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1948-01-30 第2回国会 衆議院 財政及び金融委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年一月三十日(金曜日)     午後二時三分開議  出席委員    委員長 早稻田柳右エ門君    理事 島田 晋作君 理事 中崎  敏君    理事 梅林 時雄君 理事 塚田十一郎君    理事 吉川 久衛君       川合 彰武君    川島 金次君       河井 榮藏君    佐藤觀次郎君       田中織之進君    西村 榮一君       林  大作君    松尾 トシ君       八百板 正君    大上  司君       中曽根康弘君    細川八十八君       松田 正一君    青木 孝義君       島村 一郎君    内藤 友明君       石原  登君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君  出席政府委員         大藏政務次官  小坂善太郎君         大藏事務官   愛知 揆一君         農林事務官   平川  守君  委員外出席者         大藏事務官   谷村  祐君         復興金融金庫         理事長     北代 誠彌君         復興金融金庫融         資部長     密田 博孝君         專門調査員   円地與四松君         專門調査員   氏家  武君     ――――――――――――― 一月二十九日  政府職員に対する一時手当支給に関する法律  案(内閣提出)(第七号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  復興金融金庫法の一部を改正する法律案内閣  提出)(第五号)  政府職員に対する一時手業の支給に関する法律  案(内閣提出)(第七号)     ―――――――――――――
  2. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 会議を開きます。復興金融金庫法の一部を改正する法律案に対する質疑を続行したいと存じますが、その前に昨日付託されました政府職員に対する一時手当支給に関する法律案を議題といたします。まず政府説明を求めます。
  3. 栗栖赳夫

    栗栖國務大臣 それでは後説明いたします。  このたび本國会提出いたしました政府職員に対する一時手当支給に関する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。  政府は、全逓その他の官公職員労働組合からの提訴にかかる生活補給金即時支給等の要求に対する中央労働委員会調停案を尊重し、その勧告になる政府職員に対する各人の月收の二・八箇月分に相当する一時金の支給を実施するため、昨年十二月、二次にわたり國会の決定を経まして、とりあえず二箇月分に相当する金額を一時手当として支給いたしたのでありますが、今回残りの〇・八箇月分を支給いたそうと存じまして、この法律案提案いたした次第であります。  この法律案によります一時手当支給方法といたしましては、昭和二十二年十二月二十日現在で、現に在職している政府職員に対し、その現に受けている、俸給、暫定加給暫定加給臨時増給臨時家族手当臨時勤務地手当及び昭和二十二年法律第百四十号による臨時手当合計月額の八割に相当する金額支給することといたす考えであります。  この措置によりまして、支給を実施いたしますに必要な予算額は、おおむね一般会計所属職員の分八億四千八百余万円、特別会計所属職員の分十五億七千六百余万円、合計二十四億二千四百余万円でありまして、右の金額は、ただいま本國会提案中の一般会計予算補正第十三号及び特別会計予算補正特第七号に計上いたしてあります。  本案につきましては、政府職員の生計の実情をもおくみとりくださいまして、御審議の上、速やかに原案通り御決定あらんことを希望いたします。
  4. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 昨日に引続き復興金融庫法の一部を改正する法律案に対る質疑継続いたします。
  5. 内藤友明

    内藤委員 復興金融金庫に関しまして、農林大臣に質したいことがありまので、次会農林大臣にぜひ御出席願いたいと思います。
  6. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 きよう呼んだらどうすか。では銀行局長がくるまで暫時休憩いたします。     午後二時八分休憩      ――――◇―――――     午後二時三十一分開議
  7. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 休憩前に引続きまして質疑継続いたします。内藤君。
  8. 内藤友明

    内藤委員 復興金融金庫法の一部改正に関する法律案につきまして、ただ一つ質問をしたいと思うのであります。それは昨年のこの法律改正案のときに、私ども協同党から條件をつけまして賛成いたしたのであります。そは農業山林等復金がもう少し融資してもらいたいということを希望申し上げておつたのであります。ところがただいま配付になりました二十二年十二月三十一日現在の業種別貸出金額内訳表というものを見ましても、私どもが昨年この法案を承諾しましたときり希望が、全然含まつておらぬのであります。近ころの農林金融は、非常に昔の農林金融と違いまして、形が変つしまいりました。農産物の供出という問題によりまして、農家が金をもつておりまするときは、非常にたくさんもておりますけれども、その時期を外ますると、農家手持資金が全然なくなつてしまう。農林金融の波が非常に大きくなりまして、これは未だかつて農村においては経験しなかつたことだと思うのであります。でありますからどうしてもこの形の変つた農林金融に対しまして、何らか考えをもつてきませんと、農山林業生産は、非常に衰えるということになります。また一面このころは昔のような助長政策がまつたくなくなりまして、農業に対する助成金というものなどもまつたくこのころはないのでありまして、こいう面から考えて見ましても、この農業生産というものは、非常にこのころ困難を感ずるようになつて來たのであります。私どもは昨年からこの方面にもう少ししつかりした施策を講ずるにあらざれば、農林生産は減退する一方だということを申し続けてまいつたのでありますが、このたびもこの改正法律案が出まして、復金がまた増資なさるのでありますが、こういうことにつきまして、私どもの氣持は、また新たなるものがありますので、政府はこのことにつきまして、どういうお考えをおもちになり、またどういう施策を具体的におやりなさるのであるか、それを承りたいと思うのであります。他の復金に関するお尋ねは、ただこの一点であります。
  9. 小坂善太郎

    小坂政府委員 お答えを申し上げます。復金の性格的な問題といたしまして、御承知のように、日本の産業経済再建のために缺くへからざるもの、並びに一般金融機関においてよく賄い得ないものというものに対しての融資考えられるのでありますが、ただいま内藤さんのおつしやいますように、その対象として農林方面の仕事の重要性が、その範疇にはいるということは考えられるのであります。ただ今までの復金の運用上、特に融資対象となり得ますものにつきましては、製粉業林業製材業罐詰業生糸製造業畜産業農薬品、こういつたものが、農林省所管にございまするが、これらのものの設備資金に関しましては相当融資をいたしておるのであります。復金の本來の使命に鑑みまして、運轉資金復金がおもにもつていくということは、これまた一つ考え方として問題が残ると思います。設備資金に関しましては、こういうものを対象として融資をいたすようにしているのであります。さらにこの農業の季節的な資金需要と申しますか、若干波動的の性質をもつているのが、農林金融の特質かと心得ているのでありますが、この面に関しましては、農林中央金庫融資ということを、十分に御活用を願いたいというように考えている次第であります。目下のところ、全銀行法については、新らしい構想のもとに、ゼネラル、バンキング、アクトというようなものも考えられてくると思うのでありますが、その際における農林中央金庫の特殊な重要性というものについては、当局として十分に考慮いたしたいと思います。さよう御了承を願います。
  10. 内藤友明

