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1948-06-15 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月十五日(火曜日)     午前十一時四十二分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 泉山 三六君 理事 塚田十一郎君    理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君    理事 梅林 時雄君       淺利 三朗君    江崎 真澄君       大上  司君    倉石 忠雄君       島村 一郎君    宮幡  靖君       小平 久雄君    川合 彰武君       佐藤觀次郎君    松原喜之次君       八百板 正君    金光 義邦君       栗田 英男君    中曽根康弘君       長野 長廣君    細川八十八君       井出一太郎君    内藤 友明君       本藤 恒松君    河口 陽一君       本田 英作君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 北村徳太郎君  出席政府委員         経済安定本部財         政金融局長   佐多 忠隆君         大藏事務官   平田敬一郎君         大藏事務官   伊原  隆君  委員外出席者         專門調査員   氏家  武君 六月十四日委員山口喜久一郎君辞任につき、その 補欠として小平久雄君が議長の指名で委員に選任 された。     ————————————— 六月十二日  減額社債に対する措置等に関する法律案内閣  提出)(第一四〇号)  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  財務局及び税務署増設に関し承認を求めるの  件(内閣提出)(承認第六号) 同月十四日  薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出)(第一四一号)  旧軍用財産貸付及び讓渡特例等に関する法  律案内閣提出)(第一四三号)  保險募集取締に関する法律案内閣提出)(  第一五〇号) 同月十二日  團扇、扇子及びカレンダーに対する物品税改正  の請願安平鹿一君外一名紹介)(第一三一一  号)  損害保險料に対する取引高税適用除外請願(  坂東幸太郎君外四名紹介)(第一三二九号)  鍼灸あんま業者に対する事業税課税反対請願  (辻寛一紹介)(第一三七五号)  同(岡村利右衞門紹介)(第一三七六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  國有財産法改正する法律案内閣提出)(第  七八号)  未復員者給與法の一部を改正する法律案内閣  提出)(第九八号)  大藏省預金部特別会計昭和二十三年度におけ  る歳入不足補てんのための一般会計からする繰  入金に関する法律の一部を改正する法律案(内  閣提出)(第一三二号)  國有鉄道事業特別会計及び通信事業特別会計に  おける事業運営以外の行政に要する経費財源  に充てるための一般会計からする繰入金に関す  る法律案内閣提出)(第一三三号)  復興金融金庫法の一部を改正する法律案内閣  提出)(第一三四号)  減額社債に対する措置等に関する法律案内閣  提出)(第一四〇号)  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  財務局及び税務署増設に関し承認を求めるの  件(内閣提出)(承認第六号)  薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律  案(内閣提出)(第一四一号)  旧軍用財産貸付及び讓渡特例等に関する法  律案内閣提出)(第一四三号)  保險募集取締に関する法律案内閣提出)(  第一五〇号)     —————————————
  2. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 会議を開きます。  先般の委員会において内藤委員より発言がありましたが、そのお答えをしたいというので、大藏大臣より発言を求められております。この際発言を許します。
  3. 北村徳太郎

