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1948-07-05 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第56号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月五日(月曜日)     午前十一時四十一分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 泉山 三六君 理事 塚田十一郎君    理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君    理事 吉川 久衛君       青木 孝義君    淺利 三朗君       江崎 真澄君    倉石 忠雄君       島村 一郎君    宮幡  靖君       小平 久雄君    川合 彰武君       河井 榮藏君    佐藤觀次郎君       島田 晋作君    田中織之進君       林  大作君    八百板 正君       栗田 英男君    中曽根康弘君       井出一太郎君    内藤 友明君       本藤 恒松君    堀江 實藏君       河口 陽一君    本田 英作君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 北村徳太郎君  出席政府委員         大藏政務次官  荒木萬壽夫君         大藏事務官   舟山 正吉君         大藏事務官   愛知 揆一君  委員外出席者         大藏事務官   伊藤 八郎君         專門調査員   氏家  武君 七月五日委員神山榮一君及び武田キヨ君辞任につ き、その補欠として金光義邦君及び長野長廣君が 議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  閉会中の審査に関する件  復興金融金庫法の一部を改正する法律案(内閣  提出)(第一三四号)   請 願  一 仙臺市東北証券取引所設置促進請願外    一件(庄司一郎紹介)(第二七号)  二 昭和二十二年度分所得税更訂決定に対する    請願亘四郎紹介)(第三二号)  三 大根占町に元飛行機救難艇拂下請願(前    田郁紹介)(第七〇号)  四 官吏の出張旅費規定改正請願坂東幸太    郎紹介)(第七一号)  五 北海道の青果物公認荷受機関資金融通の    請願坂東幸太郎紹介)(第七八号)  六 靜岡專賣支局靜岡地方專賣局昇格の請    願(岡野繁藏紹介)(第一〇〇号)  七 大相撲本場所における入場税減免請願(    佐藤觀次郎紹介)(第一〇九号)  八 光海軍工廠跡敷地拂下に関する請願守田    道輔君紹介)(第一一一号)  九 食塩生産合理化に関する請願多賀安郎    君外九名紹介)(第一二九号) 一〇 昭和二十二年度分所得税更訂決定に対する    請願長野長廣紹介)(第一五五号) 一一 外國製中古自動車公定價格撤廃請願(櫻    内義雄君紹介)(第一七〇号) 一二 大衆課税反対並びに徴税費引上に関する請    願(大島多藏君紹介)(第二〇六号) 一三 化粧品に対する物品税軽減及び賦課徴收    方法等改善に関する請願川合彰武君紹    介)(第二一九号) 一四 旧軍港所在軍用建物等拂下價格に関する    請願小暮藤三郎君外一名紹介)(第二二    一号) 一五 商工業者に対する租税軽減請願小暮藤    三郎君外一名紹介)(第二二二号) 一六 福島市に証券取引所設置請願原孝吉君    紹介)(第三四一号) 一七 福島市に煙草工場設置請願原孝吉君紹    介)(第三四二号) 一八 豊里村に國有林地貸付に関する請願(小林    運美紹介)(第三四九号) 一九 木製文具並びに專務用品に対する物品税の    免税点設定に関する請願池谷信一君外六    名紹介)(第三五六号) 二〇 光海軍工廠跡敷地拂下に関する請願守田    道輔君紹介)(第三五七号) 二一 昭和二十二年度分所得税更正決定に対する    請願長野長廣紹介)(第三六六号) 二二 大衆課税反対請願赤松勇君外一名紹    介)(第四三五号) 二三 同(佐藤觀次郎君外一名紹介)(第四三六    号) 二四 大衆課税反対請願外一件(佐藤觀次郎君    紹介)(第四七八号) 二五 監査士法制定請願青木孝義君外一名紹    介)(第五〇三号) 二六 長岡市に煙草工場設置請願神山榮一君    紹介)(第五一二号) 二七 鉱業税復活請願岡田春夫君外一名紹    介)(第五一八号) 二八 陶磁器製タイル物品税改正請願早稻    田柳右エ門紹介)(第五四〇号) 二九 農業会金融債券補償に関する請願伊藤    恭一君外一名紹介)(第五六八号) 三〇 常磐炭鉱に対して過度経済力集中排除法の    指定を解除する請願(關内正一君紹介)(    第五七二号) 三一 教育映画のフイルムに対する物品税免除の    請願福田繁芳紹介)(第五八七号) 三二 ニユース映画及び教育映画事業に対する映    画産業事業資金融資順位引上に関する請願    (福田繁芳紹介)(第五八八号) 三三 觀光施設に対する産業資金融資順位引上に    関する請願高橋長治紹介)(第五九一    号) 三四 企業整備令による合同株式の還元に関する    請願河野金昇紹介)(第六〇六号) 三五 藺製品縁附上敷糸掛上敷及び茣蓙長物に    対する免税請願多賀安郎君外九名紹    介)(第六一二号) 三六 勤労所得税軽減請願伊藤卯四郎君紹    介)(第六四六号) 三七 小山町に税務署設置請願山口好一君紹    介)(第六八四号) 三八 庶民銀行設立促進請願並木芳雄君紹    介)(第七〇三号) 三九 大衆課税撤廃並びに軽減に関する請願(    川合彰武紹介)(第七一五号) 四〇 所得税法の一部を改正する請願川合彰武    君紹介)(第七一六号) 四一 中小企業に対する適正課税に関する請願(    長野右ヱ門紹介)(第七三一号) 四二 勤労所得税軽減請願吉川兼光紹介)    (第七三四号) 四三 大衆課税反対請願外二十二件(山本幸一    君紹介)(第七三七号) 四四 歯科医師事業税課税反対請願前田正    男君紹介)(第七四一号) 四五 煙管に対する物品税免税点設定に関する    請願笠原貞造紹介)(第七六五号) 四六 麻織物消費税軽減請願前田種男君紹    介)(第七六六号) 四七 玩具物品税率引下並び免税点引上に関    する請願岡野繁藏紹介)(第七七一    号) 四八 木製文具並びに木製事務用品に対する物品    税の免税点設定に関する請願岡野繁藏君    紹介)(第七七七号) 四九 医師に対する事業税免除請願前田正男    君紹介)(第八〇八号) 五〇 矢板税務署復活に関する請願青木孝義君    紹介)(第八三九号) 五一 社会保險公費医療報酬に対する所得税免税    の請願苫米地英俊紹介)(第八四一    号)五二 社会保險公費医療報酬に対する所得税免除    の請願椎熊三郎紹介)(第八四四号) 五三 木製文具並びに木製事務用品に対する物品    税の免税点設定に関する請願鈴木里一郎    君紹介)(第八四五号) 五四 医師に対する事業税免除請願川野芳滿    君紹介)(第八六一号) 五五 煙草賠償價格引上の請願(上林山榮吉紹    介)(第八七一号) 五六 助産医療に対する事業税賦課反対請願(    福田昌子君外三名紹介)(第八八一号) 五七 七宝燒に対する物品税十割減税の請願(佐    藤觀次郎紹介)(第八九三号) 五八 賣上税創設反対請願東舜英紹介)(    第九二〇号) 五九 中小企業者に対する課税軽減に関する請願    (松原喜之次紹介)(第九二三号) 六〇 医師に対する事業税免除請願坂本實君    紹介)(第九二八号) 六一 電氣税創設反対請願前田榮之助君紹    介)(第九二九号) 六二 清凉飲料に対する物品税引上反対の請願(    中曽根康弘君外一名紹介)(第九四四号) 六三 物品税改正に関する請願岡野繁藏君紹    介)(第九六〇号) 六四 靜岡城趾拂下請願岡野繁藏紹介)(    