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1948-04-02 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月二日(金曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 島田 晋作君 理事 梅林 時雄君    理事 塚田十一郎君       赤松  勇君    川合 彰武君       佐藤觀次郎君    田中織之進君       松尾 トシ君    大上  司君       栗田 英男君    後藤 悦治君       中曽根康弘君    細川八十八君       松田 正一君    青木 孝義君       泉山 三六君    島村 一郎君       鈴木 正文君    苫米地英俊君       淺利 三朗君    井出一太郎君       内藤 友明君    石原  登君       堀江 實藏君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 北村徳太郎君  出席政府委員         大藏事務官   平田敬一郎君         大藏事務官   愛知 揆一君         大藏事務官   阪田 純雄君         大藏事務官   日下部 滋君  委員外出席者         大藏事務官   岡村  竣君         專門調査員   氏家  武君     ————————————— 本日の会議に付した事件  証券取引法改正する法律案内閣提出)(第  一八号)  復興金融金庫法の一部を改正する法律案内閣  提出)(第二一号)  政府が発行する福引券当せん金に対する所得  税の課税特例に関する法律案内閣提出)  (第三〇号)  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  税務署増設に関し承認を求めるの件(内閣提  出)(承認第二号)     —————————————
  2. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議を開きます。  去る三月三十一日附で本委員会に付託されました政府が発行する福引券当せん金に対する所得税課税特例に関する法律案及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署増設に関し承認を求めるの件を一括議題といたします。まず政府説明を求めます。     —————————————
  3. 日下部滋

    日下部政府委員 ただいま議題になりました政府が発行する福引券当せん金に対する所得税課税特例に関する法律案につきまして提案理由を御説明いたします。  專賣局で販賣いたしております新生につきましては、値段の関係もありまして、賣れ行き状況ははなはだ思わしくなく、このままで放置しておきましては、所期の專賣益金に対する巨額の不足が予想されましたので、何とかして新生の賣れ行き促進をはかる必要が生じたのであります、そこで政府におきましては二月以降の新生購入者に対しまして福引券を発行し、抽籤によつてその当籤者には、特等百万円を初め、相当賞金を出すことにいたし、過般昭和二十二年度特別会計予算補正(特第九号)をもつて國庫債務負担行為として國会の議決を得たわけであります。これによりまして賣れ行き状況もやや良好となりました。しかしながらこの当籤金について、もし所得税課税されることに相なりまするならば、相等部分税金として納付することになりますので、賞金の魅力は著しく減殺されるのであります。從いまして現在実施されております宝くじと同樣に、この新生についての福引券当籤金に対しましても所得税を課さないことといたしたいのでございます。  何とぞ御審議の上速やかに御賛成あらんことをお願いいたします。
  4. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいま議題になりました氏家税務署の新設について、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、承認を求めるの件につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  東京財務局管下栃木縣大田税務署は、現在那須郡及び塩谷郡の二郡三十八箇町村中、三十五町村を管轄しているのでございますが、その管轄区域は実に二千九百二十七平方キロに達し、本邦屈指廣汎区域を擁するばかりでなく、管内の課税物件もまた少くないのでございまして、本年度の租税收入見込額は三億七千四百余万円に上る状況であります。しかるに昨年より新たに採用されました所得税納税申告制度実施状況に顧みまするに、かくのごとく廣汎管轄区域を擁しますることは、課税の適正をはかる上におきましても、また納税者立場から申しましても、きわめて不便でございまするので、この際これを分轄いたしまして、新たに氏家税務署を設置することが必要と認められますので、本案提出いたしました次第でございます。  何とぞ御審議の上速やかに御承認あらんことを希望いたす次第でございます。
  5. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 右二案について質疑をいたします。
  6. 塚田十一郎

    塚田委員 税務署の新設問題につきまして、実は本案國会提出されます前に、わが党にいろいろ陳情があつて、それによつてわれわれが承知しておるところでは、氏家のほかに矢板にこれを置かんとするもの、烏山に置かんとするものと、さらにまた矢板及び烏山に置きたいという希望の者と、いろいろあるようでございます。それぞれの人が來て説明するところを聽いてみますと、どれもこれもみな一應の理由があるように思いますので、これはこういうように現地において意見が非常にわかれている問題は、問題は非常に小さいのでありますが、國会でそれをどちらにきめるという場合には、政府が御決定なつたいろいろの理由説明を伺うと同時に、審議愼重を期する意味において、それぞれその土地の考え方を代表する者を呼んで、ここで証人としていろいろの点をお尋ねしてみたいというように考えるのでありますが、その点について委員長の御判断をお願いいたします。
  7. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ただいまの塚用委員の御説は、至極ごもつともと存じます。しかし政府においてそれぞれの方々を呼んで相当に懇談を進められた結果、この提案なつたように聽いておりますので、できればこのまま政府を信頼して御承認願うような取扱いにした方がいいんじやないかと思いますが、いかがでございましようか。
  8. 塚田十一郎

    塚田委員 委員長のおつしやるところは確かに御道理なのであります。しかしわれわれが聽いておりますのは、府政がそういうような判断をされるその過程において、相当のいろいろなトリツクがあつたということを実は聽いている。現地に話合いがもうついているというようなこと、たとえば正当の了解をする立場におらない人間が、にせの電報を打つたの了解ができたように政府判断をしたというような話もあるのであります。從つてこの政府お話も伺わねばなりませんが、それと同時にそういうようないきさつを、どうしても聽いてみなければならぬ。かように考えておるわけであります。
  9. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいま塚田委員からいろいろないきさつ等につきまして御意見がございましたが、実は本税務署につきましては、昨年度なるべく早く設置する方針のもとに、いろいろ候補地等につきまして、政府といたしましても愼重地元意見を聽き、あるいは各種の調査も行つて進めてまいつた次第であります。本來普通の場合でございますと、もうとつくに設置されておるはずのものが遅れましたのは、まつたく今の御指摘通り、どこに設置するかにつきまして、その意見をとりまとめ、結論を得るのに時間を要したような次第でございまして、政府におきましても一方的にきめるような措置はいたしておらないのであります。御指摘通り現在新しく設置される管轄区域内のどこに置くかにつきましては、候補地が三つございまして、一つは今政府提案しておりますところの氏家、いま一つは御指摘になりました矢板、もう一つ烏山、この三箇所でございまして、それぞれその地元の御意見を承りますと、相当理由があるやに私どもも見ていたのであります。なお各般事情調査し、それからさらに地元意見等もよく確めました上で、最終的に結局提案いたしました通り氏家に置きますのが一番妥当ではなかろうかという結論に達しまして、現在のところ地元におきましても、それに対して強い反対はないという実情に相なつておる次第でございます。そういういきさつを離れまして、純粹に客観的に考えましても、交通の便利、地勢の関係、その他の点からいたしまして氏家に設置するのが、私ども行政事務を担当する上からいきましても、やはり一番適当ではなかろうかと考えておりますので、現在非常に徴税事務が錯綜いたしまして、大きい税務署においても仕事が円滑にまわりかねる実情にある現在の段階におきまして、一刻も早く御賛成を得まして、設置することができますならば、私どもとしては徴税事務能率進捗上、非常に有効ではないかと考えておりますので、一刻も早く御審議の上、御賛成あらんことを重ねてお願いいたす次第でございます。
  10. 塚田十一郎

