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1948-06-24 第2回国会 衆議院 国土計画委員会請願小委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十四日(木曜日)     午前十時五十六分開議  出席小委員    小委員長 村瀬 宣親君       高田 弥市君    原  孝吉君       池谷 信一君    大瀧亀代司君  出席政府委員         建設政務次官  天野  久君  小委員外出席者         議     員 坂本  實君         議     員 中嶋 勝一君         議     員 内海 安吉君         総理廳技官   米田 正文君         総理廳技官   熊本 政晴君         総理廳技官   松井 達夫君         運 輸 技 官 瀬尾 五一君         運 輸 技 官 小森 純三君         專門調査員   田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件   請願  一 伊丹市の都市計画案反対請願原健三郎    君紹介)(第一九四号)  二 木更津市に海産魚介類加工品工場設置反対    の請願冨田照紹介)(第三三〇号)  三 岡山縣廳舎建設予定地変更請願榊原亨    君紹介)(第五三一号)  四 仙台復興計画原案実施促進請願内海    安吉君外二名紹介)(第五三四号)  五 長岡市の区劃整理事業國庫補助請願(神    山榮一紹介)(第五五一号)  六 靜岡市外三市の戰災復興事業費國庫補助    増額請願竹山祐太郎君外十一名紹介)    (第六八二号)  七 鹿沼町の戰災復興区画整理事業費國庫補助    増額請願矢野政男紹介)(第七六    七号)  八 呉市の復興土地区画整理事業費國庫補助の    請願前田榮之助君紹介)(第八〇四号)  九 戰災都復興事業費國庫補助増額請願(    坂本實紹介)(第八五二号) 一〇 呉市の復興土地区画整理事業費國庫補助の    請願武田キヨ紹介)(第九一〇号) 一一 鉱害復旧事業國庫補助請願北村徳太    郎君外四名紹介)(第三二七号) 一二 西淀川地内堤防災害復旧工事施行請願    (前田種男紹介)(第七四五号) 一三 吉野川筋支流砂防工事費國庫補助増額の    請願秋田大助紹介)(第五〇二号) 一四 仁淀川改修工事促進請願長野長廣君紹    介)(第一〇五三号) 一五 利根川外河川治水工事施行請願(栗    田英男紹介)(第一二一一号) 一六 入間川水系河川改修工事促進請願(    古島義英君外七名紹介)(第一二一二号) 一七 渡良瀬川改修工事促進請願栗田英男君    紹介)(第一二一三号) 一八 太田川及び原野谷川護岸工事施行請願(    竹山祐太郎紹介)(第一二一九号) 一九 廣島縣の治山治水事業助成請願藤田榮    君紹介)(第七〇九号) 二〇 西河内川砂防工事施行請願多賀安郎君    外六名紹介)(第二八五号) 二一 小松谷川改修工事施行請願多賀安郎君    外六名紹介)(第二八六号) 二二 高尾川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二八七号) 二三 岡山縣特殊地域開発調査費國庫補助請願    (多賀安郎君外六名紹介)(第二八八号) 二四 吉井川及び旭川改修工事促進請願多賀    安郎君外六名紹介)(第二八九号) 二五 井原川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二九二号) 二六 塩谷川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二九三号) 二七 岡山市の戰災復興に関する請願多賀安郎    君外六名紹介)(第二九五号) 二八 西山川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二九六号) 二九 地藏谷川砂防工事施行請願多賀安郎君    外六名紹介)(第二九七号) 三〇 奧山川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二九八号) 三一 東川砂防工事施行請願多賀安郎君外六    名紹介)(第二九九号) 三二 目木川及び白賀川砂防工事施行請願(多    賀安郎君外六名紹介)(第三〇〇号) 三三 粟井川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇一号) 三四 高梁川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇二号) 三五 粟谷川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇三号) 三六 黒谷川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇四号) 三七 高尾川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇五号) 三八 津黒川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇六号) 三九 羽部川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇七号) 四〇 鉄山川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇八号) 四一 玉野市砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三〇九号) 四二 杉谷川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三一〇号) 四三 塩之内川砂防工事施行請願多賀安郎君    外六名紹介)(第三一一号) 四四 大渡川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三一二号) 四五 田地子川砂防工事施行請願多賀安郎君    外六名紹介)(第三一三号) 四六 佐伏川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三一四号) 四七 木地山川及び碇谷川砂防工事施行請願(    多賀安郎君外六名紹介)(第三一五号) 四八 道々川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第三一六号) 四九 石狩中央原野開発に関する請願椎熊三郎    君紹介)(第一〇六一号) 五〇 福島町の災害復興助成請願冨永格五郎    君紹介)(第二〇号) 五一 小樽手宮貯炭場開放請願椎熊三郎君    紹介)(第五二号) 五二 下松修築請願中嶋勝一紹介)(第    九九五号) 五三 塩竈修築請願竹谷源太郎紹介)(    第一〇八〇号) 五四 塩竈修築請願竹谷源太郎紹介)(    第一二三二号) 五五 津久見港を開港場指定請願梅林時雄    君紹介)(第一八四号) 五六 津久見港を開港場指定請願外一件(野    上健次紹介)(第一一    一五号)     追加    眞野、大谷地線村道改修費國庫補助の請    願(内海安吉紹介)(第一四四五号)     —————————————     〔筆 記〕
  2. 村瀬宣親

