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1948-01-30 第2回国会 衆議院 国土計画委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年一月三十日(金曜日)     午前十時五十八分開議  出席委員    委員長 荒木萬壽夫君    理事 細野三千雄君 理事 松井 豊吉君    理事 内海 安吉君 理事 松浦 東介君      的場金右衞門君    伊瀬幸太郎君       溝淵松太郎君    守田 道輔君       山本 幸一君    田中 角榮君       原  孝吉君    高田 弥市君       野原 正勝君    野本 品吉君       高倉 定助君  委員外出席者         專門調査員   西畑 正倫君     ————————————— 本日の会議に付した事件  委員会運営に関する件  國政調査承認要求に関する件  小委員会設置に関する件  関門國道隧道工事状況視察に関する件     —————————————
  2. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 これより会議を開きます。  この際簡單一言御挨拶申し上げます。第一回國会におきましては、各委員の絶大なる御協力をいただきまして、滞りなく委員会運営を果したのでございまするが、この第二國会におきまして皆様の相樂らざる御支援をいただきまして、本委員会使命を果したいと存ずる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  お諮りいたします。休会中におきまして便宜守田委員及び私と西畑專門調査員とが現地にまいりまして、関門國道トンネル工事状況を実地調査いたしたのでございます。つきましてはその状況守田委員より本委員会に御報告申上げたいと存じますが、御異議ありませんでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めます、守田道輔君
  4. 守田道輔

    守田委員 これより御報告申し上げまする。  第一回國会において、関門國道隧道工事促進に関する請願第七二九号及び陳情第三八一号が本委員会に付託されましたが、会期終末近くで、早々の間に審議せられたるため、各委員にその重要性を十分に御認識していただけなかつたやうにも感ぜられ、この点はなはだ遺憾に思つていた次第であります。隧道工事は今次世界戰争の前後を通じて、日本が世界に誇り得る唯一建設工事でありまして、目下海峡征服隧道計画中本工事に比肩するものは、イタリー本土とシシリ一島を結ぶメツシナ海峡隧道、スペインとアフリカを結ぶジブラルタル海峡隧道並びに英佛海峡隧道でありまして、各國とも鉄道隧道より数倍の断面を有する関門國道隧道の成否に関し多大の技術的関心を有するものであります。この見地からも本隧道工事の詳細を各委員に認識していただきたいと思い、今次休会中を利用して、私は西畑專門調査員を同道して現地調査してまいりました次第でございます。  まず第一に本工事成立の経緯及び今日までの経過を簡單に申し上げます。なお本計画の詳細はただいまお手もとに配付いたしました関門國道建設工事計画書を御参照願います。  本州と九州とを中斷する関門海峡を征服して、両者を直結するための鉄道國道の両隧道建設計画は、明治年間よりの國家的懸案問題でありました。しかるに鉄道隧道はすでに完成して、世界土木学界賞讃と、わが國建設力の威力を発揮したのでありますが、これよりさらに大規模なる國道隧道は、不幸工事半にして太平洋戰爭に遭遇したため、資材の欠乏及び戰災等のため工程は遅々として進まず、終戰後はついに完全なる維持補修状態に立ち至つたのであります。  本國道隧道は現在の二号國道と中國山口縣長府において分岐し、関門海峡下を通過し、九州門司市鎭西橋において再び二号國道に合する、延長約十キロの関門國道間に存在する総延長三キロ四五〇メートルの海底隧道でありまして、海峡下隧道延長は七八〇メートル、下関取付隧道延長一キロ三七三メートル、門司側取付延長一キロ二九六メートルであります。