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1948-05-28 第2回国会 衆議院 国土計画委員会請願小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員昭和二十三年五月二十二日(土曜日) 委員長指名で次の通り選任された。       鈴木 明良君    原  孝吉君       高田 弥市君    池谷 信一君       山本 幸一君    橋本 金一君       村瀬 宣親君    野本 品吉君       大瀧亀代司君     ————————————— 会 議 昭和二十三年五月二十八日(金曜日)     午後一時三十五分開議  出席小委員    小委員長 村瀬 宣親君       原  孝吉君    高田 弥市君       池谷 信一君    山本 幸一君       橋本 金一君    大瀧亀代司君  出席政府委員         総理廳技官   目黒 清雄君  小委員外出席者         國土計画委員長 中島 茂喜君         同  委  員 野原 正勝君         同  委  員 内海 安吉君         議     員 小平 久雄君         議     員 門司  亮君         議     員 田中 久雄君         議     員 木下  榮君         議     員 石田 博英君         議     員 三好 竹勇君         総理廳事務官  賀屋 茂一君         総理廳技官   山本 三郎君         総理廳技官   大石 博愛君     ————————————— 五月二十二日村瀬宣親君が委員長指名で小委員 長に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件    請 願  一 木俣砂防工事施行請願小平久雄君外    一名紹介)(第六号)  二 藤川砂防工事施行請願小平久雄君外一    名紹介)(第七号)  三 大谷川砂防工事施行請願小平久雄君外    一名紹介)(第八号)  四 鶴見川改修工事施行請願門司亮紹介    )(第一三号)  五 関東地方水害復旧費國庫補助請願(田口    助太郎君外二名紹介)(第一四号)  六 碓氷川改修工事施行請願中曽根康弘君    紹介)(第三八号)  七 鈴鹿川上流改修工事施行請願田中久雄    君紹介)(第四五号)  八 大津茂改修工事促進請願木下榮君外    一名紹介)(第五四号)  九 君ケ野川砂防工事施行請願村上清治君    紹介)(第五七号) 一〇 斜里川改修工事施行請願永井勝次郎君    外一名紹介)(第七二号) 一一 米代川下流改修工事施行請願石田博英    君紹介)(第七九号) 一二 茨城縣災害復旧費國庫補助請願原彪    君紹介)(第八九号) 一三 馬淵川改修工事施行請願苫米地義三君    外二名紹介)(第九二号) 一四 利根、渡良瀬、思川三河川改修工事施行    の請願石田博英紹介)(第一〇四号) 一五 綾川下流改修工事促進請願福田繁芳君    紹介)(第一〇五号) 一六 島田川上流改修工事施行請願守田道輔    君紹介)(第一一二号) 一七 天神川改修工事促進請願庄司彦男君紹    介)(第一一五号) 一八 佐波川改修工事促進請願守田道輔君紹    介)(第一二四号) 一九 岩崎砂防工事施行請願野原正勝君外    一名紹介)(第一三二号) 二〇 大里郡東部の利根川堤防補強工事施行その    他に関する請願馬場秀夫紹介)(第一    三三号) 二一 厚眞川改修工事継続施行請願三好竹勇    君紹介)(第一七一号) 二二 入鹿別川河口切替工事施行請願三好竹    勇君紹介)(第一七二号) 二三 厚眞川上流にダム築設の請願三好竹勇君    紹介)(第一七三号) 二四 尾田川改修工事継続請願梅林時雄君紹    介)(第一八一号) 二五 二股川改修工事施行請願内海安吉君紹    介)(第一九二号) 二六 川口川砂防工事施行請願栗山長次郎君    紹介)(第二〇〇号) 二七 谷地川砂防工事施行請願栗山長次郎君    紹介)(第二〇三号)     —————————————
  2. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これより会議を開きます。  議題に入ります前に一言御挨拶を申し上げます。このたび國土計画常任委員会請願小委員会が設置せられまして、不肖私がその小委員長に御指名をこうむりましたことは、衷心より感激をいたしておる次第であります、もとより経驗に乏しく、会議先例等も詳しく弁えておりませんので、委員各位の特別の御支援と御協力を仰いで、大過なきを期したいと存じております。どうかよろしくお願い申し上げます。  まず小委員会請願審査につきましては、本委員会は他の委員会と異なり、付託件数も莫大なものであります。從いましてその審査も事務的にも非常に煩雜となり、おのずから審査が粗漏となるおそれがあります。この小委員会はその日の日程はその日に審査を終るという建前から、紹介議員がお見えになつておらない場合は、專門調査員に代行して説明をするようにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 村瀬宣親