    北村國務大臣 内藤委員から御発言のあつた御趣旨は十分承つたのであります。実は先般來この予算をめぐりまして、はなはだこれは露骨な言い分ですけれども、少し内閣としてこれを通過させるための熱意が足りないのではないかという感じを私はもちましたので、閣議において特に発言を求めまして、與党それぞれの代表としての閣僚間においては、これを通過させるために全力をあげてもらいたい。今になつて予算が停滯でもすると、物價その他の関係があつて重大なことになるから、十分に討議上の責任をもつてもらいたいという、たいへん強い発言がありまして、その日の記者会見において、多少私の用語が用意が足りなかつたという点もあつたと思うのでありますが、そういう趣旨の言葉は記者会見で話をしました。これはこつちでも修正、あつちでも修正ということになつたのでは予算めちやめちやなつてしまう。そういうことのないようにしてもらいたいという、強い発言をしたということを申したのでありますが、その間に多少の行き違いがあり、表現に強弱等がありまして、それがために内藤委員の御発言と相なつた次第であります。この点ははなはだ遺憾と存じますが、私も國会議員の一人でありまして、最高機関たる國会審議権等について、これを干犯するような意思は毛頭ございませんし、ただそれぞれの與党を代表せられる閣僚において一層の努力をしてもらいたい。それから政府責任をもつて出した予算案通過のためには、全力をあげて御努力を願いたいということを非常に強く発言をした、こういうようなことについて、記者会見の場合に話をしたことがあります。少し行き違いがあつたようであります。それから私の用語が少し足りない点があつたと思いますが、さような意味でありますから、どうか御了承置きを願いたいと思います。     —————————————
  4. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 本委員会にたくさんの法案が付託されましたので順次これを議題とし、政府説明を求めたいと思います。第一に國有財産法改正する法律案議題とし政府説明を求めます。     —————————————
  5. 北村徳太郎

    北村國務大臣 ただいま提案になりました國有財産法案提案理由を御説明申し上げます。  國有財務法につきましては、日本國憲法施行に伴い昨年五月法律第五十三号及び第八十六号をもつて、とりあえず所要部分的改正行つたのでありますが、なお國有財産に関する法制を整備する必要が認められましたので、同法附則をもつて國有財産法全面的改正を要することが規定せられ、これが調査審議のため國有財産法制調査会が設置されたのでありまして、このたび同調査会において愼重審議の結果、國有財産法案が作成されましたので、ここに提出する次第であります。  次にこの法案のおもな点を申し上げます。まず本法案第一章においてはこの法律趣旨國有財産範囲國有財産分類及び種類等國有財産に関する総則的規定を定めたのであります。この法律趣旨道路法河川法等その他特別法規定せられているものを除いては、國有財産管理及び処分についての根本法規を定めることにあります。國有財産範囲についてはこれを現行法より拡張いたしまして、新に無体財産権社債地方債投資信託受益証券を加えますとともに、國有財産分類を、財産性質から見て行政財産普財産とに大別し、行政財産をさらにその用途または目的によつて公用財産公共福祉用財産皇室用財産及び企業用財産の四種類に区分しまして、法制的にその体系を整えたのであります。  次に第二章においては國有財産管理及び処分機関を明定して、その責任を明らかにするとともに、大藏大臣國有財産事務の全般にわたつてこれを総轄することとしたのであります。なお新に國有財産事務地方自治團体等に対する委任規定を明確に定めた次第であります。  第三章においては、大藏大臣総轄権國有財産調整審議会に関すること及び國有財産管理並びに処分に関する詳細な規定が定められております。大藏大臣総轄権につきましては國有財産運用を効率的にするとともに、その適正をはかるため各省各廳における國有財産の使用その他について必要な調整を行うことができることとし、総轄大臣たる大藏大臣に対する各省各廳の長からの協議事項を整備して、國有財産管理の万全を期するとともに、さらに國有財産調整審議会を置いて、調整的措置に関する諮問機関としたのであります。また國有財産無償貸付及び讓與範囲を具体的に規定いたしまして、その管理及び処分の適正を期することといたす一方、異なつた会計の間における所管換等を有償とし、会計間の整理を明確にいたすこととしたのであります。  最後に第四章において國有財産の台帳に関する事項規定し、また國有財産の増減及び現在額、見込現在額及び無償貸付に関する國会報告事項規定して、國有財産の変動及び現状を常に明確にするとともに、國有財産管理及び処分について、政府責任を明らかにすることといたした次第であります。  なお現行法規定せられております境界査定規定は、國が私人に対して相当強権的な権限を有することになりますので、通常の民事法上の取扱いに委ねることとして、本法案から除くことといたしました。  以上がこの法律案提出いたしました理由であります。     —————————————
