○淺利
委員 さきに
タバコの値上問題の際にも一遍
質問申し上げたのであります。先刻
タバコ部長の御
説明によると、
配給の面において、
男女関係を同等にすることは、当分変更の意思はないという御答弁でありました。
一体この不足経済の場合において、足らざるものを万遍なく
配給するということは、先刻
石原委員の言われたごとく、統制の理論にとらわれた
考えであります、あるいは
男女同権というような理論にとらわれた
考えであるだろうと思う。
タバコのごとき嗜好品の類は、生活上必ずなければならぬというものではないのであります。一旦習慣がつけば、なかなかやめられない性質のものであります。そう
考えますと、
日本の過去の社会生活の実情からみて、男子は
タバコをすうけれ
ども、女子はすわぬ者が多いという、実情に即した政治的考慮を拂
つて配給の面を
考えるならば、
男女同等に
配給して、そして量を減らすようなことは、はなはだ実際に適しないような感じをもつのであります。
一方からみれば、
政府のやり方は、この
タバコのごとく一旦習慣づけられたものは容易にやめることはできないという弱点をねら
つて、今まですわなか
つた人に
タバコをすう習慣をつけさして、これによ
つてやむを得ず高い
自由販賣の
タバコを買わすというような、財政面に搾取の形態をとるというふうにも
考えられるのであります。この点は國民保健の上からみても、また実際生活の上からみても、もつと政治的ねらいをも
つて、実際に適した
配給方法を御考慮になるのが適当じやないかと
考えるのであります。殊に先般來問題になりました農村における刻みの
配給の問題でありますが、
〔
委員長退席、
石原委員長代理着席〕
これは私の地方も
タバコの産地であります。私の裏に女ばかり四人の
家庭があ
つて、それに男が一人最近加わ
つたのであります。今まですわなか
つた四人の女に
配給にな
つて、その上に一人男がある。それでその
家庭においては一人の男が二百五十本
配給になる。隣りの
家庭では男ぞろいで、非常に働いて、供米その他においても
相当の貢献をしている。ところが、ここは女の数が少いために、男が非常に困
つて、自然
やみタバコをすう、こういう情勢にな
つているのであります。また東京においても、先月のごときは、私
どもの
家庭には刻みだけしか
配給にならない。東京の習慣といたしまして、また多く外出するというような事情のもとにおきましては、刻み
タバコはまことに不便である。こういう点においても
配給上の考慮ということについて、非常に実際に即さないことが多いのであります。先刻
政務次官の御答弁では、刻みの
配給をするには輸送量の
関係がある、こういうのであります。どういう点でありますか、私には納得がいきませんが、巻
タバコで輸送するのと、刻み
タバコで輸送するのと、どういう点において輸送量の
関係が違
つてまいるのでありますか。われわれの常識からみますと、むしろ巻
タバコで輸送するよりも刻みの方で輸送する方が、もつと簡易であるというふうに
考えるのであります。こういう点について
政府において、もう少し実際に即した政治的
見地、また國民保健の
見地という点からも考慮されて、
配給制度を理論にこだわり、あるいはまた形式上の公平ということにとらわれないで、もつと考慮される必要がありはせぬかと
考えるのでありますが、これについて重ねて御明答を願いたいと思います。