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1948-06-10 第2回国会 衆議院 国土計画委員会請願小委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月十日(木曜日)     午後二時八分開議  出席小委員    小委員長代理 山本 幸一君       原  孝吉君    高田 弥市君       野本 品吉君    大瀧亀代司君  小委員外出席者         議     員 田淵 実夫君         議     員 泉山 三六君         総理廳事務官  伊藤 大三君         專門調査員   西畑 正倫君         專門調査員   田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件   請 願  一 別東川、平畑川及び入野川砂防工事施行の    請願守田道輔君紹介)(第四一四号)  二 坂根川砂防工事施行請願守田道輔君紹    介)(第四二七号)  三 鮎喰川の治水工事施行請願岡田勢一君    外四名紹介)(第四四七号)  四 潮受堤防維持管理費國庫支弁請願(坂田    道太君外一名紹介)(第四五〇号)  五 片岸川砂防工事施行請願小澤佐重喜君    紹介)(第四六〇号)  六 揖保川改修工事施行請願永江一夫君紹    介)(第四七〇号)  七 船坂川砂防工事施行請願後藤悦治君紹    介)(第四七三号)  八 大淀川改修工事費増額請願川野芳滿君    外一名紹介)(第四九四号)  九 吉野川筋支流砂防工事費國庫補助増額の    請願秋田大助紹介)(第五〇二号) 一〇 江戸川取入口改修請願鈴木明良紹介    (第五二六号) 一一 誕生改修工事施行請願松浦東介君紹    介)(第五四五号) 一二 那賀川改修工事施行請願成瀬喜五郎君    紹介)(第五五三号) 一三 利根川改修工事施行請願馬場秀夫君外    三名紹介)(第五七五号) 一四 渡良瀬川治水工事施行請願金子益太郎    君外一名紹介)(第五七九号) 一五 佐治川改修工事施行請願小島徹三君紹    介)(第六二一号) 一六 北上川治水工事促進請願淺利三朗君外    五名紹介)(第六二七号) 一七 岩手縣砂防工事施行請願山本猛夫君    七名紹介)(第六三一号) 一八 水無川砂防工事施行請願泉山三六君紹    介)(第六四〇号) 一九 荒澤堰築設の請願泉山三六君紹介)(第    六四三号) 二〇 高瀬川砂防工事施行請願降旗徳弥君紹    介)(第六七一号) 二一 梓川砂防工事施行請願降旗徳弥君紹    介)(第六七二号) 二二 古町川等砂防工事施行請願石原登君    紹介)(第六七三号) 二三 宇津戸砂防工事費國庫補助請願森戸    辰男紹介)(第六九二号) 二四 山田川砂防工事費國庫補助請願森戸辰    男君紹介)(第六九三号) 二五 和久原川上流河川砂防工事施行請願(    森戸辰男君外一名紹介)(第六九四号) 二六 長田川及び細谷川砂防工事施行請願(田    淵実夫君紹介)(第六九五号) 二七 天神川及び上作木川砂防工事施行請願(    田淵実夫君紹介)(第六九六号) 二八 川尻町周辺の各河川砂防工事施行請願(    田淵実夫君紹介)(第六九七号) 二九 伊木谷川砂防工事請願田淵実夫君紹    介)(第六九八号) 三〇 野間川等砂防工事施行請願森戸辰男    君紹介)(第七〇四号)     —————————————
  2. 山本幸一

    山本委員長代理 開会を宣告する。  紹介議員の都合上、日程を適宜変更することがあるから御了承願いたい。先ず日程一八、水無川砂防工事施行請願泉山三六君紹介、第六四〇号を議題とする。
  3. 泉山三六

    泉山三六君 山形縣西田川郡郡界に源を発する青瀧寺川下川水無川は増水の都度多大の土砂を流出し青瀧寺川はそのため灌漑上一大支障を來しつつあり、かつ近時の森林過伐によりますまず災害の公算が大である。ついては速やかに水無川砂防工事施行されたい。
  4. 伊藤六三

    伊藤説明員 水無川砂防工事昭和十一年度より昭和十八年度迄に約九万九千円を支出したにすぎず、戰時下砂防予算縮少のため、その後工事中断のやむなきに至つたのはまことに遺憾である。  本川筋砂防計画昭和二十一年十一月末及び二十二年六月末の調査を総合すると、今後なお五百五十万本程度を要するので、鋭意砂防予算増額にめ、予算の許す限りに速やかに工事を再開して御要望に副いたい考えである。     —————————————
  5. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程第二三、宇津戸砂防工事費國庫補助請願森戸辰男紹介、第六九二号、ないし日程第三〇野間川等砂防工事施行請願森戸辰男紹介、第七〇四号を一括議題とする。
  6. 田淵実夫

