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1948-06-01 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月一日(火曜日)     午前十一時四十八分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 塚田十一郎君 理事 島田 晋作君    理事 中崎  敏君 理事 梅林 時雄君    理事 吉川 久衛君       淺利 三朗君    石原  登君       大上  司君    島村 一郎君       宮幡  靖君    川合 彰武君       佐藤觀次郎君    田中織之進君       八百板 正君    金光 義邦君       後藤 悦治君    中曽根康弘君       長野 長廣君    細川八十八君       井出一太郎君    内藤 友明君       本藤 恒松君    堀江 實藏君       本田 英作君  出席政府委員         大藏政務次官  荒木萬壽夫君         大藏事務官   平田敬一郎君  委員外出席者         議     員 岡野 繁藏君         議     員 長谷川政友君         議     員 佐竹 新市君         議     員 河野 金昇君         專門調査員   圓地與四松君         專門調査員   氏家  武君 五日二十八日委員鈴木正文君辞任につき、その補 欠として倉石忠雄君が議長の指名で委員に選任さ れた。     ————————————— 五月二十八日  助産医療に対する事業税賦課反対請願榊原  亨君紹介)(第一〇六四号)  同(福田昌子紹介)(第一〇六五号)  同(最上英子紹介)(第一〇六九号)  吉城農業会金融債権を再び旧勘定移換中  止の請願岡村利右衞門紹介)(第一〇七八  号)  師医に対する事業税免除請願榊原亨君紹  介)(第一〇八四号)  眼鏡枠に対する物品税免税請願坪川信三君  紹介)(第一〇八五号)  連合軍宿舎ホテルに対する法律第百七十一号  適用除外等請願村上勇紹介)(第一一〇  七号)  雪國農民に対する租税軽減請願外三件(圖司  安正君紹介)(第一一一〇号)  農業事業税反対請願岡村利右衞門紹介)  (第一一一二号)  ホテル事業に対する資金貸出順位引上に関する  請願受田新吉紹介)(第一一一三号)  廣島市の旧軍用地償拂下請願佐竹新市君  紹介)(第一一二二号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件   請 願  一 仙臺市東北証券取引所設置促進請願外    一件(庄司一郎紹介)(第二七号)  二 昭和二十二年度分所得税更訂決定に対する    請願亘四郎紹介)(第三二号)  三 大根占町に元飛行機救難艇拂下請願(前    田郁紹介)(第七〇号)  四 官吏の出張旅費規定改正請願坂東幸太    郎君紹介)(第七一号)  五 北海道の青果物公認荷受機関資金融通の    請願坂東幸太郎紹介)(第七八号)  六 靜岡專賣支局靜岡地方專賣局に昇格の請    願(岡野繁藏紹介)(第一〇〇号)  七 大相撲本場所における入場税減免請願(    佐藤觀次郎紹介)(第一〇九号)  八 光海軍工廠跡敷地拂下に関する請願守田    道輔君紹介)(第一一一号)  九 食塩生産合理化に関する請願多賀安郎    君外九名紹介)(第一二九号) 一〇 昭和二十二年度分所得税更訂決定に対する    請願長野長廣紹介)(第一五五号) 一一 外國製中古自動車公定價格撤廃請願(櫻    内義雄君紹介)(第一七〇号) 一二 大衆課税反対並びに徴税費引上に関する請    願(大島多藏君紹介)(第二〇六号) 一三 化粧品に対する物品税軽減及び賦課徴收    方法等改善に関する請願川合彰武君紹    介)(第二一九号) 一四 旧軍港所在軍用建物等拂下價格に関する    請願小暮藤三郎君外一名紹介)(第二二    一号) 一五 商工業者に対する租税軽減請願小暮藤    三郎君外一名紹介)(第二二二号) 一六 福島市に証券取引所設置請願原孝吉君    紹介)(第三四一号) 一七 福島市に煙草工場設置請願原孝吉君紹    介)(第三四二号) 一八 豊里村に國有林地貸付に関する請願(小林    運美紹介)(第三四九号) 一九 木製文具並びに事務用品に対する物品税の    免税点設定に関する請願池谷信一君外六    名紹介)(第三五六号) 二〇 光海軍工廠跡敷地拂下に関する請願守田    道輔君紹介)(第三五七号) 二一 昭和二十二年度分所得税更正決定に対する    請願長野長廣紹介)(第三六六号) 二二 大衆課税反対請願赤松勇君外一名紹    介)(第四三五号) 二三 同(佐藤觀次郎君外一名紹介)(第四三六    号) 二四 大衆課税反対請願外一件(佐藤觀次郎君    紹介)(第四七八号) 二五 監査士法制定請願青木孝義君外一名紹    介)(第五〇三号) 二六 長岡市に煙草工場設置請願神山榮一君    紹介)(第五一二号) 二七 鉱産税復活請願岡田春夫君外一名紹    介)(第五一八号) 二八 陶磁気製タイル物品税改正請願早稻    田柳右ェ門紹介)(第五四〇号) 二九 農業会金融債券補償に関する請願伊藤    恭一君外一名紹介)(第五六八号) 三〇 常磐炭鉱に対して過度経済力集中排除法の    