    塚田委員 ただいま主税局長の御説明で、大体の筋は了承できるのでありますが、ただ主税局長が今お話なつた中に、この氏家に御決定になつたのには、現地にも大した反対がないという御判断が、やはり御決定になる動機に加わつておるようであります。ところが私の方で聞きましたところによると、現地にもなかなか熱心な反対がある。しかも矢板に置きたいという考え方のものは、事実かどうかわかりませんが、新しい税務署の管轄されます町村——十六箇町村というておりますが、そのうち十以上は矢板に置きたいという希望である。氏家の方は六箇町村ぐらいしかないということを聞いております。そこで両方から陳情を言うてきておるので、私ども判断に困るのだが、そういうことがほんとう眞実であるとすれば、たくさんの人々の希望に副うようなところにもつていくのが妥当であると考えるから、私は審議にあたつてはとらわれない立場で、公正に判断をするからということで、一應帰つていただいておる。そういう点を確かめてみませんと、十六箇町村のうち十箇町村反対をしておるということであれば、これは相当強い反対があるということを考えなければならぬ。その辺に多少先ほど申し上げましたいわゆる何か虚構があつたのではないかとも考えられますので、当委員会においてほんとう審議することがめんどうであれば、それらの私どもが疑問に考えておる点について、政府においてお調べになつて、再度確認された上で御決定になるというのであれば、それは差支えありません、そういう現地事情は考慮せずに、政府が別の観点から、ここが一番妥当であるというようにお考えになつたのであれば、それも別の立場でありますが、そうでなく現地事情を考慮したのであるということであれば、そういうわけであらためてお調べ願いたい、こう思います。
  11. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいま一つ意見に関する事実を、お述べになつたのでございますが、そういう意見が中間的にあつたことは私どもも聞いております。ただその後地元においてもいろいろ打合せいたしました結果、最近におきましてはそういう問題についても、おおむね解決しておると聞いております。ただ最終的にそれでは矢板なり、烏山で積極的に賛成しておるかということになりますと、それは地元のそれぞれの立場上、そこまではいきがたい事情があるのではないかと思いまするが、現在の段階においては、政府が議会の承認をいただきまして、氏家に設置することになつても、先ほど申しました通り強い反対なく実行できるじやないかと考えております。それからそれは一應のいろいろないきさつなり経過でございますが、もちろんこの方針決定するについては、一番大事なことはやはり行政事務を担当いたします上において、どこに置くのが一番妥当であるかという判断が、最終に決定する上において必要なことであります。そういう点については各般事情調査いたしました結果、あとで図面を御覽願いたいと思いますが、氏家に置くのが純事務的に考えても一番妥当であるという判断を下しておりますので、先ほどから申しますように少し遅れまして、徴税事務上にも相当な支障とまでいかないにしても、能率を上げる上において困難を感じておつた事情もございますから、できるならば一刻も早く御決定くださることを重ねてお願いいたしたいと考えます。
  12. 塚田十一郎

    塚田委員 こういうくだらない問題で重ねて申し上げるのもどうかと思いますが、途中においてそういう反対があつたということは知つておる。しかし最近はそういうことはないはずであるとおつしやいますが、実は先ほど申し上げたような陳情をしてきたのは、ごく最近なのでありまして、ごく最近の状態において非常に考え方がわかれておると私ども判断しておる。しかし一應の説明を得ましたからこの問題はこれ以上に答弁を伺う必要もなし、私ども立場としては、あとは党に帰つて他同僚諸君幹部諸君に相談した上で決定いたしたいと思います。
  13. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御質疑はございませんか。
  14. 内藤友明

    内藤委員 当せん金に対する所得税課税特例に関する法律、このことについて二、三お尋ねしたいと思います。ただいまの政府委員の御説明によりますと、新生という今賣り出しておるタバコ、これを賣り切つてしまつて財政收入を得たいからという話であつたのでありますが、今賣り出されておる新生の益金は一体いくらになるのでありますか、それをまずお尋ねいたします。
  15. 日下部滋

    日下部政府委員 全部賣れますれば百六十四億円。
  16. 内藤友明

    内藤委員 それではこれは大分前から賣られておるのでありますが、現在いくらつておりますか。
  17. 日下部滋

    日下部政府委員 十一月から賣り出したのでありますが、十一月から一月までに六億四千三百万本賣れました。これは福引券がついておらない期間であります。二月から福引券をつけましたが、二月に四億六千万本、前回に三月五日現在で約七億と申しましたが二月で申しますと四億六千万本、三月の二十日現在で五億というのは三月分でございます。三月二十日までに福引券をつけましてから、賣れました分が五億六千万本、從つて一月までの福引券をつけない三箇月間の合計が六億四千三百万本、福引券をつけました一箇月半あまりが九億六千万本賣れております。一月と二月とを比較すると一月には二億しか賣れておりません。これが福引券をつけました二月になつて四億六千万本で二倍ほど賣れております。三月になつてはまたさらに、日々の割合を見てまいりますと、二倍近く賣れているというような実情でございまして、発賣以來三月二十日までに十六億三百万本賣れておりますから、四十二億賣る予定でありましたので、まだ三月二十日現在におきまして二十六億残つている。このうちこの二十日から三月末までの十一日間、当籤期に近ずくに從つて買う欲望がつのつてまいりますので、この期間は三月も二月までより相当賣れ進んでいるのではないかと考えておりますが、その計数はまだわかりません。
  18. 内藤友明

    内藤委員 賣れ残りがはつきりわかりませんで、残念ですが、しかたがないと思います。当籤金に附加する所得税の金額はいくらくらいのお見込みでありますか。
  19. 日下部滋

    日下部政府委員 当籤金は、全部賣れました場合に、御協賛を経ました通り五億二千五百万円でございますが、これに対する所得税は、当籤金に当つた人が全部無所得者という場合は二千百六十万円程度になります。このうち所得者がございますとまた変るかもしれません。
  20. 内藤友明

    内藤委員 それでは主税局長にお尋ねしたいと思うのでございますが、私どもはこういう所得にこそ所得税をかけるべきもので、ほんとうに眞面目に働いている者の所得税は、なるべく軽減しなければならぬ。またこういう方向へもつていくべきが正しい政治ではないかと思いますが、主税局長の御所見を伺いたいのであります。
  21. 平田敬一郎

    平田政府委員 ただいまの御意見はまことに御有力な意見じやなかろうかと思います。ただこういうようなまつたくの一時的所得と申しますか、こういう所得につきましては、從來においては本來の所得税課税対象にすべきでないというので、所得税法は明治の中ごろから設けられておるのですが、それ以來ずつと最近まで実は課税してまいらなかつたのであります。ところで今御意見のような点は非常にごもつともな点がございますので、昨年税法改正していただきまして、一時の所得といえども、いやしくもその人が收入があるならば、全部所得税課税するのが妥当だということで、昨年から改正になりまして、本年からこういう種類所得にも、所得税法におきましては建前としては課税になるということの改正になつたのでございます。ただ本件につきまして、しからばどういう態度をもつて臨むかということにつきましては、若干また考える点がなければならぬと思うのでございまして、本件はただいま專賣局からも説明になりましたように、まつたくタバコの賣れ行きが惡いのを促進いたしまして、歳入を確保するということのために、こういう制度を設けてやろうという趣旨でございますので、今までございますと当然非課税になつたのが、本年からたまたま課税なつた。こういう際でございますので、私どもといたしましても、宝くじ当籤金と同じように、本件に対しましては所得税課税しない方が、より大きい効果を呈するのではなかろうかということを考えまして、賛成いたしておるような次第であります。
  22. 内藤友明

    内藤委員 主税局長考える点と申されましたが、どういうところをお考えになつておるのか、私にはよくわからないのであります。しからば主税局長は今農村が非常に問題にいたしておりまする早場米出荷奬励金並びに供米完遂報奬金、こういうものに対しての所得税を免除してもらいたいという、非常に熱烈なる希望があるのでありまして、むしろ私はこの所得税免除の強い希望を、この除外例を設ける法律によりまして、いよいよ促進することになり、その声を大きくならしめることと思うのでありますが、政府はこの早場米出荷奬励金並びに供米完遂報奬金、これは毎年続くものでないのであります。そのときそのときの食糧事情が非常に困難な場合に、こういうような行政的処置をとられるのでありますが、こういうことに対してこそ、こういう特例法律をお出しなさるのが妥当であつてタバコ買つてのんで、それに当籤金をやつて、それでまた税金を免除するということになつてきますと、いよいよまじめな農家が非常に政治に対して疑いをもつことになり、それが供米に非常に惡影響を與え、それが日本の食糧事情を非常な困難な事態に陷れるということについては、どういうお考えをおもちでありましようか。これは決してじようだんなことでないのでありまして、この國の政治をまじめに動かしていくものから考えますと、眞劍考えて行かなければならぬと思うのであります。少しでももうけたいからあえてこういうようなことをするというような安易な考え方は、この國の建直し方について、非常に考えなければならぬのではないかと思うのでありますが、政府は前に申した今の農家が非常に問題にしております奬励金に対しては、こういう特例法律をお出しなさる意思があるかどうか、これをお伺いいたしたいのであります。これは決して毎年続くものではないのでありまして、非常に食糧事情の惡くなつたときに、こういう非常手段をとられるのでありまして、これは昨年一時限りのものなのであります。政府の氣持をお伺いしたいのであります。
  23. 平田敬一郎

