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1948-06-25 第2回国会 衆議院 厚生委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十五日(金曜日)     午前十一時十分開議  出席委員    委員長 山崎 岩男君    理事 有田 二郎君 理事 中嶋 勝一君    理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君    理事 武田 キヨ君 理事 徳田 球一君      小笠原八十美君    近藤 鶴代君       深津玉一郎君    村上 清治君       福田 昌子君    師岡 榮一君       小野  孝君    野本 品吉君       寺崎  覺君    榊原  亨君  出席政府委員         厚生政務次官  喜多楢治郎君         厚生事務官   久下 勝次君  委員外出席者         文部事務官   米原  稔君         厚生事務官   高田 浩運君         專門調査員   川井 章知君     ————————————— 六月二十四日  理容師法の一部を改正する法律案榊原亨君外  十名提出)(第九号) 同月同日  藥事法の一部を改正する請願外一件(有田二郎  君紹介)(第一五八五号)  宇多津町に保育所設置請願豊澤豊雄君紹  介)(第一六一四号)  藥事法の一部を改正する請願外九件(山崎道子  君紹介)(第一六一五号)  豊川市所在旧住宅営團住宅拂下に関する請願  (林大作紹介)(第一六一六号)  藥事法の一部を改正する請願三好竹勇君紹  介)(第一六三九号)  國立療養所山陽荘を下松市に移管の請願中嶋  勝一紹介)(第一六四五号)  恩給増額に関する請願唐木田藤五郎紹介)  (第一六五七号)  庶民住宅建設費國庫補助増額請願的場金右  衞門紹介)(第一六五八号)  健康保險強制加入中止に関する請願石田一  松君紹介)(第一七一六号)  恩給増額に関する請願受田新吉紹介)(第  一七一七号)  同(松原一彦紹介)(第一七一八号)  あん摩、はり、きゆう、柔道整腹等営業法の名  称改訂並びにその一部を改正する請願大島多  藏君紹介)(第一七四五号)  戰爭犠牲者の待遇に関する請願受田新吉君紹  介)(第一七七三号)  藥事法の一部を改正する請願有田二郎君紹  介)(第一七八七号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  連合審査会開会に関する件  医師法案内閣提出)(第一六七号)  保健婦助産婦看護婦法案内閣提出)(第一六  八号)  歯科衞生士法案内閣提出)(第一六九号)  歯科医師法案内閣提出)(第一七〇号)  医療法案内閣提出)(第一七三号)  理容師法の一部を改正する法律案榊原亨君外  十名提出)(第九号)     —————————————     〔筆記〕
  2. 山崎岩男

    山崎委員長 ただいまより会議を開きます。まず理容師法の一部を改正する法律案議題といたしまして、榊原委員より提案理由説明を聽取いたすことにいたします。
  3. 榊原亨

    榊原(亨)委員 理容師法の一部を改正する法律案について、提案理由を御説明を申し上げます。  現行法によりますと、理容師資格を得るためには、学校制度によるものと、試驗制度によるものとの二本建でありますが、試驗制度には種々強制的訓練と情実を伴うことが多いので、試驗制度を廃止するとともに、理容師になるには一年の修業期間を終えた者をさらに一年実地習練を要することとしたのであります。また、六・三制の学校制度が完備されるまでの間、経過的に試驗制度を認めることにしてあります。これがこの法律案提出する理由であります。  次に法律案の大要を御説明申し上げたいと存じます。  第二條第三項は理容師資格を得るための規定であります。  第四條は理容師養成施設厚生大臣が指定する場合、理容師養成施設指定委員会を設けて、これに諮問することにいたしたのであります。  第二十條では施行期日昭和二十三年七月一日からとしてあります。  第二十二條では現に養成施設修業中の者が卒業すれば、無試驗免許を與えられることを規定し、第二十二條では現に理容所において理容補助的要務に從事していた者等に対して、現行試驗制度によつて資格を與えようとするものであります。  何とぞ御審議の上速やかに可決あらんことを望みます。
  4. 山崎岩男

    山崎委員長 理容師法の一部を改正する法律案審査に入ります。
  5. 田中松月

    田中(松)委員 本案は、現行法の不備のために救われないものを救おうという趣旨だと思いますので、趣旨には賛成いたします。第四條についてでありますが、本條中の委員会というのは、性格から言いましても法規財政の問題もございますので、委員会ではなく、協議会とした方がよいのではありませんか。
  6. 榊原亨

