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1948-07-03 第2回国会 衆議院 国土計画委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月三日(土曜日)     午後一時三十一分開議  出席委員    委員長 中島 茂喜君    理事 松井 豊吉君 理事 松浦 東介君    理事 溝淵松太郎君 理事 守田 道輔君   理事 長谷川政友君 理事 的場金右衞門君       野原 正勝君    足立 梅市君       池谷 信一君    伊瀬幸太郎君       田淵 実夫君    永井勝次郎君       坪川 信三君    村瀬 宣親君       野本 品吉君  委員外出席者         総理廳事務官  伊藤 大三君         総理廳技官   小池  譽君         総理廳事務官  堀家 嘉郎君         大蔵事務官   忠  佐市君         專門調査員   西畑 正倫君         專門調査員   田中 義一君     ————————————— 本日の会議に付した事件  閉会中における継続審査に関する件  各小委員会報告に関する件  福井石川縣地方震災に関する件   請 願  一 三陸沿岸地帶を準國立公園指定請願(    淺利三朗君外五名紹介)(第九八一号)  二 土地家屋整理士法制定請願降旗徳弥君    紹介)(第一六九〇号)  三 水害復旧事業起債償還費國庫補助請願(    海野三朗紹介)(第一七八三号)     —————————————     〔筆記〕
  2. 中島茂喜