  6. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次は大藏省預金部特別会計昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、政府説明を求めます。     —————————————
  7. 北村徳太郎

    北村國務大臣 次に大藏省預金部特別会計昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案提出理由を御説明申し上げます。  先般提出いたしました昭和二十三年度特別会計予算に計上いたしておりまするごとく、大藏省預金部特別会計におきましては、歳入歳出とも六十九億九千三百九十万五千円と相なつておりますが、歳入の面におきまして、この会計固有歳入といたしましては、二十四億一千三百九十二万六千円でありまして、四十五億七千九百九十七万九千円が不足することとなりますので、この不足分につきましては、一般会計から、これを補足する必要があるのであります。  また國有鉄道事業特別会計におきましては、歳入歳出とも千二百六十九億一千四百三十万五千円と相なつておりますが、歳入の面におきましては、今回の運賃値上げによりまする増收を見込みましても、陸運行政費以外の経費を支弁するのに百億円の不足を生ずることとなりますので、この不足分は、一般会計から、これを補足する必要があるのであります。  通信事業特別会計におきましては、歳入歳出とも、八百九十一億六千八十五万五千円と相なつておりますが、歳入の面におきましては、今回の郵便料金等値上げによる増收を見込みましても、逓信行政費以外の経費を支弁するのに、五千億円の不足を生ずることとなりますので、この不足分は、一般会計から、これを補足する必要があるのであります。  以上の三特別会計昭和二十三年度における歳入不足一般会計から補足いたしますためには、法律をもつてこれを規定する必要がありますので、さきに本國会審議を経て公布いたしました大藏省預金部特別会計昭和二十三年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正して、これを規定いたしますため、この法律案提出した次第でございはす。     —————————————
  8. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次に國有鉄道事業特別会計及び通信事業特別会計における事業運営以外の行政に要する経費財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案議題に供します。大藏大臣の御説明を求めます。     —————————————
  9. 北村徳太郎

    北村國務大臣 ただいま委員長からお述べになりました法案の御説明を申し上げます。  國有鉄道事業特別会計所属として経理しております経費のうち、事業運営以外の行政に要する経費と認められるもの、すなわち  一、陸運に関する監督助成及び統制に関する経費、  二、陸運の用に供する機械器具の製造、修理その他の事業に関する監督助成及び統制に関する経費  三、倉庫営業に関する監督助成及び統制に関する経費  四、観光事業の育成、指導その他外客誘致に関する経費  五、國有鉄道國有鉄道に関連する國営船舶及び國営自動車における旅客及び貨物の輸送上の公安維持に関する経費、 につきましては、御承知のごとく、この会計が、いわゆる企業会計でありますので、その事業企業的な運営に資し、かつその健全な発達に資するために、その財源一般会計から同特別会計に繰入れることといたそうとするものであります。また通信事業特別会計所属として経理しております電波の管理に関する経費は、企業運営以外の行政費に属するものでありますので、國有鉄道事業行政費について、先に申し上げましたのと同様の趣旨に基きまして、その経費財源につきましても、一般会計から同特別会計に繰入れることといたそうとするものであります。しこうして、右に申し上げました一般会計から両特別会計に対し繰入金をすることにつきましては、法律をもつてこれを規定する必要がありまするので、この法律案提出いたした次第であります。  なお、先に申し上げました國有鉄道事業における公安維持に関する経費につきましては、その性質上から申しますれば、これを一般会計に計上して経理するのが適当かと存ぜられまするが、経理事務の簡捷上から、さしあたりこれを國有鉄道事業特別会計所属とすることとするため、これに関する所要規定もこの法律案のうちに設けた次第でございます。     —————————————