    村瀬委員長 それではそのように取計らいます。  本日は公報に掲載いたしました請願二十七件を審議するのでありますが、これにつきましてお諮りいたします。紹介議員もしくは專門調査員説明をいたしまして、これに対する政府意見を伺う程度にいたしまして、その議決は審議の愼重を期する意味合いにおきまして保留いたしまして、他日一括して決定することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 村瀬宣親

    村瀬委員長 それではそのように取計らいをいたします。なお日程順序便宜変更をいたしまして、紹介議員説明に移りたいと思います。  日程順序を変更いたしまして日程第二五、二股川改修工事施行請願内海安吉紹介文書表番号第一九二号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。内海安吉君。
  5. 内海安吉

    内海委員 宮城縣登米郡米谷町錦織村、米川村の中央を貫流する二股川堤防は、雪解け期を控えて改修の緊急を要するものがありますが、本川北上川改修工事に含まれておらなかつたため、昨年の大水害には堤防平均冠水五尺に達した。これは北上川と同時に改修されるはずであつたのでありますが、切り離されまして、未だその工事は行われておらなかつたのであります。昨年の水害にあたりまして、当國土委員会よりもこれが被害の実際を調べるために参つたのでありましたが、当時におきましても、國会に対してこの請願が出ておるのであります。政府当局におかれましても、この問題に対しては急速にお取上げになつて、ぜひともその希望を滿してやりたいという御意見があつたのでありまして、おそらく御計画はできておることと思いますが、速やかにこの問題を取上げて、でき得るならば二十三年度予算に計上していただいて、そうして本工事を急速に施行してもらいたいというのが本請願要旨であります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
  6. 村瀬宣親

    村瀬委員長 これに対する政府側意見を求めます。
  7. 賀屋茂一

    賀屋説明員 二股川の昨年の災害は、ただいま紹介がございましたように、非常に被害が甚大でございましたので、これが復旧につきましては、政府はただちに現地に調査員を派遣しまして、復旧設計を樹立して、現に工事にとりかからしておるのであります。なお二股川につきまして、災害復旧のみでは再び災害をこうむらぬという完全な工事ができませんので、さらに災害助成工事として、災害復旧工事助成費をつぎ足しまして、一定計画に基く施行をする計画でありまして、予算にも要求いたしておりますし、さらに暫定予算からすでに補助予算の配付を実施しつつあるところでございます。
  8. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する御質疑はございませんか。     —————————————
  9. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程、第一九、岩崎砂防工事施行請願野原正勝君外一名紹介文書表番号第一三二号を議題といたします。紹介議員説明を求めます。野原正勝君。
  10. 野原正勝

    野原委員 岩崎川は北上川の一支流でありまして、岩手縣穀倉地帶である紫波郡の中央部を流れている川であります。これは煙山村の奥から流れて、この穀倉地帶を貫流しておるのでありますが、非常に急流でありまして、これが年々決壊いたしまして、非常な災害を及ぼしておつたのでありますが、たまたま昨年の東北地方の三次にわたる大水害によりまして、この川は非常な暴威を振いまして、この附近田畑を流失する、土砂は決壊する、惨たんたる状態を呈しました。昨年の被害の総額は、最小限度に見積りましても——関係町村は、岩崎川下流も合わせて、煙山村ほか四箇村になつておりますけれども、最小限度一千万以上の損害を昨年だけで受けておるのであります。この災害復旧につきましては、縣でも非常に心配されまして、下流地帶用排水工事とか、そういつたものの被害につきましては、いろいろと耕地課等復旧に当つておるようでありますが、問題は水田地帶よりもつと奥の、上流部砂防をやらなければ、とうていこれらの被害は食い止めることはできない。この根本問題を今まで軽く見ておつたところに今回の大災害が発生したのであります。その見地から見ましても、どうしても根本的な治水対策をやらなければならぬというので、この請願なつて現われたわけであります。この砂防の仕事は非常に急を要するのでありまして、できればただちに始めていただきたい、実はこのことに対しましては、参議院の國土委員長をやつている赤木先生がよくごらんになつて、私もよく状況を見たのであります。非常に工事を急ぐような状況でございますので、ぜひともこれに対しましては、予算その他の処置を講じまして、すぐに着工していただくように、特段の御配慮を願いたいと思うのであります。今年これをやりませんことには、すでに作付のできない地帶も相当ございますし、また昨年のような被害を繰返す結果となりますので、その点を御考慮の上、この請願に対しまして特段の御配慮を願いたい。特にこの御採択あらんことをお願いいたします。
  11. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府側意見を求めます。
  12. 大石博愛

