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1948-01-30 第2回国会 衆議院 国土計画委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年一月三十日(金曜日) 午前十時五十八分
開議
出席委員
委員長
荒木萬壽夫
君
理事
細野三千雄
君
理事
松井
豊吉
君
理事
内海
安吉
君
理事
松浦
東介
君
的場金右衞門
君
伊瀬幸太郎
君
溝淵松太郎
君
守田
道輔君
山本 幸一君
田中
角榮
君 原
孝吉
君 高田 弥市君 野原 正勝君 野本
品吉
君 高倉 定助君
委員外
の
出席者
專門調査員
西畑
正倫君 ————————————— 本日の
会議
に付した
事件
委員会運営
に関する件
國政調査承認要求
に関する件 小
委員会
の
設置
に関する件
関門國道隧道工事状況視察
に関する件 —————————————
荒木萬壽夫
1
○
荒木委員長
これより
会議
を開きます。 この際
簡單
に
一言
御挨拶申し上げます。第一回
國会
におきましては、各
委員
の絶大なる御協力をいただきまして、滞りなく
委員会
の
運営
を果したのでございまするが、この第二
國会
におきまして皆様の相樂らざる御支援をいただきまして、本
委員会
の
使命
を果したいと存ずる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 お諮りいたします。
休会
中におきまして
便宜守田委員
及び私と
西畑專門調査員
とが
現地
にまいりまして、
関門國道トンネル
の
工事状況
を実地
調査
いたしたのでございます。つきましてはその
状況
を
守田委員
より本
委員会
に御報告申上げたいと存じますが、御
異議
ありませんでしようか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒木萬壽夫
2
○
荒木委員長
御
異議
なしと認めます、
守田道輔君
。
守田道輔
3
○
守田委員
これより御報告申し上げまする。 第一回
國会
において、
関門國道隧道工事促進
に関する
請願
第七二九号及び
陳情
第三八一号が本
委員会
に付託されましたが、
会期終末
近くで、早々の間に審議せられたるため、各
委員
にその
重要性
を十分に御認識していただけなかつたやうにも感ぜられ、この点はなはだ遺憾に思
つて
いた次第であります。
隧道工事
は今次
世界戰争
の前後を通じて、日本が
世界
に誇り得る
唯一
の
建設工事
でありまして、
目下海峡征服隧道計画中本工事
に比肩するものは、
イタリー本土
とシシリ一島を結ぶ
メツシナ海峡隧道
、スペインとアフリカを結ぶ
ジブラルタル海峡隧道並びに英佛海峡隧道
でありまして、各
國とも
に
鉄道隧道
より数倍の断面を有する
関門國道隧道
の成否に関し多大の
技術的関心
を有するものであります。この
見地
からも本
隧道工事
の詳細を各
委員
に認識していただきたいと思い、今次
休会
中を利用して、私は
西畑專門調査員
を同道して
現地
を
調査
してまいりました次第でございます。 まず第一に本
工事成立
の経緯及び今日までの経過を
簡單
に申し上げます。なお本
計画
の詳細はただいまお手もとに配付いたしました
関門國道建設工事計画書
を御参照願います。 本州と
九州
とを中斷する
関門海峡
を征服して、両者を直結するための
鉄道
と
國道
の両
隧道建設計画
は、
明治年間
よりの國家的懸案問題でありました。しかるに
鉄道隧道
はすでに
完成
して、
世界土木学界
の
賞讃
と、わが
國建設力
の威力を発揮したのでありますが、これよりさらに大
規模
なる
國道隧道
は、
不幸工事半
にして
太平洋戰爭
に遭遇したため、
資材
の欠乏及び戰災等のため
工程
は遅々として進まず、
終戰後
はついに完全なる
維持補修状態
に立ち至つたのであります。 本
國道隧道
は現在の二
号國道
と中
國山口縣長府
において分岐し、
関門海峡下
を通過し、
九州門司
市鎭西橋において再び二
号國道
に合する、
延長