    榊原(亨)委員 本案根本の目的が民主的にするというのでありますから、予算の伴う「委員会」より「協議会」の方がよろしいと思います。
  7. 田中松月

    田中(松)委員 六・三制で学校を終えた者を救う途がございますか。
  8. 榊原亨

    榊原(亨)委員 第二十一條でその意味を含めたつもりであるが、多少疑義があるので、「学校教育法第四十七條に規定する者は、第二條及び第三條の規定にかかわらず昭和二十三年六月三十日までは、都道府縣知事が行う理髪師又は美容師試驗に合格したときは、免許を受けて理容師になることができる。」と規定したいと考えて居ります。
  9. 田中松月

    田中(松)委員 第二十一條及び第二十二條政府から特例案が出て参議院で先議しておりますが、同じようなものであれば、この案の第二十一條、第二十二條は削除してもよろしいですか。
  10. 榊原亨

    榊原(亨)委員 その通り、結構です。
  11. 田中松月

    田中(松)委員 法案政府当局やわれわれで考えて完璧であると思つても、実際の上では不備な点が生ずることがままあるのでございますが、その場合提案者はこれを取り入れて修正する意思がございますか。
  12. 榊原亨

    榊原(亨)委員 御意見通り、そのようなことがあれば、修正いたしますことに反対はいたしません。
  13. 山崎岩男

    山崎委員長 他に御質疑はございませんか。
  14. 山崎道子

    山崎(道)委員 昭和二十五年六月一日までに二年間ございますが、そのまで学校一本にいたすのは危險であると思います。二年間で養成施設ぜ完備するのもむずかしいしまた一般家庭の経済の面も考えまして、二年間で学校一本にしてしまうよりも、少くとも五年間は二本建にいたしたいと思いますが、いかがでございますか。
  15. 榊原亨

    榊原(亨)委員 御趣旨通り五年間延長してよろしいと思います。     —————————————
  16. 山崎岩男

    山崎委員長 この質疑は後刻続けることにいたしまして、日程にはいりまして、医師法案保健婦助産婦看護婦法案歯科衞生士法案歯科医師法案及び医療法案議題といたしまして、引続き審査に入ります。
  17. 山崎道子

    山崎(道)委員 先ず第一に看護婦労働については、労働基準法特例があるのですが、これを口実として酷使する所があるのでございますが、これに対してどういう処置をとられて居りますか。  第二の点は看護婦寄宿舎が非常に粗末なのですが、これの監督はどうなつい居りますか。
  18. 江口見登留

    江口政府委員 第一の看護婦労働につきましての点は、看護婦は就業時間は一時間延ばしてあるのでありますが、それを超える労働をさせるものがままありますので、できるだけそのようなことのないよう嚴重に取締つております。看護婦婦人労働者の中で條件が惡いので、寄宿舎等についても十安監督するつもりであります。
  19. 山崎道子

    山崎(道)委員 私は規則に拘泥するものではございません。規則一点張りでやろうというのではありませんが、その場合も十分に慰安と休息を與えるように取計らつていただきたいと言うのです。  次に衞生管理者保健婦との関係はいかがでせうか。保健婦仕事は衞生管理者とあまり変らないと思いのです。女專保健科を出た者にはその資格が與えられて、働健婦に與えられないのはどういうわけでせうか。文部省では養成施設をつくるというし、労働省ではまた別につくるというのは非常に認識を欠くものであると思います。なぜこんな方針になつているのですか。
  20. 江口見登留

    江口政府委員 保健婦資格を向上させることには関心をもつております。衞生管理者も相当高い資格を要しますので、中等学校卒業以上で保健衞生仕事をしていた者を認め、その他の学歴のない者については科目を免除することにいたしまして、その中で特に経驗の多い者につきましては特別の扱いをしなければならないと思つております。今でも都道府縣、局長の認めたものにつきましては、特別に扱えることになつております。
  21. 山崎道子

    山崎(道)委員 今まで保健婦雇つた場合と、女專保健科の卒業生を雇つた場合の実績はいかがでございますか。
  22. 江口見登留

    江口政府委員 專門学校を出ただけでは保健婦の実力がないのではないかという御意見だと存じますが、大体專門学校出の人でしたら、技術のみの人と、少くともその点では同樣の仕事ができると思います。
  23. 山崎道子

    山崎(道)委員 理屈は拔きにいたしまして、保健婦資格あるものは二本建にしませんで、保健婦の一本建でできるようにしていただきたい。  次に養護教諭について保健婦との関係をお伺いしたいと存じます。養護訓導養護教諭養護婦養護助手とされて特別教育をされるというお話を聞いたのですが、これにつきましても、セクシヨナリズムを捨てていただきたいのです。保健婦大学教育を受けるのでありまして、科外課目を百五十時間もとつているので、この中で養護教育はできると思います。養護教諭保健婦の中からしていただきたいのであります。
  24. 米原稔

