運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-05-07 第2回国会 衆議院 司法委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月七日(金曜日)     午前十一時五十三分開議  出席委員    委員長 井伊 誠一君    理事 鍛冶 良作君 理事 八並 達雄君       岡井藤志郎君    角田 幸吉君       佐瀬 昌三君    花村 四郎君       明禮輝三郎君    池谷 信一君       石井 繁丸君    榊原 千代君       山中日露史君    打出 信行君       中村 俊夫君    中村 又一君       吉田  安君  出席國務大臣         内閣総理大臣  芦田  均君         國 務 大 臣 鈴木 義男君  出席政府委員         法務政務次官  松永 義雄君         大藏事務官   今井 一男君  委員外出席者         專門調査員   村  教三君         專門調査員   小木 貞一君 五月六日委員長松永義雄君の補欠として井伊誠一 君が議長の指名で委員長に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  裁判官報酬に関する法律案内閣提出)(第  五一号)  檢察官俸給等に関する法律案内閣提出)(  第五二号)     —————————————
  2. 井伊誠一

    井伊委員長 会議を開きます。  この際ちよつと御挨拶を申し上げたいと思います。このたび私皆樣方の御推輓によりまして、司法委員長に就任することに相なりました。感激をいたしております。淺学菲才であり、その上法規や典礼などには一向不慣れなものでありますので、はたしたこの重責を果し得るや否やについて、非常な懸念をもつておるのでございます。たださいわいに委員諸君の御支持と御鞭撻をいただきますならば、あるいは大過なくその職責を果し得るのではないかと思うておるのでございます。何とぞよろしくお願いをいたしたいと思います。(拍手)  それでは裁判官報酬等に関する法律案及び檢察官俸給等に関する法律案の両案について審査を進めます。明禮輝三郎君。
  3. 明禮輝三郎

    明禮委員 私はこの法律案趣旨、特に裁判官並びに檢察官待遇改善しなければならないことは、もとより当然でありまして、他の行政官あるいは他の官吏方々より、特別に優遇なる地位を與えられんことを希望するものであります。しかしながら、私どもちようどこの法案が出てまいりましたので、この機会におきまして、この俸給令と申しますか、裁判官待遇報酬と申しますか、要するに官吏俸給待遇が順々に改められてくるものであることは、ここに申し上げるまでもないと思うのであります。そう考えてまいりますと、一体現在の日本経済状態において、どの程度までこれが改善をやつていくべきものであるかという線がなければならぬのであろうと思う、限度があるということになろうと思うのであります。そこで私は大藏省当局安本当局にお伺いをして、この点に対して日本の根本的な、経済的な立場から、俸給令あるいは給與令、あるいは報酬等に関する法律案審査を進めていかなければならぬと思うのであります。そこでいろいろな問題がありますが、今度ここに裁判官待遇案、檢察廳の待遇案が出ておりますが、これによつていきますと、今までの給與令からどの程度つていくものかというようなことになるのでありますが、予算の上からいきますと、今度の給與令によりますと、全國の裁判官檢察官に対する総予算がどのくらいになつておるのでありましたようか、これが改正されるについての総予算を承りたいのであります。
  4. 松永義雄

    松永政府委員 ただいま明禮君の御質問のうち、このたびの法案によりまして、檢察官並びに檢事給料総額はどれくらいになるかという御質問でございますが、その額は予算上七千百三十九万七千四百八円となります。これは檢事並びに檢事増額概算額であります。なおまた裁判官報酬に関しましては、その予算増額なり額は、一億四千四百七十二万五千四百円となります。
  5. 明禮輝三郎

    明禮委員 もう一つお伺いしたい。今増額が出ましたが、それでは檢事、副檢事の今までの給與令による予算が何ぼ、それから裁判官の方が今までの給與令によると何ぼ。それを一つお伺いしたいと思います。
  6. 松永義雄

    松永政府委員 明禮君にお答えいたします。御趣旨に副うことができないのは、まことに遺憾でございますが、近いうちすぐ調べてお届けいたしますから、よろしく。
  7. 明禮輝三郎

    明禮委員 そういたしますと、今ここへ出ておるのが檢事、副檢事、あるいは裁判官でありますが、その他の行政官あるいは一般官吏待遇案については、大藏省の方でおわかりになつておると思いますが、今後どういうふうになつていくのか。多分そういう待遇改善と言いますか、給與令の改正と言いますか、できるはずでありますが、その点については御説明を承りたい。
  8. 今井一男

    今井政府委員 一般行政官につきましては、御承知臨時給與委員会におきまして、二千九百二十円ベースという結論が出まして、それを実施するため、組合側團体交渉を重ねまして、話がまとまつて結果、法律案にいたしまして、ただいま関係方面の了解を得る手続中であります。おそらく両三日中に國会の御審議におまわしできるではないかと存じております。
  9. 明禮輝三郎

    明禮委員 そういたしますと、その一般行政官に対する二千九百二十円ベース予算関係方面へ出ておる。その大体の予算額を、増額になる部分だけでもよろしゆうございますが、説明していただきたい。どれくらいになるのですか。
  10. 今井一男

    今井政府委員 きわめて大ざつぱな数字を申し上げますと、概算約二百億円になります。
  11. 明禮輝三郎

    明禮委員 増額部分ですか。
  12. 今井一男

    今井政府委員 そうです。
  13. 明禮輝三郎

    明禮委員 そこでこの間公聽会と言いますか、供述人からいろいろと聽いたのでありますが、現在の裁判官報酬等に関する法律案の中で、東京高等裁判所長官一万八千円とありますが、この一万八千円という中には、労勤所得税が含まれまして、一万二千円程度しか手にはいらないように囲いておるのです。その次の一万七千円の部分については、手取り一万一千円くらいというようにこの間聞いたのであります。これを例といたしまして、この東京高等裁判所長官、あるいは普通の高等裁判所長官の実收は一体どれくらいになるお見込みでありますか。できればその数字を示していただきたいのであります。なおこれについては家族手当あるいは時間外手当その他いろいろなものがあるようでありますが、この点についてもわかりやすく説明を願いたいと思います。
  14. 松永義雄

    松永政府委員 ただいまの明禮君の御質問に対しての直接の答えにはならないと思いますが、足りない点は何れ文書でもつてお届けいたすことにしまして、御参考までに、その他の判事について一應ここでその数字のあり方を申し上げてみたいと存じます。判事補六号、同樣檢事十二号、これは初任給でございますが、三千五百円が号俸、俸給になりまして、独身者と仮定いたしますと、扶養手当はもらえないことになりますので、その点は算入いたしません。勤務地手当がもらえるといたしますと、それが千五十円、三千五百円と千五十円を加えたものが合計四千五百五十円となります。それから税金を差引きますと、手取が三千六百二十円になります。それから判事の第五号、同樣檢事の四号、これが、中堅級になる方々でありますが、その俸給は一万円、三人家族としまして、扶養手当が六百七十五円、勤務地手当が三千二百三円、合計一万三千八百七十八円、税を引きました手取金額が八千七円となります。それから判事二号、同樣檢事一号、これは所長級檢事正級であります。その俸給は一万三千円、扶養手当が五人としまして千百二十五円、勤務手当が四千二百三十八円、合計一万八千三百六十三円、税を引きました手取金額が一万十六円となります。
  15. 明禮輝三郎

    明禮委員 御説明を承つてみて、私ども非常に驚くのですが、今の所長級の人が、相当長い間判檢事をやつてつて、一万八千円だけ紙をもらつて、結局手に入るのは一万円で八千いくら違い、また中堅級の人でも五千いくら違い初任給の人で約九百いくら違う。とにかくもたいへんに税金が引かれるのでありますが、私はこの勤労所得税——これは勤労所得税が主となると思いますが、これでやりますと、勤労所得税だけのせたものが、世の中の物價統計にみなこれは出てくるわけで、今給料をかりにここできめますのに、この表の一番上の判事補初任給の六号、檢事の十二号としてやりますならば、この人の給料は、税金なんかそういうものはかけないようにしてやつて、三千六百二十円とすればいいじやないか、もとの三千五百円というものももつと減つて、三千円をもつと下るでしよう。それから最高所長級の人にしても、一万三千円というのは、俸級が一万円としてもつと下でも、要するに一万円とれるような数字にすればいいと思います。これだけ給料の点において上つているということは、すべて物價体系に影響するものが多いと私は思う。結局勤労所得者にやつてそれをとるのですから、官吏税金はひどい、間違つたことだと思う。これはしかし一般勤労所得というもののにらみ合わせとか、いろいろのことがありますが、勤労所得税を下げるとか、いろいろな案があるそうであります。大藏当局はこの点についてはどう考えておられるか。このままずつとこんなふうな数字を皆あげていきますと、これが汽車賃にも、郵便料にも、米にも皆響いていくということが、一体わかつているのかいないのか。そういう点を説明してもらいたい。
  16. 今井一男

    今井政府委員 御指摘通り、これは勤労所得税に限らず、すべて所得税の税率の超過累進率は、かなり高いものになつております。なかんずく勤労所得税につきましては、税額が完全に捕捉される関係から、各方面からいろいろ御指摘をいただいているのですが、これにつきましては、目下大藏省事務当局におきまして本格的予算とにらみ合わせて檢討中でございまして、勤労所得につきましては、許す範囲内において極力軽減をはかりたい。かような意図のもとに、檢討を重ねております。もちろん全体の給與体系がきまらないうちに案を申し上げることはいかがと思いますが、ただいま事務当局の方で一應の腹案的に思つております程度のものから申しますと、大体この税金は約半分に減る、從つて今の檢事正所長クラスにおきましては、八千円の税金が四千円程度になるといつたくらいの軽減にはもつていけるのではないかという意図のもとに、今せいぜい立案を急いでおりますので、御了承願いたいと思います。
  17. 明禮輝三郎