路線は関門海峡の最狭搾部を通過するものでありまして、地質鉄道隧道に比しはるかに良好でありまして、下関側は主に■岩・門司側は閃緑岩で下関側海底部に約三百メールの斷層破碎帯が存在し、この間の湧水量は毎分約三三立方メートルに達するものであります。本隧道の構造は、世界國河底隧道の長所を取り入れた最新式のものでありまして、詳細はここにある図面を御一覧願いたいと存じます。すなわち、海底部は半円型二段式でありまして、上部の高速車道有効幅員七、五メートルで、大型バス二台が悠々と行き違え得るものであります。下部は緩速車道人道であります。交通能力は毎時自動車二千台、人員二千名を通過せしめ得るものでありまして、これに十分なる換氣設備を考慮してあります。本隧道内務省直轄工事として昭和十二年春より調査工事に着手し、十四年四月試掘隧道を貫通し、これより総工費一億七千万円、十箇年継続工事として着工いたしました。たまたま昭和十六年太平洋戰爭突以來資金資材配当意のごとくならず、昭和十九年十二月ようやく全線導坑完成したのであります。さらに、終戰後の混乱と極端なる資金資材の削減に遭遇し、全工程の約二割を完成したまま二十二年度は維持工事費を計上したのみであります。今日までの完成工事量と今後の残工事量につき対照してみますと、今日までに使用した工事費は全工費の約二〇%、セメシト鋼材は全所要量の約一〇%であります。今後の所要量工費約十五億円、セメシト六万トン、鋼材一万五千トン及び木材十六万石となつています。隧道掘鑿は約一六%の進行でありますが、全線導坑が貫通しているため、全体の地質が明瞭となり、技術的確実性と多大の安全感を與えるものであります。縦坑四本のうち最も重要なる門司下関の二本はほぼ完成しています。湧水は毎分約七立方メートルでありまして、そのうち五立方メートルは海底部より湧出しています。排水のためには下関及び門司両側ポンプ室があり、各六台の排水ポンプが完備されています。機械及び動力設備は、昭和二十年六月及び七月の戰災によりほとんど燒失しましたが、その後二箇年間における現地建設事務所員一回分懸命なる努力によりほとんど從前に復し、本格的工事施工に何ら支障なきまでに施設を整備されているのには一驚いたしました。すなわちコンプレツサー十六台、鑿岩機百四十四台、捲揚機四十九台、大型ポンプ十八台、その他の鉄管ボス等を整備しています。器機修理工場下関及び門司両側に整備され、これまた本格的工事施工待機の態勢にあります。充電設備両側に各五百キロワツトの容量を有し、万一の場合に備えるため両側に六百五十キロワットの自家発電設備をちようど完成したところであります。その他事務所倉庫合宿等約三千六百坪の建物を有し、これらの施設のみでも現價に評價すると約三億円に該当するものであります。職員及び労務者は合計約六百人で、主として直営により最少限度維持保修に当つていますが、隧道に関する限りわが國における唯一特殊技術者のたまり場となつています。これら從業員の建設意欲はまことに旺盛でありまして、万難を排して本隧道完成に邁進せんと張り切つていまして、この点まことに心強く感ぜられました。  次に本隧道使命経済的効果に関し一言いたします。本隧道完成の曉は、鉄道隠道と相まつて名実とも本土九州間を陸地をもつて連絡し、関門海峡をして関門港灣化せしめるものでありまして、関門及び北九州重要産業地帯を地理的に一元化するものであります。すなわち本隧道経済的効果を具体的に申し上げますと、一、荒天時における運行の杜絶、あるいは夜間運行の不安が一掃される。二、小運送物資の積卸し費用の節約並びに物資輸送を敏速ならしめる。三、船舶の節約海難事故の減少。四、船舶積卸しに伴う包装及び損傷防止に伴う節約。五、電信、電話ケーブル十八本を通ずることができる。等が列挙されますが、建設院関門極道建設事務所計算に基きますと、本國道完成後これを利用する人員は一日約四千人、自動車約三百五十台と想定されますが、これらによつて得らるる利盛は、年間ほぼ現在單償として約七千五百万円となります。人員、貨物の増加率を年々一〇%金利五%、経営費年間約一千万円としても約十箇年をもつて十五億円の工事費を償却し得る計算になります。また失業救済事業見地よりしても、本工事には約延べ四百万人の労務者を必要とするものでありまして、一日約二千名の未経験労働者を收容し得るものであります。  次に今後の対策に関し言及いたしたいと思います。およそ本工事のごとく一日一万十ン以上も湧水のある海底隧道工事半ばにして放置することの不可能なるゆえんは、例を現在最も國民の関心事たる炭坑にとつて見れば明白であると思います。