第九六三号) 六五 農産物に対する所得税課税に関する請願    (田中松月紹介)(第九八三号) 六六 農家及び中小企業者に対する金融措置に関    する請願田中松月紹介)(第九八七    号) 六七 日本樟脳製造株式会社解体請願田中松    月君紹介)(第九九〇号) 六八 賣上税設定反対請願笠原貞造君外一名    紹介)(第一〇一四号) 六九 所得税軽減に関する請願河合義一君紹    介)(第一〇一五号) 七〇 三木町に税務署設置請願河合義一君紹    介)(第一〇三六号) 七一 勤労所得税軽減請願伊藤卯四郎君紹    介)(第一〇四一号) 七二 人造バターに対する物品税撤廃請願(長    谷川政友紹介)(第一〇四八号) 七三 助産医療に対する事業税賦課反対請願(    榊原亨紹介)(第一〇六四号) 七四 同(福田昌子紹介)(第一〇六五号) 七五 同(最上英子紹介)(第一〇六九号) 七六 吉城郡農業会金融債権を再び旧勘定に移    換中止の請願岡村利右衞門紹介)    (第一〇七八号) 七七 医師に対する事業税免除請願榊原亨君    紹介)(第一〇八四号) 七八 眼鏡枠に対する物品税免税請願坪川信    三郎紹介)(第一〇八五号) 七九 連合軍宿舍ホテルに対する法律第百七十    一号適用除外等請願村上勇紹介)(    第一一〇七号) 八〇 雪國農民に対する租税軽減請願外三件(    圖司安正紹介)(第一一一〇号) 八一 農業事業税反対請願岡村利右衞門君紹    介)(第一一一二号) 八二 ホテル事業に対する資金貸出順位引上に関    する請願受田新吉紹介)(第一一一三    号) 八三 廣島市の旧軍用地償拂下請願佐竹新    市君紹介)(第一一二二号) 八四 陶磁器製便器及びこたつに対する物品税の    免税点引上請願中野四郎紹介)(第    一一三七号) 八五 農民に対する課税軽減に関する請願(田    中稔男紹介)(第一一七〇号) 八六 農業協同組合法人税課税反対請願外一    件(山本猛夫外一名紹介)(第一一七七    号) 八七 農業協同組合法人税課税反対請願(淺    利三朗君外二名紹介)(第一一七八号) 八八 農業協同組合法人税課税反対請願外四    件(淺利三朗君外二名紹介)(第一一七九    号) 八九 農業協同組合法人税課税反対請願(山    本猛夫紹介)(第一一八一号) 九〇 國有財産を市町村へ無償拂下請願安東    義良君外十七名紹介)(第一二二一号) 九一 中小商工業者に対する課税軽減に関する請    願(菊川忠雄君外七名紹介)(第一二二五    号) 九二 提燈及び行燈に対する物品税改正に関する    請願中垣國男君外二名紹介)(第一二二    六号) 九三 教育用品に対する産業資金融資順位引上に    関する請願松原一彦紹介)(第一二三    四号) 九四 有馬郡に税務所復活請願後藤悦治君紹    介)(第一二四〇号) 九五 文学者所得税軽減に関する請願佐藤觀    次郎君紹介)(第一二四七号) 九六 スポーツ税設定請願山口六郎次君紹    介)(第一二四八号) 九七 中小商工業者に対する課税軽減に関する請    願(橋本金一君外五名紹介)(第一二五六    号) 九八 電氣税創設反対請願前田榮之助君外一    名紹介)(第一二五七号) 九九 野球事業取扱業種別引上に関する請願(    山口六郎次紹介)(第一二五八号) 一〇〇 助産医療に対する事業税賦課反対請願    (若松虎雄紹介)(第一二六五号) 一〇一 賣上税設定反対請願亘四郎君外一名    紹介)(第一二六九号) 一〇二 同(周東英雄紹介)(第一二七〇号) 一〇三 陶磁器製タイルに対する物品税改正の請    願(安東義良紹介)(第一二七一号) 一〇四 時計に対する物品税軽減等に関する請願    (山花秀雄紹介)(第一二九〇号) 一〇五 人造バターに対する物品税撤廃請願(    井上良次紹介)(第一二九二号) 一〇六 緑茶に対する物品税軽減請願(五坪茂    雄君外一名紹介)(第一三〇五号) 一〇七 團扇扇子及びカレンダーに対する物品    税改正請願安平鹿一君外一名紹介)(    第一三一一号) 一〇八 損害保險料に対する取引高税適用除外の    請願坂東幸太郎君外四名紹介)(第一三    二九号) 一〇九 鍼灸あんま業者に対する事業税課税反対    の請願辻寛一紹介)(第一三七五号) 一一〇 同(岡村利右衞門紹介)(第一三七六    号) 一一一 農民に対する課税軽減に関する請願(黒    田寿男君外二名紹介)(第一四四八号) 一一二 取引高税設定反対請願外一件(西村久    之君紹介)(第一四六〇号) 一一三 取引高税設定並びに國税反則取締法制定    反対請願竹山祐太郎君外一名紹介)(    第一四六二号) 一一四 取引高税設定反対請願塚田十一郎君    外一名紹介)(第一四六四号) 一一五 鉄道運賃並びに郵便料金値反対請願    (島上善五郎君外一名紹介)(第一五一七    号) 一一六 私鉄運賃に対する課税に関する請願(佐    伯宗義紹介)(第一五三九号) 一一七 農業事業税反対請願堀江實藏君外一    名紹介)(第一五四九号) 一一八 團扇扇子及びカレンダーに対する物品    税改正請願安平鹿一君外一名紹介)(    第一五五四号) 一一九 農業協同組合法人税等課税反対請願    (黒田寿男君外二名紹介)(第一五六五    号) 一二〇 茶に対する物品税撤廃請願岡野繁藏    君紹介)(第一五六八号) 一二一 元知多飛行場土地建物施拂下請願(    佐藤觀次郎紹介)(第一五七一号) 一二二 玩具に対する物品税引下請願早稻田    柳右エ門君外一名紹介)(第一五六九号) 一二三 酒の密造防止と酒税の適正化に関する請    願(武藤嘉一紹介)(第一五七五号) 一二四 医師に対する事業税免除請願大石ヨ    シエ君紹介)(第一五八三号) 一二五 取引高税設定反対請願木村榮君紹    介)(第一五八九号) 一二六 助産医療に対する事業税賦課反対請願    (福田昌子紹介)(第一五九〇号) 一二七 鍼灸あんま業者に対する事業税課税反    対の請願外一件(大島多藏君紹介)(第一    六一二号) 一二八 助産医療に対する事業税賦課反対請願    (平川篤雄紹介)(第一六一三号) 一二九 文学者に対して事業税免除請願佐藤    觀次郎紹介)(第一六三五号) 一三〇 家具統制價格撤廃請願大島多藏君    紹介)(第一六四〇号) 一三一 木製家具に対する物品税軽減請願(大    島多藏君紹介)(第一六四六号) 一三二 入場税地方移讓並びに石炭税創設の請    願(中島茂喜君外四名紹介)(第一六五九    号) 一三三 沼津市千本松原地区償拂下請願(山    崎道子紹介)(第一六八〇号) 一三四 戰災復興並びに学校建設資金のため預金    部資金優先借入に関する請願的場金右衞    門君紹介)(第一六九五号) 一三五 取引高税設定反対請願冨永格五郎君    紹介)(第一七二二号) 一三六 農民に対する課税軽減に関する請願(清    澤俊英紹介)(第一七三三号) 一三七 木材産業に対する融資順位引上に関する    請願大森玉木紹介)(第一七四七号) 一三八 鏡及び鏡台類に対する物品税改正に関す    る請願大島多藏君紹介)(第一七四八    号) 一三九 人形及び羽子板に対する物品税改正の請    願(馬場秀夫君外二名紹介)(第一七四九    号) 一四〇 大河原税務署新築費國庫補助請願(庄    司一郎紹介)(第一七五〇号) 一四一 玩具に対する物品税軽減請願馬場秀    夫君外二名紹介)(第一七五一号) 一四二 函館專賣支局昇格請願冨永格五郎君    紹介)(第一七五四号) 一四三 弁護士に対する特別所得税賦課反対の請    願(明禮輝三郎君外三名紹介)(第一七六    八号) 一四四 助産医療に対する事業税賦課反対請願    (武田キヨ紹介)(第一七七五号) 一四五 ラジオ受信機等に対する物品税軽減の請    願(山本猛夫君外四名紹介)(第一七八一    号) 一四六 早場米報獎金に対する所得税金を六・三    制教育資金として地方移讓請願神山    榮一紹介)(第一七八六号)     —————————————
  2. 梅林時雄

