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1948-05-28 第2回国会 衆議院 国土計画委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十八日(金曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 中島 茂喜君    理事 内海 安吉君 理事 松浦 東介君    理事 溝淵松太郎君 理事 守田 道輔君   理事 的場金右衞門君    今村 忠助君       高田 弥市君    田中 角榮君       野原 正勝君    原  孝吉君       池谷 信一君    永井勝次郎君       山本 幸一君    橋本 金一君       村瀬 宣親君    宮村 又八君       只野直三郎君    高倉 定助君       大瀧亀代司君  出席政府委員         総理廰技官   目黒 清雄君         総理廰技官   菊池  明君  委員外出席者         專門調査員   西畑 正倫君         專門調査員   田中 義一君 五月二十五日委員梅林時雄辞任につき、その補 欠として坪川信三君が議長指名委員選任さ れた。 同月二十七日委員清澤俊英辞任につき、その補 欠として伊瀬幸太郎君が議長指名委員選任 された。 同月二十八日治山治水対策小委員梅林時雄君及び 清澤俊英辞任につき、その補欠として坪川信三 君及び伊瀬幸太郎君が委員長指名で小委員に選 任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任に関する件  第一回國会において採択した請願処理経過の  報告に関する件     —————————————
  2. 中島茂喜

    中島委員長 これより会議を開きます。  公報に掲載しておきました本日の議題に入ります前に、委員の移動に伴う小委員補欠選挙をいたしたいと存じます。その方法はいかがいたしますか、
  3. 池谷信一

    池谷委員 小委員補欠選挙につきましては委員長に御一任申し上げたいと存じます。
  4. 中島茂喜

    中島委員長 ただいまの池谷委員の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 中島茂喜

    中島委員長 御異議ないものと認めます。それでは去る二十五日梅林時雄君、二十七日に清沢俊英君が本委員辞任され、その補欠として坪川信三君、並びに伊瀬幸太郎君が本委員選任せられました。この際治山治水対策小委員につきまして梅林時雄君の補欠として坪川信三君を、清沢俊英君の補欠として伊瀬幸太郎君を小委員に御指名申し上げます。  次に日程にはいりまして第一回國会において採択いたしました請願処理経過について当局よりの報告を求めます。菊池政府委員
  6. 菊池明

    菊池政府委員 私から道路関係請願に対する処置を申し上げます。  お手もとに第一回國会請願に対する土地調べというのを差上げてございます。その欄にそれぞれ書いてございますが、大要を御説明申し上げます。合計三十四件でござしいまして、中に二度にわたつて請願があつたのが二件ございますので、内容は三十四件でございます。結論を申し上げますと、その中で本年度から実施に移すもの、あるいは前年來引続き実施しているものは十三件でございまして、資材関係予算國家財政の許さないために、やむを得ず繰り延べなければならないのが二十件ございます。そのほか一般的なことが一件ございますので、まず本年回しが遺憾ながら二十件ございます。その詳細についてはまた説明をいたす必要がございますれば質問に應じて申し上げます。
  7. 中島茂喜

    中島委員長 次に目黒政府委員説明を求めます。
  8. 目黒清雄

    目黒政府委員 第一回國会河川砂防に関する請願処理状況を御説明いたします。  大体河川改修砂防災害復旧、それから治水の四点でありまするが、この請願の最も多いものが河川改修関係であります。これは大体におきまして継続中のものが多いのございまして、予算を増額して早急に改修を完成せよというのが請願の大体の趣旨であります。ところが御承知のようはなかなか予算もはかばかしくありません関係上、請願趣旨の一部は満足しておりますが、その全部を満足したという状態にはなつておりません。さらにこの請願趣旨從つて、本年度もこれらの相当仕事量継続しなければならぬというのが現状であります。というような状態でありまするから、この請願は、参議院におきましては、ある一部はさらに請願になつて現われるというのが実情であります。その中に新規仕事を着手しなければならぬものも少しありまするが、これは二十三年度の本予算確定の上でありませんと、はつきりした見透しがつかぬのであります。從つて近く決定されんとする本予算ののちにこれを処置すべきものと考えております。  災害関係におきましては大体二十二年度災害が非常に激甚でありました関係上、これを早急に復旧をはかれというのが請願趣旨であります。これに対しましては二十三年度においてこれらの災害の約半額を実行すべく、二十三年度予算予算要求しておりまするが、これも本予算確定しませぬと、この趣旨十分満足に果すことができない状態であります。しかして現在におきましては四月、五月、六月の暫定予算にこの趣旨を組み入れまして、地方のこの請願の要望にこたえつつあるのであります。  砂防においては非常に数が多いのでありまして、なかなかこれは全部を満足するには予算が少額であります。われわれも砂防必要性は十分考えておりまするが、現在の予算状態におきましては、ある程度満足を與えるという以外には手がないと考えております。詳細にわたりましては報告書が提出してありまするから、これによつてごらんを願いまして、もし御質疑がありますればお答えいたしたいと考えます。
  9. 中島茂喜