    明禮委員 それはいつごろできる御予定でしよう。こういうものは、今私が申し上げた通り、大体程度の問題もありますけれども、私は官吏に渡す給料から税金をとるというのはどうもぐあいが悪いと思うのであります。これはそういう案ができる予定があるならば、一般行政官給與についても、すべてがこういうことを考慮してやつていかなければ、物價を抑えることができぬのではないか。私は内閣を責めるのじやありませんけれども、今までの内閣のやり方は、七月五日の去年の物價を上げたときから、汽車賃も、郵便料も皆上げていつておる。今日日本予算は大体六千億くらいまではどうやらもつかということですが、それ以上になつたら経済的に破壞するのじやないでしようか。そういう意味からいつて、これは何とか——判事檢事の連中でも、こういう紙切れのような辞令をもらつても何にもならぬ。実際は減るものならば、もつと手取の点に考慮して、この法律案を改正していくような方法をとられるつもりはないのでしようか。私はそういう案ができておるということだけではいかぬので、至急にこれをやつてもらいたいと思う。なかなかこれは物價をつり上げていつておるから、これをやつただけでも、一般に影響するところが大きいと思います。その点についての御意見を承ります。
  18. 今井一男

    今井政府委員 今回の判檢事給與の案も、先ほど申し上げました臨時給與委員会の二千九百二十円べース基礎にいたしております。この二千九百二十円べースは御承知でもございましようが、民間給與官廳給與との権衡をはかるといつたことが一つのねらいであり、同時にまた現在日本における國民消費水準基礎にして、それと官公吏のバランスをはかるという両点の出くわしたところに、この数字を求めております。もちろん一月現在の推定でございますので、今日との間に若干の物價相違はございますが、少くとも当時におきましては、現在日本にあるできる限りの資料を檢討してできた結論でございます。ただ民間給與へ追いつかせたといつた意味において、もちろんゼロではございませんが、物價に対して、インフレへの刺戟はきわめてその力が弱いであろうというのが委員会見解にも相なつておりまするし、政府としてもさように考えております。この観点からいたしまして、ただいまの國民経済の全体の物價の値上りの程度、あるいはまた生産回復程度といつたところから客観的に押えても、この二千九百二十円ベースというものは、少くとも一月現在においては、官公吏勤務條件からして、相当数字と認められたわけでございますが、この数字基礎にして、判事檢事の特殊な勤務條件や、責任程度等を勘案して、それとどれだけの差をつける、一般行政官よりもどれだけ待遇をよくするといつた見物から、この案ができているわけでありまして、もちろん官吏に対して同じことであるから、税金をかけないで、身ぐるみを、税引金額を與えたらいかがかということも、一つの御見解には相違でございませんが、これは一般勤務者との関係もございまして、從來各國等の例においても、なかなか軽々には結論が出せない問題ではなかろうかと存じます。御了承願いたいと思います。
  19. 明禮輝三郎

    明禮委員 この裁判官報酬等に関する法律案の中で、九條の中に載つておるのを見ますと、「その他の裁判官には、一般官吏の例に準じて最高裁判所の定めるところによりこれを支給する。」と書いてある。待遇給與以外の給與生計費及び一般賃金事情の著しい変動により、」云々というのが、第十條に書いてありますが「一般官吏の例に準じて」というのは、どれを言うのでありましようか。一般官吏の例というのは、古いのを言うのですが、これからこしらえるものを言うのですか。
  20. 今井一男

    今井政府委員 すべて一般行政官吏の受けるだけの給與は、必ず裁判官にも及ぶ、こういう建前でできておるのでありまして、從いまして、たとえば旅費でありますとか、そのほか家族手当勤務地手当とかそういういろいろの給與に属しますものが、すべて官吏の例を準用して適用されるという意味合でございまして、ただいまそういう点は近く司令部の許可を受けました上、提案の運びになつております案ができますれば、新しい規定が全面的に適用されるわけであります。なお最後のところに、もし一般水準上つて役人のレべルが一般に上れば、裁判官の方もこれと見合つて上げていくという規定は、要するにこれだけの待遇の差をずつと維持していこうという観点から設けられた規定でございます。
  21. 明禮輝三郎

    明禮委員 私のお尋ねいたしましたのは、この法案適用につきましては、一般官吏の例に準ずるというのは、今まであるのを指すのか、これからできた場合のを言うのか、その点を伺つているのであります。
  22. 今井一男

    今井政府委員 ただいまは一般官吏につきまして古に規定しか適用になつておりませんから、ただちには一應古い規定適用されるわけでありますが、近く國会の御審議を願いまして、議決に相なりますれば、新しい給與が当然こちらにもできることは、申すまでもございません。なお今回の一般官吏の例に関する規定は、すべて遡及することになつておりますから、現実のものとしては、結局新しい規定適用される、こういうことに相なつております。
  23. 明禮輝三郎

    明禮委員 大体の点はわかりましたが、どうか官吏並びに裁判官その他一般行政官官公吏に拂われる一年の給與総額を一遍出していただきたいと思います。どのくらいこの方面に拂つているのか、これが國家予算の大きな基準になつてまいると思います。そこで私はこの法律案は大いに檢討されると思いますが、こういうような一万円しかもらわぬのに、一万八千円というような数字をつけるような給與令は何とかしなければ、物價を上げていく基準になつて將來恐るべきものが私はあると思いますので、この点について、私どもは各委員の方と研究もしたいと思いますが、当局においても、この点について物價を下げるということに努力する氣持が十分にこういうところに一つ御活用願いたいと思うておる次第であります。私はこれで終ります。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員 今井局長に今のことに関連してちよつと承りたいのですが、裁判官並びに檢察官に対しては時間外給與をやらないことになつたと聞いておりますが、その点は間違いないのですか。
  25. 今井一男

    今井政府委員 今回の法律案にはそういつた建前で、第九條でございますか、明文が書いてございます。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員 そこで承りたいのですが、他の官吏と異なるのは時間外給與だけでありましようか。そのほかにも何か特別のことがありませんでしようか。
  27. 今井一男

    今井政府委員 その他には別に一般官吏にやるものであつて裁判官の方に出さないものはございません。また別に裁判官の方に出しましても一般官吏に出さないというものはあるかもしれませんが、法律明文がないために、そういうことはできません。
  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員 何ゆえに時間外勤務裁判官檢察官に出さなかつたか。その理由をひとつ。
  29. 今井一男

    今井政府委員 これは勤務の將態からいろいろとお話合いが出まして、そういつた説が出てまいつたのでありますが、要するにその普通の労働基準法に考えております官廳の門を潜つてから出るまでが勤務で、一歩門を出れば勤務ではない。かように考えるのにはふさわしくない職務である。そういつた職務はほかにも考えられると思うのであります。まだ固まつておりませんが、私どもは教員などについても同一のことが考えられるのであります。すなわち教授すす時間以外に、やはり下調べをするとか、採点をするとか、教案を書くとかいう時間を、たとえその勤め先にすわつておると、すわつておらないということによつて取扱いを区々にするということは適当じやなかろう。判事檢事についても、その点同一のことが考えられはしないか。從いまして、こういつたものは、むしろある程度想定を加えまして、あらかじめ給與の中にぶちこんで、定額をきめておくという方が適当であろう。それも極端に申しますと、普通の機械にくつついている労働者機械を離れなかつたならば一時間いくら三十分いくら、こういう計算をいたしますよりは、やはり宅調される場合も相当多うございます。またことによつては出勤時間なども守りにくいような職務でもございますので、それもひつくるめまして、大体一般官吏の例を基準にいたしまして、それより約倍ないし三倍程度超過勤務をなさるものというような含み金額をその上に乘せまして、そうしてその上に一般官吏との待遇の差を加えまして、そうしてこの金額がはじき出されております。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員 まだいろいろ聽きたいことはありますが、その点はよろしゆうございます。そこで今度はぜひ先ほど明禮委員から言つた表をお出し願うと同時に、他の一般官吏が時間外勤務によつてどれくらいもらつておるか。その標準を表にして出していただきたいと思います。それから今ここに表に出ておりますように、二級官吏なつ最初の場合、一級官吏なつ最初の場合、またずつと上の方を、どこでもよろしゆうございますから、標準の表をお出し願いたい。
  31. 今井一男

    今井政府委員 今の点は、表よりもきわめて簡單に大体の見当がありますから、ここで申し上げますが、大体今一時間は二百分の一をもつて計算しております。すなわち千円の人であれば一時間が五円、二千円でありますれば十円、それで大体一般官吏の居残りと申しますものは、一日あたりにいたしますと、平均して二十分ないし三十分でございます。ですからもし三十分といたしますれば二百分の一の十二、こういつた計算に相なります。それを基礎として御檢討願いたい。大体裁判官の分は、私ども含みは、その一般官吏標準の約倍ないし三倍といたつものを居残るものという式にそろばんを入れまして、その上に現状より見まして、含みとして二割強をくつつけたのであります。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員 大体の見当はわかりますが、今まで実際出ておるところがわかれば、かりに大藏省なら大藏省で二級官吏には月いくら渡しておるか。一級官吏にはいくら渡しておるか。こういうようなものができましたらお願いしたい。
  33. 明禮輝三郎