    中島委員長 これより会議をひらきます。各小委員長より小委員報告の申出がございますので、これを許します。先ず地方開発小委員会報告を求めます。
  3. 永井勝次郎

    永井委員 近く第二回國会終了いたしますので、地方開発小委員会経過簡單に御報告申し上げます。  本小委員会は、去る五月二十二日に設置せられ、委員長より不肖小委員長として指名を受けました。  爾來、今日に至るまで小委員会及び打合会を開くこと六回、その間建設院総務局水政局地政局経済安定本部建設局運諭省港湾局、農林省の開拓局北海道廳及び國土計画協会等を招き、地方開発計画について種種調査研究をいたしました。元來、國土計画ないし地方計画は、すべての事業に先行すべきものであるにかかわらず、今日の國際情勢経済情勢等客観的経済條件からか、中々確立いたしかねております。しかしながら、國土復興再建をはかるためには、ぜひこの國土計画樹立が必要であり、これがまた本委井会の重大なる責任であると痛感いたし、本小委員会もこれが調査立案等に微力を盡した次第であります。本小委員会におきましては、特に地方計画なる局地單位で、日本全土を一應解析し、これを基にして國土総合開発計画樹立することが最も現実的で、しかも賢明な進み方であるとの観点から、地方総合開発計画及び北海道開発計画につきまして調査研究いたしたのでございます。本年五月安本地方開発協議会設置されまして、北海道その他地方総合開発に関する重要事項を協議いたし、関係官廳地方開発計画に関する事務連絡を行い、一方建設院におきましては、地方総合開発計画調査立案に着手いたしている次第であります。これによりますると、すでに國または公共團体がその開発に着手せる地域で、さらに総合的に実施することにより開発能率及び効果を増進せしめ得るごとき未開発、低生産地昭和二十三年度地方総合開発地域とし、次の六地域指定いたしております。すなわち、第一は、宮城縣玉造地域で、主として農地、森林開発及び地熱利用工業化目標がおかれております。第二は、福島縣奥會津地域で、これは森林、鉱石及び水力資源開発目標があります。第三は、東京都、伊豆七島地域で、東京への蛋白質食糧源及び燃料供給地として開発するものであります。第四は、石川縣能登半島地域でありまして、水産、林産、地下資源開発をするものであります。第五は、奈良縣十津地域で、森林地下資源水力資源開発目標としております。第六は、鹿兒島宮崎両縣、南九州地域で、森林及び水産資源開発であります。以上六地域調査費は、二十三年度四百五十万円計上いたされております。この調査は各縣で担当し、地方建設局総合いたし、なおこれを建設院纒めているのであります。これら地方開発地域は、数縣にまたがる場合がございますので、その場合は当該地方建設局においてこれを総合いたすのが便利だと考えております。なおこの外、旧軍港地域利用開発等十数箇所をも調査中でございます。  次に北海道地方総合開発計画につきまして、建設院及び北海道廳関係者を招致して、やや詳細に調査研究いたしましたので、その内容報告いたします。  第一に、開発計画の運営上の機構でありますが、これはさきに内閣に北海道開発廳設置されて開発に当つていたのでありまして、昭和二十三年五月にこれを廃して、前述の安本地方開発協議会北海道開発連絡協議体として関係官廳事務連絡及び開発に関する事項を協議することに相成つた次第であります。すなわち、安本建設局におきましては、これが実施計画樹立するために、数名の技官現地に出張させて綿密に調査しまして、現在これが資料に基いて立案中で、その基礎概念としましては、農業生産工業化交通網整備を第一といたし、さらに進んで魚田及び動力源開発等になるのでございます。本小委員会は、基本條件調査より出発するため、関係官廳より道路港湾河川現状とこれが改良計画を聽取いたしました。  次にその内容を御紹介申し上げます。第一に港湾改修計画について申し上げます。