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1948-06-03 第2回国会 衆議院 国土計画委員会請願小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月三日(木曜日)     午前十時四十八分開議  出席小委員    小委員長 村瀬 宣親君       鈴木 明良君    池谷 信一君       山本 幸一君    野本 品吉君  小委員外出席者         國土計画委員  坪川 信三君         同       守田 道輔君    議員 馬場 秀夫君 議員 村上 清治君    議員 三好 竹勇君         総理廳事務官  賀屋 茂一君         総理廳技官   伊藤 令二君         総理廳技官   大石 博愛君         專門調査員   西畑 正倫君         專門調査員   田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件   請 願  一 碓氷川改修工事施行請願中曽根康弘君    紹介)(第三八号)  二 君ヶ野川砂防工事施行請願村上清治君    紹介)(第五七号)  三 斜里川改修工事施行請願永井勝次郎君    外一名紹介)(第七二号)  四 茨城縣災害復旧費國庫補助請願原彪    君紹介)(第八九号)  五 黒淵川改修工事施行請願苫米地義三君    外二名紹介)(第九二号)  六 綾川下流改修工事促進請願福田繁芳君    紹介)(第一〇五号)  七 島田上流改修工事施行請願守田道輔    君紹介)(第一一二号)  八 天神川改修工事促進請願庄司彦男君紹    介)(第一一五号)  九 佐波川改修工事促進請願守田道輔君紹    介)(第一二四号) 一〇 大里東部利根川堤防補強工事施行その    他に関する請願馬場秀夫紹介)(第一    三三号) 一一 厚眞川上流ダム築設の請願三好竹勇君    紹介)(第一七三号) 一二 尾田改修工事継続請願梅林時雄君紹    介)(第一八一号) 一三 大栗川砂防工事施行請願栗山長次郎君    紹介)(第二〇四号) 一四 利根川治水工事施行請願関根久藏君外    一名紹介)(第二二五号) 一五 飛騨川上流砂防工事施行請願岡村利右    衞門紹介)(第二四五号) 一六 會津川及び芳養川砂防工事施行請願(早    川崇紹介)(第二五五号) 一七 里川砂防工事施行請願梁井淳二君紹    介)(第二六〇号) 一八 石谷川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二六四号) 一九 奧山川砂防工事促進請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二六七号) 二〇 西川砂防工事促進請願多賀安郎君外六    名紹介)(第二六八号) 二一 岡山縣における災害防除施設費並びに中小    河川改修費國庫補助請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二七三号) 二二 岡山縣災害復旧費國庫補助増額請願(    多賀安郎君外六名紹介)(第二七四号) 二三 岡山縣昭和二十三年度砂防工事費國庫補    助増額請願多賀安郎君外六名紹介)(    二七六号) 二四 砂川及び血吸川砂防工事施行請願多賀    安郎君外六名紹介)(第二七八号) 二五 田羽根川砂防工事施行請願多賀安郎君    外六名紹介)(第二七九号) 二六 鳴谷川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二八〇号) 二七 長屋川砂防工事施行請願多賀安郎君外    六名紹介)(第二八一号) 二八 植杉川及び山乘川砂防工事施行請願(多    賀安郎君外六名紹介)(第二八二号) 二九 日本川及び余川砂防工事施行請願多賀    安郎君外六名紹介)(第二八三号) 三〇 黒谷川砂防工事施行請願多賀安郎君紹    介)(第二八四号)     —————————————
  2. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これより会議を開きます。  紹介議員都合によりまして委員長において日程を適宜変更いたしまするので、あらかじめ御了承願います。日程第十二、尾田改修工事継続請願紹介議員梅林時雄君、文書表番号第一八一号を議題に供します。まず本請願趣旨説明を求めます。坪川信三君。
  3. 坪川信三

    坪川委員 ただいま議題となりました尾田改修工事継続請願趣旨を弁明いたします。尾田川は大分縣坂ノ市町にありまして、さきに完成せられました丹生川國営大防災工事附帶事業として、すでに丹生川合流点より右岸約四百五十メートル、左岸約二百メートルまで完成、なお本年度引続き右岸四百九十メートル、左岸三百二十二メートルの工事が実施され、着々とその完成の域に達しつつあることについては、沿岸地帶農耕者並び関係部落町民ともに感謝し、一層の食糧増産に邁進するの決意を新たにしある現状であります。ここにおいて工事の竣工に伴い、上流部約一千メートルの間を見るに、それがまた昔日のままの流れにして、河積がはなはだ狹く、毎年の出水期に際しましては、河川沿岸一帶にわたり次々と洗掘され、一部においては農耕地並びに家屋等をも浸害するに至つたため関係者一同組合いたしまして、鋭意補修に努力しつつあるも、被害箇所ますます拡大の傾向を呈し、今や滿身創痍現状にあり、今後の大出水に対しては、多大の脅威と不安とを感じている次第どあります。以上のような状態でありますので、今次施行中の工事に引続き、一千メートル上流まで延長方お取計らい願えれば、前記の事情も一掃される事実を指摘し、町民総意によりまして、ここに請願いたしておるような次第でありますから、何とぞ十分御審議の上御採択あらんことを願う次第であります。以上趣旨弁明をいたします。
  4. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府意見を伺います。賀屋説明員
  5. 賀屋茂一