    梅林委員長代理 会議を開きます。  昨日來審議継続中の復興金融金庫法の一部を改正する法律案につき質疑を継続いたします。
  3. 中崎敏

    中崎委員 最初にまず二十三年度の資金計画の全貌について御説明願いたい。
  4. 愛知揆一

    愛知政府委員 二十三年度全体の総合資金計画につきましては、的確なものはまだできておらないのであります。これは復金のみではございませんが、一應第一・四半期と第二・四半期につきまして、総体の資金需給計画について申し上げます。大体第一・四半期は実績でございますが、第二・四半期計画最初に申し上げたいと思います。資金供給の面におきましては、貯蓄の増強が六百八十億、それから一面ただいま金融機関の現状から申し上げまして、手もとの現金が相当減少いたしますので、第三・四半期におきましてはその減少を七十億と勘定いたしますが、資金供給関係の計が六百十億、資金需要の面は財政からの需要が三百四十億、そのうち中央財政の分が二百八十億、地方財政の分が六十億、以上三百四十億が財政資金需要であります。  次は産業資金需要でありますが、これは大体六百八十億と見込んでございます。そのうち一般産業が四百五十億、復興金融金庫分が二百三十億、その財政資金産業資金需要を小計いたしますと千二十億でございます。そのうち一部相互に重複するものを二十億引きまして、資金需要の純計は第二・四半期中にちようど千億になるという見込みを立てておるわけでございます。そうしますと需給の過不足でありますが、資金の不足が三百九十億円、從つて差引通貨増発高が三百九十億になろうということから、一應第二・四半期末すなわち九月末の通貨発行高は、二千六百九十五億、大体二千七百億程度ではなかろうかと算定いたしておるわけでございます。もちろんこの中にはまず第一に資金供給の面におきましては、御承知のように昨日か御審議願いました金融機関再建整備法関係で、封鎖制度がなくなりますと、七月の二十日あるいは二十一日ごろに手続が完了いたしまして解除いたすつもりにいたしております。それによつて現在約六百数十億と推計されます封鎖預金、特にその半分以上が個人のものと想定されるのでありますが、たまたま物價改訂の途中にもなりますので、引出しの状況がいかようになるかということは、心理的の將來の見透しでございますので、はたして資金の蓄積が六百十億できるか、それより少くなるか、あるいはまた封鎖制度等がなくなつたために貯蓄面にもよい影響を與えて、これをより増加するということにつきましては、非常に推計の困難な点があるわけでございます。それから需要の面につきましては、先般も御説明申し上げましたように、價格改訂に伴う当面の金融政策につきましていかがかと考えております。大体産業資金の面から九月までに現われます影響を、公價改訂影響をも加えまして、先ほど六百八十億と申しましたが、七百億前後のものは当然必要であろうと考えております。卒直に申しまして六百八十億という見込みは、あるいは多少うちわ過ぎるかもしれないわけであります。從つて先般通貨発行審議会においても、一應二千七百億という現在の通貨量目標は、そのままにするということになつておるようでありますが、同時にその期中における限外発行というようなことも、あるいは当然に予想される。從來におきましては、限外発行をなるべくせないという想定をとつてつたようでありますが、今期においてはその目標というものも、そうリジブルなものにしないというような申合せになつておるように承知しております。  次に復興金融金庫自体計画についても、先般もごく簡單には申し上げたのでありますが、一應これは第二・四半期計画で申し上げますならば、一般産業関係設備資金の百七十七億五千万円。この百七十七億五千万円につきましては、たとえば石炭とか、肥料とか、鉄鋼というようなものにつきましては、ほとんど各会社別計画をつくりまして、そしてその集計をいたしたものでありますから、ほとんど資金計画というよりは、融資実行予定計画といつた方がよいと思うくらい、確実にこれだけは要るだろうという、相当具体的の数字でございます。それから一般産業についての運轉資金は五十七億五千万円程度を見込んでおります。この運轉資金の方は、設備資金ほどしかし具体的に見積り得ない部分もございますので、公價改訂も織りこまれ、これから一面石炭その他の赤字融資はこの際公價改訂の発表後でございますから、やらないという建前、そういう建前も入れての計算でございます。  それから公團につきましては、公團関係設備資金が二十一億、運轉資金七十六億、合計いたしまして一般産業関係で第二・四半期二百二十五億程度。それから公團関係で九十七億程度、それをさらに総計いたしまして三百二十二億程度のものが、第二・四半期中の所要資金全体となるわけでございます。その三百二十二億の所要資金につきましては、第一・四半期からの繰越資金もございます。約五十億程度は確実に繰越になるので、それらを勘考いたしまして、第二・四半期としての所要増資額は、小さく見れば二百億で済む。これは先般も御説明いたしましたように、非常にぎりぎりに切りつめたあげくの最小限度計画でございますが、大体第二・四半期最小限度今回増資をお願いしております中の二百億を確実に食いまして、その上あるいは諸般の関係で、さらに二、三十億ないし五十億になるかもしれません。それから第三・四半期につきましては実はまだ公價改訂関係等が、各物資について的確にきまりませんので、正確な見透しが困難でありますが、大体第二・四半期に多少上まわる程度のものを一應見込みまして、増資額を四百五十億ということに計画いたした次第でございます。
  5. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 復興金融金庫貸出につきましては、毎四半期ごとに殖えておるわけでありますが、貸出範囲を拡大する意思があるかないか。大藏大臣にひとつ答弁願いたいと思います。復金貸出範囲が今いろいろ限定されておりますが、このわくをもつと拡げる意思はあるかないか、伺いたいと思います。
  6. 北村徳太郎

    北村國務大臣 融資内規というものはむろんあるのであります。ただいま政府委員からそれを申し上げます。
  7. 愛知揆一

    愛知政府委員 復興金融金庫融資先につきましては、金庫法それ自体のほかに、復興金融金庫融資準則というものをつくつておるわけでございます。これは法律に基く復興金融委員会の権限として、復興金融委員会で決定いたしまして、それを復興金融委員会から復興金融金庫への通牒という形で実行いたしておるわけでございます。その準則によりますと、復金の金を出す先といたしましては、まず第一に経済安定本部で作成する産業資金計画に基き、その計画上の最重要産業と、しからざるものとにわけまして、資金計画を年間及び四半期別に策定することになつておるわけでございます。なお融資準則の上では、さらにこまかい準則を設けまして、それはそのつど業態別復興金融委員会の議を経て、通牒等を行つておるわけでございますが、そのこまかい点につきましては別に申し上げることにいたしまして、原則的な準則といたしましては、そのほかさらに次のようなことが書いてあるわけでございます。すなわち一般の金融機関が自己の危險負担で融資をなしがたい場合、しかもその企業が経済復興に必要であると認められるものということになつておりまして、さらにその内容として事業の見透しが困難なこと、経理状態が安定を欠くこと、適当な担保がないこと、回收が長期にわたること、事業の育成に相当の時日を要することというような事情が掲げてあるわけでございます。
  8. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 御承知のように現在農村の金融機関が非常に梗塞しておりますので、その方面において相当金が逼迫しておることは、当局が御存じだろうと思うのであります。少くとも新しい農林金庫ができなければ農林の團体とか、あるいは漁業会、そういう方面にこの復金の金を融資するようなことができないかどうか。その点について当局にお伺いしたいのであります。
  9. 北村徳太郎

    北村國務大臣 農業の金融の問題はきわめて重大であると考えるのであります。從來は一つの途として、相互金融的な意味においての農業会の活動というものが、ある時代には相当にあつたのでありますが、農業会の金融部門もまた、金融機関の再建整備等の関係がございまして、このたび農業協同組合に切換えるというようなことで、金融的な部門の活動というものが非常にできにくくなつておる。從つてその影響を受けまして、農業会の決済中枢とも言うべき農林中央金庫もまた、これは諸般の経済的な今日の時代の一つの大きな影響を受けまして、昔のように活発に活動ができにくい状態になつております。それから北海道拓殖銀行、あるいは日本勧業銀行のごとき、專門の農林関係金融機関というものも、これまた現在の事情としては、昔の時代のごとくに、きわめて活発な資金活動を農村に與えるということが、できにくい状態になつております。こういうような現状から見ましても、どうしても農村の金融の問題は解決しなければならぬと思うのであります。この農村の金融の問題のうち、自由経済時代の金融と違いまして、今日は必要な主要資材は國家の配給機関を通して配給を受ける。それから農村の生産物の大部分は供出の制度になつておるというような関係で、昔の自由経済時代のごとき金融機関は必要ではないかもしれませんけれども、今の事情に対應すべき一つの金融機関はやはり必要である。こういうふうに私どもは考えております。  それでさしあたりの問題といたしましては、この委員会においても詳しく申し述べましたように、現在農業手形で一應当面の金融は賄つております。それでもつて恒久的な金融機関はどうするかという問題につきましては、実はいろいろな案を立てまして、それぞれ関係方面と折衝を続けておるのでありますが、ただいまここで具体的に申し上げる段階にははいつておりません。しかし農村金融は非常に重大でありますし、しかもまた一面において農村金融が……。金融の背後の資材が裏づけられておるかどうかというようなこと、すなわち具体的なる計画と、これに基く資材があるかないかということによつて、つまり純粹な農村生産への金融であるかどうかという点、これはいろいろ檢討を要する点がございまして、折衝を重ねておりますが、まだ今日具体的にここでこういうかつこうの農村金融を、これからやるということをやつてまいる段階にははいつておりません。けれどもこれは非常に必要なことでありますから、私どもの方といたしましては十分力を盡して、農村金融の確立に努力いたしたい、かように考えておる次第であります。
  10. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いま一、二点お伺いしたいのでありますが、今度の新しい要求を入れますと、大体千三百億ほどになるわけであります。それで一体この状況をいつまで続けていかれるか。最近の回收状況につきまして、この前のときもお伺いしたわけでありますが、最近の回收状況はどんなようになつておるか。ひとつ銀行局長に伺いたいと思います。
  11. 愛知揆一

    愛知政府委員 本年の四月の現況を申しますと、融資額の累計が千百六十一億五千四百万円、回收額の累計が五百十八億七千百万円、回收融資額のパーセンテージが四四%というようになつております。さらにいま少し過去のところを見てみますると、当然のことでございまするが、昨年の三月は回收額が三%、九月が一七%、いずれも累計でございますが、十一月が三四%、本年四月が四四%というような状況になつております。
  12. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 大体の回收状況をお伺いしましたが、もう一点お伺いしたいのは、健全財政大藏大臣は主張されておりますが、一方において復金のこういう貸出しがどんどん止め度なく増加いたしますと、結局これほどつらい財政計画をやつてつて、收支を償いましても、復金の方で穴が抜けていつてしまうというような危險があると思うのであります。そういうような意味で復金インフレをどういう程度において止めるか。またどういう計画でこの復金のインフレを食い止めるかということにつきまして、大体の見当がありましたら、大藏大臣から御答弁願いたいと思います。
  13. 北村徳太郎