    内藤委員 設備資金に対する現在の復金貸出、これはわかるのでありますが、むしろ私はこれも大事でありますけれども農業生産の資材の季節的な資金の面が一番重要性がありますので、そういうことが昔と非常に変つてまいりました。このころの農林金融に対しまして、もちろん今政務次官お話によりますれば、中央金庫を活用してというお話がございましたが、御承知のごとくに、中央金庫は、今度二億円増資いたしまして、完全な自主的農業者團体金融機関として発足することになつているのでありますが、しかしながら、はたして農村自体だけの金融で、そういう問題が解決できるかと考えますると、私はおそらくできないのではないかと思うのであります。でありますから、どうしてもその方面以外に、こういうことに対するもう少し何らかの施策があるべきではないかと思うのであります。、けさラヂオで聽いたのでありますが、農林大自は昨日新聞記者と会見せられて、農林省農業復興金庫を創設する用意があるということを申されたということを聽いたのでありますが、この点につきましては、どういうことなのでありますか、この際もしそういうお考えがありますならば、その構想なり何なりを、少しお漏しいただければと思うのであります。
  11. 平川守

    平川政府委員 お話のごとく農業金融におきましては、季節性の問題もございますので、これに対しましては、農林中央金庫に主として依存をいたしまして、必要な場合には、日本銀行等からも應援を求めまして、これによつてこの需要を満たされるような状況でございます。なおただいまお話がございました農林復興金庫というようなお話がございましたが、実は農林中央金庫の方は、お話のごとく、今後純民間資本ということになる方向に進んでおりまするし、元來大体において短期資金対象としておりまするので、最近のごとく殊に助成方面もだんだん困難になつてまいりまするし、一般金融も梗塞をいたしてまいりますると、比較的長期を要しまする農業土木方面、あるいは林業土木方面の重要な資金につきましては、なかなかその融通を受けることが困難になる状況にありまするので、何らかの形において、國家資金援助を受けまして、この種類の比較的長期を要する農林土木中心といたしまする事業に関する特別の融通方法を講ずる必要があるのではなかろうかということを、よりより研究をいたしておつたのでありますが、しかしながら、ただいまお話のごとく、今後農林復興金庫というような形においてこれが成立いたしまするかどうかは、未だ農林省の部内において研究をいたしておる程度でございまして、そういう言葉大臣も発表せられたわけではなかろうかと思うのでありますが、その意味はそれも一つの形でありますけれども、必ずしもそういう形の成案を得ておるわけではございません。何らかの形において、國家資金の強い援助を受けたところの融通が、この農林土木中心とする農業関係長期金融に対し必要ではなかろうか、その方法を今後至急に立案いたしたい、かように考えておる次第であります。
  12. 石原登

    石原(登)委員 二、三点お尋ねいたしますが、非常に大事な國家資金が、復興再建の用に使われるのは、はなはだ結構なのでありまするけれども、何かこれまでの復金融資の中には、どうも遺憾な融資があるということは、これは各方面で認めているようであります。そこでこの前の本委員会のときに、この融資後の会位の状態とか、あるいは融資によつてどれだけの効率をあげておるか、こういう問題に対して十二分の御研究をいただきたい。かようなことを私はお願いしておつたのであります。そこで私が今ぜひ知りたいことは、今復金から融資された金がすでに何百億かあるんですが、この融資のためにどれだけ生産の実績をあげておるか。さらにこれを貸付別ごとに、あるいはA社とかB社とか、そういうものの資金効率に対しても、眞劍に御研究があるのか。もしそれがあるとするならば、たとえば五百億円を出して、その出した結果、どれだけ生産を実際においてあげてきておるか、この点が明らかにならないと、こんなに血のにじむような金を國民のふところから出させて、その金が巷間傳えられておるように、まことに無意味に使われておるとするならば、これはきわめて大事なことだと、私どもは思うのであります。どうかそういうような方面から、大藏当局ないしは復金においてどのくらいの程度にまでこの貸出先に対して監査をされておるのか、その内容を大体でよろしいから承りたいと思います。
  13. 小坂善太郎

    小坂政府委員 石原君の御指摘の点は、ごもつともであると思うのであります。この際非常に苦しい中の國民の負担でありまする財政資金を出しまして、それがただちにはね返つて生産方面に効果が現われてこないならやめたらよいじやないかということになるか思うのでありますが、われわれとしては極力その資金効率化ということについては氣をつけてやるのですが、これを具体的に示すことについては、これだけの資金を投じたからこれたけの生産ができたというはつきりした具体的の数字を申し上げることは、なかなか困難でありますし、また相当時間がかかると思うのであります。しかし前に申し上げました通り石炭が最近相当増産の様相を現わしてきたということは、相当厖大なる――大体全額の三分の一にも当る大きな投資をしておるということが、相当増産の基盤をつくつておるんじやないかというようにも思えるのであります。また肥料の面にいたしましても、戰後の荒廃した設備の中から、とにかく昭和十二年の生産まで生産があがつてきたということは、相当こういう機関を利用したことに大きく影響されておるのではないかというふうにも考えておるのであります。しかしながら、何と申しましても、その効率化ということは、あなたの御指摘通り、われわれといたしましては、非常に氣をつけていなくちやならない問題だと思いますので、せいぜいその御趣旨に沿うように努力したいと思つております。なお具体的に谷村課長から、少し数字的なことを申し上げることによつて、あるいは御参考になるかもしれませんから申し上げてみたいと思います。
  14. 谷村祐