    賀屋説明員 お答えいたします。尾田川は大分縣丹生川支川でございまして、実はこの丹生川につきましては、この支川の一部の尾田川も含めて、戰時中から坂ノ市附近重要施設がありましたので、これと合わせまして、災害防除施設として改良工事をいたしたのであります。支川尾田川にも重点をおいてやつたのでありますが、ただいま御請願になりましたように、さらに尾田川の上流には相当悪い所があるのでありまして、一應防除施設としては終了したのでございますが、さらに災害防止施設として、今年もその上流に手を染めておるわけでありますが、予算が非常に少いものでありますから、その一千メートルの間を全部今年度施行ということは非常に困難なのでありまして、ほぼ一両年度のうちに完了するという方針で実は進んでおる次第でございます。
  6. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質問はございませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  7. 村瀬宣親

  8. 守田道輔

    守田委員 島田上流改修工事促進についての請願本川上流祖生玖珂高森米川地域廣大なる砂山を存する島田川は、大雨ごと土砂の流出はなはだしく、そのため往年水災に禍いされ、その被害は実に莫大なる損失に達し、食糧増産地方福祉に影響するところきわめて甚大であります。殊に大正十三年の大水害には高森町は全町水底に沒し、貴重な人命財産を烏有に帰する惨事を惹起し、さらに昭和二十年の水害においては、本川流域耕地は大半流失埋沒の災厄に遭い、家屋の浸水相次いで拡大し、その復旧地方財政の逼迫した現在、きわめて憂慮すべき状態におかれておる次第であります。さいわい本川上流部昭和十九年以來中小河川改良工事として逐次面目を一新しておるところでありますが、上流部なかんずく玖珂高森両町を中心とする玖珂郡西部六箇町村内の河川旧態と改め得ず、毎年の水害により荒廃を重ねておる次第であります。殊に玖珂高森町下市には、玖珂米川村地内の耕地五十町歩を潅漑する用田堰があり、これに影響させる逆流水は遠く伊陸、祖生村に及び、溢流破堤を助長しておる有樣であります。ここに鑑み本用水堰改築とこれに伴う上流部根本的治水対策を立て、本川の大改修施行することにより水害の禍根を一掃し、時局下喫緊食糧増産に寄與したいと存じます。ついては國費御多端の折ではありますが、何とぞ本河川改修及び砂防工事重要性を究められ、一時も速やかに工事施行くだされますよう、関係町村連署をもつて請願いたす次第であります。山口縣玖珂高森町長藤田治太郎山口縣玖珂玖珂町長原田正直山口縣玖珂縣祖生村長亀岡助一の請願でございます。  この請願趣旨に附け加えて一言申し上げたいのでありますが、この上流河川改修の根本的な原因となりますものは何かと申しますと、今から約二十数年前に用水取入口に石の堰堤を築いたのであります。今まではくいを打ちまして、土俵をおいて水をとつておつたのでありますが、石の堰堤をつくりましたためにだんだんと河床も上つてまいりますし、今までは水害ごとに堰が流されておつたのでありますが、それがなくなつために、こうした大きな——上流三箇町村にわたりまして、しかもこれは数千町歩田畑、数千戸の家屋まで浸水するようになつたわけでございまして、人為的な水害がその後において起つてまいつたのであります。こうしたことはこの縣だけに止まらず、全國にも多くあると考えられます。この根本的のものは、結局縣の耕地課がやつた仕事でありますが、縣の土木関係河川関係とは連絡をしないでやつた結果、その地方に大きな被害をこうむつたようになつておるのでありまして、これが根本的に改められないと、永久に水害を除去することはできないのでありますから、この件につきましては根本的な研究の上に立たれて、一日も早くこれが改修お願いしたいと考えるのであります。
  9. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これに対する政府意見を伺います。
  10. 賀屋茂一

    賀屋説明員 お答えいたします。島田川の上流は、数年前から災害がひどく、これが改修の要も叫ばれておりますので、縣においてはこの改修基本調査をしておるのでありますが、お説のようにこの河川の氾濫します原因は、高森町の下流にございます用水堰堤、これは相当強固な高いものでありまして、このためにその端を通つております縣道も常に浸水して交通不能になる実情であります。また下流の方もそれがために冠水して氾濫するような実情であります。政府といたしましては、この取入口堰堤改築というものが主眼でありますので、実はこの折衝を縣において進めておるのであります。これをどういうふうな施設にかえるかということが問題なのでございまして、これについては今縣が研究しておりますが、昨年、一昨年この高森地方一帶の災害はひどいのでありまして、とりあえず砂防施設をしなければならぬ、山くずれが非常に多いのであります。砂防につきましても、その上流地区においては重点施工しているのであります。またとりあえず急速に破損箇所復旧するということで、大体河川改良の線に沿いまして、再び災害を受けないという方針工事をしているのでありまして、この災害復旧もおおよそ今年くらいには大方目鼻がつく状態であります。これと合わせまして、今堰の改良ということもよく縣とも打合わせまして、改良を実施して根本施策を実施するつもりであります。
  11. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質疑はございませんか。
  12. 守田道輔

    守田委員 いま一点お伺いしておきたいと思います。これが急速にやつていただきたいのでありますが、これはわずか下流に五十町歩だけの用水なんであります。被害の方は数千町歩、そうして家屋等におきましては数千戸に上るのでありまして、先ほどもちよつとここで話があつたのですが、用水、堰をとりはずすか、とりはずさないかという問題と、今度はずした場合にそれをポンプで上げますれば、それに費用が要るという、もしもそれをはずしますと、上流全体と農地関係でありますが、現在一毛作であるのがほとんど二毛作にもなるというような関係で、これは今度農地改良法という法律ができますれば、それと関連する問題だと思うのでありますが、現在といたしましては、これがために非常にその地方の住民が戰々兢々としているのでありますから、ひとつ急速に山口縣土木部耕地課との間に御折衝されるように、國の方からもお指図をお願いしたいと思う次第であります。     —————————————
  13. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第九、佐波川改修工事促進請願守田道輔君紹介文書表第一二四号を議題に供します。紹介議員説明を求めます。守田道輔君
  14. 守田道輔