    北村國務大臣 いわゆる復金インフレというような言葉が出ることにつきまして、復金のことは非常に関心をもたれておるのであります。これはただいま御指摘のように健全財政と申しましても、復金等の金融の面でこれが崩れていくことがあつてはならぬというので、非常にその点は警戒しておりますが、今回の五百十五億の財政的收支による價格の修正によりまして、赤字金融というものに対して相当還元されるということになると思います。今後赤字金融は、おそらく当分はそれで一應しなくてもよくなるのではないかというふうに存じますので、金融の点から申しましても、それだけ健全化したと申してもよろしいかと思うのであります。それから復金金融は特に資材その他の経済活動をにらみ合わして出しておりますので、一應の時間的なずれというものが考えられますけれども、確実な生産計画と資材の割当と、にらみ合わしたところでないと出さぬことにいたしておりますから、特別な赤字金融を除いては、現在は生産活動に直結するような出し方をしておるというようなことで、ただいま銀行局長より申し上げました通り、回收率等も漸次改善されておる、こういう事実もございますのであります。私どもといたしましては、たびたびこの委員会からもいろいろ傾聽すべき御意見が出ておるし、それらのことを十分取入れまして、ただ復金の特殊性に鑑みて、回收率のよいものだけ選択して出すというわけにはむろんまいりませんので、國全体の生産計画に基いて出すのではございますけれども、しかしいやしくも回收について注意を怠るようなことがあつては相ならぬという点等につきまして、今後十分考えてまいりたいと思つておる次第であります。
  14. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 この復金貸出が貨幣の方へどんなふうに影響しておるかということについて、銀行局長から少し御説明いただきたいと思います。
  15. 愛知揆一

    愛知政府委員 通貨増発のその原因の関係において復金の占める地位でございますが、たとえば昨年度——本年の三月までの通貨増発の原因を、主として日本銀行の帳尻から見まする場合に、大体におきまして二十四、五パーセントは復金から來ているものと言うことができるように考えます。これはちよつとただいま正確な資料はもつておりませんのでありますが、昨年の四月から本年三月末までの、昭和二十二年度の財政の收支、それから復金債の償還状況、それから市中銀行を通しての貸出、回收の状況等を通覽いたしまして、その期間における通貨増発高に対しまして、財政の收支によつて起りますところの、いわゆる財政から通貨の増発の原因になつておつたものは、一〇〇%を実は超えておると思うのであります。その一〇〇%を超える中の二十四、五パーセントは、復金関係が占めておるものである。あとの部分は中央財政関係が占めておる。さらにそのほかの地方財政の赤字というものがそのほかに加わりまして、結局中央財政と、地方財政と、復金関係と、三者合わせますると、一二〇%ぐらいに達するわけであります。そうして一面市中金融の関係では、日本銀行への回收の超過がちようど二%ぐらい占めておりまして、差引の殘りが通貨の増発になつておる、かような状況になつております。
  16. 塚田十一郎

    ○塚田委員 いろいろと審議が進んでまいつたのでありますが、ここで大体私が結論的にお伺いしたい二、三の点をお尋ねしておきたいと思うのであります。それは今の大藏大臣の御答弁でもよくわかりましたように、当局も農林金融というものが非常に重要なものだということの御認識は、十分おありのように私ども拜聽するのであります。そこでこれに関連しまして、先般創設せられました農業手形制度というものが、実は本日の新聞で拜見しましたところによりましても、割に実績があがつておらない。割に利用が少いというように私ども考えるのであります。私どももう少し利用者があるはずじやなかつたかと考えておるのでありますが、あれはどういう事情であんなにうまくいかなかつたのであるかどうか、この辺の理由について、何か当局でお調べになつたものがあつたら、お聽かせを願いたいと思います。
  17. 愛知揆一

    愛知政府委員 農業手形の実績につきましては、たしか昨日だつたと思いますが、日本経済新聞に非常に詳細に実績が出ております。たしか農業手形で供給されました資金の総額は、現在は約六億円になつておると思います。それから地域的に見ますると、御承知の通りあの農業手形の話が推進されましたきつかけは、北海道、青森等における肥料の配給に関連しての問題でありましたために、北海道、青森等に早くこれが実行されておつて、東北、北海道方画では、相当農業手形の活用も円滑にいつたわけであります。その後の情勢で、ただちにこれを全國に及ぼすことにいたしたのでありますが、人手の関係その他で、何分今まで手形等に習熟されておらない階層を相手にしておつた関係もございまして、たとえば東北地方等には、それぞれ專門家が各農村まではいりこみまして、手形の書き方、その他の講習会を開くというようなことまで進んだのでありますが、関東から関西、九州方面につきましては、それまでの手配がつかなかつたために、十分の効果があがらなかつた面もあるかと存じます。しかし率直に申しまして、私どもから見ますると、よくこれだけのものが出たという点もあるような状況であります。今後ますます農業資金の季節的な需給の面につきましては、農業手形制度を大いに活用してもらいたいと考えておるのであります。
  18. 塚田十一郎

    ○塚田委員 そういたしますと、農業手形制度は、先般創設せられました当時の状況、ああいう状況が続く限り、ずつと繰返してあの制度を保存されていくお考えであるのかどうか。この点を念のためにお伺いいたします。
  19. 愛知揆一

    愛知政府委員 大体において続けていくつもりで考えております。但し本年度におきまする農村のああいう季節的な資金需要につきましては、その資金の量から言えば、例年と非常に違いまして、激増しておつたように思われます。その資金需要の量については、來年度はもつと減ることを期待してよろしいのではないかと考えております。
  20. 塚田十一郎

    ○塚田委員 次に先ほどの大藏大臣のお話でも承知したのでありますが、農業に対する資金の融通の部面には、やはり資材の割当をにらみ合わしてというお話があつたのであります。これはまあ一應ごもつともなお話で、資材がないところに金を出して、その金が目的と反するところにいつてしまうということは、インフレを惡化さす大きな原因になるのであります。そこでもう一つ私どもがお考えを願いたいのは、農村でもやつぱりもう少し資材ももらいたい。資材自体をたんと割当てにならない上において、資材もやれないから金もやれないというのは、これはちよつと話が違うのではないか。金がないから農村では計画も立てられない。計画が立てられないから、それが政府の総合的計画の上に、農村のそういう計画があるということが出てこず、資材の割当の面にも、つい等閑になる面があるのではないか。私どもが承知しております範囲でも、農村でも最近はいろいろなことを考えております。特に單作地帶の農耕地帶におきましては、やはり近い將來に單作だけではやつていけない。いろいろ多角的に農業を経営していくのでなければ、とても農業経営自体が成り立たないという考え方が、眞劍に考えられつつあるのでありまして、それに関連して、結局金がない、物がないということになる。そこで金もほんとうに必要と認められるものは出してやれる。それと同時に物も出してやれるというように、総合的に御判断願うのではなくては、私は農村の復興、農業経営の將來というものは、健全にいかないのじやないかと考えるのでありますが、その点について大臣の御見解をお伺いをいたしたいと思います。
  21. 北村徳太郎

    北村國務大臣 これはきわめてごもつともな御意見でございまして、ただ今日まで農村からの要求の中には、非常に漠然とした金融の要求が相当ございまして、これではちよつと困る。それからきわめて長期で巨額の金を要するような計画については、農林関係においては割合に國あるいは地方公共團体でやる仕事の分が多い。すなわち國の公共事業費のごときは、これはやはり農業再生産に必要な部門で、その金を利用してやつておるというのも少くない。これは当然國としてやるべきことでもありますが、その結果として相当農村を潤おしておる点もある。それで金融でございますが、むろんこれはお話のごとく、今のようなときに漠然と金融はできぬ。從つて具体的な計画を伴わなければならぬのであります。その計画の中にたとえば資材の配分等において、農村に対して非常に農村の農業生産を阻むようなものがあるとするならば、これは是正しなければならぬのでありますが、かような点につきましては、安本、農林当局とも十分協議をいたしまして、そういうふうな具体的な計画に基く農業の生産に必要な資金の金融については、ひとつ事欠かぬようにすることが私の務めであると考えておりますから、ただいまのお話の点は、もちろん十分取入れてやつていきたいと考えております。
  22. 塚田十一郎