    村瀬委員長 開会をする。日程を適宜変更することがあるから御了承を願いたい。  日程第五二下松修築請願中嶋勝一紹介、第九九五号を議題とする。
  3. 中嶋勝一

    中嶋勝一君 下松港は重工業都市として山口縣の中枢を占める徳山下松、光三市の中心に位し、昭和二十三年一月開港指定を受け貿易港として大いに將來を期待されており、その港湾も天然の良港として大型船舶の出入が自由お大港でありながら、港湾としての人工施設がないため十分利用できない状態にある、ついては該港の修築をされたいというのである。
  4. 瀬尾五一

    瀬尾説明員 山口縣下松市は戰時中軍需工業発展により工業都市として急速に発達してきたものである。現在港湾施設としては公共物揚場二箇所を有しているが、水深がきわめて浅くほとんど荷揚不可能な状況にある。大型船については近接して徳山港があるので、その施設は不必要と思われるが、小型船が完全に荷役できるように整備することは、必要であると思われるから、今後十分研究の上善処したい。
  5. 村瀬宣親

    村瀬委員長 紹介議員の出席していない請願については、專門調査員にその趣旨説明をいたさせることにしたいかどうか。     〔「異議者なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 村瀬宣親

    村瀬委員長 さように決定する。     —————————————
  7. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第五三、塩竈修築請願竹谷源太郎紹介、第一〇八〇号を議題とする。
  8. 田中義一

    田中專門調査員 塩竈港は今や独立國際港として新発足を逐げ、昨年度すでに航路浚渫に着手したが、昭和二十三年度において相当多額予算を削減される場合は、既定計画の実行はとうていできなくなり、日本再建を遅延させる結果となる、ついては本港最大の機能を発揮するため浚渫工事岸壁かさ上げ工事及び防舷材復旧工事を施行されたいというのである。
  9. 瀬尾五一

    瀬尾説明員 塩竈港が國家的に見てきわめて重要な港湾であることは論をまたないところであるが、國庫財政都合もあり、さしあたり昭和二十三年度においては、最大支障なつておる沈下岸壁かさ上げ並びに航路、泊地の一部浚渫を行うことになつている。請願の御趣旨にある残余の工事についても、機会をとらえこれが事業化に極力努力することにいたしたい。     —————————————
  10. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第五四、塩竈修築請願竹谷源太郎紹介、第一二三二号を議題とし、本請願日程第五三塩竈修築請願同一趣旨であるから、その審査を省略する。     —————————————
  11. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第九、戰災都復興事業費國庫補助増額請願坂本實紹介、第八五二号を議題とする。
  12. 坂本實

