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1948-04-05 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月五日(月曜日)     午前十一時五十四分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 島田 晋作君 理事 梅林 時雄君    理事 塚田十一郎君 理事 吉川 久衛君       赤松  勇君    川合 彰武君       河井 榮藏君    佐藤觀次郎君       田中織之進君    松尾 トシ君       八百板 正君    大上  司君       中曽根康弘君    松田 正一君       青木 孝義君    泉山 三六君       島村 一郎君    周東 英雄君       苫米地英俊君    宮幡  靖君       淺利 三朗君    井出一太郎君       内藤 友明君    石原  登君       河口 陽一君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 北村徳太郎君  出席政府委員         大藏事務官   福田 赳夫君         大藏事務官   愛知 揆一君  委員外出席者         大藏事務官   谷村  裕君         復興金融金庫理         事長      北代 誠彌君         專門調査員   氏家  武君     ————————————— 四月二日  財政法第三條の特例に関する法律案内閣提  出)(第三五号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  復興金融金庫法の一部を改正する法律案内閣  提出)(第二一号)  財政法第三條の特例に関する法律案内閣提  出)(第三五号)     —————————————
  2. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議を開きます。  復興金融金庫法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を継続いたします。
  3. 川合彰武

    川合委員 まだ委員の数もたくさん集まつていないようですから、午後一時まで休憩されんことを望みます。
  4. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 川合君より休憩動議が出ましたが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議はないようでありますので、午後一時まで休憩いたします。     午前十一時五十五分休憩      ————◇—————     午後三時五十六分開議
  6. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議を開きます。  去る二日付託になりました財政第三條の特例に関する法律案議題といたします。まず政府説明を求めます。大藏大臣。     —————————————
  7. 北村徳太郎

    北村國務大臣 財政法第三條の特例に関する法律案提出理由を御説明申し上げます。  政府は、諸般の事情に鑑みまして、近く財政法第三條の規定を施行する予定でございますが、この第三條の規定は、御承知の通り「國が國権に基いて收納する課徴金及び法律上又は事実上國の独占に属する事業における專賣價格若しくは事業料金については、すべて法律又は國会議決に基いて定めなければならない。」と規定してございますが、物價統制令に基きまして、政府物價統制に関する相当廣汎な権限を與えられている現状におきましては、法律の定めまたは國会議決に基きまして定めなければならないものは、一般國民生活に特に密接な関連を有するタバコ價格通信料金並びに國有鉄道における旅客及び貨物運賃に限定いたしますことが適当であると認めまして、この法律案提出いたしました次第でございます。  なお、この法律案は、現在の経済緊急事態の存続する間に限つて適用せんとする臨時の特例規定でございますので、この経済緊急事態の解消いたしました曉には、別にその廃止法律を制定するまでもなくその効力を失うものとするため、これに関する規定をも設けた次第であります。  何とぞ御審議の上速やかに御賛成を賜わりたく存じます。
  8. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 暫時休憩いたします。     午後四時一分休憩      ————◇—————     午後四時七分開議
  9. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  復興金融金庫法の一部を改正する法律案議題といたします。質疑を継続いたします。塚田君。
  10. 塚田十一郎

    塚田委員 本法案については去る二日大体の質疑は終了しておつたのでありますが、本日政府側から新たに頂戴した資料がありますので、それにつきましてなお一、二の点をお尋ねいたしたいと存じます。  この頂戴した資料によりますと、石炭業に三十八億の運轉資金が予定されておるようにあるのでありますが、この中にいわゆる赤字融資になるものがどのくらいあるのか。なおそれに関連して他の事業、たとえば製鉄とか肥料などにいくものは、赤字融資になる部分があるか。その点を御説明願います。
  11. 愛知揆一

    愛知政府委員 ただいま御質問石炭関係運轉資金三十八億円の内容を概略申し上げますと、生産獎励金が十八億、この十八億の積算の根拠は、一箇月六億円といたしまして三箇月分でございます。次は特別運轉資金でありまして、それが十五億円となつております。これは三月末の未拂金の予想が二十五億円あるものと推算いたしまして、そのうち緊急整理を要する額として十五億を計上いたしました。それから坑木資金が二億円、増加運轉資金三億五千万円。大体三十八億円の内訳はそういうことになつております。いわゆる赤字融資というものにどれをきめるかということになりますと、今申しまして生産獎励金十八億円と、特別運轉資金が十五億円、この合計をもつて赤字融資と言えるかと思います。
  12. 塚田十一郎