    明禮委員 もう一つ忘れておりましたが、これは法案ができておるくらいでありますから、もちろん大藏省はよいと思うのでありますが、先ほど松永政府委員から説明されました檢事に対する今度の総額七千百三十九万七千四百八円、裁判官に対する総額一億四千四百七十二万五千四百円、これだけの総額について、大藏省安本は全部認められておることはもちろんでありましようと思いますが、念のために一應伺つておきます。
  34. 今井一男

    今井政府委員 もちろんこの法律閣議決定をいたしまして出しましたものでありまして、それだけ追加予算の際に、正確に言えば、本格予算の際に不足分は計上せられて提出されることになります。
  35. 井伊誠一

    井伊委員長 それでは午後一時半まで休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ————◇—————     午後二時二十四分開議
  36. 井伊誠一

    井伊委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
  37. 岡井藤志郎

    岡井委員 單刀直入内閣総理大臣相当なる御質問のみを申し上げます。くだくだしきことは絶対にお聽き申しません。ゆえに総理におかれても、單刀直入簡單にお答えあらんことを希望いたします。  新憲法によりますれば、総理大臣に対する任免黜陟の権を握つておられる。また実際においても、國政は統一的に総理のみの方寸に從つて割り出さなければ何事もなし得ない、普通の大臣総理大臣の実質上は一使用人たる地位であると思うのでございますが、総理大臣のその点に対する御抱負を承りたいと思います。
  38. 芦田均

    芦田國務大臣 内閣総理大臣及び國務大臣は、ともに國民の公僕でありまい。いずれも國民に奉仕するをもつてその重要なる使命としておるのでありますが、政務及び事務取扱いの上において、いずれかの人間が統一を保つだけの権限をもたなければならない。そういう意味において憲法並びに國家行政機構法規においては、内閣総理大臣にその意味権限を與えておることは、岡井君にただいま御指摘になつた通りであります。そういう意味において、内閣一つ会議体としての政務及び事務を運用する上において、総理大臣が十分の責任をとつて、その統合調整をはかる決心をしております。
  39. 岡井藤志郎

    岡井委員 裁判官報酬檢察官俸給等に関するこのたびの案の金額をもちまして、判事並びに檢事が、一般國民生活水準、それから判事檢事たる品位を維持するにふさわしきものに足るとお思いになりますか。あるいは足らざるとお思いになりますか。あるいは余るとお思いになるのでございましようか。現状のところをお伺いしたのでございます。
  40. 芦田均

    芦田國務大臣 現在の社会情勢から言えば、ただいま提案しておる法律案規定の内容である報酬及び俸給額をもつて判檢事品位を維持する生活が十分に営まれるかどうかという御質問でありますが、判檢事たる一個人たるとを問わず、今日のごとき経済情勢においては、收入をもつて十分家計を支えることの困難な事情にあることは、わが國を通じての現象であります。從つて公務員においても、その生活に一段のくふうを加えるにあらずんば、現在の國家給與をもつてして、生活の上に相当窮迫を告げることも、十分に推測されるのであります。しかしながら、國家財政現状をもつてすれば、この苦しい時期を何とかそれぞれの工夫によつて耐乏生活に甘んじて、國家のために俸仕してもらうということが、やむを得ない必要事になつておるのでありまして、判事檢事報酬俸給を、他の公務員俸給に比較いたしますけば、一段とよき待遇を與えておることも事実でありまして、他との権衡上から言つても、この程度で満足をせられることを希望しておる次第であります。
  41. 岡井藤志郎

    岡井委員 なおかつ足らざるものと承りました。しからば、それ以上の、さらに悲惨なる生活状態を続けておりまする裁判所、檢察廳の下級職員の救済は、いかがせられる御所存でございましようか。
  42. 芦田均

    芦田國務大臣 昨日お答えいた通り公務員は、それぞれの職務の重要性と、その責任の大小によつて、職域による給與の差別をつけておるのであります。すでに先般官公廳の代表者と妥協に到達したる給與水準二千九百二十円をもつて、今日の官公吏の一應の基準に決定しておる次第であります。むろんこれとても必ずしも十分とは考えられません。しかしながら二千九百二十円という数字は、これを平均家族の員数、かりに一家四名として、十年勤続したる公務員に対しては約四千六百円の給與を支給することになるのでありますから、國家財政現状においては、この程度で一應満足をしてもらう以外に、新たなる財源を得る見込みがないという事情にあることは御了承を願います。
  43. 岡井藤志郎

    岡井委員 判檢事のこのたびの案すら生活を維持するになお不足がありといたしまするならば、國民の最低限度の生活費はどなたも同じでございまするから、今の総理のお答えは、いささかおざなりではないかと思うのでございます。  次にこのたびの案によりますると、行政官との間に相当の開きがあるようでございまするが、一般行政官に向つては、役得をお認めになるのでございましようか。
  44. 芦田均

    芦田國務大臣 一般行政官吏に役得があるというのは、どういう御趣意であるか、具体的にお尋ねを願えれば、また答弁をいたす方法もあると思いますが、ただ役得というきわめて抽象的ま御質問でありますと、的確に答弁をいたしかねます。
  45. 岡井藤志郎

    岡井委員 時間が惜しいですから、もう少し單刀直入にお答えを願いたいです。私は総理大臣の時間を奪うということは、國政に対して非常な罪悪と思つておるのですから、言葉を簡略にして御質問申し上げておるのでございまするから、これに対する答弁も簡單明瞭に願いたいです。どうせ財政足らざる今日ですから、満足なる御答弁を得られるとは思つていないのです。このたびの案ですら、生活を維持するにむしろ足りないといたしますれば、行政官はどうしてやつていくか。役得でも副收入でも何でもいいのですが、どうしてやつていくか。総理大臣としてさような点を放置しておかれますかどうかという点でございます。
  46. 芦田均

    芦田國務大臣 御承知通りに、國家財政國民がそれぞれの分に應じて租税を支拂うにあらずんば、人件費も事業費も支出することは不可能な現状であります。しからばこの上どれだけの租税能力が國民の間であるかということが、現実の問題となるのでありまして、政府の見るところによれば、現在の経済状態においては、わが國の國民所得の総額から考えても、また地方の実情に顧みても、これ以上大幅の増税を國民に要求することは、非常な無理がある。國民が支拂い得ない支出を、この際あえて行うということは、不可能な状態である。その事情をよく公務員諸君の了解を願つて、乏しいながらもこの程度で満足をしてもらいたいというのが政府の考え方でございます。
  47. 岡井藤志郎

    岡井委員 下級司法官吏、それから一般行政官、かような方面から判檢事並びに俸給を引上げてくれなければ、判檢事もわれわれも生活費は同じであるから引上げてもらいたいという要求が出るだろうと思います。それから一般労働者の労働攻勢、かようなものも考えなければなりません。それとも引上げてくださらないならば、われわれの役得、副收入をお認めになるか、この二点のいずれを御採用に相なりまするかと、一般司法官吏並びに行政官内閣へ迫つてきたときには、どういうぐあいになさるのでございましようか。
  48. 芦田均

    芦田國務大臣 官吏の中で、判檢事以外の者の俸給がいささか段階がついておる。われわれも同じ國家公務員であるから、同一待遇を受くべきであるという議論に対する政府の答弁は、昨日來この席で申し上げた通り政府としては司法官の特別の地位を考慮して、また現在における檢察界の実情を考慮に入れて俸給を定めたという次第も申し上げたのであります。決してそれ以外の官公吏が重要性がないという意味ではありません。しかしながら、國家の立場から特に優遇すべき必要のある者、特に実情において緊急避くべからざる場合における特殊の措置、これだけのことはぜひ講じなければならぬのであります。また官公吏諸君の生活の苦しいことはよくわかります。しかし退いて、しからば官公吏よりもさらに惠まれない國民が全國にいくらあるか、戰爭の結果、戰災地には幾多の戰災者もあり、引揚同胞の中には明日の食にも困つている人間が多数にある、かような事態を顧みて、特に官公吏のみが生活に窮迫しているという理屈をもつて國民大衆に納得せしめ得るかどうか、今日の実情においてはこの程度給與をもつて公務員諸君が一應満足されることが、政府見解によれば至当なところではないか、かように考えている次第であります。
  49. 岡井藤志郎

    岡井委員 贅沢権の問題にあらずして生活権の問題でありますから、これをさきがけといたしまして、人件費の膨脹を來すということは、覚悟しなければ相ならぬと思います。現内閣は非常に予算編成難に苦しんであられるようでございまするが、はたして本年度の予算をお組みになる自信がおありになるのであるかどうかということを、國民は非常に不安がつておりますから、この際御言明をお願いいたしまして、仕事に手の着かざる國民の不安を除去していただきたいのでございます。
  50. 芦田均

    芦田國務大臣 予算編成の問題は、先日來議院運営委員会において、政府から繰返し説明いたしましたごとく、國会のお希望に副うて、六月の暫定予算と、二十三年度の本予算とを二本建で國会へ提出することに決定しております。六月分の暫定予算につきましては、遅くも本月十五日ころまでには、國会に提出して御審議を願うことができると思います。また本予算につきましては、價格改訂その他の問題とにらみ合わして、本月の中旬には國会に提出いたしたいという目標のもとに、目下着々事務的に進捗しております。
  51. 岡井藤志郎

