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1948-06-03 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月三日(木曜日)     午後一時三十九分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 塚田十一郎君 理事 中崎  敏君    理事 梅林 時雄君 理事 吉川 久衛君       淺利 三朗君    石原  登君       泉山 三六君    大上  司君       島村 一郎君    倉石 忠雄君       赤松  勇君    川合 彰武君       河井 榮藏君    佐藤觀次郎君       田中織之進君    八百板 正君       金光 義邦君    後藤 悦治君       細川八十八君    井出一太郎君       本藤 恒松君    堀江 實藏君       河口 陽一君    本田 英作君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 北村徳太郎君  出席政府委員         專賣局長官   原田 富一君  委員外出席者         專門調査員   圓地與四松君         專門調査員   氏家  武君     ————————————— 六月一日  製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律  案(内閣提出)(第七四号) 同月二日  國有財産法を改正する法律案内閣提出)(第  七八号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律  案(内閣提出)(第七四号)請願  一 仙台市に東北証券取引所設置促進請願外    一件(庄司一郎紹介)(第二七号)  二 昭和二十二年度分所得税更訂決定に対する    請願亘四郎紹介)(第三二号)  三 大根占町に元飛行機救難艇拂下請願(前    田郁君紹介)(第七〇号)  四 官吏の出張旅費規定改正請願坂東幸太    郎君紹介)(第七一号)  五 北海道の青果物公認荷受機関資金融通の    請願坂東幸太郎紹介)(第七八号)  六 靜岡專賣支局靜岡地方專賣局に昇格の請    願(岡野繁藏紹介)(第一〇〇号)  七 大相撲本場所における入場税減免請願    (佐藤觀次郎紹介)(第一〇九号)  八 光海軍工廠跡敷地拂下に関する請願(守田    道輔君紹介)(第一一一号)  九 食塩生産合理化に関する請願多賀安郎    君外九名紹介)(第一二九号) 一〇 昭和二十二年度分所得税更訂決定に対する    請願長野長廣紹介)(第一五五号) 一一 外國製中古自動車公定價格撤廃請願(櫻    内義雄君紹介)(第一七〇号) 一二 大衆課税反対並びに徴税費引上に関する請    願(大島多藏君紹介)(第二〇六号) 一三 化粧品に対する物品税軽減及び賦課徴收    方法等改善に関する請願川合彰武君紹    介)(第二一九号) 一四 旧軍港所在軍用建物等拂下價格に関する    請願小暮藤三郎君外一名紹介)(第二二    一号) 一五 商工業者に対する租税軽減請願小暮藤    三郎君外一名紹介)(第二二二号) 一六 福島市に証券取引所設置請願原孝吉君    紹介)(第三四一号) 一七 福島市に煙草工場設置請願原孝吉君紹    介)(第三四二号) 一八 豊里村に國有林地貸付に関する請願(小林    運美君紹介)(第三四九号) 一九 木製文具並びに事務用品に対する物品税の    免税点設定に関する請願池谷信一君外六    名紹介)(第三五六号) 二〇 光海軍工廠跡敷地拂下に関する請願(守田    道輔君紹介)(第三五七号) 二一 昭和二十二年度分所得税更正決定に対する    請願長野長廣紹介)(第三六六号) 二二 大衆課税反対請願赤松勇君外一名紹    介)(第四三五号) 二三 同(佐藤觀次郎君外一名紹介)(第四三六    号) 二四 大衆課税反対請願外一件(佐藤觀次郎君    紹介)(第四七八号) 二五 監査士法制定請願青木孝義君外一名紹    介)(第五〇三号) 二六 長岡市に煙草工場設置請願神山榮一君    紹介)(第五一二号) 二七 鉱産税復活請願岡田春夫君外一名紹    介)(第五一八号) 二八 陶磁器製タイル物品税改正請願(早稻    田柳右ェ門紹介)(第五四〇号) 二九 農業会金融債券補償に関する請願(伊藤    恭一君外一名紹介)(第五六八号) 三〇 常磐炭鉱に対して過度経済力集中排除法の    指定を解除する請願(關内正一君紹介)    (第五七二号) 三一 教育映画のフイルムに対する物品税免除の    請願福田繁芳紹介)(第五八七号) 三二 ニユース映画及び教育映画事業に対する映    画産業事業資金融資順位引上に関する請願    (福田繁芳紹介)(第五八八号) 三三 観光施設に対する産業資金融資順位引上に    関する請願高橋長治紹介)(第五九一    号) 三四 企業整備令による合同株式の還元に関する    請願河野金昇紹介)(第六〇六号) 三五 藺製品縁附上敷糸掛上敷及び茣蓙長物に    対する免税の請願多賀安郎君外九名紹    介)(第六一二号) 三六 勤労所得税軽減請願伊藤卯四郎君紹    介)(第六四六号) 三七 小山町に税務署設置請願山口好一君紹    介)(第六八四号) 三八 庶民銀行設立促進請願並木芳雄君紹    介)(第七〇三号) 三九 大衆課税の撤廃並びに軽減に関する請願    (川合彰武紹介)(第七一五号) 四〇 所得税法の一部を改正する請願川合彰武    君紹介)(第七一六号) 四一 中小企業に対する適正課税に関する請願    (長野重右ヱ門紹介)(第七三一号) 四二 勤労所得税軽減請願吉川兼光紹介)    (第七三四号) 四三 大衆課税反対請願外二十二件(山本幸一    君紹介)(第七三七号) 四四 歯科医師事業税課税反対請願前田正    男君紹介)(第七四一号) 四五 煙管に対する物品税免税点設定に関する    請願笠原貞造紹介)(第七六五号) 四六 麻織物消費税軽減請願前田種男君紹    介)(第七六六号) 四七 玩具の物品税率引下並び免税点引上に関    する請願岡野繁藏紹介)(第七七一    号 四八 木製文具並びに木製事務用品に対する物品    税の免税点設定に関する請願岡野繁藏君    紹介)(第七七七号) 四九 医師に対する事業税免除請願前田正男    君紹介)(第八〇八号) 五〇 矢板税務署復活に関する請願青木孝義君    紹介)(第八三九号) 五一 社会保險公費医療報酬に対する所得税免税    の請願苫米地英俊紹介)(第八四一    号) 五二 社会保險公費医療報酬に対する所得税免除    の請願椎熊三郎紹介)(第八四四号) 五三 木製木具並びに木製事務用品に対する物品    税の免税点設定に関する請願鈴木里一郎    紹介)(第八四五号) 五四 医師に対する事業税免除請願川野芳滿    君紹介)(第八六一号) 五五 煙草の賠償價格引上の請願(上林山榮吉君    紹介)(第八七一号)五六 助産医療に対する事業税賦課反対請願    (福田昌子君外三名紹介)(第八八一号) 五七 七宝燒に対する物品税十割減税の請願(佐    藤觀次郎紹介)(第八九三号) 五八 賣上税創設反対請願東舜英紹介)    (第九二〇号) 五九 中小企業者に対する課税軽減に関する請願    (松原喜之次紹介)(第九二三号) 六〇 医師に対する事業税免除請願坂本實君    紹介)(第九二八号) 六一 電氣税創設反対請願前田榮之助君紹    介)(第九二九号) 六二 清凉飲料に対する物品税引上反対の請願    (中曽根康弘君外一名紹介)(第九四四    号) 六三 物品税改正に関する請願岡野繁藏君紹    介)(第九六〇号) 六四 靜岡城趾拂下請願岡野繁藏紹介)    (第九六三号) 六五 農産物に対する所得税課税に関する請願    (田中松月紹介)(第九八三号) 六六 農家及び中小企業者に対する金融措置に関    する請願田中松月紹介)(第九八七    号) 六七 日本樟脳製造株式会社解体請願田中松    月君紹介)(第九九〇号) 六八 賣上税設定反対請願笠原貞造君外一名    紹介)(第一〇一四号) 六九 所得税軽減に関する請願河合義一君紹    介)(第一〇一五号) 七〇 三木町に税務署設置請願河合義一君紹    介)(第一〇三六号) 七一 勤労所得税軽減請願伊藤卯四郎君紹    介)(第一〇四一号) 七二 人造バターに対する物品税撤廃請願(長    谷川政友紹介)(第一〇四八号) 七三 助産医療に対する事業税賦課反対請願    (榊原亨紹介)第一〇六四号) 七四 同(福田昌子紹介)(第一〇六五号) 七五 同(最上英子紹介)(第一〇六九号) 七六 吉城郡農業会金融債権を再び旧勘定に移    換中止の請願岡村利右衞門紹介)(第    一〇七八号) 七七 医師に対する事業税免除請願榊原亨君    紹介)(第一〇八四号) 七八 眼鏡枠に対する物品税免税請願坪川信    三君紹介)(第一〇八五号) 七九 連合軍宿舍ホテルに対する法律第百七十    一号適用除外等請願村上勇紹介)    (第一一〇七号) 八〇 雪國農民に対する租税軽減請願外三件    (圖司安正紹介)(第一一一〇号) 八一 農業事業税反対請願岡村利右衞門君紹    介)(第一一一二号) 八二 ホテル事業に対する資金貸出順位引上に関    する請願受田新吉紹介)(第一一一三    号) 八三 廣島市島旧軍用地無償拂下の請願佐竹新    市君紹介)(第一一二二号)     —————————————
  2. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議開きます。  一昨一日に本委員会に付託されました製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律案議題といたします。まず政府説明を求めます。     —————————————
  3. 北村徳太郎