    塚田委員 これらの赤字融資石炭業においては、すでに相当赤字が出ているということが世間に傳えられて、われわれも承知しておるのでありますが、なお來るべき四半期にこれだけの赤字融資が増加していくということになつて、最終の見透しは結局どういうことに政府考えておられるか。これは当該事業におきまして、將來の黒字によつてカバーするという見込みでおられるのか。それとも適当な時期には、何らかの形でこれを復金の責任において切捨てるとか、何かしなければならぬと考えますが、その点はどういう見透しであるか、お伺いいたします。
  13. 愛知揆一

    愛知政府委員 この問題は率直に申しまして非常にむつかしい問題でありまして、私どもといたしましても常に頭を悩ましている問題でありますが、非常に関係するところが大きな問題でございますので、ただいまのところでは、具体的にかつ詳細にこういうことにするのだというところまで、実は率直に申しまして、非常に困つたことだと思うのでございますが、まだ対案がございません。それでただ將來炭價の改訂の問題等は、物價全体政策の問題の一環として考えていただかなければならぬと思いますし、またそれに関連いたします補給金の問題は、財政の問題として考えていただかねばなりません。また賃金等の問題につきましては、一般の賃金政策の問題の一環として取上げて考えていただかなければならぬというようなことで、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、今日ただいま具体的かつ詳細に、かくかくの方途によつてこれを解決するということは、遺憾ながら申し上げ得る段階に至つておりません。
  14. 塚田十一郎

    塚田委員 これは政府側においてもまだ十分腹をおきめになつておらないというお話なんでありますが、これは実は先日來私どもが熱心に審議をしておつた問題の、ほんとう中心点なんでありまして、これがどういうことになるかということが大体の見透しがつくのでないと、復金の増資というものをどういうぐあいに扱うかということは、これはやはりほんとうはきめにくい、それほど密接な関連をもつているものなのであります。しかし政府側において今日まだ態度がはつきりきまつておらないとの御答弁でありますので、これ以上追究はいたしませんが、なおこの際急速にそれらの点におきまして、新大藏大臣のお手もとにおいて御研究を積まれて、早急に何らかの回答を出していただきたいということを、切に希望いたしておきます。
  15. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ほかに御質疑はございませんか。——日本農民党河口陽一君から文書による質問が出ておりますので、この場合お答え願えれば結構と存じます。  農村供出米價の安きと課税納付のため、極度に資金困難に陷り、目下再生産のために要する資材購入及び営農資金は一切借入れをなさねばならぬ状態にあります。低位生産地においては、配給される肥料代もなきため、引取りできぬ実情にあります。政府食糧一割増産を目途とするとき、速やかに農村資金を融資し、食糧増産の方途を講ぜられたい。これに対し政府当局答弁を願いたい。いま一つ北海道における昭和二十三年度営農資金二十億借入要求に対し政府対策いかん。  以上であります。
  16. 北村徳太郎

    北村國務大臣 お答え申し上げます。農村金融対策につきましては、これは恆久的な金融対策、並びに緊急のものと二通りに分けて考えなければならぬと思うのでありますが、まず緊急のものとしては、肥料買入資金等について何らかの手を打ちたいということで、ただいま研究いたしておりますから、これは適当な方法を講じたいと存じております。  それから農村全般金融対策につきましては、これは非常に重大な問題でございまして、いろいろ御提案もあるのでありますが、それらのことも勘案いたしまして、ただいま金融全体についての金融業法と申しますか、新しい金融政策についての一貫した一つの法をつくるために、それぞれ手配を進めております。おそらく近く御審議を願うことになるのであろう、かように考えております。  それから北海道営農資金については、これはもう少し具体的に伺いまして、できるだけのことはいたしたいと思つておりますけれども、一面において財政その他の問題もございますので、一層具体的にこれは御本人と打合せをいたして研究することにいたしたい、かように存ずる次第であります。
  17. 川合彰武