    谷村説明員 石原委員の御指摘の点でありますが、具体的な生産の上昇いたしました数字、あるいは放つておきますればとうていここまで生産継続維持はむずかしかつたろうけれども、とにかく生産を維持しておる数字、これらを一々たとえば石炭について当時の何トン・ベースという月の出炭が、十二月におきまして二百九十六万トンに上つたというようなこと、それの内容が、たとえば設備資金においてどの程度の物を入れ、また労務者住宅等の建設にいくらのものを投じた、あるいはその間における運轉継続にどの程度資金を投じたかというような具体的なお答えは、なかなか私どもとしてはようできないのであります。そこで具体的な数字の御説明ということをただいま政務次官からお言葉があつたのでありますが、私どもただいま手もとにはその資料を用意いたしておりませんし、私どもも常にそういう関係のことを具体的に把握いたしたいと存じておりますので、若干の時日をかしていただけますれば、次の機会にでも具体的に詳細に御説明を申し上げられると存じます。本日ここでただちにそういうふうに申し上げることはできないと存じますから、御了承を願いたいと思います。
  15. 石原登

    石原(登)委員 私はもう一つお尋ねをしたいと思いますが、ここにいただいてる表で復金貸出金の延滞調というのがございますが、この中にたとえば生和機工というものがある。これは金額はきわめてわずかでありますが、これは三回にわたつて貸出がなされておる。そうしてこれが延滞一つ理由として、社長が死んで何か住友銀行から差押えを受けて、目下それが整理中だ。こういうような事実が現われておるのであります。この期日を見てみますと、二十二年の二月二十五日、さらに三月八日、三月二十日と連続的の貸出がある。私はこの表だけを見ましても、その間の監査というものが、きわめてルーズであつたことを物語つておるのであります。いくらお金の値打のない今日のインフレ下においても、すでに五百億という金がばらまかれておりますから、この金は決して少い金でないのであります。さらにこれから百五十億、本年内には相当厖大な金が出るのであります。この金はただ拂出されただけではだめでありまして、むしろ今の段階においては、拂出された金がいかように活躍しておるか、この点私は十二分に見ることが必要だろうと思つております。それに引換えて私が申し上げました限りにおいて、復金のいわゆる機構を見てみますと、少くともこの監査機構というものは、きわめて微力である。私は今日の段階において、むしろ復金の全機能の半分は、この監査調査の面に向けらるべきものだと考えております。出たところの金は少からぬものである。さらにこれから出ようという金も、きわめて無意味に浪費されておる。そしていわゆる復金の金は借り得だというような印象も出てくるのであります。この印象は、さらにもう一歩進みますと、復金債の消化という面にも、非常に重大なる影響があると思われますので、この際復金資金効率に対する私が申し上げたような意見に対して、大藏当局は、いかような御見解をおもちになるか、それを聽きたいのであります。
  16. 小坂善太郎

    小坂政府委員 復金という厖大な準國家機構によりまして融資された金が、その機構厖大であるために、その貸出先運営状況等についての監査が怠りがちになるということがもしあるとするならば、これは非常に大きな政府責任になると思うのであります。私どもといたしましては、この問題については、十分復金自身においてやつてくれるように、また政府においても常にそのことについての監査を怠らないようにいたしたい、かように考えております。復金の中の監査状況というものは、御指摘のように、あるいはそういつた弱体であると信ぜられるような点があつたかも知れませんが、最近におきましては、八月の下旬に監査部を新設いたしまして、十月の当初から業務を開始いたしているのでありますが、何分にも開店早々でありますために、当初はそれほど人員等もそろわなかつたと思うのでありますが、順次この機構を拡充強化いたしまして、監査嚴重にいたすような方向に向きつつあります。われわれといたしましては、先ほど申し上げたような観点において、十分これを督励いたしたいと考えております。
  17. 石原登

    石原(登)委員 これは実際の取扱いの面において、むしろ復金当局お尋ねしたいのでありますが、たとえば内藤君からもお話がありました通り、この中小商工業者、ないしは中小農水産業者、こういう人たちへの融資が、非常にスムースにいつていると思われないのであります。これはお渡しくださつた表から見ましても、その件数、金額から見て、私は非常に残念だと思つております。そこでこの内容を私どもがよく調べて見ますと、どうも融資するまでの間における事務的処理が非常に煩瑣である。金を借りるのに、たとえばそういう人たちの金というのは、五万円かあるいは十万円というような程度の金を借りるのに、厖大なる書類 を要求されますので、その処理がとてもできない。私どもが聽いて見ましても、要求されるような書類を持ち出すまでには、かえつてその調査のためにたいへんな費用が要るということで、いわゆる中小商工業者並びに農漁民というものは、実際的にこの金の利用ができないという面があると思われます。同時にまたそういう人たちは、あなた方が満足されるような書類をつくり得るところの能力も欠如しているのではないか。こういうことを考えて見ますとき、何かこういう人たちが借り得る金額そうして金額的にもあまり多くないものに対しては、復金自体用紙を御用意になつて、それに記入するような方法をとつていただくというようなことでないと、いくら門戸を開放されたといつても、実際問題としては、その用紙をもらいにいつても、なかなか渡さないというような実情のようであります。実は私は前回の委員会がやられている当時、復金内容を知りたいと思いまして、黙つて復金の受付に行つて、金を借りたいからひとつ用紙をくれと言つたら、その用紙はあげられないと言う。私はこれはたいへんなことだと思いましたが、大体銀行というものは、どの銀行にかかわらず、何かそういうような扱いをされておつて相当責任者でないと、一万円の金でもそういうような金は渡せないというようなかつこうになつておるのではないか、そうなると自然に相当な地位にある人たちが扱うので、おやりになる人たちはきわめて限定されます。この復金融資というような精神とまつたく遊離されたような取扱いになるのではないか、かようなことも考えられるのである。そこで大口のものはともかくとして、十万円とか二十万円限度のもので、しかもそういうような人たち対象として、実際の取扱いの上に便益を與えるというような意味で、せめて申込書とかそんなものでもつくつていただいて、簡便にそういうような意思の表明ができるような措置はとられないものであるかどうか、その点を一つお答えをいただきたいのであります。
  18. 小坂善太郎