    中島委員長 委員諸君の御発言がございませんか。野原君。
  10. 野原正勝

    野原委員 この請願に対するいろいろな政府側処置のことは、ただいまの説明おぼろげながらわかつておりますが、ただいまいろいろ伺つてみますと、結局本予算が通らないことには何ともならないという結論のようでありますが、こうしたいろいろな請願は、それぞれみなその地方にとりましては非常に緊急を要するものが請願となつて現われておりますので、ただ單に國会請願を受諾してこれを採決議了したというだけでは、どうもおもしろくないのでありまして、結局この請願の趣意が実行となつて現われるということをわれわれは期待しておるのであります。今いろいろ御説明を伺いましたけれども、結局本年度の本予算としてこれがどんなぐあいに処理される見通しであるかということを私どもは一應知つておきたいと思うのであります。そこでこの道路及び砂防その他いろいろな関係の大体の必要とする予算と、それからまた本年度それが本予算として通るであろう見透しと申しますか、今までの予算関係の方の経過、いろいろな今後の見透し等一應お伺いしておきたいと思います。
  11. 目黒清雄

    目黒政府委員 予算の点におきましては、御承知通りにただいま閣議で最後の決定を見んとするような状態でありまして、本予算内容は、公共事業が新聞で発表になりました通りに四百十億あるいは四百二十億という案であります。從つてそれら公共事業内訳は、河川道路、その他農業あるいは六・三制というものは、今後安定本部決定されることになると思うのでありますが、その予算内容はまだここではつきり申し上げわけにはまいりませんが、大体われわれはこの請願をある程度満足せんがためには、当初予算要求といたしまして、河川一般に六十八億、砂防に二十二億、災害その他に十一億等、二百億の要求を出したのであります。それからいろいろ折衝いたしまして、これを百十億に圧縮しまして予算をさらに最低要求として提出してあります。ところがこれに対しまして御承知通り最初安本で二百七十億案がありましたので、この二百七十億案に対していろいろ折衝を続けてきたのでありまするが、そのうちに本予算決定を見ないで暫定予算の形になつて四月、五月、六月が決定されたのであります。このわれわれの百十億の最低要求がどこまで容れられますか、今のところはある程度の見透しはついておりまするが、ほんとう確定には至らぬということであります。ただここで一言附け加えて申し上げておきたいと思いまするのは、金額におきましては四百十億あるいは四百二十億というように、最初の二百七十億案よりは相当多額になりました関係上、一應われわれ最低要求額の百十億の金額数字の上においては、あるいは近いものが現われるかもしらぬと考えておりまするが、仕事内容あるいは仕事の量におきましては、今後賃金の高騰、資材の騰貴という点を考えますると、非常に縮小されるのではないかという心配があるのでありまして、この点はわれわれもできるだけ経費の節減をはかり、少い予算で所期の目的を達すべく努力しようと考えております。
  12. 野原正勝