すなわち終戰後生産の半減せる筑豊炭田、その減産の最大原因は、人心混乱せる終戰後二、三日間の坑内排水中止に起因する各種の障害であると称していますが、すでに二年以上を経たる今日といえども、未だにその深刻なる影響に苦しんでいるのであります。また坑道が一度落盤浸水すれば、これが復旧にはおよそ一、二年を要するのが通例であります。すなわち本隧道工事におきましては、進むか、退くか、いずれかをとるべきで、現状維持という考え方は、技術上も困難であり経済上も不利であります。  これらの見地よりこれが対策を、具体的に計算せる建設院結論簡單に申し上げますと、第一案、これは從來の建設院案で多少年度は延長とても原計画をそのまま遂行するとするものであります。工費約十五億、セメント約六万トン、鋼材約一・五万トンであります。交通能力は一時間二千台であります。  第二案、本案も本工事計画当初に考慮されたもので、取付隧道の代りにエレベーターにより出入せんとするものであります。ただ工費関係上これを二期にわかつて施工せんとするものであります。すなわち第一期工事として、海底部分七百八十メートルのみ完成し、その両端下関及び門司縦坑内の昇降機により上下する。從つて両端取付随道の二キロ六百八十メートルはこれを中止する。工費約六億円。セメント約一万七千トン。鋼材約五千トンである。交通能力は一時間八十台となります。さらに第二期工事として残工事完成すれば、工費総額は多少の工事手戻りのため、第一案より幾分増額となります。  第三案、最小限度の現賦維持案であつて年間経費約七千万円と、セメント約七百三十トン、鋼材百二十トンを要するが、これらの資金資材は何らプラスの面に使用されないわけであります。  第四案、これは中止案であるが、これがためには後始末工事として、地質不良部分を一應固定強化する必要があります。これに要する工費は約一億二千万円で、セメント約四千四百トン、鋼材約四百トンであります。加うるに排水その他の経費として年々千三百五十万円を必要とする上、湧出する塩水のため各種機器機材鉄管等は逐次腐蝕して使用に耐えなくなるおそれが十分にあるわけであります。  第五案でありますが、これは現地調査の結果に基きました專門委員等、その他参議院の赤木國土委員もその席に列席れまして、いろいろと協議いたしまして、ここで私ども現地に出張して調査した者の一つの試案でございますが、これを第五案としてここに申し上げる次第でございます。その試案によりますと、第二案の第一刻計画をさらに簡易化せるものであります。すなわち海底隧道七百八十メートルを完成し、その両端縦坑昇降機を取付け、これが前後二キロ六百八十メートルの取付隧道工事を中止し、工費資材節約をはからんとする点は第二案と同一でありますが、さらにその隧道断面米國ボストンまたはオランダのアントワープ隧道程、度に縮小したいというのでありますが、第五案につき少し詳細に申し述べます。すなわち以下簡單化する諸点と、これによつて生ずる利害得失を申し上げますと、隧道延長が三キロ四百五十メートルより、七百八十メートルすなわち約二三%に短縮されるから、所要資金資材が約七〇%節約される。下関側隧道入口として現在の縦坑の位置の方が第二号國道に沿い、下関市の中心部にも近接して、現状としてははるかに便利である。交通量が毎時八十台、一日約千台で、第一案よりはるかに低下するが、現状よりして、一日の交通量六百台以上に到達すれば、十数年はもちこたえられると考えられるわけであります。隧道断面ボストンにはアントワープ隧道程度に縮小すれば隧道掘鑿量が約二五%減少し、同時にコンクリート量も減少するわけであります。これがため車道幅員が七、五メートルより六、七五ないし六、五メートルとなるが、これはさぼど不便とは考えられない。人道はなくなるが、現在の氷技隧道をこれに代用するよう考慮したらよかろうと思つております。地質が比較的良好であるから、鉄筋コンクリート・セグメントを使用せず、單なる場所打コンクリートとし、かつその厚さを四十ないし七十センチ程度に縮小する。これにより鋼材が半減します。セメント節約のため隧道部の天井を施工せず排氣ダクトを廃して、半横波式で換氣する。下関門司の両縦坑はほぼ完成しているが、換気量が激減したから、その半分を換氣用に、残り半分を昇降機用に充当すれば十分であると思われます。  