    大石説明員 岩崎川につきましては、昨年の災害以前にすでにその必要性を認めまして調査いたしました、二十二年一月の調査によりますと、七百万円の工事費を必要とするようになつております。ただいまも御要望がありましたように、本年度予算にはもちろん要求しております。増額を認められ次第本工事に着手したいと考えております。
  13. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。     —————————————
  14. 村瀬宣親

  15. 田中久雄

    田中久雄君 これは鈴鹿山脈のふもとにあります五つの川の上流が非常に危險に瀕しておりまして、鈴鹿山脈が古成層岩崩壊期にきておりまして、冬の間にどんどんこれが崩れていく、それが一度雨が降りますと、非常な勢いで、水が三分に砂、石が七分、こういうもので流れてまいりまして、川を埋めておる。すでにその一つであります鍋川の上流鈴鹿郡椿村の山本部落のごときは、堤防が埋沒しまして、普通の川なら約五メートルくらいですむ細い川でありますが、それが森林を倒し畑を埋み、幅約百メートルから二百メートルくらいの荒地になつております。一雨降るごとにこれがどんどん殖えてきまして、その水が川を流れずに一般田畑に流れまして、一雨降るたびごとに非常な被害をもたらしておるのであります。またそのほかの詳しいことは別に出してありますが、ほかの川も全部どんどん毎年二間三間と食いこんできまして、そのために降雨期になりますと、山が三間五間と崩れてきまして、橋を落すとか、あるいはその土砂が下へきた鈴鹿川の本流の堤拓を破る危險性がありまして、すでに鈴鹿川昭和十三年大水害があつて、約四里四方が埋沒に近い被害を受けておる。こういうところで、上の方の砂防工事に徹底した対策を立てなければならぬことになつております。内務省直轄工事として現に調査もし、一部は継続事業として取上げられておるのでありますけれども、これは非常に急を要しまして、早くやらなければなおこの水害が廣く及び、今人畜に非常な危險を感じてきておるわけであります。堤防がなくなつて一般住民の屋根の高さのところが川になつてしまつておるというのは、ほかにもあるかもしれませんが、日本で二つしかないという話でありまして、こういう非常に危險状態でありますので、建設院においても非常に熱意をもつて調査研究中でありますが、衆議院においてぜひともこれを取上げて、できるだけ砂防工事完成をしていただきたいと思います。
  16. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府所見を伺います。
  17. 大石博愛

    大石説明員 ただいまも話のありましたように、鈴鹿川の荒廃しましたのは、今日のみでなくずつと昔からの問題でありまして、その必要性を認め、砂防工事は明治四十一年に着手いたしまして、二十二年度までに約百三十万円の工事費を投じております。またその工事重要性に鑑みまして、昭和十九年度よりこれを國直轄工事に移しまして、主として中流部砂防してまいつております。この工費は今日まで約八十万円を投じております。しかし現状から見まして、この予算はいわゆる焼石に水の程度でございまして、工事進捗しておりませんのははなはだ遺憾でございますが、二十三年度ももちろんできるだけこの鈴鹿川には予算をまわしまして——しかも予算の割合に工事量を増すために、この川には特に機械力を用いまして工事進捗をはかる、こういうことを考えまして、鍋川も着手し、現に着々実施しております。これの今後の計画につきましては、調査もございますので、それらもできるだけ予算化に副まして御趣旨に添いたいと考えております。
  18. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する御質疑等はありませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  19. 村瀬宣親

