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守田委員 五十億が必要である。ところが二億八千万だけしか
予算がないということになりますと、約四十七億足りないのであります。この四十七億の捻出が、先ほど総裁のおつしやることによりますれば、はなはだ困難である。
努力はする、こういうことになりまするが、しかし四十七億円はどうでもこうでもやらなければならないということになると思います。そこで問題はその
費用の捻出方法でありまするが、私は四十七億円くらいの金は結構できるのじやないかと思います。その方法はどういう方法かというと、かりに四百万石の
食糧の援助を求めるということになりますると、今日の時値から申しましても、四百万石という
食糧でありまするから、四十七億円の金額から比べればはるかに多いのであります。この場合において、
食糧の援助も、外資の導入ということになるが、このわけを向う様に十分披瀝するならば、
災害復旧に対しまするところの外資を借入れるという方法も、一つの方法ではないかと思うのです。それから第一國会において、院議をも
つて決議された融資の問題が未だに解決がつかない、これが融資が現実化していない。こういうのでありまするが、この面におきましても現在復興金庫等においては、赤字融資というようなことをや
つておるが、この赤字融資を打切
つても、この
災害復旧の方へまわすことができるのじやないかと
考えておりますし、また
地元の資金の借入れの問題でありますが、これは今日
農業会等がすでに閉鎖されることになるので、相当困難であるが、
地元の
農民から個人的に一時、これは一人々々借るというわけでないが、何らかの方法をも
つて借入れても、これは実現性があるのでないかと
考えておる次第であります。
もう一つは、これは同じことなのでありますが、この際
災害復旧公債というようなものを発行して、これの
費用に充てるという方法もあるのではないか。
もう一つ今全逓その他の官公廰等がストライキをや
つておる。もちろん生活の窮乏からくる
要求で、あるいは当然なことと思いまするが、相当むだな経費が人的においても支出されておるのじやないかと
考える。そこで行政整理をや
つて、その方からの資金を相当この
災害復旧の方にまわすことができるのじやないか。さいわいここに
農林省の改良課長がおられます。これは改良課長の権限ではないのですが、こういう事実があるのであります、たとえば
地方等におきまして、最近干拓が行われておる。開墾が行われておりまするが、この干拓の一つの例にいたしますると、干拓は全額國庫支弁であります。従いまして実際に干拓の適地であるかないか疑問な点、あるいはこれが五箇年ぐらいしなければ收穫がないのにもかかわらず、今これにかか
つておるというのは、
地方で私が自分で調査したところによりますと、干拓
計画というものは、まつ先に請負業者が
計画を立てる。こういうことがあるのであります。請負業者をもうけさせるために干拓事業があるので、ほんとうの
食糧増産のために干拓事業をや
つておるのではない。これは全部ではありません。一部にはそんなものがある。また開墾にいたしましても、もちろんこれは失業者救済等々がありますが、いつ收穫があがるかあがらないかわからない。ただ
政府の
補助金取りのために開墾が行われておる。
補助金をと
つてしまえばもう山からおりてしまう。こういうような方面に相当の金が流されておる。そこで
地方の
農林関係から見ますと、
開拓関係の方では金が余
つておる。使い途がない。だから事業も何もや
つていないのに、金は先に拂
つておる。だから
災害復旧に金はまわせる。
災害復旧を今やりますれば、ことしの秋とれる。その方になぜ金をまわさないのか。その点私ははなはだ遺憾であります。たとえば
戰災復旧の方でありますが、私昨年からこの
國土委員会に出ていてみますると、都市
計画というものが戰災地において実行されつつあるのでありますが、その場合に、この都市
計画の反対の
陳情はありましても、これをすぐさま実施せいという
陳情は一件も今日まで私はなかつたと思います。この方の資金に対しても、一箇年五十億か六十億の金がまわされておる。実際の生産面に対しては金がまわらないで、何かむだな金ばかりが使われておる。これは各方面にあると思います。私は何をおいても、この際
災害復旧は第一にやらなければならない。いわゆる先ほどのどから出かか
つておるけれ
ども言えない
事情がある、こうおつしやいますけれ
ども、
政府当局がこの
災害復旧というものに対して、根本的な認識がまだ欠けておるのじやないか、かように私は
考えるのです。金の出場所はいくらでもある。私はかように
考える。この私が申し上げました点につきまして、
建設院総裁はいかなる御見解をも
つて御
努力されるかということを、一應ここでお伺いしておきたいと思います。