    川合委員 質疑を打切り、討論を省略して採決されんことを望みます。
  18. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 質疑を打切りたいと存じますが、打切る前に、過日來熱心にしかも愼重に御質疑をいただきました委員各位総意に基き、この際委員長より政府当局に強く要望いたしておきたい点があります。  その第一は、農山漁村復興のために、現在の復金融資計画の中にそのわくをつくり、かつ可及的迅速円滑に、長期低利資金が融通せられる施策を講ずることとせられたい。  その第二は、復金融資監察については種々論議がありましたが、法律をもつて國会議員中心とする特別の監察委員会を設置し、嚴重にこれを行うことにせられたい。  その第三は、復金融資計画の決定に際し、國会の意向を十分反映せしめるごとく措置することとせられたい。これがため政府財政及び金融委員会復金委員会と、常時緊密なる連繋をとり、詳細な資料提出するはもとより、たとえば復興金融委員会、あるいは同監事会に付議する議案等は、財政金融委員会復金委員会に随時配付することとせられたい。  その第四は、復金融資回收については、現在の計画はきわめて不満足であるから、このため特別の部門設けて、大幅かつ徹底的にこれを行うよう努力せられたい。なお政府支拂の促進、補給金の交付、公價改訂等財政または物價による是正措置を併せて講じ、財政負担において処理すべきものを金融面に轉嫁することは、今後絶対につつしんでもらいたい。  以上四点を委員会総意として、委員長より強く重ねて要望する次第であります。
  19. 北村徳太郎

    北村國務大臣 ただいま委員長より御要望の点は、私もこの委員会に出まして、各委員よりもきわめて御熱心な御質疑がありまして、これらのことにきわめて密接に関連すると存じますので、長期低利農業資金の点に関しましては、できるだけこのことに対して努力いたしたいと思うのでありますが、さきに御答弁申し上げました金融全般についての日本現下金融政策をどうするかということの中で、十分に檢討を加えたいと存じております。  それから第二の復金の問題でありますが、復金監察委員会というようなものを設けて、特に國会中心としてというような点については、私どもももとより異論はございません。ただこれらの諸点につきましては、関係方面との連絡をしなければなりませんので、ここで私から政府としてはこのことに異論はございませんけれども関係方面との連絡をとらなければならぬという点だけは、留保いたしておきたいと思うのであります。  それから融資計画國会に反映せしめたいという御要望は、これはきわめてごもつともでありまして、私どもも同樣の考えをもつております。ただいま委員長よりお言葉がありましたことは私も同感であります。  それから第四点の回收の点でありますが、これまたどうしても回收を徹底せなければならぬということは、過日來私より御答弁申し上げた点も同樣でありまして、これについて企業の活動をよくしながら回收をしていくということを考えなければなりませんので、これに関しましては管理部というようなものを設けて、そうして御要望の点に具体的に答えるような計画をいたしたいと存じておる次第でございます。その他の点につきましても御要望の点は一々ごもつともでありますから、これに副うように十分に努力をいたしたい、かように存じております。
  20. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 いま一つ了解を求めておきますが、お手もとに配付いたしました昭和二十三年度第一・四半期復金融資見込みプリント刷りでありますが、これはまだ関係方面にも御了解願つてないし、いろいろ支障がありますので、お手もとのみにお止めをいただいて、外部にお出しいただかないようにという政府の希望がありましたので、ちよつと申し上げておきます。  先ほど川合委員より御提議になりました、本案については討論を省略して、ただちに採決せよという動議でありますが、さよう計らいまして御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議はないようでありますから討論を省略いたしまして、ただちに採決いたします。  本案に御賛成の方の御起立をお願いします。    〔総員起立
  22. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 起立総員。よつて本案原案の通り可決確定されました。     —————————————
  23. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に財政法第三條の特例に関する法律案議題といたしまして質疑をいたしたいと思います。川合君。
  24. 川合彰武