    北村國務大臣 ただいま議題となりました製造たばこの定價の決定又は改定に関する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。昭和二十三年度專賣益金は九百四十三億円を計上いたしておるのでございますが、この益金を捻出いたしますために、政府自由販賣タバコとして新たに「いこい」「ハッピー」及び「ききよう」を発賣すること、自由販賣タバコである「ピース」及び朝日配給タバコである「きんし」「みのり」及び「のぞみ」を値上げすることといたしまして、この法律案を提出いたしたのでございます。自由販賣タバコは御承知のように浮動購買力を吸收するために賣り出されておるのでございますが、これが價格決定いたしますときには、國民負担能力はもちろん、その品質において適正なる價格とすること、やみタバこの防止に役立たせ得る定價とすること等を、十分に考慮する必要があるのでございます。從いまして、今回提案いたしました自由販賣タバコ價格につきましては、十本分当りピース六十円を最高といたしまして、品質に應じ、光五十円、「いこい」四十円、ハツピー三十円、朝日、「ききよう」及び新生二十円の標格構成とすることといたしまして、自由販賣総量の約五割に相当する数量を、三十円以下の價格で自由販賣することといたし、やみタバコ防止に役立たせることにいたすことが適当であると考えた次第であります。配給タバコにつきましては、國民生活の安定をはかる必要がありますので、「きんし」十本当り十一円、「みのり」十グラム当り十円、「のぞみ」十グラム当り九円に、それぞれ値上げする程度に止めることにいたしたのでございます。  以上のように製造タバコ價格をきめますれば、その賣上げ額は、自由販賣品において八百五十七億円、配給品において二百七十一億円、合計千百二十八億円と相成るのでございまして、その金額比率は、自由販賣品七六%、配給品二四%となるのでございます。要するに今回の製造タバコ價格改定案は、財政收入確保のためやむを得ざる値上げ案でございまして、政府國民生活の安定との調和をはかりつつ、專賣益金を確保することを目標にいたしまして、製造タバコ價格をきめたいと考えまして、財政法第三條の規定により、この法律案を提出いたしました次第でございます。  どうか御審議の上、速やかに御賛成あらんことをお願いする次第であります。
  4. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ただいま御説明を願いました法案について、質疑に入りたいと存じます。
  5. 塚田十一郎