約十キロの
関門國道
間に存在する総
延長
三キロ四五〇メートルの
海底隧道
でありまして、
海峡下
の
隧道延長
は七八〇メートル、
下関取付隧道
は
延長
一キロ三七三メートル、
門司側取付
は
延長
一キロ二九六メートルであります。路線は
関門海峡
の最狭搾部を通過するものでありまして、
地質
も
鉄道隧道
に比しはるかに良好でありまして、
下関側
は主に■岩・
門司側
は閃緑岩で
下関側海底部
に約三百メールの
斷層破碎帯
が存在し、この間の
湧水量
は毎分約三三立方メートルに達するものであります。本
隧道
の構造は、
世界
各
國河底隧道
の長所を取り入れた
最新式
のものでありまして、詳細はここにある図面を御一覧願いたいと存じます。すなわち、
海底部
は半円型二段式でありまして、上部の
高速車道
は
有効幅員
七、五メートルで、
大型バス
二台が悠々と行き違え得るものであります。下部は緩
速車道
兼
人道
であります。
交通能力
は毎時
自動車
二千台、
人員
二千名を通過せしめ得るものでありまして、これに十分なる
換氣設備
を考慮してあります。本
隧道
は
内務省直轄工事
として
昭和
十二年春より
調査工事
に着手し、十四年四月
試掘隧道
を貫通し、これより総
工費
一億七千万円、十箇年
継続工事
として着工いたしました。たまたま
昭和
十六年
太平洋戰爭突
入
以來
、
資金資材
の
配当意
のごとくならず、
昭和
十九年十二月ようやく
全線導坑
を
完成
したのであります。さらに、
終戰後
の混乱と極端なる
資金資材
の削減に遭遇し、全
工程
の約二割を
完成
したまま二十二年度は
維持工事費
を計上したのみであります。今日までの
完成工事量
と今後の
残工事量
につき対照してみますと、今日までに使用した
工事費
は全
工費
の約二〇%、
セメシト
、
鋼材
は全
所要量
の約一〇%であります。今後の
所要量
は
工費
約十五億円、
セメシト
六万トン、
鋼材
一万五千トン及び木材十六万石とな
つて
います。
隧道掘鑿
は約一六%の進行でありますが、
全線
の
導坑
が貫通しているため、全体の
地質
が明瞭となり、
技術的確実性
と多大の
安全感
を與えるものであります。
縦坑
四本のうち最も重要なる
門司下関
の二本はほぼ
完成
しています。
湧水
は毎分約七立方メートルでありまして、そのうち五立方メートルは
海底部
より湧出しています。
排水
のためには
下関
及び
門司
の
両側
に
ポンプ室
があり、各六台の
排水ポンプ
が完備されています。機械及び
動力設備
は、
昭和
二十年六月及び七月の戰災によりほとんど燒失しましたが、その後二箇
年間
における
現地建設事務所員
一回分懸命なる
努力
によりほとんど從前に復し、
本格的工事施工
に何ら支障なきまでに
施設
を整備されているのには一驚いたしました。すなわちコンプレツサー十六台、鑿岩機百四十四台、捲
揚機
四十九台、
大型ポンプ
十八台、その他の
鉄管ボス等
を整備しています。
器機修理工場
は
下関
及び
門司両側
に整備され、これまた
本格的工事施工待機
の態勢にあります。
充電設備
も
両側
に各五百キロワツトの容量を有し、万一の場合に備えるため
両側
に六百五十キロワットの
自家発電設備
をちようど
完成
したところであります。その他
事務所
、
倉庫合宿等
約三千六百坪の建物を有し、これらの
施設
のみでも現價に評價すると約三億円に該当するものであります。職員及び
労務者
は合計約六百人で、主として直営により
最少限度
の
維持保修
に当
つて
いますが、
隧道
に関する限りわが國における
唯一
の
特殊技術者
のたまり場とな
つて
います。これら從業員の
建設意欲
はまことに旺盛でありまして、万難を排して本
隧道
の
完成
に邁進せんと張り切
つて
いまして、この点まことに心強く感ぜられました。 次に本
隧道
の
使命
と
経済的効果
に関し
一言
いたします。本
隧道完成
の曉は、
鉄道
隠道と相ま
つて
名実とも
に
本土
、
九州
間を陸地をも
つて
連絡し、
関門海峡
をして
関門
港灣化せしめるものでありまして、
関門
及び北
九州