    坂本實君 戰災地指定された下関、宇部、徳山、岩國の四市は、特別都市計画事業の樹立に先だち、昭和二十一年度より戰災都復興事業として國庫補助の下に事業の進行に努力しているが、社会情勢はますます悪化し、諸物價は高騰しつつある現在、かかる少額の補助では、日本再建の基礎たる戰災都復興事業完遂は期せられない、ついては本事業に対し國庫補助増額されたいというのである。
  13. 松井達夫

    松井説明員 請願趣旨当局においても十分了承いたしているから、予算の許す限り善処いたしたい。     —————————————
  14. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第五一、小樽手宮貯炭場開放請願椎熊三郎紹介、第五二号を議題とする。
  15. 田中義一

    田中專門調査員 小樽港における石炭荷役は、本港接岸荷役の半数を占め、普通雜貨取扱区域ははなはだしく狭小を感ずる現況であり、本市商工業発展に大なる支障を來している、ところで石炭荷役設備小樽築港駅に施設された今日、手宮貯炭場を開放して、コークス、輸出木材及び水産物等積卸場並びに水産加工その他の諸工業地帶とされたいというのである。
  16. 小森純三

    小森説明員 貯炭場の位置は手宮貨物駅と炭砿汽船用地の中間で、面積は千三百坪ほどである。現在小樽築港設備もまだ十分でないから、この貯炭場を予備として確保しておかねばならぬので、これを開放することは今のところ困難であるが、御要望も強いようであるから、一應調査研究してみたい考えである。     —————————————
  17. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一、伊丹市の都市計画案反対請願原健三郎紹介、第一九四号を議題とする。
  18. 田中義一

    田中專門調査員 伊丹当局は今回本市北町会全般にわたるような廣範囲都市計画区域指定したが、これは食糧増産と供出の意欲に燃えている農民観喜と決意とを犠牲にするものである、ついては市計画都市計画案を除去して農民の不安を一掃されたいというのである。     —————————————
  19. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第二、木更津市に海産魚介類加工品工場設置反対請願冨田照紹介、第三三〇号を議題とする。
  20. 田中義一

    田中專門調査員 今般木更津字新田海産魚介類加工品工場が設置されるようであるが、該工場は縣道に接し隣に病院があり、千葉地方裁判所木更津支所附近にあつて製造開始の場合は音響激しく、悪臭を発し、衛生上からも一大問題であるので、これが許可とならないようにされたいというのである。     —————————————
  21. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第三、岡山縣應舎建設予定地変更請願榊原亨紹介、第五三一号を議題とする。
  22. 田中義一

    田中專門調査員 岡山都市計画中の岡山縣廳舎内山下公会堂附近に建設せんとする計画は、縣民の総意に反するものであるから、速やかに内山下候補地を撤回して、旧敷地たる天神山に復帰されたいというのである。     —————————————
  23. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第四、仙台復興計画原案実施促進請願内海安吉君外二名紹介、第五三四号を議題とする。
  24. 田中義一

    田中專門調査員 仙台市会においては仙台復興道路計画原案中、仙台前川内線変更請願書を採択し、衆議院に請願したようであるが、これは一部の利害関係者による運動であつて、三十万市民の意思に反するものである。そもそも原案復興院技術官原地視察等、各界の権威による民主的機関で長期にわたり研究の末決定されたものである、ついては速やかに本市復興計画原案実施をされたいというのである。     —————————————
  25. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第五、長岡市の区画整理事業國庫補助請願神山榮一紹介、第五五一号を議題とする。
  26. 田中義一