    川合委員 財政法の第三條が本日までまだ実施をみなかつたというのは、われわれのすこぶる遺憾とするところであります。さいわいに政府におかれては、今回第三條を実施する。それについてはいろいろ問題の多いタバコ専賣益金、あるいは鉄道運賃以外のものは、これを特例として國会の議を経なくてよいという法案提出されたわけであります。われわれとしまして、まずこの法案審議にあたりまして最初にお尋ねしたい点は、この法案にありまする「現在の経済緊急事態の存続する間に限り」という文言があるのでありますが、この経済緊急事態の存続する間という期間の見透しはどういうものであるかということを、最初にお尋ねしたいのであります。
  25. 北村徳太郎

    北村國務大臣 お答え申し上げます。具体的には現在現行の物價統制令が運用されておる間と、かように考えておる次第でございます。
  26. 川合彰武

    川合委員 この法案には製造タバコ郵便國有鉄道という三項目があるのであります。これはいろいろな價格の形成、あるいはまた國民経済の観点から考えて重要だというようなところから考えられておるわけでありまするが、これと同様の比重をもつ塩は、政府原案によりますれば別になつております。この塩を除外したる理由は那辺にあるか、お伺いしたい。
  27. 北村徳太郎

    北村國務大臣 お答え申し上げます。これは主要食糧たる米その他のものが現在除外されておりまして、これと同様に扱うべきものである。それから價格の構成については、これは政府が特にやつておることでございますから、この点については例外としても害はないというような考えがなんであります。しかしながらこれも事情が変つてまいりますれば、やはり一々國会議決を経るということにいたすことに異存はないのでありますけれども、少くとも現状においてはきわめて煩瑣でもございますし、こういう配給に属する種類のものまで、一々國会の議を経なければならぬということに相なりますると、これは非常に國会の手を煩わすことになるし、またそれほどの実益も今のところないのではないか、かような考え方からこれを除外したわけであります。
  28. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ほかに御質疑はございませんか。内藤君。
  29. 内藤友明

    内藤委員 政府資料をいただきたいと思うのであります。それは財政法第三條に規定してあるまする法律または國会議決に基いて定めなければならないというもののうち、ここに一、二、三、とあげてあるのでありまするが、これ以外にどういうものがあるのか、そういうことの資料をいただきたいと思います。
  30. 福田赳夫

    福田政府委員 後刻お渡しいたします。
  31. 川合彰武

    川合委員 目下本会議休憩中でありますので、本日はこの程度をもちまして一應散会いたしまして、明日十時半から委員会を開かれんことを望みます。
  32. 青木孝義

    青木(孝)委員 一つだけ質問をしておきたいのであります。実はこれは新聞に出ておつたのですが、このおもなるものの以外に、主食及び薪炭とか、あるいは専賣の塩、しようのう、アルコール國権に基く手数料課徴金、そういつたものが、その他というところに属するものと思いますが、こういうものも、食用塩だけを考えれば簡單のように考えられます。しかし工業塩というようなことになりますると、塩なんかも相当大きなものになるように思います。そのほかアルコールにいたしましても、考え方によりますると相当大きいものになるように考えられまするが、その他という範囲が非常に不明確だ。今も質問がございまして、資料が欲しいということでありましたが、今私がここで申し上げたようなものについて、これらのものがその他にはいるということになりますると、私どもとすると、そんなに小さなものではないというふうに直感いたしまするので、一体その他のものについては、大藏省はどれくらいなものを予想しておられるのか、おわかりになつたら概略のことを御説明を願いたいと存じます。
  33. 福田赳夫