の
重要産業地帯
を地理的に
一元化
するものであります。すなわち本
隧道
の
経済的効果
を具体的に申し上げますと、一、荒天時における
運行
の杜絶、あるいは
夜間運行
の不安が一掃される。二、小
運送物資
の積卸し費用の
節約
並びに
物資輸送
を敏速ならしめる。三、船舶の
節約
と
海難事故
の減少。四、船舶積卸しに伴う包装及び
損傷防止
に伴う
節約
。五、電信、
電話ケーブル
十八本を通ずることができる。等が列挙されますが、
建設院関門極道建設事務所
の
計算
に基きますと、本
國道完成
後これを利用する
人員
は一日約四千人、
自動車
約三百五十台と想定されますが、これらによ
つて得
らるる
利盛
は、
年間
ほぼ現在單償として約七千五百万円となります。
人員
、貨物の
増加率
を年々一〇%金利五%、
経営費年間
約一千万円としても約十箇年をも
つて
十五億円の
工事費
を償却し得る
計算
になります。また
失業救済事業
の
見地
よりしても、本
工事
には約延べ四百万人の
労務者
を必要とするものでありまして、一日約二千名の未
経験労働者
を收容し得るものであります。 次に今後の
対策
に関し言及いたしたいと思います。およそ本
工事
のごとく一日一万十ン以上も
湧水
のある
海底隧道
を
工事
半ばにして放置することの不可能なるゆえんは、例を現在最も
國民
の関心事たる炭坑にと
つて
見れば明白であると思います。すなわち
終戰後生
産の半減せる
筑豊炭田
、その減産の
最大原因
は、人心混乱せる
終戰後二
、三日間の
坑内排水中止
に起因する
各種
の障害であると称していますが、すでに二年以上を経たる今日といえ
ども
、未だにその深刻なる影響に苦しんでいるのであります。また坑道が一度落盤浸水すれば、これが
復旧
にはおよそ一、二年を要するのが通例であります。すなわち本
隧道工事
におきましては、進むか、退くか、いずれかをとるべきで、
現状維持
という
考え
方は、
技術
上も困難であり
経済
上も不利であります。 これらの
見地
よりこれが
対策
を、具体的に
計算
せる
建設院
の
結論
を
簡單
に申し上げますと、第
一案
、これは從來の
建設院案
で多少年度は
延長
とても原
計画
をそのまま遂行するとするものであります。
工費
約十五億、
セメント
約六万トン、
鋼材
約一・五万トンであります。
交通能力
は一時間二千台であります。 第二案、本案も本
工事計画
当初に考慮されたもので、
取付隧道
の代りにエレベーターにより出入せんとするものであります。ただ
工費
の
関係
上これを二期にわか
つて
施工せんとするものであります。すなわち第一期
工事
として、
海底部分
七百八十メートルのみ
完成
し、その
両端
は
下関
及び
門司
両
縦坑
内の
昇降機
により上下する。
從つて両端
の
取付随道
の二キロ六百八十メートルはこれを中止する。
工費
約六億円。
セメント
約一万七千トン。
鋼材
約五千トンである。
交通能力
は一時間八十台となります。さらに第二期
工事
として
残工事
を
完成
すれば、
工費総額
は多少の
工事手戻り
のため、第
一案
より
幾分増額
となります。 第三案、
最小限度
の現
賦維持案
であ
つて
、
年間経費
約七千万円と、
セメント
約七百三十トン、
鋼材
百二十トンを要するが、これらの
資金
と
資材
は何らプラスの面に使用されないわけであります。 第四案、これは
中止案
であるが、これがためには
後始末工事
として、
地質不良部分
を一應固定強化する必要があります。これに要する
工費
は約一億二千万円で、
セメント
約四千四百トン、
鋼材
約四百トンであります。加うるに
排水
その他の
経費
として年々千三百五十万円を必要とする上、湧出する塩水のため
各種
の
機器機材鉄管等
は逐次腐蝕して使用に耐えなくなるおそれが十分にあるわけであります。 第五案でありますが、これは
現地調査
の結果に基きました
專門委員等
、その他参議院の
赤木國土委員
もその席に列席れまして、いろいろと協議いたしまして、ここで私
ども現地
に出張して
調査
した者の一つの
試案