    小坂政府委員 それでは復金当局から御説明させます。
  19. 密田博孝

    密田博孝君 今のお尋ねにつきましてお答え申し上げます。この期間が非常にかかりますということは、これはもうお言葉通りであります。私たちといたしましても、できるだけの期間の短縮に努めておるつもりでございます。ただ参考のために申し上げたいことは、復金でやります貸出の使途は、設備資金並びに運轉資金と申しましても、かなり長期にわたる性質のものがあるのであります。商業資金のように、短期の二箇月、三箇月の貸出でございますと、かなり償還に対する見透しも簡單につきますけれども、三年、五年という長期のものにつきましては、相当事業内容を詳細に調査いたしませんと、これがはたして償還できるかどうか、こういう見透しがつきかねますので、その点商業資金調査と、長期工業資金調査とは、相当根本的に相違があることをひとつ認識いただきたいと思います。そういう関係調査が長引きますので、この点はせいぜい短縮したい。こういうふうに心がけでおります。  その次のお尋ね申込書の件でありますけれども、これは申込書を差上げますのには、かなり嚴重取扱いをいたしております。と申しますのは、こういう事例が一度ございました。復金申込書はなかなか手に入りがたい。これをもらうためには、相当嚴重審査が要るのだ。ところが自分はこれをもらつてきたということで、申込書一枚についていくらというプレミアをとつた。こういう事例があつたのであります。復金当局といたしましては、それまではそういう申込書取扱いをやつたことはございません。ところが資金需要がこう多くなつてまいりまして、そういつたことに申込書が惡用されるということになつては、はなはだ申訳がないということで、それ以後かなり詳細に話をお伺いして、その中間に人を介しておるとか、そういつたことのないように御本人にまじめに資金需要が確かにある。こういうことを確認しましたときに限つて、特に中小なんかの場合はお渡しておる。そういうことが多少今のお話のような誤解になつているのではないかと、こういうふうに考えます。かなり慎重に取扱つておりますことをこの際申し添えて、御説明にかえます。
  20. 石原登

    石原(登)委員 ところが、その見解は、私は反対の見解もちたいと思うのであります。と申しますのは、大口資金については、何百万円、何千万円というようなものが、今の御趣旨通り扱いになつてくださることは、たいへん結構なことでありますけれども、いわゆる小さな中小商工業者、むしろ小商工業者と申した方がいいでしよう、そういうような人たちが、あなた方のところへ話を通じて、十二分に了解をしていただくためには、時間的にもあるいは機会的にも、きわめて惠まれないのではないかと思うのであります。それですから、一應書類として出してもちろん書類となれば当然あなた方が責任をもつてそれをお目をお通しになる。その中にこれはほんとうに融資してやらなければいけないものだというものが、私は多数にあると思う。ところが実際面では、融資申込書をもらえないという実情なものですから、自然にそういう人たちは、氣の毒にも復金の金というものは、われわれには利用ができないものだというような考え方をもつておるのであります。そのこと自体が、復金にうしろ暗いものがあるように考えまして、たとえば國民全体は、こういう金は特権者だけが使えるのだというような不満が非常に多いわけであります。私自身の知つおる人も、これはある弁護士だつたのですけれども復金に二、三回も行つてもなかなか会えなかつた。もちろんそういうような用紙をももらえなかつたという事情を聽いておるのであります。私もちよつと行つてみると、あなた方に面会する者がかなり多い。特に今日のような、復金の金はもらつておるのだという考え方の者が、それこそ有象無象まいつてつて、おそらくあなた方は会うだけでもひまがないという実情のように、私は見受けられたのであります。そうなると、社会的に全然地位のない者、あるいはあなた方に十二分に理由を申し上げるだけの力のない、こういう人たちは、さらにさらにそういうような機会に惠まれないということになるものですから、そういうことを何とかして防ぎたいという意味で、今度は逆に、復金申込書はだれでももらえるのだ、そうしてだれでも申込みができるのだ。但しそれがいい加減なものに対して貸すことは絶対にできないのだ、こういうふうに進めてもらつた方が、かえつていいのではないか、かえつて國民の怨嗟の声が聞かれないのではないか、かように私は考えます。ただいままでも、お取扱いで御愼重にやつていただいたことは。非常に結構ではありますが、少くとも從來のやり方から考えると、間違つておるのではないかと思うのであります。この点ひとつ政務次官から御答弁いただきたいと思います。
  21. 小坂善太郎

    小坂政府委員 融資を愼重にいたしますることと、その間に時間がかかるというのが、どうも一度に矛盾いたすようなかつこうでまいることが非常に苦痛でありまして、われわれといたしましては、財政資金であるし、非常に重要なものでありますから、愼重の上にも愼重にやるように注意いたしております。しかしながら、これがよく貸出先としてフアミリヤになつておるものでありますと、調査も從つて適時に行われるようになると思うのでありますが、ただいまのお話のような場合でありますと、なかなか時間がかかる、と申しますことは、タイムリーな金融ができないから、非常に借り手の方でもお困りになるという結果になりまして、われわれといたしましては、この間の調整につきまして、こういつたような考えをもつておるのであります。と申しますのは、ただいまのような中小商工業者に対しましては、商工組合中央金庫があるのでありますが、これが非常に実は眠つておるような状態であります。この機能を拡大強化いたしまして、これをもつと活発なものにして、先日もちよつとこの問題にふれたのでありますが、これを十分に活用することによりまして、中小商工業金融というものを、もつと生き生きとしたものにできるのではないか。またそういう方々がたやすくはいつて來られる、そうして適当な時期に資金を得ていくことができるのではないか、こう思つておるのであります。さしあたり復金といたしまして中小商工業者に対する金融として、商工中金に適当なわくを取りまして、それを復金から與える、そして商工組合中央金庫は、自分自身の責任において活発に、円滑に行うというようにいたしたらよかろうというふうに考えておるのでありますが、この問題につきましては、別箇の法案等におきまして、あらためて御審議を願いたいというふうに考えておるのであります。
  22. 石原登