運輸省においては、昭和二十七年度北海道物資需給計画に基きまして、北海道内地間の物資交流の度を高め、併せて將來対外貿易に備え、なおまた魚田開発のため各種港湾整備計画を、重要港湾指定港湾その他軽重に應じ、小樽以下約五十港について改修計画樹立いたしておりまして、これらに対する本年度補助費は、約四億四千万円であります。  第二に道路計画について申し上げます。北海道道路は、その普及率からもまた構造上からもきわめて貧弱で、日本最低位を占めている現状であります。建設院道路企画課においては、十五箇年計画総額工費約六百七十四億円を立てまして、最初の五箇年計画として約二百二十億、二十三年度補助費としては、二十九億円を計上いたしましたが、査定の結果は、約六億円となるそうであります。  第三に河川計画について申し上げます。石狩川以下二千五百余の河川があるのでありますが、石狩川以下数河川を除いてはほとんどが原始河川でありまして、未改修のままでございます。今年度予算は、河川改良費約三億円、工事補助費約二千六百万円を計上いたしております。なお、利水でありますが、現在水力が二十七万キロワツト、火力が二十三万キロワツトでありまして、水力將來治水潅漑関係と併せ考えまするに、多大の將來性を有するものであります。  これらの調査研究の結果としての所見を述べますと、第一に調査機構が乱立して、総合的調査が困難であることであります。すなわち地域について、各種計画産業別機構別立案せられ、その相互間の連絡調整がなかなかとりにくいのであります。中央官聽は、各省が勝手に必要な調査計画を行い、各省間の調整総合は、やむを得ず安本がやつている状態でありますが、安本も相当多忙で、それらの調査資料を十分に活用していないように考えられます。これを効果的に運営するには、理想的建設省設置して、これらの総合調整をなさしむべきであります。また本委員会においても、ある程度調整してまいりたいと考えておるのであります。  第二に、國土計画審議会或いは國土計画協会等國会諮問機関として活用し、各種調査をなさしめ、一方官聽の官僚的な考え方を是正さすべきであるという事であります。  第三に、特に北海道総合開発計画についてでありますが、元來北海道植民地として永い間搾取されて來た関係上、道民生産能率は実に低いのであります。北海道にはなお森林水産、農産、鉱産等資源等多く、わが國唯一の宝庫でありますが、從來のごとく資源開発してただちにそれを内地へ送り込むという式の搾取方式は、この際一変して、先ず最初に考えねばならないことは、道民生産性増大ということであります。從つて、未懇地があるからといつて、そこへ内地からの移民をやるより前に、農業のさらに大なる機械化を考え、農民の生産性増大せしめて、その上で移民を考えるべきであると思うのであります。また道内には、重工業機械工業化工業等がないのでありまして、從つて、立地的に重工業は無理であるとしても、機械工業化工業等はでき得る限りこれを振興して、工業の発達をはからねばならないと考えるのでございます。また農業生産性増大という点から烙農及び農村工業の面を大いに研究して、工業とのバランスをとらねばなりません。また、漁業は國際情勢の変化により行きづまりを來しておりまして、これには未開発魚田開発を考慮せぬばならぬと思うのであります。以上のことは決して北海道のエゴイズムであつては困るのでありまして、國土計画の一環として可能なる範囲内において考えるべきものであることはもちろんであります。  第四としまして、産業復興國土を破局から救う唯一の道である今日、地方計画として最も必要なものは、大都市を中心とした総合地方計画であります。今後におきましては、この方面を大いに調査研究いたしたいと思つております。  以上種々述べましたが、これら諸般の問題は、一朝一夕に解決いたしかねますので、來國会におきましても、さらに継続されんことを特に委員長において御配慮願いたいと思うのであります。本会期終了とともに一應本小委員会任務終了することとなりますので、ただいままでの経過簡單に御報告申し上げた次第でございます。     —————————————
  4. 松井豊吉