指定を解除する請願(關内正一君紹介)    (第五七二号) 三一 教育映画のフイルムに対する物品税免除の    請願福田繁芳紹介)(第五八七号) 三二 ニユース映画及び教育映画事業に対する映    画産業事業資金融資順位引上に関する請願    (福田繁芳紹介)(第五八八号) 三三 観光施設に対する産業資金融資順位引上に    関する請願高橋長治紹介)(第五九一    号) 三四 企業整備令による合同株式還元に関する    請願河野金昇紹介)(第六〇六号) 三五 藺製品縁附上敷糸掛上敷及び茣蓙長物に    対する免税請願多賀安郎君外九名紹    介)(第六一二号) 三六 勤労所得税軽減請願伊藤卯四郎君紹    介)(第六四六号) 三七 小山町に税務署設置請願山口好一君紹    介)(第六八四号) 三八 庶民銀行設立促進請願並木芳雄君紹    介)(第七〇三号) 三九 大衆課税撤廃並びに軽減に関する請願    (川合彰武紹介)(第七一五号) 四〇 所得税法の一部を改正する請願川合彰武    君紹介)(第七一六号) 四一 中小企業に対する適正課税に関する請願    (長野右ヱ門紹介)(第七三一号) 四二 勤労所得税軽減請願吉川    兼光君紹介)(第七三四号) 四三 大衆課税反対請願外二十二件(山本幸一    君紹介)(第七三七号) 四四 歯科医師事業税課税反対請願前田正    男君紹介)(第七四一号) 四五 煙管に対する物品税免税点設定に関する    請願笠原貞造紹介)(第七六五号) 四六 麻織物消費税軽減請願前田種男君紹    介)(第七六六号) 四七 玩具物品税率引下並び免税点引上に関    する請願岡野繁藏紹介)(第七七一    号) 四八 木製文具並びに木製事務用品に対する物品    税の免税点設定に関する請願岡野繁藏君    紹介)(第七七七号) 四九 医師に対する事業税免除請願前田正男    君紹介)(第八〇八号) 五〇 矢板税務署復活に関する請願青木孝義君    紹介)(第八三九号) 五一 社会保險公費医療報酬に対する所得税免税    の請願苫米地英俊紹介)(第八四一    号) 五二 社会保險公費医療報酬に対する所得税免除    の請願椎熊三郎紹介)(第八四四号) 五三 木製文具並びに木製事務用品に対する物品    税の免税点設定に関する請願鈴木里一郎    君紹介)(第八四五号) 五四 医師に対する事業税免除請願川野芳滿    君紹介)(第八六一号) 五五 煙草賠償價格引上の請願(上林山榮吉君    紹介)(第八七一号) 五六 助産医療に対する事業税賦課反対請願    (福田昌子君外三名紹介)(第八八一号) 五七 七宝燒に対する物品税十割減税請願(佐    藤觀次郎紹介)(第八九三号) 五八 賣上税創設反対請願東舜英紹介)    (第九二〇号) 五九 中小企業者に対する課税軽減に関する請願    (松原喜之次紹介)(第九二三号) 六〇 医師に対する事業税免除請願坂本實君    紹介)(第九二八号) 六一 電氣税創設反対請願前田榮之助君紹    介)(第九二九号) 六二 清凉飲料に対する物品税引上反対の請願    (中曽根康弘君外一名紹介)(第九四四    号) 六三 物品税改正に関する請願岡野繁藏君紹    介)(第九六〇号) 六四 靜岡城趾拂下請願岡野繁藏紹介)    (第九六三号) 六五 農産物に対する所得税課税に関する請願    (田中松月紹介)(第九八三号) 六六 農家及び中小企業者に対する金融措置に関    する請願田中松月紹介)(第九八七    号) 六七 日本樟脳製造株式会社解体請願田中松    有君紹介)(第九九〇号) 六八 賣上税設定反対請願笠原貞造君外一名    紹介)(第一〇一四号) 六九 所得税軽減に関する請願河合義一君紹    介)(第一〇一五号) 七〇 三木町に税務署設置請願河合義一君紹    介)(第一〇三六号) 七一 勤労所得税軽減請願伊藤卯四郎君紹    介)(第一〇四一号) 七二 人造バターに対する物品税撤廃請願(長    谷川政友紹介)(第一〇四八号) 七三 助産医療に対する事業税賦課反対請願    (榊原亨紹介)(第一〇六四号) 七四 同(福田昌子紹介)(第一〇六五号) 七五 同(最上英子紹介)(第一〇六九号) 七六 吉城農業会金融債権を再び旧勘定に移    換中止の請願岡村利右衞紹介)(第一    〇七八号) 七七 医師に対する事業税免除請願榊原亨君    紹介)(第一〇八四号) 七八 眼鏡枠に対する物品税免税請願坪川信    三君紹介)(第一〇八五号) 七九 連合軍宿舍ホテルに対する法律第百七十    一号適用除外等請願村上勇紹介)    (第一一〇七号) 八〇 雪國農民に対する租税軽減請願外三件    (圖司安正紹介)(第一一一〇号) 八一 農業事業税反対請願岡村利右衞門君紹    介)(第一一一二号) 八二 ホテル事業に対する資金貸出順位引上に関    する請願受田新吉紹介)(第一一一三    号) 八三 廣島市の旧軍用地償拂下請願佐竹新    市君紹介)(第一一二二号)     —————————————   〔筆記〕
  2. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 開会する。  請願程第四七、玩具物品税率引下並び免税点引上に関する請願日程第四八、木製文具並びに木製事務用品に対する物品税免税点設定に関する請願及び日程第五三の請願日程第四八と同趣旨のため一括議題とする。
  3. 岡野繁藏