    守田委員 佐波川改修工事促進請願、これは山口縣防府市長宮地良三氏からでございます。  その趣旨を申し上げますと、佐波川流路延長一〇〇キロ、流域面積四百八十万キロ、本市の北西境をなし、豊飽なる防府平野を潤すと同時に、本市及び諸工事水源として重大な役割を演じつつあり、しかして本流域に一度大降雨を見んか、荒廃せる水源地帶旧態依然たる現状は、すでに昔現出せる数度の大災害をはかるに超ゆることを予想せられ、識者をして慄然たらしむるものあり、さいわいにして本川直轄河川として早くより当局において調査せられ、現にこれが改修工事を一部実施せられつつありて、深く感謝いたしおる次第なるも、進捗率すこぶる低く、これを当市全般より観するとき、まことに寒心にたえざるものあり、たまたま今次関東地方の大水害当市市民の上にも深く反映し、市民をして戰々兢々たらしめたり。ここにおいて本事業の強化をはからざれば、あたらこの教訓を無為にするのみならず、尊き人命はもちろん、当市過半を失流するおそれなしとせず、この災害を未然に防止し、民生を安定し、地方産業の拡充をはかり、國家再建に資せんとす。ついてはわれわれの目前の憂苦を御賢察の上、本川改修工事に拍車をかけ、大々的に改修工事の実施せられんことをここに実情を具し請願する次第なり。  これは今年ももうすでに水害の若干の被害を受けているのでありまして、先般來地元民が協力して堤防蒿上げをやつたということを私聞いているのでありますが、建設院直轄工事として今すでに施工されておりますが、何分にも昭和二十二年度予算を見ますると少いのでありまして、しかも百数十万円の費用の中で、むしろ監督費の方が多くて、実際工事にはわずかしか使われていないような現状でありまして、こうした状態ではいつ何時雨が降つてまいるやもわかりません。そのときには大きな損害が起つてくると思うのでありまして、監督費の十倍ぐらいは工事費を出してもらいたい。こういうふうに考えているのでありますから、ぜひひとつ本委員会においても御採択願いたいと思う次第であります。
  15. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府意見を伺います。
  16. 賀屋茂一

    賀屋説明員 お答えいたします。佐波川防府市の工場用水水源として、また防府平野を潤している川でありますが、実は戰時中防府市の周辺に重要施設がたくさんできましたために、急遽改修工事を着手した川でありまして、戰時中は非常に急がれまして、実は政府としましても重要施設のあるところでありますから、特に左岸側重点をおいて改修をしたのであります。その後引続いて施工はしているのでございますが、國庫財政関係治水事業費も十分でありませんので、ただしま御請願のように、毎年度工事費が非常に少いことはまことに残念に思つているのでございます。二十三年度工事費から考えましても、佐渡川に重点をおいていくことはなかなか困難な状態でございます。つきましては僅少でごでいますが重点実施をしまして、それ以上は堤防その他を強化いたしまして、出水に対処するという方針で、御請願にははなはだほど遠いのでありますが、國庫財政都合政府としましてもはなはだ残念なのでございますが、ここ二、三年はその重点的な施工はできかねるという実は財政状態にあるのであります。
  17. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質問はありませんが。     —————————————
  18. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一〇、大里東部利根川堤防補強工事施工その他に関する請願馬場秀夫紹介文書表第一三三号、紹介議員説明を求めます。
  19. 馬場秀夫

    馬場秀夫君 本請願埼玉縣大里東部利根川堤防補強工事に関する件でありますが、東部地区八箇町村代表をもつて、利根川堤防補強促進連盟をこしらおておりますが、その代表八名以下二万四千三百七十名の署名をもつて請願書が提出されているのであります。その請願要旨は、昨年決壊いたしました利根川堤防が竣成いたしまして、委員の各位には現地にわざわざ御出張いただきましてごらんいただいたのでありますが、あのときごらんいただきましたごとく、昨年の決壊がまず第一、溢水によつて土手を水が越した原因によるというので、應急措置といたしまして、蒿上工事を地元民の協力を得てやつたのでありまするが、建設院計画によると、実は埼玉縣として爾來一番利根川の弱いと言われている上流妻沼以北地域まで蒿上工事予算がとれておらぬというようなことで、昨年以來地元では大騒ぎをやつておつたのであります。昨年はたまたま鉄橋その他の関係で、一番南部の、埼玉縣といたしましては從來第三ぐらいと考えておつたところが決壊し、北部は逃れたのでありまするが、あれが第一、第二危險地区の蒿上工事を終えますると、本年以降におきましては最も危險視される上流妻沼から男沼に至る、あるいはそれ以後に至る小山川堤防が決壊する危險にさらされるのであります。これが切れますると、昨年以上に、埼玉縣はほとんど全国的に浸水の危險に襲われるわけであります。從いまして、その應急措置としての蒿上工事を、さらに北の方にまで、上流地点に延長されんことをぜひひとつ本委員会で取上げて御実行くださるようお願い申し上げる次第であります。
  20. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これに対する政府意見を伺います。
  21. 伊藤令二

