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木内政府委員 野木政府委員のただいま申されたことについて、一言附加して申し上げたいと思うのであります。この確定訴訟記録が
裁判所側で保管すべきものか、從來の
ように檢察廳で保管するのが適当かということにつきまして、いろいろの論議が現在もあるのであります。そこで
裁判所側の意向といたしまして、もちろん中にはこれは檢察廳に保管するのが
相当だという意見をも
つておられる人もあるのでありまするが、また他方、これは
裁判所が裁判をした訴訟記録であるからその
裁判所に保管しておくのが本筋である。こういう主張があるのであります。檢察廳則といたしましては、なるほど記録は
裁判所が作成したものであるけれ
ども、その後裁判の執行は
檢察官がこれを指揮しなければならない。それからまた恩赦法によ
つて恩赦の
手続を檢察廳において責任をも
つていたさなければならない。そのためには判決原本及び訴訟記録が必要である。ただ自分のところで裁判をしたのだから自分のところのものだという
考え方は、私
どもちよつと納得いき兼ねるのでありまして、もつと大所高所から見たならば、訴訟法上の判決が確定したという後も、執行という問題の責任がある。なお恩赦の問題がある。さ
ような点から見ましても確定記録は檢察廳に置かねばならぬ。
裁判所の一部のおつしやることには、そのときには貸してやる、こうおつしやる。それもごもつともでありまするが、私
どもの方も
裁判所の必要な場合はいつでもお貸しする。大体において確定記録は
裁判所では自分のところで保存されるだけで、われわれはその記録に基いていろいろ法律の命ずるところの
手続をいたさなければならないわけであります。だからこれは理論上また実際上、檢察廳が保管すべきものだという意見でおるのでございます。そうしてなるべくこの問題を
改正案を提出する前に解決いたしたいと思いましたのでありますけれ
ども、解決いたさないものでありますので、か
ような一時
規定を設けた
ような次第でございます。