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1948-05-20 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十日(木曜日)     午前十一時十二分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 塚田十一郎君 理事 中崎  敏君    理事 梅林 時雄君    石原  登君       大上  司君    島村 一郎君       苫米地英俊君    松田 正一君       宮幡  靖君    赤松  勇君       川合 彰武君    川島 金次君       河井 榮藏君    佐藤觀次郎君       田中織之進君    金光 義邦君       後藤 悦治君    中曽根康弘君       長野 長廣君    内藤 友明君       藤田  榮君    本藤 恒松君       堀江 實藏君    本田 英作君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 北村徳太郎君  出席政府委員         大藏政務次官  荒木萬壽夫君         大藏事務官   今井 一男君  委員外出席者         專門調査員   氏家  武君 五月六日西村榮一君が委員を辞任した。     ――――――――――――― 五月十八日  政府職員給與実施に関する法律案内閣提  出)(第六一号) 同月十日  陶磁器製タイル物品税改正請願早稻田柳  右エ門紹介)(第五四〇号)  農業会金融債券補償に関する請願伊藤恭一  君外一名紹介)(第五六八号)  常磐炭鉱に対して過度経済力集中排除法の指定  を解除する請願(關内正一君紹介)(第五七二  号)  教育映画のフイルムに対する物品税免除請願  (福田繁芳紹介)(第五八七号)  ニユース映画及び教育映画事業に対する映画産  業事業資金融資順位引上に関する請願福田繁  芳君紹介)(第五八八号)  観光施設に対する産業資金融資順位引上に関す  る請願高橋長治紹介)(第五九一号)  企業整備令による合同株式の還元に関する請願  (河野金昇紹介)(第六〇六号)  蘭製品縁附上敷糸掛上敷及び茣蓙長物に対す  る免税請願多賀安郎君外九名紹介)(第六  一二号) 同月十一日  勤労所得税軽減請願伊藤卯四郎紹介)(  第六四六号)  小山町に税務署設置請願山口好一紹介)  (第六八四号)  庶民銀行設立促進請願並木芳雄紹介)(  第七〇三号)  大衆課税の撤廃並びに軽減に関する請願川合  彰武紹介)(第七一五号)  所得税法の一部を改正する請願川合彰武君紹  介)(第七一六号)  中小企業に対する適正課税に関する請願(長野  重右エ門紹介)(第七三一号)  勤労所得税軽減請願吉川兼光紹介)(第  七三四号)  大衆課税反対請願外二十二件(山本幸一君紹  介)(第七三七号) 同月十二日  歯科医師事業税課税反対請願前田正男君  紹介)(第七四一号)  煙管に対する物品税免税点設定に関する請願  (笠原貞造紹介)(第七六五号)  麻織物消費税軽減請願前田種男紹介)(  第七六六号)  玩具の物品税率引下並び免税点引上に関する  請願岡野繁藏紹介)(第七七一号)  木製文具並びに木製事務用品に対する物品税の  免税点説定に関する請願岡野繁藏紹介)(  第七七七号)  医師に対する事業免除請願前田正男君紹  介)(第八〇八号)  矢板税務署復活に関する請願青木季義君紹  介)(第八三九号)  社会保險公費医療報酬に対する所得税免税の請  願(苫米地英俊紹介)(第八四一号)  社会保險公費医療報酬に対する所得税免除の請  願(椎熊三郎紹介)(第八四四号)  木製文具並びに木製事務用品に対する物品税の  免税点設定に関する請願鈴木里一郎紹介)  (第八四五号) 同月十四日  医師に対する事業税免除請願川野芳滿君紹  介)(第八六一号)  煙草の賠償價格引上の請願(上林山榮吉君紹  介)(第八七一号)  助産医療に対する事業税賦課反対請願)(福  田昌子君外三名紹介)(第八八一号)  七宝燒に対する物品税十割減税の請願佐藤觀  次郎君紹介)(第八九三号)  賣上税創設反対請願東舜英紹介)(第九  二〇号)  中小企業者に対する課税軽減に関する請願)(  松原喜之次紹介)(第九二三号)  医師に対する事業税免除請願坂本實君紹  介)(第九二八号)  電氣税創設反対請願前田榮之助君紹介)(  第九二九号)  清凉飲料に対する物品税引上反対の請願(中曽  根康弘君外一名紹介)(第九四四号)  物品税改正に関する請願岡野繁藏紹介)(  第九六〇号)  靜岡城趾拂下請願岡野繁藏紹介)(第九  六三号) 同月十八日  農産物に対する所得税課税に関する請願(田  中松月紹介)(第九八三号)  農家及び中小企業者に對する金融措置に関する  請願田中松月紹介)(第九八七号)  日本樟脳製造株式会解体請願田中松月君紹  介)(第九九〇号)  賣上税設定反対請願笠原貞造君外一名紹  介)(第一〇一四号)  所得税軽減に関する請願河合義一紹介)(  第一〇一五号) の審査を本委員会に付託された。 五月十日  所得税不当課税反対に関する陳情書  (第二一一号)  日本樟脳製造株式会社解体陳情書  (第二三六号)  日本銀行盛岡出張所を支店に昇格の陳情書  (第二三七号)  横浜市に自由港区設置の陳情書  (第二四五号)  遺家族に対し非戰災者特別税免除陳情書  (第二五六号)  農民の税負担軽減に関する陳情書  (第二  八六号) 同月十九日  砂利、砂類の價格統制撤廃陳情書  (  第三二三号)  軍事公債利拂停止反対に関する陳情書  (第三三一号)  勤労所得税是正陳情書  (第三四一号)  大衆課税反対に関する陳情書  (第三五六号)  勤労所得税是正に関する陳情書  (第三五七  号)  農家の税負担是正に関する陳情書  (第  三七〇号)  所得税並びに営業税課率調整に関  する陳情書  (第三七九号)  砂利、砂、碎石等の價格調整廃止陳情書  (第三八一号)  金融機関再建整備法に基く債券切捨措置等に関  する陳情書  (第三九二号)  所得税不当課税是正に関する陳情書  (第四一〇  号)  農民に対する不当課税反対陳情書  (第四一四号)  税に関する陳情書  (第四二一号)  新制中学校建設費寄附金に対する所得税免除の  陳情書  (第四二八号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  政府職員の新給與実施に関する法律案内閣提  出第六一号)
  2. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議を開きます。  これより一昨十八日本委員に付託せられました政府職員の新給與実施に関する法律案を議題といたします。まず政府説明を求めます。     —————————————
  3. 北村徳太郎

