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1948-06-24 第2回国会 衆議院 厚生委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十四日(木曜日)     午前十一時十分開議  出席委員    委員長 山崎 岩男君    理事 有田 二郎君 理事 中嶋 勝一君    理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君    理事 武田 キヨ君 理事 徳田 球一君       大石 武一君   小笠原八十美君       太田 典禮君    福田 昌子君       師岡 榮一君    最上 英子君       野本 品吉君    松本 眞一君       寺崎  覺君    榊原  亨君  出席政府委員         厚生政務次官  喜多楢治郎君         厚生事務官   久下 勝次君  委員外出席者         文部事務官   新井 英夫君         專門調査員   川井 章知君     ————————————— 六月二十二日  興行場法案内閣送付)(予閣第一二号)  旅館業法案内閣送付)(予閣第一四号) 同月二十三日  医療法案内閣提出)(第一七三号)  予防接種法案内閣提出参議院送付)(第一  七四号)  船員保險法の一部を改正する法律案内閣提  出)(第一七七号)  優生保護法案参議院提出)(参法第一号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  優生保護法案太田典禮君外五名提出)(第七  号)  医師法案内閣提出)(第一六七号)  保健婦助産婦看護婦法案内閣提出)(第一八  六号)  歯科衞生士法案内閣提出)(第一六九号)  歯科医師法案内閣提出)(第一七〇号)  医療法案内閣提出)(第一七三号)  船員保險法の一部を改正する法律案内閣提  出)(第一七七号)     —————————————
  2. 山崎岩男

    山崎委員長 ただいまより会議を開きます。  本日は日程に先だちまして、医療法案及び船員保險法の一部を改正する法律案一括議題といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議がなければ医療法案及び船員保險法の一部を改正する法律案議題といたします。審査に先だちまして政府側より提案理由説明を聽取することにいたします。喜多政務次官
  4. 喜多楢治郎

    喜多政府委員 ただいま議題となりました医療法案について、その提案理由説明いたします。  この法律案にさきに提案いたしました医師法案歯科医師法案等とともに、國民医療法改正に伴う新たな医事法規の一環をなすものでありまして、いわゆる医療関係者身分的事項を除いたその他の医療に関する事項をその内容といたしておるのでありますが、その内容は第一に病院の規格を引上げることによつて、その適正な医療普及をはかることといたしたのであります。すなわち從來医療機関をわけて病院診療所に二種類とし、病院患者十人以上の收容施設を有するもの、診療所病院以外のもの、つまり患者九人以下の收容施設を有するもの及び收容施設をまつたく有しないものとしていたのでありますが、本法案におきましては、いやしくも病院と称するほどのものは、充実した医療の供給を可能ならしめるため、相当程度の完備した施設を有しなければならないものとした結果、それにはやはり相当数收容施設を有しなければならないものと考えられますので、病院患者二十人以上の收容施設を有するものとすることにいたしました。しかして病院については前述のごとくその施設等に関し、從來よりも相当高度の基準を設けたのであります。  第二に診療所につきましては、患者收容につき一定制限を設けることといたしました。診療所には患者收容施設十九名以下のもの及び收容施設を全然有しないものの両者が含まれるわけでありますが、元來診療所患者收容目的としない性質のものでありますので、たとえ收容施設を有するものについても、その患者收容について一定制限を加える必要があると考えられるのであります。從つて診療所特定の場合を除き、同一の患者を四十八時間を超えて收容してはならないこととしたのであります。しかしながら病院が十分に普及していないわが國の実情を勘案いたしまして、既存の診療所については、一定期間はこの規定によらないことができる旨の例外的措置が認められております。  第三に助産に関する施設につきましては、そのうち助産婦の管理するものは、これを妊産婦預り所、あるいは産院等と称しておりますが、これらについては從來中央法令による取締りの途がなかつたのであります。しかしながら最近の事例に徴しましても、これらの施設につき、至急何らかの法的規正をする必要がありますので、これらの名称を統一して助産所と称させるとともに、その收容人員等をも制限することとしました。  第四に新たに総合病院制度を設け、患者百人以上の收容施設を有し、かつ一定診療科名を有する病院であつて一定の完備した施設を有するものは、都道府縣知事に承認を受けて、総合病院と称することができることとしました。これらの病院は、いわゆる第一級の病院としてわが國の医療内容向上に資するところが大であろうことを予期しているのであります。  第五に、從來総て許可制度によつておりました病院診療所の開設は、今後医師歯科医師診療所を開設する場合は届出制度とし、その他の場合に限り許可制度とすることにいたしました。  第六に、今後のわが國の医療機関をいかに整備すべきかはきわめて重要な問題でありますが、この点につきましては、根本的には厚生省及び各都道府縣医療機関整備審議会を設けて、その全般的整備計画につき調査審議させるとともに、これに基き、特に公的医療機関を必要とする部面につきましては、地方公共團体等の経営する公的医療機関を早急に整備することとし、國庫はこれが設置費に対し、その一部を補助することができることとしたのであります。また医療機関の運営に関しましては、主として公的医療機関中整備されたものを所謂メデイカル・センターとして、その施設を開業医の利用等に開放させ、またその修習機関として活用することとし、もつて公私すべての医療機関一体となつて医療普及向上に寄與し得るような態勢の確立を企図いたしておるのであります。  第七に医業歯科医業等に関する廣告につきましては、從來通嚴重にその内容制限することとしたほか、新たに助産所等に関する廣告についても、同樣の嚴重制限を設けることといたしました。  以上が法律内容の大略でありますが、何とぞ愼重御審議の上、可決せられんことを希望いたします。  次に船員保險法の一部を改正する法律案提案理由を御説明いたします。  船員保險法は、船員労働が陸上の労働と異る特殊な労働態樣を有しておりますので、これに対する綜合的な唯一の社会保險制度として、船員労働力確保増進船員援護主眼といたしまして、昭和十四年四月に制定され、その後情勢の変動に即應するため、制度内容充実について、数回にわたつて改正され、今日まで実施運営され來つたのでありますが、新情勢に即應するため、他の社会保險制度と同樣に船員労働者福祉増進をはかるため、今回船員保險法の一部改正を企図いたした次第であります。以下改正主眼点につきましては御説明を申し上げます。  第一に、最近の立法の趨勢に鑑み、船員保險法施行令等命令に委任されておりました被保險者、被保險者であつた者その他保險給付を受ける者、または船舶所有者権利義務に関する重要事項は、すべてこれを法律規定いたしまして、その権利保護に万全を期せんとするものであります。  第二に、保險給付内容充実であります。この点につきましては、新しい情勢に即應するため、現在の経済情勢及び保險経済とをにらみ合わせまして、所要の改正を加えました。すなわち  一、船員家族に対する給付の創設でありまして、被保險者によつて生計を維持する者の疾病、負傷に対しましては、家族療養費として、療養に要した費用の十分の五を支給し、その死亡に対しましては、家族葬祭料として標準報酬月額の一月分に相当する額を支給すること。  二、寡婦年金鰥夫年金、遺兒年金制度創設でありまして、六月以上十五年未満被保險者たる者職務外事由によりまして死亡しましたとき、もしくは、傷病によりまして資格喪失後二年以内に死亡しましたとき、または職務外事由によりまして、障害年金受給者でその癈疾程度が重くて労働能力のない者が死亡しましたとき、その配偶者または子に寡婦年金鰥夫年金、遺兒年金を支給すること。  三、障害年金受給者に対しましては、その癈疾程度が重くて労働能力を喪失した者には、扶養者加給金として、配偶者または子一人当り年二千四百円を加給すること。  四、この改正法律施行の日前におきまして、職務上の事由による遺族年金及び障害年金の額を五倍した額まで引上げてこれを増額支給するとともに、配偶者または子のあるときはその配偶者または子一人当り二千四百円を加給すること。  五、失業保險金の日額を増額すること  等の諸点のほか、脱退手当金支給條件を被保險者であつた期間三年以上とし、死亡脱退、または女子たる被保險者が婚姻、分娩のための脱退の場合におきましては、從前通りといたしました。また遺族年金受給権またはその失権等支給條件につきまして、新しい民法の精神に即應せしめた次第であります。  第三に、保險医制度でありますが、被保險者療養を担当しますのは、いわゆる保險医でありまして、これは、從來強制指定制度でありましたのを、このたびはこれを廃止いたしまして、新たに医師の同意に基きまして、自由任意指定制度といたしたのであります。  第四に、保險料率改正でありますが、これは現下の情勢におきまして、その負担能力とか、保險経済とを勘案いたしまして、暫定的措置としまして、保險料率を引下げたのであります。すなわち全部適用を受ける者一一・五%失業保險金を受けない者九・三%任意継続保險者一〇・〇%といたしたのであります。  以上改正法律案提案理由改正の要点につきまして、簡單に御説明申し上げたのでありますが、何とぞ速やかに御審議の上可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。     —————————————
  5. 山崎岩男