    松井委員 治川治水対策小委員会経過簡單に御報告申し上げます。  本小委員会は去る一月三十日設置せられ、爾來今日に至るまで小委員会及び打合会を開くこと五回、特に関係行政部門における今日までの治山治水事業調査研究の結果、あるいは具体的対策等を把握するために、建設院水政局治水課並びに利水課当局等と懇談してまいりました。その大要をここに御報告上げる次第でございます。  戰時中、治山治水事業はほとんど中止の状態であり、加ふるに極度の森林の濫伐のため、御承知の通り昨年はきわめて悲惨な大災害を惹起したのであります。今年も融雪その他による災害が、台風による洪水期を前にして全國たいるところに瀕発しているような次第でございます。日本復興にとつて、この災害はネツクであり、その対策は一日も猶予することができないのであります。特に狹隘なる國土唯一の頼りとして生きて行くわが國民にとつては、まさに死活の問題であります。從つて來るべき洪水を未然に防止するためには、一時應急的な復旧工事を施すと同時に、根本的な河川改修計画樹立せねばならないと考えるものであります。たとえば洪水防禦にしても、從來堤防依存主義のみによることなく、大洪水をある特定地域に遊水せしめる調節池設置、貯水池による洪水調節砂防工事強化等、一連の総合せる治山治水計画樹立が肝要かつ緊急なるものであります。以下関係官聽より聽取せる概要を略述します。  第一にはダム計画であります。現在建設院にて施工中のダム山口縣の厚東川、大分縣の大野川、宮崎縣の小丸川の三箇所であり、各堰堤出來上り高は、現在それぞれ八〇%、二〇%、五〇%であり、発動能力は、それぞれ二千五百、九千六百、二万一千四百キロワツトであります。山形縣の又野川、奈良縣の十津川の堰堤については、現在予算要求中であります。また山形縣赤川新潟縣の信濃川、岐阜縣木曽川福岡縣の矢部川、北海道の夕張川、愛知縣の豊川を河水統制調査河川として指定し、いづれもダムをつくることにより、河水統制を企図しているものであります。  第二に建設院総合開発調査河川としましては、岩手縣北上川群馬縣利根川滋賀縣淀川和歌山縣及び三重縣の熊野川、廣島縣の江ノ川、熊本縣の阿蘇谷、山形縣の朝日川、奈良縣の紀ノ川、岩手縣北上川上流青森縣の十和田湖、新潟縣の阿賀野川、福岡縣の玖珠川、高知縣の吉野川の十三河川があります。いづれも、利水総合的な調査を要する河川であり、現在調査計画中であります。  第三に七大河川治水計画であります。これは直轄河川中、昭和二十二年の出水の際、洪水流量計画洪水流量をはるかに上廻つた結果、新たに計画洪水流量の決定、及びその処理について治水の根本的な檢討を要するもので、目下治水調査委員会調査計画中のものであります。  その一、利根川においては、烏川合流点計画洪水量を毎秒一万七千立方メートルとし、河道調節を考慮しない第一案と、考慮する第二案とがあります。第一案群馬縣内調節池設置し、毎秒三千立方メートルの調節をし、途中、江戸川、運河、田中遊水池及び放水路へ分流させ、最後の本流の洪水量を五千五百立方メートルとするものであります。この総工費は約五百五十億円でおります。第二案は上流より栗橋にいたるまでの河道調節を二千立方メートル考慮したものであり、他は第一案と同樣である。この総工費は約四百二十億円であります。この利根川案に対し、本小委員会としては、当局緊急工事を主体とせる実施計画、もしくは事態の好轉と同時に理想計画に移行でき得るごとき計画等の案の提出を求め、さらに檢討することにいたしました。  その二は北上川であります。上流部從來洪水流量毎秒七千七百立方メートルを昨年の稀有の大出水により九千立方メートルと変更し、これを猿ケ石外五大ダムにより、二千百立方メートル、一関付近遊水池により六百立方メートル調節し、下流へ六千三百立方メートル流す計画であります。このためには、築堤及び一関下流の狹穿部の一部を関鑿切り拡げる必要が生じます。この工事費は約百八十億円を要します。下流部從來洪水量は毎秒五千五百七十立方メートルであり、新川で四千七百三十立方メートル、旧北上で八百四十立方メートルを計画しておりましたが、これを新川六千五百立方メートル旧北上三百と変更しております。そのための工事として法線の整正遊水池設置、低水路の掘鑿堤防かさ上げ等計画し、工費は約三十億円であります。その他江合川、成瀬川、迫川、吉田川等改修計画が合せて考えられます。  その三は築後川でございます。從前の計画洪水量、毎秒五千立方メートルを七千五百立方メートルに変更し、これが改修計画に次の三案があります。 一、築堤かさ上げによつて調節する。これに工事費が約三十七億円。 二、河幅を拡げることによつて調節する。これに工事費が約六十二億円。 三、堰堤によつて調節する。これに工事費が約三十二億円。また堰堤箇所として二箇所を選定し、目下調査中であります。  その四は、常願寺川であります。計画洪水量は現在通りとし、上流三千百立方メートル、下流二千七百立方メートルとしております。この河川は有名なる急流河川で、河床土砂の堆積がはなはだしく、河床が平地より数メートル高く、このため上流部砂防工事を促進すると同時に、下流部河床低下をはからねばなりません。このため、土砂止め機械掘鑿及び河口の導水堤による河床低下等計画しております。この総工費上流部砂防工事に五億六千万円、中流部土砂止め。及び掘鑿に三億五千万円、下流部改修に六億三千万円を要するものであります。  その五として、木曽川從來計画洪水量毎秒九千七百立方メートルを犬山で一万四千、笠松で一万二千と計画しております。長良川は六千、揖斐川は四千七百とする予定でおります。そして堤防かさ上げ護岸工事等を考へています。工費は約五十五億円であります。  その六は最上川で、現在調査中で詳細なる点は後日にゆづりたいと存じますが、最上川上流下流とに別れているのであるが、上流中特に優先的に改修工事を必要とするのは、長崎、寒河江蔵増寺津附近支流須川合流点及び支流寒河江川合流点並び白川合流附近の狹窄部の開鑿等を考慮しております。これと併せて赤川改修も考えねばなりません。  その七、淀川從來洪水量、毎秒七千立方メートルを対象とし、在來の計画を促進する計画であります。  以上が建設院当局より聽取せる大略でありまして、さらに進んで具体的に実行可能なる緊急実施計画樹立せねばなりません。國家再建の根本は治山治水にありといつても過言ではなく、これの早急なる解決こそ、民生安定の基であります。從つて來國会におきましても、本小委員会をさらに継続されんことを特に委員長において御配慮ありたいと思うのであります。本会期終了と共に一應本小委員会任務終了することとなりますので、只今までの経過簡單に御報告申し上げた次第であります。     —————————————
  5. 野本品吉