    塚田委員 最初にお尋ねいたしたいのは、提案理由の御説明の中に書いてあります千百二十八億円という数字と、予算に載つております專賣益金数字九百四十三億円との食違いが、どういうところからくるのか、その点をお伺いいたしたいのであります。
  6. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいまの塚田さんの御質問にお答え申し上げます。千百二十八億円は、製造タバコ政府の賣渡し代金の総額でございます。それから経費を差引きましたものが專賣益金になるのでありますが、その内容を少しく申し上げますと、これはタバコの賣拂い代金のほかに、葉タバコ輸出しまための賣渡し代金でありますが、それとタバコ巻紙が專賣品になてつおります。これも輸出用に賣渡すものが少しあるのでございます。これをちよつと申し上げますと、タバコの賣渡し代が、先ほどの一千百二十八億円、それに今申しました葉タバコ並びに巻紙の賣渡し代金が七億円、これを合わせまして一千百三十五億円になります。それに対しまして経費でございますが、これは減價償却とか、資産の増加というものを差引きました純経費が百九十二億円でございます。これを差引きましたものが九百四十三億円でございます。なお專賣益金は、御承知のようにタバコのほかに塩、樟脳があるのでございますが、塩、樟脳收支ほとんどとんとんということで、これで九百四十三億円が変るような影響はないのでございまして、專売益金全体といたしましては、九百四十三億円という計算でございます。
  7. 塚田十一郎

    塚田委員 次にお伺いいたしたい点は、各種類タバコ製造数量がどれくらいの予定になつておるのか、それからそれらの各種類タバコに対して、政府はどれだけの原價をお考えになつてつて、この差額がこの数字に出てくるのか、その御説明を願います。
  8. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいまお尋ねの問題につきまして、まず製造数量から申し上げます。自由品は二百二十億本でございます。その内容を申し上げますと、朝日が八億本、ピースが九十億本、光が三億本、「いこい」が二十億本、ハッピーが四十四億本、新生が三十三億本、「ききよう」が二十二億本、合計二百二十億本でございます。配給品は「きんし」が百二十八億本、「みのり」が百十二億本、これは一グラム一本に換算しての数字であります。「のぞみ」がやはり同じように換算しまして九十億本、合わせまして三百三十億本でございます。これは実は製造と申しましたが、昨年度製造いたしまして本年度に賣渡す分、本年度につくりまして來年度に賣渡す分と入繰りがありますので、ここは販賣計画から申しました数字でありまして、嚴密な意味で申しますと、製造数量は多少違いがあるのでありますが、大体において申し上げました通りであります。  なお原價の点でございますが、これは本年度予算がまだ決定いたしませんので、本年度予算ではじき出すことはいかがかと思うのでありますが、私どもが本年度予算案としまして計算いたしました数字によつて原價を申し上げますと、これは代表的なものをまず申し上げたいと思いますが、ピースが四円四十五銭五厘でございます。これはちよつと附け加えて申しますが、四円四十五銭五厘の原價のものを、政府は小賣人に賣り渡すときに、ピースは今度定價六十円にする案でありますが、小賣人に賣り渡す場合は、四分引きで賣り渡すのでありまして、小賣人に賣り渡します價格は五十七円六十銭であります。この五十七円六十銭の原價が四円四十五銭五厘という計算でございます。新しくつくり出します「いこい」の原價は四円五厘、ハッピーは三円六十六銭九厘、なお配給品の「きんし」は三円三十八銭六厘、刻みの「みのり」が三円三十六銭四厘。おもなものは以上の通りでございます。
  9. 塚田十一郎

    塚田委員 ただいまいろいろお伺いいたしましたが、おつくりになる原價と、お賣りになる値段の間の開きが非常に大きいために、新しいこの値段で賣出しが始まつた場合にも、やはりやみタバコ相当依然として行われるのじやないかという懸念を大分もつておるのでありますが、一体政府は現在やみタバコがどれくらい出ておるかという、ごく大ざつぱな数字でもおもちになつておるかどうか。それから今度のそれによつてやみタバコ防止に役立たせるような値段にしたということで、それが相当数量を減らし得る見透しであるかどうか。その辺をひとつ御説明願いたい。
  10. 北村徳太郎

    北村國務大臣 ただいま塚田委員の御質問、非常にごもつともでありまして、われわれはまた今のタバコ專賣成績を上げ、その他いろいろ國民生活の道義的な面等々から考えまして、やみタバコ撲滅については重大な関心をもちまして、非常に努力しなければならぬということで、最近タバコに関する防犯組合等の自発的な活動を願つておりまするし、その面から大分効果をあげておると思うのであります。なおこれは法律として御審議を願うことになつて、すでに提案したかと思うのでありますが、葉タバコの場合に、私ども承知している限りでは、多分その一割くらいのものが流れるのじやないかという点でございます。これは正確な数字專賣局長官から申し上げますが、大体の見当で、葉タバコにおいて一割くらいのものが、ひよつとすると流れるのじやないか。そこにやみの根源があり、一つの大きなルートがあるということを考えましたので、非常に手数のかかることではございますが、昔やつてつたという方法であるところの、一々耕作タバコの枚数を数えること、葉の数を数えてそれを登録するという制度をとることによつてやみ撲滅したいというので、今回これは多分法律案として提案したか、あるいは近く提案することになつておるのでります。そういうこともすでに計画は実行することになつておる段取りであります。それから最近相当に方々の山の中に至るまで、何かそういうふうなことについての犯罪を、かなり手ごわく檢挙いたしまして、その成績相当つておる。今後このやみタバコ撲滅については、一面には專賣收入を確保するため、一面にはまた流通秩序を確立するという観点から、これを十分に、徹底的にやりたいと考えておる次第でございます。なお具体的なことは專賣局長官からお答えいたしますが、一應私からお答え申しておきます。
  11. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいまの御質問やみタバコ数量推定につきましては、これはほんとうの意味で確実なものは、なかなかとられないのでございますが、やみタバコの一番おもなものは、現在タバコ耕作者として耕作しましたタバコ横流れしたとか、盜まれたとか、あるいはいろいろのことで横流れをした。それが密製造されて世間に出るものが、量的に申しますれば一番多いと思うのでございます。そのほかに密耕作と申しまして、隠れてつくつた葉タバコが流れる。そのほかに、政府でつくりましたタバコ横流れをしたということもありましようが、全体の量から申しますれば、私が最初申しましたタバコ耕作者タバコが、いろいろの原因で流れることが多いのじやないか。これが大体どれくらい流れるかという推定でございます。昨年度全國で四万町歩タバコ耕作をいたしたのでありますが、昨年度の肥料の状態や、天候の状態、作柄の状況からいたしまして、私どもは收穫見込高を立てたのであります。大体全國で六千万キログラムとれる見込みを立てたのでございます。反当百五十キロということであります。それが実際政府買上げましたものが五千七百万キロ、つまり三百万キロこちらの見込みより少かつたのであります。これは見込みの違いもありますし、その差額だけがちようどやみに流れたということは申せませんけれどもやみに流れ流れたものが、大体その見当ありはせぬかということが、一應の推定であります。そうすると五分ということになりますが、そのほかに先ほど申しましたいろいろのものがやみにいくのでございまして、やみの数が五分から一割程度ということが一應考えられます。このやみに対しまして防止対策として一番いい方法は、タバコ政府で賣出す数量をうんと殖やし、品質相当のものをつくる。それから價格もなるべく相当のもので出すということ、これが一番根本のものでございます。これは申すまでもないのでありますが、先ほで大臣から申し上げました通りに、葉タバコ耕作者に対しましては、タバコの葉を数えるとか、またそのほかに責任量目ということをきめまして、責任をもつて出していただく。それからいろいろ取締りまたは誘惑防止方法を、これは專賣局もまたタバコ耕作者も一緒になつて、共同で方法を講じてやる。あるいはまた罰則の強化の点につきましても、これは先般最高專賣法違反が五百円というものを五万円に法律改正で強化いたしたのでありますが、さらにいろいろの事情から考えますと、やはり体刑の必要があるということで、現在案を考えて、近く國会に提出する運びになつておる次第であります。そういうふうにしてやみ防止する、また製品やみに流れるものにつきましても、いろいろの方面から防止対策を強化していくことにいたしております。  なおまた價格の問題でございますが、これは今から申しますと例の新生を四十円にし、ピースを五十円にした去年の十一月というものが、ちようど葉タバコの收穫をして農家ででき上つたところで、そこで非常に政府タバコが高くなつたので、やみを多くする原困になつたのではないかと思います。價格の点でやみに流れ出ないようにすることが必要であると思いますので、今回の値上げ案をつくるに際しましても、六十円から十円開きで二十円までずつといくような價格構成の仕方を考えたようなわけであります。大体のことは以上でございます。
  12. 塚田十一郎