    米原説明員 御趣旨には同感であります。將來大学出の者世なるようになりましたら、なるべくそうしたいと思います。
  25. 山崎道子

    山崎(道)委員 ぜひそのように一本にしていただきたいから、とくとお願いいたします。
  26. 有田二郎

    有田委員 私に医師法歯科医師法についてお尋ねします。両法案の十二月末日現在までの届出について藥事法と同樣にしたいと思いますがいかがですか。
  27. 高田浩運

    高田説明員 これは実体把握のための重要な規定ですので、やはり罰則は必要だと思います。但し、現実に処罰されることのないように届出が行われるよう十分励行したいと思つております。
  28. 有田二郎

    有田委員 藥事法では登録の効力が失われることになるので罰金を課してもよいと思う。藥剤師も、医師も、歯科医師一つ資格であつて効力を失わしめるだけで十分重い刑罰に値すると思う。この委員会藥事法と同じく一律にされたらどうか。
  29. 高田浩運

    高田説明員 藥事法とこれとは根本考え方が違います。これでは免許に関する効力は、第六條の一項と二項の規定で事が足りまして、三項は免許関係のないことでありまして、藥事法と違いまして免許効力は変りませんので罰則が必要だと考えるのであります。
  30. 有田二郎

    有田委員 どちらも政府提出法案であつて藥事法修正政府意見によるものであるから、表現している意味は違わないと思います。我々の修正最初医師法と同じようにしたのであるが、こうなつたのであるから、政府意見に変りはないと思うが、どうですか。
  31. 久下勝次

    久下政府委員 藥事法の場合は一つ意見を述べただけであります。できれば同一の表現をとりたいのでございますが、いろいろ事情がありまして、そうするのが困難なのです。が、御趣旨は私どもも同じでございます。
  32. 有田二郎

    有田委員 この委員会で同じように修正したら、政府はどうしますか。
  33. 久下勝次

    久下政府委員 理論的には藥事法案表現よりも、医師法案表現の方がよいと思いますので、この修正をすぐ結構だとは言えません。
  34. 有田二郎

    有田委員 法律が同じようになること、罰金が不当であること等について言うのでありまして、さらに各派の委員と相談したいと存じます。  次に現在日本人の平均年齢は男が四十五で女が五十五でありまして、列國に比べて、医学の進歩にもかかわらず、短命でありますのは、医師法等欠陷があるのではないかと思うが、政府のお考えを承りたいと思います。
  35. 久下勝次

    久下政府委員 日本の壽命の低いことはひとり医療制度のみの問題ではなく、いろいろの理由がありまして、予防衞生が十分でないことも考えられます。これら種々の理由によるものでありますので、各方面の努力が総合されなければならないと考えております。
  36. 有田二郎

    有田委員 医学、藥学は決して劣つていないのに、実際に現われていないのは、やはり医療制度に一番大きい責任があるのだと思う。檢察についても、特別に檢察医というものを設けて死因を究明してゆき、死亡の時は、この医師が檢察書を出すという制度によつて治療予防医学が進歩するのだと思う。診察した人が責任も明らかでないのに、死亡診断書を出すというために堕胎等も行われることになるのである。自婦で誤診して自分診断書が出せるという制度は好ましくないと思いますが、政府のお考えはどうですか。
  37. 久下勝次

    久下政府委員 お話のように、またそれ以上にしたいと思いまして、堤合病院の中には解剖室を置いております。第二十條但し書は現段階では経済的にもやむを得ないものと考えております。
  38. 有田二郎

    有田委員 政府はいつでも無医村とか藥剤師のいない所を例にとるが、それは特例とすればよいのであつて医藥福業の問題についても、医療制度欠陷を示すものだと思います。東京等では医師も多いので、これらの人々から一部を官吏として、死亡した場合には調査をさせることが必要だと考えております。病院解剖室を設けても、入院死亡の一部の者だけでは趣旨に副はないと思います。檢察医を設置して、死亡について眞因を究明することは絶対に必要であります。われわれ素人としても死んだ場合に、今までの医師診断書を出すのは妥当ではありません。それにまた就職難の解決にもなるので、先般起つた壽産院事件のごときも、こういう欠陷から來ていると思うが、政府の所感を伺いたい。
  39. 久下勝次