    伊藤説明員 お答えいたします。この請願綱沼川附近利根川堤防は、昨年の大洪水の際に非常な危險に瀕したことは、ただいま御説明のあつた通りでありまして、実はこの附近堤防補強工事につきましては、昭和十四年以來施行しております利根川増補工事におきまして蒿上補強することになつていたのですが、戰時中政府財政その他の都合で、遂に今日まで延期されておりますのははなはだ遺憾と存じます。昨年の洪水の結果から見ましても、非常に重要な箇所であることはよくわかつておりますので、本年度はぜひ男沼附近の築堤の蒿上工事は至急実施して、埼玉縣下水害危險のないように努力いたしたいと考えております。
  22. 馬場秀夫

    馬場秀夫君 本年度と申しますると、この二十三年度予算通りますると、出水前に早急におやりになるという御意向ですか。あるいはことし中に來年に備えるという御意向ですか。
  23. 伊藤令二

    伊藤説明員 本年の出水期に、もちろん十分なことはできかねると思いますが、予算も近く決定いたす段取になつておりますから、決定次第至急本年の洪水に対しても、できるだけの処置を講じたいと思います。     —————————————
  24. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第二、君ケ野川砂防工事施行請願村上清治紹介文書表番根第五七号を議題に供します。紹介議員説明を求めます。
  25. 村上清治

    村上清治君 これは秋田縣河川でありまして、君ケ野川秋田縣道川村を縱断流下したしまして、直接日本海に流入する河川であります。河辺郡由利郡の境を源といたしまして、流域面積二十七平方キロ、流路延長九キロの荒廃小河川であります。分水嶺は標高二百メートル内外の山地でありまして、平均流域巾三キロ、これによつていかに急流であつて洪水期に短時間に出水するかはかり知れぬのであります。土質は流域がほとんど第三期層に属しまして、かつ民有林でありますから林相が良好でありません。無立木地も多く、良好なる水源状態と称し得ません。また地盤の荒廃もはなはだしくありまして、上流山腹の崩壊が多く、降雨の際は土石が流出いたしまいて、河床は年々上流部においては上昇し、下流部においては底下しまして、渇水期には水源の枯渇、潅漑用水の不足はなはだしく、洪水期には中流部以下の耕地被害が甚大でありまして田畑荒廃がはなはだしく、砂防工事の必要を痛感する次第であります。昨年も七月以降数度の豪雨出水によりまして耕地被害面積五十町歩農耕伊設被害箇所百五十万円、一般土木被害二十四箇所三百万円に達しまして、うち特に緊急復旧を要する箇所は、十八箇所二百万円を國庫補助を得て、施行中でございますが、全体的に計画し、恒久的の施行をするのでなければ本河川の維持は困難でありまして、民心の安定を欠くおそれがありますので、右実情調査の上に砂防指定河川に編入せられまして、一日も早く施行せられまするよう請願する次第であります。何とぞ御採択あらんことを希望いたします。
  26. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府意見を伺います。
  27. 大石博愛

    大石説明員 お答えいたします、右は昨年の水害に特にひどく荒廃いたしまして、その実情は縣からの報告がまいつておりましてよく承知いたしております。御請願の御趣旨通り、至急にこれを調査いたしまいて、実施計画を立とまして御要望に副いたいと考えております。     —————————————
  28. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一一、厚眞川上流ダム築設の請願三好竹勇紹介文書表番号第一七三号、紹介議員説明を求めます。三好竹勇君。
  29. 三好竹勇

    三好竹勇君 ただいま上程せられました請願趣旨を申し上げたいと思います。  この請願は、北海道勇拂郡厚眞村は二千余町歩水田がありまするが、この水田は本村を縱貫する厚眞川をただ一つの頼みとしておるのでありまするが、この厚眞川は、最近の森林の伐採あるいは未開地開発とともに、一時の出水量が急に増大して、その氾濫の被害は言語に絶しておる状態でありまして、またその反面平時においては、水量は年とともに減じておるようなありさまでありまして、あたら美田を荒廃に任せているという状態であります。ついてはこれを合理的に調整するために、この厚眞川の上流ダムを築設せられたいという請願でありまして、どうぞ本委員会において採択くださるようにお願いをいたします。
  30. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これに対する政府意見を伺います。
  31. 伊藤令二

    伊藤説明員 お答えいたします。厚眞川は北海道における川でありまして、下流耕地関係に重要な河川と存じておりますので、まだ十分の計画が立つておりませんが、御請願趣旨に副いますように、北海道廳とも連絡し、至急調査研究いたしまして努力いたしたいと存じます。
  32. 三好竹勇

    三好竹勇君 どうかこれは至急御調査になるようにお願いたしたいと思います。下流の方には改良工事が相当行われておるのですが、それがほとんど出水によつてただちにこわれるという状態でありまして、政府損失も大でありますから、とにかく上流ダムをつくるということは急速な問題でありますので、ぜひお願いをいたします。
  33. 村瀬宣親

    村瀬委員長 おはかりいたします。紹介議員の御出席がない請願につきましては、紹介議員に代りまして專門調査員紹介説明をさせることに御異議はございませんが。     〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
  34. 村瀬宣親