    野原委員 私たち心配は、今のような單なる概念論ではないのでありまして、政府側では河川にしましても、砂防にしましても、道路にしましても、いわゆる五箇年計画であるとか、三箇年計画であるとか、いろいろ恒久的な事業と、緊急事業に対して今後こういうぐあいにしてやりたいというような、いろいろはつきりした計画があるのであります。それに対して本年度要求しておる予算がこれだけであつて、しかもこれは最少限度要求である。それに対して現在また非常にこれを圧縮されておる。從つてこの計画が何パーセントの実現しかしない。しかしそれについては圧縮された予算範囲内において、重点的にどういう方針でやるのだというふうな、はつきりしたことがわかつていないと困ると思います。われわれの委員会では、國家予算現状からいつても、こうした請願のすべてが満足されることはとうていあり得ないことだと思います。もちろん私どもそれをむりに主張するということは考えておりません。ただこうした少い予算を最も効果的に使つてほんとうにこうしたいろいろな事業がこの予算範囲内において百パーセントに効果を発揮するということにしてほしいと思うのであります。そのためには、場合によればこの委員会においては、現地の状況とかいろいろなものを調査する。そうして重点的にそれがどんなぐあいに使われておるかということを、これもまた実情調査するということが当然必要になつてくると思います。從つてそういう関連をひとつ知つておきたいと思います。どうも今の御説明では、何だかまるでかすみを通して物を見るようで、どうも事態がまことにはつきりしないのであります。もう少しわれわれとしてはこの点に対する御計画を伺いたいのであります。
  13. 目黒清雄

    目黒政府委員 ただいまかすみがかかつたようだというお話ですが、と言いますのはまだ本予算確定いたしません関係上、かすみのかかつたようなお話を申し上げましたが、今のような御趣旨の詳細にわたる予算上の説明は、さらにもうしばらく経ちますると安本の方から内示がありましようから、その際に詳細に御説明いたしたい。あるいは書面でもつて説明いたしましても結構でありますが、そういうことにいたしたいと思います。
  14. 的場金右衞門

    的場委員 私らよつと簡單なことですけれども、この機会にお伺いしておきたいのであります。その一つは、戰爭中防空壕を掘つたり、掩体壕をこさえたりして、いろいろな國の施設をやりまして、りつば田圃や畑や山を掘り壊して、それが今日になりますと、雨のたびに川へ砂を流して、川を荒し田圃を荒しておりますが、そういう戰爭中の乱暴な施設が、今日川を荒し、田野を荒しておる。かようなものについては、優先的にこれが処理を、砂防工事なり、その他適当な処理政府としてはなすべきもだと私ども考えておるのであります。政府がなしたああした間違つたことが、今日さらに惡い影響を與えておるのでありますから、政府は何をおいてでも、そういうものからまず処理して、雨のたびに國民を泣かすような結果にならぬように処理されなければならぬものだと思うのでありますが、このことについて、まあ田圃に関しては農林省あたり心配せねばならぬのでしようけれども、どうも、どこでやるのかはつきりしないような分野のものが相当にあると思うのであります。これらについては水政局長としても十分調査をされて、まず川を荒す前に、軍の掘り壊した山なり、あるいは防空壕なりの砂防処理をしなければ、下の方をどんなによくしても、毎年々々砂が流れてくるのでありますから、これを防止する処置をしなければならぬと思うのですが、それらについて何か水政局としてもお考えになつておるのか、また何か実施しつつあられるのか、この点を伺つておきます。
  15. 目黒清雄

    目黒政府委員 ただいまのお説はごもつともであります。防空壕その他の工作物をつくつて公共施設を荒したというのに、つくつた人があるいは軍がつくつてあるか、あるいは個人がつくつてあるかというようなことによつて事情は違うと思うのでありまするが、公共的な防空壕として市あるいは公共團体、あるいは軍というようなものがつくつて、それをそのままに放置しておくということは、一般國民に対してまつたく申訳ないことであります。もちろん河川の水防という点から申しても、非常に重大な事態をひき起すと思うのでありまして、よく調査いたしまして、それに相当処置を講じたいと思うのでありますが、ただいまのところでは、非常に大きな箇処がそういうふうに荒されておるというふうなところで、しかもこれが河川にただちに被害を及ぼすというようなものが、私の手もとにはまだ材料がありません。いずれ詳細に調査をいたしまして、相当処置を講じたいと考えております。
  16. 的場金右衞門