    久下政府委員 私の言い方が不徹底だつたのだと思います。檢察しないで出してはならないというのが現在においても原則でありまして、二十四時間以内に診察したときは、その判断は大体間違いないとしましたのがその但し書であります。理想といたしましては死亡したときは必ず医師に見せることが必要だと思いますが、今のところちよつと困難であります。なお大都市には檢察医を置いて死因不明死体死因究明に当つて居ります。將來この制度を拡大したいと考えて居ります。
  40. 有田二郎

    有田委員 今の檢察医警察医のようなものであろうが、私の言うのはそうでなくさらに進んだ研究的のものでして、これを多数制定して、死んだら必ずこれにかけることが必要であると思います。犯罪の面だけでなく、医学的な点で檢査してほしいというのでありまして、第二十二條でもむしろ処方箋義務発行にすべきであると思います。医師は久ず処方箋を発行する方がよいと思うが、政府はどうお考えになりますか。
  41. 久下勝次

    久下政府委員 檢察医は決して警察医でなく、特に疾病、解剖等を專攻した專門医をおいております。御趣旨通り、さらに廣くしたいと考えております。  次に第二十二條強制発行の問題は大きな問題で、医道審議会でも多くの論議がなされたのでありまして、從來と表現方式も変つて居りまして、この点でも医師に対しても大きな変化が現われると思います。患者が求めることによつて出す方がむしろ適当であると思うが、こういう風にすることによつて趣旨に近づけることと思う。
  42. 有田二郎

    有田委員 檢察医についてはさらに一歩進めて医学に貢献するようにしてもらいたいと思います。第二十二條については医療費の高いことの一因にもなつているので、金のない人はどこでももらえるように処方箋無料で発行する義務とすべきだと思います。三千七百円ベースにおきましては医療費はなかなか出せない現状であります。義務発行にすれば診療だけ受けて、処法箋を書いてもらつて帰れるのでありますが、現在のように必ず医師が藥を出すのでは、医療費があまり高くつくので、医療を受けられなくなつてしまう。暇な医師もあるようでありますが、もつと氣軽に医療を受けられるようにすれば、もつと医者にかかる者も殖えるのであつて、そういうのが望ましい。こんなことも平均年齢の低いことに影響しているのだと考えられます。現在の町医者といえば、往々にして金持だけのものとなつてしまつていると思うのであります。
  43. 久下勝次

    久下政府委員 第一に医療費が高くて一般國民が困つていることは必ずしも否定いたしませんが、不当にそれが高いかどうかは不明でございますので、現在実体調査をして居りますので、近く大体の結論が出ると思います。一方では高いと言われ、一方では医師の側では高くないというので、現在この調査をしておるのでありますが、現在國民の生活が苦しいことは事実でありますので、社会保險等を強化いたしますとともに、さらに社会保彰制度等考えまして、根本的に考えていきたいと存じております。次に処方箋の問題ですが、それを無料で出すようにおつしやいますが、診断いたしましても投藥しない場合もございますので、あらかじめ診察料に加えることも適当ではありませんので、やはり処方箋料は別にとるのが適当であると存じます。また強制発行にいたしますと、患者がそこでもらいたくない時までも、むだに出す必要はないと存じますし、求めあるときだけでよいと思います。
  44. 有田二郎

    有田委員 そういう考え國民短命に陷れるのであつて義務発行によつて医療が明白になると思う。困つておる家庭では診察によつてまず自分方針を決めるのでありますから、処方箋料は当然診察料の中に含むべきであります。医師の所で診察をするときも内容が明らかになることによつて、合理化されると思います。
  45. 久下勝次

    久下政府委員 処方箋料紙代だけではありません。藥が要らないというのは処方箋料意味をなさないのであります。処方箋料というのは一つ技術料を含むのでありまして、これを診察料に含みますことは不当と考えるものであります。
  46. 有田二郎

    有田委員 とにかく経済的に困窮している國民大衆医療に困らないように十分考えていただきたいのであります。
  47. 山崎岩男

    山崎委員長 この質疑を明日継続いたすことにいたしまして本日は一應質疑を終了いたしたいと存じます。     —————————————
  48. 山崎岩男

    山崎委員長 次にこの際お諮りいたします。本委員会に付託されております船員保險法の一部を改正する法律案につきまして、水産委員会より連合審査会をいたしたいと申込んで來ておりますので、本委員会でもその点につきまして議決をいたしたいと存じます。  船員保險法の一部を改正する法律案につきまして水産委員会連合審査会を開きますことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議がなければ本件は決定いたしました。  なお、開会日時日程は後日御通知いたします。  それから賣春等取締法案につきましては、治安及び地方制度委員会連合審査会を開くように申込みたいと存じております。  本日はこれをもつて散会致します。次会は明日午後一時より開会致します。     午後零時二十七分散会