    福田政府委員 お答えいたします。実はこの法律特例を設ける以外におきまして、財政法第三條に該当する課徴金價格料金さようなものが非常に多いのであります。塩のお話もありますが、ただいま概括的に申し上げますと、國権に基いて收納する課徴金というものといたしましては、まず第一に負担金というものがあるのです。それは河川法でありますとか、道路法都市計画法というような法律によりまして、これに要する経費の全部、または一部を強制的に負担せしめるというようなものがあるのであります。それから何か特権を附與いたしまして、その報償として收納する、いわゆる報償金であります。さようなものがあるのであります。その他非常にいろいろなものがありますが、第三の範疇として各種納付金、これは物價統制令できめられるところの價格差納金というようなもの、それから日本銀行納付金でありますとか、競馬会法によるところの競馬会納付金、また地方鉄道や軌道からの納付金というような、各種法律による納付金があるわけです。  それから次の範疇といたしまして手数料というものがあるのです。これは特定の人のために國がサービスをする。そのサービスにつきましては反対給付として料金を徴收するというようなことがあるのでありますが、さようなものの中には、たとえば司法上の手数料、あるいは行政権の公の行為に対する手数料というようなものがあるわけであります。がその範囲についてはなお目下研究中であります。  さらに次には各種の処罰による收入であります。  次に法律上または事実上國の独占に属する事業における事賣價格というものがありますが、この範疇に属するものといたしましては、お話の塩、それからアルコールの賣拂代、それからしようのう、タバコ、かようなものが法律上國の独占に属する事業における専賣價格というものに該当するかと考えるのであります。  それから次に法律上または事実上國の独占に属する事業における事業料金というものがありますが、さようなものといたしましては、郵便法に基く郵便料金、それから電信法に基く電信電話料金、それから國有鉄道運賃、これが大きなものであろうというふうに考えるのであります。  ただいま食糧につきまして、各種のものがこれに盛れるというお話でありますが、主食價格につきましては、これは食糧管理法に基きまして、政府独占的に行つておる米の買入、賣渡でありまして、専賣に近いのでありますが、財政法文言からいたしますと、これは財政法の第三條には当らぬというふうに考えられるのであります。もつとも財政法の第三條に当らぬから、これを政府が自由にするという考えはもたないのでありますが、一應この文字解釈といたしましては、主食につきましては財政法第三條には当らぬというふうに考えられるのであります。食糧の系統にはいろいろなものがありますが、政府独占に属しないものにつきましては、今物價統制令というものが御承知の通りありまして、これが非常に廣範價格をきめる力をもつておるわけであります。さようなものとのバランスから申しまして、ただいまの段階といたしましては食糧、すなわち財政法に該当する面といたしましてはアルコールとか塩でありますが、さようなものは國会に諮るということをいたさない。國会に諮るものどいたしましては、價格政策に重大な影響のあるこの三つに限定いたしまして、この三つの面から十分御審議を得たい、かような趣旨からできておるのであります。
  34. 青木孝義

    青木(孝)委員 ただいまお話を承りましたが、もちろんこれは財政法第三條の特例、こういう意味でここにあげられておるのが、一、二、三と三つのものになつておるわけであります。これは私ども考えますと、特例というのは逆な形になつておるようにも考えられるのであります。私どもから言えばこの財政法第三條に掲げられておる條項がすこぶる廣く解釈されておるのでありまして、おそらくこれはひとり私だけではなかろうと思うのでありますが、こんなふうに一、二、三と限定されますと、何かこれだけが日本経済に対して大きな役割を演ずるのだ。だからこれだけをあげておけばいい、こういう特例を設けておきさえすればいいのだというように、当局は御解釈のようでありますが、われわれは財政法第三條を、ほんとうに地で行くということを前提として考えるのが本則ではないかというふうに思うのでありまして、どうもこの條項で求めておられる眞意が、はつきりとわれわれには飲みこめないような感がいたすのであります。先ほど大藏大臣は、この國会でその他のようなものについていろいろと御審議を願うことは、まことに御迷惑であろうというような意味のことをおつしやいましたけれども、これは日本の現在のインフレ自体というものを考えますと、非常に大きな問題になつてくると考えますので、なおわれわれも十分研究を遂げたいと存じますけれども、今御説明をいただきました資料は、われわれに十分お與え願って、そうして今後審議を遂げていきたいと考えます。私はこれで終ります。
  35. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 先ほど川合委員から動議が出ておりますが、この程度で本日は資疑を止め、明日午前十時半から委員会を開催することにしたいと存じますが、御異議はありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議はないようでありますから、本日はこれで散会し、明日午前十時半から開催いたします。     午後四時三十九分散会