    村瀬委員長 それではさように取計らいます。     —————————————
  35. 村瀬宣親

  36. 田中義一

    田中專門調査員 簡單に代読いたします。本請願要旨は、群馬縣碓氷川は古來水害をもつて知られ、最近は山崩れ、地すべり等ため河底が隆起し、特に憂慮にたえないのは炭鉱の堀地が流域内に捨てせれて山のようになつており、一度大水となれば大惨状を呈することは明らかである、ついては該川に徹底した河川統制計画を樹立し、速やかに改修工事施行されたいというのである。
  37. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これに対する政府意見を伺います。
  38. 賀屋茂一

    賀屋説明員 お答えいたします。群馬縣碓氷川上流が非常に荒れておりまして、土砂が出て非常に河床が隆起し、荒れておるのであります。政府もこの川の改修は相当以前から計画いたしておるのでありますが、國庫財政都合でまだ実現に至つていないのであります。今後國庫財政の許す限り助成をいたしまして、改修工事施行を進めていきたいと考えております。     —————————————
  39. 村瀬宣親

  40. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、北海道斜里郡斜里村を貫流する斜里川の改修工事は、昭和十七年度より五箇年継続事業として着工されたが、鉄橋の資料等の関係で中止されている、ついては食糧増産と未開地の開発促進のため、速やかに本工事完成されたいというのである。
  41. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を伺います。
  42. 賀屋茂一

    賀屋説明員 北海道の斜里川は、二十二年度までは北海道廳におきまして拓殖計画のもとに改修工事をしておつたのであります。最近北海道の川は大体、この斜里川につきましても國庫助成の川に現在なつておるのでありまして、建設院が所管しておるわけでございます。この改修ももちろん必要と認めておるのでありますが、本年度におきましては、國庫財政都合でまだ助成というところになつていないのでございます。食糧事情の窮迫いたしております現在、斜里川の改修はぜひ必要だと考えておりますので、今後國庫財政の許します限り早急に助成をいたしまして、治水の完璧を期したいと考えております。     —————————————
  43. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第五、馬淵川改修工事施行請願苫米地義三君外二名紹介文書表番号第九二号、請願趣旨説明を求めます。田中專門調査員
  44. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、青森縣八戸市を貫流する馬淵川の治水改修工事は、昭和十二年内務省直轄工事として着手されたが、経済情勢の変化により工事半ばで中止され、これがため沿岸地域出水に際して多大の被害を受けたが、さらに八戸港の工事もこれがため進行を阻害されて國家運輸のため一大損失を來している、ついては速やかに本川改修工事施行されたいというのである。
  45. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を伺います。賀屋説明員
  46. 賀屋茂一

    賀屋説明員 馬淵川の改修は、昭和十二年かと思いますが、内務大臣直轄の改修工事として施行したものでございます。これは河口にございます八戸港並びにその附近の臨海工業地帯の造成ということに伴いまして改修が着工されたのでございます。これは実は河口は新たに新放水路を設けまして、洪水を放水によつて流下いたしますとともに、河口の八戸市及び臨海港を護るという考えであつたのであります。戰時中においては、北海道の石炭の移入の重要な荷揚げの港になつておりましたので、放水路の完成に力こぶを入れたのでありますが、実はいま一歩というところで完成しておらぬのであります。今からいたしますことは放水路の完成でございますが、これはまさにできかけたところでございますから、財政の許します限りここに重点を置きまして、短期間に完成したいと考えております。     —————————————
  47. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第六、綾川下流改修工事促進請願福田繁芳紹介文書表番号第一〇五号、議題に供します。請願趣旨説明を求めます。田中專門調査員
  48. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、香川縣綾川下流改修工事昭和十六年着工以來継続事業として工事中であるが、その結果を見ると必ずしも同川の特質に基く緊急度に既應したものとは思えないが、技術的見地がらその必要性あるものとして是認してきた。ついては一部の個人的受益等を考慮することなく、最も急施を要する加茂村地内の右岸と西庄町地内の左岸堤防を優先的に施工されたいというのである。
  49. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府意見を伺います。賀屋説明員
  50. 賀屋茂一

    賀屋説明員 香川縣の綾川は中小河川改良工事として、しかもこれは堰堤を築設する工事でございますので、戰時中実は遺憾ながら資材の関係で中止のやむなき状態なつておつたのであります。現在においても、工事用のセメントは相当多量でありますので、なかなか容易にはいらないのでありますが、昭和二十三年度においきましては、ただ堰堤とさらに河道の改修も一部ございますので、縣ともよく打合せをいたしまして、災害防止という意味においては遺憾のないようにいたしたいと考えております。
  51. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質問等ございませんか。     —————————————
  52. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第八、天神川改修工事促進請願庄司彦男君紹介、文書表番号第一一五号。請願趣旨説明を求めます。
  53. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、天神川は鳥取縣東伯郡一円にわたる河川で、その水源を中國山脈美作國境に発する重要河川であるが、その改修昭和十七年下半期に中途工事のまま休止となつている、しかるに同河川は非常な急流で、しばしば水害を起し、地方農民は日夜憂慮している状態であるから、速やかに本川改修工事完成されたいというのである。
  54. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する政府意見を伺います。
  55. 賀屋茂一

    賀屋説明員 お答えいたします。鳥取縣の天神川は直轄工事として改修いたしておつたのであります。また現にいたしておるのでありますが、戰時中國庫財政関係で、十分には行われていなかつたのでありまして、下流の方は大部分まだ残つておるという実情なのであります。政府におきましては、下流河川改修食糧増産その他に影響の重大であるということも特に承知しておるますので、國庫財政の許す限り、この方にも経費を向けまして、急速に完成をはかりたいと考えております。     —————————————
  56. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一三、大栗川砂防工事施行請願栗山長次郎紹介文書表番号第二〇四号。請願趣旨説明を求めます。
  57. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、東京都南多摩郡由木村を貫流する大栗川は、幅員狹小、かつ屈曲はなはだしく、河床の勾配が下調であるため出水の都度土砂を流下し、沿岸地域水田を埋沒している、ついては國庫補助を得て速やかに本川砂防工事施行されたいというのである。
  58. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府意見を伺います。
  59. 大石博愛