    的場委員 これはまあ局長手もとへはまだよくわかつていないというようなお話でありますが、実際のところ、どうも分野がどちらの方で処理されるものであるか、そのなわ張りはつきりしないような状態にあるのですから、こういう迷惑を受けておる地方人たちも、どこへ行つて相談すればよいか、よくわからないようなものが相当に多いだろうと思います。防空壕の跡が荒れて川がふさがるということもありますが、一方には壊れていくもとの方では、部落が壊れる、住宅が埋まる、宅地がなくなる、田圃が埋まるといつたようなことで、どうもそれは厚生省の方でやるのか、農林省の方でやるのか、あるいは局長の方で受け持つておられるのか、わけがわからぬというのがありますので、ついそのままに放任されておるというような状態なのでありますから、これはあまりなわ張りを言わないで、適当に処理してもらいたいと考えておるのであります。結局は川の方へ砂が行きますから、これは砂防工事として水政局でおやりになるべきものだろう、かように私は考えております。
  17. 野原正勝

    野原委員 委員長、きようの議題にそれないようにお願いいたします。
  18. 田中角榮

    田中(角)委員 ちよつと簡單に伺いたいのでありますが、第一回國会におきまして採択せられ、政府に送付された請願陳情状態を大体お聽きしましたが、それに対しましては、河川砂防、港湾、道路その他の施設で、大体の統計をされたものがございますれば、御説明願いたいと思います。なおその部門別といたしましては、今までの継続工事の分と、非常に請願がたくさんありますために、政府で今まで手をつけておらなかつた新規工事請願もあると思いますから、そういうこともひとつお調べになつていただいておるならば、御説明願いたい。次に應急処置を要するものと、建設、生産的の面からの請願があると思いますから、そういうものの区別をおつけになつたかならないか。もしなつておるならばその内訳をお知らせ願いたい。しかも第一回國会におきまして採択をされまして、あなた方が計画をおつくりなつたところの全工事数量統計表ができておるかどうか。しかも現在の物價指数で何箇年計画くらいでやるのか。これは今後の採択にも非常な重大な基礎となるのでありますし、しかも國会といたしましては、旧憲法下において政府に送付した請願が、十七回も十八回も採択され放しで、國費を一銭ももらつておらないという立場と違いまして、今度は相当責任をもたなければならない。しかも第一回國会におきまして請願書採択するにあたりましては、國会の権威にかけましても工事ナンバーさえ打たなければならないというような議論があつて採択し、政府に送付したのでありますので、いわゆるこの採択をしたり、送付したところの請願陳情が、大体現在の指数でもつてどの程度、何箇年計画くらいでもつてやるのかということは、当然政府においておつくりになつておると思うのでありますが、もしおできになつておるならばこの席で御説明願いたい。おできになつておらないのでありましたならば、なるべく近い機会において、特に本予算が上程されるまでの間に、ひとつ大別をして書類で御報告願いたい。かように考えております。
  19. 菊池明

    菊池政府委員 道路につきましてただいまのお話でありますが、請願の中には、もちろん新しい路線の今後始めなければならないものもありますし、それからいろいろ生産的なもの、あるいは應急的なもの、そういうふうにいろいろ分類もできます。新しく予算に計上いたそうと思つておりますものにつきましては、ただいま持ち合わせがありませんが、この請願の分につきましてそういう分類わけをいたしまして、そうして五箇年計画あるいは十五箇年計画というような計画を一應立てておりますから、それとの関係等をにらみまして、次の本予算上程までに表につくりまして、書類にいたしましてお目にかけたいと思います。
  20. 田中角榮