    岡野繁藏君 日程第四七の請願要旨は、玩具に対する物品税戰時中に制定された奢侈品的な高率であり、かつ現下の騰貴した資材及び労賃のため、その價格は九十倍以上となる、小國民必需品としてとうていその負担に堪えられず、脱税者及び横流しを助長している。ついては木製玩具物品税に対しては、一個又は一組百円未満のものは二割とされたい。  次に日程第四八の要旨は、物品税が今なお木製文具並びに事務用品に限り、一樣に百分の二十乃至五十の高率課税をされているが、その用途並びに購買者利用の面から、妥当を欠くと信ずるので、低價小品の物については他品と同樣、適当なる免税價格設定されたい。なお日程第五三の請願日程第四八の請願と同趣旨のものである。     —————————————
  4. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第六三、物品税改正に関する請願及び日程第六四靜岡城趾拂下請願一括議題とする。
  5. 岡野繁藏

    岡野繁藏君 日程第六三の請願要旨は、靜岡市特産品である漆器並びに木製品は、いずれも高率物品税を課せられているが、これらの物品國民日常生活上必須の実用品であり、その賣價の高低いかんは、ただちに國民経済に影響を及ぼすのみならず、戰災復興上にも多大の関係がある。ついては該物品税を(一)現行免税價格引上(二)免税價格の設けのないものに対しては新たに免税價格設定(三)現行税率引下(四)徴税技術改善、以上のように改正されたい。次に日程第六四の請願要旨は、靜岡城趾靜岡市民にとり祖先傳來ゆかりの地であり、國軍解体なつた今日、当然靜岡市に現在の建物も併せて全部無償拂下げを受けることが最も妥当であり、そのように取り計はれたい。
  6. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第七二、人造バターに対する物品税撤廃請願議題とする。
  7. 長谷川政友

