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1948-05-28 第2回国会 衆議院 厚生委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年五月二十八日(金曜日)     午前十一時十八分開議  出席委員    委員長 山崎 岩男君    理事 有田 二郎君 理事 田中 松月君    理事 山崎 道子君 理事 武田 キヨ君      小笠原八十美君    近藤 鶴代君       降旗 徳弥君    太田 典禮君       武藤運十郎君    井村 徳二君       荊木 一久君    最上 英子君       野本 品吉君    齋藤  晃君       榊原  亨君  出席國務大臣         厚 生 大 臣 竹田 儀一君  出席政府委員         文部事務官   剱木 亨弘君         厚生事務官   宮崎 太一君  委員外出席者         專門調査員   川井 章知君     ————————————— 本日の会議に付した事件  墓地埋葬等に関する法律案内閣提出)(第  五三号)  食肉輸移入取締規則に廃止する法律案内閣提  出)(第五五号)  社会保險に関する件     —————————————
  2. 山崎岩男

    山崎委員長 ただいまより会議を開きます。  墓地埋葬等に関する法律案及び食肉輸移入取締規則を廃止する法律案一括議題に供します。  これより討論に入るのでございますが討論を省略いたしまして、ただちに採択にはいりたいと存じます。御異議ございませんでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議なしと認めます。採択をいたします墓地埋葬等に関する法律案及び食肉輸移入取締規則を廃止する法律案の二法案原案通り可決することに御賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立
  4. 山崎岩男

    山崎委員長 起立総員。よつて両案はいずれも原案通り可決いたしました。  なお課長に対する報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山崎岩男

    山崎委員長 御異議なしと認めます。さよう取計らいます。     —————————————
  6. 山崎岩男

    山崎委員長 それでは引続いて社会保險の問題について榊原委員より発言を求められておりますので、これを許します。榊原委員
  7. 榊原亨

    榊原(亨)委員 社会保險におきますところの診療報酬は、厚生大臣が諮問されますところの社会保險診療報酬算定協議会において大体の案が審議され、これを厚生大臣に申しまして、厚生大臣のお考えできめられるということになつておるのでございます。この算定協議会というものは、すでに健康保險法施行令によつて第七十六條の二に、その委員保險者を代表する者、被保險者及び事業主を代表する者、医師または歯科医師を代表する者並びに公益を代表する者につき、厚生大臣がおのおの同数を委嘱するというようなことがあるのでありますが、在來行われておりますところの算定協議会なるものには、國保すなわち國民健康保險代表者がおはいりになつて、そうして相当強い意見を述べておいでになるのでありますが、この点についてはどういうお考えであるかということを承りたいと存ずる次第であります。
  8. 宮崎太一

    宮崎政府委員 社会保險診療報酬算定協議会は、ただいまお話しになりました通り健康保險法に基きまして、法律上は健康保險に関して算定協議会を開くことになつておるわけでございます。ところが実際問題といたしまして、社会保險診療報酬は、健康保險の限りませず、これが船員保險あるいは國民健康保險共済組合診療に対する報酬の基礎にもなります。そういう関係で、健康保險算定協議会を開きますると同時に、國民健康保險算定協議会あるいは船員保險算定協議会共済組合算定協議会というようなものを開くべきが、ほんとうであろうと思うのでありますが、便宜社会保險診療報酬算定協議会といたしまして、健康保險算定協議会の中に國民保險及び船員保險共済組合代表者も入れまして、委員の数を殖やして算定協議会を開いておるわけでございます。健康保險としては五人でありますけれども、そのほかの者を加えて十人の委員といたしまして、それを保險者十人診療担当者十人、それから事業主、被保險者中立等を加え、各同数協議会を開いておるわけでございます。正確に申しますると、榊原さんの仰せになりましたように、健康保險算定協議会だけ開かるべきものであろうかとも思いますけれども診療報酬算定便宜上、関係の人をも入れて数を殖やしてやつておるわけでございます。しかしこの点について榊原さんの言われたような点もございますので、近く各保險法を改正いたしまして、算定協議会については、いま少し法的の根拠を明らかにいたしたい、こういうふうに存じております。
  9. 榊原亨