でございますが、これを第五案としてここに申し上げる次第でございます。その
試案
によりますと、第二案の第一刻
計画
をさらに簡易化せるものであります。すなわち
海底隧道七
百八十メートルを
完成
し、その
両端
の
縦坑
に
昇降機
を取付け、これが前後二キロ六百八十メートルの
取付隧道工事
を中止し、
工費
と
資材
の
節約
をはからんとする点は第二案と同一でありますが、さらにその
隧道断面
を
米國
の
ボストン
またはオランダの
アントワープ隧道程
、度に縮小したいというのでありますが、第五案につき少し詳細に申し述べます。すなわち以下
簡單
化する諸点と、これによ
つて
生ずる
利害得失
を申し上げますと、
隧道延長
が三キロ四百五十メートルより、七百八十メートルすなわち約二三%に短縮されるから、
所要資金
、
資材
が約七〇%
節約
される。
下関側隧道入口
として現在の
縦坑
の位置の方が第二
号國道
に沿い、
下関
市の
中心部
にも近接して、
現状
としてははるかに便利である。
交通量
が毎時八十台、一日約千台で、第
一案
よりはるかに低下するが、
現状
よりして、一日の
交通量
六百台以上に到達すれば、十数年はもちこたえられると
考え
られるわけであります。
隧道断面
を
ボストン
には
アントワープ隧道程度
に縮小すれば
隧道掘鑿量
が約二五%減少し、同時に
コンクリート量
も減少するわけであります。これがため
車道
の
幅員
が七、五メートルより六、七五ないし六、五メートルとなるが、これはさぼど不便とは
考え
られない。
人道
はなくなるが、現在の
氷技隧道
をこれに代用するよう考慮したらよかろうと思
つて
おります。
地質
が比較的良好であるから、鉄筋コンクリート・セグメントを使用せず、單なる
場所打コンクリート
とし、かつその厚さを四十ないし七十センチ
程度
に縮小する。これにより
鋼材
が半減します。
セメント節約
のため
隧道
部の天井を施工せず
排氣ダクト
を廃して、半
横波式
で換氣する。
下関
、
門司
の両
縦坑
はほぼ
完成
しているが、
換気量
が激減したから、その半分を換氣用に、残り半分を
昇降機用
に充当すれば十分であると思われます。 以上の
程度
に
施工範囲
を縮小し、
設計基準
の
程度
を落すと、
工費
は約五億四千万円、
セメント
約一万五千トン
鋼材
約五千トンとなり、これを五箇年
計画
とすれば、
年間工費
一億円、
セメント
三千トン、
鋼材
一千トンとなり、一
河川
の
災害復旧工事
と大差ないものと
考え
られます。この第五条はわれわれの
試案
ありまして、現在までの投資を極力活用せんとしたために、あまりにも
工事
の
規模
を簡易化せんとする
憾み
はあるが、現在わが國の窮状に即應し、最も
実現性
のある
計画
と
考え
ます。しかしながらわが國の直面する
資金
、
資材難
はさらに深刻であるとも考慮されますので、本
隧道
の有する
経済的價値
と当面の
治山治水等
の
公共事業
の
重要性
との振合を、本
委員会
において
愼重審議
の上
結論
に到達いたしたいと思います。 また本
工事
を進捗するといたしましても、個々の設計問題について
技術
的には幾多改善の余地がありますから、これには最も
河底隧道
に
経験
の深い欧米各國の知識を吸收する必要があると思います。 以上をもちまして私の
現地調査報告
といたしますが、最後に私
ども
の希望といたしましては、本
委員会
において本問題に関し
政府当局
とも
十分協議
の上、一日も速やかに
関則國道隧道
の
対策
を決定されんことを熱望する次第であります。
荒木萬壽夫
4
○
荒木委員長
関門國道トンネル
の
現地調査報告
は以上で終りまして、これに関しまする御
意見
もしくは本
委員会
としての
取扱い等
につきましては、改めて
理事会
その他にお諮り申し上げたいと存じます。御
了承
を願います。 この際
國政調査承認要求
につきましてお諮りいたします。第一回
國会
におきましては
國土計画
、
都市計画
、
治山治水事業
、
災害復旧等
につきまして、
國政調査
の
承認
受け、それぞれの
分野
において各般の
調査
を行い、