    野本委員 間もなく第二回國会終了いたしますので、請願小委員会経過及び結果について簡單に御報告上げます。  去る六月二十八日第一回請願小委員会審査開始以來、十四回にわたつて開会いたしました請願案件の総数は、三百八十四件でありまして、その中、保留いたしましたものが、二十四件、採択したものが三百六十件、その中二百八十四件は既に中島委員長より本会議報告されましたが、残りの七十六件は、本日本委員長より本会議報告される運びと相成つております。  最後請願小委員会審議につき所感を卒直に申上ぐれば、委員の御出席率が悪く、審議の進行に支障を來たしました場合がしばしばあつたことを申述べて今後の御参考に供します。
  6. 中島茂喜

    中島委員長 次に、只今地方開発小委員長からも報告がありました通り地方開発の問題につきましては、その計画樹立に邁進してまいつたのでございますが、現在においては、各関係当局よりの資料も大概蒐集いたしましたようで、特に北海道開発問題につきましては、本委員会においてもぜひ現地調査の必要を認むるのでございます。また、福井石川両縣の災害調査の件につきましては、六月二十八日議長委員派遣承認要求いたしましたが、衆議院より代表者が参りまして、本委員会よりは特別に委員も派遣いたしませんでしたが、災害復旧に関しまして、本委員会独自の立場よりぜひとも委員を派遣いたしまして実地調査をいたす必要があるのでございます。  次に関門國道隧道建設工事につきましては、去る六月二十二日に本委員会において決定いたしまして、その工事の促進につきましてもぜひとも現地調査をいたさねばならぬと考えるのでございます。しかるに残り数日をもちまして本会期終了予定でございまして、もはや本会期中にはその機会がございません。それゆえ、特に閉会中を利用いたしまして、つぶさに現地調査いたしたいと存ずるのでございますが、現地視察のための委員派遣承認要求いたす前に、以上三件につきまして閉会中継続して審査することを院議に諮らねばなりません。つきましては、議長閉会継続審査いたすことを申出たいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 中島茂喜

    中島委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。なお、申請手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 中島茂喜

    中島委員長 それではさよう取計らいます。  次に委員派遣承認申請の件につきまして諮りいたします。以上の三件につきまして継続審査が許可になりましたならば、早速委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 中島茂喜

    中島委員長 御異議なしと認めさよう決します。  なお、人選、期日及び申請手続等に関しましては委員長に一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 中島茂喜

    中島委員長 御異議なしと認めましてさよう取計らいます。     —————————————
  11. 中島茂喜

    中島委員長 次に去る二十八日福井石川地方におこりました大震災につきましては衆議院より代表議員を派遣せられましたが、本委員会長谷川委員並びに坪川委員より現地視察報告の申出がありますので、この際これを許します。
  12. 長谷川政友

    長谷川委員 私より今度の北陸地方震災につきまして、その概要を御報告申し上げます。  去る六月二十八日午後五時ごろ大規模なる地震がありまして、福井石川両縣にわたつて振巾大きく、各市町村は全滅の憂目を見たのでございます。道路橋梁は破碎して交通は途絶し、通信機関もまた全滅いたしたのでございます。一昨日朝までの被害状況を申し上げますと、全壊三万四千戸、半壊五千四百戸、燒者三千名、負傷者一万に達しております。九頭龍川は亀裂いたしまして、そこから平野に流水しており、降雨期に入れば、ほとんど全滅に瀕するであらうと思われるのであります。近縣よりは多大の援助をいただいている次第でございますが、建設院当局におきまして、特にこの点考慮していただきたいと存ずるのであります。臨時集会におきまして第一に被害僅少なる各郡に対して、死体発堀道路整備のため青年を集めており、なお各縣へも頼んでおりますが、この点地方建設局よりも各縣へ御連絡願いたいのであります。  第二に、水道なく、便所なき状態で、傳染病発生の危惧があるので、共同便所共同井戸をただちにつくるよう要望いたしたのであります。また現在はバラツクにより雨露を凌いでいる状態でありますので、この点も建設院当局におかれても御考慮願いたいと存ずるのでございます。以上私より御報告申し上げておきます。
  13. 坪川信三

    坪川委員 私より一言当局へお願いいたします。  第一に橋梁は全部陥落いたしておりますので、速やかに復旧していただきたい。第二に、水道の問題で、これはただいま長谷川委員からも要望された通りです。第三に、農村用配水について速やかに復旧していただきたい。第四に住宅の問題でございます。第五に校舎の復旧、以上の諸点につきましてただちに應急、恒急の措置を講ぜられんことを切にお願いいたす次第でございます。
  14. 中島茂喜

    中島委員長 以上の報告に対しまして、当局の意見を伺います。
  15. 伊藤大三

    伊藤説明員 北陸地方震災の報に接すや、建設院水政局におきましては、その被害のきわめて激甚なるを察しまして、ただちに防災課長及び技官を派遣し現地調査せしめると同時に、應急措置を講せしめ、また小池技官富山縣出張先よりこれに赴き、また局長は七月二日現地に出張いたしました。また、震災該当の縣は、事務も繁忙で人手も不足でありますので、近畿建設局の職員を派遣いたし、復旧設計調査調整に当らしめ、さらに近府縣富山滋賀、京都、石川の諸府縣からも應援方依頼いたしました。  公共土木施設被害状況は、目下調査中に属しまして正確なる数字は得がたいのでございますが、概算として福井縣は十五、六億円、石川縣は一億四千万円程度と推定されます。なお緊急に應急復旧工事を要すと認められる額は、福井縣三億円石川縣四千七百万円程度と認められますので、これにつきましては、予備費要求及び資材の確保等につきましては目下手続中でございます。     —————————————
  16. 中島茂喜