    大石説明員 お答えいたします。大栗川は、昭和二十一年十一月末の調査によりますと、砂防工事費といたしまして約一千二百万円を必要といたすことになつております。これの予算化に努めまして、予算の許す限り請願の御趣旨に副うよう工事の実施をはかりたいとお考えております。
  60. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質疑等はありませんか。——ちよつとお尋ねいたしますが、本請願のただいまの紹介説明に、國庫補助を得て速やかにということになつておりますが、この大栗川の砂防工事については、施行主体はどういうふうになつておりますか。
  61. 大石博愛

    大石説明員 これは東京都であります。東京都に対しまして國庫補助をいたすわけであります。     —————————————
  62. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一四、利根川治水工事施行請願関根久藏君外一名紹介文書表番号第二二五号。請願趣旨説明を求めます。
  63. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、利根川昭和二十二年九月の水害には、埼玉縣北埼玉郡東村地先約四百米の堤防が決壊し、沿岸地域に多大の被害を與えた、ついては昭和二十二年度より利根川本支流の根本的治水工事施行されたいというのである。
  64. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を伺います。
  65. 伊藤令二

    伊藤説明員 お答えいたします。利根川は昨年の九月に思いがけない大洪水が出まして、非常な水害を受けましたので、政府といたしましては、特に根本的な治水対策を立てるために、利根川治水対策調査会を設けまして、目下鋭意根本対策の調査研究中であります。速やかに根本対策を立てましてこれが急速実施をはかりたいと考えております。なお、昨年の大洪水に鑑みまして、その根本対策の立つ前に、緊急な應急対策は至急施行いたしまして、昨年のような洪水に対しても十分万全を期したいと考えております。
  66. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質疑等ございませんか。     —————————————
  67. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一五、飛騨川上流砂防工事施行請願岡村利右衞門紹介文書表番号第二四五号。請願趣旨説明を求めます。
  68. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、飛騨川上流部飛騨地区は地勢概して急で、支川に相当大きな崩壊箇所あり、且つ戰時中の濫伐のため、最近土砂の流出はなはだしく、耕地の埋沒、道路橋梁の流失、護岸破壊等、大なる被害を受けている、ついては國費を以て速やかに該川上流砂防工事施行されたいというのである。
  69. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を伺います。
  70. 大石博愛

    大石説明員 飛騨川流域砂防工事は、明治三十九年に着手いたしまして、爾來各支流にわたつて施行いたしておりますが、何分砂防予算の少いために今日まで十分な成果をあげ得なかつたことは非常に遺憾でございます。昭和二十一年十一月末の調査によりますと、この流域には今後約八億円の砂防工事費を必要とすることになつております。殊に最近の連年にわたる本川上流地方水害に鑑みましても、でき得る限りこの予算化に努めまして、請願の御趣旨に副いたいと考えております。     —————————————
  71. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一六、会津川及び芳養川砂防工事施行請願、早川崇紹介文書表番号第二五五号。請願趣旨説明を求めます。
  72. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、昭和二十二年七月の豪雨出水により、和歌山縣會津川、芳養川両河川の既設砂防が数十箇所にわたつて決壊し、多数の耕地及び橋梁の流失を見るに至り、今なお危險状態にある、ついては該両河川に対し砂防工事施行されたいというのである。
  73. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を求めます。
  74. 大石博愛

    大石説明員 お答えいたします。会津川砂防工事は、明治四十一年に着手いたしまして、大正十年まで、及び昭和三年、七年、八年、また昭和十五年からは十九年まで施行いたしました。また芳養川につきましても、昭和十五年度以來二十二年度まで継続いたしましたが、砂防予算の僅少のために、いずれも中断の形になつておるのは遺憾に存じます。殊に本地方は一昨年暮の南海の大地震に際しまして、新たな崩壊が起り、昨年の水害にはすでにその土砂下流に押し寄せるという被害が起つておりますので、これに対しましては、二十三年度はもちろん予算の許す限り工事を再開いたしたいと存じます。また本流域の全体計画に基きましてその予算化に努め、將來とも引続いて請願の御趣旨に副いたいと考えております。     —————————————
  75. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質疑等はございませんか。
  76. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一七、里川砂防工事施行請願梁井淳二紹介文書表番号第二六〇号、請願趣旨説明を求めます。
  77. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、佐賀縣西松浦郡東山代村を貫流する里川は、年々降雨に際して土砂が流下して河床に堆積し、沿紀地域に多大の被害を及ぼしているので、速やかに國庫補助を以て本川砂防工事施行されたいというのである。
  78. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を求めます。
  79. 大石博愛