    塚田委員 次にお尋ねいたしたいのは、反当大体百五十キロぐらいの收量というお話でありましたが、これを耕作者からどれくらいでお買上げになつておるのか、その点ひとつ……。
  13. 原田富一

    原田(富)政府委員 二十二年度政府買上げましたものの平均でございますが、これは一キロあたり六十三円でございます、
  14. 塚田十一郎

    塚田委員 次にお尋ねいたしたいのは、ただいまのお話にもありましたように、葉タバコ相当輸出に向くというお話があつて、私どももそういうお話を前から伺つてつたのでありますが、日本の現在の耕作反別四万町歩をもう少し殖やすことによつて相当そういう面に輸出向きのものをたくさんつくる見透しがありはせぬかと思うのでございますが、その辺の見透しをひとつ……。
  15. 原田富一

    原田(富)政府委員 葉タバコ輸出の関係をちよつと申し上げますと、大体これは戰前から輸出されておりましたのですが、戰前から輸出されました輸出先を申し上げますと、エジプトとドイツであつたのであります。去年あたり出ておりますのはエジプトでございます。エジプト戰前に一番買つておりましたのが、大体百五十万キログラム程度、あるいは二百万キログラム程度なのです。その程度は向うに向く品ができればできるのじやないかという予想がされるのでございます。塚田さんのお話のように、耕作反別を殖やしまして、輸出をできるだけ増すということは非常に結構なことでありまして、私どももできるだけそう考えたいのであります。タバコ耕作反別は、一面食糧の増産との関連もありますので、そういう点につきましては農林省方面等と、よく相談して適当にやつていきたいと存じます。
  16. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ほかに質疑はございませんか。
  17. 中崎敏

    中崎委員 ただいまの質疑と関連して、二十三年度販賣数量を、大体五百三十億本と押えておられるようでありますが、この程度タバコは一應國民に対しては十分にまわるものかどうか。國民の需要はこれだけ程度のものであるかどうかをお伺いしたいと思います。
  18. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいまのお尋ねの点を申し上げます。戰前に一番タバコの賣れました時代の数字を申し上げますと、大体八百億本でありました。これは自由販賣をいたしておつた時代であります。現在の五百三十億本はそれに比べましてもはるかに下まわつておりまして、六十六、七パーセントのところであります。やはり数量的に足りないと思います。なおまた戰前の喫煙者の数と現在のその数では違つておると思います。現在の方が殖えておると思うのであります。その点でなお足りないことは十分私ども認めておるところであります。これは戰災でタバコの工場が大分燒失したことと、それから原料が、戰時中耕作を非常に減らしたために、今急に殖やすわけにはまいらないのでありますが、漸次工場の復旧もいたしておりますので、向う三、四年には少くも戰前の八百億本には復帰いたしたいと、私ども努力いたしておる次第であります。
  19. 中崎敏

    中崎委員 今回のタバコの値上げは、國民生活、殊に勤労大衆に対して非常に大きな負担を課するものであります。一面インフレの現在の状態において、國家財政の需要上まことにやむを得ないとは考えるわけでありますが、タバコをこれほどの値上げをしないでも、殊に配給タバコについても相当の値上げになつておりますが、これによらないで何か他に適当な方法はなかつたかどうかを御説明願いたい。
  20. 北村徳太郎