    北村國務大臣 このたび本國会に提出いたしました政府職員の新給與実施に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。政府は、政府職員待遇改善をめぐる官公職員労働組合爭議解決するため、先般臨時給與委員会報告書に基き、給與水準を二千九百二十円に引上げるとともに、とりあえず、二千五百円水準暫定給與の内拂いを行うため、政府職員俸給等に関する法律案をもつて、本國会の御審議を願ひ、その御賛同を得た次第であります。しこうして政府は、右の暫定給與支給については、各組合團体交渉行つた上で支給いたす方針にいたしましたが、遺憾ながら、一部のものを除いて、組合側の容易に承諾するところとならず、爭議解決はいたずらに遷延を重ねていたのでありますが、遂に去る四月十六日覚書の調印を了し、組合側も二千九百二十円水準給與を、現在の給與爭議最終的解決として受諾するに至つたのであります。これによりまして、昨年以來、半歳以上に及ぶ爭議も、ようやくここに完全なる妥結を見るに至りましたことは、國家現状より見まして、まことに御同慶にたえないところであります。しこうして、政府は、右覚書に基きまして、ただちに差額支給するとともに、他面一切の政府職員組合參加を得まして、新給與整備委員会設置し、二千九百二十円水準給與配分方法、なかんずく職階制給與の線に沿う新給與体系具体的方針協議立案に当つたのであります。右委員会は四月二十日以來数回にわたり会議を重ね、去る四月二十七日両者の意見が完全に一致し、首尾よく成案を得るに至つたのであります。政府はその成案に從いまして、この法律案を作成いたし、ここに本國会へ提出の運びに至つた次第であります。  次にこの法律案内容を御説明申し上げます。さきに政府職員俸給等に関する法律本則におきまして、臨時給與委員会報告書に基き、二千九百二十円の新給與水準及び職階制の精神に沿う給與体系を、一月一日に遡及して実施することとし、その具体的事項は、別に法律をもつて定める旨を規定したのでありますが、この法律は、右の規定に基き定めるものでありまして、一般政府職員に適用されるものであります。  この法律は、臨時給與委員会報告書に基き、いわゆる、職階給與制度の実現に一歩を踏み出したものであり、かたがた從來のわが國の給與制度に対して、根本的な変革をもたらすものであります。從つて、これが、完全なる実施を確保し、その目的を達成するため、内閣総理大臣所轄のもとに、新給與実施本部地域給審議会及び新給與苦情処理委員会の三機関を置くことといたしました。  新給與実施本部は、主として新給與制度に関する総合調整機関とし、本部長には内閣官房長官、次長には大藏省給與局長をもつて、これに当てることにいたしております。  地域給審議会は、勤務地手当地区区分支給割合等を調査審議するものとし、職員側及び政府側を代表する同数の委員をもつて組織することにいたしております。勤務地手当に関しましては、生計費地域別に相当の差がある現状からいたしまして、從來種々やつかいな問題があつたのでありますが、今後は、すべて民主的に組織された地域給審議会の議を経て、大藏大臣がこれを行うことになるわけであります。  新給與苦情処理委員会は、新しい給與体系への移り変りに伴つて、生ずることを豫想される俸給決定に関する苦情を、最終的に審査決定する機関とし、職員側政府側及び第三者を代表する委員をもつて組織することにいたしております。この制度はわが國においては初めての試みのものでありますが、職員の意に反する不利益な処分に対し、正当な発言と修正の権利を確保するものでありまして、今後における人事管理に大きな寄與をなすものと期待している次第であります。  次に、この法律による給與の種類は、俸給扶養手当勤務地手当及び特殊勤務手当の四種に致してあります。  まず俸給について御説明いたします。わが國における從來俸給制度は、学歴、資格、勤続年数生計費等に應じて漫然と定められており、その人の從事している職務とは、必ずしも合理的な相関関係がなかつたのであります。