    山崎委員長 次に医師法案歯科医師法案保健婦助産婦看護婦保案歯科衞生士法案及び医療法案一括議題といたしまして、審査にはいります。発言は通告順にこれを許します。福田君。
  6. 福田昌子

    福田(昌)委員 医療関係教育施設また営業施設というものが非常に高い水準に引上げられまして、從つていろいろな法案を新しくきめなければならないというようなことに対しまして、政府も非常に困難をせられただろうと存じまするので、そういう点を考慮いたしまして、なるべくその御苦衷に御同情申し上げて、私の質問はなるべく控えさせていただきたいと存じましたが、この保健婦助産婦看護婦法案におきまして、こういうように一般教育程度を高くさせていただきますと、この学校制度になつてから、一体看護婦や、保健婦助産婦になる人が現状のような数においてあるかどうか。またもしそうでない場合においてはどういう対策を御考慮になつておられるのであるかというようなことについてお伺いいたしたいと思います。
  7. 久下勝次

    久下政府委員 お話通りに新しい法案におきましては、從前と比較いたしまして看護婦保健婦助産婦の基礎的な素養を非常に高めておるのであります。從來の実績から見まして、十分にこれら必要な人々が得られるかどうかということにつきましては、法案立安にあたりまして、私どもといたしましても、十分考慮をいたしたつもりでございます。まずこの問題に対しまして、そういう考慮に基く処置として考えておりますことは、この法案の全面的な施行看護婦につきましては昭和二十四年、保健婦助産婦につきましては昭和二十五年ということに相なつております。これによりまして、その間におきましては從前規則が働いてまいりまして、從前看護婦保健婦助産婦等が生れてまいるものと考えておるのであります。かように法律施行の時期に経過的に期間が設けられておりますほかに、法律が新たに施行せられまして、從前看護婦保健婦助産婦はいずれも從來通りその業務に從うことができるようにいたしてございますので、現制度のもとにおける看護婦保健婦助産婦が少くとも数年間あるいはそれ以上業務に從事することによりまして、経過的には問題がないものと考えておるのであります。さらに私どもといたしましては、その間におきまして十分新しい制度に基く養成施設普及に努めたいと思つておりますし、現在すでにその処置を講じているのでございます。こうすることによりまして新しい施設を設け、同時にまた一般國民の間に保健婦助産婦看護婦の新しい意味における使命というものを十分徹底いたしまして、そうして希望者をできるだけ多くするようにいたしたいと思つているのであります。さようないろいろな措置を総合いたしまして、大体この法案の実施は御質問にございましたような心配はまずないものと思つているのでありますが、さらに最後の段階、ここ数年の推移を見守りまして、また実際問題として医療上必要が起るようなことになりますれば、そのときに処置を講じたいという氣持をもつているのであります。
  8. 福田昌子

    福田(昌)委員 こういう高い教育課程になりますと、相手学費等もかさむと思いますが、そういう学費に対しまして、國家は何か援助するようなお考えをおもちでございましようか。
  9. 久下勝次

    久下政府委員 看護婦保健婦助産婦につきましては、御承知の通りに多くのものは、保健婦は別でございますが、看護婦助産婦につきましてはそれぞれ病院附属施設としての養成機関がございまして、かような所におきましては学習に要します費用はその病院において支給しますほかに、若干の小遣いまでも出しておるのが実情でございます。かような制度は今後とも程度が高くなりましても続けていきたいと思つておるのであります。保健婦につきましては、現在大部分は各府縣施設によりまして養成が行われております。実質的にはやはり同樣の措置がとられております。そのほかにも女子の專門の学校が設けられることを期待しておるのであります。これらの学校には、余力のあります人々にはいつていただくという結果になるかもしれません。必要数確保のために、今申したような病院附属施設、あるいは公共團体施設等におきまして、学費をあまり要せずに養成のできるようにしたいと考えております。
  10. 福田昌子

    福田(昌)委員 こういうような高い制度学校を卒業いたしました曉の保健婦及び助産婦看護婦などにおきましては、いきおい待遇改善というようなことが大きな問題となると思いますが、そういうことに関しましてどういうふうにお考えでありますか。
  11. 久下勝次

    久下政府委員 待遇改善につきましては、かような制度になりますれば、社会的に十分その認識がなされまして、待遇改善されていくものと思つておるのでありますが、一般に現在の看護婦などにおきましては、現状におきましてもすでに待遇が非常に低い実例でございます。これらにつきましては現行の制度のもとにおきましても、待遇改善を特別にするように、今考慮をいたし折衝をいたしつつあるのでございます、これらが実行に移されますれば、將來程度の高くなつたものが出てまいりました場合には、それらのものは追養の高い程度につれて、待遇改善が行われるものと思つておるのであります。
  12. 福田昌子