    ○塚田委員 そこで昨日いろいろお伺いいたしました、政府が現在抱懐しておられる農業金融に対する対策——ある程度その対策は実行可能と思われるような対策をいろいろ伺つたのでありますが、私どもが伺いました範囲におきましても、なおそれは確かに農村においての資金の必要な一面をカバーできるけれども、やはり他の中小工業その他の産業の、相当大きな面を今日復興するために、國家資金もしくは國家の援助によるいろいろな金融の政策によつてめんどうをみてもらつておる。そういうことを考えますときに、やはり農業だけがどうもまだめんどうをみていただき方が非常に少い。殊に農業は今食糧がこういう状況下にありますために、相当大きな犠牲を拂つて國家の全体の政策に奉仕しておる。そういうような産業自体の國家に対する奉仕道というようなものとにらみ合わせて考えてみましても、もう少し農業の方にもめんどうをみていただく余地があるのじやないかと考えております。そこで今度増資になつております四百五十億の復金資金というものが——私実は中途からまいりまして、はたしてどういう配分になるのか承知いたさなかつたのでありますが、あの中に農林金融というものに出せるわくがあるのかないのか、その点おそらくないのじやないかと私どもは想像しておるのでありますが、その点をちよつと伺いたいと思います。
  23. 北村徳太郎

    北村國務大臣 これは今までの復金の成立ちから考えましても、やはり一應破壊された日本の工業生産、そういうものの回復に主力を注ぐことが大体目的でございまして、しかもまた一方において、割合に大量の金をかけなければやりにくい漁業方面の漁船の建造というような面等には出し得ると思うのでありますが、今問題になるほど、とにかく復金が農林関係の、殊に長期のそういうふうな資金には、大体あまり出ていないのではないかと思います。具体的なことは当局より説明いたさせます。
  24. 愛知揆一

    愛知政府委員 第二・四半期計画で申しますると、農林業三億、水産業五億五千万円、こういう一應の計画をつくつたのであります。ところが先般も御説明いたしましたように、これは六百億増資案の場合でありますので、四百五十億増資になりますと、大体その見当だけ減らさなければならぬということになつております。それから御参考までに申し上げますと、第一・四半期の大体実績とみてよろしいと思うのでありますが、第一・四半期設備資金は、農林業に対して二億七千万円、運轉資金が五千万円、それから水産業が五億五千万円、これは全部設備資金でございます。大体こういうような状況になつております。
  25. 塚田十一郎

    ○塚田委員 そこで多少あつたのも増資の総額が削られてしまつたために、もうまつ先に削られてしまつたということであると、なおさら私どもとしては遺憾にたえないのであります。そこで私どもが今希望いたしておりますのは、結局政府が今抱懐しておられる対策とにらみ合わしての数字になると思うのですけれども、私どもはとにかく農林金融は農林復興だ、やはり特殊の機関によつてつていただくのが一番いいのじやないか。これは普通の他の中小工業の金融、それから他の一般産業金融とは少し性質が違うからして、特殊な機関によつてぜひやつてもらう方がいいのじやないか、こういうように考えておるのであります。しかしながら当面の問題として今ここでなかなか急速に案も立ちにくいのでありますから、やはり今度の復金増資の中から、相当大きなものを、ひとつもう一度農林金融のために再考慮していただいて、割いていただく。そのためにもしどうしても四百五十億のわくが小さ過ぎるというのであれば、これはこの際にもう一度國会の意思としても、大きくしてそういうものをぜひ出していただく。そこでその額として、私どもは少くとも來るべき第二・四半期の三箇月間において、三十億くらいはどうしてもひとつみていただきたい。そこでそういうわくをとつていただいて、そうして資材の配給とにらみ合わせて、ほんとうに納得のいくものにはどんどんと出してやつていただく。こういうことにぜひお願いしたいと考えておるのであります。そこでいろいろ復金融資の技術上の問題として私どもが考えておりますのは、新しく殖やしていただくか、もしくは今の四百五十億の中からわけていただく三十億を、農林中金を通してひとつ自由な農林金融というものに使つていただきたいという考え方であるが、それが今の復金の融資の準則の上から、もしくは内規の上から可能であるかどうか、この点をひとつ伺つておきたいと思います。
  26. 愛知揆一

    愛知政府委員 この点は先ほどからお話が出ておりますような状況になつておりますので、一般的な原始的な農林業については、ただいまは直接融資の対象にしておりません。しかしながらこれは復興金融金庫法関係で抵触するからやつてないのではなくて、復興金融金庫というものが、從來の考え方でいくならば、直接にそういうものは対象にせぬで、ほかの方に前進すべきであるということで、たしか一昨年の十一月に通牒という形で、そういう原始的な農林水産業について、直接の融資はしないということになつておるのであります。でありますから、これを復興金融委員会の議を経まして、その通知を撤回すれば、法規上は行政的にできることになると思うのであります。
  27. 本藤恒松

    ○本藤委員 復金の融資増額に対してちよつとお尋ねしたいのであります。むろん石炭であるとか肥料であるとかいうような、重要な一つの國策の線に沿つた産業に融資をやられておるのでありますが、必ずしも日本再建のこの重要産業だけでいけるのではなくして、かりに石炭で言うならば、やはり亞炭の増産も必要なのであり、ただいまも塚田さんの言われるように、かりに肥料の増産をやると同時に、農村においてあらゆる農作物の増産であるとか、それに必要ないろいろの面をやはり重要視していかなかつたならば、日本の再建なり、日本のほんとうの、いわゆる増産というものはできないのでありますから、われわれといたしましては、今後この復金の融通に対しまして、あらゆる中小工業者や、農業團体や、一般の國民の中から、眞に必要な物に迫られており、金融の拘束されておるときには、ぜひ政府として、額はかりに少額であろうとも、これは融通の途をつくつていただかなければならぬ。ただ、今國策として石炭である、肥料であるというだけで、復金の融資をやつていかれるならば、——石炭や、肥料や、また鉄鉱に対しまして、これらが特権的な融資であるならば、またここに不当財産の問題にからまるような、醜惡ないろいろな問題が起きてくる。これはどうかとひとつ大藏当局におきましても、実際國民の必要な面は、やはりただある一定のところに置かずして、全般にわたつて必要であるというものに対しては、融資の途を今後つくつていただきたい。なおまたそういう特別融資がいかに重点的であつたとしても、その方法に対してはもつと嚴重なる監督をして、將來過らざる途をつくつていただきたい。  なお大藏大臣としては一般のわれわれの要求するような、いわば石炭に対しては亞炭の方面までやろうとか、肥料の面なら農村團体までやろうという御意思がおありになるかどうか承りたい。なお今までのような大きい一つの國有でやつておるようなことを、今後相当の注意をもつてやられるか、その二点を承りたい。
  28. 北村徳太郎

    北村國務大臣 ただいまの御質問は前に同樣なことが出まして、一應お答えをしたのでありますが、ただいまのお話は、これは日本の金融全体にかかることでございまして、私ども考えておりますのは、ほかの機関とほかの事業と金融との結びつきというものの中で、農林関係が金融から少し離れている感がある。從つて農林関係の金融については、これを隔離する必要があるということを先ほどから実は申しておつだわけであります。元來復金は御承知の通り復金の発生の動機、理由というものが、日本においては工業生産の設備というものがほとんど破壊された。これを一日も早く復旧、復興しなければならぬので、從つて普通金融機関ではそういう危險なことはできない。從つて普通金融機関ではできないけれどもやらなければならぬ。國の仕事として生産手段の回復をするというような点に力点をおいてできたものと思いますから、特殊の使命を帶びている。從つてこれは日本の主として工業生産の回復のために、手を打つ一つの機関としてできたわけでありまして、これは原始産業の金融の対象というわけではない、中小商工業等もこれは代理でございますから、あるいは中小企業の貿易部門等の金融も要るので、そういう部門も設けておりますけれども、これは御承知の通りそういう面については、いわゆる一般の金融銀行でかなり金融をやつておる。大体それでもやれるというのでありますが、復金復金の分としてやつたおる。この問題は非常に問題になつております。農林関係をどうするかということでありますが、これは農業会が活発に働いたときにはそれを通し、また農林中央金庫等が動きまして、それで割合に円滑にいつておつたのでありますが、農業会も今のところちよつと振わず、解散をしなければならぬ。新たにできた農業協同組合はまだ農村の金融を承るほどには成長してはいない。また農林中央金庫もいろいろの関係資金の面に潤沢でない。勧業銀行、北海道拓殖銀行のような、農村專門の銀行というものも、今の時勢の変遷等で、どうも昔のように活発に資金が出せない。そうすると農林関係復金をどうするかという問題が起るわけであります。それは今御指摘の通りでありますから、これはただいま具体的な案をいろいろ考えまして、塚田委員からも修正が出ております。これも一つの問題でありますし、その他当局といたしましては、今後主として農林金融というものをどうするかという問題について檢討いたしております。これはこちらばかりでもいきませんので、関係筋の方ともいろいろ折衝を続けているところでありまして、おそらくわれわれの考えているような案が具体化するであろうと思うのでありますが、いろいろ折衝を重ねておる、こういうような状態になつておりますので、さよう御了承願いたいのであります。  それから亞炭につきましてもこれは石炭に次いで——次いでというと語弊があるかもしれませんが、亞炭は亞炭としての動力経済の上に重要な役割をもつておりますから、これを軽んじてはならぬという点においては、御意見とまつたく同樣でありますから、これの金融等についても、今後は十分注意いたしたい。それから復金そのものについてのいろいろ今まで問題にされた点もありますので、最近は特に復金の事後の監査等についても、今までよりはるかに力を入れてやつておりますから、從つて先ほどちよつと御報告に申し上げたのでありますけれども、回收率等も相当に成果をあげている。こういうような点は御了承願いたい。かように考えております。
  29. 倉石忠雄