  20. 門司亮

    門司亮君 鶴見川請願に対しこの請願趣旨を御説明申し上げます。  同河川京浜間の中央にありまして、從來しばしば水害のあつて河川で、地元におきましては昭和八年十二月以來鶴見川水害予防組合というものを設置いたしまして、昨年は二、三十万円の予算をもちまして、この水害予防のためにあらゆる努力を続けてまいつているのであります。そうしてさらに昭和十三年におきましては、六月二十九日と記憶しておりますが、当時の雨量は大体二百五十ミリくらいの雨量であつたのでございますが、そのために侵水いたしました田畑の面積は、大体四千八百ヘクタールというような数字に上り、工場水害は二十六工場に及んでおりますのと、罹災者十六万人を出しているのであります。のみならず、これが京浜間の河川でありますことのために、当時東海道線を初めとして、私鉄交通の杜絶が、東海道線においてまる三日、さらに私鉄の杜絶いたしましたことは十日間に及んでおりまして、この間の京浜間の交通状態は非常に大きな混乱に陷つたのであります。從いまして、内務省におきましては昭和十三年に、これはもともと國庫河川でありましたために、これの改修計画を立てまして、十箇年の継続予算をもつてこれが改修をなす予定を立てられたのであります。しかしてそれの完成期日は、すでに本年度なつているのでございますが、その間のいろいろな事情より——事情と申しましても、これが重要な河川であるということのために、殊に工業地帶に非常に大きな影響を及ぼすので、戰時中におきましてもその工事は中断されることなくこれが継続されてまいつてつたような次第であります。しかしながら物價高騰につれまして、事業費が非常の僅小になつてまいつたことのために、予定計画が遂行することができ得ないような実情に到達いたしておりますので、この点特に改修工事が速やかに完成されますことが大体請願趣旨であります。  なお附加えて申し上げておきますが、この河川は普通の河川とその趣を異にしておりまして、河川区域が非常に大きく陷沒しておつて、そのために從來河川そのままでありますならば、年々数百戸ないし数千戸の浸水家屋を雨期には必ず出しているのであります。從いまして、地元沿岸といたしましては、これの一日も速やかに改修せられることをきわめて強く要望申し上げているような次第であります。この辺も何とぞ十分お聽きとりくださいまして、速やかに同工事施行されますことを、地元としては非常に要望申し上げているような次第であります。以上請願趣旨並びに要旨を申し上げた次第であります。
  21. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する政府意見を求めます。山本説明員
  22. 山本三郎

    山本説明員 お答えいたします。鶴見川に関しましては、ただいま御紹介がありましたごとく、最近昭和十三年度におきまして非常な出水を見まして、そのために沿岸耕地、人家の浸水はもちろんのこと、東海道本線その他私鉄方面を不通にいたしまして非常な災害を惹起いたしたのであります。從いまして、昭和十三年度より國直轄改修工事に着手したのでございますが、その後不幸にして戰爭が勃発しまして、ただいまの御紹介にありました通り、すでに竣工年度もまいつているのでありますが、予算資材関係から、今日までその竣工を見るに至つておらないのはまことに遺憾と存ずる次第であります。ただいまの施行状況としましては、下流部の川中の底ざらい上流築堤工事を行つているのでありますが、お話にもありました通り工事費が思う通りにいかないで、思つた通り進捗を來しておりません。しかし政府といたしましては、この川が食糧増産また附近工場生産力の増強のためにも、速やかに改修をしなければならぬということは認めている次第でありまして、改修費増額をはかりまして、速やかに完成したいと考えている次第であります。
  23. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。     —————————————
  24. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一一、木俣砂防工事施行請願小平久雄君外一名紹介文書表番号第六号、並びに日程第二、藤川砂防工事施行請願小平久雄君外一名紹介文書表番号第七号、日程第三、大谷川砂防工事施行請願小平久雄君外一名紹介文書表番号第八号を一括議題といたします。紹介員説明を求めます。
  25. 小平久雄