    福田(昌)委員 御説明いただきましてほぼ了解はできましたけれども、私といたしましては一つ懸念することが残つておるのでございます。それはこういうような高い教育制度をつくる状態におかれておる今日、仰せのように現状保健婦看護婦助産婦の方の待遇はあまりにも低い地位におかれております。ですからそういう方々現状を見ましたならば、これから保健婦看護婦さんに長い年月を要し、高い教育費を費してなろうという人が非常に少くなるだろうと思うのであります。從いまして二十五年、二十六年の制度から新たに入学されて保健婦看護婦助産婦になられる方は非常に数が減つて病院診療所におきまして、いろいろ事務の刷新上困難を來すほど人員減つてくるのではないかということを懸念いたすのであります。從いましてまず第一番に今日の保健婦看護婦助産婦方々待遇を早急に大幅に引上げていただきたいと思うのであります。地方におきましては保健所やあるいは学校などに勤めておられる保健婦さんなどが三級官にもなれない、いつまでも補助の地位に甘んじていなければならない、十年以上も勤めた人がようやく三級官になれるというような、きわめて低い地位において働かされておるということを考えますときに、こういうことが從來保健婦さんの発展あるいは看護婦さんの発展に対して、非常な障害となりますから、早急にこういうことを改めていただきまして、もつと高い待遇を與えていただきたいと思います。またこの保健婦という職業におきましては、いきおい出張旅費が非常に多くなるのでありますが、そういうような場合にも出張旅費が少くて、まじめに働けば働くほど足が出るというような状態であります。從いまして、なかなか仕事をしないというような現状でありますので、そういう方々に十分に働いていただくためにも、この出張旅費その他の手当というものを早急に御考慮いただきたいと思うのであります。そういうような待遇改善のことを私は早急にお願い申し上げたいと思います。  次に二十條でありますが、「助産婦國家試驗は、甲種看護婦國家試驗に合格して者」云々というところの第一項に「文部大臣の指定した学校において一年以上助産に関する学科を修めた者」となつております。助産婦というような仕事は、まじめに考えますと一年くらいの修業期間では完全な技術は覚えにくいものでありますが、これを一年以上とおきめになりました動機はどういうところにありますか。
  13. 久下勝次

    久下政府委員 最初の御意見にございました看護婦保健婦助産婦待遇改善につきましては、現状においても私ども十分努力をいたしておるつもりでございますが、なお御趣旨に從いまして今後も十分な努力を拂いたいと思います。  第二点のお尋ねにございました助産婦修業期間を一年といたしました理由でございますが、この法文で御了解をいただきますように、助産婦として必要な基礎的な素養は、ほとんど大部分看護婦としての素養と同樣であると考えております。從つて甲種看護婦としての三年間の素養を要求いたし、その上にさらに助産婦として特に專門的に必要なことだけを一年やるという意味でございますので、この程度におきまして一年やりますれば、十分であると考えておる次第であります。なお御参考に申し上げますれば、從來とも助産婦になりますのは、小学校の高等を出まして、二年間勉強をすれば、助産婦の免許が與えられておつたのでありまして、それらとの関連においても大体これで十分であると考えておる次第であります。
  14. 福田昌子

    福田(昌)委員 第三十七條でありますが、「保健婦助産婦又は看護婦は、主治の医師又は歯科医師指示があつた場合の外、診療機械を使用し」云々ということがありますが、このような高い程度教育施設を経てきた看護婦保健婦助産婦の方に、はたしてなおこれほどの嚴格な医師及び歯科医師指示というもののわくにはめて、こういう保健婦看護婦技術を縛る必要があるのでございましようか。
  15. 久下勝次

    久下政府委員 三十七條に掲げましたような業務は、いわゆる医業に属することと考えておるのであります。一般医業に関する教養の要求をしておりませんこの種の人々が、医業を行います結果になりますことをおそれまして、かような規定を設けておるのであります。こういうことをいたさなくても、保健婦なら保健婦助産婦なら助産婦としてそれぞれその法律に掲げております任務を行つていきます上には、多くのなすべきことがあると思うのでありまして、これらの人々医師歯科医師と相協力し、提携してはじめて医療が全きを期し得るのであると考えておる次第であります。
  16. 福田昌子

    福田(昌)委員 現状におきましても、すでに産婆さんなどはお産の場合に直面いたしまして、注射をし、あるいはまたいろいろ最小限度の機械的な処置を加うておるのであります。もちろんそれは黙認の状態にあるのでありましようし、看護婦におきましても、皮下注射あるいはあまり危險でない靜脈注射をどんどんやつておることは、すでに衆人の知つておるところでありまして、もとよりこういうような注射の全部は許し得ないものでありますが、保健婦というような立場からいたしましては、保健の範囲内において看護婦または助産婦注射をさせてもいい藥があるはずでございますから、ある藥の種類限つて保健婦助産婦などが注示することを許可することが、私は最も今日の現状に当を得た方法であると思うのであります。こういうような現状と反した方法を、しかも高い教育程度を経た保健婦看護婦さんになお強要するということは、私は非常な間違いであるということを痛切に感ずるのでありまして、この点におきまして御訂正を願いたいと思います。  またその先のところでありますが、「又は助産婦へそのおを切り、かん腸を施し、この他助産婦業務に当然附随する行為をなすことは差し支えない。」という言葉がありますが、助産婦というものは、この制度からいいますと、專門学校または大学程度教育機関を経た人でなければなれない状態でありますが、そういう高い助産婦をねらいながら、厚生省でこういうような言葉を使われるということは、結局において、厚生省でこの案をおつくりになりましたその根柢というものは、この高い教育施設というものが形式的なものであつて、その根柢において助産婦というものを非常に軽視した氣持においてつくられたということがありありとわかるのでありまして、こういう根本的な、産婆自身、または保健婦自身看護婦自身を低めた地位に置くという、そうした精神的な軽蔑の氣持をまず第一に拂拭してもらいたいと思うのであります。從いましてこういう小学校生使が使うような「へそのお」というような言葉を使われるということは、はなはだ私どもにとりまして心外であります。早速御訂正願いたいと思います。
  17. 久下勝次

    久下政府委員 御質疑の第一点につきましては、三十七條但書、また三十八條の但書にも、いずれも臨時應急手当をなすことは差支うないという規定がございますので、それによりまして御質疑の点は目的を達し得るのではないかと考えております。  次のはなはだ小学生の使うような言葉を使つておるというようなお話でありますが、実はこういうような言葉を使わざるを得なかつた理由は、政府の方針として漢字制限が行われまして、從來法律には漢字臍帶と書き、かん腸という言葉もちやんと漢字で浣腸という字があつたのでありますが、それらはいずれも漢字制限で使えないことになりまして、「さいたい」とかなで書きましては何のことやら意味がわからないであろうというようなことで、俗に使われておりますような言葉を使いました次第であります。決してこれらの方々身分を軽視するというような意思は毛頭ございません。御了承願いたいと思います。
  18. 福田昌子

    福田(昌)委員 保健婦待遇問題でありますが、小学校に勤務しております保健婦というものが相当おられるのでありますが、そういう方々より養護訓導というものになる場合の取扱いが、地方的に非常に差異がございますが、そういうものに対しまして、政府としてはどういうような基準を置かれておるのですか。
  19. 新井英夫

