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塚田委員 予算の
審議できわめて御多忙である
大臣をわざわざ煩わしましてまことに恐縮でありますが、問題がたいへん重要な問題のように考えられますので、特に
出席をお願いいたした次第であります。実は
復金問題につきましては、先日
ちよつとごく根本的な問題についてお尋ねをいたして御回答をいただいたのでありますが、その後私いろいろ研究してまいりまして、どうしても
復金の
機構そのものに、何らかり考慮を加えるということでなくては、こういう
状態でまた
増資々々のとうことでいくのでは、たいへんではないかというように考えられる点が非常に多いのであります。それで今まで数次にわた
つて行われました
復金の
増資、そのときにもわれわれの
氣持の上では、どうも心から賛成しかねるというような
氣持がいつもしてお
つたにもかかわらず、結局これも通さなければならいという
最後の判断をするようになりましたのは、これを出さないと
日本の
産業が、殊に
重要産業の運行が止
つてしまう。そうすると
日本の今一番重要な問題である
産業再建というものができなくなる。当面緊急の必要のためという、ただ
一つの
理由がいつでも
最後の判断することの重要なる
支配的要素になる。今度の
提案についても、過日からの
政府当局の御
説明及び御
答弁についても、やはり
一つが原因にな
つておる。とにかくこの前の百五十億が三月までの
資金、今度の二百億は、第一・
四半期にどうしても必要なんだということなんであります。そこでこの際に私
どもが一番心配をいたしておりますのは、過去一年間の
復金の
融資状況に鑑みて、これは金を貸して
産業を起さすという形ではなくて、
産業を起すということは大事なことでありますから金を出すのでありますが、その出した金は、形は
融資であるけれ
ども、
実質は
融資をしたということではなくて、実は
助成金を與えているという結果にな
つている。なぜそういうことになるかというと、貸した金は
現実にはなかなか容易に回收できない。またかりに他日いつかの
機会に名目だけは貸した
金額は返
つてきましても、そのときには
実質的には
インフレの高進というものがあるものでありますから、それらの
事業に
相当実質的な援助を、これは
國家の重要な
産業であるという形においてした結果になる。昨年中におきまして
一般に言われておるところによると、大体三倍の物價の値上りをしておる。逆から言うならば三分の一に
貨幣價値が落ちているということになると、貸しただけの
金額を名
目的な数字において返された場合は、
実質的に二倍のものは
助成しておる。こういう結果にならざるを得ない。そうなることも
日本の
産業再建のために必要であるということになれば、必ずしも避くベきではないということは私
たちはよく
承知している。しかしながらもそれが
助成というような
性質のものであるならば、出すときにもう少しこれは別の形で、
眞劍な
審議をしておかなければならぬじやないかというのが、今度の
復興金融金庫の
増資に際して懐く私
たちの強い
氣持であります。ところが
現実には
復金の
増資というものは、この
財政金融委員会におきましては、何か
政府の別働隊である一種の
金融機関の資本を増額するという形において行われいてる。
從つて過去の実例に徴しましても、また今回の場合におきましても、各
委員からの
質問はごく単純にあつさりしたものにな
つておるのであります。それが実際に金で出るときは、今申し上げるような結果にな
つているということになると、もう少し真剣にその問題の
所在を捉えて議論をしておかなくちやならぬ。そうなるとこれは
予算委員会とも関連をいたすのでありますが、大体昨年一年に
増資いたしました七百億のうちで、二十三年度の
予算において、拂込みによ
つて復金の
しりを拭う
國家予算が大体五百六十八億あるということが本日新聞に見ますところの二十三年度の
予算の案の中にあるのであります。こういう形が出てくるということになると結局この
委員会において
復金の
増資をするということは、次年度の
予算をここできめておるという
実質上の効果をも
つている。それをこういうような妙な
復興金融金庫の
増資という形でいたしますものですから、十分な
審議が行われずにすらすらと通
つてしまう。これは
相当大きな問題になるのじやないかと実は私は考えておるわけであります。そこで私
どもの考えますのは、もし金を貸すというものであるならば、もう少し別の
機構があるのじやないか。それは
復興金融金庫というものでやらせるか、あるいは在來の興銀、もしくは
勧銀というようなものを別に考えなおして、そこでやらすか、それともまた
市中銀行でやらすか、これは私
どもも急速に結論まで行
つておらぬのでありますが、少くとも今の
復興金融金庫のような脆弱な
機構。そうして現在のような
復興金融委員会監事会、
有志懇談会というような形においてするのでは、不適当なのではないかと考えられます。それからいま
一つはもしもまた別の
解決を考えるならば、そういうように
実質が補助的なものであるならば、これは最初からはつきりて
予算で出して、
しりを拭
つてい
つていただくということの方が、
國民の前に明らかに、そのときどきにおいて問題の
所在を吟味し
審議する
機会を與えるという
意味において、むしろ適当である。このどちらかの
方法で、もつと
復興金融金庫の
融資というものを、眞に
國民が納得した形においてやるのでないとまずいのじやないか、
從つてこの際そのどちらかの
方法に、
金融金庫の
機構その他の改革、もしくは
予算の面の改正というようなことで、問題の
所在をはつきりしていただくということにして、
復興金融金庫の今までの
増資々々でいく行き方というものをかえていただくのでなとては、にわかにこれは御賛成できないのではないか、こういうような考え方を実はも
つておるのでありまして、その点について、これはごく根本的な問題でありますが、ひ
とつ大藏大臣がどういう御所見をも
つておられるか、お伺いしておきたいと考えるのであります。