    岡井委員 ただいま申し上げました通り生活権の問題でございますから、一般司法官吏行政官をただいま御答弁のごとき程度にいたされましては、どうせ足りないですから、役得その他の副收入に向つて奔走することに相なり、國民互いに相爭わしめる。ために生産事業はおろそかになる。何とかかんとかして食えればいいという問題じやないのです。これは國民各自の言うことであつて総理大臣としてはその無用な労力を駆つて生産事業に向わしめなければ政治家と言えない。その点の総理大臣としての御覚悟を承りたいのです。
  52. 芦田均

    芦田國務大臣 今日生活の苦しいことは、國民皆同じような境遇におかれているのであります。しかしながら、公務員たるものが、月給が少くて生活に苦しいから役得をしてはばからぬというごとき精神をもつてすれば、これは日本は亡國の道に行くよりほかありません。さような不心得の公務員に対しては、断固たる処置をとる決心であります。
  53. 岡井藤志郎

    岡井委員 過日運輸次官の問題が新聞に出ておりましたが、あの程度のことはざらにある。それでなければ食えるわけがないでしよう、こういうことを民間の人々、官界の人々はお互いに二人寄つた席上では公言しているのでございますが、さような点に向つて、わざと耳をおおわれておるのでございましようか。
  54. 芦田均

    芦田國務大臣 不正なことを行つた官公吏に対して耳をおおうがごときことは毛頭いたしておりません。もしそういう事実が具体的に現われた場合には、適切な処置をとる決心であります。
  55. 岡井藤志郎

    岡井委員 檢事は法務総裁の部下である。法務総裁は総理大臣の部下である。さすれば、一國の重要なる檢断の権利は総理大臣に握られている。これは古くして新しき問題でございますが、この点の総理の御見解はいかがでございましようか。
  56. 芦田均

    芦田國務大臣 國務大臣内閣の一員として、内閣においては内閣総理大臣憲法に認められたる権限に服從される義務をもつている。法務廳の職員は法務廳総裁の指揮命令に從うべき義務がある、さような意味において、間接に内閣総理大臣に対し法務廳職員は義務を負うことは、もとより当然のことでありますけれども、各省にはそれぞれ各省の長がありまして、各省の長が直接にその廳内の職員を指揮することが、わが國法制の今日までの成立ちであります。從つて総理大臣たるものが法務廳総裁を経由せず、法務廳の職員を指揮命令するがごときことは、起り得ないと考えております。
  57. 岡井藤志郎

    岡井委員 現有の檢察廳の状態は、下の方は司法警察官に向つて率いられておる。司法警察官が極端に申しますれば大事件だけは選り拔いて捨てて、小事件、きまりきつた事件のみを檢事局に送つて、その檢事が最後に至るまでその抗爭を維持しておられる。中には無理なる抗爭までも、部下の面目を立てて維持しておられる。それから上の方は行政部の圧迫を被つてつて、大事件を逃しておる。私は今日亡國状態の半分の責任は、檢察廳並びに裁判所にありと思うのでございまするが、それが遺憾ながら制度上さように相なつておると思うのでございまするが、御見解いかがでございましようか。
  58. 芦田均

    芦田國務大臣 新憲法に基いて新しく成立したる裁判所及び檢察廳の機構は、機構そのものとしては、今日急に改革しなければならないような欠陷をもつておるとは考えておりません。機構は完全にでき上つておる。もし岡井君の御指摘のごとき事実が今なお存在しておるとするならば、それは運用の点において、なおかつ幾多の改善すべき部分が残されておるのであろうと思います。また司法部に対する行政的圧迫によつて、檢察廳の事務が左右されるというがごときことは、絶対にあり得べからざることであります。もしさような事実がかりにあつたとするならば、政府としては全力をあげてこれを矯正するだけの決心をもつております。
  59. 岡井藤志郎

    岡井委員 たとえば戰時中徴用違反で可憐なる國民を嚴罰に処しておりましたが、もし檢察官にして高邁なる識見がございましたならば、その根源をつくという刑事政策をとり得たと思うのでございます。さかのぼつて東條墮落政治を糺彈することもできて、今日の亡國状態が半分くらいで済んだかもしれないのでございますが、それらの歴史的事実に対して、総理はいかなる認識をもつておられましようか。
  60. 芦田均

    芦田國務大臣 個々の具体的事実について、今私からそのとつた処置をお答えすることは非常に困難であります。しかし一般原則論としては、御承知通り過去における行き過ぎの行動のあつた檢事は、すでに相当檢察の官職を退いて、最近に改組されたる檢察廳の人員は、かくのごとき過ちを犯した経歴のない者がもつぱらこれに当つておるのでありますから、これ以上檢察廳の人事に対して、過去にさかのぼつて問題を提起する必要はないと考えております。
  61. 岡井藤志郎

    岡井委員 今の質問趣旨は小なることに対して行き過ぎ、大なることに対して行き足りなさを申したのでございます。そこでただいま裁判官報酬をもつて檢察官俸給の上位たらしむべしというのが、大体法曹界の輿論になつているようでございまするが、また昨日の総理の御答弁によりましても、ただいまの檢察官判事と同じ資格任用であるから、にわかに待遇を下げるわけにいかないが、將來は別途の採用方針にする。つまり待遇を下げると言わんばかりのことをおつしやいましたが、この法曹界一般の輿論、憲法從つて判事を上位たらしむるべしという輿論と、総理の採用に当つて檢察官を一段と低く見るという御方針、この二つの事実から言いますると、將來の檢察というものは、はなはだ憂うべきものと思うのであります。起訴された事件を適当に判断するのは、これはいわば凡人の仕事なのでございます。忠実にやりさえすればだれでもできる。しかしながら、天下の情勢をながめていずこに犯罪ありや、いかなる犯罪こそ檢挙すべきであるか、またこの犯罪は大きいように見えても、不檢挙にすべきであるか、かような大方針を決定するのは、これは総理大臣とか最高裁判所長官、それ以上の識見高邁なる天才的の仕事であると思うのであります。そこで檢事判事の下位たらしめるということにいたしますれば、この政治家的、天才的の重要なる仕事——いかに判事が聖域を守つておりましても起訴してくれなければ手の着けようがない、司法権に対して最重要の地位を占めており、これあるがために國家が滅びるか滅びないかという分岐点をなすくらいの最重要位の檢事地位を低めることに相なりましたならば、どういうことになるかというと、憲法にうたわれておる最高裁判所長官以下は、識見低劣なる、あるいは内閣の政策によつて動かされる範囲内、檢事以下の識見、檢事以下のまじめさの範囲内において行動をしなければ相ならぬという重大なる矛盾を招來するのでございまして、これは最高裁判所長官以下の欲せられるところでないと思うのでありますが、これらの点につきまして將來の御方針を承りたい。
  62. 芦田均

    芦田國務大臣 何ゆえに司法官を優遇すべきであるか、また何ゆえに現在の段階において檢察廳の職員に他の行政官よりもすぐれたる待遇を與える必要があるかという原則論は、昨日この席においてお答えいたした通りであります。岡井君の御意見もむろん一個の意見として傾聽の値があると思いますが、それは各人の見るところによつて違うのでありまして、同じ党の同僚である諸君でも、どつちかというと岡井君と正反対の御意見をお述べになつているような事実があります。それは各人の見るところによつて、それぞれ見解が違うところはやろを得ないと思いますが、政府の方針は昨日申し上げた通りであります。
  63. 岡井藤志郎

    岡井委員 私の考えはかえつて裁判官地位を重からしめるというのです。心ある裁判官はくだらない犯罪を起訴されて、そうしてそれに唯々諾々として判決を下すということになれば、地位の低い檢事の使用人ということになつてくる。こういう論理に相なつてくる。それで私は檢事地位を高めるということが、裁判官地位を重からしめるゆえんである。こういう議論でござしまして、これは報酬の点はともかくとして、そういう点について、私ども司法委員も考えますから、内閣におかれても、御考慮を願いたいのです。それで今心配ないと仰せられましたが、この檢察事務については、いろいろの批評を聞いておるのでございまするから、それらの点について、総理大臣も深き御認識をお願い申し上げたいと思います。  それから最後に少くとも現内閣におきましては、このごろ新聞紙上をにぎわしております政界をめぐる金銭の問題、さような点につきまして、総理、法務総裁から檢察廳に向つて不当なる圧迫をお加えになるというようなことはないと思いますが、この点はいかがでございましようか。
  64. 芦田均

    芦田國務大臣 はつきりお答えいたしておきます。現内閣においては、檢察廳に向つて消極的にも積極的にも圧迫を加うるごとき行動は、断じて行つておりません。また將來も行う意思はもつておりません。
  65. 岡井藤志郎

    岡井委員 まだいろいろございまするけれども総理のお考えはわかりましたから、これでもつて私の質問を終りといたします。初めに述べましたるごとくに、私は大臣総理のみである。実質上においては、さような考えをもつておりまするので、総理におかれても、もう少し單刀直入的に総理大臣たるの実を発揮されて、司法部内の問題のみならず、すべての方面に向つて、一隅をあぐれば三隅が下つてしまう。これではいつまで経つても、人件費の問題にしても何にしても、救われないのでございまするから、その点について、深き御考慮をお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  66. 花村四郎