    ○倉石委員 先ほど銀行局長のお話を聽き漏らしたのですが、第一・四半期設備資金として農業、水産業にお出しになつたその金額をお聽かせ願いたい。
  30. 愛知揆一

    愛知政府委員 第一・四半期二億七千万円、農林業の設備資金運轉資金が五千万円、この運轉資金というのは農藥関係運轉資金、それからこれは第一・四半期の——先ほどあるいは実績と私は申し上げたかもしれませんが推計でございます。まだこの計画通り現実に出ているかどうかははつきりいたしません。それから水産業関係では設備資金が五億五千万円、これは主として漁船の建造費でございます。
  31. 倉石忠雄

    ○倉石委員 先ほどのお話で、原始農業については復金融資の対象にならないように承つておるのでありますが、この二億七千万円の設備資金というものは、どういう方面にお貸出しになるのですか。
  32. 愛知揆一

    愛知政府委員 これは主として搾油関係、それからイースト菌の培養関係といつたようなものが多いのでありまして、もう一つ代表的なものは製粉、それからカン詰もはいります。これは何と申しますか、いわゆる農村工業といつたようなカテゴリーに属するものでございます。さらに役所の関係で申しますと、農林省が所管しておりますような工業というものと違うのであります。
  33. 倉石忠雄

    ○倉石委員 復興金融金庫貸出の実際の事務のことを見ますと、戰時中に行われておりました命令融資に非常に似たようなところが実際あるのであります。それで業者が復金に借入を申込んだ場合に、御承知のように復興金融金庫は興銀の人々をもつてつておられる。構成事務家はほとんど興銀から出ておる人が多いのであります。そういう関係もあるでありましようけれども、復金に借入を申しこみますと、回收の確実なものは、大体これを興銀にまわして、よく興銀にかりに借款を申込んでも、非常にむずかしような場合には、にれは復金にまわすというようなことにして、救済ということに非常にこれが利用されている点が多いということを、業者の間では見ているわけであります。この点はたくさんそういうことを訴える者が多い。そこで当局に伺いたいのは、興銀に対しては政府はどの程度の監督をしておりますか。
  34. 愛知揆一

    愛知政府委員 まず第一に興銀との関係でございまするが、お言葉を返すようになるかもしれませんけれども、御承知のように建物も東京において一緒でございますような非常に密接な関係はございますが、理事長以下理事、その他の主要経営陣も、もちろん興銀だけではございませんで、他の方面からも——全部他の方面からといつてもよいほど出ておられるようであります。  それから融資関係におきましても、日本銀行、勧業銀行、その他から相当たくさんはいつておりますし、また閉鎖機関であります朝鮮銀行、台湾銀行あるいは朝鮮殖産といつたようなところの出身の人も、最近非常に殖えております。また市中銀行からもなかなかとりにくいのでありますが、努力して採用しておりますようなわけで、復金の当事者としても、そういう非難のありますこともよく知つておりますので、できるだけそういうことの疑いを受けないようにということで、注意をしているように見受けておるわけであります。つまらぬ話でありますが、現に最近も非常に事務の分量が殖えまするし、人も多いので、興銀から独立いて別にバラツク建の、土地も全然別な所へ離れて事務所を建てようというような計画すらしておるわけであります。  それから興銀に対する監督の問題でありますが、興銀は御承知のように、現在のところはまだ特殊銀行でありますので、重役の選任等につきましても当局で積極的に任命し、あるいは認可するというようなことをやつております。それから監理官を特派いたしておりまして、大口の融資等については、常時報告を徴し、監督しているようなわけであります。普通銀行に対するよりはよほど監督は嚴重でございます。これはもはや時日の問題でございまして、興業銀行は今回の金融機関再建整備に伴いまして、普通銀行になることになつております。そうなりますれば一般の銀行に対するとまつたく同じ監督関係になるわけであります。現在のところは今申しましたような特殊の監督を受けているようなわけであります。
  35. 中崎敏

    中崎委員長代理 暫時休憩いたします。     午後零時三十一分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後四時三十分開議
  36. 中崎敏

    中崎委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
  37. 梅林時雄

    梅林委員 請願を審査されましたこの機会に、政府委員にお尋ねしたいのでありますが、國土計画委員会において六月二十五日採択、内閣に送付されております津久見港を開港場に指定の請願、番号は第一八四号でございますが、これについて政府委員にお尋ねしたいわけであります。と申しますのは、開港場でございますので関税関係もありまして、これらの面から大藏当局としてもこれを開港場に指定する可否の結論が出てくるわけでありますが、まず現在東九州に指定の開港場があるかどうかということについてお伺いいたしたいと思います。
  38. 舟山正吉

    ○舟山政府委員 ただいまのお尋ねにお答え申し上げます。東九州にはただいまのところ大分、宮崎を通じまして開港場はございません。
  39. 梅林時雄

    梅林委員 現に東九州のセメントその他重要物産が海外にすでに輸出されつつあるのでございますが、これらのものは一應津久見港などで積込みましたものを門司までもつてつて、また門司港でそれを積み直していくといつたようなことは、現在開港場に指定されておらないがゆえであるといつたことも聞き及んでおります。東九州方面における産業の復興にしろ、あるいは発達をはかる意味からいたしましても、われわれはぜひとも適当なる位置に開港場のできることを希望しておるのでありますが、津久見港につきましては、すでに國費を投じまして、港の工事もほとんど完成に近いような状態であります。以上のようなことからいたしまして、政府におかれては東九州に指定の開港場をおかれる御意思あるや否や。もしありとするならば、このたび採択された津久見港の開港場指定などにつきましても、御考慮願えるや否や。これについてお答えをいただきたいと思います。
  40. 舟山正吉

    ○舟山政府委員 津久見港につきましては、最近輸出の実績が相当見るべきものがありますし、港湾の設備等も着着と進捗せられているように承つております。つきましては、今後わが國といたしましては朝鮮、台湾等との貿易、その他一般外國との貿易にますます依存せざるを得ない現状といたしまして、津久見その他の港に関しまして、開港の指定をいたすことにつきましては、できるだけ速やかなる機会に善処いたしたいと考えております。
  41. 梅林時雄

    梅林委員 速やかなる機会ということでございますが、政府としても現在のいろいろな客観情勢もありましよう。あるいは政府部内におけるいろいろな計画の御都合もございましようけれども、おおよそ來議会などにはこれらの指定に関してお考慮願えるや否や、さらにかさねてお伺いいたしたいと思います。
  42. 舟山正吉

    ○舟山政府委員 非常に重大なる支障のない限り、できまするならば次の議会には善処いたしたいと考えております。
  43. 梅林時雄

    梅林委員 お言葉に私といたしましては満足する次第でございますが、何とぞ同地方の東九州における重要性を御考慮願いまして、現在國土委員会において採択されました津久見港開港場指定については、格段の御配慮を願いたいことを重ねてお願いいたしまして、質問を打切ります。     —————————————
  44. 中崎敏

    中崎委員長代理 それでは日程第九六、スポーツ税設定請願について、紹介議員山口六郎次君。
  45. 山口六郎次

    山口六郎次君 戰後の混迷のうちにおきまして一陣清新の氣を吐いておりますのは、スポーツであろうと思うのであります。そうしてスポーツがいかに國民の精神の高揚に大きな影響を與えるかということにつきましては、今さら私が申し上げるまでもないと思うのであります。從いましてこうした観点に立ちまして、スポーツはこれらをみずから行う、ないしはこれを見聞するにかかわらず、また競技團体の法的性格ないしは経営の手段によらず、その存在の理由は、健康とフエヤ・プレー精神の高揚であるということも、申し上げるまでもないと思うのであります。しかしてスポーツに関しましては、從來他の享樂的娯樂ないし興行と根本的に相違するのであります。しかるにもかかわらずこれが課税に関しましては、まつたく享樂的娯樂ないし興行と同じような方法において課税がされているのであります。これがために、これが大衆の負担という面におきまして、またこれが経営の面におきましても、かなり矛盾が小くないと考えているのであります。從いまして今後これが日本の精神的、文化的再建のためにも、一般の興行と区別いたしまして全然別個に取扱うべきものである。その課税は大衆、特に青少年学徒の負担力に應じて課税せられるべきものであると確信するのであります。かような点からいたしまして從來の娯樂と別なスポーツ税を新設していただきたい、かような請願の趣旨であります。よろしくお願いいたします。     —————————————
  46. 中崎敏