しかしながら本來職階給與制度においては、同等職務に対しては同等俸給を與え、職務関係のない事項によつて俸給に差別が設けられてはならないというのが根本の原則であります。從いまして、この法律では第十三條において「各職員の受ける俸給は、その職務複雜、困難及び責任の度、勤労強度勤務時間、勤労環境その他の勤労に関する條件に基いたものでなければならない」と規定し、新しい給與体系のあり方を考え方とを明らかにいたしたのであります。  このようにして、各職員の受ける俸給が定められてこそ、初めて勤労意欲の向上も、行政能率の発揮も期待し得られるわけであります。この意味におきましてこの法律により從來のわが國における因襲的な俸給制度を一擲いたし、新憲法下における民主的行政機構にふさわしい給與制度への、画期的轉換を行うことになつたのであります。  しかして具体的に、いかに俸給を定めるかと申しますと、まず職員職務を、その職務内容責任の軽重、勤労強度勤務時間、勤労環境その他の勤労に関する條件に應じて、これを十五級に分類いたします。その分類の具体的基準は、新給與実施本部長が定めることになつております。  次に十五級に分類せられた職務の各級につきまして、この法律の別表にありますごとく、一定の俸給の幅を設け、職員はその幅のうちのいずれか一つ俸給を受けることにいたしてあります。もちろん、一般行政官廳現業官廳等とでは、職務の級のわけ方、各級における俸給の幅について、おのずから別箇の取扱いが必要とされるわけであります。從つて特殊の職務、特殊の職域につきましては、政令一般行政官廳とは異なる級のわけ方、俸給の幅を定め得ることといたしました。  右のようにして一應各職員職務の級に應ずる俸給が定まるわけでありますが、各職員の現に受けている俸給の額が、その者の職務の級に應ずる俸給の幅の最高をも超えるような場合には、特に極端な場合を除いて、当分の間、その現俸給の額を認めてゆく方針にしております。なお現行の年齡による最低保証給も、第二十七條の規定により、臨時給與委員会の第一報告書の定めるところによつてこれを改訂することにいたしてあります。  扶養手当暫定給與の場合における暫定扶養手当と同樣、扶養親族一人につき二百二十五円でありまして、その支給方法はすべて從前通りであります。  勤務地手当はその地区区分支給割合等、すべて大藏大臣がこれを決定してきたのでありますが、前にも述べましたように、新たに地域給審議会を設け、この審議会の議を経て、大藏大臣がこれを行うことにいたしました。  特殊勤務手当につきましては、從來必ずしも明確な法令の根拠をもたない種々雜多手当が存在し、給與体系の混乱を來していたのでありますが、この法律施行を際してはこれらを整理いたしまして、俸給をもつて処理し得るものはできる限り俸給に取入れることとし、今後における特殊勤務手当は、正常の職務以外の特殊の勤務で、その勤務に対する報酬について特別の考慮を必要とする場合に限り、これを認めていくことにいたしました。その細目についてはこの法律に基く政令をもつて定めることにいたしてあります。  最後にこの法律による給與と、すでに支給濟になつている二千五百円水準給與との差額は、この法律案が御賛成を得て公布されましたならば、速やかに、これを支給すべく準備を進めている次第であります。  次にこの法律案実施するに必要な予算額は、一月ないし三月分につきましては、昭和二十二年度一般会計予算補正(第十五号)及び特別会計予算補正(特第十号)に、四、五月分につきましてはそれぞれの暫定予算に計上いたし、すでに御承認をいただいた通りであります。  この法律案は先に本國会の御賛同を得ました政府職員俸給等に関する法律の委任に基いてつくられたものであります。またその内容についてもすでに組合側とおおむね意見の一致を見ておりまする関係上、本國会におかれてもなるべく速やかに御審議の上、御賛同あらんことを希望いたします。
  4. 川合彰武