    ○花村委員 司法権の運用に関係をもつております裁判官並びに檢察官に対し、他の行政官と比較をいたしまして、優遇をせなければならぬということは、これは長い間提唱せられておつたところでございまするが、遂に実現の機会を得ず、芦田内閣総理大臣に至りまして、初めて具現せられましたことは、まことに喜びにたえない次第でありまして、その総理のお氣持に対して滿腔の敬意を表する次第でございます。しかしながら、本法案をつぶさに見てみますと、なるほど形においては優遇をいたしたごとくに見えるのでありますけれども、実質的に本法案を檢討してみますれば、決してこれは優遇の域に達しておらぬものである。こう言い得るのではないかと思うのであります。と申しますのは、裁判官も檢判官も皆本法案において超過勤務に関する手当を削除いたしておるのであります。この問題はただに両者の物質的優遇という問題よりも、むしろ司法権の運用に大きな支障を來すのではないかということを、私はおそれるのであります。御承知のごとく、裁判官もまた檢察官も、いずれも今日までの勤務を見てみますならば、勤務時間外の勤務が非常に多い。しかもそれによつて辛うじて今日まで司法権の運用をいたしてきておるというのが眞相であるのであります。しかるに今日は統計をもつて見ましても、本年の三月現在の統計によりますと、判事の定員が千四百七十七名あらなければならないものが三百十人欠員と相なつておる。それから檢察官の方もやはり三月現在において千二百九十一名あるべきものが五百四名欠員になつておるというようなことで、定員に充たないような状況におかれておるのであります。けれどもその仕事の分量はどうであるかというば、むしろ從來より増しておると申さんければならぬ。今日國民が憂えておるのは、何かといえば、法律秩序は維持されず、あるいはまた治安の確立ができぬということで、ほとんど今日の國民生活に対して大きな不安をもつておると申さんければならぬのであります。御承知のごとく、世界にその例を見ざる凶悪犯罪は出る。強盗、窃盗、すり、巾着切というようなものは、到るところに起きておる。かような観点から見まして、事件はむしろ旧に倍して増大しつつある一途をたどつておるのでございますが、この場合において、かくのごとき多くの欠員を包藏しておるこの裁判官、あるいは檢察官等によつて、はたしてその任務の遂行ができるだろうか。おそらく今日の裁判官も司法官も全知全能力を発揮して、わが國再建のために貢献、努力をいたしますることは、もとよりのことでありまして、もちろん事欠かざるよう司法権運用はいたすではありましようけれども、まことにこういう事情をつぶさに考えて見まするならば、その反面において一沫の不安なきを得ないと申さなければならぬのてあります。しかもこれだけ多くの欠員をもち、しかも件数は日々殖えつつあるという現実の上に立つて見まする場合において、はたしてそれでいいのかということを考えてみなければならないと思うのであります。かように考えてまいります場合において、おそらく今後においては勤務外の仕事が、その数も質も非常に増してくるであらうことは想像するにかたくないのであります。しかるにもかかわらず、これに反して超過勤労手当を削るということは、一体何ゆえであるか。その理由がどこにあるかということを、一應お尋ぬいたしておきたいと思う。
  67. 芦田均

    芦田國務大臣 花村君がただいま指摘されましたように、判事並びに檢事の定員が近時著しく欠けておつて、新たに辞職を申し出る職員も相当の数に上つたことは事実であります。そういう点は、今日判檢事待遇を引上げることによつて、その補充も急速に行い得るものと期待しております。目下法務廳においては、その補充にために、專心盡力しておる次第であります。  なお超過勤務手当をなぜ出さなかつたかという理由につきましては、実際上の点から考えて、決定いたしたのでありまして、これは裁判所、檢察廳ばかりではありません。各省においても、忙しい役所はずいぶんと時間外の勤務をいたしております。しかもいやしくも課長級以上くらいの責任地位におる公務員は、みずから進んで超過勤務手当を辞退しておるのが現状であります。各省において局長や課長が超過勤務手当をとつたという例はほとんどありません。裁判所、檢察廳においても、またその通りであります。公務員の精神が、この程度に振興されておるということは、私は國家として非常に喜ぶべきことであると考えておるのでありまして、一つには現状において裁判所もしくは檢察廳の高級の人々が、特に職務のために時間外に働くという理由をもつて、多くの手当を受けようという心構えの人が非常に少いということ、また事務の性質上、いきおい勤務外の仕事をしなければならぬ官廳でありますが、そういう点をにらみ合わせて、他の行政官廳よりも著しく高額の給與を支給することにきめたということも、一つの理由になつておるのであります。この点はむしろ今日の実情に適する方法と考えて、かような制度をきめたわけであります。
  68. 花村四郎

    ○花村委員 なるほど超過勤務手当は辞退しておる官公吏もあるのでありましよう。あるではありましようけれども、しかし制度の上から言つては、辞退したから何も制度として設ける必要がないという議論は、私はどこからも出てこないと思う。不必要であるということであれば、これはまた格別であります。辞退しているから超過勤務手当に関する規則を設くる必要はないという議論は、私は成立たないのではないかと思う。私は官廳のことは知りませんが、おそらく超過勤務手当も、すべての官吏が辞退しているというわけはあまりますまい。かような意味において、そういう理由のもとに削られたということでありますならば、これはまつたく理由なきものである。しかして判事並びに檢察官に関しまする俸給を著しく上げたがゆえに、この超過勤務手当を削つたというお説であつたのでありますけれども、これは私が当初に申し上げましたように、なるほど形の上では上つているけれども、実質的には決して上つておらぬというゆえんのものもまたここにある。今日までは超過勤務手当をもらい得ることに相なつておつた。どの程度もらつていたか知りませんが、おそらく時間外勤務の多いという点を考えてみますれば、相当收入があつたと私は思う。でありますから、超過勤務手当によつて今日まで薄給の官吏がどうにか、こうにか生活を支えてきたというような関係も考え得られまするのみならず、むしろ今日の時勢から申しますれば、御承知のことも能率給を支拂うべきものであるという声は非常に多い。外國においても、すでに能率給制度を実施いたしまして、相当の成果をあげているというこの事実に鑑みて、わが國においても、能率給を支給すべきものであるという声が、相当かまびすしくなつているのであるますが、こうした時勢からみましても、勤務の能率をあげる意味において、勤務外に働いたその勤労に対する諸手当を給與するということは、これは当然とらなければならぬことである。またとつてしかるべきことである。とるのがよい。しかるにもかかわらず、本法案によりますれば、そうした考えに逆行するがごとき基調のもとに、この法案が提出されているということはいわば時代に逆行する法案であるとも、この点のみをとらえて言えば言い得ると思う。こういう点から申しまして、当然こういう超過勤務手当のごときは、むしろ旧來よりもその額を増し、また與える機会も多くしてやるということであらなければならない。そうあつてこそ、初めて官吏が時間外だろうが、いつだろうが、身を挺して働き得ることに相なるだろうと思うのであります。殊にこれはこの前もちよつとどなたかの質問で言うたのか、答弁で言うたのか知りませんけれども檢察官のごときは晝でも夜でも、あるいは夜中でも、雨の日でも雪の日でも、何どきたりとも、一たび事件が起きた場合には、家を捨てて出ていかなければならぬという職に携わつている。この人々が夜中寝ずに働いておつても、なおかつそれに対して何らの報酬も拂わないという、そんな制度がどこにありましようか、先ほど岡井君が官廳には何か特別なる收入があるように言われたが、これはただに岡井君ばかりじやありません。もしそれを総理が知らぬということであれば、官吏生活の表裏をよくわきまえぬという結論に相なるので、もう少し裏面を勉強してもらいたいと思う。それでこそ、初めて官吏というものの生活に対する眞の理解をもち得るものであろうと思うのでありますが、行政官などはどちらかといえば余得がある。あるに間違いない。われわれもそれを見聞きして知つておる。これは岡井君が言われたばかりじやない。すべての人が認めておる。しかしながら、少くとも裁判官並びに檢察官に対しては、そういう余得のないことだけは明らかだ。余得がないからわが國の司法権というものはここに嚴として存し、何人も犯すべからざるところの固い基礎をもち、またそこに光を放つている。でありまするから、他の行政官等と比較をして、そうして裁判官並びに檢察官給與に関することを考えるとするならば、これは大いなる誤りであります。官吏生活の表面は知つておつたにしても、少くとも裏面を知らぬというそしりを免れないのではなかろうかと思うのであります。こういう見地に立ちまして考えまする場合において、たとえわずかの月給は上げても、こういう超過勤務手当のごときものを削るということでありますれば、その得るところの收入は、結局大同小異に帰するのであります。のみならずそれがために、ひいては勤務時間以外の仕事が結局は鈍つてくる、おろそかになる、縮小されるというようなことで、この欠員のありまするところの司法権の運用には、大きな支障を來すと申さなれればならぬと思うのであります。さりながら、総理大臣はただいまの答弁において、裁判官並びに檢察官の欠員に対しては、近いうちの補充をすると仰せられたのでありますけれども、それはしかるべきことでありましよう。補充をしなければならぬ。また補充すべきではありまするけれども、しかしこういう特殊な官吏は、すぐ補充しようというても補充するわけにいかない。司法科なりの試驗を受けたら二年なりの間その事務を修習さして、そうしてだんだん裁判官または檢察官に仕立てていくという過程を経るにあらずんば、何人を連れてきてもその職にあてはめるということのできないところの特異性をもつた官吏であるのであります。でありまするから、総理大臣がいかに熱意をもつておやりになりましても、そう簡單にこれを補充するということはとうてい困難だ。でありまするから、そういう見地に立つて補充ができるから大体超過勤務手当などはいいという見解は、大なる誤りであろうと考えるのであります。今私の申し上げましたことについての、総理の御所見を伺つておきます。
  69. 芦田均