    新井説明員 現在文部省におきます養護教員資格は、看護婦の免状を持つておるということが必要で、それが根本的な條件になつております。そうしてその人たち文部省特定期間、大体三百二十五時間の再教育的のものを施しまして、その方々養護教員として採用しておるのであります。養護教員一般教官資格認定規則がまだできておりませんので、現在は暫定措置で仮免許証というものを出しております。從つてちよつとここでおかしいのは、保健婦の免状を持つてつても、看護婦の免状を持つておらないと養護教員になれないのであります。これは看護婦の免状を持つということが、今までの看護婦さんのスタンダードでありましたから、その一番最低のスタンダードをとつて、それに特殊な教育的なたとえば教育学であるとか、あるいは教育心理であるとか、兒童心理であるとかいうような特殊の項目を加えまして、それを修業した者に対して仮免許証を出して養護教員ということにしております。そういうふうにしておりますので、現在では案外保健婦の免状を持つておりながら、養護教員になれないという状態の人もあるわけであります。保健婦であつて看護婦の免状を持つておられれば文句ないのでありますが、保健婦さんということだけで看護婦の免状を持つておられぬ方もあるわけであります。そういう方は今のところ養護教員になれないということになつております。
  20. 福田昌子

    福田(昌)委員 そのように基準がはつきりしてないということは、現在におきまして、非常に多くの保健婦さんに対します待遇において不幸を生みますので、早急にこの基準をはつきりきめていただきたい。このことは大きな問題でありまして、地方に参りますと、保健婦の方からいろいろこの点に関してぐちが出るのでありますから、早急に御考慮を願いたいと思います。  それから保健所に勤めております保健婦待遇でありますが、三級官に任官する場合の基準というものは、どこに置いておられるのでありますか。
  21. 久下勝次

    久下政府委員 はなはだ申訳ないのでありますが、相当の公衆保健局から係官が來ておりませんので、その点は後ほど調査いたしまして御回答申し上げます。
  22. 福田昌子

    福田(昌)委員 これで一應質問を打切らしていただきたいと思いますが、もう一つ医療問題と関連したことになるかと思いますが、この前の委員会におきまして、村山の全生病院お話が出ておりましたので、一應癩患者に関連したことで質問をいたしたいと思うのであります。と申しますのは、現在癩療養所に入院いたします患者というものは、家族をもつている患者が相当に多いのでありますが、そういう家族收容するような、いわゆる母子寮とか、保育所というようなものを考えてみました場合に、非常に、癩予防の上から寒い思いをするのでありまして、この癩患者というものは、家族の今後の生活というようなことを考えた場合に、療養所において安心して治療に身を任せるということも、その初期においてはできがたいことでありましようし、また癩病院を逃走する患者の中の幾割かは、家族の身辺を慮つて逃走するというような者もあるのでありますから、こういう患者家族のために、母子寮とか託兒所とかいつたものを、私はつくる必要があると思うのでありますが、そういうことに対しまして政府はどういうお考えでいらつしやいますか。
  23. 久下勝次

    久下政府委員 御質疑の点はごもつともな点でありまして、私どもといたしましては、現在國立癩療養所を十箇所もつているのでありますが、その中の八箇所にはすでに託兒所を設けておるのであります。そうして妊娠をして入所しております患者から生れました子供、未感染の子供、あるいは引取者のない子供につきましては、この託兒所におきまして癩療養所の医官が、これを常に注意をして、発病の有無を調べ、特にこれを保護するようにいたしておるのであります。現在のところ十箇所の國立療養所のうち、全生病院と駿河療養所にはこの施設をまだ設けてないのでありますけれども、私どもといたしましては、できるだけ早い機会にこれらの施設にも設けたいと思つております。現在八箇所の癩療養所の託兒所の予算定員が二百名ということになつております。さような施設によりまして、御趣旨のような点については解決をはかりたいと考えております。
  24. 福田昌子

    福田(昌)委員 託兒所に対しまして非常に明るい御説明を承りまして喜んでおりますが、もう一つお願い申し上げたいと思うのは、母子寮というものを急いでおつくり願いたいということであります。なぜかと申しますと、託兒所または乳兒院に類するようなところに收容いたします子供の年齡というものに対しては、いきおい制限が出てまいるのでありまして、將來の学校の教育とか、職業の指導というような点にわたつて、特に不都合な点が出てまいると思うのであります。ですから子供の將來ということを考え、また家族の生活というようなものを考えた場合に、母子寮、援産所というものを併せたような、癩患者家族のみに限つてのそういうような收容施設を東京なり大阪なり、そういうたような大都会に一つの総合的なものを建設する必要があるのではないかと思いますので、そういうことに対しましての政府のお考えを承つておきたいと思います。
  25. 久下勝次

    久下政府委員 実は先ほど申し上げましたのは、現在國立癩療養所に附設してあります託兒所の問題について御説明申し上げたのでありますが、私どもといたしましては、癩療養所の中にこの種の託兒所を置くことは、ただいま御質疑にありましたような趣旨において必ずしも適当でないと思つておるのであります。しかしまた一面におきまして、これらの未感染兒童は、癩の性質上いつ発病するかわからないというような事情もありますので、私どもの立場における考え方といたしましては、癩療養所の中に置くよりもむしろその附近に置いて、癩療養所の專門の医官が常にその健康状態を見るようにいたす方が理想的であると思い、そういう線に沿いまして関係当局とも連絡をして、今後御趣旨に副つて措置ができるように努力いたしたいと思つている次第であります。
  26. 福田昌子

    福田(昌)委員 大都会附近にそういつた專門の援産所及び母子寮をつくつていただきたいということは、これは癲家族全員の希望しているところであります。政府におかれましても、その線に沿つて早急に大都会附近に託兒所、母子寮の建設をしていただきたいと思います。
  27. 山崎道子

    山崎(道)委員 私はいろいろお伺いしたいことがございましたが、福田委員が大体申し上げましたので、その補足的にお伺いしてみたいと存じます。  看護婦待遇は非常によくなつているというお話でございましたが、國立病所等におきましては、特に看讓婦の待遇が惡いために、看讓婦は不足を來して、そのために入院患者制限しなければならないという実情と私は聞いておるのでございますが、これについて責任ある御答弁を伺いたい。確信をどの程度もちになつているかということを伺いたい。
  28. 久下勝次

    久下政府委員 先ほど私から申しましたのは、現在看護婦待遇がよくなつているというふうに申し上げたのではないのでございまして、よくするように今万全の努力をいたしつつあるということを申し上げたのであります。実はお話通りに國立療養所の一部におきましては、看護婦が不足のために、やむを得ず入所患者制限せざるを得ないようなところもございます。これらは私どもとしてもゆゆしい問題だと考え、何とか看讓婦の待遇改善いたしたいと思つておりますが、さいわい御承知の通り現在職階制度が実施されることになつております。この職階制度におきましては、看護婦の格付をできるだけ高いところにするように、ただいま関係当局と折衝をいたしておるところであります。さらにまた、癩療養所あるいは結核療養所のごとく、一般の人が勤務をいとうような場所に勤務する人々につきましては、特に看護婦を優位におきまして、一般の給與のほかに何らか特殊勤務手当とでも称すべきものを交給できるようにと思いまして、厚生省といたしましてはすでに案をつくりまして、関係当局と折衝を始めておるところであります。さような方法によりましてできるだけの待遇をいたし、看讓婦が安んじてその職に勤務できるようにいたしたいと努力しつつあるところであります。
  29. 山崎道子