    平田政府委員 供米に関連しました奬励金につきまして、課税を免除するのが妥当だという御意見がありますことに対しましては、私どもも度々そのことを拜承いたしておるのでございますが、こういう種類奬励金につきましては、從來とも所得税法に基きまして課税するという建前に相なつてきておりますることは、御承知の通りでございます。本年だけではなくして、そのもう一つ前の年におきましても、同樣な意味合いにおきまして、やはり課税に相成つておりまするし、こういう種類所得につきましては、所得税法建前として、原則としてもちろん当然普通一般原則課税になるべき筋合いのものでなかろうかと考えておる次第でございます。ただ問題は非常に供米が大事である。奬励金を出す理由は私どもも十分わかつております。從いましてこれに対して特に免税までしなければ、その目的を達成し得ないかどうかということが、いま一つの問題として判断対象になると思うのでございますが、ただこのことにつきましては、私ども現在の段階といたしましては、奬励金をやりまして、さらにそれに対して所得税までも免税しなければ、奬励金としての目的を十分に達しがたいということまでは、どうも判断しにくいのじやないか。そういうことになりますれば、さらに一層の効果を生ずるという事情はわかりますが、しかしながらそれをしなければ、奬励金目的が達し得ないということまでも行き得ないのじやなかろうかというふうに、今の段階におきましては考えておる次第でございます。ただその他たとえば石炭の生産奬励金等につきましても同種な問題がございまするが、とにかくやはり働いて一定の收入その他ある場合におきまして、そういう種類のものにおきましては、原則として收入が多ければ多いに應じて、やはり納税も多くしていただくというのが、現在の財政状況のもとにおきましては、やむを得ない一つの行き方じやなかろうかというふうに考えておる次第でございます。從いまして立法問題といたしまして、問題にならないということは申し上げかるねと思いますけれども、今までの所得税法の取扱い方、それから現在の段階における考え方といたしましては、そういうような考え方をいたしておる次第でございます。
  24. 内藤友明

    内藤委員 これは政府委員考えの食い違いになることだと思うのでありますが、一應申し上げたいと思うのであります。早場米出荷奬励金は、單なる所得ではないのでありまして、期日を抑えられてその前に出すということにつきましては、農家は非常に無理をするのであります。その無理に対する、いわゆる生産費を償うに足る一つ考え方の金でありますので、ただ普通の所得考えてはいかぬと私は思うのであります。早場米を十月一ぱいに出すということになりますと、農家は昼夜なしに働いて非常に苦労して出す。その苦労して出しまする生産費をこれで償うというのでありまして、そういう点が多分に含まれておるということを、一應申し上げておきたいと思うのであります。ただ今までの所得税考え方から、今申しました獎励金のようなものは、当然これは所得にかかる。今までの考え方になつてつた福引で当る当籤金のようなものはそうじやなかつたというお話であつたのでありまするが、ほんとうに國のいろんな將來のことを考えまして、思い正していくということが正しい考え方なのでありまして、おそらく私はこの法律が出ますると、農家はこの獎励金の問題につきましてまたやかましく言つてくると思うのであります。それがやがて供米に大きな影響を與えると考えまするので、これだけの意見を申し上げて、これは意見の違つておるところでありますから、政府からこれを御答弁願いましても、最後は食い違うので仕方がありませんが、これだけをお願い申し上げておきたいと思うのであります。
  25. 平田敬一郎

    平田政府委員 ちよつと補足して申し上げておきます。今御指摘通り早場米地帶におきましては相当無理をするのでありまして、比較的作物等も收穫が少いといつたような事情につきましては、獎励金を含めまして、結局全体の所得をいかに適正に調査し、賦課するかということに問題があろうかと考える次第でございます。そういう点につきましては、早場米地帶につきましては、早場米地帶に應ずるような所得調査決定をいたしまして、その面から実情に即するようにいたすべきことにつきましては、私どもも全然同意見でありますことを重ねてつけ加えまして申し上げておきたいと思う次第であります。
  26. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 先ほど内藤委員の言われたと同じような意見を私もやはり主張したいと思います。農村へまいりますと、獎励金を出しておいて、また税金をかけるということは非常にけしからぬじやないかという意向が非常に農民は強い。ましてくじなんかに当つた者税金を拂わないで、まじめにやる農村は供出まで税金を拂うということは、片手落ちだと思うのであります。こういうことに一般國民が疑惑をもつておることだけを十分御留意願いたいと思うのであります。いま一つ氏家税務署のことであります。地元の方がいろんな話をして、非常に区域の廣いところで、地形的には氏家が非常にいいということを私たちの方に陳情してきております。それからもう一つ烏山に分所を設ける意思はないかということを問合せてきたのでありますが、主税局長はどういうような意見をもつておられますか、お伺いいたしたいと思います。
  27. 平田敬一郎

    平田政府委員 烏山に出張所みたいなものを設けてやつてもらいたいという意向が地元にありますことは、私ども承知しております。ただ現在のところ税務署については、全國的に出張所の制度を設けないという方針にいたしておりまして、意見としてはごもつともなところがあるのでございますが、ひとりこの地方についてそういう考え方をいたすのが、どうも無理じやなかろうか。現在の大田原に行く場合に比べまして、氏家になると烏山地帶としては現在よりもよほど便利になるように私どもも聽いております。図面等において交通の関係を見ましても、その点は從來よりもよほど改善されるのじやなかろうかと考えておりますので、國費多端の際でもありますし、しばらく烏山においても御辛抱を願いまして、現在のところ氏家で用をすましていただくようにするほか、なかろうと考えておる次第でございます。
  28. 松田正一

    ○松田委員 ちよつと記録をとつてみたいので政府に御注意を申し上げておきたい点があります。これは福引券に対する所得税を免除するとタバコがよけいに賣れるという目的提案された。そうすると、提案のときの説明に、内藤君が質問したように、当然政府から提案理由として入れておかなければならない。いかにもこの理由が不親切にできている。所得税を課せないことが必要であるならば、一体新生がどれだけできて、いつからどれだけ賣つて、今どれだけ残つてつて、これを賣つてこれだけの專賣益金を得なければならぬのだ。これを賣るには所得税に対して免税を行えば賣れ行きがいいから、これを免税する心要があるのだ。こういうことの説明をつけておかなければならない。政府提案説明においてはなはだ不親切なところがあつて内藤君の説明を聽いたようなことは当然過ぎるくらい当然な質問である。元來戰時中において政府法律案提出する場合に、ほとんど議会の権限を無視して、説明というものはきわめて簡單であつた。今は終戰されて、敗戰日本となつた今日、なお從前の通り理由を付して提案されることは、委員会に対する説明の仕方が不親切である。この專賣益金を得るについても專賣局の苦労はお察しする。新生のごときものでも、もとは二十円で賣るつもりであつた。それが予算がふえてくるから四十円にした。あれは二十円のものだ。それを今四十円で賣つておるのだから賣れぬことはきまつている。それを捌くのにこういうふうに魅力をもたせればよけい賣れるからこれをやるのである。そういう説明提案するのが当然である。これは別の会で話をしようと思つたのでありますが、今内藤君の当然過ぎるくらいの質問があつた。それに対する答弁があつたがために、將來こういう提案をされるときには、何がゆえに必要であるか、その経過を十分に提案理由に織りこまれんことを御注意申し上げます。
  29. 苫米地英俊

    ○苫米地(英)委員 これに関連してでありますが、私は現在の他のこういうような免税の取扱いとの均衡においては、今さらこれをやめるということはいかがかと考えて、政府提案をのむよりしかたがないのではなかろうかという個人的の意見をもつております。しかし、初めに專賣益金を見積つて歳入を組む場合に、大藏大臣が説明しているように、これは商品じやないのだ、財政收入を得るのであるから、というような見地に立つてまつたく経済界の動き、経済人の心理を無視した、無理なことをやつて、それで健全財政ができるとお考えなつたところに、非常な間違いがあるのじやないか、私はこう考えるのであります。元來こういうくじの当籤に対してやる射倖心というものは感心いたさないのでありますけれども、そういう射倖心を釣つて、大藏省の財政を組むときの失敗を糊塗していこう、この考え方が私は根本的によろしくないと思う。言いかえれば、表面を糊塗するために一つの計画を立て、値段をきめ、それが失敗であつたがゆえに射倖心をもつて賣るような、また間違つたところへはいつていかなければならぬというような政策は、立つべきものではないと私は思うのであります。こういう点について、將來私は十分御考慮を願いたい、こういう希望を申し上げておくわけであります。
  30. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ほかに御質疑はございませんか。
  31. 後藤悦治

