安委員の方と縣の
警察部長なり知事との間に、いろいろ話合いがありまして、これも大体円満に問題なく進んでおるのであります。
ただ六大都市のような非常に大きな
自治体におきましては、現在その
府縣におります現職の人から必ずしも選ぶわけにはまいりませんので、それぞれの
自治体の
希望なり
事情により、選考が進められておるのでありまして、この点につきましては、なお最後的な
人選の
決定を見ていないのでありますが、これもここ数日中と申しますか、一月一ぱい、あるいは二月の初めごろまでには、大体適当なる
人選も終えまして、
準備が完了するものと
考えておるのであります。特別に困難だということではありませんで、いろいろの
事情から、いいと思う人も行くことを澁つたりいたしますので、
希望と
現実の人との適合が、いろいろ
事情がありまして、まだ最後的な
決定を見るに至
つておらぬのであります。しかしこれも、
ただいま申し上げましたように、間もなく大体順調に
人選が終るものと
考えておるのであります。
國家公安委員の
人選につきましては、現在
政府の方でお
考えにな
つているところでありまして、これも二月中あるいは三月の初めまでには、適当なる
人選ができることと
考えておるのであります。
本部の
準備などにつきましては、大体現在の陣容を、かりに新しい
組織でまいりまするような部課の
組織に編成替をいたしまして、
内務局といたしましては、すでにそういう新しい
組織でまいりまするような
態勢を実はとりまして、それぞれの
部長なり課長を任命しで、現在
訓練の仕事を進めておるわけであります。これも大体そういうことで各
府縣とも同様な
意味合におきまして、新しい
施設によりまする形を整えて
訓練をいたしており、新法の
実施の時期にそれが大体そのまま
制度として確定する、こういうふうになりまするので、
準備の上には
支障がないように進めておる
状況であります。
自治体が
組合をつく
つておる
状況は、現在まで
報告のありましたのは
千葉、
神奈川、
岐阜、
大阪、
兵庫、
佐賀、
愛媛、
京都といつた府縣で、それぞれ一箇所ないし二箇所の
組合警察が
設置されており、二十三
町村にわたり
組合ができておりまして、これはさらに
兵庫縣におきまして、
あと二つか
三つの
組合警察ができる
予定にな
つておるのであります。
千葉縣で申しますと、
浦安町、
行徳町
南行徳町、この
三つが
一つの
組合をつく
つており、
神奈川縣では大磯町、二宮町、國府村、これが
一つの
組合警察をつく
つておる。また國府津町と酒匂町が
一つの
組合警察をつく
つておる。
岐阜では大井町と長島町及び土岐津町と泉町、これが
一つの
組合警察をつく
つております。
大阪では野田村と大草村、これが
一つの
組合警察をつくり、
兵庫縣では三田町と三輪町、これに先ほど申しましたように、
阪神沿線におきましてなお二、三箇所の
組合警察ができるように話が進んでおるようであります。それから
愛媛縣で角野町、中荻町、泉川町、これが
一つの
組合になり、
佐賀で
有田町、
北有田町、これが
一つ、
京都で
宇治町と
東宇治町、これが
一つの
組合をつくる。大体こういうふうな
状況にな
つております。