    山崎(道)委員 ただいまの政府委員からの御説明は、事実であるならば、私は非常に安心でございますが、漏れ承るところによりますと、なかなかそこまでくるのに困難なように聞いておりますので、なお一層の御努力をお願いいたしたいと存じます。とかく看護婦とか、保健婦あるいは助産婦に対しましては、まだまだ社会的通念では低く見ておるのでございます。これはまず待遇から改めていただきたいと同時に、今後私は治療医学から予防医学へいくべきものとつねづね存じております。救貧から防貧へ、これを目標にしてやらなければならない。私たちの仕事の面におきまして、この保健婦仕事は非常に不安定でございます。身分の点におきまして、それぞれの機関でこれが統轄されているというようなことで、中央におきまする考え地方へいきましては、非常に徹底していない。そのために非常に不安定であつて、このごろ保健婦を得るのに非常に困難であるというような実情でございますが、これに対して厚生省では何らかお考えになつているというふうにも聞いておるのでございますが、どういうふうなお考えで御準備が進められているかお伺いいたしたいと思います。
  30. 久下勝次

    久下政府委員 保健婦地位が不安定であるというお話でございますが、実はこの問題は保健婦のみならず、看護婦助産婦につきましても、私ども現状お話通りであると思うのであります。この問題は、実は根本的には一般のわが國の國情が、婦人のこの種の労務に対する認識が十分でなかつたというようなところに、根本の原因があるようにも考えているのであります。これらのに点につきまして十分、一般の社会の人々を啓蒙いたす必要があると思うのであります。  さらに具体的内容保健婦につきましては、御承知の通り最近保健所法も改正せられ、保健所の拡充も逐時行われつつありまするので、ここにおける仕事をいたしまする上において、保健婦が果します任務は非常に重要なものであると考えております。厚生省といたしましては、関係当局全部一致いたしまして、保健婦地位の安定及びその向上につきまして、全面的な努力をいたしつつあるところであります。
  31. 山崎道子

    山崎(道)委員 私のお伺いいたしたいのは、保健婦の所属が農業会にあつたり、健康保險組合にあつたり、保健所にあつたり、それが統轄する所がないのであります。一体それはどうなるのかということ、それから地方へ参りますと、保健婦保健婦としての仕事をさせられないで、事務的な仕事をしているような面が多いのであります。私たちは、ほんとうに保健婦としての仕事を眞劍に專門にやつてもらいたい。ところがこれに対する認識がないために、雜務に使用されるということでございます。それから地方へ参りますると、保健婦仕事は部落から部落を訪問して保健指導をしていかなければならない。こういう場合にこれに対する足の確保がないのでございます。こういうことに対して、厚生当局では何か具体的にお考えになつているかどうかについても伺いたいと思います。
  32. 久下勝次

    久下政府委員 お尋ねの中にありました保健婦のことを考える統括的なところということはごもつともでございます。実は厚生省におきましては、ただいま厚生省の内部に保健婦看護婦助産婦仕事を担当いたします專任の課を設けまして、その課の中にそれぞれ保健婦看護婦助産婦の專門の方々にはいつていただきまして、ただいまのような問題を熱意をもつて解決をするような仕組にしてまいりたいと思つて、今案を進めつつあるところでございます。その課長にはさような意味におきまして、もちろん婦人のこの方面の達識の方をお願いをする予定で話を進めておるところであります。それから具体的の保健婦仕事についての配慮をしておるかということでございます。私どもとしては從來ともその点は考慮いたしておるところであります。はなはだこれは言訳めいたことになるかもしれませんが、一般の官吏、吏員の旅費というものは一定のわくにはめられておりまして、事実、地方をまわつて歩きます場合に、規定の旅費だけで困るという場合があることも承知いたしておるのであります。これが解決について努力をいたしつつありますけれども、まだ全面的な解決にまで至つておりませんことは、はなはだ遺憾に存じますが、先ほど申しますような機構の改正に伴いまして、十分努力をしていきたいと思つております。
  33. 山崎道子

    山崎(道)委員 御参考までに申し上げますが、保健婦がいかに待遇が惡い状態で放置されておるかということの一つの例だけをとらしていただきます。最高が二千七百七十五円、最低百円で放置されておるものさえあるということを御考慮いただきまして、ぜひ安心して仕事のできるように御努力を願いたい。  次にお伺いいたしたいことは、学校養護教諭の問題でございます。先ほど文部当局のお話と私の伺つておるところでは、相当食い違いがあるようでございますから、念のためにお伺いいたします。それから学校におきましては、養護教諭として出発をされるというふうに聞いております。そうしてこれらにつきましては、今までの保健婦状態は私しばらくおきまして、今後は保健婦資格が非常に高められまして、高等教育を受けるのでございます。にもかかわらず文部省では、別個にこれの教育を考えておいでになるというふうに伺つております。それは学校保健婦は兒童をのみ対象にしてやるのであるから非常に違うのだ。教育の面も保健教育の面も含まれておるから、一般保健婦資格ではだめなんだ。從つて文部省が別個にこれを推進していくというふうに私は伺つております。ところがこれにつきましては御承知のように、今度の保健婦学校におきましては、授業時間と申しましようか、教科課程の中に科外講義としての時間を百五十時間設けておるのでございます。そういたしますと百五十時間を兒童を対象にしたいわゆる学校の養護営諭としての資格は、十分この保健婦学校で私は体得できると存じております。申すまでもなく日本の今日の経済状態のもとにおきましては、法律をこしらえるといつてもいつも予算の面で阻まれております。それなのに何を好んで学校保健婦一般保健婦と区別しなければならない理由があるのか。とかく今までの官廳におきましては、なわ張り的な考えがずいぶん國民大衆を不幸にしておる。こういう意味におきましても、もしそういうことが計画されておるといたしますならば、この際お考えを改めていただいて、ぜひとも保健婦学校を卒業した保健婦であるならば、試驗によつて養護教諭になり得るというふうに私は改めていただきたいと思います。この点に対しましては、とかく厚生省当局も弱いじやないかしらと存じますので、この点は政府は一つでございますから、ぜひそういう方針で進んでいただきたいと思いますが、それについての文部当局の御意見を伺いたいと思います。
  34. 新井英夫

    新井説明員 甲種の保健婦とか甲種の看護婦という非常にレべルが高くなつてきたということにつきましては、養護教諭の資格もそれに副いまして高くならねばならぬということは、実は私ども考えておりまシて、將來の養護教諭はどういう資格をもたねばならぬかということは、まだ檢定制度が決定しておりませんので、ここではつきりと申し上げることはできないのでありますけれども、ただ氣持といたしまして、私ども考えておるのは、ただいまお話がありましたように、少くとも保健婦の免状をもつておる者、あるいは乙種または甲種の免状を持つてつて小学校の教官たる免許証を持つておるというような者は、無免許で養護教諭になれるようにするのがほんとうではないかというように、私自身としては腹で思つております。しかしまだ檢定の制度文部省として決定しておりませんので、ここではつきり申し上げるわけにはいかぬのであります。それから養護教諭にも甲種と乙種というものが——もし人を得るという意味からいたしまして、甲種ばかりではなかなか人を得るのは困難だ。そういう意味で少し程度が低くても小学校等ではいいのではないかということも一應考える必要がありはしないか。それは乙種の看護婦または甲種の看護婦の免状を持つておれば、ある特定の人は試驗を受ける資格を與えて、乙種の養護教諭にしたらいいじやないかというようなことも寄り寄り考えておる実情でございます。
  35. 山崎道子

