○花村
委員 今
法務総裁の言われたことと、きのうの答弁とは、ちよつと違
つておる
ようであります。きのうは私はその点を何度もくどく念を押した。二十六日にきま
つた。きめるときは、この
法案を示して、そして
閣議で一々
俸給等に関する数字を見て
審議をなす
つたのかと言
つたら、そうだというお話だ
つた。そして二十六日にきめた。ところが二十七日に閣僚の一部の者が、きのうきめた案では、
判事の方が
檢察官より
俸給が千円だけ一率に高くな
つておるという話が
もち出されて問題に
なつたというお話であ
つたのでありますから、私はさらに念を押した。しかし二十六日にその案を示して、そしてこの数字を見てきめたものを、一千円の食い違いがあるとかないとかいう問題は起きぬではないか、もしそういう問題が起きるとすれば、二十六日の
閣議では、ろくろく案を見ずにきめたという
ようなことにもなりはせんかとまで、口をきわめてあなたにお尋ねしたことは御
承知だろうと思う。ところが二十七日は案によ
つてどうこう言うたのじやない。閣僚の一部の者に、千円ずつの差があるということで問題に
なつたというので、三十日までそれを延ばしてもら
つた。そうして二十七日に他の閣僚が言われたことが間違
つておるというので、三十日に了解を得たのである。了解とは申しませんが、再確認をしてもら
つて、そしてそれは問題にならなか
つた。こういうお話だ
つた。そういうあなたの
言葉から言えば、二十六日の
閣議でこの案が
決定していることは、きわめて明瞭でありませんか。何ら疑義を挟む余地はない。ところが
内閣総理大臣の言によれば、それは前にはきまらないのだ、三十日にきま
つたのだと言われる。ここに
内閣総理大臣と
法務総裁との間に大きな間違いがあるのでありますけれども、これはただに間違いとして看過するわけにはいかない。現在の閣僚の問で、いろいろ
意見が不一致であることは、
新聞紙上で見ておりますから、まあ
意見の違う点もありますることは、現
内閣といたしましてはやむを得ないでありまし
よう。だけれども、こういう重大問題に対して、
閣議がいつ
決定したか、それがはつきりせぬ。こういうことが、要するに社会にいろいろ疑惑をもたしめ、まだ議院内部においても、その
閣議決定に対して大きな疑いをも
つているということも、これは当然だろうと思う。きのうも
日本全國の弁護士会を代表した長野君が出てまいりまして、この点に触れておりましたことは、
法務総裁も御
承知だろうと思う。二十七日に
決定したる
裁判官並びに
檢察官に対する
俸給の
閣議決定を、
法務総裁は神戸から電話並びに電報で、
内閣総理大臣にその延期方を申込んだそうして二十九日の朝東京に帰
つてきた。ところが
檢事の多くの
諸君が降車口に押しかれて、そうしてこの
裁判官と
檢察官との
俸給に差異を認むることのけしからぬことを訴え、そこで
法務総裁は
檢事の最高の
行政長官として、三十日の
閣議で、前に
決定したものを変更したのだという
ようなことで、そこにいろいろの疑惑が生じておるのでありまするが、そういう疑惑の生ずるのも、これはむりからぬことであろうと思う。でありますから、
日本全國の弁護士会を代表した長野君は、この点を強く詰責をいたしてお
つたのであります。そうして一面においては
檢事の多くが辞職するという
ような、何と申しまするか、威嚇するがごとき態度をも
つて、この
閣議で一旦
決定した
法案を変更するという
ような、そういう不見識きわまる、また本質的の
差別を認むべきであるということを、口には言うておりながら、そういう不合理、不條理な取扱いをするという
意味において、多くの疑惑が集ま
つてきているということは、当然だろうと思うのであります。こういう事柄に対して、
法務総裁はどういう責任をおとりになるか。それを私は一應お尋ねいたしたいと思います。