    中崎委員長代理 次に日程第一一七、農業事業税反対請願について、紹介議員堀江實藏君。
  47. 堀江實藏

    堀江實藏君 今回政府提案の農業事業税は、すでにきわめて過重なる所得税に苦しむ果樹栽培農家に致命的打撃を與え、將來の貿易農業として重要視せらるる果樹産業の発展を阻害することはなはだしく、かかる惡税の設定は、日本農業將來の進路を誤らしむるものと考え、ここに日本果実協会の決議に基き、同法案が國会において否決せらるるよう、特別の御配慮を煩わしたいという請願でございます。どうぞ御採択をお願いいたします。
  48. 川合彰武

    川合委員 本日の日程の第一、第一一、第一三、第一六、第一九、第二八、第二九、第三六、第三七、第三九、第四〇、第四一、第四二、第四五、第四七、第四八、第五一、第五二、第五三、第五五、第五九、第六六、第六九、第七〇、第七一、第七二、第七八、第八四、第九一、第九二、第九五、第一〇三、第一〇四、第一〇七、第一一一、第一一八、第一二一、第一二二、第一三〇、第一三一、第一三四、第一三六、第一三八、第一三九、第一四一、第一四五の請願を採択せられんことを望みます。なお採択の上は内閣に送付せられんことを望みます。
  49. 中崎敏

    中崎委員長代理 ただいまの川合君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
  50. 中崎敏

    中崎委員長代理 それではさよう決定いたします。  暫時休憩いたします。     午後四時四十八分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後六時四十分開議
  51. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議を開きます。  午前に引続きまして復興金融金庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑を継続いたします。
  52. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 質疑は打切られんことを望みます。
  53. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 佐藤君の動議に御異議ありませんか。
  54. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議なしと認めます。大藏大臣
  55. 北村徳太郎

    北村國務大臣 総理の出席の御要求がございましたが、総理は昨夜病氣いたしました。しかし農村金融問題の重要なることに鑑みまして、病を押して今朝参りまして、このことについてさらに昨夜に引継き私ども協議をいたしまして、この問題の解決に努力いたしておるのであります。努力の方法についてはすでにやや具体的なことを申し上げておりますが、これの実現には責任を負うて、必ず御期待に副うようにいたしたいと存じております。またこのことに関していろいろお考えのほども伺つておりますし、また政党の立場として特に強く御要望になる次第も十分わかつております。またそういうことはなくても、現在農業金融に関する機関が一應ストツプした状態でありますから、これは國としても國の農業政策の観点から、金融機関の整備をしなければならぬということも十分心得えておりますので、このことに関しましては、政府としても責任を負つてやるということも昨夜の閣議で決定いたし、本日また與党三派の三党首が会合いたしましてそのことについて結論を得まして、その線に沿つておのおの努力するというような申合せもできたのでありまして、これについては皆さんの御要望に十分應ずることができると私は信じておりますので、さよう御了承願いたいと思います。
  56. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 それではただちに討論に入ります。塚田君。
  57. 塚田十一郎

    ○塚田委員 民主自由党の立場を代表いたしまして簡單に討論いたしたいと思います。  私どもが今度の復興金融金庫増資の法案について抱いておる感じは、復金の運営そのものについては、私どもが前会において強く発言いたしましたその線と今でも変つておらぬのであります。ただ前回の増資の際にも強く要望いたしました点につきましては、復金当局並びに政府がこれに歩調を合わせられ、その線に向つて努力していただいて、ややその効果をあげておられたということの結果を、このたびの審議に際して御報告を得ましたが、なお一層その線に向つて御努力を盡していただきたいということであります。このたびの増資に関連いたしまして、特に新らしい問題といたしまして強く要望いたしておきたいことは、農林金融とそれから中小商工業に対する金融というものが、今度の復金増資には考慮されている面が十分でないということを私どもは強く感じ、そうして何とかこの方面にももう少し御考慮を願いたいということが、先般來質疑に際して強くお願いをしておる点なのであります。そこで中小商工業の問題については、ややその成案ができ上つているように承知しておるのでありますけれども、農林金融につきましては、特に與党の國民協同党から強く要望せられておる線に、全面的に私どもも同感なのであります。その考え方からいま一應政府が努力されて、近い將來に必ずその成果をあげるだろうと予期せられるというのでは、私どもはなおはなはだ不満の意を表明いたしたいと考えておるのであります。その不満の点は、まず第一に政府がお示しになつている数字がもし正しいといたしますれば、月五億、一・四半期において十五億という数字では、今日の物價の情勢から見、また農業が非常に長期間、あらゆる方面において施設の改良その他の資金を十分投下しておらないという過去の実績、それから過去の日本農業の歩まなければならなかつたいばらの道を考えると、この額では非常に不十分である。私どもは少くとも一箇月に十億程度、一・四半期に三十億程度は、ぜひ何らかの形でこれを支出できるように御努力願いたい。従つて政府が今お考えになつている月五億の線に、さらにできるならば別の方法において、もう五億くらいを考慮していただきたい。そこでその方法として私は一應復興金融金庫の今度の増資のわくの中から、これは第三・四半期の分まであるのでありますから、一時借りられるということであれば、他のわくを崩さずにいけるのではないかということを考えております。その形は必ずしもそれに限りませんが、何らかの形において、もう五億程度、來るべき第二・四半期において、総額においてもう十五億程度、農林漁業の金融のために、ぜひ御支出願いたいという強い希望をもつております。それからいま一つは、金を支出していただく方法、それからそれを融資される方法において、今度の方法が金融本來の形からいけば、やはり非常に変則的なものであるということを私どもは痛感いたしております。やはり金融は金融本來の形において支出していただけるようにというこの二つの点において、政府の善処をお願いしたいという強い希望を付しまして、政府原案に賛成をいたします。
  58. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 河井君。
  59. 河井榮藏

    ○河井委員 私は社会党を代表いたしまして本案の成立に賛成いたすのでありますが、この際二、三の要望を強く主張しておきたいと思うのであります。元來復金は、荒廃した日本の産業を再建するために、普通銀行でやることのできない莫大な資本を投資して、新しい設備なり、あるいは復旧設備費に主たる目的が置かれてあつたのでありますが、今日の復金の状態は、單にそういう復金本來の目的を逸脱して、赤字金融もやる、あるいはまた一般産業について金融もする。毎期々々にだんだん金額が多くなつて、今度は千三百五十億にもなる。そして仕事の範囲はきわめて厖大になり、日本の産業全般にわたつて金融するということになつております。從つてその仕事は非常に複雜になつており、あまりにも多く仕事をやりすぎるがために、この前塚田委員からもしばしば言われましたように、復金の貸付についても嚴重に、特にその取立については嚴重にやらなければならぬということはわれわれも同感でありまして、常にそういうことを主張しておるのであります。これは復金のやるべき本來の仕事以外にやつておるからであります。今日すでに戰爭が済みまして、來月でまる三年になります。日本の経済もようやく復元すべき時期が到來しているのではないかと考えます。從つて普通銀行において投資することのできない超重点産業は復金においてやることにして、他の一般の産業については普通銀行に扱わすことにしなければならぬ時期に達しているのじやないかと考えます。そうするならば普通銀行は自分の責任において貸出も嚴重にし、取立も一層嚴重になるということになるのでありまして、しかも今日復金の金というものは、大部分はいわゆる復金公債によつて日本銀行が賄つておる。それも結局同じことになる。普通銀行に対して日本銀行が信用を供與していくならば、國家の立場からいつたならば同じことになる。むしろこの復金の大きな仕事を普通銀行にわかつことによつて、金の貸付なり取立てなりがきわめて緻密に集約的に行われる。そうして國の金をむだに使うことが少くなるということができるのでありまして、まさにその時期に立つておるのではないかと考えます。私は今度の改正については最早期日も切迫しておりますし、これが通らなければ石炭も肥料も止るということでは困るのでありまして、これは通さなければなりませんが、この次からはそういう点まで考えられて、ここで一大変換をして、復金の今までのやり方をもつと根本に立ち返つて、大体の仕事は普通銀行にやらせる。そうしてその金は復金が信用を提供する。結局これは同じことになる。日銀が復金債券を引受けておるのですから、そういうことにする方が私はよいのではないかと考えるので、その点について十分な御考慮を願いたいと考えます。  それから現在のままの機構でいくならば、先ほど塚田委員が言われましたように、中小工業に対してもつと強力な支持をして、わくももつと拡大して、十分に融資をしてもらわなければならぬと考えます。殊に農業生産に対して復金ははなはだ関心が少いと考える。言うまでもなく農林中央金庫は農業会の金を預つたり出したりする、いわば上銀行みたいなことをやつておりまして、中金そのものは農業生産に対して直接投資するような非常な抱負はもつておらない。また勧業銀行は今日農業生産に対して金を出すだけの資力もなし、機能をまつたく失つているのでありますから、どうしても農業生産に対しては、復金によりまして力強く支持してもらわなければならないと考えます。これはひとり國協党の立場からばかりでなく、社会党におきましても強くこのことは要望しておきたいのであります。一般中小工業者に対しましても、またこの農業生産に対しましても、十分なる資金の融資を極力なされまして、農業生産を保育助成されることに、十分注意せられんことを強く要望いたしまして、私はこの案に賛成をいたします。
  60. 本藤恒松