    山崎(道)委員 私はあなたのお言葉を固く御依頼申し上げたいと思います。どうぞその御精神で省内でその方向へ一本に固めてくださることを要望いたします。申すまでもなく保健婦看護婦助産婦、この種の業務を行う者が、一本の線で統一される趣旨から看護課というものができるはずであります。ぜひこうした線へ協力してまとめていくというふうにお考えが願えるならば、大変幸福だと私は考えております。どうも兒童福祉法のときにも、文部省と私はいろいろ話し合つたのでございますが、幼稚園にいたしましても、保育所と幼稚園が二本になつているために、いろいろそこに問題が起きておるのでございます。こういう点で学校は一段高いのだというような封建的な考え方は、ぜひ私は捨てていただかなければならぬと存じております。  これともう一つこれに附隨いたしまして、今度労働省の管轄でございますが、工場、事業場等において從事する保健婦の問題、衞生管理者というものでございます。これが保健婦との関係につきまして、保健婦の教育内容からいいましても、管理者の業務内容はほとんど保健婦從來つてきていたと同じものであるように私は思つておるのでございますが、これに対しまして労働省の方ではほとんど形式的な内容で、まつたく私たちが考えておる保健婦資格としてはほとんど欠除しておるとも思われるような女子專門学校保健科を卒業した者にこれを與える、保護婦に與えないというような考え方も、私ども了承に苦しむのでございます。殊に保健婦に関しましては独立した專門学校も全國にすでに三箇所もあるのでございまして、また現在はこういう規則によりまして一段と高められるというふうになりますならば、一般保健婦をこれら衞生管理者に採用されるようにする方が、私は非常に妥当ではないかと考おておりますが、これに対しまして厚生当局ではどのようにお考えになつており、かつまた労働省との交渉がどの程度に進捗しておられるかということを伺いたい。
  36. 久下勝次

    久下政府委員 お話通り甲種保健婦の課程の中には、産業衞生の部面、また工場、事業場の衞生管理に必要な知識も十分もつておることになつております。さような線に沿いまして、大体御趣旨のようになるのが妥当であると考えております。ただ大変申訳ない次第でございましたが、実は工場、事業場の衞生管理者の制度といあものについて、まだ深く存じませんでしたので、敗体的折衝を始めておりませんから、御趣旨の線に沿うように折衝を始もたいと思います。
  37. 山崎道子

    山崎(道)委員 よく御研究がなくして、まだ具体的に折衝が始まつていないということの御答弁でございますれば、私これを背定せざるを得ないのでございますが、私たちの耳にはすでにはいつておるのでございます。労働者では女子專門学校保健科を出た者を対象にして、保健婦は加えないような意向を聞いております。私この点につきましては、この次の委員会のときに労働省の方に出席を求めておきたいと存じます。こういうふうにすべてがなわ張り的な考お方をもつておるということは、非常に遺憾でございます。同じ政府のはずでございますから、もつともつと具体的に話を進めて、一つこういう手数のかからないようにお願いいたしたいと存じます。  それから乙種看護婦と甲種看護婦との問題でございますが、私はどうも現段階において、甲種だけの一本にすることは、今までの看護婦さんたちの非常に困るということを了承いたすのでございますけれども、こうした身分法ができまして、看護婦科というものも独立していくという今日になりまして、ずつと長い間二本建でいく御予定であられるか。それともこれは暫定的に乙種看護婦と甲種看護婦とを二本建でいかれるお考えであるかということについて御答弁をお伺いしたいと存じます。  それからこの乙種看護婦の場合でございますが、重症患者は看護できないということになりますと、これはどの程度で区別するのであるかということで、はなはだ私漠然としていてお困りになるのじやないかと存じますが、その点についての御答弁を承りたいと思います。
  38. 久下勝次

    久下政府委員 まず御質疑の第一の甲種、乙種にわけた制度が暫定的なものであるか、恒久的のものであるかというお尋ねでございます。実は看護婦という制度をかような二段階の制度にいたしました趣旨は、多分に日本の実長を考慮しての結果によるものであります。私どもといたしましては、看護婦として立派にその業務を行いますためには、この甲種看護婦程度素養が必要であると考えておるのであります。從いまして將來とも、できるならば甲種看護婦一本でまいりたいということを考えておつたのであります。しかしながら一面日本の実情考えますと、また過去における看護婦を志望いたします人々の学力の程度を調べてみましても、ほとんど大部分從來國民学校高等科の卒業程度のものが多かつたのでございまして、高等女学校を卒業して看護婦になるという人々が非常に少いという実情であります。この実態はなかなか一朝一夕に変らないであろうということを考えておるのであります。しかも一面におきまして看護婦を志望いたします人々は、從來の実例から申しますと、農村方面の人が多いのでありまして、都市に居住しておる者には、比較的看護婦の志望者が少いという実情であります。さような面でますます今申した高い教育を受けました人々看護婦を希望するということは、日本の実情からは一朝一夕には無理がありはしないかと思つておるのであります。この点は先ほど話に出ましたように、看護婦に対する一般の久々の認識が高まることが、まず第一の要件であろうと思つております。かような考慮から乙種看護婦というものも、実は理論的に申せばやむを得ぬことで、実体的に申せば当然に認めたということに相なつておるのであります。從いまして別段に私どもは今日のそういう事情から考えまして、暫定的とも思つておりません。さりとて恒久的とも思つていない。そういうふうに事態の推移を考えたいと思つております。しかも当分の間は乙種看護婦制度を廃止して、理想とする甲種看護婦制度一本にするということは、そう簡單にはそういう事態にならないということを考えておる次第であります。  それから第二の御質問でございますが、乙種看護婦業務上の制限がありますことについてのお尋ねでありました。文字には「急性且つ重症の」という言葉を使つてあるのであります。この意味は、急性と同時に重症であるという病氣のみに限定したいと思つております。今これを具体的に申しますれば、法定傳染病の一部のもの、あるいは急性肺炎というような特殊なものに限られると思つておるのであります。これは先ほど申し上げておりますように、日本の実情から考えまして、この辺の運用につきましても、よほど警戒をする必要があると思つておるのであります。もしも從來看護婦、つまり現行規則による看護婦がまだここ二、三年は出てまいりますが、それがだんだん看護婦業務から去つてまいりまして、しかも一方において甲種看護婦が十分できてこないということになりますると、この種の患者に対する手当、看護ができないという結果になるおねれがあるのであります。その点を心配をいたしておるのであります。これも先ほど申したように、まだ少くとも六、七年の経過は十分その問題が起らずにすむと思つておりますので、その辺の経過を見ていきたいと思いますが、建前といたしましては、あくまでも理想は甲種看護婦である。從つて甲種看護婦を多く養成するようにあらゆる方面から努力いたしますと同時に、半面そういう意味でありますので、乙種看護婦にさような制限を設けた、かような意味に御了承願いたいと思います。
  39. 山崎道子