根本対策
を樹立檢討してまいりましたが、第二回
國会
におきましても、さらにこれを
継続
する必要があり、かつまた
根本対策
に基きまして、さらに
恒久対策
並びに應急の諸
具体策
を講ずべきいわゆる第二次的段階にはいつたとも
考え
るのでございますが、
会議
不
継続
の原則に鑑みまして、第二回
國会劈頭
において
國政調査
の
承認
を受け、
対策樹立
に邁進いたすことは、今後の
運営
上必要なことかと存ずるのであります。つきましては
衆議院規則
第九十四條によりまして、以上の諸問題について議長に対し
國政調査
の
承認
を求めることにいたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒木萬壽夫
5
○
荒木委員長
御
異議
なしと認めまして、必要なる
手続等
につきましては
委員長
において取計
ろうごと
といたします。御
了承
を願います。 次に
國政調査
に資するため小
委員会設置
の件についてお諮りいたします。第一回
國会
におきましては
國土建設
のため各
分野
におきましてそれぞれ
対策
を樹立檢討いたしてまいりましたが、なかんずく
治山治水事業
につきましては、
治山治水対策小委員会
を設け、当問題に対してあらゆる
対策
を講じてまいりました。しかして小
委員各位
の御
努力
によりまして、数次にわたる檢討の結果、
中間報告
としてその小
委員長
より御報告いたされましたが、
会期切迫
という時間的な制約を受け、本格的な決定を見るに至らなかつたことはまことに残念に存ずる次第であります。そういたしまして当問題は今後ますます積極化いたすことはもちろんでありますと同時に、
予算
の問題、機構の
問題等
と関連いたしまして、小
委員会
の
使命
はいよいよ重大と言わざるを得ないのであります。かかる観点よりいたしまして、この第二回
國会
におきましても小
委員会
を
設置
し、本問題の
根本的解決
をはかることは緊急の要務と存ずる次第であります。よ
つて本会期
中におきましても、
治山治水対策小委員会
というがごときものを設くることといたしたいと存じますが、御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒木萬壽夫
6
○
荒木委員長
それでは小
委員会
を
設置
することに決しました。
治山治水対策小委員会
その他の
選定
はいかがいたしましようか。
松浦東介
7
○
松浦
(東)
委員
この小
委員会
の名称並びに小
委員
及び
委員長
の
選定
につきましては、第一回
國会通り
そのまま踏襲して暫時
運営
せられんごとを望みます。
荒木萬壽夫
8
○
荒木委員長
ただいまの
松浦
君の動議に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒木萬壽夫
9
○
荒木委員長
御
異議
なしと認めましてさよう取計らいます。一應私から小
委員
を指名いたします。
細野三千雄
君 松沢 一君
守田
道輔君
原
孝吉
君
松井
豊吉
君 村瀬
宣親
君
今村忠助
君
内海
安吉
君
松浦東介
君
的場金右衞門
君
只野直三郎
君なお小
委員長
には
細野三千雄
君を選任したいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
荒木萬壽夫
10
○
荒木委員長
御
異議
なしと認めまして、小
委員長
には
細野三千雄
君を選任いたします。御
了承
を願います。、 次にこの
國土計画委員会
の
運営
に関しましてお諮りいたしたいと存じます。私の
考え
といたしましては、いろいろ御
意見
ももちろんあろうかとは存じますけれ
ども
、第一回
國会
の
経験
に徴しまして、おおむね前
國会
におきまする
運営方法
に準じまして
運営
してまいりたいと存じますが、いかがでございましようか。
松浦東介
11
○
松浦
(東)
委員
大体は
委員長
が仰せられるような方針でけつこうだろうと思いますけれ
ども
、私はこの際本
委員会
の
運営
について
一言簡單
に
意見
を申述べてみたいのであります。申すまでもなくわれわれはいかにすれば