    中島委員長 次に本日の請願日程に入ります。この際お諮りいたします。紹介議員が御出席になつておりませんので、紹介議員に代りまして、專門調査員請願紹介説明をいたさせたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 中島茂喜

    中島委員長 それではさよう取計らいます。  日程第二、土地家屋整理士法制定請願降旗徳弥紹介、第一六九〇号を議題といたします。先ず紹介説明を求めます。
  18. 田中義一

    田中專門調査員 本請願の要旨はわが國における土地調査、異動の処理については、その法律関係すこぶる多岐にわたり、斯道の精通者にしてかつ地積測量等專門的技術を有する練達者でなければ、その適法正確な処理をなすことができぬ。しかも、これに從事する現在の土地調査員に対して法令の制定がないために、毎年度これに対して甚大なる未処分繰越数を数え、ただに税法運用上のみならず財政産業上等閑視すべからざる支障を與えておる。もつて速やかに從來土地整理員を免許制とする土地整理士法を制定されたいというのであります。
  19. 中島茂喜

    中島委員長 これに対する当局の意見を伺います。
  20. 忠佐市

    ○忠説明員 土地または家屋の異動処理に從事しておりまする土地家屋調査員を制度化いたし、一定の資格要件を具備した者が公明かつ正確に調査に從事いたしますることはきわめて適当と考えられますので、これが立法化につきましては、政府においても研究を進める考えであります。     —————————————
  21. 中島茂喜

    中島委員長 次に日程第三、水害復旧事業起債償還費國庫補助請願海野三朗紹介、第一七八三号を議題といたします。紹介説明を求めます。
  22. 田中義一

    田中專門調査員 本請願の要旨は客年の水害による復旧費については全額國庫補助を要請したが、これが実現されるに至らず、既定率による補助以外は起債によらざるを得ない実情であるが、窮迫せる地方財政はこれらの膨大なる起債償還費の負担にたえないところであつて、かつまた前例のない大災害である事情から、この際起債償還費の全部を國庫から補助されたいというのであります。
  23. 中島茂喜

    中島委員長 これに対する当局の意見を伺います。
  24. 堀家嘉郎

    ○堀家説明員 從來震災、風水害、戦災その他の災害復旧費として、多額の借入金を要した地方公共團体に対しましては、その各々の團体の財政事情を勘案いたし、予算外國庫の負担となるべき契約により、元利補給あるいは利子補給に方途を講じ、当該團体の借入金の償還に対する財政援助を行つてきたのでありまして、これらの團体に対する元利補給の昭和二十三年度年次額は一千七百六十四万二千円と相成つているのでありますが、本年度から予算外國庫負担となる契約によることを改め、災害による復旧費の各年度の事業費に対し、既定の國庫補助を差引きました残余の地方費負担分に対して、財政援助の建前からその團体の財政事情を担税力等より推定いたし、一定率の補助金を交付することといたしたいと存じております。國家財政の現状からいたしまして、御要求の起債償還資金額を補助することは不可能でありますが、特に本年度にあきましては、昭和二十一年度南海震災及び昭和二十二年度の風水害に対する昭和二十二年度までの施行分に対する補助金として十億円が計上されているのであります。窮迫しております地方財政の現状に鑑みまして、予算成立をまつて、最も早い期間に関係團体に対し補助金を交付いたしたいと存じ、その準備を進めていますので御了承願います。     —————————————
  25. 中島茂喜

    中島委員長 次に日程第一、三陸沿岸地帶を準國立公園指定請願淺利三朗君外五名紹介、第九八一号を議題といたします。この請願につきましては、一應の審査も終了いたしております。この際お諮りいたします。日程第一、第二、第三の各請願につきましては、採択いたし、なお採択の上はこれを内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 中島茂喜