    ○本藤委員 政府原案に復金投資の問題に対しては賛成はいたしますが、やはり意見をひとつ附け加えたいと思うのであります。  國協でも農業團体に関するいろいろな問題について御意見があるようですが、これはわれわれも全面的に賛成いたすのであります。なお民主自由党の方から提案されたこともわれわれも賛成いたすのであります。われわれといたしましては殊にこの問題を公平にひとつ運営していただきたいということを、強く要望いたすのであります。ちよつとした例を申し上げて、実際面のことを今後願わなければならぬことは、政府はやはり重要な事業の一つとして、石炭に代るべき産業の燃料として亞炭を増産させている。月別の産高を割当ててくる。これはやはり亞炭公團として買上げて一般の配給にいたすわけであります。しかしこれは一部東北または長野縣の方面においても、雪の多いところはそういう生産をあげておつても、公團の手続上、搬出して貨車に乗るまでは金は拂わぬということならば、半年というものは全然荷が動かない。事業は進んでいかなければならぬ、労働者の賃金を拂わなければならぬという場合に、地方銀行では融資しません。これは公團が面倒をみるか、それとも復興金融金庫の方で面倒をみるか二つの面でありますが、大体復金でみるということもあるのであります。要するに重点的に石炭であるとか、肥料、鉄鋼、そういう方には、莫大に、今日あらゆる面から見ましても不当という文字を使わねばならぬほどの不当支出をしているが、一般の國民の中には、やはり政府に指定されて重要でありながら、これに対する資金困難のために、その行き方を誤つて、今いろいろな問題が、刑事問題として起つているものもあるのであります。これは一業者だけでなくして、その公團の官吏までが、その実情においてやつたことが、既に今日刑法上の問題にもなつているのでありますが、これは復金の運営が公正でなかつたという点に私は帰すると思うのでありますから、どうか今後はひとつ政府当局としても運営の公平を期して、一般の中小商工業なり、農業團体のあらゆる方面にやつていただきたいということを、強く意見を申し上げて賛成する者であります。
  61. 堀江實藏

    堀江委員 私ただいま民主自由党の塚田委員、社会党の河井委員、社会革新党の本藤委員からお述べになりましたいろいろの希望條件なり要望に対して、全面的に同意を表するものでありまして、ただこの復金問題については、私としてもいろいろ意見をもつておりますが、簡單に申しますならば、復金は御承知のごとく、運営なりあるいは資金の回收なり、そうした面、あるいは今問題になつておりますさつき本藤委員から述べられましたいろいろな刑事事件も起つておるような、反省すべき多くの問題があることは、皆樣もすでに御承知の通りでありまして、ただ復金がほんとうに日本の経済を再建するというために、これをやられるという措置については、もちろん同意をするものであります。しかしいろいろ質疑應答にもありましたように、この措置が運用によつてはインフレの大きな要素であるということは、大臣並びに政府委員からお述べになりました通りでありまして、インフレを招來せぬように、技術的な運営を願いたいということをお願いします。さらに民主的運用にしていただきたいということを要望いたしまして、本案に賛成を表するものであります。
  62. 梅林時雄

    梅林委員 私は民主党を代表して政府原案に賛成の意を表するものであります。資本金七百億円から九百億円の増資をせられまする場合におきましても、私どもは先ほど同僚委員から述べられましたようなことにつきまして、るる申し上げたのであります。爾來われわれは政府当局のおとりになつたところの方法について監視して來たのでありますが、もとより政府の努力もわれわれはよく存じております。また関係方面との折衝についても非常な努力を拂われておることも、われわれの認めるところであります。これは同僚委員から先ほど來要望のございましたように、本委員会全員の要望であろうと存ずるのであります。そのような意味におきまして、政府におかれましては、本日國協党から特に強い要望がありまして、われわれはけさほど來それらの話について承つたのですが、今後本委員会における要望を御反省願いまして、われわれ委員会における切なる氣持をお汲取りの上、ぜひ目的達成の上に御努力あらんことを切望いたしまして、私の討論にかえる次第であります。
  63. 河口陽一

    ○河口委員 私は日本農民党を代表いたしまして、今回提出の本法案に賛成をいたすものでありまするが、それに対しましては先ほど大藏大臣が御説明になりました今後における農業金融に対しては、間違いなくこれを実施してもろうという、固い條件のもとに賛成をいたすものであります。
  64. 内藤友明

    ○内藤委員 各党それぞれ御所見をお述べになつたのでありますから、私どもも一應申し上げまして賛成の意を表したいと思うのであります。実は皆樣にお詑び申し上げなければならないのは、まことに時間が遅れまして申訳ない次第でありますが、惡からずお許しをいただきたいと思います。  ただいま大藏大臣より農林金融につきましての御所見を伺い、かつまた先ほど苫米地官房長官が、わざわざ國民協同党の控室にお見えになつて、この問題に対する政府の重大な決意を表明せられたことを諒といたしまして、私どもはそれを信じてこの案に賛成するものであります。
  65. 北村徳太郎

    北村國務大臣 この際ちよつと一言申し上げます。政府といたしまして、殊に熱心な御要望に対しましては、これに副うよう十分努力いたしたいと思つております。ただ復金はどうも場合によると不当に惡く見られるような点があり、この点は復金当局においても非常に苦しい立場におるのであります。理事長とか理事とかが、ほしいままに金は出せないことになつておりますし、いろいろ委員会その他の組織がございまして、しかしお話が出ておりましたように、反省に反省を加えて、いろいろ注意をしてやらなければならぬことはもちろんで、私どもはまたその線に沿つて十分努力いたしたいと思います。大体普通銀行でやれるものは普通銀行でやるようにという、御要望もありました。公團金融は普通銀行でもやれるようになつておりますが、これについては資金関係もあり、金融機関再建整備が漸くできたというようなことで、これから日本金融機関が整備されていこうというときでありまして、今何といたしましても復金のような存在がなくてはならない。資金力がないので、資金を融通すべき道が開かれても、公團金融全部を普通銀行でやれるかというと、やれないような状態であります。さような点については非常に苦んでおりまして、かような点は漸次御要望に副うようにしなければならぬと思いますが、今ただちにやることはなかなか困難である。それからまた公債は普通銀行にまわせばいいではないかという考え方をすることも一つの方法でありますが、國家資金を普通銀行にまわすことにはまだいろいろ問題がござろまして、その点はなお十分檢討いたしたいと存じております。その他いろんな点について御意見を伺いましたが、私どもといたしましては、御希望に副い得る限りのことはいたしたいと存じております。政府としてなお一應この機会に申し上げておく次第であります。
  66. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 討論は終局いたしました。  採決いたします。本案に御賛成の諸君の起立を求めます。
  67. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決確定されました。  次に御報告を申し上げます。昨日本委員会において閉会中における会議継続の決議をいただきまして議長に進達いたしておきましたところ、本日その返事がまいりました。閉会中の委員会の審査に関する件としまして、「閉会中に審査を行う委員会の運営に関しては、議院運営委員会に諮問の結果によることに決定したから御了承を願いたい。一、閉会中の委員の開会日数は十日以内とすること、但し法規により閉会中もなお開く義務のある委員会はその限りでない。閉会中の委員の発言については発言日数は十日以内とし、一日は一回に限ること。委員会は定足数のないため開会できないことのないよう、出席可能の小委員を選任してこれに当らせること。」というのであります。そんな関係でこの運営に関して理事会を開きたいと思います。  ではここでちよつと御挨拶を申し上げます。長い第二國会の会期でありましたが、本日をもつて委員会は付託議案をとどこうりなく終結いたしました。これはひとえに委員各位の精励恪勤、殊に行き届かぬ委員長をよくお引きまわしいただきました御好情の賜と、心から御礼を申し上げる次第であります。なお審議にあたりましては、昨晩も大藏大臣の官邸で申しましたが、本委員会に付託された議案は六十七の多きに上つております。衆議院に提案されたのが全部で二百二十二でありまして、ちようど委員会に付託された議案はその三分の一に相当する多数なのであります。しかもその中には重要な議案がたくさんあり、公聽会、参考人の口述等、委員会を開くこと六十回に及んでおります。この間委員各位の御精励はもちろんでありますが、大藏当局その他政府御当局においても、なにかと特別の御精励をいたでいたことは、まつたく感謝にたえない次第でありまして、厚く御礼申し上げます。なお委員部の緒方さん初めお三方には非常な御無理を願つたり、ごむりな使いをお願いしたわけですが、いささかもいやな顔もせずお盡しくださつたことは、委員各位に代つて厚く御礼申し上げます。さらにまた速記の皆樣でありますが、ずいぶんとこの委員会は遅くまでやり、御無理なこともお願いいたしましたが、非常によくお盡しいただいたことを、これも委員各位に代つて御礼申し上げます。なおこの委員会の書記の森永君は、多数の法案を具体化して、委員長報告等に御盡力願つたということも、併せてこの機会に厚く御礼申し上げます。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後七時十一分散会