    田中(角)委員 その統計資料が出ないと、本年度に組みこまれますところの公共事業費に対する私たちの根本的な態度もきまらないのでありますから、その御報告を持つといたしますが、今度出されますところの二十三年度予算で、大体各省を合わせて公共事業費千百億円という要求に対して、安本では大体二百七十億円、こういうふうに抑えておると思うのでありますが、この二百七十億円はもちろん千百億円分に対する二百七十億円でありますから、四分の一に削減されておるのでありますが、この二百七十億全部もらえたとしても、これは通るか通らないかわからない現状でありますが、とにかく二百七十億円、新物價体系で四百十億円、この中で、第一回國会採択したところの請願にかかる工事計画の全額は、どのくらい含まれるものか、しかも國債利子たな上げによる二十七億円といううちの十五億円程度公共事業費にあてられるというのでありますが、この二百七十億円でもつて抑えて、現在二十二年度予算外措置としてやつておりますところの十億円、これは数字は十億円でありますが、実際二十三年度國庫補助をあてにしておるのが相当あると思います。この点お調べになつておるか。現在の予算範囲について、公共事業費というものが実際において抑えていけるかいけないかということは、非常に重大な問題だと思いますが、こういう問題に対する現状と、しかも二百七十億円でもつて抑え切るのか切れないのか。抑え切れないならばどのくらい増額しなければならないか。しかも十五億円の國債利子たな上げによるところの、余剰金公共事業費に繰入れるぐらいによつて抑えていけるのかというような、予算面の問題に対して、現在の状態で結構ですから御説明願いたい。
  21. 目黒清雄

    目黒政府委員 ただいまの問題はいずれ書面をもつて詳細に御報告いたします。
  22. 今村忠助

    今村委員 今田中委員から昨年度請願の結果を統計化して欲しいという希望があつたのでありますが、これはぜひひとつはつきりやつていただきたいと思います。つまり請願が、どう処理されたかということを私は知りたくて要求して、本日もかような会議なつたのでありますが、予算化されたもの、延期されたもの、あるいは不可能というようなものもあるのではないかと思うのであります。一つは技術的に、一つは経済的にさような工事ということは不可能なものだということが、専門家的な立場からあるのだろうと思うのでありますから、それはそれとして明らかにしてもらいたいと思います。それからもう一つは、請願者の方の知識の足りない点もあつたりして、ことが地方府縣請願すると言いますか、要求すべきであつたものが、國会に出ておるということを私どもまま見受けておるのであります。こういうものに対して、地方に連絡をとられたかどうか。これもひとつこの際お伺いしておきたいと思いますから、これは統計に現わしていただきたい。つまり國会請願してあるけれども事業の主体となるべきものが府縣であつたものが何件あるかということを、わかるようにしてもらいたい。それから國土委員会に関連する各局、あるいは部もあるかと思いますが、それをひとつやはり企画性をもつてつていただきたい。ここで報告されました水政局道路関係地政局との報告を見ましても、何かまちまちだというような感じがするのでありまして、どうか統計化するにあたつては、それぞれ打合せの上でやつていただきたい。こういうことをまず第一に御希望申し上げておきます。  次に私は、請願という問題をどう扱うかということが、國会の中の、殊にこの委員会が今後考えられなければならぬ点だと思うのであります。そこで本日政府委員の人にこの点を率直にお聽きしておきたい。一体請願というものは、行政面でははなはだ迷惑なものなのか、実際國民の訴えるものとしてやむを得ないものと思つておるのか、あるいは何と言いますか、民主的で、官廰で気のつかぬこともあつて請願というものはやはりいいのだ。この三つのうち、どういうようにお考えになつておるのか、迷惑なのか、あるいはまあやむを得ないというのか、請願というものがあることによつて、今言う通りいろいろの簡單に言えばよい点がある。氣のつかぬ点も、また民間の要求しておる度合いと言いますか、程度もよくわかつて行政面においても請願というものは、今後奨励してもらいたいものであるのかどうか。この点をはつきりしてもらいたいと思います。われわれ選挙区に帰れば、いろいろの機会において請願の問題に直面するのでありますが、これは一体どう処理すべきものか、どうしてよいのか、私自身においてもいずれにすべきか決しておらないのでありますが、そういうことから、第一回國会における請願の結果がどういうものであつたか知りたかつたのであります。この際政府委員において、率直にわれわれの参考にいたしたいのでありますから、お答えを願いたいと思います。
  23. 菊池明