    田中專門調査員 長岡市は新潟縣における農村工業及び商業の中心地であるが、冬期交通及び積雪処理のため街路の拡張を必要とする、しかして区画整理事業は直設市民の利害に影響しかつ生活の根拠に関係するので、中途で放任すれば復興事業の目的を失うことになる、ついては本市区画整理事業につき國庫補助をされたいというのである。     —————————————
  27. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第六、靜岡市外三市の戰災復興事業費國庫済増額請願竹山祐太郎君外十一名紹介、第六八二号を議題とする。
  28. 田中義一

    田中專門調査員 昭和二十三年度における戰災復興事業費國庫補助予算は大幅に削減されるとのことであるが、かくては靜岡縣下靜岡、濱松、沼津、清水の四市の戰災復興事業に大なる手違いを來して收拾のできない事態となるおそれがあるので、本事業費國庫補助額増額されたいというのである。     —————————————
  29. 村瀬宣親

  30. 田中義一

    田中專門調査員 栃木縣上都賀鹿沼町は戰災で大被害を受けたが、町民の理解ある要望により、本戰災地跡区画整理事業実施することに決定し、昭和二十一年度より着工されたが、その後の物價高に窮乏せる町財政をもつてしてはとうていその完成はおぼつかない、ついては該事業費國庫補助額増額されたいというのである。     —————————————
  31. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第八、呉市の復興土地区画整理事業費國庫補助請願前田榮之助君紹介、第八〇四号を議題とする。
  32. 田中義一

    田中專門調査員 呉市復興特別都市計画事業は、昭和二十一年度より二十五年度に至る五箇年継続事業として実施中であるが、現在までの認承事業費は全事事業費の五%に過ぎず、その完成はまことに前途遼遠で、このままに本事業が遅々として進まないときは、土地画整理事業のための家屋移轉数が著しく増加して、費用増高來すは固より、実施上一大困難となることは明らかである、ついては國庫補助を以て速やかに該事業完成されたいというのである。     —————————————
  33. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一〇、呉市の復興土地区画整理事業費國庫補助請願武田キヨ紹介、第九一〇号を議題とし、本請願日程第八呉市の復興土地区画整理事業費國庫補助請願同一趣旨であるから、その審査を省略する。     —————————————
  34. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第二七、岡山市の戰災復興に関する請願多賀安郎君外六名紹介、第二九五号を議題とする。
  35. 田中義一

    田中專門調査員 岡山市の戰災復興事業は、特別都市計画法に基かない乱雜、無秩序、かつ非文化的のものである、ついては本事業に対し國庫補助増額と縣債の積極的許可並びに事務費増額及び建築物補償費増額を計上されたいというのである。     —————————————
  36. 村瀬宣親

    村瀬委員長 以上十件の請願都合により当局の答弁を省略する。     —————————————
  37. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一一、鉱害復旧事業國庫補助請願北村徳太郎君外四名紹介、第三二七号を議題とする。
  38. 田中義一

    田中專門調査員 長崎縣下における鉱山は戰時中より増産一遂に直進し、地表に発生する鉱害を顧みなかつたため、陷沒、地すべり、地割れ及び道路、橋、河川港湾施設崩壊等鉱害を誘発し、さらに廃鉱の処理により沿岸漁業も衰退している、ついてはこれら鉱害復旧に対し全額又は高率の國庫補助並びに鉱害により家屋宅地復旧についても併せて補助をされたいというのである。
  39. 米田正文

    米田説明員 本縣下鉱害による公共土木施設被害増産等に及ぼす影響は重大であるのに鑑み、政府はさきに縣の申請に基く被害箇所に対し現地調査もいたして復旧計画を樹立し、災害國庫補助に準ずる補助をなし、これが復旧促進する方針である。ついては、本予算決定をまち、重点配付もいたす方針である。     —————————————
  40. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一二、西淀川地内堤防災害復旧工事施行請願前田種男紹介、第七四五号を議題とする。
  41. 田中義一