    長谷川政友君 わが國経済再建と関連して、労働再生産の基礎となる勤労大衆の保健問題が重大視されている今日、脂肪、補給の面から見て、わが國民の食生活上きわめて重要性をもつ人造バターが、現在なお天然バターと同樣嗜好品奢侈品と看做されて、三〇%の物品税が課されているのは不合理であるので、即時撤廃されたいというのである。     —————————————
  8. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第五六、助産医療に対する事業税賦課反対請願日程第七三、第七四及び第七五は同趣旨であるため一括議題とし、紹介議員福田昌子榊原亨君及び最上英子欠席のため、委員本田英作君に代理紹介説明を求める。
  9. 本田英作

    本田委員 日程第五六、第七三、第七四、及び第七五の各請願要旨は、今回政府営業税を拡張して事業税と改称し、助産婦に対しても地方税をもつて事実上の営業税を課しようとすることは、助産医業が事実上営業でない性格であり、かつ應招義務が強制されている特殊性に鑑み、同時に國民負担の増大を來す恐れあるため、この際助産医業に対する課税を取り止められたいという趣旨である。     —————————————
  10. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第七八、眼鏡枠に対する物品税免税請願議題とし、紹介議員坪川信三欠席のため梅林委員代理紹介説明を求む。
  11. 梅林時雄

    梅林委員 日程第七八の請願要旨は、現在眼鏡レンズ非課税品として取扱われているが、これと不可分の関係にある眼鏡枠には、高率五割の物品税を課されている。視力障害者の多いわが國にあつては、医療器具に準ずべきものである。この際眼鏡枠に対する課税を取り止められたいという趣旨である。     —————————————
  12. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第四五、煙管に対する物品税免税点設定に関する請願議題とし、紹介議員笠原貞造欠席のため、川合委員より代理紹介説明されたい。
  13. 川合彰武

    川合委員 本請願要旨は、現在煙管業者の製造する卸價格十三円以下の製品は、生産費増高と五〇%の物品税の圧迫とにより非常に打撃を蒙り、中小企業経営者は深刻な不安と苦脳にあえぎつつあるが、中小企業保護の見地から、煙管製造業者販賣價格一本につき十三円以下の下級品に対し、免税点を設置せられたいという趣旨である。     —————————————
  14. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第六五、農産物に対する所得税課税に関する請願日程第六六、農家及び中小企業者に対する金融措置に関する請願及び日程第六七、日本樟脳製造株式会社解体請願以上三件を一括議題とする。
  15. 田中織之進