    川合委員 ただいまの大藏大臣説明によりまするならば、本法案臨時給與委員会の答申に基いてなされたものという御説明があつたわけでありますが、われわれは臨時給與委員会の構成について、当時いろいろな委員の選定や何かで、かれこれと論議があつたということを聞いておるのであります。從つてこの案は全官公労組が全面的にこれを承認というか、内諾をしたものであるかという点を、まずお伺いしたいと思います。
  5. 今井一男

    今井政府委員 お答え申し上げます。臨時給與委員長參加につきましては、問題のございましたことは御承知通りでございますが、この報告を今回の新給與体系水準の基礎にするということにつきましては、すでに去る三月の二十日法律第十二号をもつて國会の議決を見たところでありますが、その線に沿いまして組合側と交渉いたしました結果として、その間紆余曲折はございましたが、四月の二十七日新給與整備委員会という形式をもちまして、團体交渉が全面的に成立いたしました。從いましてこの案につきましては、組合側から完全な了解を得ておる、かように御了承願いたいのであります。
  6. 川合彰武

    川合委員 本法案が事前に組合側の完全な了解を得たと、今、今井給與局長からお話があつたが、大藏大臣説明ではおおむね了解を得たというような御説明であつたので、その点を懸念して質疑したわけですが、給與局長が完全な了解を得たという点は、われわれとして非常に喜ばしく思います。なおこれらの問題に対しましては、午後の機会に全官公労組の方々の意見をいろいろ聽くことになつておりますが、私はその前に二、三内容について質問したいと思うのであります。  まず第一にこの二條にある新給與実施本部地域給審議会あるいはまた新給與苦情処理委員会というものは、実施機関となつてつて、いわゆる執行力をもつておる機関でありまするが、これは官廳であるかどうかという点において、われわれは從來行政法上の観念からしまして非常に疑問に思うのでありますが、これは官廳であるかどうかという行政法的な説明を承りたいのであります。
  7. 今井一男

    今井政府委員 地域給審議会の方は法律上の観念では、いわば諮問機関で、行政官廳と申すわけにまいらぬと思います。しかし苦情処理委員会の方は最終的な決定をいたします。從つて形式行政官廳観念にはいると考えます。ただ普通の行政官廳意味の違います点は、使用主雇用者との間で話合いをきめるという意味合いで最終決定をいたす機関でありますので、実質的に申しますと、行政官廳であるかどうかといふ点に若干疑義はあるのでございますが、形式的には最終的な決定をなす機関である。その決定法律上の効果を生ずる意味におきまして、行政官廳と申してよろいしのではなかろうかと考えております。
  8. 川合彰武