以上の程度施工範囲を縮小し、設計基準程度を落すと、工費は約五億四千万円、セメント約一万五千トン鋼材約五千トンとなり、これを五箇年計画とすれば、年間工費一億円、セメント三千トン、鋼材一千トンとなり、一河川災害復旧工事と大差ないものと考えられます。この第五条はわれわれの試案ありまして、現在までの投資を極力活用せんとしたために、あまりにも工事規模を簡易化せんとする憾みはあるが、現在わが國の窮状に即應し、最も実現性のある計画考えます。しかしながらわが國の直面する資金資材難はさらに深刻であるとも考慮されますので、本隧道の有する経済的價値と当面の治山治水等公共事業重要性との振合を、本委員会において愼重審議の上結論に到達いたしたいと思います。  また本工事を進捗するといたしましても、個々の設計問題について技術的には幾多改善の余地がありますから、これには最も河底隧道経験の深い欧米各國の知識を吸收する必要があると思います。  以上をもちまして私の現地調査報告といたしますが、最後に私どもの希望といたしましては、本委員会において本問題に関し政府当局とも十分協議の上、一日も速やかに関則國道隧道対策を決定されんことを熱望する次第であります。
  5. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 関門國道トンネル現地調査報告は以上で終りまして、これに関しまする御意見もしくは本委員会としての取扱い等につきましては、改めて理事会その他にお諮り申し上げたいと存じます。御了承を願います。  この際國政調査承認要求につきましてお諮りいたします。第一回國会におきましては國土計画都市計画治山治水事業災害復旧等につきまして、國政調査承認受け、それぞれの分野において各般の調査を行い、根本対策を樹立檢討してまいりましたが、第二回國会におきましても、さらにこれを継続する必要があり、かつまた根本対策に基きまして、さらに恒久対策並びに應急の諸具体策を講ずべきいわゆる第二次的段階にはいつたとも考えるのでございますが、会議継続の原則に鑑みまして、第二回國会劈頭において國政調査承認を受け、対策樹立に邁進いたすことは、今後の運営上必要なことかと存ずるのであります。つきましては衆議院規則第九十四條によりまして、以上の諸問題について議長に対し國政調査承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めまして、必要なる手続等につきましては委員長において取計ろうごとといたします。御了承を願います。  次に國政調査に資するため小委員会設置の件についてお諮りいたします。第一回國会におきましては國土建設のため各分野におきましてそれぞれ対策を樹立檢討いたしてまいりましたが、なかんずく治山治水事業につきましては、治山治水対策小委員会を設け、当問題に対してあらゆる対策を講じてまいりました。しかして小委員各位の御努力によりまして、数次にわたる檢討の結果、中間報告としてその小委員長より御報告いたされましたが、会期切迫という時間的な制約を受け、本格的な決定を見るに至らなかつたことはまことに残念に存ずる次第であります。そういたしまして当問題は今後ますます積極化いたすことはもちろんでありますと同時に、予算の問題、機構の問題等と関連いたしまして、小委員会使命はいよいよ重大と言わざるを得ないのであります。かかる観点よりいたしまして、この第二回國会におきましても小委員会設置し、本問題の根本的解決をはかることは緊急の要務と存ずる次第であります。よつて本会期中におきましても、治山治水対策小委員会というがごときものを設くることといたしたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 それでは小委員会設置することに決しました。治山治水対策小委員会その他の選定はいかがいたしましようか。
  8. 松浦東介

    松浦(東)委員 この小委員会の名称並びに小委員及び委員長選定につきましては、第一回國会通りそのまま踏襲して暫時運営せられんごとを望みます。