    田中委員 まず紹介議員田中松月君に代つて三件を紹介説明したい。日程第六五の請願要旨は、政府は逼迫せる農家経済の実態を把握せず、ただ單に実收高に対するやみ價格をもつて評價して高率所得税賦課をなすのは、農村の生産意欲を低下させ、主食蔬菜の供給を阻害させるものである。この際実收獲に対しマル公價格をもつて評價し、公正なる生産費を控除した純所得に対して課税せられるように願いたい。  次に日程第六六の請願要旨は、農地改革後激増した零細農家及び中小企業者は、目下経済的破綻を來そうとしているから、中小企業專門金融措置を早急に実施せられたい。  日程第六七の請願要旨は、樟脳專賣事業であるが、煙草と異り生産者專賣局との間に日本樟脳製造株式会社という中間会社が介在して企業を独占し、高利潤を壟断している。独占禁止法経済力集中排除法に鑑み、該会社の解体をせられたいというのである。     —————————————
  16. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 日程第五七、七宝燒に対する物品税十割減税請願議題とする。
  17. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 本請願要旨は、七宝燒製品はそのほとんど全部が外國向けに製造されている関係上、これに十割の物品税課税することは妥当でないから、税額軽減方を要望するものである。     —————————————
  18. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第八三、廣島市の旧軍用地償拂下請願議題とする。
  19. 佐竹新市

    佐竹新市君 本請願要旨は、原爆都廣島市がその復興事業を完遂するため、厖大な額に上る財政負担を負い、さらにインフレの高進により本市財政は破局に直面している。ついては、利用面積一千万坪に狹隘な本市に、二〇%に近い百八十万坪の旧軍用地が取り残されているが、該地域を無償拂下げられ、本市再建の隘路を打開せしめられたいのである。     —————————————
  20. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第一三、化粧品に対する物品税軽減及び賦課徴收方法等改善に関する請願議題とする。
  21. 川合彰武

    川合委員 本請願要旨は、現行物品税法化粧品に対し八割の高率を課しているが、これを引下げ、その賦課徴收にあたり、税務署事務を統一し、公平を期せられたい。又化粧品工業資金融通準則による丙種に属しているのを甲種の取扱いとするとともに、物品税納期を一箇月延長せしめられたいという趣旨である。     —————————————
  22. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に日程第三四、企業整備令による合同株式還元に関する請願議題とする。
  23. 河野金昇

    河野金昇君 本請願趣旨は、戰時中工業者は、企業整備令緊急措置により中外毛織株式会社に合同してその持株を大東紡織株式会社に讓渡したが、今回特経会社制限令によつて大東紡織会社が、中外毛織会社株式を他に讓渡することになつた。しかるに小工業者工場及び機械設備は各戸の屋敷地内に現存し、終戰以來休眠工場として機能停止現状である。ついてはこれが休眠施設として産業再興に努力せしめるため、企業整備令による合同株式原所有者還元讓渡されたいというのである。     —————————————
  24. 早稻田柳右エ門

  25. 梅林時雄

    梅林委員 両請願要旨は、現行医師に対する課税法は総收入に基く認定課税であるが、社会保險医療及び公費医療收入は、きわめて僅少なるにもかかわらず、画一的同率をもつて課税されており、これがため設備の、補修充実ができず、貧弱なる施設勤労大衆を診療している状態である。ついては、これが医療施設内容充実及び大衆開放のため、社会保險公費医療報酬に対する所得税免除措置を講ぜられたいとの趣旨である。
  26. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 以上で紹介説明を終り、政府委員意見を求める。
  27. 平田敬一郎