    ○後藤委員 私は遅刻をいたしましたから、すでにお話が出たかもわからないと思うのでありますけれども、大体今行われました質疑者と同意見なのでありまして、この際特に事務当局に申し上げておきたいと思うのであります。一体から申しまして、タバコの値上げはすでに本委員会において私ども承認をしたのであるから、今さらこれの不評に対してとかく言うことは、本委員会において決定をしておきながら文句をつけておるような形になるのでありまするけれども、その実施の状態を見ておりますると、そうならざるを得ないのであります。少くとも計数的に今日までの状態を明らかにされなかつたという点については、これは事務当局の御説明を聽かねばわかりませんが、おそらく今日以後のものは過年度收入になつてくるのであろうと思うのであります。私はこの政治的な考え方については、すでに委員会承認をしたのでありまするから、今さらとかく申しませんが、実施の面についていささか申し上げてみたいと思うのであります。それはタバコが最も國民生活の手近な問題でありまして、私どもが現在の新生あるいはピース等の自由販賣價格を承認いたしましたのは、嗜好品としての喫煙者に、國家財政の一半を担わせるという点で承認をしたのであります。ただこれの販賣の実施にあたりましては、やはり物價の尺度になつたということについては、私どもにも政治的な責任あるとは考えます。しかしこれの実施にあたつてつておられるところの今の措置でありますが、品質はやや改善されたとは申しながら、小賣店にやや多額の新生が押しつけられておる。しかも小賣店はこれを抱合せ販賣をやる。当局は抱合せは決して強要していないと、こういうことでありまするけれども、実際にはピースと評判の惡い新生との、天降り的な配給が行われておる。これがそういうふうに押しつけられたのでは、資金の運用上からいつて小賣店は負担にたえない。いきおい抱合せ的な販賣にならざるを得ない。あるいは配給をしたとかどうとかいうようなことで各地に問題を起した。こういうようなことになつておるのでありますけれども、この実施にあたつて当局は、いま少しく改善の方途を別に考えてはおらないか。現状のまま、やはりピース、新生の振合いをもつて、小賣店に押しつけていこうとしておるのかどうか——これはすでに質問済みだそうでありますから、その点は省略いたしますが、いま一つ考え方は、これはあるいは他から出たかもわかりませんが、射倖心を煽るようないき方についてでありまして、これらは少くとも事前にお諮りになつてやられることが、私は当を得たものと思うのであります。結局不評判を買うような商業類似行為、しかも射倖行為をもつてやるということに対しては、私は嚴に專賣事業として愼しむべきであると思うのであります。私はこの機会に、自分の所見としては、まことに当局の措置は拙劣な措置である、こう断ぜざるを得ないと思うのであります。
  32. 内藤友明

    内藤委員 今後藤さんが、タバコの値段は本委員会できめたというお話がありましたが、財政金融委員会ではタバコの値段はきめておりませんので、これだけは委員長からしかるべく訂正を願いたい。
  33. 松田正一

    ○松田委員 今後藤君の質問もありましたが、当局の方でどうですか。小賣業者が五万、六万と金を借りにくる。そんな金がどうして要るのかと言つたら、タバコの割当を取らなければならぬのだが、資金がないからというので借りにくる。これはたくさんあることで、事実われわれは扱つておるのですが、ああいう点については何か方法はないのですか。そんなことについて、タバコ小賣業者の資金の点についてお考えになつておるようなことがありますれば、承りたいと思う。
  34. 日下部滋

    日下部政府委員 タバコの小賣をいたしますのに、資金が急に増加して入用になつてまいりました。これは昨年の十一月からの急激な値上げに基くものでございます。そこでこれに対して、小賣店に対する金融ということをいろいろ心配いたしたのでございますが、これに対する特別の金融方法というものを講ずる暇もございませんでしたし、とりあえず各金融機関の方に、この所要資金のある程度の融通方をお願いしておるようなわけでございます。今後これの特別な金融措置につきましては、ただいまだ、いかなる措置を講じてよいかというような段階になつておりませんでございます。
  35. 松田正一

    ○松田委員 これはやはりわくをつくつてやる。そうしないと、このごろやみの高利貸に日歩十五銭で借りてやつている状態である。十万円で四千五百円月の利息を拂わねばならない。それではとうてい小賣業者はやつていけない。ゆえにここでひとつそういう金融のわくをつくつてやれば、日歩五銭くらいで借りられるんじやないかと思う。何か庶民金融機関でわくをつくつてもらわないと、高利貸のやみ金融に頼るよりほかない。そういう事実を御参考にありのまま申し上げておきますから、御善処願いたい。
  36. 川合彰武

    ○川合委員 ただいま議題になつております政府が発行する福引券当せん金に対する所得税課税特例に関する法律案、及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署増設に関し承認を求めるの件の二議題に関しましては、質疑を打切りまして、なお午後本委員会を続行されんことを望みます。  なおこの機会に特に委員長から事務総長あるいは議長に要望せられたい点を申し上げたいのでございます、と申しますのは、この委員会の速記録が非常に遅いために、本委員会においてしばしば質問が重複するのであります。常に出席しておるならば前の質問を省略して、そして別な観点から立つ質問をなすベきでありますが、出席が常時行われぬために、しばしば重複的な質問が行われ、そのためにわれわれは時間の空費をすることが多いのであります。これはやむを得ないこととはいいながら、畢竟するに、委員会の議事録の回付が遅いために、ついそういうようなことになるのであります。いろいろな現下の印刷技術その他の点から考えて、議事録の配付ということが遅くならざるを得ないということは、われわれも万々承知しておりますが、特に議事円滑なる進行をはかりたいという観点から、もう一層委員長において事務総長なり、あるいは議長にその申し入れを取り計らわれんことを希望します。
  37. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ただいまの川合君のお説は、議長並びに事務総長にさよう傳達いたします。  川合君動議の通り質疑を打切りまして、休憩して午後続開することにいたしたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議はないようでありますから、さよう取計らいます。  暫時休憩いたします。     午後零時二十五分休憩      ————◇—————     午後二時四十分開議
  39. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議を開きます。  復興金融金庫法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を継続いたします。塚田君。
  40. 塚田十一郎

    塚田委員 安定本部長官にお出でを願うようにお願いしておきましたけれども、大藏大臣が御多忙の中から特に出ていただいて御答弁願えるそうでありますから、大藏大臣に代つて意見を伺おうと思います。  先日來質疑を続けております復興金融金庫法改正に関し、なお二、三の点について質疑を継続いたしたいと存じます。本日は具体的な対策について二、三、当局がどういうようにお考えになつているかという点が伺いたいのでありますが、先日來私がしばしばお尋ねいたしたとろこで、大藏大臣も一部お認めになりましたように、復興金融金庫の融資というものは、名前は融資であつても、実質的には非常に助成の性質のものが多いのであります。私どもも助成がいかぬということは必ずしも考えておらぬのです。これも今日の情勢としては必要だということは認めるのでありますが、もしこれが助成というような性質のものになりがちだということであれば、当委員会においてこの増資審議をいたします場合に、もう少し踏みこんだ具体的な問題についてまで審議をしておくのでなければ、國会審議としては非常に手落ちになるのじやないかという感じをもつておるのであります。そこで今まで、実際の審議の場合には、たいていごく大ざつぱに、これだけの資金が、これだけの來るべき期間に要るからということで、われわれも了承して出しておつたのでありますけれども、今回の審議から、今度出ております二百億の増資が、來るべき三箇月にどういう事業についてどれだけ、そうしてその根拠はどこにあるのか、さらにもう一歩踏みこんで、殊にそのうちの金額の相当大きいものについては、大体こういう会社に、このくらいの金がいくのだというようなことまで御説明が願える準備があるかどうか、その点についてお尋ねいたします。
  41. 北村徳太郎