    芦田國務大臣 いろいろ詳細の事例をあげて、花村君よりお話がありました。ごもつともな点も確かにあります。しかし判檢事及びある種の知能労働をやる官吏等においては、必ずしも役所に坐つておるという時間の長短によつて支給をきめるということが困難であることは、ちようど國会議員が毎日登院しても少々休んでも、これを時間給によつて歳費をきめることが困難なのと同じような状態が、官廳においてもあるわけです。裁判所に來ていない、あるいは檢事局に來ていなくても、事実仕事をしておる場合もあります。從つて時間外の仕事を明確につかむことは——たとえば官廳の下級の職員が、個々の命令をまつて働いておつて、タイプを打つておるとか、文書を書いておるとかいつたような仕事とは、おのずから違うのであります。從つて裁判官並びに檢察官に対して、單に勤務時間の長短をのみ目標として手当をきめるということが、必ずしも実情に即していない、こういう理由を考えたのでありますから、その点は、殊にその方面に経驗があり知識がある花村君のことであるから、必ずおわかりくださることと思います。
  70. 花村四郎

    ○花村委員 しかしこの法案を見ますれば「労働基準法の施行等に伴う政府職員に係る給與の應急措置に関する法律による超過勤務手当は、これを支給しない」こういう文句を使つてあるのでありますが、今言われたように、知能的仕事を扱う官吏であるから、時間的のことは考えないでもよろしいというようなことは、私は理由にはなるまいと思うのであります。裁判所においても、あるいは檢察廳においても、やはり他の官廳と同様勤労時間というものがきめられておる。從つてこの勤務時間を全然度外視しての考え方でありますから、そういうことは、私は議論にならぬと思う。内閣総理大臣がそういう議論をもつておるとは、私はよもや考えておらなかつた。そういうことになりますると、これは他の行政官の超過勤務手当は削らないで、やはり依然として残しておいて、裁判官檢察官だけを削るというのですか。
  71. 芦田均

    芦田國務大臣 檢事以外の行政官に超過手当を出すか出さないかということですが、裁判所及び檢察廳においても、表に出ていない官吏に対しては出すわけであります。すなわち判事及び檢事だけに出さない、こういうことなのです。それ以外の行政官廳の職員に出すか出さぬか、最終的の決定はいたしておりませんが、ただいまのところでは他の諸官廳官吏には超過手当を出すことにしたい、かように考えております。その理由は、御承知通り、現在の檢事俸給と、他の官廳の職員の俸給とは、大岩三割から四割程度の開きがある。各官廳の職員の方が手当が低いのです。そういう事情を勘案して、他の官廳官吏には、時間外の手当を出すことにしたい、かように考えておるのです。  それからさらに御了承を得なければならぬのですが、実は三時にどうしても行かなれければならぬ約束があつたのを、特に花村君に敬意を表して、三十分延長いたしたのでありますから、あとはひとつ法務総裁からお聽き願いたいと思います。
  72. 花村四郎

    ○花村委員 法務総裁ではいかぬ質問ですから、ちよつと二分ばかりお待ちを願いたい。先ほど岡井君の質問で、國家財政の窮乏を云々されたので、実はこの点について詳しくお尋ねをしたかつてのですが、時間がないようでありますから、遺憾でありますが、これは一口で申し上げることにしましよう。と申しますのは、それは行政整理の問題なのです。國家財政が窮乏であるとか、あるいは國庫に金がないとかいうようなことを、口に開けばすぐ言われるのだけれども、しからば行政整理をなぜやらぬのか。今日の行政官というものは、御承知のごとく日本で約千五百万人ですか、六人の世帶に一人の官吏がおるということになつておる。この洪水のごとき官吏というものは、これは要するに戰爭当時にあらゆる統制を強化したりして、役人が要るので、結局引きこんだ役人なんです。ところが終戰になりまして、國家行政事務というものは非常に少くなつている。減つている。減つておるのに、役人は依然として昔のそのまますえておるのでありまするから、これは人件費が要るわけです。おそらく各省における予算の大部分は人件費でありますることは、総理の御承知通りなのです。しかも仕事がなくて、ほかの官廳へまいりますれば、遊んでおる役人が相当に多い。時間内でも遊んでおる。そういう役人をひとつ整理をなすつて、そうしてここに國家財政窮乏の折柄、人件費と物件費を生み出して、國家財政をできるだけ切り詰めていくということが、要するにインフレの防止にもなる。そういう無益な役人は整理をせられて、こういう裁判官あるいは檢察官のごとき、わが國の最も重大なる司法権を預つておる人々に対して、十分に超過勤務手当などを出せばいいと思うのでありまするが、首相にして行政整理を断行される決意をもつておられるか。前の内閣から引継いだ当時でありますが、二割五分の整理をするようなことも新聞に見えたのでありますが、これは要するに実質的にやるのじやなくて、今まで欠員になつておる分を整理してやるという、その数字が二割五分に相なつておるということでありまするが、そんな生ぬるいことじやとうていだめだ。わが國のインフレ財政は救えない。そこでわれわれが崇敬する内閣総理大臣において、ひとつ大度量を示して、ここで行政整理を徹底的におやりになるという御意思があるかどうか。これを承つて、私の質問を終ります。
  73. 芦田均

    芦田國務大臣 行政整理を断行することは國民の要望であると考えております。從つてこの内閣においては、行政整理の実行案について、着々具体案を行政調査部においてつくつております。その一部分はすでに閣議においても論議を重ねたのでありまして、今しばらく時日をかしてさえもらえば、必ず行政整理は断行するということをお答え申しておきます。
  74. 花村四郎

    ○花村委員 概要だけちよつとわかりませんか。
  75. 芦田均

    芦田國務大臣 行政整理の具体的の内容については、ただいまここでお答えすることは差控えておきたいと思います。
  76. 花村四郎

    ○花村委員 いやありがとうございました。
  77. 中村又一

    中村(又)委員 時間がきておるようですけれども、法務総裁に一つお尋ねしてみたいと思います。ただ一言だけでありまするが、観念的に申しますると、かなり重大なることと存じます。檢察官俸給等に関する法律案の第一條であります。「第一條 檢察官給與に関しては、檢察廳法及びこの法律に定めるものを除くの外、檢事総長、次長檢事及び檢事長については、國務大臣の例により、その他の檢察官については、一般官吏の例によるとなつております。この條文から考えてみまして、すなわち檢察官については一般官吏の例による」となつておりまするが、われわれ長い間の考え方は、廣い意味において、少くも司法官というものは判事及び檢事を含んだものだと考えておつたのであります。なるほど新憲法に特別に司法官に対する條項があるのでありまするけれども、アメリカあたりの判例その他の資料から見てみましても、檢察官は準司法官である。一般行政官とはその性質が異なるのである。これが私は的確なる解釈の精神ではなかろうかと考えておる次第でありまするが、法務総裁の御見解をお聽きいたしておきたいと存じます。
  78. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 お言葉の通りでありまして、檢事檢察官は、廣い意味における行政官には相違ありませんが、しかしそのやつておる仕事は、いわゆる司法官的な仕事であります。外國の判例などにおきましても、これを特に準司法官——クワジ・ジヤジシアル・オフイサーと呼んでおるのでありまして、行政官のうちでは特別の行政官であると了解いたしております。
  79. 中村又一

    中村(又)委員 今日となりまして、私は修正しようというような強い考え方はないのでありますが、この第一條につきまして、この文言をほんとうから申しますると、檢事総長については最高裁判所判事の例により、次長檢事及び檢事長については、高等裁判所長官の例により、その他の檢察官については、一般下級裁判所判事の例による。こういう文句にこの條文がなつておるというと、準司法官としての給與の精神が法律上にも浮び出て、他の一般官吏のいわゆる俸給給與の問題などが、いろいろの形においていわゆる増額優遇というような動きが見えました場合におきましても、はつきりと区別があつて、いわゆる準司法官としての取扱いの立場と、一般官吏としての國家待遇の立場とが判然いたしておつたのではなかろうかと存ずるのであります。大臣の御所見を伺つておきます。
  80. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 その点はちよつと中村委員の勘違いと申し上げとは失礼でありますが、勘違いではなかろうかと思うのでありまして、ここで言つている國務大臣の例によるとか、あるいは一般官吏の例によるというのは、俸給以外の諸手当、たとえば勤務地手当家族手当、そういうものは一般官吏の例によつて支給するのである。裁判官といえども、手当は一般官吏の例によるのでありまして、裁判官報酬等に関する法律案の第九條をごらんくださいますと、報酬及び退官手当以外の給與は、これこれは國務大臣の例に準じ、その他の裁判官一般官吏の例に準じて支給するということになつているのでありますから、その点は御了解を願いたいと思います。
  81. 中村又一