    山崎(道)委員 これから甲種看護婦ができてくるのでございますから、こういう規定があつても、これは定分は默認でございます。そうしなけれぱ急性肺炎に看護婦を頼んでも、その辺に甲種看護婦はいないのでございますから、こういう点の誤解が生じないように、ひとつ考えておいていただきたい。  時間がないようですから引続いてお伺いいたします。産婆さんの面でございますが、産婆さんにはゆえなく断ることができない業務規定がある。ところがこのごち産婆さんに対しましては、ほとんど配給等が行き渡つていないのでございます。この点産婆さんは非常に困難いたしております。それと同時にこういう困難な中においても、自分の大切な使命だから、これに默々と從事しておる産婆さんたちに対しまして、不当なる課税が行われておる。殊に生活保護法であるとか、あるいは國民健康保險ですか、こういうもので扱つた数を明示いたしましても、そんなことをほとんど税務当局が認めてくれないというような涙の訴えがたくさん來ておりますので、こういうことももつと厚生省が親心をもつていただきまして、その方面との折衝等もいたしていただく必要があるのではないか、私はかように存じてえります。  それから先ほど福田委員からすでにお話があつたのでございますが、いま少し私が納得するように御説明が伺いたいのでございます。医療制度の完備しておる都市におきましてはさようなことは少いのでございますが、地方へ参りますと、お産後に起ります出血のために、非常に多くの人命が失われておることは事実でございます。これによつていかに尊い母の命を失い、生れ出る子供を不幸にしておるかというようなことを考えまして、私はこれだけの高等教育を受けた産婆であれば、もとよりこれに止血剤の注射等は私は許されていいのではないか。これをも含めて緊急措置、應急措置——臨時應急手当の方へお含めになつておいでになるのかどうかということを伺いたい。
  40. 久下勝次

    久下政府委員 いろいろお尋ねがございましたが、助産婦に対する資材の配給のお話がありました。お話通り從來助産婦に必要な資材、特に迫ガーゼ、脱脂綿の類が実は生産の方面において必ずしも十分でなかつた関係もありまして、行渡りません実情もあつたと思います。この方面は漸次各方面のお骨折りで改善されつつありますので、だんだんよくなつていくものと考えております。根本は生産方面に支障があつたということでありますことを御了承いただきたいと思います。  それから課税問題についての御指摘でありましたが、さような問題につきましては、私どもの方におきましても十分お超の通りに婦置したいと思つております。それから助産婦業務に対しては、あらゆる場合に止血剤の注射ができるというようなぐあいにも、私の方としても肯定をいたし難いのでありますが、お話通り臨時緊急の処置で、非常な大出血があつて、そのまま放つておいては医者を呼んで間に合わぬというような場合には、当然差支えないと思つております。それはその辺の助産婦の健全なる常識の判断によつてつていただくよりほかにしかたがないと思います。
  41. 山崎道子

    山崎(道)委員 それから先ほど福田委員の申されましたように、何としても法律へその緒というのはおかしいと思います。もう少し適当な言葉考えていこうじやありませんか。  それから最後に一つ希望といたしまして委員長に申し上げたいのでございますが、私たちは眞劍に法律審議いたしまして、そうしてこしらえてみると——こしらえるまでは一生懸命であつても、政府当局はそれを具体的に熱心に推進してくれているかどうかということの疑問を感ずることが多いのであります。また予算圭に禍いされて、われわれが努力してつくつた法案が、思うように活かされていないということを私たちはしばしば経驗しております。從いましてこの助産婦保健婦看護婦法案ができましても、養成所とか專門学校とかという名前はありましても、具体的にはたして正しい教育が行われておるであろうかどうか、私は非常に危惧いたします。御承知のように先日も日赤においてもああいう問題を起しております。そこで厚生委員会といたしまして時間を見出して、ぜひこれら施設を視察してみたい。しこうして納得のいくように私たちが規定していかなければならない。かように存じますので、委員長におかれては適当な時期に、こうした学校を至急に視察する機会をおつくりいただきたいことをお願いいたしまして、私の質問を一應打切ります。
  42. 山崎岩男

    山崎委員長 了承いたしました。  本日の質疑は一應これをもつて終了いたしまして、明日午前十時から継続いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と障ぶ者あり〕
  43. 山崎岩男

    山崎委員長 それではさように決します。     —————————————
  44. 山崎岩男

    山崎委員長 次に本日の日程に太田典禮君外五名提出優生保護法案を追加して議題といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議はないようでありますから、さよう決定いたします。提案理由説明を求めます。福田昌子君。
  46. 福田昌子