  10. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次に復興金融金庫法の一部を改正する法律案議題とし、大藏大臣説明を願います。     —————————————
  11. 北村徳太郎

    北村國務大臣 復興金融金庫法改正につきましては、既に数次にわたり國会の御審議をお願いして來たところでありまするが、今回さらに資本金増加のため同法の一部改正法律案提案いたした次第であります。御承知のように復興金融金庫資本金は、去る四月に七百億円より九百億円に増加いたしたのでありますが、その際に申し述べましたように、この資本金はおおむね六月末までに必要とする資金の最小限を賄うためのものでありまして、すでに貸出金も限度に近く達しましたので、今回さらに本年末までの所要資金を四百五十億円と見込み、資本金を千三百五十億円に増加することが必要となつたのであります。  復興金融金庫資本金がかくのごとく巨額の金額にまで増高いたしまするにつきましては、これが通貨金融面に対するなみなみならぬ彰響にも鑑みまして、國会始め各方面より種々御意見ないし御要望を承つておるところでありますが、もとよりこの点につきましては関係者一同深く留意し、いやしくも放慢に流れることのないよう、細心の注意と努力をいたしておるところであります。  今日復金融資は引続き増加傾向をたどり、五月末現在既に七百億円を突破するに至りましたが、これが増加理由を案じまするに、まず産業界資金需要の面から申し上げれば、経済再建の根幹たる石炭、鉄鋼、肥料等重点産業を初め、その他産業における設備の復旧、拡張等計画が逐次軌道に乘りまするにつれ、これら増産に伴う各種の資金需要が著しく増加してまいりましたことであります。他方これら資金供給面より見まするに、再建途上経済界不安定期にありましまては、各企業採算状況あるいは將來の見透し等よりいたしまして、自己資本の調達は必ずしも良好とは申しがたく、かつ金融機関蓄積資金預金の減少、信用取引萎縮等によりまして十分ではなく、その金融活動は遺憾ながら円滑を欠くところがあつたのでありまして、いきおい復金依存傾向が顯著に現われてきたものと存ずるものであります。もとよりかかる復金依存傾向は速やかに是正を要するところでありまして、政府と致しましては他の施策と相まち、復金融資の対象を極力限られた範囲に限定いたしまして、つとめて市中金融機関を活用することを希望いたしておるところでございます。今般の増資額は、先ほど申し述べましたように、さしあたり本年末までの所要資金を四百五十億円と予想して定めたものでありますが、生産計画進捗状況と、物價改訂の影響を考慮いたしまするときは、はたはだ窮屈な金額と存ずるのであります。政府といたしましてはこの際從來の融資方針を相当修正し、嚴格に健全金融方針を貫徹いたしたいと存じております。  次に復金融資の事後の監査指導の問題でありますが、前会御審議の際の御要望もあり、この点につきましては、目下関係者において種々檢討中であります。いずれ近く組織的な檢査ないし監察の制度を実施するに至ることと存じております。これにより企業の経営の指導をはかるとともに、融資金使途状況の不適正と認められまするものにつきましては、融資の差止め、即時回收等、断固たる処置に出ることとして、資金の最も効率的な運用を期したいと存じております。  御承知のように復興金融金庫資金は、ほとんど復金債券の発行によつて調達しておるのでありまして、債券消化成績の如何は直接通貨膨張に影響いたしまするに鑑み、当事者一同極力これが消化努力いたしておる次第であります。しかしながら金融界資本不足により十分の消化成績をめぐるに至つていないことは、まことに遺憾に存ずる次第であります。  最後回收促進の問題について一言申し述べたいと存じます。今日まで復金融資長期資金を主としておりました関係上、回收額はきわめて少額に止まり、この点についても種々御批評を承つていたところであります。