    北村國務大臣 きわめてごもつともな御質問でありまして、私どもといたしましては他に財源があれば、タバコの値上げはもつと軽減をいたしたい、將來も適当な財源がもし見つかれば、殊に配給タバコ値段は安くしたい、こういう考えをもつておるのであります。それでほかに二、三のことを計画もしたのでありますが、ちよつとこれがうまくまいりません。結局自由販賣タバコ値段は、相当大幅に上つたということはお話通りでありまして、はなはだ遺憾でありますけれども、今の財政の状態ではどうもいたし方ない。將來もし余裕を生じた場合においては、特に配給タバコにおいて、もう少し安く供給できる。それからただいま專賣局長官から申し上げましたように、需要に対して供給の量が大体六割見当ではないかと思うのであります。これもしかし一方においては食糧政策との関係もございまして、耕作面積をそう殖やすことはできないというような制約もございますので、あるいは將來葉タバコのいいもので安いものの輸入というようなことも考えられないことはない。そういうふうなことと併せて考えまして、供給量を増すこと、それから工場の復旧等によりまして製造能力を増すこと等々から、量が殖えれば割合に供給力が増すことによつてコストが下るという面も考えられます。そういう面から將來は、できるだけ配給タバコについては安く供給でき、また配給タバコの量を増すことができるように努力はいたしたい、かように考えております。
  21. 中崎敏

    中崎委員 今回のタバコの値上げは、新しい賃金ベースが三千七百円程度予定せられておりますが、これの中に織りこまれておるかどうか伺います。
  22. 北村徳太郎

    北村國務大臣 御質問の点は織りこまれておるのであります。配給タバコについて、それから大体ただいまの消費財の統計等から割出しまして、あるいは正確を欠くかも知れませんが、七割四分くらいが正常ルートならざるものからはいる、それの値上りの点、それから現在のマル公の点等々入れまして、これに配給タバコの値上りが家計費に與える影響のウエイトを計算いたしまして、そういうものを入れまして大体三千七百円ベースというものを計算の上では出しております。
  23. 中崎敏

    中崎委員 次に、やみタバコのことについては先ほども説明があつたようでありますが、さらにタバコ類似の物質をもつてタバコの中に混入するとか、あるいは形はかえますがそのまま使う、そういうものが主として巻タバコとして賣られておるものもあるようであります。こういうものについてもやはり專賣法違反として取締りになるのかどうか。
  24. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいまのタバコ類似品についても、專賣法で取締ることになつております。
  25. 中崎敏

    中崎委員 大体今のようなものがやみタバコの中でどの程度の割合を占めるか、大体の推定がありましたらお示し願いたいと思います。
  26. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいまの御質問でございますが、未だそれまでの推定がついておりませんので、なおそういう点をよく調べまして、今後適当の機会に申し上げることにしたいと存じます。
  27. 中崎敏

    中崎委員 次にタバコ價格についてでありますが、新生が二十円に引下げられてから非常に賣行きがよくなつた。現在の状態から言うと、むしろこれが一部は小賣屋等の手から、多少プレミアムをつけて賣られておるのではないかとさえ考えられるくらいな状態であります。一方ピース値段は五十円であるのにかかわらず非常に賣行きが惡い、こういう点から考えて見て、そのピースをさらに十円引上げて六十円にされた。それで新生はそのまま据え置きにしておくというふうなことを考えて見ますと、今後賣行き等の面において、さらにまた一面專賣價格の適正でないために、その安いものについての面においてのやみを助長するということが考えられるのでありますが、この点について、これらの値段は今後の見透しにおいて適正であると考えられるかどうか、説明を願いたい。
  28. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいまの御質問價格の問題でございますが、專賣益金の増收をはかるために、相当の値上げをやむを得ずいたすことにしたのでございますが、私どもお話のようにやみの出ることを非常に心配いたしまして、政府タバコやみに対抗できるように、なるべく品質の上においても、また價格開き方、調整においてもいたしたいと思うのでございます。なるほどお話のようにピース新生などに比べまして賣行きが惡いのは事実でございますが、これは今後いろいろのタバコができまして、價格の統制の点、それからまたいろいろ嗜好の点から申しまして、相当賣れるのではないかという見方もできるのではないかと思つております。また一面私どもピースその他の品質につきましても、價格相当のものと申しますか、できるだけいい品質にしたいということを現在も研究いたしておりまして、たとえばピースにつきましては、砂糖を入れまして味をやわらかにするということを今研究いたしまして、間もなく市場に出ることと思います。そういう品質から申しましても、やみに比べて立派な、價格相当した、いい物を出したいということを研究いたしておる次第であります。いろいろ私どもとして今後研究すべき点も非常に多いのでございますが、できるだけ研究してまいりたいと思つております。
  29. 堀江實藏

    ○堀江委員 「政府製造たばこ價格表」というのがありまして、財源はこれによつて出ておるわけですが、朝日とかピースとかいうものの大体製造目標を御説明願いたいと思います。
  30. 原田富一

    原田(富)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたので、速記録の方をごらん願いたいと思います。
  31. 金光義邦

    ○金光委員 法案の成立の関係もありましようが、大体いつごろから値上げになりますか。それからもう一つ、葉タバコ値段は、新しい製造原價では一体どのくらいになつておりますか。
  32. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいま御質問の点については、この値上案が御決定になりましたならば、六月半ば以降、つまり六月十六日から実施するようにいたしたいと存じております。なお新しい葉タバコ價格でございますが、これは、目下ほかの農産物價の引上げ等に関連して、同じ程度に改訂をいたしたいと思いまして研究中で、まだきまつておらない次第であります。
  33. 金光義邦

    ○金光委員 今ピース製造原價は四円四十五銭であるというふうに言われたと思いますが、これを計算されたその値段が一キロ当りどのくらいになるか説明を願いたいと思います。
  34. 原田富一

    原田(富)政府委員 これは予算案の中に盛つてあるのでございますが、ただいま持合わせがありませんので、この次の機会にお答え申し上げたいと存じます。
  35. 川合彰武