    田淵実夫君 廣島縣下宇津戸川外十六河川はきわめて急流なためしばしば出水し、土砂が流下して河床が隆起し、耕地及び貨岸等に災害を生ずることが多く、資材不足物價暴騰等により窮迫せる村経済においては復旧する経費もない状態である、ついては該河川砂防工事國費をもつて施行されるよう要望する。
  7. 伊藤六三

    伊藤説明員 本請願にかかる宇津戸川外十六河川について既住工事費並び昭和二十一年十一月末及び二十二年六月末調査による計画工事費を示すと別表の通りであり、砂防予算僅少のため、山田川光明寺川及び大谷川を除いてはいずれも未着手状態であるのはまことに遺憾である。今後ともできる限り砂防予算増額に努め、予算の許す限り山田川光明寺川の工事拡大及び大谷川工事の再開をはかるとともに未着手河川にありては速やかに工事着手いたしたい。     —————————————
  8. 山本幸一

    山本委員長代理 紹介議員出席のない請願については、專門調査員請願趣旨説明をいたさせることにしてはいかん。     〔「異議者なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 山本幸一

    山本委員長代理 さようにいたします。次に日程第六、担保改修工事施行請願、永江一夫君紹介、第四七〇号を議題とする。
  10. 田中義一

    田中專門調査員 担保用水担保川の流域中最大の灌漑地域を有し、縣下屈指穀倉地帶を灌漑する用水であるが、近年担保川の水流河床いちじるしく低下したので、毎年用水取入に困難を來たし食糧増産その他に多大の損害をこうむつているので、國庫補助のもとに縣営により工事施行せられたいというのである。
  11. 伊藤六三

    伊藤説明員 担保改修工事の緊用性は政府もこれを認め、直轄事業として相当額を計上し鋭意工事の推捗に努めているところである。本請願用水取入に関しては改修工事と緊密する関係もあるので今後十分調査して善処したい考えである。     —————————————
  12. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程第八、大淀川改修工事費増額請願川野芳滿君外一名紹介、第四九四号を議題とする。
  13. 田中義一

    田中專門調査員 大淀川昭和二十三年度計画工事河口整備工事溝川水門工事及び本庄川流頭の流路付替工事でありいずれも宮崎地方に與える効果大なるものがあり、特別の詮議を以てこれが速やかなる完成工費増額を計られたいというのである。
  14. 伊藤六三

    伊藤説明員 大淀川改修工事緊要性政府も十分認識しているところであつて目下國直轄事業として鋭意工事進捗に努めている次第である。今後においても國庫財政資材等とにらみ合せ、でき得る限り工費増額をはかり短期完成をはかりたい考えである。     —————————————
  15. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程第一〇、江戸川取入口改修請願鈴木明良紹介、第五二六号を議題とする。
  16. 田中義一

    田中專門調査員 利根川治水に関し江戸川分流点たる高水路の附替と拡張の計画あるよう聞き及んだがこれが実施について全地を買收せられることなれば、農地法実施されたる今日二百戸以上の移轉者を割込居住させることも不可能であり、さりとて遠地への移轉はなおさら困難を極めるので、入口に堆積せる土砂を掘鑿せられ閘門の中島を撤去するよう御施策下されたいというのである。
  17. 伊藤六三

    伊藤説明員 昨秋の大災害に鑑みに治水調査会を設置いたし、利根川治水根本対策考究中である。本請願趣旨政府といたしましても十分認識しているところであるが、治水事業公共の利益、國土保全等の観点から多少の犠牲はやむを得ない現状であるから、なお今後根本対策決定をまつて善処いたしたいと考えておる。     —————————————
  18. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程第一一、誕生改修工事施行請願松浦東介紹介、第五四五号を議題とする。
  19. 田中義一

    田中專門調査員 最上川支川誕生川は流路屈曲はなはだしく氾濫ごとの田畑の被害甚大なるものあり、よつてこれが急速なる改修工事施行食糧増産の確保と民生の安定をはかられたいというのである。
  20. 伊藤六三

    伊藤説明員 誕生川については未だ十分なる調査もしていないが縣当局と緊密なる連絡をとり、縣において工事施行する場合は國庫財政の許す限り助成して速やかに施行いたし、食糧増産民生の安定を期したい考えである。     —————————————
  21. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程第一二、那賀川改修工事施行請願成瀬喜五郎紹介、第五五三号を議題とする。
  22. 田中義一