    大石説明員 お答えいたします。里川の砂防工事につきましては、予算の僅少のために今日まで未だ着手しておりません。しかしこの川の砂防工事の必要性は十分に感じておりますので、二十三年度予算増額が認められれば着手いたしたいと考えまして、すでに設計も用意いたしております。本予算に盛りました予算の許す限り、請願の御趣旨に副いたいと考えております。     —————————————
  80. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は 日程第一八、石谷川砂防工事施行請願文書表番号第二六四号、 日程第一九、奥山川砂防工事促進の請願文書表番第二六七号、 日程第二〇、西川砂防工事促進請願文書表番号第二六八号、 紹介議員はいずれも多賀安郎君外六名、以上一括して議題に供します。請願趣旨説明を求めます。
  81. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、岡山縣和氣郡福河村を貫流する石谷川は、戰時中の松材伐採のため水源地は荒廃し、土砂の流下はなはだしく、このまま放置すれば本川は埋沒して沿岸地域被害は大である、ついては本川砂防工事施行されたいというのである。  次に奥山川について申し上げます。本請願要旨は、岡山縣和氣郡本莊村を貫流する奥山川は、山林濫伐のため土砂の流下、急激な出水、あるいは水源の枯渇等による災害発生し、これが対策として本川砂防堰堤工事施行し、第一、第二期工事完成したが、現在の設計では所期の目的を達することができない、ついては本川砂防工事を、積極的計画の下に國庫補助増額して速かに完成されたいというのである。  次に西川について申し上げます。本請願要旨は、岡山縣西川の砂防工事昭和二十二年に起工したが、工事費関係で一時中止となつているが、本川はその流域廣く、降雨に際しては排水に支障を來し、旱天に際しては用水に事欠き、耕地に多大の被害を及ぼしている、ついては速やかに本川砂防工事を継続施行されたいというのである。
  82. 村瀬宣親

    村瀬委員長 右三件に対する政府意見を伺います。
  83. 大石博愛

    大石説明員 お答えいたします。石谷川は昭和十四年に約三万二千円で砂防工事施行いたしました。次の奥山川につきましては昭和十四年、十五年、十九年、二十一年の四年間に約二十六万五千円をもつて砂防工事施行いたしております。西川につきましては昭和二十二年度に着工いたしまして、二十二年度は十五万円を投じております。この三川につきましては、砂防予算が少いために、あるいは中断し、あるいは工事費の少いため工事が進捗しないのははなはだ遺憾でありますが、これにつきましては極力予算の増大をはかりまして、いずれも工事の再開及び工事の継続をはかりたいと考えております。     —————————————
  84. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第二一、岡山縣における災害防除施設費並びに中小河川改修費國庫補助請願文書表番号第二七三号。日程第二二、岡山縣災害復旧費國庫補助増額請願文書表番号第二七四号、日程第二三、岡山縣昭和二十三年度砂防工事費國庫補増額請願文書表番号第二七六号を一括議題に供します。以上三件はいずれも多賀安郎君外六名の紹介であります。請願趣旨説明を求めます。
  85. 田中義一

    田中專門調査員 まず二七三号について申し上げます。本請願要旨は、近時災害の激増に鑑み、岡山縣における昭和二十三年度工事要望箇所災害防除施設事業並びに同年度における中小河川改修事業に対し、速やかに國庫補助をされたいというのである。  次に二七四号について申し上げます。本請願要旨は、岡山縣災害昭和二十年、二十一年、同年震災に引き続き二十二年の災害となり、連年災禍を受けており、これが復旧事業の急を要することは言をまたないが、これに対する國庫補助はきわめて僅少である、ついては速やかに災害復旧工事費國庫補助増額してその工事を実施されたいというのである。  次に二七六号について申し上げます。本請願要旨は、岡山縣は戰時及び戰後における山林の濫伐、開懇等により水源地帶荒廃し、一朝豪雨の際は土砂が流下して連年水害を受けている、又本縣は旱害の大なる縣でもあるので、水害防止並びに旱害対策として昭和二十三年度砂防工事費國庫補助を増額されたいというのである。
  86. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これに対する政府意見を伺います。
  87. 賀屋茂一

    賀屋説明員 第二七三号の災害防除施設費及び中小河川改修費國庫補助請願でありますが、災害防除施設水害防止軽減に甚大なる効果があるということは申すまでもありません。つきましては政府はこの事業には主力を注いでおるのでありますが、現在の國家財政状態では思うようにいつておりません。岡山縣につきましても、二十三年には千二百余万円の工費を投じてこの防除施設をいたしており、すでに着工いたしておりますが、縣の要望の半ばにも達せぬという実情であることは非常に遺憾に思つておりますが、今後國庫財政の許す限り、この方面には重点を注いで継続したいと考えております。なお中小河川につきましても、現在施行いたしておりまするものにつきましては、できる限り予算を配付しまして、短期に完成いたしたいと考えております。  次に災害復旧工事國庫補助でございますが、現在岡山縣災害復旧工事につきましては、大体昭和二十年から二十二年までの災害補助といたしまして、一億円余の國庫補助をしなければならない状態にあるのでありますが、今年度予算に計上される状態を見ましても、まず三分の一にも達しない國庫財政状態でございますので、要望に副いかねることはもちろんでございますが、政府といたしましては二十年あるいは二十一年、あるいは南海方面の震災、こういう方面の旧災害につきましては、まず速かに完成し、次に新らしい二十二年度災害にまわすというような方法をとる考えでございます。まず二十一年以前の古い災害はできる限り二十三年度中に完成したいと考えている次第であります。
  88. 大石博愛

    大石説明員 請願第二七六号、岡山縣昭和二十三年度砂防工事費國庫補増額請願についてお答えいたします。岡山縣はその大半が花崗岩地帶でありまして、その土砂崩壊、あるいは山崩れといつたものによりまして、年年被害を受けますと同時に、この花崗岩地帶特有の、旱魃に際しましては潅漑用水の不足を來たすという状態であります。砂防工事はその工事計画、あるいは施工のくふうによりましては、その両者をも滿足させることができるわけでありますが、今日まで予算が少いために思うように施行できなかつたのは遺憾であります。昭和二十三年度につきましては予算の認められる限り、同縣の國庫補助増額に対しては考慮いたしたいと考えております。
  89. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質疑等はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  90. 村瀬宣親