能率
をあげ得るかということを
重点
として、常に考究すべきであると
考え
るのであります。本
委員会
は第一回
國会
に おいて
発足以來
、
荒木委員長
のもとにおいて
各位
の御精励によ
つて能率
をあげ、多大の
効果
をあげ得たと信ずるのでありますけれ
ども
、さらに
一段
のくふうがあ
つて
しかるべきではないかと存じます。第二回
國会
の
劈頭
における本
委員会
におきまして私は特に感じます点について、その思いつきを御
参考
までに申し上げてみたいと思います。 第一は單に
治山治水対策小委員会
だけでなく、
能率向上
のためには小
委員会制度
というものをもつと活用すべきではないかと存じます。第二には、すなわち本
委員会
に付託されますところの
請願
の数は非常に多いのであります。第一回
國会
の例に徹しましても、全
請願
の約三分の一は本
委員会
に付託にな
つて
おるような
状態
でありますので、これを詳かに
審査
をするということは、これは非常に困難なことであると思うのであります。
書類審査
のほかに一々
紹介議員
の
口頭説明
を聽くことは時間的にみまして、時間を浪費するという
憾み
なしとしないと思うのであります。私は多少この際この点についても
改正
の必要があるのではないかと思います。率直に言いますならば、私はたとえば
請願審査
のための小
委員会
というようなものを設けまして、まず
書類審査
をなし、しかる後において特に必要と認めたものについてのみ
口頭
の
説明
を求めてはどうかと、かような
考え
ももつのであります。これは御
参考
までに申し上げておきます。次に第一回
國会
中におきましてわれわれは
建設院設置
の問題のときに、われわれとしては
建設行政
の
一元化
をはかるのが当然であるという
見地
より、ぜひ建設省を設けなければならないかく主張したのであります。われわれはあくまでこの信念に基いて今後も進むべきであると
考え
ますが、この建設省
設置
問題につきましても、小
委員会
を設けてしかるべきではないかと
考え
るのであります。今後の
委員会運営
について御
参考
までに
一言
申し上げておきます。
田中角榮
12
○
田中
(角)
委員
ただいまの
松浦委員
の
建設行政
の
一元化
に対し、第一回
國会
に引続きまして小
委員会
を設けて研究したいという御
意見
に対しては賛成であります。同時にそれに関連しまして、
住宅復興対策
に関しましては当然本
委員会
に属すべきものでありますが、第一回
國会
におきましては住宅復興問題は
衆議院
の当
委員会
においてはあまり取上げられなかつた非常に重大な問題でありまして、特に
敗戰後
のわが國におけるところの住宅問題は、これから相当長い間大きな問題として取上げる必要がある、その
意味
において
市街地建築物法
並びに
臨時建築制限令
、その他
建設関係
の
法規
の改廃も重大なる関連を有するのではないかという
意味
から、
住宅復興対策小委員会
を本
委員会
の中に設けまして、特に
建設関係
の
法規改正
並びにその他の
事件
を審議
調査
されるように希望いたしたいのであります。
松井豊吉
13
○
松井委員
ただいま
松浦
、
田中両氏
から
参考
にすべき御
意見
が出まして、これには私
ども
も賛意を表します。
一言
私の
意見
を加え、そうして今後できるならばぜひ実行していただきたい、こう思うのであります。わが
國土委員会
は各
委員会
を通じまして、
請願
を初め
水害関係
に及びまする
重大案件
を
愼重審議
いたしまして、本
委員会
はほとんど過半数以上の数件にわたるというような事実を聽いておるのでありますが、殊にこの
災害関係
については重大でありまして、わが
委員会
が
愼重審議
いたしまして、それぞれ
主管大臣
を通じて
政府
にその内容を通知し、あらゆる
関係
について各
方面
からの
陳情
がまいりまして、それを
委員会
が取上げまして、そうしてその後今日の結果を見ましても、ほとんど
委員会
の力がないように見られておる、というのは
実現
がないのです。いかに
予算
の
関係
であろうとも、今後はわが