    田中專門調査員 那賀川徳島縣下南部をほぼ東西に貫流し、流域には五千町歩の沃野を有し、上流部木材薪炭等を産する重要なる河川であるが、毎年洪水による被害もまた甚大であるので、未改修堤防を速やかに施行するため國庫予算につき特別に配慮されたいというのである。
  23. 伊藤六三

    伊藤説明員 那賀川改修工事の緊急を要することは政府においてもつとに認めているところであり、昨年度においても相当額工費を支出して促進に努めていた次第であるが何分にも物價等の変動はなはだしく、工程予期に反した結果を生じておることはまことに遺憾に存じている次第である。本年度においても國庫財政等の許す限り工費増額をはかり迅速完成に努める方針である。     —————————————
  24. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程第一三、利根川改修工事施行請願馬場秀夫君外三名紹介、第五七五号を議題とする。
  25. 田中義一

    田中專門調査員 利根川昭和十年以來洪水量が逐次増大する傾向にあり、遂に昨秋の大洪水なつたのであるがこの際政府においては利根川根本治水対策の速やかなる樹立と急速なる実施をはかられもつて民生の安定をはかられたいというのである。
  26. 伊藤六三

    伊藤説明員 昨秋の関東一円の大災害に鑑みて政府といたしてはただちに治水調査会を設置し、利根川治水事業根本対策考究中である。目下一定計画に基き各地区にわたり重点的に施行中であるが、根本対策決定をまつて國庫財政資源等とにらみ合せできる限りの工費を計上し治水の万全を期したい所存である。     —————————————
  27. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程一四、渡良瀬川治水工事施行請願金子益太郎君外一名紹介、第五七九号を議題とする。
  28. 田中義一

    田中專門調査員 渡良瀬沿岸の群馬、栃木両縣下各三郡の市町村民は、根本治水大会を開催し左記事項を決議したのでことにこれを請願するというのである。 一、渡良瀬上流足尾地区砂防及び緑化、造林計画実施 一、中流地域河川改修工事急速完成河底浚渫堤防補強) 一、渡良瀬川下流赤麻沼遊水池利根川水流逆流防水及び利根川治水対策
  29. 伊藤六三

    伊藤説明員 昨秋の関東一円の大災害に鑑みて政府といたしてもただちに治水調査会を設置しまして根本的治水対策調査考究中である。目下國直轄事業として相当額を計上し重点的施行中であるが根本対策決定をまちて本請願通り諸種事業を遂行したいと考えている。     —————————————
  30. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程一五、佐治川改修工事施行請願小島徹三紹介、第六二一号を議題とする。
  31. 田中義一

    田中專門調査員 加古川上流佐治川並びにその支流河川屈曲はなはだしく、各河川から吐出する砂礫により流水の疎通を妨げているのであるが、上流部昭和十六年から七ヶ年継続事業として計画をたてられましたけれども、未だ完了の域に達していない。ついてはこれが急速なる完了計画を樹立せられもつて災害を防止されたいというのである。
  32. 伊藤六三

    伊藤説明員 佐治川改修工事重要性政府として十分認識しているところであつて中小河川として相当額を助成いたし、目下鋭意工事進捗に努めている次第である。今後においても國庫財政の許す限度に助成いたして短期完成をはかりたい意向である。     —————————————
  33. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程一六、北上川治水工事促進請願淺利三朗君外五名紹介、第六二七号を議題とする。
  34. 田中義一

    田中專門調査員 岩手縣下北上川昭和十六年内務省の直轄として着工せられたのであるが、その後中止となつており昨年七、八、九の三度にわたり大氾濫による惨害は言語に絶するものがあつたので、低水路浚渫、狹溢部及び捷水路の開鑿、貯水ダムの設置、砂防施設完備等これが治水工事を一日も早く施行せられたいというのである。
  35. 伊藤六三

    伊藤説明員 昨年の大水害に鑑みて、北上川改修工事重要性は十分認識しているところであつて治水調査会を設置して根本的対策考究中である。目下國直轄工事として相当額を計上し鋭意工事進捗に努めている次第であるが、今後根本的対策決定をまつて請願通り種々工事施行したいと考えている次第である。     —————————————
  36. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程一七、岩手縣砂防工事施行請願山本猛夫君外七名紹介、第六三一号を議題とする。
  37. 田中義一