    榊原(亨)委員 そういたしますると、ただいまのお話では、健康保險法施行令に反することになるのでございまするが、末だかつてこの施行令に合致いたしました算定協議会が開かれておらない。その不法なる算定協議会によつて厚生大臣がその申達案を審査いたしまして、そうして社会保險報酬をきめておいでになるということは、私どもはどうしても納得いかないのであります。殊にこの健康保險法施行令におけるところのおのおのの利益代表同数入れてやるというその趣旨は、おのおの利益主張いたします者が、数の上においてその主張同数であるということを示しておるのにかかわらず、政府において勝手に健康保險法施行令違反した協議会をつくつて、そうしてそれに厚生大臣が諮問するということは、これは非常な重大問題と思うのでありますが、この点について厚生大臣はどなんふうなお考えをもつておいでになるか、あるいはここに集まりました委員手当等につきましてどういう予算をもつておやりになつていらつしやるか。たとえばこの法令に何も規定さけてないものを委員に選んで、その委員にその場合に手当を出すというふうなことが起つておりますれば、これは会計法違反にもなることでありますが、その点はどんなふうなお考え大臣はもつておいでになりますか、承りたいと思います。
  10. 宮崎太一

    宮崎政府委員 ただいま申しました通り算定協議会につきまして違反という意味で申し上げたのではございませんが、健康保險法にそういうことになつておりますが、便宜拡張して社会保險の全般について相談をしておる。もちろんこれは多数決できまるというようなこともございませず、健康保險のみならず、他の社会保險関係者もはいつて相談をしておるのでありまして、私は違反しておるという問題ではないと思うのでございます。なお報酬等については、それぞれ予算の措置を講じておるわけであります。
  11. 榊原亨

    榊原(亨)委員 これは多数決できめる問題ではないというようなお話がございましたが、多数の意見少数意見として厚生大臣申達をしておるのであります。殊にはなはだしいのは、健康保險を代表してきております者が診療報酬算定に当るのでありまして、医師側主張がもつともであるというにもかかわらず、その場合に違反しておりますところの、委員として指定される資格のない者が出てきて、國民健康保險側意見として強力に会を指導する、あるいはその意見を指導するということが事実あるのであります。これは算定協議会における速記録によつても明らかでございまして、政府委員の方で何と言われましようとも、もしも政府によつて勝手氣ままに委員を選ぶことができますれば、何も健康保險法施行令なるものを法律をもつてきめる必要はない、施行令を出す必要はないのであります。それにもかかわらず施行令にきめておる委員のほかの者を選んできて委員に任命し、國家がこれに委員手当を出し、しかもその委員協議会において意見を多数の意見少数意見というふうにして、これを厚生大臣申達することは、これはどうしても違反であると私は思いますが、この点について厚生大臣の御意見を承りたいと私は存じます。
  12. 竹田儀一

    竹田國務大臣 診療報酬算定でありますが、他の保險が各種ありまして、算定を統一いたしますために、便宜算定協議会で今御指摘になつたような点があつたように存じます。厳重に申しますれば、あなたの御指摘のように、少しくどうも間違つてつたのではないかというような氣持がいたすのでありますが、各方面保險に影響いたします関係上、事務当局において便宜そういう取扱いをしたということであります。まことにどうも少し手落ちではなかつたかと思うのでありますが、今政府委員から申し上げたように、このたびこの改正をして、從來そういう手落ちがあつたといたしますれば、手落ちのないように厳重にいたすということでありますから、どうかひとつこの辺で御了承を願えますれば非常に仕合せであります。
  13. 榊原亨

    榊原(亨)委員 今大臣の御懇篤なお話がございましたが、これは誤つているということをお認めになつた以上は、これ以上私は追究したくないのでございますが、今後現われますところの法案の中にも、おのおの各界を代表いたしました利益代表が集まりまして、審議会とか委員会とかいうものをつくつて、厚生問題についていろいろな運営をやる。たとえば今度出ますところの医師法にいたしましても、いろいろそういう点があるのでございまして、勝手氣ままに法令にない委員を選んで、これによつていろいろなものをきめて運営するようなことは、今後絶対にないようにお願いいたしたいと私は存じております。なお在來この社会保險診療報酬算定いたします場合におきまして、医師に課します税金につきましては、特別の考慮を拂つてやるから、社会保險診療報酬医者が要求しておりますものよりも、安くしてやつてくれという御希望がございました。それによつて社会保險診療報酬というものはきめられているのでございますが、その点につきまして、どういうふうな努力を大藏省当局にしておられるのでありますか。殊に最近におきましては、とうてい医師が拂うことができないような事業税をも課そうという案があると私どもは承つているのでございますが、この点につきましても社会保險の本質から申しまして、この際はこれらの税金軽減方について厚生省といたしましても努力していただきたいと存じておりますが、その点についての御所信を承りたいと存ずるのであります。
  14. 宮崎太一