    福田(昌)委員 優生保護法案提案理由説明させていただきます。  わが國は敗戰によりまして四割強の領土を失い、その狹められたる國土に八千万からの國民が生活しておりますため、食糧の不足はやむを得ざることでありまして、しかも人口は一箇年に約百二十万からの自然増加を呈しておる現状でありますので、この現状に対しましては対策として食糧の増加、移民の懇請とともに、もう一つ優生の見地から不良分子の生出を防止するとともに、加えまして從來母性の健康までも度外して出生増加に專念しておりました態度を改め、母性保護の立場からもある程度の人工妊娠中絶を認め、もつて人口の自然増加を抑制する必要があるのであります。  本法案が旧來の國民優生法と異なる点を列挙いたしますれば 一、惡質疾病の遺傳防止と母性保護の立場から、一定範囲のものには任意に断種手術を受け得るようにしたこと。 二、強度の遺傳性精神病その他の惡質遺傳者の子孫の出生を防止するため、強制断種手術を行い得る制度を設けましたこと。 三、惡質疾病を有するものが妊娠し、または妊娠分娩によつて母体の生命を危險に陷らしむるおそれある場合は、医師の判定によつて妊娠中絶を行い得るようにいたしましたこと。 四、妊娠によつて母体の健康を害しあるいは暴行脅迫によつて妊娠した場合は、地区優生保護委員会の決定によつて妊娠中絶を行い得ることにいたしましたこと。 五、現在妊娠中絶手術の結果しばしば母体の生命を失うものがありますために、これを救済するために医師技術並びに設備等を斟酌して指定医師制度を設けましたこと。 六、三種類の優生保護委員会をつくりまして、地方委員会は強制断種手術の判定にあたり、中央委員会地方の判定に対し不服あるものの訴願を審査し、地区委員会は人工妊娠中絶手術の適否の決定に当り得ることとしましたこと。 七、各府縣に優生結婚相談所を設けて、優生保護の見地から結婚の相談に應じて、不良子孫の出生を防止するとともに、地方人士に対し優生の知識、避妊器具の選択、受胎調節の方法等の理解に努めしむるように予定いたしましたこと、等であります。  以上大体七項目の改正趣旨に基いて、ここに新法案提出した次第であります。何とぞ愼重御審議の上御採択あらんことを切望いたします。  引続きまして、優生保護法案の大要を説明させていただきたいと思います。  この法案は、第一章総則、第二章優生手術、第三章母性保護、第四章優生保護委員会、第五章優生結婚相談所、第六章届出、禁止等、第七章罰則、それに附則を合わせまして、全体で三十七箇條からなつています。  第一章の総則におきましては、この法案目的と定義とを示しました。すなわち第一條におきまして、この法案が優生学的見地に立つて將來における國民素質の向上をはかると同時に、現在における母性の生命、健康の保護をも併せてはかることを目的とする旨を規定いたしました。  第二條におきましては、この法案中に使われている優生手術と人工妊娠中絶との意義を明らかにしてあります。優生手術には、いわゆる去勢を含まないこと、人工妊娠中絶は、胎兒が母体外で生きておらない時期、すなわち大体六箇月以内において行われる処置であることを主として規定をいたしました。  第二章優生手術の章におきましては、第三條に同意を前提とした任意の優生手術を規定し、第四條から第十一條にわたつて社会公共の立場から強制的に行い得る優生手術を規定いたしました。現行制度では、優生手術を受けるには本人、その代理者または公益の代表者から申請と主務官廳の可否の決定とがなければ行い得ないことになつているのでありますが、第三條に列記したものについては、かような手続を要せず、本人と配偶者の同意がありましたならば、医師が任意に優生手術を行い得る途を開きました。しかし任意の優生手術は本人が事の是非を十分に判断した上で同意するということがその本質的な要素でありますから、未成年者、精神病者、精神薄弱者のように自分だけで意思決定ができない者については、これを認めないことといたしまして、この制度が相続権侵害のために惡用されることのないようにいたしました。第四條以下のいわゆる強制断種の制度は、社会生活をする上にはなはだしく不適應なもの、あるいは生きてゆくことが第三者から見てもまことに悲惨であると認められる者に対しましては、優生保護委員会審査決定によつて、本人の同意がなくても優生手術を行おうとするもので、これも現行制度にはないのであります。惡質の強度な遺傳因子を國民素質の上に残さないようにするためにはぜひ必要であると考えます。ただこの場合におきまして社会公共の立場からとはいえ、本人の意思を無視するものであるから、対象となる病名を法律の別表において明らかにするとともに、優生保護委員会の決定についての再審の途を開くほか、さらに裁判所の判決をも求め得るようにして、つとめて不当な処置が行われることのないよう注意いたしました。第四條から第十條までがその手続に関する規定であります。また強制断種の手術はもつぱら公益にために行われるものでありますから、その費用國庫において負担することとし、その旨を第十一條に規定いたしました。  第三章母性保護の章は、人工妊娠中絶に関する規定であります。現在人工妊娠中絶は、医学上の立場から母体の生命を救うため必要であると認めて行う場合にのみ合法性を認められ、一般的には刑法上堕胎の罪として禁止されているのでありますが、この法案で母性保護の見地から必要な限度においては、さらに廣く合法的な妊娠中絶を認めようとするのであります。すなわち客観的にもその妥当性が明らかな場合は、本人及び配偶者の同意だけで行い得ることとし、その他の場合には、同意のほかにさらに地区優生保護委員会の判定を必要としました。またこの場合には專門的な技術がないといろいろの弊害を伴いますので、さきに申し上げましたように、指定医師制をとつて惡い影響を母体に残さないようにいたしました。第十二條は任意の人工妊娠中絶に関する規定でありまして、第三條で任意の優生手術を受けられるものの中から、第五号を除いたものをその対象といたしました。第十三條以下は、地区優生保護委員会の判定を必要とする人工妊娠中絶に関する規定であります。第十三條にその範囲を規定したのでありますが、愼重を期するため、第一号及び第二号は、健康上の支障が理由なので、他の医師の意見をも添えることとし、第三号は、特殊な事情のもとにおける事実認定の問題がありますので、民生委員の意見を添えることといたしました。第十四條と第十五條は、申請後の審査、手術の実施に関する規定であります。  第四章の優生保護委員会に関する規定でありますが、現在の優生審査会とは全然構想を新らたにして規定いたしました。すなわちその性格について、現在の優生審査会は單なる諮問機関でありますが、優生保護委員会は自己の責任において審査決定をなし得る処理機関といたし、またその構成についても、現在は中央と都道府縣にだけおかれておりますのを、優生保護委員会は中央、都道府縣、地区の三種としました。地区優生保護委員会をおきました理由は、人工妊娠中絶に関する審査は正確であるとともに迅速であることがまた重要な要件ともなりますので、できるだけもよりのところにおかれた機関で処理できるよう、保健所の区域ごとにこれを設けて、もつぱら人工妊娠中絶の適否を審査する機関としたのであります。  第五章の優生結婚相談所、これは全然新たな機関でありまして、第二十條と第二十一條は、任務と設置に関する規定であります。第二十二條と第二十三條は、優生結婚相談所の名称のもとに非良心的な営利をはかるものを防止するために置いた規定であります。すなわち國以外のものが設置する場合には厚生大臣の認可を必要とし、かつ所定の医師、檢査その他に必要な設備等をもつているものに対してのみ認可を與えることとしました。またこの手続によつて認められたもの以外は、優生結婚相談所の名称を用いてはならないことといたのであります。  この法案の核心をなす実体的なものは、大体第五章までに盛られてありますが、第六章は第五章までの規定から出てくる手続的の事項、禁止的な事項等を規定いたしました。すなわち第二十五條では優生手術、人工妊娠中絶を行つた場合、三日以内に届出を要すること。第二十六條では、優生手術を受けたものが結婚するときは、その旨を通知しなければならないこと。第二十七條では、優生手術または人工妊娠中絶に関する事務に從事する者に秘密保持の義務を課したこと。念のため申し上げますが、この中に医師が脱けていますのは、医師については刑法第百三十四條に同樣の規定があるから、重ねてここには規定する必要がないからであります。第二十八條では、この法律によらずして故なく優生手術を行つてはならないことを規定してあります。人工妊娠中絶については、前に申しましたように、この法律で認められるもの以外は、当然に堕胎罪として刑法によつて処罰されますので、ここには重ねて規定いたしませんでした。  第七章は、厚生大臣の認可を得ないで優生結婚相談所を開設した者、勝手に優生結婚相談所たることを示す名称を用いた者、届出の規定に違反した者、秘密保持の義務に違反した者、みだりに優生手術を行つた者等に対する罰則を規定してあります。  最後に附則でありますが、第三十四條において、この法律施行期日を、公布の日から二箇月後としました。政府における施行規則等の公布、優生保護委員会の設置等、施行のための準備期間として二箇月をみたのであります。第三十五條と第三十六條は、現行國民優生法を廃止することと、経過的に現行法の違反事件について罰則を適用する場合はなお國民優生法の規定を生かしておく旨の経過規定であります。第三十七條は、現在四箇月以上の胎兒については、死産の届出に関する規定によつて届出をしていますので、同じような届出を法律ができるたびに何回も書くことのないよう考慮したものであります。  以上をもちまして本法案の大要に関する説明といたします。
  47. 山崎岩男

    山崎委員長 次会は明日午前十時より開会いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時三十六分散会