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1948-06-18 第2回国会 衆議院 司法委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月十八日(金曜日)     午前十一時七分開議  出席委員    委員長代理 理事 石川金次郎君    理事 鍛冶 良作君       佐瀬 昌三君    花村 四郎君       松木  宏君    山口 好一君       石井 繁丸君    猪俣 浩三君       榊原 千代君    山中日露史君       中村 俊夫君    中村 又一君       吉田  安君    大島 多藏君  出席政府委員         檢 務 長 官 木内 曽益君         法務廳事務官  野木 新一君  委員外出席者         專門調査員   小木 貞一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  刑事訴訟法改正する法律案内閣提出)(第  六九号)     —————————————     〔筆記〕
  2. 石川金次郎

    石川委員長代理 開会する。  刑事訴訟法改正する法律案を議題とし、質疑を継続する。
  3. 花村四郎

    花村委員 刑事訴訟法裁判権を実行するものである。この裁判権憲法上の司法権とは同一に見てよいか。
  4. 木内曽益

    木内政府委員 大体同一に考えている。
  5. 花村四郎

    花村委員 日本國憲法は大体米國憲法を倣つているので、三権分立が強調されていると思う。從つて司法権は独立していると思うがどうか。
  6. 木内曽益

    木内政府委員 その通りと考える。
  7. 花村四郎

    花村委員 参議院の裁判官不当処理調査においては、たとえば保釈が正当か、どうか等ということを取上げているが、かかることが司法の独立という観点から見てできるか。
  8. 木内曽益

    木内政府委員 承知する範囲では、裁判の当否ではなく、保釈許可等について、他からの圧迫とか、涜職的行為とかの有無を調査しているのであると承知する。憲法によるも國会は國の最高機関であるから、まつたく他と無関係であるとは言い得ないので、この程度調査は決して國会裁判権を侵すとは考えない。
  9. 花村四郎

    花村委員 立法府が國家機関最高機関であるから、司法行政に干與し得るとは言えない。憲法六十二條に則つて、各々國政に関する調査を行いとあるこの國政の中に、三権が含まれる建前の下に、かかる事案を取扱い得るのではないかと考えられるがどうか。また國政の中には司法、立法、行政が含まれる解釈か。
  10. 木内曽益

    木内政府委員 重要な問題があり、ただちに答弁しかねるので留保されたい。
  11. 花村四郎

    花村委員 刑事訴訟法に基く裁判権の行使に対して、両院議員調査することができるか、またできないとすれば、それに附随するどの程度調査ができるかの限界を明らかにそれたい。新案では当事者主義の徹底によつて、この点進歩を見ているが、旧來の慣例から裁判所檢察廳とが一体のような関係にあつたというような情実などがあり、当事者主義の新しい刑事訴訟法建前が判然運用されないのではないか。天野判事問題の逮捕状のこと等は、一つの表面に表れた事例であるが、逮捕状令状その他について法律の規定に則つているか。便宜上の扱いを求めている節があるのではないかと見られる。当事者主義の十分な発揚ということで、明朗な裁判手続の行われるには、旧來の弊害を一掃して、檢察廳裁判所との因縁を押拭し、刑事上の手続が公正であると國民が認識するようにすることが、本案実施にあたつて重大なことと思うがどうか。
  12. 木内曽益

    木内政府委員 從來指摘されたような誤解を受けた場合がないわけではないが、今回改正の根本の問題はそこにあるので、たとえば公判審議にしても、公判開延前の記録の精読等が、ある種の誤解を受けるのではないかと思われ、これが適正な裁判の障害になるのではないかと考えたので、改正案では事件の内容について裁判官に予断を抱かせるような書類は一切つけぬこととした。また提出書類にしても聽取書等が一切出せるのではなく制限されており、徹底した公判中心主義で、裁判官は白紙の状態で裁判するのであるから懸念の点は除かれると考える。なおまた逮捕状令状発付については應急措置法実施によつてこの点以前と変つたと考える。本案実施されれば、令状発付等被告人の人権に関する重大な問題であるから、十分檢察官等に注意し、また裁判所も從來のような誤解のあるような令状はないと推測する。
  13. 石川金次郎

    石川委員長代理 休憩する。     午前十一時五十分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後一時三十分開議
  14. 石川金次郎

    石川委員長代理 休憩前に引続き開会する。  本日午前の花村委員質疑で一應総括的質疑が終る予定であつたので、本日をもつて総括的質疑を打切り、次回より逐條審議に入りたいがどうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 石川金次郎

    石川委員長代理 次回から逐條的質疑に入ることとし、本日はこの程度で散会する。     午後一時四十分散会