    ○北村國務大臣 ただいまの御質問ごもつともと存じます。復金が大部分助成的なものというようにもとれるとお話があつたのでありますけれども、必ずしも私はそうじやないと思うのです。それから助成という言葉の意味にもよりますけれども、これは今のところ避けておりますが、やむを得ざる赤字金融がある。これは價格改訂までの暫定的なものであり、それを融資することにおいて、いわゆる助成という言葉を使えば助成しておるのでありますが、これなども價格改訂がされた場合には回收可能なものである。長期性のものであるとか、あるいは回轉率が非常に鈍いとかいうことは、復金そのもののあり方から考えてやむを得ないと思うのです。その点は復金の特殊の性格に鑑みて、——それだからむろんいいというわけではない。過日來御答弁申し上げましたように、いろいろの面に改善すべき点は認めておりますけれども、その点は特に御了承願いたい。それから、この復金の問題は、主として回收がうまくいくか、あるいはいきつつあるかということにあると思うのであります。これについては事務当局の方面の試案で、あるいはお手許にまわしておるかと思いますけれども、監察員制度のようなものをもつて、ある期間毎に監察をした結果を具体的に報告するというようなことが励行されてくると、改善が行われるのじやないかというように考えるのであります。それから今回の二百億の配分でありますが、これはわくがきまつておると思うのです。たとえば農林関係とか、商工関係とか、いう意味のわくがきまつておると思うのでありますけれども、今ここで具体的に借主の氏名まであげて申し上げるほど、具体的になつていないのじやないかと思うのであります。これはなお政府委員より、補足して答弁を申し上げます。
  42. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 復金の融資の計画につきましては、お手許に配付しておりまする、資料の別表の第一に、支出と收入の予想を掲げてあるわけでございまして、その貸出の百八十七億の内容につきましては、これを大きく一般産業と公團にわけまして、業態別に見積りをつくつております、その区分けを申し上げますならば、たとえば工業において紡績工業、金属工業等といつた程度の業種の計画がございます、これはもう前から申し上げておりまするように、一面において予算の分取り的にならぬようにということもございまするので、この資金計画を立てます場合には、もちろん関係各省その他業界の意向をも勘案いたしまして、その積算の根拠になりましたものが、相当詳細につくつてございます。そのつくりました資金計画に拘束されずに、各会社の具体的な融資につきましては、復金当局が十分審査して行うというようなことになるだろうと思います。
  43. 塚田十一郎

    塚田委員 ただいま大藏大臣の御答弁の中で、助成という言葉が私の質問が強く響いたということで、先日の御発言の趣旨を補足して、それほど助成というものだとは考えておらないという御答弁があつた。これは見解の相違でありますから、大藏大臣がそのようにお考えになつておるのであれば、それも一向差支えないのでありますが、ただ私から申し上げますならば、復金の融資の仕方の、少くとも過去一年の実績を見てみますならば、これは遺憾ながら助成でないかもしれないし、助成でなければなくてもよろしいが、もう少し具体的に、何らか納得のいく御説明がつくのでなければ、増資というものは少くとも最後には、一年後には予算にしりをもつていかれるという、現実の事態からしても、そう簡單には御協賛申し上げるわけにはいかないと、こう考える。その観点から銀行局長から補足的に説明を承つたが、お手許には積算の資料があるのだ。しかし必ずしも貸す時には、それにだけとらわれておるのでないということでありますが、やはりどこまでも政府のお考えは、一種の金融機関の資金を出すということを要求しておるのだということであつて、われわれも今まではその氣持で増資を承諾してきたが、ただいまの氣持においては、ただそれだけではとうてい賛成いたしかねる。お願いしたいのは、具体的なことを端的に申し上げますが、もし積算の御資料があるならば、それを見せていただきたい。しかし私は想像するのに、そういうような積算の資料の中に、必ず具体的に今度の金のうち、こういうものはどれどれのどういう会社にというような、ある程度もうすべに申込みを受付けておられて、この期間中にやらなければならぬというものがあると私は考える。そういうものもぜひ併せて公表していただかなくては、審議が進まぬように考える。政府はそれに應じていただける御意思があるかどうか。
  44. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 ただいまの資料でございますが、これは差上げる用意はできております。ただお断りしておきたいのは、これは資金の計画の基礎になつたものでありまして、復金の当局といたしまして、これが一種の権利になるというようにお考えいただくと非常に困るのでありまして、これは要するに増資なり、あるいは第一・四半期の資金計画をつくります上で参考の資料でございまして、これが予算と同じように拘束を受けるとか、あるいは逆に言つて、権利として留保されておるのだというふうにおとりにならぬようお願いしておきます。
  45. 塚田十一郎

    塚田委員 資料を出していただけるそうでありますから、それは資料を頂戴した上で、また具体的な問題についてお尋ねすることにいたしまして、次にお尋ねいたしたいのは、今度の二百億の数字の算出の基礎に、政府がしばしば近いうちに行うと御言明になつておる物價改訂という問題が、どういうようにとり入れられておるか。つまり二百億の数字の中に、物價改訂が織りこみ済みの数字であるか、さらに物價改訂があれば、当然、過去の赤字融資の回收があるわけでありますが、その回收の面において、その物價改訂をどういうように考慮に入れられてあるか、この点についてお伺いいたします。
  46. 北村徳太郎

    ○北村國務大臣 今回の二百億の増資の中には物價改訂は織りこんでおりません。資金計画として出しております。それで物價改訂が行われました場合に、たとえば一例ですが、石炭なら石炭について行われるというと、そのことによつて過去の石炭融資のあるものは回收されるということになりますが、今回の二百億にはそれは含んでおりません。
  47. 塚田十一郎

    塚田委員 そういうことになりますと、物價改訂が行われれば、もちろん一方においては、物價改訂によつてさらに増加資金を必要とする面が出てくるということは考えられます。それと同時に物價改訂になれば、当然現在赤字融資の状態からいけば、これは回收さるべきものが必ず相当金額出てくると考えております。はたして赤字融資の全部が回收になるかどうか知りませんが、そうすると、回收されて新しく復金に融資の余力というものが出てくる。その余力をどういうように御活用されるか。今は物價改訂というものは考えておらぬということであつたのでありますから、おそらく物價改訂によつて回收される資金というものは、來るべき四半期には、新しい貸出しには御流用になるということは全然ない。もちろん政府の資金計画そのものにも、新しい回收予定というものは四億なんぼしかはいつておりませんから、おそらくないのでありましようが、國会といたしましても、必要なる資金は全部増資にお取りになつて、回收されたものをまたそれにプラスして使つてしまわれるということは困る、こういうように考える。從つて私ともが希望いたしますのは、今度の二百億が物價改訂を考慮しない数字であるというのならば、回收された金は少くとも來るべき第一・四半期においては、これは新しい資金に流用されるということは困る、こういうように考えますが、その点いかがでありますか。
  48. 北村徳太郎

    ○北村國務大臣 物價改訂がまだいつやるか、どの程度やるか、あるいはいかなる種類でやるかということはきまつておりませんので、從つて今の復金の資金計画の中にそれを予想して、それだけ回收ができるということは今立てておりません。けれども、そういうことが問題に上れば、早速そういう計画を立てねばならぬと思います。それから回收があつた場合に、これをどうするかという問題なのでありますけれども、これはやはり復金の委員会その他を通じて、從つてそういう新たなる増資にかえて、その資金がそれぞれの機関を通して運轉するということもあるのでありましようし、復金債の期限到達のものを償還にあてるということもあるでありましようが、それらのことは大体復金融金庫の委員会を通じて、大藏省の監督の下に行う今までのいき方はそういういき方をしておると思います。今後も多分そういうことになると考えます。
  49. 塚田十一郎

    塚田委員 どうもそこの点が私ども希望する点と政府側のお考えになつておる点と合致いたさぬのであります。結局大臣のお考えは、今までやつてきたのだし、その通りある程度は復金に任せてくれ、こういうことであるようでありますが、どうもしかし今までの復金の金の使われ方からいけばそれは困る。この調子でいけば、復興金融金庫というものが、結局日本の金融の大半を握つてしまうことになつて、日本の金融政策というものは、非常にゆがめられた形になる。私どもはできるだけ復興金融金庫を通しての融資というものは制限したいのでありますが、それがやむを得ざる状態においてふくれていくのならば、そのやむを得ない状態ということが、よく國民の立場から納得できるのでなければ困るのでありまして、今までのようないき方で、どんどん殖えていきそうに思うような状態には、どうも進めていただきたくない。こういうふうに考えるのであります。この点何とかひとつ政府側においてくふうを講じて、ほんとうに國民が納得して疑惑の念をもたずに、なるほど復金が相当大きなものになつて困るが、しかしやむを得ないということを、納得できるようにしていただかなければ困ると思います。
  50. 北村徳太郎

    ○北村國務大臣 これはきわめてごもつともな御質問でありまして、私は二つにわけて考えたいと思います。復金のあり方について檢討し、いろいろ回收について、あるいは貸出しの嚴選について、その他の運営上の確実を期するという点において方策を講ずる、それからそれはそれとして、一應復金はやや変態な金融機関であるが、金融機関に違いないのでありますから、これはやはり資金として回收したものは、これをできるだけ有効に回轉さすというような面に使うということは、これは金融機関の一つのあり方でございます。それが今まで復金というものにいろいろ問題があつた。從つてそういうことがあるから、回收したものは回收したもので、別個に処理すベきではないかという御意見だと思うのでありますけれども、ここに改善すべき点は改善する。しかし、いやしくも一つの金融機関であるから、回收したものはそれぞれの機関といろいろな審査の系統を経て、必要な方面にやはり振向けていく。そういうふうなことがこれはやむを得ないのじやないか。但しこれもどうしてもそうあらねばならぬというやかましい問題ではありませんので、ここにおのずから研究の余地はあると思いますけれども、私一個の私見としては、これはやはり金融機関であるから、回收したものを別個に処理するということはずいぶん困難ではないか、こういうように考えております。
  51. 塚田十一郎