    川合委員 今度新しく出ました「いこい」とハツピーを、当局から試飲してくれというのでいただいて飲んだのでありますが、どうもハツピーのごときは三十円の値段に比較しまして、むしろわれわれの飲んだ感じというものは、新生よりも惡い。また「いこい」のごときも何と申しますか、こくがないという感じを得たのであります。これは主観的な点にもよるでありましようが、同じように試飲した人の印象も、そういうことを言つてつたのであります。われわれのタバコに対する一つの趣味と申しますか、なぜタバコを飲むかというようなタバコの要素があると思いますが、嗜好に適する要素の含有量というものを、ピース以下「きんし」に至るまで述べていただきたいと思います。その前に一應そういう嗜好に適する成分の比率を一應承つて、今度の「いこい」とか、ハツピーというものについても、お聽かせを願いたいと思います。
  36. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいまの川合さんのお尋ねに対してお答えいたします。私ども製品をつくります際に、葉タバコ種類から考えまして適当な組合せをいたしまして、適当な値ごろを案として考えるのでありますが、なかなか私どもが考えただけでは、ほんとうに國民一般に合うようなものができないのがかなり多いのでありまして、ただいまお話がありました「いこい」、ハツピーにつきましても、相当の自信と申しますか、相当品質として私ども考えた次第でございます。これはやはりある期間市場に出まして、いろいろの御批判をいただいて、直すべき点は直していきたいと存じておる次第であります。  なおまた各品種の内容葉タバコの用い方等のお尋ねでございますが、大体におきまして両切品は黄色種——これは御承知通りアメリカの種を日本に入れて日本でつくりましたもので、日本の在來種と違いまして、火力乾燥をしてつくる葉タバコでございますが、この黄色種の品質のいい物の多い少いによつて、味のいい惡いがきまると思うのであります。ほんとうの黄色種のいい葉タバコというものは、日本では遺憾ながら現在のところでは十分にできません。戰前のようにアメリカから葉タバコを輸入して使いますれば、戰前のようなタバコができるのでありますが、現在のところはなかなかできないのであります。黄色種の用い方によつて大体両切のタバコの上下ができる。それでピースのようなものには、黄色種を相当たくさん用いていく。その用いている詳しい割合は、ただいま持合せがありませんので、別の機会に申し上げるつもりでございますが、大体そういう標準でやつておるわけであります。そのほかに香料等によつて相当違います。先ほど申しました砂糖を少し水に溶かしたものを振りかけてやることによりまして、非常にやわらかな感じになるということもあるのでございます。現在ピースと「いこい」には香料をつけております。  それから刻み品につきましては、大体これは在來の日本葉タバコからつくつておるのでありますが、在來の日本葉タバコ品質のいい物で、刻み方の細いと申しますか、細くてうまくできたのがまず一番いいわけでございます。口付きの朝日も、日本の在來の葉タバコを用いてつくつたのでありまして、葉タバコ品質のいい物を比較的使つたのがいいということになつておるのであります。
  37. 川合彰武

    川合委員 先ほど金光委員からも質問があつて葉タバコを値上げするかどうかという問題は、來るべき農産物價改訂とにらみ合わせるというような答弁があつたわけですが、私どもは必ずや農産物價の改訂があるべきものと信ずるわけであります。そこでもし農産物價の改訂があつた際には、必然的に葉タバコ價格の改訂があるべきものと考えるのでありますが、そういうように考えて差支えないか。もしそういうように考えた場合は、九百億なにがしかの專賣益金に、どの程度の影響があるかということを、この機会にお聽かせ願いたいと思います。
  38. 原田富一

    原田(富)政府委員 ただいま葉タバコの賠償價格の改訂並びに益金との関係の問題でありますが、大体物價の改訂というものが、まだ確実にどの程度ときまつているわけではございませんので、はつきりこうだということは、もちろん申し上げられないのでありますが、大体において七割見当が上るとかいうことが言われておりますので、私どもの專賣の経費の点につきましても、その程度経費を見込んでいるのでございます。なおまたこれは、予算案を提出いたしました際に御審議をお願いするのでございますが、專賣の経費の中に、相当予備金もとつているのでございます。ほかの七割程度の引上げがありましても現在のところこれに應ずる経費は、九百四十三億を出す益金の経費の中に見込んでいるつもりであります。大体において変ることはないものと考えております。
  39. 川合彰武

    川合委員 專賣当局がかりに賠償價格の改訂があつても、專賣益金には変化がないように、あらかじめ準備をしているということは、私ども敬意を表します。おそらく他の委員からも質問があつただろうと思うのでありますが、今回の値上げは、その値上げ率から見まして、いわゆる大衆品、殊に配給タバコの値上げ率が非常に大きいようであります。從つてこれらに関しましては、われわれは今後幾多の質問申し上げる点があるのでございますが、それにつきましては、朝日からのぞみに至る各タバコの本年度製造計画本数と、その益金と、現行價格の場合の益金というような資料を、ひとつ出していただきたいと考えます。
  40. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 農村に非常に必要な刻みタバコの率は、量的にどのくらいになつておりますか。
  41. 原田富一

    原田(富)政府委員 先ほど数字を申し上げたのでありますが、配給品の「みのり」の一グラムを、巻の一本に換算しまして百十二億本、のぞみが九十億本、新製品の「ききよう」が二十二億本になつております。
  42. 赤松勇

    赤松委員 國民生活安定の途をはたすということは、大体今度の基準賃金との比較からいたしまして、嗜好品であるタバコはどの程度の比率というふうにお考えになりますか。
  43. 北村徳太郎

    北村國務大臣 その点について先ほどお答え申し上げたのでありますが、大体三千七百円ベースの決定当りましては、一應の計算をいたしまして、たとえば家計費におけるタバコのもつ比重はどれくらいであるかということを、およそ計算の上で出しまして、その中で配給による生活と、しからざるものとの割合を——どれだけ確実性があるかわかりませんが、現在われわれの入手し得る限りの統計を資料といたしまして、たとえば約七割四分がマル公ならざるもの、残りがマル公であるといつたような点等を押えまして、生産量ではそういうものについて配給タバコが家計費にもつウエイトを出しまして、一應はいつておることになつております。
  44. 赤松勇

    赤松委員 これは大藏大臣に聽いておきたいのですが、大体マル公ならざるものが七四%程度、あとの残りのものがマル公だというお話でございましたが、昭和二十三年度におきましては、この値上げが最後でございますか。たとえば追加予算等もでるのでありますが、その際にもまたタバコの値上げというようなことが問題になるといけないので、あらかじめ聽いておきますが、昭和二十三年度においてはこれが最後のものであるかどうか。それからただいまの比率というものは、これを少しでも増していくような計画をおもちになつておるかどうか、この二つの点を……。
  45. 北村徳太郎