    菊池政府委員 請願についてどういうふうに考えるかということでありますが、われわれが道路なら道路工事をどういうふうに執行していくか、あるいは予算をどういうふうに配合していくかという点につきまして、國道とか、相当大きなものにつきましては相当知識ももつておりますし、調査もございますので、御請願がありましてもすぐにわかるのでありますが、何しろ百万キロという道路の中から選択するのでありまして、やはりある程度請願は、請願なさる方がわれわれをして誤らしめない方法だと思います。ただわれわれとして、この議の内容を拜読いたしましていつも感じますことは、ただこれをやれという非常に簡單な御説明でございまして、もう少し、なぜこれが必要であるかということを、材料をおまとめになつて請願くださると、われわれ非常に幸いだと思うのであります。西日本の方と東北の方と比べまして、どちらに重点を注ぐべきかというようなことは、相当こまかい資料がなければほんとうはできないはずでございますが、そういうこまかい資料がもしお調べ願えれば、非常に結構だと思うのであります。われわれの方でも調べますけれども、これを伺つてから調べにはいるのですから、それが出ます際に、できますならはそういう実情をよくおしたためににつて請願くださると、われわれも予算を出します際に非常に誤りなくやれるのではないかと存じます。
  24. 今村忠助

    今村委員 今請願のあつた方がいいという御希望のようにも聽いたのでありますが、そうだといたしましたならば、これは実際事務に携わる行政面の人にも聽いておくわけですが、請願一つの方式を定めたらどうかという氣がするのであります。われわれ請願をいろいろ扱つてみて、実にまちまちなものが出てきて、われわれ素人が見ても、まあ來たら扱う程度にみるという程度のひどいものが出てくるわけです。これに多少の方式を與えて、殊にこの國土関係の問題は、他の委員会において抽象的な請願を受け付けるものと多少意味が違うのでありますから、何か方式を設けたらどうかと思うのであります。この点はひとつ行政面の方から希望があるなら、こういう一つの方式で受理するというか、内容というものをつくつてもらうようにということがあるなら、お申出いただいたらよいのじやないかと思うのであります。先ほどもちよつとお伺いしたのでありますが、地方的なものを地方の店縣廰に連絡したかどうかということをお聽きしたい点と、それから請願することによつて地元民の協力ということができるのではないか。つまり天降り的に中央で計画して、河川改修なら河川改修をやるというようなことになれば、どうしても一切を國庫の費用で出さなければならぬというような場合が多いだろうと思いますが、かりに請願等でありますと、地元からたとえば労力の何分の一かは村民の労力奉仕によつて河川改修に協力するというようなものが、私どもの扱つたものにもあつたのであります。つまり請願を奨励するというか、善用するというかによつて、地元民のいろいろな意味の協力を得られる。つまり中央で計画する場合にできぬことができるというような、非常によい点もあるのではないかと思うのであります。この点をはたして実際行政面の人は望むものか、望まぬものか。言いかえれば、地元民の労力提供というようなものは、技術面から見て、あるいは経理面から見て、やつかいなしろもので、そんなものはほんとうはなくて、中央の予算でやる方がいいのだというような声も聞かないではないのでありますから、一應その点をお聽きしておきたいと思います。つまり地元民の協力というのは、ある方がいいのか、ない方がいいのかということ、この二点をお答え願いたいのであります。
  25. 目黒清雄

    目黒政府委員 請願の方式あるいは様式というものを一定にした方がいいかどうかという問題は、私もその方が結構だと思います。非常に美文の請願がありまして、その美文であるために、実際の内容はつきりしないというような請願があるかと思うと、また一方それと反対のものもあります。そういう言葉の上の、文章の上の判断の欠除というようなものをなくする意味におきましても、ある程度の様式、方式を整えて、はつきり請願趣旨のわかるようにしていただきたいとわれわれも常に考えております。  第二点の、請願によつて地元の協力を求めるという点でありますが、われわれはこれはもとからその方法をとつてまいつているのであります。われわれ工事は大部分が地元労力に依存することが多いのでありますし、殊に戰時中はこの点が非常に強かつた。戰後といえども現在の状態においては地元労力に依存するというのが最善の方法であります。從つて請願によつて地元の奉仕、労力の提供というようなことをお願いするのが非常によいと考えます。またわれわれの工事の執行には、労力の提供以外に、利益を受ける地元が工事費の一部を負担する場合がありますが、こういう場合においては、殊にこの請願を利用いたしませんと、負担金を天降り式にこれを賦課するというようなことは全然不可能でありますから、非常に結構なことと考えております。
  26. 高倉定助