    塚田委員 どうしても根本的な考え方の違いがありますので、納得いたしかねるのでありますが、同じことをどこまで繰返しても同じことでありますから、そこで次の問題に移つていきたいのであります。もし政府側のようにお考えになるならば、この際復興金融金庫法というものを改正して、復興金融金庫の資金を調達するやり方をかえていかれたらどうか。つまり必要な資金はいつでも増資々々という形でやつていくのでなしに、ある程度で政府の増資というものは打切つて、その上でその資本の何倍かの復興金融債券を出せるというようにして、そこで資金を仰がれる。そういうことでありますと、過去の興業銀行と同じような形になりますから、そういたしますならば、そこにおのずから復金自体に、多少なり採算営利というようなものの氣持も、またあまり野放図なことはしていられないという氣持も出てきて、回收した金はまた新しく使うということに、そういうお考えとマツチしてくる。むしろそういうような政府側のお考えであるならば、復金のそういうような機構に改組していくということがいいのじやないか、こういうように考えるのですが、そういう点については大藏大臣のお考えはいかがですか。
  52. 北村徳太郎

    ○北村國務大臣 私の私見でありますけれども、私はやはり同感なんです。そういうふうな域にまで復金をもつていかなければならぬ。ただ、今おつしやるようなぐあいにすることが妥当であるかどうかということは、これは問題であつて、漸次そういう方向へ復金を振向けていかなければならぬというふうに考えております。その点については時期的に少し問題があると思いますが、復金のあり方としてはそういう方向へもつていかなければならぬ。こういうふうに私は考えております。     —————————————
  53. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次に政府が発行する福引券当せん金に対する所得税課税特例に関する法律案に対する質疑は午前中で終了いたしましたので、これより討論採決に入りたいと思います。
  54. 川合彰武

    ○川合委員 社会党といたしましては、討論を省略して至急採決にはいられんことを望みます。
  55. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 川合君のお説のごとく、討論を省略してただちに採決いたしまして御異議はありませんか。
  56. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議がないようでありますから、採決いたします。本案に御賛成の方の御起立をお願いします。   〔総員起立〕
  57. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 起立総員、本案は原案の通り可決確定いたしました。     —————————————
  58. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次は地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税務署増設に関し承認を求めるの件につきまして、御審議をいただきたいと存じます。本案は午前中に質疑を終了いたしましたので、これより討論採決に入りたいと思いますが、いかがですか。
  59. 塚田十一郎

    塚田委員 実は矢板税務署をおきたいという現地陳情があることを先ほどから申し上げたのでありますが、その後いろいろ聽いてみますと、矢板には昔税務署があつたのであります。そうしてこれを閉鎖するときに、今度税務署をつくる必要があるときには、矢板につくるということを政府当局が御言明になつたということが、今度矢板の連中がしきりに矢板税務署を置いてもらいたいという主張の、大きな根拠であるということを私は新しく承知したのであります。当時の言明がどうあつても、新しくつくるときには、客観情勢を考慮してどこに置くということを、適正に判断されて置かれる場所をおきめになることは結構でありますが、ただこういうような言明を軽々に與えておくということは、非常に困るのでありまして、今後こういうことのないように、嚴に御督励、御注意を願つておきたいと存じます。
  60. 平田敬一郎

    平田政府委員 御趣旨の点はよく了承いたしまして十分注意することにいたします。今のようなことがあつたかどうかにつきましては、私どもはつきり承知しておりませんので、もしあつたならば十分注意するという意味で御了解を願いたいと思います。
  61. 川合彰武

    ○川合委員 本案に関しましては、塚田委員その他からも述ベられた通り現地におきましては多少見解の相違があるようでありますが、しかし政府当局におかれては、愼重なる態度をもつて税務署の設定を檢討されるように思われますので、多少地方的にはあるいは不満な町もあるかも存じませんが、われわれとしましては、政府当局が万全の処置を講じたものとして賛成したいと思うのでありまして、これまた討論を省略されて至急採決せられんことを願います。
  62. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 川合君の動議のごとく、討論を省略いたしまして、承認を與うるに御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議はないようでありますので、本件承認を與うべきものであると決定いたします。     —————————————
  64. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 次は証券取引法改正する法律案に対する質疑でありますが、質疑を打切りまして差支えありませんか。
  65. 石原登

    ○石原(登)委員 証券取引所の定款でありますが、この定款の決定は、各証券取引所で個々に勝手につくるのでありますか、それとも政府において一應のひな形を示して、それによつて定款を作成するものであるか、その点だけを確かめておきたいと思います。
  66. 阪田純雄

    ○阪田(純)政府委員 証券取引所の設立にあたりまして、定款その他の業務規程をつくることに相なりますが、今般の法律全般といたしましては、いわば経済民主化の線に沿いまして、各取引所におきまして自治的につくることに相なりますが、これにつきましては証券取引委員会に届け出ることに相なつております。それが一般の投資家の保護あるいは公益に反するといつた場合におきましては、これに変更を命ずるということになつております。法制上はそういう建前になつておる次第であります。ただ実際問題といたしまして各取引所それぞれの事情はございますが、証券取引所というものは御承知の通り同時に一般性もございますし、東京におきましてもすでにその点で証券取引所設立準備委員が研究を進めておる次第であります。実際の点といたしましては私どもと連絡をいたしまして、その間に支障のないようにしていきたい、こういう考え方をしております。
  67. 石原登

    ○石原(登)委員 それからもう一点お尋ねいたしたいと思います。証券取引所の役員それから証券業協会の役員、この両者が兼務することはいけないというような規定がないのでありますが、このことは將來業務を執行していく上に、いろいろな紛淆を來すのではないか、かように思われますが、これを禁止する規定を明確にされる御意思はありませんでしようか。
  68. 阪田純雄

    ○阪田(純)政府委員 取引所につきましても、その役員は会員の選任にかかるのであります。証券業協会におきましても、その役員は協会員の選任にかかわるものである、こういうことに相なるのであります。この兼務を禁止したらどうかという御説のように拜承いたします。その点につきましては問題は、そういつた場合に、いわゆる民主的に物が行われない、あるいは幹部の專横を來す、こういうことに相なる次第でありますが、それぞれの役員の選任につきましては、それぞれの規定によりまして民主的にこれを定め得るのでありまして、法律におきまして特にこれを禁止する條項をおきませんでも、取引所を構成いたします会員、あるいは証券業協会を構成いたします協会員の自覚と自律によりまして、弊害を生ずるようなことはないのではなかろうか、こう考えております。
  69. 田中織之進

    ○田中(織)委員 本法案についてひとつ銀行局長に伺つておきたいことがあるのであります。それはすでに同僚委員諸君から質問されたことだと思うのでありますが、本法律考えの基礎になつております銀行信託業務と証券業務をわけるという建前は、これを日本の証券業界の実情から見まして、また現在の信託会社が相当証券業界にその業務をもつておるという関係から見まして、必ずしもアメリカのような先進國の業態をそのまま移すことはどうかと考えられるのでありますが、信託銀行業務と証券業務との建前をくずさないという意味において、この改正法律案を了承するのでございますが、ただ一つ、この法案によりますと、信託会社は有價証券の賣買の代理業務が営み得ないことになりまして、その業務範囲が著しく狹められることになると思うのであります。今後新たに金融業法というようなものを制定されるように聞くのでありますが、その場合に信託会社が銀行業務を経営することを希望する場合には、その経営を認められるかどうか、この点について銀行局長の意向を質しておきたいと思うのであります。
  70. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 ただいまのお尋ねに対しましてお答えいたすのでありますが、まず前段にお述べになりましたような点につきましては、私ども銀行、信託等の行政に從前から関與しております者としては、非常に御同感に思う点が多いのであります。この際証券取引法改正につきましては、相当理想的に諸外國のやり方等を参酌いたしまして、この際新しい境地を開いていこうというところで出発いたしております関係上、ある程度銀行、信託等においても、今後忍ぶべきところは忍ばねばならぬという点も、やむを得ないことだと考えておるわけであります。  それから金融業法の問題でございまするが、これは政府におきまして、事務的に廣汎にわたり現在立案中でありまして、一部その草案のできたもの等につきましては、関係方面との折衝も開かれつつあるような状況であります。さような関係でありまするので、私といたしまして、今日はつきりとしたところを、当局を代表して申し上げることは、いささか早計かと思うのでありますが、現在私として考えておりますところは、金融業法におきましては、信託会社が銀行業務の希望がある場合におきましては、その兼営を認めるということで立案いたしたいと考えておる次第であります。さような場合におきましては、この証券取引法案の第六十五條の第一項但書前段におきまして、銀行とひとしく顧客からの注文によりまして、有價証券の賣買の代理業務ができることになる、こういうように考えております。
  71. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 質疑を打切りまして御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 御異議はないようでありますから、これより討論に入ります。川合君。
  73. 川合彰武