    石原(登)委員 ただいまの御説明、よく了承いたしました。それから最後にもう一言申し上げたいことは、昨年の暮の現在において、すでに三億いくらという延滞ができておるようですが、数字は私は今後飛躍的に伸びるものだと、かように考えております。私ども承知しておる分でも、とうてい回收不可能だと思われるものも十分予想されておるのですが、從來の私どもの経験から見ますと、たとえば戰時金融金庫なんかから見ますと、一度相当額の金を出してやる、しかし回收はできない、そこでさらにそれに貸してやつて、何とかむりをしても取れるようにしようといつている間に抜き差しならないというようなところまでいく。言いかえてみればどろぼうに追銭みたいなことで、成り立たない企業に対して、成算のない企業にむりなことをやつていくと、人情的にもそうならざるを得ないだらうと思う。おそらく復金にはそういうふうな事態がまだ生じていないだろうと存じますが、おそらく今年あたりからそういうような事態が出てくることを容易に想像されますので、この点に関しては、十二分の御留意をいただいて、初めから成り立たないというようなものは、監査の結果わかるのでありますから、たとえそれが一千万円、五千万円、一億円融資してあつても、早く見切りをつけて、切つてしまうというような方向に、ぜひ願いたいと、私どもは希望しておきます。私どもは全部切れと言うわけではありませんが、從來から復金あるいは職金の融資を受けた人は、一くせも二くせもあるような人たちが多いので、そういう何かまじめに仕事をしようとしていないような人に、いくら注ぎたしたつてむだでありますから、その点は特に御留意願いたいと思います。私の質問はこれで打切ります。
  23. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 田中織之助君、
  24. 田中織之進

    ○田中(織)委員 私二、三の点について、小坂政務次官にお伺いしたいと思うのであります。この前の議会における復金の増資から、半年を出ずして、再びここに百五十億の増資に関する改正法律案提案されたのでありますが、これは大体いつころまでの資金需要に対処する方針であるか、私は、これはもちろん生産の復興、経済復興という建設計画の線に沿うたものでなければならぬと思うのでありまするが、さしあたりの百五十億の増資が、大体いつごろまでの資金需要に対應する見込みであるか、この後少くとも來年度の上半期くらいまでにおける資金需要等について、どういう見透しをもつておるかということを伺いたいのであります、そのことをお伺いするのは、ほかでもございませんが、これは財政金融に関する根本的な問題にふれると思うのでありまするが、いわゆる栗栖大藏大臣の健全財政主義という形で、それに伴いまして、健全金融ということも、しばしば強調せられおるのでありまするが、現在の財政的な関係の一種の抜け道と申しますか、健全財政の裏をひつくり返してみますると、私は三つの特徴的なものがあげられると思うのであります。その一つはおびただしい滞納という形でもつて現われておるように、現在のいわゆる税金というものが、ほとんど名目的なものに実質的にはなつてきておる。ほとんどとれないような名目的な純金がかけられておるということが一つ。  その次にはこれは前回の改正案の場合にもしばしば論議されたのでありますが、やはり復興金融金庫がそうした財政支出の一つの面を担当するような形になつておる。ただいま石原委員からの御質問の中にもあつたと思うのでありますが、復興金融金庫からの借入金というものは、これは後ほど回收率の問題にも触れたいと思うのでありますが、借りたら返すことは要らぬのだというような考え方で、実質的にはいわゆる財政上の補助金というような性格をもつた復興金融金庫の支出が行われておる。これが二番目であります。  第三番目の問題といたしましては、これはほかの点で問題になると思うのでありますが、いわゆる日銀よりの政府の借入れが十二月末であつたと思いますが、すでに五百億という厖大なものになつておる。こういうような形で健全財政という名目が維持せられておるのでありますが、こういう形において今後もいわゆる復興金融金庫を通じての融資ということが続けられますと、少くともまたこの年度未――おそらく今議会も四月以後にはいるだろうと思うのでありますが、そういう時期にはまた増資の相談にわれわれが乗らなければならぬというような結果にならぬとも限らぬと思いますので、少くとも大藏当局において見透しをつけられると思う範囲で結構でございますが、今後の復金資金需要資金供給に対する見透しを、まず承りたいと思うのであります。
  25. 小坂善太郎

    小坂政府委員 お答えを申し上げます。今回の増資につきまして、先般の國会で御決議をいただきまして、さらにまたすぐ次にもつてきたではないかという御指摘も、まことにごもつともでございまして、私ども恐縮に存じておりますが、私ども考えといたしましては、大きなわくを先に組んでしまいますと、とかく目標がずれがちになる。そこでさしあたりやむを得ざるものに増資をし、必要が生じたならば、さらに増資をしていくという形でまいりました方が、全般の資金を無駄に使わないことになるのではないかと考えておりまして、先般も昨年度において補償したという計画で申し上げて、増資の御許可をいただいたのでありますが今般の増資につきましても、大体年度末までの計画をいたしましたところが、一應三百億程度のものが見込まれたのであります。これは昨日も申し上げたのでありますが、この三百億につきまして、これをそのままに認めるということもいかがかと思いますので、われわれといたしましては、極力節約をいたしまして、たとえば新設の四公團のごときは一應除外して、これは市中の資金をもつて賄うことにいたしたいというふうに考えたのであります。またさらに政府の出資ができない限りにおきましてはその分についても節約をしていこうということで、結局百五十億に減額をして、ここに御提出申し上げた次第であります、つきましては、これは今年度未まで、少くとも三月一ぱいまでにはぎりぎりのところであると考えておるのであります。今後の問題といたしましては、結局物價の改訂という問題が出てきておりまして、例の安定帶の六十五倍の物價基準というものは、一應ここに修正檢討する時期にあるいは來ておるのではないかというように考えておりますので、その問題と勘案いたしませんと、何ともただいまのところ申し上げかねるような状態でございます。  次にいわゆる健全財政のしりが税金、復金にきておるのではないかというお説でありますが、私もそのように立論されてもいたし方がないのではないかというふうに考えております。しかしながら、健全財政ということを貫きまして、そのしりが復金に出てくるということは、これは全般の今の財政状態、経済状態、すべてが健全とは申せない状態において、健全財政を題行していくとい、だは、どこかに無理が出てくるのでありまして、そのしりが出てくるということは、初めから健全財政を投げてしまうのだということよりは、これははるかにインフレを防止するのに効果があるのではないかというふうに、私もど考えておる次第であります。税金の問題でありますが、これはただいまのところ非常にあり、さらに年度末には八百八十億という厖大なる未納があるのでありまして、これを張行しでとらなければならぬという状態であるのであります。私どもといたしましては、これはどうしてもとりきれるものであるというように考えておるのであります。それでこの税金の問題は、いろいろこういつた未納が大きく出てきた原因があるのでありまして、新たに採用いたしましたところの申告納税制度というものが、十分に國民に咀嚼理解されていないという点もありますし、また税制そのものについても、あまりに煩瑣な点もあり、また今の経済状態全般に即應しないような点も考えられるのでありますが、根本の問題として、税金が非常に不当であるためにとれないのだということは、今のところはないのではないかというふうに考えております。もちろんこの点については、さらに十分檢討を加えなければならぬと思つておりますが、この問題が結局大きな赤字となつて残るというふうには、私ども考えておらぬのであります。さらに日銀からの政府の借入れが厖大になつておるという点も御指摘になつておりますが、これにつきましても、われわれは十分これを極力厖大なものにならぬように努力しておるのであります。結局問題は石炭等においてもごらんになりますように、全般の物價の権衡というものが今得られておらないわけでありまして、物價の不均衡からくるところの企業の赤字というものは、これはある程度見てやらなければならぬというように現在の状態においては考えられる状況でございますので、そういうものを調整するために、ある程度復金融資というものもやむを得ざる点も考えられるのであります。そういう事情でございますので、御了承願いたいと思います。
  26. 田中織之進