    小平久雄君 木俣川は栃木縣那須郡高林村地内を流れる川でありまして、那珂川の支川をなしております。本川の源は那須連山にあるのでありますが、沿岸岩質が非常に弱く、洪水のあるたびごと惨害が多いのでありまして、ここに鑑みまして縣におきましても、昭和十六年以來調査を進めまして、これが砂防工事に着手の予定でございましたが、戰時下におきまして遂にこれを見送つてつたような次第でございます。この本川の流域はいわゆる那須の原の中にありまして最も耕作に適した土地でもございますし、また近來は引揚者あるいは戰災者等の入植も逐次行われておりますので、これらと相関するところも非常に多い関係もございまして、ぜひともこれが即急なる砂防工事施行を希望いたしている次第であります。  次に藤川栃木縣の下都賀郡皆川村地内を流れまして渡良瀬川と通ずる川でございます。本河川はただいま申しました通り皆川村地内を貫流いたしているのでありますが、実にこの本川によりまして当村の水田が五十以%上はその灌漑をいたしているような次第でございまして、地元といたしましては非常に重要な河川なのでありますが、屈曲が非常に多いために、洪水たびごと相当耕地を荒らしているのであります。本川につきましては、昭和十九年以來内務当局並びに縣におきまして、着々砂防工事に着手してきたのでありますが、何分諸物價高騰等によりまして、予算僅少のために思うように工事進捗しないでいるのであります。つきましてはこの際予算の増加を願いまして、即連に工事完成をお願いいたしたいというのが地元民の要望なのでございます。  さらに大谷川は御承知のごとく鬼怒川に注ぐのでありますが、なかんずく本河川のうち、日光町及び今市町の間は非常に荒れておりまして、両岸の農耕地等相当損壤をいたしているのであります。本工事施行いたしてもらいますならば、日光町あるいは今市地内等におきまして百六十町歩内外耕地も得られる見込みなのでありまして、特に食糧の不足いたしております日光町あるいは今市町等の食糧事情に鑑みましても、これが速急なる施行を熱望している次第であります。またたまたま該区間におきまして宇都宮上水道取入れ等もございます関係上、前年これが修復に相当多額の経費を要しているという関係もございますので、本請願日光町、今市町及び宇都宮市これら三者の代表者から提出されているような次第であります。何とぞ以上三件につきまして愼重審議の上、御採択あらんことを切願する次第であります。
  26. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府意見を伺います。
  27. 大石博愛

    大石説明員 お答えいたします。木俣川ほか二河川のうち既住工事費また今後の計画工事費は、お手もとに差上げました表についてごらん願いたいと思います。このうちただいまもお話のありました木俣川は、既往の計画でありながら、今日まで砂防工事に着手いたしておりませんことは、工事費の少いためでありまして、はなはだ遺憾に存じます。藤川大谷川につきましても、工事を継続しておるとは言いますけれども、やはり予算僅少のため工事が遅々として進まないのも遺憾に存ずる次第であります。これらにつきましても今後予算増額努力いたしまして、御趣意に副いたいと考えます。特に大谷川につきまして、先ほどお話日光町と今市町との間の左岸の荒蕪地につきましては、昨年の秋からこれをいかに取扱うか、これを日光町及び今市町の御要望に副うためには、いかなる方法でやつたらよいか具体的研究を進めております。この計画のまとまり次第、予算増額努力と相まちまして、工事に着手いたしたいと考えております。
  28. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する御質疑等はありませんか。     —————————————
  29. 村瀬宣親

  30. 石田博英

    石田博英君 御審議を願います米代川ッ井荷上場地域改修請願でございますが、これに関連して特にお願い申し上げたいことは、米代川全体の改修護岸工事を一日も早く達成していただきたいということであります。御承知のごとく東北河川は、全体といたしましていまだ政治の手が全然伸びておりませんので、いわゆる原始河川のままに取り残されておる所が多いのでありますが、なかんずく米代川はその形が最もはなはだしい所でありまして、昨年七月、八月、九月と三たび襲いました大水害のために、さらにはなはだしく、その惨害まことに目をおおわしむるものがあつたのであります。特に先般來米代川直轄工事区域延長の件が大体決定されておるように承つておるのでありまするが、その予算額並びにその工事施行計画等につきましても、できるだけ速やかにかつ徹底的におやり願わないと、あの地域はほとんど米の單作地帶でありまして、昭和二十三年度以降の主食の生産にもきわめて甚大な影響があるようにも思われるのであります。この請願に出しております二ツ井荷上場地域は、あの附近におきまする木材の集散地でありまして、きわめて將來性のある所であります。今日近在十数箇村から営林署の軌道が集まつておるところでありますので、ことさらこの地域護岸工事促進方をお願い申し上げておる次第でございます。何とぞ愼重審議の上御採択あらんことをお願い申し上げます。
  31. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府所見を伺います。山本説明員
  32. 山本三郎