    田中專門調査員 岩手縣砂防工事は單に自縣の利害に止まらず隣縣に及ぼす関係大なるものがある。ついては本縣下左記河川治水砂防工事施行されんことを要望する。  閉伊川、織笠川、神田川、攝待川、小本川、明戸川、馬淵川、夏井川、長内川、宇部川、普代川、守比川、米代川、雫石川、松川、五内川、岩崎川、瀬川、豊澤川、利賀川、尻平川、永澤川、衣川、白鳥川、松ノ木澤川、廣瀬川、人首川、伊手川、盤井川、猿ヶ石川、早瀬川、長野川、鷹鳥屋川、大槌川、片寄川、千厩川、砂鐡川猿澤川、中川、遲澤川、鳥海川、興田川
  38. 伊藤六三

    伊藤説明員 本請願にかかる諸河川については砂防予算僅少なためほとんど未着手あるいは工事中断のやむなきに至つているのはまことに遺憾である。今後ともできる限り砂防予算増額に努め、予算の許す限り工事着手または再開し、御要望に副いたい考えである。     —————————————
  39. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程第二〇、高瀬川砂防工事施行請願降旗徳弥紹介、第六七一号を議題とする。
  40. 田中義一

    田中專門調査員 長野縣北安曇郡平村より同郡の中央を貫流して七貴村において犀川に合する高瀬川は、その源を北アルプス槍ヶ岳に発し、河道は急であり水源地地質はきわめて薄弱のため、崩壞が著しいので、降雨ごとに多大の土砂を流出して年々河床の上昇、河幅拡大を來し、戰時中の濫材と相まつてまつたく荒廃河川の樣相を呈し、沿岸地方一帶に大なる被害を及ぼしている。ついては高瀬川外鹿島川、籠川所砂防工事施行されたいというのである。
  41. 伊藤六三

    伊藤説明員 高瀬川流域砂防工事は、公共利害関係特に廣汎なので、國直轄施行する計画を立てているが、予算事情のため今日まで実現を見ないでいる。昭和二十一年十一月末の調査によると、今後高瀬川約八千七百万円、鹿島川一億三百万円、籠川約五千七百万円を要するのでできる限り砂防予算増額に努め、予算の許す限り御要望に副いたい考えである。     —————————————
  42. 山本幸一

    山本委員長代理 日程二一、梓川砂防工事施行請願、第六七二号を議題とする。
  43. 田中義一

    田中專門調査員 信濃川上流梓川はその源を中部山岳高峯槍ヶ岳に発し、河床が急勾配をなし、水源地は薄弱な地質であるのみならず、火山作用と相まつて崩壞が著しく、多大の土砂を流出しつつあり、これがため河床は漸次上昇し、河幅拡大して農耕地を伴い用水の取入れも困難となり、一方発電施設にも危險を及ぼしつつある。ついてはすでに計画実施中の該川の砂防工事を速やかに完成されんことを要望するというのである。
  44. 伊藤六三

    伊藤説明員 信濃川水系砂防工事直轄工事として大正七年度着手以來、二十二年度迄約三百三十万円を支出したが、本川の重要性に徴してもかかる僅少予算ではとうては治水の完璧を期し得ない状態である。昭和二十一年十一月末の調査によると今後なお約六億三千万円の工事費を要するから、でき得る限り砂防予算増額に努め、工事拡大をはかり御要望に副いたい。     —————————————
  45. 山本幸一

    山本委員長代理 次に日程第二二、古町川等砂防工事施行請願石原登紹介、第六七三号を議題とした。
  46. 田中義一

    田中專門調査員 九州甑島列島の南部の一小島にある下甑村内の砂防工事は一部施行され、また調査測量されているが、本島は花崗岩で形成され、豊富なる漁庫に囲まれ、百合根その他の特産物に惠まれているが、昭和二十年の大豪雨と山津波のため致命的大打撃を受け、産業開発上に及ぼして影響はいうまでもなく、食生活をも脅かされている。本村として應急的復旧工事をなしつつあるが、再度の被害を受けることは明白であるから、速やかに古町川等河川砂防工事を政行されたいというのである。
  47. 伊藤六三

    伊藤説明員 下甑村内の砂防工事については、昭和二十二年度より工費二十万四千円で古町川着手したが、予算僅少なため進捗微々たる状態で、また他の二河川大川長川はいずれも未だ着手に至らず、はなはだ遺憾である。昭和二十一年十一月末の調査によると、今後なお古町川八十万円、大川長川計三百五十万円程度を要するから、鋭意これが予算化に努め、御要望に副いたい考である。
  48. 山本幸一

    山本委員長代理 残余の請願は延期し、本日はこれにて散会する。     午後二時四十九分散会