    ○田中(織)委員 その点については、すでに今までの同僚諸君からも、いろいろと質問が行われておると存じます。から、それ以上重複することを避けたいと思うのであります。あと二点ばかり私の希望意見を入れて御意見を伺いたいと思うのであります。  その一つは、やはり復興金融金庫融資金融であります以上、回收ということを前提としていかなければならないと思うのでありますが、いろいろ承りますと、回牧率どいうものがきわめて低いように承知いたしております。こういうことでは私はもちろん金融ということにはならないと思うのであります。もちろん復興金融金庫の設立の目的から照らしまして、経済復興という見地から、必ずしも現在の瞬間において企業の採算が立つてないもの、また前途に危険が予想されるというようなものに対しても、なお経済復興という見地から融資しなければならない、他の金融機関から借りられないという」ものに対する融資を目的として設立されたものでありますから、当初のいわゆる返還計画なり、回收計画というようなものが実際の進行途上において変更されることは、私はあり得ることだと思うのでありますが、全般的に見まして、現在の同收率がきわめて低いように思います。この点については、貸付の融資の決定にあたつて十分考慮しなければならない問題だと思いますが、こういう点について、現在融資決定にあたつて、どういうようにその点が考慮されておるかという点を伺いたいと思います。
  27. 小坂善太郎

    小坂政府委員 田中さんからのただいまの御指摘はわれわれといたしましても、常々心がけておる点であります。具体的に申し上げますと、昭和二十二年の一月から十二月までにおける新規貸付の累計が六百四十一億八千六百万円でありますが、そのうち回收せられたものは二百二十八億四千二百万円となつておりまして、回收率は三五・六%であります。これは結局ただいまお話の中にございましたように、この金融自体の性格からくるものを包藏しておるのであります。すなわち一般産業融資が困難である。しかしながら、日本の再建のためには必要な融資であるという点を、復金といたしましては取上げて融資いたしますので、どうしてもその意味においての本來の回收が困難であるということをひとつ了解願つておきたいと思います。さらに復金一般産業に対して融資総額といたしまして三百七億円のうち、設備資金が五七%を占めておるということを申し上げて、これまた弁解がましいのでありまするが、御了承願いたいと思います。すなわちこの復金は、その性格上長期資金を貸付けるということになつております。さらにこの運轉資金は、これも先ほど申し上げました復金の性格問題と関連いたすのでありますが、とかく赤字融資的なものになりがちなのであります。たとえば石炭における場合のように、政府が今後補給金を出すことを引当てとして融資をするという場合もありますし、また肥料の場合のように、将來の價格体系を見込んで融資する場合もあるのでございます。でありますから、金融といたしまして償還の見透しをもつものでありまするが、具体的には政府の補給金を引当てとするもの以外には、資金の性格上償還は長期にわたるものがあつて一般金融機関対象とする場合と、若干その対象が異なつておるというのが、一つの問題ではないかと思います。それから実質的には長期資金であつても、これを融資技術上からできるだけ短期の貸付にしてまいるということになつておることも、またこの一つの原因に考えられるのであります。さらにまた一般の市中金融機関と競合いたしまする場合に、どうしてもその性格上から申して、一般市中金融機関にできるだけ優先的に回付いたすことになつておりまするので、これがどうしても後回しになつてくるようなことが考えられるのであります。私としては田中さんの御意見にまことに同感いたすのでありますが、なほ敷衍して私ども考えを申させていただきますれば、こういつた復金につきまして、一般金融機関に比して、回收にその性格上から來る本質的な困難な面が少くないのでありまするが、せいぜい努力して前述のような回收状況を見ているということを御了承願います。
  28. 田中織之進

    ○田中(織)委員 この点は同僚諸君からしばしば繰返されているので、詳しく申し上げませんが、融資先の決定の問題と、結局貸付けた資金がいかに効率的に運用されているかという監査の問題について、昨年の議会でも問題になつたのであります。融資先の決定に関する委員会監査については、現在復金機構の中に監査機関があることは、もちろん承知いたしておりますが、今後経済復興に対する金融中心機関としての復金が存続する以上、そういうものとは切り離した一つ國民的な基盤の上に立つた監査機関についても考えなければならぬと思うのであります。今回は増資に関する部分の改正案として提案せられておりますが、融資先の決定あるいは監査の問題についてそうした機構改正貸出手続等の点についても、現在非常に官僚的なやり方であるという非難があることは事実であります。復金当局との懇談会においても、われわれいろいろ希望意見を申し述べておいた通りでありますが、われわれ社会党の立場としては、過般の党大会の決定における金融機関の民主化に関する方針にもございますので、できるならば現在の復興金融金庫一つの事務機構として、金融金庫の運営に関しては相当民主化された委員会制度として、その委員会の決定に基いて現在の金庫の機構が実際の仕事をやつていくというふうにもつていきたいという考えをもつているのであります。いろいろの観点から総合して、現在の復興金融金庫機構、その他根本的な問題について、現状のままではいけないということは、政府当局においても認めておられると思います。その根本的改革について、当局としては何らかのア針をもつておられると思いますが、その見透しをお聽かせいただければ大へん好都合だと思います。
  29. 小坂善太郎