    田中專門調査員 大阪市西淀川地内淀川右岸及び神崎川堤防並びに両河川河口海岸堤防は、昭和十九年及び同二十年の二回にわたる高潮のため大なる被害を受けたが、同地区日本地方を通じての随一の工事地帶生産部で、日本再建に重大な使命を有する地区である、ついては速やかに該地区災害復旧工事を施行されたいというのである。     —————————————
  42. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する政府の意見を留保する。     —————————————
  43. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一三、吉野川筋支流砂防工事費國庫補助増額請願秋田大助紹介、第五〇二号を議題とする。
  44. 田中義一

    田中專門調査員 徳島縣下吉野川筋支渓流戰時中上流水源地帶山林は濫伐せられ、あまつさえ地質はきわめて脆弱にして、降雨ごとに多量の砂礫を流下し、毎年の豪雨に大洪水を反復、沿岸耕地宅地被害を及ぼし府縣補助工事として毎年施設をされておりますが、予算僅少物價高騰のため根本的な工事促進はおぼつかない現状である。よつて予算増額の上根本的な砂防工事を施行せられるよう要望するというのである。
  45. 米田正文

    米田説明員 本請願にかかる三好内吉野川筋支流砂防工事については、河内谷、黒河原谷高瀬谷及び馬谷の四渓流に対し、明治四十一年度以降大正二年まで及び大正年度以降六年度まで並びに大正十二年度以降昭和二十一年度までの間計五十四万八千円余を支出したにすぎず、砂防予算僅少のため昭和二十二年度工事中断の止むなきに至つているのはまことに遺憾である。昭和二十一年十一月末の調査によると今後なお、三好内吉野川支渓流に対し計約四千四百三十万円を要するので、できる限り砂防予算増額に努め、予算の許す限り工事の拡大を計りたい考えである。     —————————————
  46. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一四、仁淀川改修工事促進請願長野長廣紹介、第一〇五三号を議題とする。
  47. 田中義一

    田中專門調査員 四國石鎚山に源を発し、高知縣を貫流する仁淀川は、地形が急で、降雨量が多く、常に台風圏内に属するため、例年豪雨の來襲を受け、從來より堤防決壞は数えきれず、加うるに戰時中山林濫伐昭和二十一年の南海震災による地盤沈下のため、下流地域洪水の危險が大である。ついては本川改修工事促進されたいというのである。
  48. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する当局説明は、都合により留保する。     —————————————
  49. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一五、利根川外河川治水工事施行請願栗田英男紹介、第一二一一号を議題とする。
  50. 田中義一

    田中專門調査員 利根川渡良瀬川、廣瀬川、粕川、鳥川及び荒川上流部沿岸決壞堤防の應急復旧工事を施行せられているので一應水禍は免れるであろうが上流部地帶山林荒廃その極に達した現在、かかる應急的措置では十分でないので、急速に上流地帶植林砂防等あらゆる方途を講じかつ本格的河川改修実施せられたいというのである。
  51. 米田正文

    米田説明員 利根川外河川治水事業促進につきましては政府といたしましても極力努力いたしておるのでありますが、國家財政都合で必ずしも地元の要望を満足せしめ得ないことははなはだ遺憾に存ずる次第である。政府においては財政の許す限り鋭意事業促進に努力いたす考えである。     —————————————
  52. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程一六、入間川水系河川改修工事促進請願古島築英君外七名紹介、第一二一二号を議題とする。
  53. 田中義一

    田中專門調査員 荒川支川入間川水系河川改修工事昭和十八年度五百万円の予算をもつて工事着工となりたるところ、戰爭のために中止となつたが、河川の屈曲著しく無堤部箇所すらあるので昨年の水害に鑑みこれが速やかなる工事促進を期せられたいというのである。
  54. 米田正文

    米田説明員 入間川改修工事緊要性政府もつとに認め、一定計画の下に國直轄事業として鋭意工事進捗に努めている次第である。殊に本川水害は甚大であるので國庫財政の許す限り工費増額をはかり、短期完成食糧増産及び民生の安定を期したい考えである。     —————————————
  55. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一七、渡良瀬川改修工事促進請願栗田英男紹介、第一二一三号を議題とする。
  56. 田中義一