    北村國務大臣 お答え申し上げます。今のところどこまでも健全財政主義を貫いていかなければなりませんので、從つて財政收入は、專賣收入と租税で賄つていかなければなりません。ただいま追加予算を出すとか、あるいは將來どうするかというふうなことは今考えておりません。しかしそれじや絶対にそういうことはしないかと言われると、どうもそういうことを確約するほど、日本の財政伏態が健全なものではございませんので、私といたしましては、そういうことはいたしたくないというように考えております。それからさつき申し上げたのでございますが、これは大衆の嗜好に属するもので、すなわち比較的値段の安いもので、しかも配給に属するものを、將來ふやし得る機会にできるだけふやしたい。そうしてそういう方の御負担をなるべく軽減する方面に努力したい。それから財政收入の関係で余裕がつけば、配給タバコの値をまず先に下げるという方法に向いたい。こういうような政策をとりたいと考えておるのであります。
  46. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 專賣局長官にお伺いしますが、今年度の配給量は、昨年度に比べてどれくらいふえますか。
  47. 原田富一

    原田(富)政府委員 昨年度は五百億本でありましたが、本年度は五百三十億本であります。
  48. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 本日の質疑はこの程度に止めて次の請願に移りたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  49. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 それでは請願審議を願います。日程第一、仙台市に東北証券取引所設置促進請願、文書表第二七号、紹介議員庄司一郎君。
  50. 庄司一郎

    庄司一郎君 本請願の趣旨のあるところをきわめて簡單に御紹介申し上げます。本請願はさきに第一回國会において、東北証券取引所設置に関する請願といたしまして、昨年十二月一日、参議院商業委員会並びに本会議において、高橋啓議員の紹介により、また同年十二月八日衆議院財政金融委員会並びに本会議において、庄司一郎議員の紹介により請願、御採択に相なりましたのでございます。仙台市地方関係者一同は、はるかに感謝と敬意を表している次第であります。この上はすでに証券法も御制定に相なられた今日において、願わくは東北の産業、経済、文化、交通の中心地たる仙台市に、証券取引所の御設置をなるべく速やかに実現していただきたい。しこうして証券の民主化普及のために、また小にしては東北地方の産業の開発促進の見地より、関係者一同はここに再び本証券取引所の御設置の速やかならんことを、本院に対してお願い申し上げる次第でございます。この請願関係者は、仙台商工会議所会頭、宮城縣有價証券業協会会長、その他仙台市日本発送電株式会社東北支店、その他重要なる多くの東北関係の諸会社が連署連名されての請願でございます。ここに再び本請願を御審議の上御採択のほどをお願い申し上げる次第でございます。
  51. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 政府の意見を求めます。
  52. 北村徳太郎

    北村國務大臣 ただいまの庄司議員の御発言に対してお答え申し上げたいのであります。実は不用意に参りまして、私答弁の資料がないのでありますけれども、これは御承知通り、証券取引委員会ができまして、これが大藏省の所管ではありまするが、一つの外局的存在としての証券取引委員会というものが、行政官廳の性質をもつているものであります。これに登録をして、そうしてこの証券取引所を開設するということについては、その証券取引委員会がそのことを決定することに相なつているのでございます。すでにこれは発足いたしまして、また事務局も開設されているのでありますが、その方と連絡をとりまして、御希望の趣旨については、われわれの方から連絡をいたします。けれども、実際問題といたしましては、証券取引委員会に登録をするか、あるいは委員会の承諾を経るか、そういうことによつて設立されるはずに相なつております。なお調査の上で具体的のことを申し上げますけれども、一應できればその方へ御連絡を願つた方がいいと思います。私の方からも連絡をいたしたいと思いますけれども、直接ただいま大藏省の方と離れておりますので、その点を御報告申し上げておきたいと思います。
  53. 庄司一郎

    庄司一郎君 ありがとうございました。私の請願はこれで終りたいと思います。     —————————————
  54. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次は日程第二、昭和二十二年度分所得税更訂決定に対する請願、文書表第三二号、紹介議員の亘四郎君の代理として、塚田委員より御紹介を願います。
  55. 塚田十一郎

    塚田委員 ただいま議題となりました請願は、昭和二十二年度所得税軽減をお願いいたしたいという請旨でありまして、新潟縣の三條市長及び三條市会議長からの請願になつております。この内容は大体ただいま申し上げました請願の表題でもう十分御了承いただけると存ずるのでありますが、なおその詳細につきましては書類をごらん願うことにして、政府の方でしかるべきお取扱いを願いたいと思います。     —————————————
  56. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次は日程第三、大根占町に元飛行機救難艇拂下請願、文書表第七〇号、前田郁君の紹介でありますが、塚田委員より代つて説明を願います。
  57. 塚田十一郎

    塚田委員 ただいま議題になりました請願は、鹿兒島縣肝属郡大根占町に元飛行機救難艇拂下請願であります。同町にあります元飛行機救難艇の拂下をお願いいたしたい。こういう趣旨のものであります。内容については大体請願の表題で御了解願えると存じますから、よろしくお願いします。     —————————————
  58. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次は日程第一四、旧軍港所在軍用建物等拂下價格に関する請願、文書表第二二一号、日程第一五、商工業者に対する租税軽減請願、文書表第二二二号、いずれも紹介議員が見えませんので塚田委員より御紹介をいただきます。
  59. 塚田十一郎

    塚田委員 この請願は横須賀市の旧軍港所在地にあるところの軍用建物の拂下價格に関して、いろいろな事項をもつて政府にお願いいたしておるのであります。その詳細は時間の関係上申し上げませんが、請願の書類の内容について、御審議に上しかるべく御善処をお願いしたいと思います。商工業者に対する課税軽減請願、これは横須賀市横須賀商工会議所会頭村田義鑑君よりの請願であります。表題によつて明らかな通り商工業者に対する課税はあまりに過重で負担できない状態であるから、これを御軽減願いたいという趣旨のものであります。よろしくお取扱いをお願いいたします。     —————————————
  60. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次は日程第二五、監査士法制定請願、文書表第五〇三号、日程第三七、小山町に税務署設置請願、文書表第六八四号、日程第四四、歯科医師事業税課税反対請願、文書表第七四一号、日程第四六、麻織物消費税軽減請願、文書表第七六六号、日程第四九、医師に対する事業税免除請願、文書表第八〇八号、日程第五〇、矢板税務署復活に関する請願、文書表第八三九号、日程第五一、社会保險公費医療報酬に対する所得税免税請願、文書表第八四一号、日程第五五、煙草賠償價格引上の請願、文書表第八七一号、日程第五八、賣上税創設反対請願、文書表第九二〇号、日程第六〇、医師に対する事業税免除請願、文書表第九二八号、以上を塚田委員より代つて説明をいただきます。
  61. 塚田十一郎