復金の現在の人的能力制限等より、融資後の管理について不十分な点もあつたことと存じますので、今後とも回收強化については万全の努力をいたす所存でありますが、さしあたつて復金機構を改め、新たに管理部を設けましてこの点を強化いたしてまいりたいと存じております。  以上に申述べました外、復金機構並びに運営につきましては、種々御意見も承つており、関係当事者におきましても、それぞれ愼重に檢討を行つておるのでありますが、その中法制的措置を要するものにつきましては成案を得次第、國会の御審議を煩わしたいと存じております。  今般提出いたしました復興金融金庫法の一部を改正する法律案は、以上の諸種の事情十分勘案の上、さしあたり本年第三、四半期末までの資金最少限度を見込みまして、資本金の増額を実行いたすためであります。すなわち第一、四半期末の資本金の余裕を考慮し、この際現在資本金九百億円を四百五十億円増加して、これを千三百五十億円といたすことを適当と考へたのであります。  以上復興金融金庫法の一部を改正する法律案につき、提案理由説明いたしました。     —————————————
  12. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次に減額社債に対する措置等に関する法律案議題とします。大藏大臣説明を願います。     —————————————
  13. 北村徳太郎

    北村國務大臣 次に減額社債に対する措置等に関する法律案についてその提案理由説明いたします。  企業再建整備法特別経理会社整備計画認可を受けまして、特別損失の一部を債権者に負担せしめて、いわゆる旧債権の打切りを行います場合には、その結果として社債も、たとえば券面額百円のものが七十円または五十円というように減額されることになります。また認可を受けた整備計画において社債の償還ないし利息支拂等條件変更を定めました場合には、決定整備計画の定めるところに從つて、これら社債條件変更されることになります。さらに過度経済力集中排除法指定会社の発行する社債につきましても、特別経理会社の場合と同樣、決定指令の定めるところに從つて権利変更が行われることがあるのでありますが、これらの場合において権利内容変更された社債債券及び登録簿をそのまま放置して、轉賣買せしめますときは、社債取引の安全を害するおそれがあります。從つて社債権利変更のあつた場合には、社債を発行した会社は、社債権者に対して債券及び登録済証提出を求めて、記載事項所要修正を加えた上、これを返還し、また登録機関は、社債登録簿記載事項修正する等の措置を講ずる必要があります。  次に特別経理会社過度経済力集中排除法指定会社が第二会社を設立いたしまして、その有する債権を第二会社出資または、讓渡いたします場合に、これを民法の一般規定によつて処理せしめますときは、非常な手数を要し、第二会社の設立に時日を要することに相なりますので、第二会社に対する債権出資等に関する手続を簡易化する必要があります。  以上の趣旨によりまして、政府は、ここに、この法律案提案した次第であります。     —————————————
  14. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き財務局及び税務署増設に関し承認を求めるの件を議題といたします。大藏大臣説明を求めます。     —————————————
  15. 北村徳太郎

    北村國務大臣 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き財務局及び税務署増設に関し承認を求めるの件につきまして、その提案理由を御説明申上ます。  政府におきましては、本年度二千六百三十余億円に達する租税收入を確保するため、各般の施策を講じつつあるのでありますが、なかんずく徴税機構整備強化をはかるの要きわめて緊切なるものがあるのを認めまして、その一として第二東京財務局ほか二財務局及び蒲田税務署ほか四十六税務署増設することといたしたいのであります。  先づ財務局増設について申上ます。財務局は現在全國に八局設置されているのでありますが、そのうち、特に廣汎区域管轄し、かつ多数の税務署を擁しているため、税務執行上支障少からざる財務局につきまして、その管轄区域を分割して課税適正化を期するとともに、他面納税者便宜をはかることといたし、まず現在の東京財務局管轄区域から新潟、長野、群馬、埼玉、栃木、及び茨城の六縣を分離して、第二東京財務局東京都に設置し、次に名古屋財務局管轄に属する富山、石川、及び大阪財務局管轄に属する福井のいわゆる北陸三縣をもつて金沢市に金沢財務局を設置し、また熊本財務局管轄区域から福岡、佐賀及び長崎の三縣を分離して、福岡市に福岡財務局を設置することといたしたいのであります。  