    山本説明員 お答えいたします。米代川につきましては昨年の七、八、九月の三回の水害によりまして激甚なる被害を受けております。当河川下流部につきましては、すでに直轄工事に着手いたしまして、その三割程度が竣功いたしております。しかしまだまだその効果を完全に発揮する段取になつておりません。ここにございます二ツ井、荷上場等も含めます上流部につきましては、まだ改修工事の手が伸びておりません。從いまして昨年の災害はその地区を中心といたしまして、ほとんど堤防の原形を留めないような惨害を受けております。これにつきましては、災害復旧工事につきましても相当程度の費用を計上されておりまして、着々その復旧努力をいたしておるのでありますが、進んでその改良工事を併せて実行しなければならないと考えておりまして、さきの御紹介にありました通り、本年度予算においては相当の増額を考えておりまして、それと同時に区域上流に延長いたしまして、二ツ井、荷上場の町村から大館の上流にわたつて至急に改修工事施行しなければならぬと考えております。未だ本年度の本予算も決定いたしませんので、いくらの金を投じ得るかということははつきり申し上げられない実情にありますが、できるだけ多くの工事費を計上して、早急その完成努力いたしたいと考えております。
  33. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する御質疑はありませんか。     —————————————
  34. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程二一、厚眞川改修工事継続施行請願。文書表第一七一号。紹介議員三好竹勇君。
  35. 三好竹勇

    三好竹勇君 本請願要旨は北海道厚眞村を貫流する厚眞川は、連年降雨期における氾濫被害がまことに甚大なのでありまして、昭和十一年度より改修工事施行に着手いたしましたが、戰後の悪條件のため継続工事が未完成関係から、下流の大半は一朝降雨によりまして、道路、橋梁その他莫大なる被害でありまして、本工事完成の一日も早からんことを熱望しておるのでありますが、万一工事中止となりますならば、下流住民の不安困憊は言をまたず、なお緊急開発國策の促進等の事情も御賢察の上、急速に継続改修工事完成を期せられたいというのでありまして、何とぞ採択あらんことをお願いする次第であります。
  36. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する政府意見はございませんか。
  37. 山本三郎

    山本説明員 お答えいたします。厚眞川につきましては、ただいまの御紹介にありました通り、最近の状況はその改修工事完成をいたしませんために非常に氾濫いたしまして、道路、橋梁その他耕地に及ぼす被害が相当な額に上つております。本河川昭和十一年度より改修工事に着手いたしたのでありますが、戰時中の條件の悪いために、その改修工事完成するに至つておりません。本河川耕地その他交通機関に及ぼす影響並びに開発面にも相当に重大なる関係をもつております。從いまして政府といたしましては速やかに完成するために、工事費増額いたしまして早急にその効果を発揮したいと考えておるのであります。
  38. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する御質疑等はありませんか。     —————————————
  39. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程二二入鹿別川河口切替工事施行請願、文書表第一七二号、紹介議員三好竹勇君。紹介議員説明を求めます。
  40. 三好竹勇

    三好竹勇君 本請願要旨を述べたいと思います。本川は現在その支流及び排水溝より流出する土砂のため河床が隆起して、水田より一メートルも盛土したようになりまして、出水時には沿岸耕作地に多大の被害を與えておるのであります。しかるに昨年七月調査せられたところによると、本河口の落差は二メートル弱でありまして、切替延長およそ一キロ半でその領目を一新することができることがわかつたのであります。ついては本川河口の切替工事を速やかに施行せられたいというのでありまして、何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
  41. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を伺います。
  42. 山本三郎

    山本説明員 入鹿別川の河口の切替工事につきましては、その現状より考えまして、最も有望なる仕事であると政府においても考えておるわけでありますが、その方法、そのでき上つた後の維持という方面などを十分調査檢討いたしまして、國庫財政の許す範囲において速やかに実現をしたいと考えておる次第であります。     —————————————
  43. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程二六川口川砂防工事施行請願、文書表第二〇〇号、紹介議員栗山長次郎君並びに日程二七谷地川砂防工事施行請願、文書表第二〇三号、紹介議員栗山長次郎君。右二案を一括議題といたします。紹介議員説明を求めます。
  44. 内海安吉