    ○高倉委員 古い議会から請願は非常にたくさん出ておりますし、第一國会におきましても請願相当に出ているのでありますが、これの状況を見ましても、考慮中とか、あるいは研究中であるとか、予算が伴わないから実施が困難であるとかいうような、お定まりの文句になつているのであります。一部には実施中のものも相当あるようでありますけれども、概してそういうことにわれわれは見ているのであります。いろいろな工事請願相当選挙区から出てきて、そうして議員がこれを紹介する。もう数回これは請願してあるのであるから、やめたらどうだというのでありますけれども、やめたならば忘れられるから、どうしてもこれは出さなければならぬというようなわけで、実は数回にわたつて請願しているけれども、やはりその請願が考慮中に止つて、いつになつたら実行に移されるかわからないというようなものが相当あるのであります。そこで、この請願ばかりでなく、國の方針として二十箇年なら二十箇年の計画でも結構だし、十箇年なら十箇年でもいいのでありますが、これらを総合したところの一つ計画を立てられて、そうしてその計画において第一年度はこれこれを重点的にやる、第二年度はこれこれをやる、これだけの予算が要るということを、現在のままでもいいですからひとつ計画をお立てになりまして、経費がないからできないということなら、今村委員が言われたやうに、地方民がこれを負担することによつてそれを促進していくということにしたならば、たいへんいいのじやないかと思うのでありますが、そういう計画を立てられる意思があるかどうか。これは早急に計画を立ててやつてもらわなければ、こうしてたくさんの請願を紹介する議員も、迷惑であるし、またこれが実現しなければ、なんだ実現しないじやないか、力が足らぬじやないかといつてそしりを受けるのであります。かようなわけでありますから、そういう計画を立てて、重点的にこれこれをやる、その次にはこれこれをやるというようなふうにしてもらえば、たいへんに整理がついていいのではないか、かように考えるのでありますが、その点いかがでありますか。
  27. 菊池明

    菊池政府委員 初めに請願したものがいつ実現するか、何度も何度も出しておるというようなお話でありますが、大体道路に関しますることでは、請願されたようなものは、大概予算編成期前に、府縣の当局から來年度予算にいろいろ入れてくれということがまいりますから、大体においてそれは請願に出るようなものは府縣からも要求がありますので、それを織込んで予算編成に当つております。採択はこれから考えわけでありますが、一應考え予算を組むことになつております。  それから計画の問題でありますが、これはわれわれ計画はつつております。たとえて申しますれば、來年度に際しまして、われわれの計画を実施するのには約六十二億を道路関係要求いたしたいという氣持であつたのでありますが、そういつたふうに來年度はどれくらいということも一應は立ててございますから、自然に何らかの機会にそういうことをお示しできれば、われわれの方といたしましても非常に心強く思うのでありまして、今後最初計画内容をお目にかける機会を、でき得るならば得たいと存ずる次第であります。経費もそれに伴つて説明ができると存じます。
  28. 田中角榮

    田中(角)委員 予算の問題でちよつとお聽きしたいのですが、先ほど要求いたしましたところの、いわゆる本年度の二百七十億というものに対する根本的な問題でありまするが、その問題に対しまする報告は、先ほど申し上げましたように、本予算が提出されるまでにひとつお願いしたい。これは現在政府から出るところの建設省というものと非常に密接な関係がありますし、特に建設院から各省にわかれておるところの各部門との割合が、安本でどうなるかということを檢討する最も重要な資料でございますから、これはひとつぜひ早急に出していただきたい。しかしこれはそこでもつて簡單に御答弁になつた方がよいのではないかと思いますが、これを書類にして、いわゆる二百七十億でどの程度できるかということは、技術的にむずかしいのではないかと思いますが、政府の方のお考えはいかがですか。  もう一つ続けてお聽きしたいのは、いわゆる二百七十億、新物價体系による四百十億、これをとつたとしても、予備費として二十億とりたいというのですが、現在すでに千百億円出しても、昨年度災害費などは完全に実施されないはずです。そういうところへ四分の一の二百七十億に切下げまして、しかもその中から二十三年度災害予備費として二十億もとる、これは理論的にはつきりしてわかるのでありますが、実際においてとにかく三十億をとるよりも、二十億をかけた方がよほどいいのじやないか、こう思うのです。もちろん本年の夏の災害予備として二十億をとられるというのでありますが、二百七十億から二十億とつて二百五十億という程度までなるのですが、こういう問題は本予算に対して特に当局から安本並びに大藏当局に対しては、強硬に要求してもらわなければならぬという面でありますので、國会としてもこれについては非常な大きな関心をもち、また研究もしなければならぬ。そういう意味においてこの二十億を保留した場合のこともよくお考えになつて、御報告を願いたい。お願いしておきます。
  29. 目黒清雄

