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今井政府委員 地域給の問題は非常にむつかしい、また手のかかる問題でございますが、私どもが
地域給をきめます場合の
考え方としては、決して村とか、町とか、市とかいうものにとらわれないという方針は確立いたしております。ただ御
指摘の
通り物價だけでもまいりません。單なる生活費の
絶對額だけでもぐあいよくまいりませんので、ただいま私どもが
地域給決定の基本的な
態度としては、まずその土地における配給の量、これは主食も副食も兩方こめての話でありますが、配給の量、このマル公はもちろん全國共通であります。それを基礎にして、
一般國民の全國を共通する生活水準を抑えて、その水準をどの土地でも得るためにいくらかかる。從
つてマル公の配給を受けない部分については、その土地の相場でやみで買わなければなりません。そのやみはやみ價格という表に上つたものは私どもとらないのでありまして、やみ價格の
調査ははなはだ信用できかねますので、
具體的な現實
生計費からそれをつかまえてくる。たとえばそこでやみ値が百五十圓と言われておりましても、實際に調べると、百三十圓、百二十八圓、たまには百五十圓で買う人がある、しかし呼値としては百五十圓、そういうことに
なつております。それを現實
生計費から引張
つてまいりまして、そこの土地のほんとうの實行價格的なやみ値はいくらだ、こういつたものを測定いたします。それをも
つてマル公の配給の不足分を補充する。そうして全國的な水準の生活をすると假定する。もちろんこの場合に生活
内容が全部一式に型にはまつたようなものにはいたしません。すなわち農村地帶では比較的野菜を多く食う、漁村では魚を多く食ベるというような
構成にはいたしますが、しかしながら、とにかく生計
實質におきましては、バランスのとれたものに引直して
考える。また主食の配給につきましても、ただいま御
指摘のように、米がたくさん配給に
なつた場合と、あるいは代替配給が多く
なつた場合とでは、それを補充する場合のやみ買の要素の中に調整を加えまして、そこである一定の數字を想定して引出して、全國的な基準とにらみ合わせまして、大體標準家族で、標準的な生計を營もうとすると、その土地では五千圓はかかる、六千圓はかかる、こういつた數字を出しまして、それによ
つて全國的な立場から
地域給を
決定いたしたい。さように
考えて、實際その線に向
つて努力しているのであります。ただ
資料その他の
關係から、そこまでにいきにくい場合もございます。かつまた組合員諸君の立場から申しますと、大體當初の出發が普通の
資料という、ほとんど根據のない客觀できめます
關係上、乙地の高さにも、現状から申しますと、全國的にかなりでこぼこがございますので、あの市町よりは自分の方が高いといつたようなところが、結局全國的な物さしからいえば、乙地にはならないが、しかしどこの市よりは高いといつたような事例が次ぎ次ぎ起きまして、これが組合員諸君としてはなかなか納得しにくい問題であります。しかしながらあまりにお隣り合せとの問題を議論してまいりますと、結局
地域給の區分は不可能にも相
なつてしまうのでありまして、その點組合員の方々にも、たえず御了承をお願いしているところであります。いろいろ組合員諸君の
地域給査定に關する方針についての
意見もよく聽くのでありますが、結局のところは、ただいま申し上げましたラインが、現在の段階では實行可能な、しかも公平な見方のようにわれわれ判斷しているわけであります。
一つの町におきましても、實際よく調ベますと、かなり
生計費には差がありまして、東京等におきましても、その地域によりまして、やはり差ができますので、その點は同じ町でも差のできることはあります。しかしまた急に一里離れたらすとんと下がるものでもありませんので、結局最後のところは、やはり私はただいまのような
資料の不備の段階では、組合員諸君の納得というところに解決のめやすをおきたいと存じている次第であります。