    ○川合委員 私はまず先に社会党を代表いたしまして、一部修正する部分を除きまして本案に賛成するものであります。  本案は証券界の民主化をそのねらいとし、併せて廣義の金融機関の分野を確定し、もつて本邦における金融機関の健全なる発達を、その目的とするというように私は理解しておりますが、これに伴いまして私たちは、近く予想せられるところの外資の導入、それと密接な関係にあるところの取引所の再開というようなことが、至急実現に移されなければならないというように思つておるわけであります。それと同時に最近におきまして証券界が一段と活況を呈してまいつたということは、とりもなおさず証券民主化の現われではないかというふうに理解しておるのであります。そういう際に本案提出され、これが立法化されるということは、きわめて好ましきものということに理解するわけであります。  以上社会党を代表しての賛成意見でありますが、なおこの法律案中一部われわれといたしまして不備の事項を発見いたしましたので、これは各派の共同提案といたしまして、一部の修正意見提出いたしたいと思うのであります。すなわち第六十五條第一項但書中「投資の目的を以て」の下に「又は信託契約に基いて信託をなす者の計算において」の字句を加えたい。かように考えるのであります。これは質疑の際に各委員からもいろいろ希望的な意見もあつたふうに、信託業の業務が非常に縮小される。そのためには若干の経過規定はあるにはありますけれども、われわれは信託業務が急激に縮小されるということを恐れますので、今申し上げたような字句を挿入いたしまして、そうしてこの法の不備を是正したい、かように考えるものであります。なおこれは各派の共同提案ということになつておりますので、これも御了承願いたいと思います。以上をもちまして私の修正意見及び修正意見を除く部分の賛成意見を申し上げます。
  74. 石原登

    ○石原(登)委員 証券業の民主化のために本法の制定をなすことは、私どもも趣旨はきわめて賛成であります。しかしながら本法は非常に大部にわたるものでありまして、なおその運営のよろしきを得るか否かによつては、非常にこれが証券業界に及ぼす影響が重大であると思うのであります。こういう点については政府はその処理に万全を期する旨を明らかにされておるのでありますが、それがなかなか容易でない、かように考えておりますから、今後これが運営については十二分の監督を行つてもらつて、少くとも一般大衆がこの法の運営の誤謬に基くところの非常な損害、あるいは迷惑をこうむることのないように、特に嚴重に監督を行つていただきたい。このことを強く要望いたしまして、ただいまの修正意見に賛成をいたし、民主自由党を代表いたしまして本案に賛成をいたす次第であります。
  75. 中曽根康弘

    ○中曽根委員 私は民主党を代表いたしまして、ただいまの修正案並びに修正案を除いた原案に賛成をするものであります。  本案は証券界の民主化に役立つことすこぶる多く、わが國の今後の経済界の望ましき状態と正に適合すべき証券新立法であると考えます。ただ政府当局に特にお願い申し上げておきたいことは、アメリカ的な証券取引法の運用において、わが國民が習熟することが不徹底である場合においては、いろいろな摩擦やあるいは好ましからぬことが起る。そういうことが危惧されるのであります。こういう点についてはその運用について、深甚の御配慮を煩わしたいとお願いいたす次第であります。
  76. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 討論は終局いたしました。  まず川合委員提出にかかる各派共同提案の修正案の採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕
  77. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 起立総員。よつて本修正案は可決されました。  次に本修正案の修正部分を除いた原案に御賛成の諸君の起立を願います。
  78. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 起立総員。よつて本案は修正議決せられました。暫時休憩いたします。     午後三時十九分休憩      ————◇—————     午後四時四十七分開議
  79. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  復興金融金庫法の一部を改正する法律案議題とし、質疑を継続いたします。
  80. 塚田十一郎

    塚田委員 先ほどに引続きましてなお二、三の点についてお尋ねいたしたいと存じます。この復興金融金庫の運営のしかたでは、私は最初に資金をきめる場合において、もう少し愼重審議が必要だということは、先ほど申し上げた通りであります。それと同時に貸出をいたしましたあとの金が、どういうように使われておるかという状況が、國会立場からは非常に監査のしにくいような機構に現在なつておるのであります。ただいまこの小委員会を設けましていろいろやつておりますけれども、非常に期日が遅れて、あとになつて古いものを調べておつては、なかなかうまくいかないし、そこで今後はその時々において、当面の問題が、もつと徹底的に監査ができるような機構が、國会も参與できる形に置いてほしいということは、私どももふだん考えておつたのでありますが、それに対して政府が今腹案としておもちになつておられる機構の中に、復興金融監察委員会というようなものを設けようかという御腹案があるというように聞いておるのであります。その点について政府の御意見を伺いたいと思います。
  81. 北村徳太郎

    ○北村國務大臣 これは午前中にもやや詳しく申し上げたつもりでありますが、現在の復金については、事後の監理、事後の監督、並びに回收に関する点が、少くとも非常に改善を要する点の、重大な一つであるというように考えておるのであります。それでこれを一体どうしたらいいかという点については、いろいろ考え方はあると思いますけれども、ほんの事務当局の一試案にすぎないものをここでごひろう申し上げて、たとえばこういうことも考えておる。——これは私も大体同感でありますが、こうもやつたらどうかというような、一試案にすぎませんけれども、これを一應ごひろう申し上げて、これについて御檢討を願うということも一つの方法ではないか。こういうように考えますから、銀行局長よりそのことを申し上げることにいたします。
  82. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 ただいま大臣からも御説明いたしたのでありますが、これは私どもの一試案であります。先般申し上げましたように政策協定でも取上げられておる問題でありますので、私どもといたしまして率直に申しますとむしろ遠慮しておつたのでありますが、先般山口委員からの御質疑もございましたので、ここにほんの一試案でございますが、御配付を申し上げたような次第でございます。御承知のように復興金融委員会でございますが、復興金融委員会は、設立の当初においては、当時の両院議員の方々に御参加を願つてつたのであります。その後立法府、行政府の区別というようなことから、國会議員の方々はお退きになりまして、爾後こういう形において國会議員の御参加を求めることが困難になつてつたのであります。監査の問題につきましては、あらためて特別に法律をもつて当初から國会議員を中軸とする監査をはかりますために、委員会を設けていただくことにしていただいたらいかがかと考えているわけであります。なおこの構成その他については、十分政党方面で政治的にお考えくださいまして、それによりまして、あるいは政府側の提案が適当であるのかどうかも問題であると思うのでありますが、ここに書きましたような意味のものが、何らかの形で早急に発足していただくことを適当と考えているわけであります。なおまた復興金融委員会自体についても、でき得るなら國会と何らかの形でつながりをつけていただくことが適当ではないかと考えているわけであります。
  83. 塚田十一郎

    塚田委員 御説明了承いたしました。  次に第三点は、結局貸出したあとの回收をどういうぐあいにするのか。少くとも金融で金を貸してやつた以上は、当然回收するという問題が、非常に重要視されなければならぬと考える。殊に今日のように絶えず新しい資金の需要が出てくる場合においては、相当過去において貸出したもので、当初の目的を達しておると考えられるものは、当然回收して、新しい需要の一部にまわして、そうして新しい増資をできるだけ少くすることが必要だと考える。ところが先般來私が小委員会におきまして、いろいろ調べました幾多の例におきましては、遺憾ながら、貸出しの面における努力が、非常に鈍いというように感ぜざるを得ない。その鈍いのは、一つはそういう面における復金内部の機構が非常に惡いのではないが、どうもいろいろあちらへ行つて調べたぐあいによりますと、貸出しをやるときは、形の上では非常に愼重に、融資懇談会、復興金融委員会、監事会というように嚴重にやつておられますが、一旦貸したものを、期限が來て回收するかどうかという判断が、非常に事務的に、箇單に、担当行員の意見くらいによつてあとは書類を持ちまわりして、盲判を押して、ずるずるになつていく面が多分にある。これではいかぬのでありまして、政府も御承知のように、今日では租税も非常に過重になつております。その過重な租税さえ競賣処分にまでし、強制執行までしても取立てようとしておるのに、貸した当初においては、この金がはいつたら、この金は返すのだというので貸してあるにかかわらず、回收期日がきても、その金を回收しておらないということは、少くとも復興金融金庫の融資政策から離れておると考えられます。この際復興金融金庫の内部に、何かそういうものをもう少し愼重審議する機関を別個にお考えつて、そうして貸出しを眞劍に回收していただく。そういうことになりますと、自然またその反響といたしまして、世間のいわゆる、今日、復金の金を借りれば、もらつたと同じようなものだというような、誤まつた考え方を是正する意味においても非常に力になると考える。そういうような何かの機関を設けていただく意思がないかどうか。それと併せて、先般來しきりに指摘しているように、來るベき四半期における政府の回收予定があまりに少なきに失している。現在いろいろ頂戴した資料によつて見ても、公團資金を除いても運轉資金が百七十億出ている。百七十億も貸して、貸出してから一年も経つているものがあるのに、來るベき四半期には四億くらいしか回收できないということは納得できないのでありまして、この際もう少し努力したならば、來るベき四半期にはどのくらい回收できるかという目標でも立てていただけないか。これらの二点についてお伺いいたします。
  84. 北村徳太郎