    塚田委員 監査士法案制定の請願でありますが、これは今般政府側において、公認会計士法というものを御用意になつているそうでありますから、大体請願の趣意がこれによつて達せられるものと考えているのでありますが、なおこの法案の内容を附属書類として出しておりますから、それらの点について、公認会計士法が上程されますときに、しかるべき政府側の御善処を願いたいと思います。  次に栃木縣下都賀郡小山町に税務署設置に関する請願であります。これは先般栃木縣の氏家町に税務署が設置になりました当時、小山町及び矢板というところに、一緒に設置を願いたいという陳情があつたように記憶しているのですが、先般は氏家に決定になりましたので、今度小山町にもぜひ設置を願いたい、こういう意味請願であります。歯科医師事業税課税反対請願、これは社團法人奈良縣歯科医師会長よりの請願でありますが、表題の通り内容でありますから、よろしくお願いいたします。  次は麻織物消費税軽減請願、これは佐々木義彦氏よりの請願でありますが、表題の通り内容でありますからよろしくお願いいたします。  次は医師に対する事業税免除請願、これは社團法人奈良縣医師会長田村貞長氏よりの請願でありますが、表題の通りでありまするから、よろしくお願いいたします。  次は矢板税務署復活に関する請願であります。これは昔矢板に税務署があつたのが一時廃止になつて、今度はそれが復活せずに氏家に税務署ができたので、矢板では非常に困難をしておるから、どうか矢板税務署も復活願いたい、こういう趣旨の請願でありますから、よろしく御審議を願います。  それからタバコ賠償價格引上の請願、これも表題の通り内容のものでありますから、よろしくお願いいたします。  次は社團法人日本商工会議所会頭高橋龍太郎氏よりの請願で、賣上税の創設に対して反対をいたしたい、こういう意味請願であります。どうぞよろしくお願いいたします。  次は山口縣医師会長沢井順一郎氏よりの医師に対する事業税免除請願であります。これも表題の通り内容でありますからよろしく御審議を願いたいと思います。
  62. 北村徳太郎

    北村國務大臣 ただいまの請願の中で、租税関係につきまして二、三の点私より意見を申し上げたいと思います。歯科医師並びに医師より事業税免除について、それから商工業者から租税の軽減について御請願になつておりますが、これらの点につきましてちよつと意見を申し上げたいと思います。  第一に事業税でありますが、これは從來は主として商工業者がいろいろの形で税を負担いたしておりまして、自由業に属する計理士、弁護士、あるいは医師歯科医師等の方々は、商工業者の税負担とは違つて所得税一本でまいつてつたわけであります。ところが今回事業税を地方税として創設するということになりまして、從つて從來営業税の対象になつておらなかつた原始産業並びに自由業等を対象として租税を起す、こういうことになりましたので、それで弁理士、医師等の方々に、新たに事業税の負担を願う。これを地方税として地方財源に充てるということになつたのでありますが、医師の方々からは、特にこれに対して、そういうものはかけられては困るという御陳情は非常に多いのであります。これは一應ごもつともな点もあると思うのでありますけれども、ただいま政府の方針といたしましては、今の事業税の対象の中から医師を除外するという積極的な理由が非常に乏しい。こまかいところに議論をいたしますと、弁護士と医者と同じでないということも言える。医者は往診の義務があるが弁護士にはそういうものはない。お医者さんの方には設備とか藥剤を要するが、弁護士は必ずしもそういうものはないというような点において、多少の違いをつけるというようなことに考えが及んでもよいのじやないか、こういうふうに私は考えておりますけれども、今これは税制改革の懇談会等では、まだ地方税についてのこまかいところまで論議が進んでいないと思うのでありまして、これはその方の專門の方々のおいでになる懇談会において、御研究願いたいと思つております。ただいまのところ、これは区分するとしても、なかなかむずかしい問題でございますので、医師の方々をこの事業税の対象から除くということは、非常に困難である、というように考えております。  それから、商工業者の税の軽減というのは、これは所得税法の改正とか、あるいは法人税の改正というようなことによつて、商工業における企業組織が株式会社組織になつているというものについては、今回多少軽減できる、あるいは所得税改正が、ある程度は御均霑になるというような点もあるかと思うのであります。事業税の新しい地方税としての賦課が——これはまあ今まで商工業者が割合に対象になり過ぎて、一般自由業がその外にあつたというのが、自由業をおやりになる方も、今度は租税の対象になるということによつて、相対的には多少のバランスがとれるということで、商工業者に御幸抱を願う。殊に法人組織である場合には、法人税の軽減ということもあるというような点において、辛抱願うよりしようがないのではないか、かように考えます。  それから日本商工会議所会頭からの取引高税に対する反対の御請願も、きわめてごもつともと思うのでありますけれども、これは何分勤労所得税等を軽減いたしました金額が相当大きくございまして、これをどうして補填するかという問題につきまして、なかなか困難な財政状況でございますために、この税を新たに起して、これで一部を補うということを余儀なくされたわけでありまして、取引高税というものが、必ずしもこれは非常にいい税であるとは考えておりませんけれども、まあきわめて軽度のものであれば——すなわち今研究いたしておりますのは、一段階一%ということで考えておりますので、最高の場合まで考えて総平均いたしますと、おそらく五%以上になることはあるまい、こういう考え方をいたしておるのでありまして、かような点で、これはまあひとつ御辛抱願うよりしようがないのではないか、かように考えておりまして、ただいまこの法案を國会に提出いたそうと思つておるところでございます。この点だけ一應政府の考え方を申し上げまして御了解を得たいと思います。
  63. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 請願はこの程度に止めまして、採否は次会に決定いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 それではさよう取計らいます。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時四十七分散会