次に税務署増設について申し上げます。  現在税務署は全國に総数四百五十一ございますが、このうち特に廣汎区域管轄し、課税物件の分布廣く、かつ多数納税者を擁する税務署につきましては、その区域を分割して税務署増設することが、納税者便宜をはかるためにも、はたまた課税適正化を期するためにも緊要と存ぜられますので、税額、納税者数区域廣狹將來発展性、職員数等を総合勘案いたしまして、本年度とりあえず蒲田税務署ほか四十六税務署増設することといたしたいのであります。昨年所得税予算申告納税制度を採用して以來、納税者税務官署との関係は特に緊密なものがあるのでありますが、今回これ等の増設が実現することとなりますならば、納税者の利便はもとより、円滑適正な税務運営に資するところ、けだし大なるものがあろうかと存ずるのであります。     —————————————
  16. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次に薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律案議題とします。大藏大臣説明を求めます。     —————————————
  17. 北村徳太郎

    北村國務大臣 次に薪炭需給調節特別会計法の一部を改正する法律案提出理由を御説明申し上げます。  今回改正しようといたします点は二点でありまして、その第一点は、薪炭証券借入金及び一時借入金限度額の引上げに関する改正であります。薪炭証券等限度額は、現在その最高額は三十億円と相なつておるのでありますが、輸送事情等によりまして、山元における手持量が最近増加いたしておる状況におりますため、現行限度額をもつていたしましては、現在すでに相当窮屈になつている実情でありますが、これに加えて、さらに薪炭の配給につき、近く登録店舗制を実施することと相なりますのに伴い、その配給の操作上から手持量増加を必要といたしますのと、近く実施の予定であります物價改訂に伴いまして、薪炭の買入價格も相当程度引上げられる計画でありますので、薪炭の最も手持量の多い九月におきましては、約五十五億円の資金を必要とする予定でありますので、從來三十億円でありました証券、借入金及び一時借入金限度額を、五十五億円に引上げることにいたそうとする次第であります。  第二点は、薪炭買入代金の支拂方法の整備に関する改正であります。薪炭の買入代金の支拂につきましては、從來食糧のそれと同じく、もつぱら農林中央金庫を通じて、これが支拂を行つてまいつたのでありますが、今般生産者の利便を考慮いたしまして、農業協同組合、農業会または市中銀行においても、これが支拂を受けることができることとし、これに必要な改正措置を講じようとする次第であります。  以上の理由によりまして、この法律案提出した次第であります。     —————————————
  18. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次は旧軍用財産貸付及び譲渡の特例等に関する法律案議題といたします。大藏大臣説明を願います。     —————————————
  19. 北村徳太郎

    北村國務大臣 次に旧軍用財産貸付及び讓渡特例等に関する法律案提案理由を御説明申し上げます。  一般の國有財産管理及び処分については、國有財産法の基定によることは御承知の通りでありまして、この法律改正については、先般來御審議を願つているところであります。しかしながら旧軍用財産その他特定の財産等については、民生安定、産業の復興、公共の便益等のためこれを有効に使用せしめるとともに、迅速にこれを処分することが適当であると考えられますが、そのためにはこの種の財産について特別な取扱いをすることが必要であり、ここに臨時的に特別法を制定する必要を生じたのであります。その内容のおもな点について逐條的に御説明申し上げます。  まず第一條においては、旧陸軍省、海軍省及び軍需省の所管に属していた財産、いわゆる旧軍用財産中水道施設及び臨港施設は、これを公共團体に貸付け、その管理のもとに一般公共の便益に供することが適当と認められますが、現在のところ収益性はありませんので、これを公共團体に無償で貸付け得ることとしたのであります。  第二條においては、旧軍用財産は、公共團体において病院等医療施設の用に供するとき、または学校の用に供するときは、その経営が営利を目的とし、または利益をあげる場合を除いて、この法律施行の日から三年以内に限り、当該公共團体または当該学校経営者に対して、時價の二割以内の減額した対價で賣り拂うことができることとしたのであります。  