    宮崎政府委員 從來経過につきまして私から申し上げたいと存じますが、御承知のように、全國のお医者さんにお願いをしまして社会保險診療をやつているのでありますが、その医者の生活に大きな影響を及ぼす税金が最近非常に重くなつてまいりまして、診療報酬算定する場合におきましても、大きな問題になつたのであります。先般の中央社会保險診療算定協議会委員会の席上におきましても、この点が大きな問題になりまして、医務局長の東さんと、保險局長である私とがこの点につきましていろいろお話を申し上げたのでありますが、社会保險というものが、最も正確にこの事業の成績を調べ得る関係上、社会保險診療をなしますと、税の方が非常に重くなる、こういう話もございましたので、私大藏省へ参りまして、関係の係官にこの点をよくお話いたしまして、社会保險診療をするが故に、税が格段重くなるというようなことであつては、社会保險診療のために非常に困難な事態を引き起すから、この点については十分考慮を願いたいということを大藏省の方へ話に参つたのであります。  それから最近の事業税につきまして、医務局及び私の方で心配をいたしているのでありますが、この点につきまして中心が医務局の方になつておりますので、私はこれだけお答えを申し上げます。
  15. 榊原亨

    榊原(亨)委員 次にこの社会保險制度についてもう一点お伺いいたしたいことがございます。この社会保險と申しますものは、御承知のごとく、國家保障の精神から申しましても、今後ますます拡充していかなければならないものであり、医事方面においても、これが絶対的な協力をすべきであるということを私どもは信じておるのでございますが、未だ大学専門学校等医学教育機関におきましては、この社会保險に関するところの講座が全然設けられておらないのであります。從つて医学校あるいは大学を卒業いたしました者は全然この社会保險に対しては無知であり、無関心であるというのが現状でありまして、これは國家保障の建前から申しまして、社会保險を最も完全に運営するという点から言つても、どうしてもここに社会保險に対する教育をする必要があるのでありまして、大学あるいは専門学校におきまして、これらの講座を設ける必要があると私は思うのでありますが、この点につきまして文部大臣並びに厚生大臣の御意見を承りたいと存ずる次第であります。
  16. 宮崎太一

    宮崎政府委員 これも從來経過等を私から申上げたいと思います。社会保險についての大学講座の問題は、從來から文部省へ申し入れをいたしておるのでありますが、いろいろな事情から実現がなかつたのであります。先般私文部省の方へ参りまして、大学講座の問題もありますが、それ以外に一般國民社会保險というものをよく普及徹底してもらいたいので、教科書社会保險の問題を書込んでもらいたい。そうして子供のときから健康保險というものはこういうものだということを、一般國民にわかりやすし説明してもらいたいということを、文部省教科書局長等お願いをしてまいつたのでありますが、講座の点につきましては、先般健康保險委員会を開く際におきまして、満場一致ただいま榊原代議士仰せになりました点が可決されまして、文部大臣及び厚生大臣にただいま仰せなつたと同じ文句でこれを建議するということになりまして、先般厚生委員長厚生大臣の所へこの建議をもつてこられたのでありますが、文部大臣の所へもその足で行かれたように存じております。この点についてはまつたく同感でございますので、私どもの方で文部省の方へ重ねてお願いをしたいと存じております。
  17. 竹田儀一

    竹田國務大臣 ただいま政府委員から答弁いたしました通り從來少しくおろそかになつてつたように思います。しかし全然社会保險に関する講座を設けてないわけではありません。その意味における講座を進めておつたように開いております。しかしながら今榊原委員仰せになりましたように、強くやはり文部省へ交渉いたしまして、大いにこれをクローズ・アツプせしめる必要があると存じまするので、御意見通りに私は文部省へ交渉いたしまして、必ず御趣旨通り実現いたしたいと思つております。
  18. 剱木亨弘

    ○剱木政府委員 文部大臣がよんどころない用で出られましたので、一應私から代つてお答え申し上げます。社会保險教育的に取上げてまいりますことの重要なることは、まつたく御趣旨通りだと考えるのでございます。現在におきましては医事法制等において、わずかに講義がされておるという程度でございまして、きわめて大学講座として不完全であると思います。元來大学講座におきまして、社会科学一般に関しまする講座が、非常に欠けておつたという事実は十分認めるのでございまして、この社会保險制度拡充等ともにらみ合わせまして、ぜひ將來これが実現文部省といたしましても十分努力していきたいというふうに考えておるのでございます。
  19. 榊原亨

    榊原(亨)委員 ほかにこの件に関連しまして御質疑はございませんでしようか。  それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時四十一分散会