    内海委員 私より御説明申上げます。東京都南多摩郡川口村の中央部を東西に貫流する川口川の砂防工事につきましては、今日までの水害状況よりいたしまして、政府当局の認めるところとなりまして、昭和十四年度より都單独予算にて、昭和十八年度よりは國庫補助により砂防工事施行を見たのでありますが、本年度も引続き工事施行したいから、ぜひとも砂防工事について相当額の國庫補助を要望したいというのが川口川の問題なのであります。  次に東京都南多摩郡加住村を東西に貫流する谷地川の砂防工事でありますが、これも昭和二十二年度において一部砂防工事施行を見て、地元民が非常に感謝しておるのでありますが、本年度におきましても砂防工事費を増加していただいて、速やかにこの事業の完璧を期せられたいというのが請願要旨なのであります。何とぞ御採択あらんことをお願いいたします。
  45. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を伺います。
  46. 大石博愛

    大石説明員 お答えいたします。ただいまお話のありました川口川、谷地川につきまして、川口川はお話通り昭和十八年度より國庫補助、谷地川は昨年度、すなわち二十二年度から工事にかかつております。いずれも荒廃状況工事の急施を要するところばかりでございまして、二十三年度ももちろん工事継続の予定にしております。できるだけ予算増額を考えて工事進捗をはかりたいと考えております。     —————————————
  47. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第一四、利根、渡良瀬、思川三河川改修工事施行請願石田博英紹介文書表番号第一〇四号を議題に供します。請願説明を求めます。小平久雄君。
  48. 小平久雄

    小平久雄君 利根川、渡良瀬川及び思川、この三河川の昨年の出水の状況については、皆さんすでに御承知通りと存じます。つきましてはこの三河川の流域に存じます町村長が先に立つて、今般利根、渡良瀬、思川治水期成連盟を組織して、これら三河川堤防工事その他の河川工事についてその目的達成を期している次第であります。本請願も期成連盟の請願でございまして、その願うところは、既築堤に対しては現在よりもおよそ二メートルの嵩置工事をしていただきたいということ。なお思川左岸の栃木縣下都賀郡野木村の無堤塘地帶に対しては、新たに堤塘を新設していただきたい。この二つであります。特に野木村地先の無堤塘地帶においては、昨年度の出水の際もここから河水が逆流して、栃木縣野木村地内及び茨城縣鹿島郡一帶にかけて非常な出水を見たのであります。なお御承知のごとく、この水は國道四号線。つまり奥州街道を押し流して、当時においては東京への陸路もはばまれたというような状況にございますので、特にこの無堤塘地内については、これが堤塘の新設をぜひともお願いしたいのであります。以上が請願の本旨でございます。何とぞよろしくお願いします。
  49. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を伺います。
  50. 山本三郎

    山本説明員 お答えいたします。渡良瀬川及び思川を含めた利根川水系の昨年の災害はまことに激甚でありまして、これに対してはその災害箇所の復旧努力する工事とともに、根本対策樹立のために、政府としては目下愼重に檢討中でありまして、それとともに應急を要する部分については、先ほど御紹介にあつた通り堤防の即時蒿上及び思川、野木村の地元についても、その浸水のために廣大なる耕地、また四号國道の不通になるという事実も認めて、その計画を愼重に檢討を進めております。應急を要する堤防の蒿上については、すでにその一部も着手しておるわけでありますが、厖大なる予算を必要といたしますので、その予算化努力するとともに、地元民各位の人心を安定するために、速やかにその工事施行して、昨年のごとき災害を再び繰返さないように、政府としては渾心の努力を拂つている次第であります。
  51. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本請願に対する御質疑等はありませんか。
  52. 小平久雄

    小平久雄君 ただいま御親切なる御答弁をいただきまして感謝にたえないのでありますが、このうち特に野木村地内の無堤塘地域につきまして、やはり御計画をお進めになつておるようでありまするが、現在お進めの計画中には、大体堤塘をおつくりになる計界でございましようが、この点ちよつとお伺いいたしたいと思います。
  53. 山本三郎

    山本説明員 これは四号國道のすぐ脇に堤防をつくるか、あるいは洪水地域の廣いところがありまして、その前に堤防をもつていくか、この一つの点がありまして、これはもちろん堤防をつくらなければならぬことは事実でありまするが、その位置につきましての問題がちよつと残つておるのでありまして、その点を考究しております。     —————————————
  54. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第八大津茂改修工事施行請願木下榮君ほか一名紹介文書表番号第五四号、紹介議員の御説明を求めます。木下榮君。
  55. 木下榮