    小坂政府委員 復金が非常に重大なる仕事を担当しているという性格から見て、その機構が適当であるかどうかということでありますが、これは昨日も塚田さんに申し上げたところで、われわれといたしましては、國家の重要なる財政資金を扱うこの機構をできるだけガラス張りの中に置いて、十分これを整備し、効率的にするということのために、政府として責任をもつて行いたいというふうに考えておるのであります。今までの復金機構では貸付については常に委員会制度を行つておるのであります。また人事に関しましても、おのおのの人事は、たとえば理事長、副理事長の選任のごときは、常に委員会をして選任をするようにいたしているのであり手。なおわれわれといたしましては、復金重要性に鑑みまして、常に皆さんといろいろ御意見を交換しながら、適切なる運営をいたしていくように試みたい、こう考えておる次第であります。
  30. 石原登

    石原(登)委員 一千万円の融資先調の六ページの最後から二番目のところに、田島村引揚者更生水産組合というのがあります。その内容を私存じませんが、非常に印象深くこれを見たのであります。何かこの内容について御記憶がありましたら、ひとつお聽かせ願いたいことと、それからこういつたような、少くとも名前の印象を受ける性質のもので、ほかにもこういうものが多分に支出されているかどうか。そういうことをひとつ承りたいと思います。
  31. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 ただいまの田島村の引揚者更生水産組合の内容につきましては、ちよつと詳細な具体的な資料をもち合わせておらないのでありますが、ただいま御指摘通り復金融資といたしましても、特に中小金融の面、あるいは引揚者を中心とするいろいろの事業につきましては、気持の上では、何とかしてこれを育成して差上げたいという氣持でやつておるわけでございます。この資料には添附されておらないのでございますけれども、この引揚者関係融資がどのくらいあるかということを、十二月末で調べたのでございますが、金額にいたしまして三億三千四百万円程度出ております。たまたまただいまの田島村の貸付は、千万円以上でありましたために、この表に上つておるのでございますが、それ以下のものにつきましては、金額が比較的少いものでございますから、この表に出ておりませんが、総件数にして水産業関係ではすでに三十二件、このほかに引揚関係のものが出ております。それからその他の業種全部合わせまして、件数にして百十件以上のものが出ておるような状況でございます。
  32. 石原登

    石原(登)委員 内容を存じませんので、ここでとやかく申し上げることは非常に危險があるのでありますが、少くともこういうような名前の印象貸出がなされているということは、とかくのうわさのあります復金貸出に、私は非常な明朗なものを感ずるような氣がいたすのであります。今の銀行局長の御言明で、そういう人々に対しても十二分の御配慮があるということを聽いて、心強く思つておるのでありますが、今後は実際の運用においても、こういうような眞に更生しなくてはいけない人、是が非でも更生していただきたいというような人にこそ、私は融資があつてしかるべきものじやないか。かように考えましたので、一應承つた次第であります。よく了承いたしました。
  33. 青木孝義

    ○青木(孝)委員 すでに同僚委員の各位からいろいろと御審議、御質問がなされましたので、あるいは私がこれからお伺いいたすような点についても質問があつたかもしれませんが、私ちよつとこういう点を復金当局にお伺いいたしたいと存じます。復金は前々から御説明がありますように、一般市中銀行では貸しにくいもので、しかも重要な生産に主として設備資金を貸し付ける。場合によつては比較的長期にこれを貸し付ける。こういうのが大体目標のように承つておりますが、その場合に、かりに從來戰後たくさんありました十九万五千円といつたような小さな会社、主として法人でありますが、比較的大きな財産をもつておる。そのために今日のインフレ下におきましては、どうしても課税の標準が上つてくる。そこで何とかこの税をのがれる。こういう目的で一方に復金あたりに特に借入れを要求する。こういうことについてお考えになつて融資の御決定に当つておられるかどうか。この点をちよつとお伺いいたしたいと存じます。
  34. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 今お話のようなことは耳にすることはあるのでありますが、現在金庫としては、絶対さようなものには融資はいたしておらないわけであります。
  35. 青木孝義

    ○青木(孝)委員 昨年の暮あたり特に耳にしたのでありますが、一般の市中銀行というものは、どうも最近は担保の確実なものについては金を貸したがらない。もちろんそれは長期とか、あるいは金利というような関係があるかないか存じませぬが、一般商業銀行が、從來短期資金を貸しておるのでありますからうこれとは対象が少し変つてくるか知りませぬが、どうもそういう変態的な徴候が多分にある。そういうことでありますると、やはり復金あたりから金を借りる、こういうことになつてまいることは必然だと思います。そしてまた復金は、借りておいても要求があつてすぐ拂わなければならぬというような義務を感ずる点が非常に軽いというような世間の考え方から、今私が申し上げたような税をのがれるというようなことのために、自分たちの企業の経営は何とか行けるのだけれども、特に設備資金というような名称のもとに、何らかの設備を利用するというようなことで行われることが恐らくあるのではないか、というふうに想像ができるのであります。ただいま絶対にそういうものはないということですから、それは信頼をいたしますけれども、十分そういう点について御配慮が願いたいと存じます。以上で私の質問を終ります。
  36. 塚田十一郎

    ○塚田委員 昨日長時間にわたつて質問をいたしましたのに、なお皆さんに時間を頂戴して恐縮でありますが、昨日お尋ね忘れた二、三の点についてお尋ねいたしたいと思います。  その一つは頂戴いたしております書類の中に、「復興金融金庫職員調」というものがあるのでありますが、この数字は、復興金融金庫がもつている各地の出張所等の職員を含めての数字であるかどうか、お伺いいたします。
  37. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 十五表にあります「復興金融金庫職員調」は、上の欄に書いてありますように、すべて本金庫のものでございまして、支所出張所は含んでおりません。なお支所、出張所には、專任の職員はただいまのところおりません。興銀その他の援助によりましてやつておるわけであります。
  38. 塚田十一郎