    川合委員 最近におけるところのかかるいろいろな立法にあたつて委員会というような名称のもとに、行政官廳であるか、今言つたような諮問機関であるか、非常にまぎらわしい点があるのでありますが、これは本問題のそとにありますのでしばらくおきまして、新給與苦情処理委員会は、明らかに私は行政官廳であると今政府の言われたことをよく了承いたします。  次にお尋ねしたい点は、特にこれは大藏大臣にお伺いしたいのでありますが、この新給與実施本部というものが、非常に政治的な重みをもつているという関係上、本部長内閣官房長官であり、しかも内閣総理大臣所轄のもとにあるというもとは、けだし当然であろうと思いますが、最近この所轄というような言葉がしばしば法律上の用語として使われております。この所轄という意味を、從來行政法観念においてはわれわれは理解しがたいのであります。この前のたしか証券取引法においても、こういう言葉法律上の用語として初めて現われてきたように私は理解しておりますが、それはそれといたしまして、こういうようにして内閣総理大臣所轄のもとに、新給與実施本部というものが設けられる。しかし一方において給與関係を取扱う官廳は、大藏省所管のもとに給與局があつて行つているというようなことからいたしまして、私はかかる問題を一元的に実施する意味において、給與廳というものを内閣総理大臣所轄のもとにおく意思はないかという点を大藏大臣に伺いたいと思います。
  9. 北村徳太郎

    北村国務大臣 ただいまの川合君の御質疑にお答えいたします。これはただいまのところ、お話のような、内閣給與廳を置くというようなことは考えておりません。しかし給與の問題がだんだん廣汎煩瑣のものになつてまいりますし、從つてこれを適性に行うためにはどうしたらよいかということは、むろん行政機構改革審議会等研究の課題になると思いますので、これはしばらくそういう研究にゆだねまして、ただいまそういうことを行うというようなことは考えておりません。
  10. 川合彰武

    川合委員 次にお尋ねしたい点は、この新給與苦情処理委員会は、最終的の決定権をもつているがゆえに、官廳であるというようなことを言われたのであります。ところが第九條の二項に、この委員はこれを委嘱するということになつておるのであります。私は職員、あるいは政府を代表する委員というものは、いわゆるこれは政府職員であるがゆえに、かかる者は從來立法技術といたしましては、命ずるという言葉をもつてし、第三者というような民間の者に対して初めて委嘱するというように行つてつた。それが從來立法技術の慣行であつたわけであります。ところが今回の場合においては、いずれも委嘱というような言葉を用いている。委嘱というような言葉を用いた官廳が、はたして官廳というような機構に適應するような言葉であるかどうかという点を、まず立法技術上の問題としてお尋ねしたいと思います。
  11. 北村徳太郎

    北村國務大臣 お答え申し上げます。これはどうも観念上は、最終決定をいたしますという点において一つ行政官廳的性格がある、こういうことでございますが、純粋に行政官廳であるかどうかということになると、なお若干の疑問かあるのじやないか。これは雇用者使用者、それから第三者とからなる一つのそういう協議会的なものでありまして、最終決定をするという点において行政官廳的性格がある。そういうことでございますから、必ずしも純粋な意味においての一般行政官廳と同一であるというような考え方は、少し無理があるのじなかろうか、こういうふうに私は解釈しておる次第であります。
  12. 川合彰武

    川合委員 本法案で一番関心を拂うべき点は、第八條の新給與苦情処理委員会にあると私は思うのであります。その新給與苦情処理委員会は、先ほど政府説明通りに、最終的な決定をするということになつております。その場合において、その最終的決定というものは、個々一人々々について行われるというふうにこの法案からは察せられるのでありますが、その場合におきまして現在各官廳において團体交渉が行われ、またその間に労働協約実施されておるわけで、これらの関係というものはどういうふうに実施さるべきものであるかという点に関して、政府の所見を伺いたいと思います。
  13. 今井一男