    木下榮君 從來災害防除工事として施行せられておりまする大津茂川を中小河川に編入の上、同川の改修工事を急速に進めていただきたいというのが請願要旨であります。兵庫縣におきましても、殊に西幡地方は道路河川改修工事が他に比較して著しく遅れておるのでありますが、殊にこの大津茂川は、その源を担保郡伊勢村大堤に発しまして、太市、龍田、太田の諸村、姫路市、勝原区を経て姫路市網干区と大津区との中央を貫流して播磨灘に注いでおりますが、この延長約二十キロ流域面積四十二平方キロ、関係耕地千五百余町歩に及ぶ廣大な地域を有しておるにもかかわらず、從來川幅平地部におきまして僅かに七メートル程度の狹少なものでありまして、かつ原始河川の常として屈曲著しく、しかもはなはだ不正規でありまして、堤防の見るべき箇所ほとんどなしという現状でありますので、僅かの降雨にもただちに氾濫を來たして、附近一帶一面の泥海と化し、あるいは家屋に浸水し、市内、國縣道の交通を杜絶し、農作物に多大の損害を與えるのみならず、その水害はほとんど毎年数回に及びまして、兒童の通学にも障る。こういうような状況でございますから、非常に國事多端の折柄でありますが、何とかこの改修を早く実現していただきたい。これが陳情の趣旨であります。
  56. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府所見を伺います。
  57. 山本三郎

    山本説明員 お答えいたします。大津茂川はお話にもありました通り、原初的河川の常として年々災害を受けておるのであります。この川については昭和十八年度以降におきまして災害防除工事を一部実施したのでありますが、なお上流部分につきましては、ほとんど手を下されておりません。從いましてその改修工事を速やかに施行しなければならない情勢であります。政府といたしては、速やかに調査を行いまして、その計画の樹立を待つとともに、予算の獲得に努めまして、速やかにその改良工事施行いたしたいと存じております。
  58. 村瀬宣親

    村瀬委員長 本件に対する御質疑等はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  59. 村瀬宣親

    村瀬委員長 次は日程第五、関東地方水害復旧費國庫補助請願、田口助太郎君外二名紹介文書表番号第一四号を議題といたします。便宜上田中專門調査員紹介いたします。
  60. 田中義一

    田中專門調査員 ただいま指名がありましたので、簡單に趣旨を代讀いたします。請願要旨は、昨年の大水害による茨城、栃木、群馬、埼玉、山梨の各縣並びに東京都の被害は、実に予想以上であるが、政府より各縣に割り当てられた第三、四半半期日の復旧費は、昭和二十二年度計界事業総額の一割四分にしかあたらず、農村の急速なる復旧はとうてい期待できない。ついては速やかに相当の追加予算を計上され、なお補助金についても全額を交付することとし、その補助金の交付されるまでのつなぎ資金としての金融措置及び復旧工事用の各種資材等の配給を急速にされたいというのであります。
  61. 村瀬宣親

    村瀬委員長 政府意見を伺います。
  62. 賀屋茂一

    賀屋説明員 昭和二十二年の関東地方の災害は非常に激甚でございまして、全國百五十五億の災害のうち、約三分の一の五十四億もの災害を受けておるのであります。これに対する國庫補助は三十六億円も要るのでありますが、御承知のような國庫財政の状態にありますので、非常に予算化が困難でありまして、請願通り一割そこそこの補助しかできないという実情なのでございます。政府といたしましては、災害復旧工事が非常に緊急を要するということをとくと承知しておりまして、二十三年度におきましては大体半額の十六億円くらいは予算化をはかりたいということで予算要求をし、その実現に努めておる次第であります。暫定予算からは大体この線に沿つて今助成しているところでございます。なお復旧用資材につきましては各方面からの援助がございまして、資材も大体事業実施に大なる支障のない程度に配当をし得るという実情でございます。
  63. 村瀬宣親

    村瀬委員長 都合によりその他の請願は延期し本日はこれをもつて散会いたします。次の小委員会の日時は公報をもつて御通知申し上げます。     午後二時三十六分散会