    田中專門調査員 渡良瀬川足尾連山に源を発し、多くの支川を合して利根川に合流する大河川で、地方文化と産業の発達に寄與すめところ出にる反面、災害もまた連年にわたつて起るので、昭和十五年度に着工した改修工事費予算七百五十万円十五箇年継続事業費増額し、事業年度を短縮して急速かつ有効的措置を講ぜられたいというのである。
  57. 米田正文

    米田説明員 昨秋の関東一円の大災害に鑑みて政府といたしてもただちに治水調査会を設置して根本的治水対策調査考究中である。目下國直轄事業として相当額を計上し、重点的施行中であるが、根本対策決定をまちて國庫財政の許す限り工費増額をはかり、短期完成をいたし治水の万全を期したい考えである。     —————————————
  58. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一八、太田川及び原野谷川護岸工事施行請願竹山祐太郎紹介、第一二一九号を議題とする。
  59. 田中義一

    田中專門調査員 太田原野谷川は中遠三郡の中央を流れその流域面積は五万一千二百余町歩に及びこれに合流する支脈川は二十有余もあるが、流域内の山林伐採せられたる今日その災害は莫大なるものがあると予想されるので、速やかに應急的恒久的計画を樹立し施工せられたいというのである。
  60. 米田正文

    米田説明員 太田原野谷川護岸工事施行については、昭和二十三年度において縣の調査助成河川状況をよく把握した上で、國家財政の許す限り善処いたしたい考えである。     —————————————
  61. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第一九、廣島縣の治山治水事業助成請願藤田榮紹介、第七〇九号を議題とする。
  62. 田中義一

    田中專門調査員 廣島縣の林野は瀬戸内海沿岸特有の雨の多い地帶で、表土は砂質壌土結合力に乏しく、年々荒廃区域を拡大し、加うるに戰時中森林濫伐の結果極度に荒廃し、治山治水事業は行はれず年々その惨害は激化し殊に昭和二十年の被害耕地六千二百町歩に及んだので、廣島縣では本年度より五箇年計画をもつてこれが完成を期している。ついては本縣の治山治水事業に対して助成されたいというのである。
  63. 米田正文

    米田説明員 廣島縣下における累年の水害につきましては、政府も十分承知しておるところであり、治山治水事業緊要性を痛感いたしこれが事業助成に全力を傾倒し來つたのであるが、國家財政都合で地元民の満足を充し得なかつたことははなはだ遺憾であるが、政府は今後においても極力これら事業促進助成に努めたいと考えている。     —————————————
  64. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第二四、吉井川及び旭川改修工事促進請願多賀安郎君外六名紹介、第二八九号を議題とする。
  65. 田中義一

    田中專門調査員 一、岡山軍政部長の勧告を受けている吉井川改修工事につきては費用僅少のため工事進捗微々たるものであるので、二十三年度においては六千万円程度の予算を充当され事業完遂を計られたい。二、旭川改修工事についても工費僅少のため目的達成至難な状況にあるので、合同用水施行の必要もあり二十三年度においては六千万円の予算を配当され工事達成をはかられたいというのである。
  66. 米田正文

    米田説明員 吉井川旭川改修工事については政府においてもつとに緊急実施の必要を認め、本年度においても相当額を計上し鋭意工事進捗に努めているのであるが、種々の事情で予期の工程を見ないことはまことに遺憾に存じている。今後においても國庫財政及び資材等をにらみ合せて急速完成に努めたい意向である。     —————————————
  67. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第二〇、西河内川砂防工事施行請願多賀安郎君外六名紹介、第二八五号ないし日程第二二、高尾川砂防工事施行請願多賀安郎君外六名紹介、第二八七号、日程第二五、井原川砂防工事施行請願多賀安郎君外六名紹介、第二九二号、日程第二六、塩谷川砂防工事施行請願多賀安郎君外六名紹介、第二九三号及び日程第二八、西山川砂防工事施行請願多賀安郎君外六名紹介、第二九六号乃至日程第四八、道々川砂防工事施行請願多賀安郎君外六名紹介、第一一六号を一括議題とする。
  68. 田中義一