    今井政府委員 この委員会は新しい給與、すなわち二千九百二十円のこの給與だけに関する委員会でございます。二千九百二十円の水準並びに体系につきましては、本則といたしまして、先ほど大臣説明にございましたように、四月二十日以降もちました全職員組合政府代表との團体交渉、これを新給與整備委員会という名前をもつて行いました。それにおきまして通則をきめまして、なお各省個別にやる必要のあるものは、その各省で分料会というものを開きまして、その結論の調整はあげて新給與実施本部に一任する、こういう約束になつておりますので、團体交渉と衝突する面は生じないものと考えます。
  14. 赤松勇

    赤松(勇)委員 川合委員質疑はさらに続行されると思います。なお各党におきましてもさらに質疑が行われると思うのでありますが、この問題は御承知のごとく非常な大きな爭議を経まして妥結点に到達された問題であります。なお私はこの爭議解決に関しましては、國会に対しまして爭議解決勧告決議案提案いたしまして、これまた院議をもつて決定されておるのであります。ところが本日政府の方から御提案になりましたこの政府職員の新給與実施に関する法律案中、いささか腑に落ちない諸点もございますし、また團体交渉の過程にありまして、十分政府並びに政府職員との間に意見妥結点を見出して、それを新法律に盛るということになつてつたのでありますが、これにつきましても政府職員側では相当の異論がある、あるいはまた疑義があるのであります。從いましてこういうような諸点につきましては、問題は全國の政府職員給與に関する問題でありますから、この際私は何らかの方法によりまして、一應全官公廳職員の御意見もお聽きしたい、かように考えておるのであります。ここで一應質疑を打切つていただきまして暫時休憩をされ、理事会において私がただいま提案いたしました趣旨に副うて、適宜そのお取扱いをしていただくようにお取計らいを願いたいと思います。
  15. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 お諮りをいたします。ただいま赤松委員より、本案に対する質疑は一應中心して、懇談会を開いてこれが取りまわしについての協議をしたい。なおその問題は理事会で諮つてもらいたい、こういう動議が出たわけであります。さよう計らいまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議はないようでありますので、さよう計らいます。暫時休憩いたします。     午前十一時三十九分休憩     —————————————     午後一時四十分開議
  17. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。
  18. 赤松勇

    赤松(勇)委員 ただいま本委員会政府より提案になつております政府職員の新給與実施に関する法律案内容は、はなはだ政府職員側の間に意見の相違を來しておると思います。本法律案のもつております重要性に鑑みまして、午前中川合委員質疑を一時中止いたしまして、委員長にお願いの上理事会にお諮りをいただき、政府職員側、すなわち全官全廳側の代表者から、それぞれ御意見を述べていただいた後において再び審議を続行するよう動議を提出いたしまして、さいわい採択になつたのであります。しかしながら本來私個人の願望は、事重大でありますので公聽会を開いていただきたいのでありますが、手続その他の点に関しまして、多少時間の関係でそれも不可能と存ずる点がありますので、大体國会法の規定に從い、ただいまから一時懇談会に移り、その席上で全官公廳側の御意見を述べていただくというふうにお取計らい願いたいと、かように存ずる次第であります。なお本委員会の懇談会における官公廳側の発言はきわめて重要と存じます。よつて特に速記をお願いいたしまして、きわめて責任のある御発言をお願いしたいと、かように存じますので、委員長におかれましてはよろしくお取計らいを願いたいと思います。
  19. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ただいま赤松委員より発言のありました点は、午前中の理事会において大体御決定を願つた線に沿つておるわけであります。從つて本來から申し上げますれば、公聽会を開いて正式に御意見を拜聽するのが本來でありまするが、時間の関係もあり、國会法との関係もございますので、この場合懇談会に移しまして、その席上において代表者の方の御意見を拜聽することにいたしたいと存じます。  それではただいまより懇談会に移ります。     —————————————  午後一時四十五分懇談会に入る  午後二時三十九分懇談会を終る     —————————————
  20. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 懇談会を終つて会議を開きます。  本日はこの程度に止めまして明日午前十時半より開会し、本案に対する質疑を継続いたしたいと存じますが御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十分散会