    中村(又)委員 よくわかりました。
  82. 打出信行

    ○打出委員 総裁に一言お伺いいたしたいと思います。せんだつての新聞に、裁判官並びに檢察官に対する報酬の表が発表せられたときに、私のごく懇意な判檢事の人に会つて見た際に、これでは時間外勤務の手当がなくなつているから、実際の優遇にはならないという談話を聽いたのであります。まずお聽きしたいことは、判事並びに檢察官に対しては、從來時間外勤務手当は御支給にならなかつたかどうかをお聽きいたします。
  83. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 從來時間外手当というものは差上げてあるのであります。それでありますから、まずいくらか本俸が安くともがまんをしていただくことができたのでありますが、しかしその点については、判檢事の諸君にも御意向を承りまして、同じような声を聽いているのでありますが、しかしいくらか優遇にはなつているのであります。これではまるで同じだ、あるいは前より悪いということはないのでありまして、実はそういうことに相なりまするから、原案として最初閣議に提案いたしましたものは、これから平均して六、七千円上のものであつたのであります。それは國家財政現状と、他の官吏に対する給與等と比べて、とうてい採用いたしがたいという結論に到達いたしまして、やむを得がこの程度でがまんをしたようなわけでありまして、もしこれでどうしてもやつていけないというような事実が明らかになる場合には、インフレ進高状態にありましては、近い將來に再び考慮いたしますとも、とにかく一應これでひとつお願いをしようと考えているわけであります。
  84. 打出信行

    ○打出委員 超過勤務手当を支給しないということについてのお話もよくわかりましたが、ただいまの御答弁によりまして、高給の檢察官、この人方は問題ないだろうと思いますが、私どもの日常目撃するところでは、きわめて下級の、しかも年の若い新進氣鋭な檢察官、こういう人が第一線に立つて活動する機会が多いように考えられるのであります。從いまして、さような下級な檢察官に対しては、この超過勤務手当を省いたために、実收入相当減りはしないかという懸念をもつているのであります。はたしてそうならば先刻花村委員から申されたように、かえつて優遇案でないということになりはしないかと恐れているのでありますが、この点についての御意見を承りたい。なおまた法務総裁としては、超過勤務手当を支給しないというような原案で御滿足になつておるかどうかということも承りたい。
  85. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 第一の点につきましては、給與としてこれ以上のものを考えることはむずかしい状態にありますから、実際に捜査に必要な費用その他、現在もそういうものはできるだけ給付いたしておるのでありますが、そういう点について、支障を來さないように努力することによつて、下級の檢事諸君でも、安んじて仕事をなしうるように考慮いたしたいということを考えております。  第二の点については、既に法務総裁として提案いたしました原案が、平均してこれよりも六、七千円も高いものであつたということを申し上げたくらいでありますから、議会の多数が超過勤務手当を附加すべしということに相なりまして、そういう御修正が行われることでありますならば、政府といたしましては、異議を申さないばかりでなく、大いに賛成であるということを申上げるにはばからない次第であります。
  86. 花村四郎

    ○花村委員 法務総裁に今の質問に牽連して一言お尋ねしておきたいのですが、裁判官並に檢察官に関しまする超過勤務手当をせぬということにいたしたことは、要するに時間外の勤務はしなくてもいいのだという意味に解釈していいのですか。もつとも労働基準法等によりまして、勤務時間等についても、相当むずかしいいろいろの問題が各方面において起きておるのでありますが、要するに裁判官並に檢察官に対して勤務手当を支給せぬということは、時間外の勤務はやらなくてもいいのだという意味に解釈をしていいわけですか。それをお尋ねしたい。
  87. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 御承知のように、檢事——判事も同樣であると思いますが——に対しては、労働基準法を、この時間勤務の点について除外しておるのでありまして、一定量の勤務義務をもつておるものと解しておりますから、時間外は働かぬでもいいというふうには、解しておらないのであります。仕事がどうしても中断できない場合には、定時外に残つて仕事をしてもらうことを期待しておるわけであります。
  88. 花村四郎

    ○花村委員 もちろんこれは労働基準法適用されたと言うたのじやない。労働基準法によつて勤務時間というものがやかましく各方面で叫ばれておる今の時代において、もちろんこれらの官吏に対して、たとえ適用はないにしても、時代の趨勢に鑑み、やはり勤務時間というものはある程度考えなければならぬじやないかと思う。もし法務総裁の言われるようなことであれば、裁判官もまた檢察官も、いつ役所へ出ていつてもよいということになる。今は八時、冬は九時ということに大体きまり、そうして午後は四時ということに大体相なつているようでありますが、そうすると、一時に出て行こうが、二時に出て行こうが、十時に帰ろうが、十二時に帰ろうが、勝手氣ままにできるということになるのですが、そういう観念で裁判官並びに檢察官は執務をしてよいということになりますか。ただいまの法務総裁のお話によれば、時間の適用がないのであるから、必ずしも超過勤務時間というものを見ないでもよろしいというような意味の御意見であつたのでありますが、そういうことになれば、私のただいま申し上げたような結果が生ずるのではないかと思うのでありますが、そういうことは、それでいいでしようか。
  89. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 そういう結果が生ずるということでありますると、十分別に考慮しなければならないと思うのでありますが、法律的には、時間外に勤務を強制する手段はないわけであります。実際上官吏としての良心に訴えなければならぬ問題でありますが、時間外勤務というものを給することによつて、そういうことを誘惑するといいましようか、誘引するということが必要であるというまでに、檢事諸君の勤務状態が憂うべき状態にあるとは考えておらない、こう申し上げておきたいと思のであります。
  90. 花村四郎

    ○花村委員 そうすると、時間はいつでもよいということになつておりますか。
  91. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 そんなことはないのです。
  92. 花村四郎

    ○花村委員 法務総裁の言われるところによれば、時間に対する何らの制約がないと言われるのであるが、そんなばかなことはあるまいと思います。服務紀律か何かにあるのではないですか。
  93. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 言葉が悪かつたと思いますけれども勤務時間は守つてもらわなければならぬ。それ以上残つていなければならぬということを要求することは、法律上強制的にできないと思うが、しかし仕事が実質上継続する場合に、現実に勤めておるのでありますから、それは勤務手当があるから残つているというほどさもしくないと、こういうことを申し上げておるのであります。
  94. 花村四郎

    ○花村委員 それを聽きたかつたりであるが、時間は何時から何時までという規則は何にありますか。それを伺つておきましよう。
  95. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 裁判所の檢事一般官吏の例によつて出勤時間、退廳時間というものが標準になつておるのであります。
  96. 花村四郎

    ○花村委員 そうすると、やはり時間外の勤務ということが考えられることになる。そうすると、時間外の勤務をしないでも別に差支えはないということになるわけですね。そういうことになりますと、要するに今のような欠員の多いときにおいて、しかも事件の数は日に倍するくらいまでも、その率が上昇しているという今日、司法権の運用に何ら欠くるところがないというお考えをもつておりますか。それから超過勤務をいたしても、それは各裁判官なり、あるいは檢察官なりの自由意思に任せておくということで、たとえ勤務をしないでも差支えがないということになりましようか。その点を伺いたい。
  97. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 超過勤務があることを予想して、この法律は立案しているわけでありまして、まあ非常にむずかしいことでありまするが、超過勤務がどれくらいあつたかという平均をとつた率が、この中に織りこんである。こういうふうに私どもは解しているのであります。時間外勤務も当然これだけの報酬を受ける以上はやるべきものである。こういうふうに解しております。裁判官などの場合には、宅調と申しまして、家にいて調べることが相当多いのでありまするから、時間外というのは、どこを標準にしてきめるかということになると、一般官吏の場合に比べて非常に技術的にむずかしいということも考慮のうちに入れまして、この超過勤務のことを除外して、一般に率を高めた。こういうことも御了承を願いたいと思います。
  98. 花村四郎

    ○花村委員 裁判官などは記録を家へ持つて行かれて、そうして仕事をやつてこられることは事実であります。がしかし、そうした役所以外における勤務に関する時間等を測定するに困難だという御意見も、ごもつともであります。がしかし、それは例外のことであつて、あるいは家で仕事をやるのがいかぬというのであれば、役所でやつてもよい。役所でできないから家でやるというのじやないのですから、便宜上なるべく能率を上げようという意味で、そういう方法を講じているのでありますから、それは役所で正式に働かせるということになれば、家で仕事をするというようなことは、あり得なくなるのでありますが、いずれにしても、超過勤務手当というものは出すべきことは当然であろうと思う。行政官に出すと同時に、やはり司法官的な裁判官並に檢察官に出すべきは当然だと思いますが、これは出さない方が当然だと法務総裁はお考えになつて、この法案を出されたのですか。あるいは勤務手当を出すべく多少でも苦心をなさつたのですか。法務総裁も裁判上等に関しまする仕事については、最も深い知識経驗を持つておられる方でありますから、そういう点はどうですか。出さない方に努力をなすつたのですか。出すべく努力をして出し得なかつたのでありますか。それをひとつ最後にお尋ねしておきます。
  99. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 最初私が閣議に提案したときには、超過勤務がついておつたのであります。しかし種々審議の結果、超過勤務手当は削除すべきものであるということに決定をいたした次第でありまして、その経過を申し上げますならば、その間の消息を御了解くださると信するのであります。
  100. 石井繁丸