第三條においては、旧軍用財産及び物納財産は、讓渡時における從前よりの使用者に対して、その賣拂代金または交換差金の延納の特約を認めることとしたのであります。  第四條は、從來から國有財産として都道府縣の用に供していた財産については、地方自治法施行に伴つて從來の通り公用財産としておくことはできなくなつたのでありますが、これをただちにこれらの地方公共團体に対して、有償で貸付けることは適当でないと考えられるので、この法律施行の日から五年修内に限り、これを無償で当該都道府縣に貸付けるものとしたのであります。  第五條は、地方公共團体から無償で國の学校の用に供せられた財産は、國がその用に供しない場合においては、当該地方公共團体に無償で返還することとしたのであります。  以上がこの法律案のおもなる内容であります。     —————————————
  20. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次に保險募集取締に関する法律案議題といたします。大藏大臣説明を求めます。     —————————————
  21. 北村徳太郎

    北村國務大臣 保險募集取締に関する法律案につきまして御説明申し上げます。保險会社が現在のインフレ下において健全経営を続けるためには、どうしても新しい契約を大量に獲得し、その收入保險料を多くしなければならないのでありますが、それはあたかも一般企業において生産をおげることが緊急の目標であるのと同様であります。生命保險事業におきましては、新契約獲得及び收入保險料増大に格段の努力をいたし、その成績はきわめて顯著でありまして、その結果として現在まで各社とも健全経営を維持してきたのでありますが、その反面といたしまして、何でも契約をとりさえすればよいものだというような氣持から、とかく募集が紊乱して、保險契約者保護の見地からも、また保險の信用保持の見地から言つても、このまま放置できない状態に立ち至つているのであります。また損害保險事業におきましても、いわゆる自己代理店、その他不健全な代理店がはびこる等の事態が発生しているので、これに対し適切な調整を加える必要が起つているのであります。  ところで生命保險においても、損害保險においても、保險契約の募集にあたる者は、大部分は保險会社と独立の商人であるところの生命保險募集人、または損害保險代理店と言われるものでありますが、政府は、生命保險募集人、または損害保險代理店に対して、保險業法に基く直接の監督権がないのであります。從いまして政府は保險会社に対して所要の命令をなし、その上で保險会社が生命保險募集人または損害保險代理店に対して適当な処置をなすというふうに、その監督が間接的とならざるを得ないのであります。政府が直接生命保險募集人、損害保險代理店、その他募集を行う者に対して監督権をもつて、その素質を向上させるためには、免許制度を採用することが理想でありますが、その前提として、とりあえず登録制度を採用することが適当であると考えられます。  次に、募集の適正を期するためには、募集行為に規制を加え、不正な募集行為に対し刑罰を科し、政府が直接これを取締り得ることとし、不正募集行為排除の実をあげるべきであります。かくして登録制度と不正募集の取締りと相まつて、募集の健全化を推進することができると考えられるのであります。  保險業法の全面的改正は目下準備が進められており、募集に関する法規はその一部を構成するものでありますが、保險募集の現状に鑑み、緊急に対策を要するものと認められますので、ここに別途單行法を制定し、至急実施いたしたいと存ずる次第であります。なお保險業法改正の際には、登録制度を免許制度に改め、本法はこれを保險業法に吸收される所存でありますことを申し添えます。  この法律案の要旨は、大体次の通りであります。第一に、生命保險募集人、損害保險代理店及び募集を行う保險会社の役員、使用人は、大藏省に備えられた登録簿に登録することを要することとし、登録に場合においては、登録手数料を徴することとなつております。  第二に、保險会社の役員、使用人、または登録された生命保險募集人もしくは損害保險代理店でないものの募集は禁止されます。  第三に、保險会社は、生命保險募集人または損害保險代理店が、保險契約の募集について保險契約者に加えた損害を賠償する責に任ずることとし、たとえば生命保險募集人が保險料を使いこんだ場合は、会社が直接賠償責任を負うこととなつております。  第四に、募集用の文書、図画に記載する事項について制限をなすとともに、募集行為について必要な規制を加え、一般大衆が保險に対する知識の乏しいことを奇貨とし、不徳義な行為をなすこと等の絶滅を期しております。  第五に損害保險代理店が、その主たる目的として、自己または自己の使用者のため保險契約を募集することを禁止いたしました。  第六に大藏大臣の、生命保險募集人及び損害保險代理店に対する檢査の権限、その他必要な監督の権限を規定するとともに、所要の罰則を設けたのであります。この法律案の要旨は大要以上の通りであります。  以上ただいま提出いたしました九件につきまして、何とぞ速やかに御審議の上、御賛成あらんことをお願い申し上げる次第であります。     —————————————