    田中專門調査員 本請願にかかる岡山縣下河川の上流部は土質脆弱にして、山岳急峻殊に戰時中及び終戰後の濫伐、開懇等により土砂の流下はなはだしく、河川は埋沒し、排水に支障を來たしているために一朝豪雨に際しては、耕地、住家、人畜等に及ぼす被害は勘大にして、生産増強に著るしい悪影響を與えている。一部河川についてはすでに砂防工事を施行せられおるも費用が莫大で地方財政にてはこれが負担にたえないから、この際國庫補助増額の上、全域にわたり砂防工事実施せられたいというのである。
  69. 米田正文

    米田説明員 砂防予算僅少なため工事進捗微々たることはまことに遺憾で、今後ともできる限り予算の増大に努め、工事完成を期すとともに未着手河川については速やかに実施したい。     —————————————
  70. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第五〇、福島町の災害復興助成請願冨永格五郎紹介、第二〇号を議題とする。
  71. 田中義一

    田中專門調査員 北海道松前郡福島町は昨年十一月の火災により町の主要機関を類燒し、全燒戸数百三十五戸、罹災者七百名に及んだのであるが、凍結期に際して罹災者は困窮を極めている、ついては同町の災害復興に要する起債の認可、資材の確保等につき助成されたいというのである。
  72. 松井達夫

    松井説明員 福島町の火災については、北海道建築出張所より資材割当の申請があつたので、とりあえずすでに割当ずみの第三、四半期分から應急割当を行うよう指示するとともに、折柄第四、四半期の割当期であつたので、同町の災害を考慮し前期より約一〇〇戸分程度を増して北海道に割当てた。     —————————————
  73. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第五五、津久見港を開港場指定請願梅林時雄紹介、第一八四号を議題とする。
  74. 田中義一

    田中專門調査員 大分縣北海部郡津久見港は天然の良港で、東九州方面の物資の集散場として重要な役割をもつているが、その移輸出物資の数量は全國でも優位を占めている。ついては該港を開港場指定されたいというのである。
  75. 熊本政晴

    ○熊本説明員 現在不開港津久見港の外、開港指定の陳情をしている港が他にもあるのであるが、大体の方面としては、わが國が外國貿易に依存せざるを得ない以上、外國貿易の進展の一環として、その必要を認められるものに対しては、諸般の事情が許す限り、なるべく開港するという線に沿うて善処したいと思う。從つて津久見港についてもその方向に向つて処理して行きたいと考える。     —————————————
  76. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に日程第五六、津久見港を開港場指定請願外一件、野上健次紹介、第一一一五号を議題とし、本請願日程第五五、津久見港を開港場指定請願同一趣旨であるから、その審査を省略する。     —————————————
  77. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次に眞野、大谷地線村道改修費國庫補助請願内海安吉紹介、第一四四五号を日程追加するについての御異議はないか。     〔「異議者なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 村瀬宣親

    村瀬委員長 眞野、大谷地線村道改修費國庫補助請願内海安吉紹介、第一四四五号を議題とする。
  79. 内海安吉

    内海安吉君 宮城縣牡鹿郡稻井村道大谷地線は、本地方の林産物及び農産物の搬出路としてばかりでなく、桃生郡雄勝町大川村方面への最短距離交通路として重要な利用價値を有するが、路面は田面より低く、降雨ごとに泥濘となり交通に困難な状態である、昭和九年以來しばしば村費により改修したが最近財政逼迫し工事打切となつた。ついてはこれが急速なる改修をされたい。
  80. 熊本政晴

    ○熊本説明員 本年度においても國家財政の許す限り國庫補助工事とし一部施行の予定である。
  81. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本日はこれにて打切り残余の請願は延期し散会する。     午後零時四十八分散会