  9. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 ただいまの松浦君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めましてさよう取計らいます。一應私から小委員を指名いたします。    細野三千雄君 松沢  一君    守田 道輔君  原 孝吉君    松井 豊吉君 村瀬 宣親君    今村忠助君  内海 安吉君    松浦東介君 的場金右衞門君    只野直三郎君なお小委員長には細野三千雄君を選任したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 御異議なしと認めまして、小委員長には細野三千雄君を選任いたします。御了承を願います。、  次にこの國土計画委員会運営に関しましてお諮りいたしたいと存じます。私の考えといたしましては、いろいろ御意見ももちろんあろうかとは存じますけれども、第一回國会経験に徴しまして、おおむね前國会におきまする運営方法に準じまして運営してまいりたいと存じますが、いかがでございましようか。
  12. 松浦東介

    松浦(東)委員 大体は委員長が仰せられるような方針でけつこうだろうと思いますけれども、私はこの際本委員会運営について一言簡單意見を申述べてみたいのであります。申すまでもなくわれわれはいかにすれば能率をあげ得るかということを重点として、常に考究すべきであると考えるのであります。本委員会は第一回國会に おいて発足以來荒木委員長のもとにおいて各位の御精励によつて能率をあげ、多大の効果をあげ得たと信ずるのでありますけれども、さらに一段のくふうがあつてしかるべきではないかと存じます。第二回國会劈頭における本委員会におきまして私は特に感じます点について、その思いつきを御参考までに申し上げてみたいと思います。  第一は單に治山治水対策小委員会だけでなく、能率向上のためには小委員会制度というものをもつと活用すべきではないかと存じます。第二には、すなわち本委員会に付託されますところの請願の数は非常に多いのであります。第一回國会の例に徹しましても、全請願の約三分の一は本委員会に付託になつておるような状態でありますので、これを詳かに審査をするということは、これは非常に困難なことであると思うのであります。書類審査のほかに一々紹介議員口頭説明を聽くことは時間的にみまして、時間を浪費するという憾みなしとしないと思うのであります。私は多少この際この点についても改正の必要があるのではないかと思います。率直に言いますならば、私はたとえば請願審査のための小委員会というようなものを設けまして、まず書類審査をなし、しかる後において特に必要と認めたものについてのみ口頭説明を求めてはどうかと、かような考えももつのであります。これは御参考までに申し上げておきます。次に第一回國会中におきましてわれわれは建設院設置の問題のときに、われわれとしては建設行政一元化をはかるのが当然であるという見地より、ぜひ建設省を設けなければならないかく主張したのであります。われわれはあくまでこの信念に基いて今後も進むべきであると考えますが、この建設省設置問題につきましても、小委員会を設けてしかるべきではないかと考えるのであります。今後の委員会運営について御参考までに一言申し上げておきます。
  13. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいまの松浦委員建設行政一元化に対し、第一回國会に引続きまして小委員会を設けて研究したいという御意見に対しては賛成であります。同時にそれに関連しまして、住宅復興対策に関しましては当然本委員会に属すべきものでありますが、第一回國会におきましては住宅復興問題は衆議院の当委員会においてはあまり取上げられなかつた非常に重大な問題でありまして、特に敗戰後のわが國におけるところの住宅問題は、これから相当長い間大きな問題として取上げる必要がある、その意味において市街地建築物法並びに臨時建築制限令、その他建設関係法規の改廃も重大なる関連を有するのではないかという意味から、住宅復興対策小委員会を本委員会の中に設けまして、特に建設関係法規改正並びにその他の事件を審議調査されるように希望いたしたいのであります。
  14. 松井豊吉