委員会
で
愼重審議
研究したものは、全部と言えませんまでも、大体
農地
の
復旧
に対しては、この來るべき六月の田植時期、この三月の
出水期
において、どうしても
食糧増産
のためにやらなければならぬというこの
農地復旧
に対しては、わが
委員会全員
がそれの
中心
に力を入れて復興する、
増産
に邁進する、こういう
意味
合いからひとつ
政府
に通す。災害問題に対しても、どうしても堤防の
工事
、あらゆる
河川
の改修をしなければならぬ。こういう
方面
に研究されて、わが
委員会
のいわゆる
権威
を
政府方面
に尊重していただいて、ひとつ通していただきたいと思う。ずいぶん数件にわた
つて
本
委員会
を通しましたけれ
ども
、これがわが
委員会
が
中心
にな
つて
実現
なさるということは私
ども
は信じでおらぬのです。こういう
方面
から今後審議する件数、法案は、少くともそこに
重点
をおいて、
委員会
の
権威
を示す。そうして区画を超越して、
群馬縣
であろうと
埼玉縣
であろうと、どこであろうとも、どうしてもやらなければならぬ
増産
、あらゆる
災害復旧
に対する必要に應じては、力を入れてこれを実行する必要がある、こう思うのであります。これについて今後皆さんにおいて
一段
の御
努力
を願いたいと思うのであります。
田中角榮
14
○
田中
(角)
委員
これは
委員長
にお願いしたいのですが、昨年の東北六縣の
水害
並びに関東の
水害
に対しまして、
水害対策特別委員会
がつくられたのであります。しかもあの
水害
は突発的な
事件
でございまして、当然議院といたしまして
特別委員会
をつくるということは認めるのでありますが、第一回
國会
を顧みますときに、
特別委員会
においては相当つつこんだことが取上げられたようでありまして、
治山治水
の根本的な
調査
その他
政府委員
との
打合せ等
は、
特別委員会
に集中されたというような観があるのであります。しかし私の
考え
ますときには、こういう問題は当然当
國土計画
常任
委員会
において取上ぐべき問題でありまして、特に第一回
國会
において東北、関東地方の
水害
に対する
対策
はほとんど立てられたと私は
考え
られるのでありまして、第二回
國会
においては、第一回
國会
に引続き
特別委員会
を
設置
せず、当然
水害対策特別委員会
を解消して本
委員会
に引継いでいただきたい、こういうふうに
考え
ておるのであります。しかもそうすることによりまして、当
委員会
の中に第二回
國会
においても引続き設けられるところの
治山治水対策小委員会
というものの本領を発揮できると思うのでありますし、また第一回
國会
において合同
審査
をする、しなければならないと言いながら、第一回
國会
においてはついにその機会がなかつたような次第でありまして、このままに推移したならば屋上屋を重ねるというようなことになるのではないか、しかもこの本來の任務は当
委員会
が当然負うべきものでありまして、この
委員会
にも
治山治水対策小委員会
が設けられるという現段階においては、ただいま申し上げましたような
特別委員会
の
調査
しております。資料その他全部を引継いで、本
委員会
を十分に活用し、その
対策
に万全を期せられるように希望する次第であります。
荒木萬壽夫
15
○
荒木委員長
ほかに御
意見
ございませんか。——ただいま各
委員
から本
委員会
の
運営
に関しまして、それぞれ剴切な御
意見
が御発表に
なつ
たのでございますが、これらの点につきましては、聽きまするに常任
委員会
の改組の問題も問題にな
つて
おるようでございます。かつまた各
委員会
の
委員
の顔ぶれ等も各党派の変動に應じまして、いずれはなにがしかの変動があることと存ずるのでありますが、これらのことを
考え
合せまして、別途御
意見
のほどは
理事会
等にもお諮りいたしまして、
委員長
において善処いたしたいと思いまするので、御
了承
を願いたいと存じます。 本日はこれくらいにいたしまして、次の
委員会
の日時は公報をも
つて
御通知申し上げます。本日はこれをも
つて
散会いたします。 午前十一時三十七分散会