    ○北村國務大臣 問題になる点は復金の回收の点でありまして、御指摘通りであります。この点については、現在の機構において回收をもつと滑らかにやるために、たとえば、それを專門とする一つの部署を設けるというようなことも考えられる点の一つであります。これはほんの試案でありますけれども、監察委員会というようなものが適当な活動をすることになると、これまた事後の管理、事後の監督とともに、回收の上にも相当効果をあげるのではないかと考えるのであります。回收率が非常に惡いということは御指摘通りであります。同時に復金のもつ特別な性格から、回收してしまつてあとで困るという場合がむろん起ると思います。それで、これは経済の復興、産業の復興という点が基点でありまして、健康にして所期の目的に伺つている場合には、回收を緩めなければならぬ場合も起り得ると思うのでありますが、全体的としてみて御指摘の通ら非常に回收が惡いというのでありますから、この点現在の復金においては一番努力しなければならぬと思うのであります。この点については塚田委員と全然同感でありまして、まだこれをやれば必ずこういう効果があがるという、非常に具体的ない案もございませんけれども、回收のことを專門とする一つの部課を設けて、そういうようなところで遅滯した回收等を、どんどん整理することを事務的にやらす。一面において監察委員会等の活動を通じて、事後の監督とともに、回收に一層の努力をして、妥当なる回收をどんどんやれば今よりよくなると思います。それからこれは昨日か申し上げたように思いますが、私は銀行制度そのものに疑問をもつ。どうも回收の困難な一つ理由は、動いている企業体の動的なものを把握することができないようになつている。表の上ではちやんと数字に現わせるけれども、実態を把握することが困難である。これは興信とともに受入業務を併せ行わないとうまくいかないのではないか。これはほんの思いつきですが、この点についてもなお考慮いたしたいと考えている次第であります。
  85. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 ただいまの資料の御要求でございますが、非常に大部にわたるものもあろうかと思いますので、ただいま簡單に申し上げます。  融資の計画につきましては、すでに一應の基本的な資料は差上げているわけであります。なお御希望に應じまして、でき得る限りのものを差上げたいと思います。それから回收につきましては、御指摘通り非常に大事を踏んで計算いたしておりますので、一應四億五千万円という数字が上つておるのでありますが、ただいま石炭関係の補給金が六月までに現実に交付を得ますならば、二十二、三億のものが補給金として交付を受け得ることになつております、それからただいま大臣からもお話がありましたが、一應建前としては今期に期限のまいるものにつきましては十分調ベまして、建前としてはこれを徹底的に回收をする。なお事後の経済の運行を阻害しないように十分審査いたしまして、新たに手形の切替その他を考えるということにいたしまして、ただのんべんだらりと、事務的に期限が來ても、またそれを更改して続けるということは、あるいは過去においてそういつた例があつたかとも思うのでありますが、これは嚴に是正するということにいたしたいと思います。  それから回收の問題でございますが、現在融資部の中の御承知の管理課でやつております。この管理課を部に昇格すること、その他早速考えたいと思つております。ただ実際問題として御承知のように人員が不足でございます。それからまた市中銀行等にも大いに呼びかけて協力を仰いでおるのでありますが、何ぶんこういう特殊な機関でございますので、なかなか実際問題としていい人を得ることが困難でございますので、なおこれらの点については、十分努力を続けていきたいと考えております。
  86. 塚田十一郎

    塚田委員 なおこの際お願いしておきたいのは、先ほど事務当局にも私的に私は申し上げたのでありますけれども、資本をきめますときには、いろいろな事情でこまかいことがそのときにはわからないというのでありすから、ある程度の御説明、参考資料を出していただいて、これは納得するといたしまして、復興金融金庫が融資をいろいろ審議されます段階におきまして、現在どういうような事業に、どれくらいの融資の計画があるということの、何らかの資料を委員会に頂戴できるということになれば、非常に私どもも好都合であり、そうすれば適当の時期に、適当な融資先についての審議も、必要があれば國会立場からもやらしていただくことができるようになると思うのですが、そういうような具体的な方法をひとつとつていただけるかどうか。この点御答弁をお伺いいたしたいと思います。
  87. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 ただいまの問題につきましては、私どもといたしましては、監事会並びに委員会におきまして、審議議題並びにそれに対する参考資料等は、今後小委員の方々に、委員会あるいは監事会に付議いたしますと同時に御発送いたしまして、御参考に供したいと考えております。監事会の扱いますものは三百万円以上でございますから、三百万円以上の議案につきましては、これは法的な基礎とか、決議権ということはただいまのところはございませんが、何らかの御参考に、常時復金の状態を把握していただきますために、御参考に御配付申し上げたいと思つております。随時その途中におきまして委員各位の御意見を承ることができますれば、復金当局あるいはわれわれとして承知しないような事情につきましても、お教えいただくことができると思いますし、事前に御注意いただくこともできますが、この点は復金と技術的に打合せをいたしまるすので、多少の時日がかかると思いますが、今月末くらいから、委員会、監事会の書類を小委員の方に御配付申し上げたいと思います。
  88. 塚田十一郎

    塚田委員 御了解がいただけたようで、まことにありがたいと思います。以上で大体私がお尋ねいたしたいと考えておつた点は申し上げ得たわけでありますが、ただ心残りは、今度の二百億がどういうぐあいに出てきたかということが納得できる資料がいただけず、今日その審議ができないということは非常に残念でありますが、他の党の諸氏もすでに御了解のようであるし、融資そのものは時期的にも大分迫つておるようでありますので、今回は一應審議を打切ると思いますが、なお私は党に帰つて諮るベき筋がありますから、そのようにお計らいいただきたいと私の方では考えております。
  89. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 復金の融資につきましてはいろいろ議論もありますが、どの点まで一体こういう増資が続くものか、もし大藏大臣に見透しがつきましたならば意見をお漏らし願いたいと思います。
  90. 北村徳太郎

    ○北村國務大臣 ちよつと見透しといつて今のところ困難でありますが、これは塚田委員から御指摘になつておるように、回收がうまくいつて、回轉速度が早くなつてくると、増資によらずして、方法はいくらもありましようけれども、回轉したもので運用ができる。今のところ回轉率がきわめて惡いために増資の形式をとらなれけばならぬということになつておりますが、これは今後の生産、それから安本で取扱つております物價計画等とにらみ合わせて考えなければならぬので、今見透しをちよつと簡單に申し上げることは困難であります。必要があればあとからでも差上げてよろしゆうございます。
  91. 佐藤觀次郎

    佐藤(觀)委員 いろいろ問題はありますけれども、復金のインフレということもいろいろ議論されるところでありますから、できるだけ政府の資金を出さないように御留意願いたいと思います。希望意見として申し上げます。
  92. 川合彰武

    ○川合委員 本案に関しましては未だ論議の余地があるやに伺いますが、諸般の情勢に鑑みまして、この辺をもつて質疑を打切り、一應休憩にはいられんことを望みます。
  93. 塚田十一郎

    塚田委員 ただいま質疑の打切りの動議が出たのでありますが、自分としては党へ諮つてまたどういうような意見が出てきて、さらに伺わなければならぬ点があるかもしれませんので、その点だけは一應留保をお願いしたいと存じます。
  94. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 暫時休憩いたします。     午後五時七分休憩     ————◇—————    〔休憩後は開会に至らなかった〕