    平田(敬)政府委員 物品税関係につき、現在の物品税課税中、負担が相当過重と認められるような部分については、この際取引高税の創設せられる機会でもあり、できるだけ税率引下げ並びに免税点引上げを考慮したいが、現在の財政事情厖大なものである点を勘案して、妥当な範囲に止めざるを得ない実情にあることを御了承願いたい。  請願の各項目については、まづ玩具免税点についてはできるだけ引上げを考慮するのが妥当ではないかと考えている。ただ税率については、物品税にしてもなお、相当多額の税額を期待しなけれけばならぬ現状であるので、引下げは困難ではないかと思はれるが、大衆的な玩具に対する課税は、できるだけ免税するという方針がよいのではないかと考えている。  次に木製文房具木製事務用品につき、物品税免税点設定されたいという請願については、若干の必需的な性質の強いものは、免税点設定を考慮したい所存である。  次に漆器類に対する免税点引上げ請願については、漆器に対する課税税率が少し高いのではないかと考えられるので、税率につき檢討して見たい。  次に人造バターに対する物品税課税撤廃請願については、今のところ課税撤廃段階には未だ至つていないが、本請願國民の栄養に関する食糧の問題なので、その税率については、引下げ方を考慮してはどうかと考えている。  次に煙管に対して免税点を設けてはいかんということであるが、この点については煙管中大衆的なものには免税点を設けることにつき考慮したい。  次に眼鏡枠に対する物品税免税請願については、これも全然課税を免除するというのは、まだ時機尚早と考えているが、税率を若干引下げるということについては、考慮したいと考えている。  次に七宝燒に対する物品税十割減税請願に対しては、現在十割の課税をしておるが、こういう品物は物品税を存置する以上、最も奢侈的な性質の濃厚なものであるものを引下げるというところまでは、まだ情勢が來ていないと考えられるので、この点は困難であろうと思つている。但し進駐軍等土産用のものは現在も免税をしているが、一般國内用七宝製品については、十割課税は妥当じやないかと考えておる。  次に化粧品については、色々議論があるようだが、まづ税率については、化粧品全体について税率を下げるということは行き過ぎではないか、化粧品の中で比較的必需品的な性質の強いものについては、一段階税率を下げるというような方向で考慮した方が妥当じやないか。たとえばポマード、クリーム等一般大衆の消費するものについては引下げ、口紅その他については、現行通りにしようと考えておる。  それから徴税方法については色々御意見があつたが、御指摘の通り色改善すべき点が多々あるように見受けている。この点についても、各業者に不均衡にならないよう、妥当な納税をしていただくよう適正を期したいと思う。なお、その際、團体交渉的な課税方法を認めて欲しいとの希望があるが、いわゆる團体交渉によつてきめるという方法は、課税については原則として避けたい。團体意見を聞くということについては、よいと思うが、團体と協定して税額をきめるということは避けた方が一般的によいのではないかと考えている。それから納期を若干延ばして欲しいという希望については、前月分を翌月末までに納付することになつているから、物品税一般についてはそれでよいのではないかと思う。なお、担保を提供すると一月だけ延ばせるという規定もあるので、その規定により納税が著しく困難なものについては話し合つて考慮する。一般的に納期を延ばした年度においては、歳入がずれて翌年度にまたがるということになるので、この点は困難ではないかと考えている。  次に事業税の問題であるが、事業税地方財政委員会の所管であり、その方から意見を述べていただきたいが、一應私どもの見解を申し述べると、まず医師助産医療師に対する事業税を免除して欲しいという請願については、その理由として営業でないから課税するのは妥当でないというような趣旨が第一に掲げてあるが、今度の事業税は、從來の営業税以上の独立的な事業、純粹のインデイペンデントな、自ら事業を営んでおる收益に対して課税するというのが、今回の事業税趣旨であるので、今回そういうように拡張するという趣旨からいうと、やはり医師とか助産婦等に対しても、事業税を課するということが理論上止むを得ないと考えている。  次に農産物に対する所得税課税に関する請願については、本委員会において度々意見を申し述ベたので、詳細な意見は差控えたいと思うが、ただ公定價格だけによつて所得を計算するようにというところが陳情の要点かと考えるので、この点について見解を申し上げて見れば、所得税は実收を本にして実際の所得を査定してきめるのが本來の建前であるので、さよう御了承願いたい。  最後に、社会保險に基く公費医療の報酬に対して、所得税を免除してもらいたいという請願については、社会保險に基く医療報酬なるがゆえに、所得税を免除するというのは妥当でないのではないかと考える。社会保險における医療報酬は、外の医療費に比し純益率が比較的低いということは確かに御指摘の通りだと思うが、この事に関しては実行面で実際の所得に合うよう、十分留意して課税上遺憾なきを期してまいりたいと考えておる。
  28. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 本日審査の請願各件に関する決定は、追て協議の上決することとし、他の日程はこれを延期し散会する。     午後零時五十四分散会