    松井委員 ただいま松浦田中両氏から参考にすべき御意見が出まして、これには私どもも賛意を表します。一言私の意見を加え、そうして今後できるならばぜひ実行していただきたい、こう思うのであります。わが國土委員会は各委員会を通じまして、請願を初め水害関係に及びまする重大案件愼重審議いたしまして、本委員会はほとんど過半数以上の数件にわたるというような事実を聽いておるのでありますが、殊にこの災害関係については重大でありまして、わが委員会愼重審議いたしまして、それぞれ主管大臣を通じて政府にその内容を通知し、あらゆる関係について各方面からの陳情がまいりまして、それを委員会が取上げまして、そうしてその後今日の結果を見ましても、ほとんど委員会の力がないように見られておる、というのは実現がないのです。いかに予算関係であろうとも、今後はわが委員会愼重審議研究したものは、全部と言えませんまでも、大体農地復旧に対しては、この來るべき六月の田植時期、この三月の出水期において、どうしても食糧増産のためにやらなければならぬというこの農地復旧に対しては、わが委員会全員がそれの中心に力を入れて復興する、増産に邁進する、こういう意味合いからひとつ政府に通す。災害問題に対しても、どうしても堤防の工事、あらゆる河川の改修をしなければならぬ。こういう方面に研究されて、わが委員会のいわゆる権威政府方面に尊重していただいて、ひとつ通していただきたいと思う。ずいぶん数件にわたつて委員会を通しましたけれども、これがわが委員会中心になつて実現なさるということは私どもは信じでおらぬのです。こういう方面から今後審議する件数、法案は、少くともそこに重点をおいて、委員会権威を示す。そうして区画を超越して、群馬縣であろうと埼玉縣であろうと、どこであろうとも、どうしてもやらなければならぬ増産、あらゆる災害復旧に対する必要に應じては、力を入れてこれを実行する必要がある、こう思うのであります。これについて今後皆さんにおいて一段の御努力を願いたいと思うのであります。
  15. 田中角榮

    田中(角)委員 これは委員長にお願いしたいのですが、昨年の東北六縣の水害並びに関東の水害に対しまして、水害対策特別委員会がつくられたのであります。しかもあの水害は突発的な事件でございまして、当然議院といたしまして特別委員会をつくるということは認めるのでありますが、第一回國会を顧みますときに、特別委員会においては相当つつこんだことが取上げられたようでありまして、治山治水の根本的な調査その他政府委員との打合せ等は、特別委員会に集中されたというような観があるのであります。しかし私の考えますときには、こういう問題は当然当國土計画常任委員会において取上ぐべき問題でありまして、特に第一回國会において東北、関東地方の水害に対する対策はほとんど立てられたと私は考えられるのでありまして、第二回國会においては、第一回國会に引続き特別委員会設置せず、当然水害対策特別委員会を解消して本委員会に引継いでいただきたい、こういうふうに考えておるのであります。しかもそうすることによりまして、当委員会の中に第二回國会においても引続き設けられるところの治山治水対策小委員会というものの本領を発揮できると思うのでありますし、また第一回國会において合同審査をする、しなければならないと言いながら、第一回國会においてはついにその機会がなかつたような次第でありまして、このままに推移したならば屋上屋を重ねるというようなことになるのではないか、しかもこの本來の任務は当委員会が当然負うべきものでありまして、この委員会にも治山治水対策小委員会が設けられるという現段階においては、ただいま申し上げましたような特別委員会調査しております。資料その他全部を引継いで、本委員会を十分に活用し、その対策に万全を期せられるように希望する次第であります。
  16. 荒木萬壽夫

    荒木委員長 ほかに御意見ございませんか。——ただいま各委員から本委員会運営に関しまして、それぞれ剴切な御意見が御発表になつたのでございますが、これらの点につきましては、聽きまするに常任委員会の改組の問題も問題になつておるようでございます。かつまた各委員会委員の顔ぶれ等も各党派の変動に應じまして、いずれはなにがしかの変動があることと存ずるのでありますが、これらのことを考え合せまして、別途御意見のほどは理事会等にもお諮りいたしまして、委員長において善処いたしたいと思いまするので、御了承を願いたいと存じます。  本日はこれくらいにいたしまして、次の委員会の日時は公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時三十七分散会