    村瀬委員長 日程第二四、砂川及び血吸川砂防工事施工請願文書表番号第二七八号、日程第二五、田羽根川砂防工事施行請願文書表番号第二七九号日程第二六、鳴谷川砂防工事施行請願文書表番号第二八〇号を一括議題に供します。以上三件はいずれも多賀安郎君外六名の紹介であります。請願趣旨説明を求めます。田中專門調査員
  91. 田中義一

    田中專門調査員 本請願要旨は、岡山縣吉備郡阿曽村を貫流する砂川及び血吸川は、土砂の流下多く、從來より砂防工事並びに災害復旧工流を施行していたが、戰爭のため中止され、加うるに山林の濫伐と開懇により益々土砂の流下多く、河床は隆起して出水し、その被害は大である、ついては速やかに該両川の砂防工事國費を以て施行されたいというのである。  次に第二七九号、本請願要旨は、岡山縣眞庭郡湯原町大字田羽根奧に源を発する田羽根川は、溪谷深く、出水時には激流となり、昭和九年及び昭和十六年には大なる被害を與えた、ついては重要資源の確保並びに生産物搬出等のため速やかに本川砂防工事施行されたいというのである。  次に第二八〇号、本請願要旨は、岡山縣吉備郡神在村西部に源を発する鳴谷川は、山林の濫伐と開懇のため土砂の流出多く、被害が大である、ついてはこれが対策として本川砂防工事を速やかに施行されたいというのである。
  92. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これに対する政府意見を求めます。
  93. 大石博愛

    大石説明員 お答えいたします。この三件につきまして一括して答弁させていただきます。砂川は昭和七年、八年、同十四年から十六年までの間に約九万三千円をもつて砂防工事施行いたしました。次に血吸川につきましては昭和七年及び昭和十七年、この二年に約三万円を投じております。田羽根川につきましては昭和十年、昭和十五年に約二万円を投じております。鳴谷川は予算が少いためにこれが着工をしておりません。  この四川につきましては最近の荒廃状況からいたしまして、特に地元及び縣からも要望があり、すでに二十三年度予定に入れまして、実施設計もつくつておりますが、本予算が確定いたした上は、予算が許す限りこの着工を考えまして、御要望に副いたいと考えております。     —————————————
  94. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第二七、長屋川砂防工事施行請願文書表番号第二八一号、日程第二八、植杉川及び山乘川砂防工事施行請願文書表番号第二八二号、日程第二九、日本川及び余川砂防工事施行請願文書表番号第二八三号、日程第三〇、黒田川砂防工事施行請願文書表番号第二八四号を一括議題に供します。以上四件はいずれも多賀安郎君外六名の紹介であります。請願趣旨説明を求めます。田中專門調査員
  95. 田中義一

    田中專門調査員 第二八一号、本請願要旨は、岡山縣川上郡富家村地内を流れる長屋川は、昭和二十二年八月の豪雨に沿岸地域に多大の被害を與えたが、以來決壊続出して交通上極めて不便であり、被害もますます増大する危險がある、ついては速やかに本川砂防工事施行されたいというのである。  第二八二号、本請願要旨は、岡山縣眞庭郡中和村大字下和字一の茅奥に源を発する植杉川及び同部落北方に源を発する山乘川の両川は、渓谷が深く、出水時には激流となり、昭和九年には全域を決壞し、昭和十六年の水害に更に決壞地域を拡大し、食糧生産及び物資の輸送に多大の支障を來している、ついては速やかに両川の砂防工事施行されたいというのである。  第二八三号、本請願要旨は、岡山縣眞庭郡美和村で合流する日本川及び余川は、戰時中の濫伐と土砂流出のため出水期において沿岸地域に大なる被害を及ぼしている、ついては速やかに該両川に砂防工事施行されたいというのである。  第二八四号、本請願要旨は、岡山縣眞庭郡美川村大字栗原字坂本不動寺を貫流する備中川支流黒谷川は、急流の小河川で、上流の山林は濫伐のため降雨の都度土砂の流出多く、沿岸耕地に多大の被害を與えている、しかるに本川砂防工事昭和十六年に基礎工事完成しただけで中止されている、ついては本川砂防工事を速やかに施行されたいというのである。
  96. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これらに対する政府意見を求めます。
  97. 大石博愛

    大石説明員 四件一括お答えいたします。このうち山乘川は昭和十年に約一万五千円、黒谷川は昭和二十二年に十八万円を投じまして、これは継続施行中であります。その他の河川につきましては予算の少いために未だ着工の運びに至つておりませんのは遺憾に存ずる次第であります。これらにつきましてはいずれも調査いたしまして計画もありますし、ただ山乘川は目下調査中でありますが、それらをできるだけ予算化に努めまして、御要望にこたえたいと存じております。そのうち長屋川と黒谷川につきましては、これは二十三年度工事を実施したいと存じまして実施設計はすべに了しております。予算の許す限りこれらの実施をはかりたいと考えております。
  98. 村瀬宣親

    村瀬委員長 御質疑、御質問等ございませんか。  日程第四は都合によりまして次会に延期いたします。  本日はこの程度に止め、次会は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。     午後零時三分散会