    目黒政府委員 それではもう少し二百七十億のときの安本の内示額をちよつとお話申し上げたいと思います。われわれこれは私の方の河川砂防災害というようなものをひつ括めてのものでありますか、先ほど申し上げました通りに、最初二百億を要求いたしまして、百十億の最低線を確保したいということでいろいろ折衝したのであります。それに対して安本が二百七十億の場合には六十八億八千万円という数字を示してまいりました。おそらく四百十億のふくらましはこの六十八億八千万円をその通りにふくらますのだろうと考えております。でありますからあるいはこれが九十何億ということになると想像いたしております。そういたしましても最低要求の百十億にはとうてい達せられない。この最低要求と申しますのは、二十二年度災害は、当初要求しました百十億に対しまして七十七億を消化したい、こういう案でありますから、大体においてある程度災害復旧をやれるという見透しの要求だつたのであります。これだけただいま手もと材料がございますから……。
  30. 松浦東介

    ○松浦(東)委員 この場合二、三委員長に対して要望事項があります。一つは國立公園の問題ですが、本委員会の所管事項の中に國立公園の問題があるのであります。この國立公園と一環のつながりをもつところの観光事業といいますか、観光團体は、はなはだ不可解な話でありますけれども、本委員会所管ではなくして、これは文化委員会に属しておるそうであります。このことは決してこの観光事業なり國立公園なりを推進する意味において、私は当を得たものではないと考えます。試みに、言うまでもない話ですが、これを地方ではいかなるところで所管しておるかといいますと、地方の行政官聽でば、大体土木部においてこの國立公園なり観光なりをやつておるようであります。これは観光は道路からというような考え方であろうと思いますが、これはまことに至当な考え方だと思う。どうかこの点をひとつ委員長におかれましてお考えの上、委員会にお諮りの上に、常任委員長会議なり、あるいは議院運営委員会に出られまして、これを一本にまとめて本委員会の所管になるように、御努力願いたいと思います。なお本委員会といたしましては、國立公園問題について、今まであまり活発な活動をしておらなかつた。これは一種の私は怠慢であると考えております。われわれは國立公園というものに対して大きな関心をもつておるのでありますから、できるだけ早い機会をとらえていただきまして、観光事業、國立公園の資料を集めまして、われわれ委員に配付するようにお取計らいを願いたい。その後において速やかに機会をおつくり願いまして、厚生省のその担当の係の方々よりわれわれはこの問題について説明を聽取いたしたいのであります。このことも要望いたします。  なおもう一つ委員長にお取計らい願いたいのは、本委員会が最も関連をもつところの行政官廰といえば、大体これは今のところ建設院のようであります。しかるに現芦田内閣は、建設院にも政務官を設置したようでありますけれども、それ以來相当の時日が経つておるにかかわらず、その政務官はまだ本委員会に現われておりません。これはどういうわけで出ていないか、御病氣であるかどうか、その理由をよく突き止めまして、委員長から、責任をもつて、この次の委員会においてわれわれに御報告を求めたいのであります。以上三点であります。
  31. 中島茂喜

    中島委員長 ただいま松浦委員よりお話のありました國立公園の委員会所管の問題でございますが、このことにつきましては、ただいまの御意見の通り取計らいたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 中島茂喜

    中島委員長 その他の二点につきましては、委員長において御意見のように取計らいたいと思います。本日はこの程度に止めまして、次回に讓りたいと思います。  次回は追つて公報をもつてお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十五分散会