  22. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 残余の議案に対する政府説明は次会に行うことにいたします。
  23. 梅林時雄

    ○梅林委員 今委員長の御宣告の通り、残余の法律案に関する御説明は次会に承ることといたしまして、この際未復員者給與法の一部を改正する法律案につき、討論を省略し、ただちに採決せられんことを希望いたします。
  24. 川合彰武

    ○川合委員 ただいまの梅林委員の動議に賛成するものでありますが、特に私は大藏大臣に本法案に関しまして希望を申し述べておきたいと存ずる次第であります。この件に関しましては先日の委員会におきまして、特に政府委員に質問申し上げまして、政府の意のあるところを諒としたわけでありますが、要は未復員家族のみならず、一般邦人の留守家族に対しても、未復員者家族と同樣の扶養手当を支給してもらいたいという、強い希望が國内の各方面にあるわけであります。殊に現地において強制徴用され、あるいは、また強制留用をされるというような方々が滿州においては非常に多いのであります。從つてその人たちの留守家族というものはおそらくかなり困つていると思うのであります。從いましてこの立法の精神から申しますならば、私は旧軍人であつた者の家族に対して扶養手当を出すという趣旨よりも、平和的な一般邦人の困つている留守宅の家族に扶養手当を出すということには、おそらく何人もこれを認むるにやぶさかでないと考えるのであります。しかしながら現在の法の建前と、またいろいろな関係において、これがただちに実施できないというようなことを伺つたのでありますが、どうかこの際政府委員の御答弁にもあつたように、一般邦人の留守宅の家族、殊に現地において強制徴用された、あるいはまた留用された家族に対しても、未復員軍人の留守家族に対して扶養手当を出すと同樣のことを、極力実現に移すように、政府に特に望みたい、かような希望を申し述べておきます。
  25. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 先ほど梅林委員より動議が出まして、未復員者給與法に一部を改正する法律案については、討論を省略してただちに採決せよという動議でありましたが、さよう取計らいまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 異議なしと認めます。  それではこの法律案に対して採決いたします。本案に御賛成の諸君の御起立を求めます。    〔総員起立〕
  27. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決確定されました。     —————————————
  28. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 次にお諮りいたしますが、先般本委員会において貿易資金特別会計法の一部を改正する法律案については、当然本委員会において審議すべきものであるということが定まりまして、その旨議長に申入れておきましたところ、さらに議長より議院運営委員会にも相談をした結果、今回は特に商業委員会にお讓りを願いたい、いま一度御相談を願いたいという、申出がありましたが、議長申出のごとく、今回に限つてこの法案は商業委員会に付託してもらおうということにいたしたいと存じますが、御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 早稻田柳右エ門

    ○早稻田委員長 御異議はないようでありますから、さよう回答いたしておきます。  明日は御承知のように午前十時より公聽会を開きます。公聽会終了後委員会を開きますので定刻に御出席願いたいと存じます。本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時二十二分散会