    ○塚田委員 実は昨日この表を帰つてから家で拝見しておりまして、しみじみと感じたのでありますが、どうも復興金融金庫貸出が、調査の点において、いくらか手ぬかりがあるのではないか、また回收の点においても、どうも緩慢なところがあるのでははいかという感じがしました。職員の数というもの、さらにまたこの数が、後興金融金庫というものが昨年中にできたものであり、そしてその構成員が、これは他の同種類の機関から來られたものでありましようから、経験はおありの方が多いだろうと思うのですけれども復興金融金庫においての経験というものは非常に淺い。そういう経験の淺い、しかも非常に少い人たちの手でおやりになつているところに、かなり無理があるのではないか、こういうように考えたのであります。それでごく大ざつぱなことでありますけれども、頂戴いたしました資料から、一体これらの人たちがどれくらい扱つておられるのかということを、ちよつと数字を出してみたところが、かりに審査部の人が全部復興金融金庫の中央においてお扱いになるものをたれかが目を通され、るということであるとすると、これは一人当り一年に九十五件ぐらい、全額で七億四千万円ぐらい扱つておられるこになる。そういうことは、まず市中の金融機関においてはないのではないかというような感じをもつて見ておつたのでありますが、それらの点について復興金融金庫当局がどういうようにお考えになつておるかお伺いしたい。
  39. 北代誠彌

    ○北代説明員 ただいま御質問のございました点について率直に申し上げます。人数の点につきましては、私参りましてから非常に少いということは痛切に感じまして、極力人員増加につきまして考えておるのでございますが、ただいま御質問にもございましたように、この金融の技術については、相当專門家を要する次第でございまして、なかなかその人も得がたいところがございます。ただいま審査関係の御質問がございましたが、これは興業銀行なり、あるいは日本銀行なりのそれぞれの專門家に特に來てもらつてつておりますが、はなはだしい支障はないと私は存じております。よく業者の方々から申込んでから何箇月も要するというようなお話もございますが、なるべく迅速に御希望に副うように、人数を殖やすことにつきましては、ただいま極力骨を折つておりまして、私が前におりました日本銀行なり、興業銀行なり、勧業銀行なり、さらに人員を殖やすことについて努力しておる次第でありますから、御了承願いたいと思います。
  40. 塚田十一郎

    ○塚田委員 これはやはり私の案じておりましたように、非常にどこでも人手不足を感じておるわけで、しかも経験者を入れることは困難であるということは、私も了承いたしました。これは復興金融金庫の將來の堅実な運営の上に、相当大きな支障になると思いますから、できるだけひとつ御努力をされて、人員を充実していただかねば、ならぬと思います。  次にここにある職制の分課の上では、回收にあたる部はどこの部になるのですか、その点伺いたい。
  41. 北代誠彌

    ○北代説明員 それは融資部の中に管理課というものを設けまして、そこで全部回收にあたることになつております。そうしてこの表にもつけましたように、延滞なつたようなものは監査部というところにまわしまして、そこで極力取立てることを努力いたしております。
  42. 塚田十一郎

    ○塚田委員 やはり回收の面においても、そういう御答弁であるとすれば、これは相当人手を今後補充していたたく必要があるように感ぜられますから、しかるべくそれらの点についても、御配慮を希望いたします。  それから次に実は頂戴いたしている資料のそれぞれの数字を、いろいろつき合わせてみると、どうも少し数字に狂いがあるじやないかと思われるものが二、三あるのでありますが、もしそこでおわかりになる程度のものはお聽かせ願い、疑問の点は後ほど御調査の上お聽かせ願つても結構であります。  その第一の点は、十七の表に復興金融金庫借入申込処理状況調べというものがあります。これに承認されたものが四百九十七億で、実行されたものが四百四十二億とあるのであります。そうすると、少くともまだ五十五億くらいはお出しにならなければならぬものがあると感じているのです。そこで、本日いただいた業種別未貸出金額内訳表との関係はどうなるのか。それを伺いたいと思います。
  43. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 なおよく檢討いたしますけれども、この十七の表の承認とございますのは、大体この金額の大きなものは幹事会で承認をしたものでありまして、まだ金庫としての承認といいますか、融資の実行にかかつていない意味でございます。その後の状況におきまして、この未貸出金額内訳表があるわけでありまして、この方はさらに話がもつと具体的になつて、まだ貸出しの手続をとられていない、こういう表でございます。もしつき合わない点がございますれば、さらにもう一度精査いたしまして御説明いたします。
  44. 塚田十一郎

    ○塚田委員 大分時間が経過いたしまして、他の委員から抗議があるようでありますから、最後にもう一点だけ、十三の諸勘定残高表について、貸し方に「税入税金」とあるのですが、これは法人税金のミス・プリントだと思います。これは復興金融金庫法によると所得税、営業税はかからないということですが、都道府縣の税金と損益金は、昨日普通の利益じやないということだけで、内容の御説明が伺えなかつたのですが、お差支えなければ、お聽かせ願います。
  45. 愛知揆一

    ○愛知政府委員 これはまことに恐縮でございますが、ミス・プリントでございまして、「税入税金」とありますのは、受入税金でございます。法人税は御指摘のように、かからないのでございます。これは分類所得税とか、地方税とかいつたような受入税というふうにお考え願います。  それから損益金のところで、昨日申し落しましたが、損益金の中には未経過利息が含まれておりますから、普通の損益勘定の立て方とは違つております。
  46. 川合彰武

    ○川合委員 本案に関する質疑はすでに論じ盡されましたので、これをもつて質疑を終了し、明日討論にはいられんことを希望いたします。
  47. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 ただいま川合君から動議が出ましたが、右動議の通り取計らいまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 早稻田柳右エ門

    早稻田委員長 それでは質疑を打切りまして、明日午前十時より討論いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時四十九分散会