    ○石井委員 新聞紙上で見ますると、判事の一号給は二人というようなことが出ておつたのでありますが、その点についてお伺いいたします。
  101. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 判事檢事との差をどうしてつけるか、俸給を一斎にみな三百円下げ、五百円下げ、千円下げというようにしてしまえば、問題はきわめて簡單でありまするが、いろいろ考慮の末、それが必ずしも実際に適していないということに相なりまして、それでもどこかにひとつ差をつけなければ、憲法の精神を生かす上においてもよろしくないではないかということに相なりまして、最後に到達したのが、最高裁判所長官及び裁判官は、これはずつと上であることは制承知通りであります。さらに判事の一番高い者は、檢事の一番高き者よりも一段高い、そういう位地を設けよう、それによつて差別を現わそうということに落ちつきましたときに、それならばこの一号俸というものは、特別の——昨日も御説明の中に申し上げたつもりでありますが、一号俸を設ければ、全部判事の古い人はこの一号になつてしまうということになると、一斎に檢事の一番古い者たる、すなわち檢事正との間に千円ずつ全部全國を通じて開きができてしまう、これはあまりにはつきりしたけじめをつけ過ぎる、それほど区別があるものではないのであるから、そういうので、実は閣議におきまして、希望條件しはて、この判事の一号というものは、大阪、東京というような大きなところにおける裁判所長というような人にだけ適用されるものという了解を、最高裁判所に求めよう、こういうことが出ておつたのでありますが、そのことが新聞に漏れたものであろうと思うのでありまして、そういう話題になつたということがあるだけであります。
  102. 石井繁丸

    ○石井委員 大体号俸は、総数をその号級に割りまして、一号が何名、二号が何名と、こういうふうに出してきたのでありますか。ただいまのお話では、一号級は大体二人ぐらいにして、最高裁判所に了解を得よう、かように閣議でいろいろと話があつたということですが、大体さような点については、裁判所との了解がついているのでありましようか。
  103. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 これはまだ法律ができているわけではありませかし、できた上で、運用は最高裁判所の決するところによるのでありますから、法律的に私どもの方から強制することはできないのであります。從つてこれは法律ができました上で、閣議の希望條項を裁判所に傳えるというだけでありまして、その上で裁判所がいかなる内規をつくり、あるいは方法に出られるかということにつきましては、ただいまここでお答えを申し上げかねるのであります。
  104. 石井繁丸

    ○石井委員 これはこの法律と直接は関係がないのでありまして、法務廳の関係でありますが、大体法務廳の長官は、判事あるいは檢事から成つておるのであります。今度の一般行政官俸給は、長官が大体八千円から一万円、こうきまりますと、法務廳の長官も大体その辺に落ちつくであろうと思うのであります。そうしますと、判事補の一号と大体同じになろうと思います。ところが、法務廳の長官は、あるいは次官をした、あるいは控訴院長をしたというような立場の人がありますから、判事であれば少くとも一号あるいは高等裁判所長官、こういうふうになるのが、たまたま法務廳にいたという関係で、一万八千円の給料をとるべきものが八千円の給料に止まるというような事態が発生しようと思うのでありますが、これらの点については、何か法務廳としては、いろいろとお考えがあろうと思いますが、どのようなお考えをもつているか、承りたいと思います。
  105. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 その点は御指摘通り当局としては最も苦慮しているところでありまして、法務廳の職員は、他の役所の職員と違いまして、非常に多数判事並びに檢事の身分を有する者を採用しているのであります。しかし法務廳の職員となつております限り、一般行政官と同じ地位におるのでありますから、給與一般行政官の例によるわけでありまして、ずつと低いのであります。たまたま判事檢事をしておれば、この給與を差上げることができるのに、法務廳の局長、長官、課長等になつておりますために、ずつと低い給與を受けなければならぬということは、まことに不合理でもあり、実際問題として、なるたけ判檢事に戻つていきたいということになつて、法務廳が非常に手薄になる。ある意味においては、大切な構成ができなくなるようなことも考えられるのでありまして、その点につきましては、ただいま考慮中でありますから、近き將來にたとえば判檢事の身分をもつております者が、法務廳の職員たる間特例を開いていただくような便法を、御協賛を願わなければならぬのではないかというようなことを考慮しております。
  106. 石井繁丸

    ○石井委員 これは希望でありますが、法務廳の職員並びに判檢事との人事交流があるということは、いろいろ法の立案並びに運営にあたつて円滑を來すことでありますから、俸給等関係上、檢察廳並びに裁判所側から、法務廳との人事交流が不可能にならないように、いろいろと御処置願いたいと思う次第であります。  次に簡易裁判所の判事並びに副檢事の登用の点であります。大体簡易裁判所の判事が、初任給ではいるというようなときは、古い裁判所の書記というふうなものがはいろう。また副檢事については、警察署長というような人がはいるのが多いのであります。かような場合において、書記の俸給が高かつた。あるいは警察の警視としての俸給が高いというようなものは、この八号あるいは七号等の俸給において採用する場合におきまして、うまくその運営ができるかどうか。お尋ねしたいのであります。
  107. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 簡易裁判所の判事並びに副檢事の給源とでも申しましようか、採用の方法につきましては、お言葉の通りであります。ここに出発点に五百円の差を設けてあるのは妥当であると信ずるのでありますが、相当議論があつた末、こういうことにいたしたのでありまして、現実においては副檢事を採用する條件の方が、簡易裁判所の判事をとります場合よりも、嚴格であり、人を得るのに実は困つているような事情にあるのでうりますが、しかし行く行くは副檢事を採用いたします給源を拡張して、もう少し樂に人を得るようにいたしたい、こういう考えがありますために、その出発点を五百円だけ低くしてあるわけであります。しかしお言葉のように、警察署長をしておつてすでに四千円とつておつたという人をとります場合には、わざわざ八号の出発点から出すのではなくて、やはり六号の四千円から出発していく。こういうふうに運用をいたしていく予定でありますから、その点については、非常な不都合はなかろうと存ずるのであります。
  108. 石井繁丸

    ○石井委員 大体今度の俸給改訂をめぐりまして、裁判所並びに檢察廳方面において、いろいろと注文があつたようであります。今後この法律が制定されまして、実際運営にあたりましても、判事一号を何名にするとか、あるいは檢事を一号何名にするとか、かような問題によつて、また檢察廳並びに裁判所側に、いろいろとデリケートの問題も発生しようかと考えられるのでありますが、これらの点につきましては、事前に了解を十分に裁判所側にも求めておきまして、そうして法律が制定せられ、この実行にあたりまして、いろいろなる問題が起らないように御注意を願いたと思う次第であります。
  109. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 その点はまことに適切な御注意でありますから、十分御期待に副うように努力いたすつもりであります。
  110. 池谷信一

    ○池谷委員 先ほどから承つておりますと、法務廳から閣議に提出せられまして原案によりますと、本俸においてこの原案よりか六、七千円高いものであり、さらにその上に時間外手当も支給されるように承つたのでありますが、さようでございますか。
  111. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 さようであります。
  112. 池谷信一

    ○池谷委員 そうしますと、現在ここに提出せられております原案は、本俸において六、七千円削減せられ、しかも時間外手当をとられているのでありますから、実質においては、ほとんど半分以下に削減せられたと思うのであります。先ほどから法務総裁の御意見を承つておりまして、よくわかつておるのでありますけれども、これでは判檢事の特別の地位、身分あるいは責任等に鑑みまして、あまりに低きに失するきらいがありはしないかと思うのでありまして、本俸において六、七千円削減せられておるのでありましたならば、せめて時間外手当でも支給いたしまして、優遇に途を講ずるように、ぜひしたいと存ずる次第でありますけれども、これにつきまして、簡單に御意見をお伺いいたします。
  113. 鈴木義男

    ○鈴木國務大臣 その点はまことに私どもとして苦しい立場にあるのでありまして、多々ますます弁ずるのでありますが、裁判官檢事だけの給與を考えることができないのでありまして、その他行政官吏として高級なる者、殊に内閣総理大臣及び憲法第七條の規定する認証官に対する給與というようなものも、併せ考えなければならぬ立場におかれておるわけであります。その給與法律案も、近く提案いたす予定でありますが、それも閣議において同時に議せられたわけでありまして、そうなると内閣総理大臣が二万五千円という原案になつておるのであります。しかるに最高裁判所長官三万五千円、檢事総長三万円というふうに出したわけでありますが、どうしても内閣総理大臣給與が二万五千円ということに種々論議の末落ちつきました結果は、最高裁判所長官にもその線まで下つていただくしかない。そうなるとまた引続いてほかも同じように下ることに相なりまして、これは今むやみに動かしますると、非常に均衡の上にむずかしい問題を生じますので、政府といたしましては、一應この原案を通していただきたい、こう希望する次第でありまして、もしさらに増額を必要とする場合には、他の給與ともにらみ合わせながら、一斎に増額を考えていただきたい。但し時間外給與の点は、これは問題が別でありますから、國会の多数の御意思がそういうことでありますならば、政府としてむりに反対すべき理由はないと考えておる次第であります。
  114. 中村又一

    中村(又)委員 この程度で質疑を打切られたいことを望みます。
  115. 井伊誠一

    井伊委員長 それでは質疑はこれをもつて打切りにしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 井伊誠一

    井伊委員長 それでは質疑はこれで打切ります。本日の会議はこれで終ります。     午後四時十七分散会