    中島委員長 御異議なして認め、それではさよう決します。なお、これらの請願に関しまする報告書の作製等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 中島茂喜

    中島委員長 それではさよう取計らいます。     —————————————
  28. 中島茂喜

    中島委員長 次に決算委員会に付託になつておりました建設省設置法案のその後の経過につきまして、私よりその概要を御報告申し上げます。  次のごとき國土計画委員会の意見書を決算委員長の希望によりまして、ただちに提出いたしたのでございます。ただいまこれを読み上げます。    建設省設置に関する國土計画委員会の希望意見   荒廃せる國土復興國家再建の基を築く現在わが國の建設行政機構をみるに、道路河川、砂防及び戰災都市復興はかつての内務省、現在の建設院に属し、港湾は運輸省、開拓、森林、砂防及び漁港は農林省、電力開発は商工省に属し、さらに上下水道國立公園は厚生省と建設院が担当しているが、この際はいずれも公共建設事業として総合能率的かつ経済的に遂行さるべきものなるにもかかわらず、各省においてほとんど何らの計画的統一なく遂行されていることは、敗戰日本の破綻的経済事情と國民の福利を無視して國費を濫費し、能率低下し、その効果を減殺しているもので、日本復興の一大障害的制度と断定せざるを得ない。   以上の観点から單に看板の畫替えをもつて糊塗せんとする貧弱なる建設省の設置法案に不満足の意を表するものである。國家行政組織と併行して、建設省本來の使命に立脚して速やかに建設行政を一元化し、強力なる建設計画総合化をはかるとともに、建設力の総合的運営により、廣く公共事業を促進し、もつて國利民福の増進と経済再建の基盤造成に当り、民生安定と文化興隆に飛躍的計画樹立すべき大建設省を設置すべきである。   次に建設省設置法案中、左の事項を明示されんことを併せて要望する。一、第十條中「当分の間」とあるを「昭和二十三年十二月三十一日」と期日を切り、官廳営繕行政の一元化を明確にする。   二、第十二條に規定せる事務が、特別空達廳に引継ぎ完了せる場合は、特別建設局を廃止して、第三條、第二十六條に規定する事務を行うため、当然営繕局が設置される旨を明確にする。  本意見書中第十條の期日を明示する点は、むしろ法文修正の方が適切であると考え、意見書と修正案とを重ねて提出しましたが、決算委員長の意見としては、意見書一本にしてもらいたい。本法はすでに関係方面との折衝済みだから、一箇所でも修正すれば、さらに少くとも一日遅れる。そうすると明日すなわち六月三十日までに本法を本院に上提できないからと申され、建設院でもぜひ明日上提を希望しますので、決算委員長に意見書のみ出し、その場で、決算委員長委員会にその意見書の大要を説明しまして、これを委員長報告に折り込むと述べました。なお田中委員の意見の部分は少し專門的にわたるので、西秀專門調査員より決算委員会の大久保專門調査員にも連絡して、その趣旨を決算委員長に納得させるよう念を押しておいたのでございます。なお、その際の決算委員長の話によると、今年九月ころには、必ず他の省設置法案とともに建設省法案をとりあげ、相当修正する予定であるから、大巾の修正はそれまで待たれたいとのことでございました。しかるに去る一日参議院では決算と國土の連合予備審査会で修正案をつくり、関係方面との折衝も終つたので、これを衆議院に回付する予定になつております。  次にその修正案を読み上げます。   第三條第九号中『砂防に関する事業』の下に『及び國有林地を 除く荒廃林地復旧施設その他、これに類する施設』に改める。同 條第二十六号を次のように改める。   二十六國費の支弁に属する建物の営繕に関する事務を行うこと。但し國有鉄道事業特別会計、簡易生命保險及び郵便年金特別会計及び通信事業特別会計の支弁に属するもの、刑務所、少年矯正院及び拘置所の建物の営繕並びに工事費の一廉五十万円を超えない建物の営繕に関する專務を除く。   第六條第一項中『砂防』を『砂防、國有林地を除く荒廃林地復旧』に改める。   附則第十條を削り第十一條を第十條とし以下第十六條まで順次一條ずつ繰り上げる。  以上が建設省設置法案に関するその後の経過概要でございます。
  29. 中島茂喜

    中島委員長 次会は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。     午後三時十分散会