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1948-07-05 第2回国会 衆議院 決算委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年七月五日(月曜日)     午前十一時二十八分開議  出席委員    委員長 松原 一彦君    理事 冨田  照君 理事 竹谷源太郎君    理事 中曽根康弘君       長尾 達生君    中山 マサ君       樋貝 詮三君    松本 一郎君       宮幡  靖君    片島  港君       河合 義一君    高津 正道君       玉井 祐吉君    櫻内 義雄君       田中 健吉君    木村  榮君  出席國務大臣         逓 信 大 臣 冨吉 榮二君  出席政府委員         逓信政務次官  五坪 茂雄君  委員外出席者         逓 信 次 官 鈴木 恭一君         專門調査員   大久保忠文君         專門調査員   龜卦川 浩君     ————————————— 本日の会議に付した事件  閉会中の審査に関する件  逓信省設置法案内閣提出)(第九六号)  逓信省設置法の施行に伴う法律整理等に関す  る法律案内閣提出)(第九七号)     —————————————
  2. 松原一彦

    松原委員長 これより会議を開きます。  逓信省設置法案を議題といたしまして質問を継続いたします。御質疑の方は御通告を願います。
  3. 樋貝詮三

    樋貝委員 この会期切迫のときにあたりまして、急遽逓信省設置法案審議せよというような御要求でありますならば、私はこれに対して多大の疑問をもつておるものでありまして、実を申せば少々質問もいたしたい考えでおります。  まず第一に逓信省官制全体のことについてお上いをいたしたいと思いますが、今回急に逓信省官制をどうしても今日の間に二院を通過したいというお考えを抱いておるということ自体がどういうことから出発しておるか。それをまずお聽きしたいのであります。もとより官制のようなものは早い方がいいかも存じませんけれども、しかしながらいずれ近いうちに臨時議会が召集されるということも目の前に見えておるし、また各省官制一般に改正されるということもこれまた目の前に見えております。逓信省官制だけがまずもつて改正されなければならないという理由を私どもとしては合理的に発見できない。殊に逓信省設置法によりますところの逓信省というものは、今までもそうでありますけれども各省の中では最も小さいように思う。現業廳であるところの簡易保險郵便年金事業というようなものは、実を言えば本省などにおきましては、これの官制に関する関係においては、別に一局を設けるほどのこともないような性質のものでありますが、從來外局としてあるいは内局として存在しておつた経歴から見まして、局に上げてもよろしいが、しかしながらそういうようなことを引上げてわざわざ省にするというような必要もないように思うくらい逓信省は小さいものでありますから、從來逓信省時代からいたしましても、電氣局がなくなつてしまう、あるいは艦船局がなくなつてしまう、小さい逓信省がさらに二局を今日失つてつて、その残りの小さいもので省とするに足りるかどうかわからぬようなものでありまして、これからの発展を期して省にするのだということがもし言われるならば、それは許されるかもしれませんけれども、そのようなことをいろいろ考え合わせると、逓信省官制をこの際非常に急ぐことはますます不利益な結果を生むようなことになりはしないかと思います。何ゆえにこれを急ぐか。それからまたこれを急いで逓信省を新しい省にいたしましたところで、何が加えられるか。拜見いたしますにほとんど現行通りなものであると思いますが、現行制度で何ゆえに一月か二月の問が待てないかということを、まずお伺いいたしたいと思います。
  4. 五坪茂雄

    ○五坪政府委員 ただいまの御質問はいかにもごもつともにようにも考えられますけれども、しかしながら新憲法が公布されまして強力な文化國家建設しようというときに、各常行政機構が新しく改善せられなければならない、また改善せられつつある今日、逓信省におきましてもずいぶん前から現業廳である状態に鑑みまして、最も國民の便益をはかり、文化國家に貢献するために、どういう組織をもつて進んでいけば能率的にうまくいくかということを考えてまいりましたので、そうした関係文化國家建設に一日も早く効果をあげるために、この逓信省設置法研究してまいりました。何とかして今議会にこれが通過できるようにと思つて念願をいたしてきておつたのであります。また逓信省は省そのものが少さいじやないかというお話もありますが、これは見ようによるのでありまして、私ども郵便電信電話簡易保險郵便貯金、振替といつたような國家機構から考えまして、最も民衆に深い関係をもつたおる逓信省業務は、決して小さい範囲の狭いものではないと考えております。今かりに、この逓信省業務をお説のごとく小さいものと考えますときに、國家各般にわたつて非常に大きな障害を來すのではないかと考えられますので、私どもは決してそういうふうな小さいものとは考えておりません。ますますこれを拂充して、文化國家に寄與しなければならぬと考えておる次第であります。從つてこの逓信省設置法はできるなら何とかして本議会に御審議願つて御決議をお願いするようなことにならないものかとお願いする次第であります。
  5. 松原一彦

    松原委員長 この際委員諸君に申し上げます。逓信省設置法案政府側の切実なる要求もありまして、本國会のうちに処理を終りたいということであります。委員長もこれを了といたしまして、先日來熱心に交渉を続け、皆様にも予備的審査願つておりますが、すでに本日は本会議も追つて開かるることと思いますので、本会議が開かれるまでの間に、どうか愼重にかつ敏速に会議をお進めくださいまして、結論を得ますかどうかのお見込みを御表明願いたいと思います。もしその場合にどうしても結論に到達しないというようなお見込みならば、その後に対する処理等も併せて伺いたいと思います。そういう意味を含めまして御発言を願いたいと思います。
  6. 樋貝詮三

    樋貝委員 ただいまの御答弁にありましたように重要性をもつてあるから、また小さくないというお話でありますが、重要性をもつておることと本省を大きくするかどうかということは別問題であります。大部分現業廳でやればいいところの仕事であります。郵便にいたしましても、簡易保險にいたしましても、電信電話等にいたしましても、現業廳の改良が通信発達の上に、あるいは貯金制度の上に貢献することは私は認めております。しかしそれがただちに本省を大きくする理由にはどうもなりかねるように考えておりますので、それらについては多分に疑問をもつております。技術方面を大いに発達させる、殊に通信とか交通とかいうようなものの発達は、やがて國境にも影響するような重要なものであると思います。そういう方面発達こそ望ましいことである。通信事業は決して補助産業ではなくて産業基礎であるということは疑いなく信じております。しかしながらそのことを逓信省設置法案を急いで審議を進めるということは、今日の情勢においては必ずしも一致しないような事情にあると思います。それでそれだけの理由でわずか一日すなわち今期議会は前後九箇月にわたつておりますが、そのうち四月からにいたしましても四箇月も間があるにもかかわらず、今日のさし追つたときにおいて、一分の審議も盡さずに急遽この逓信省設置法を通すようにという御要求は少々無理じやないか。もしこれを次の議会まで待てないとすれば継続的に委員会でも開きまして審議をするというような方法でも委員長の方でおとりになつて進めるべきであつて、これを一日か半日の匆々の間に通してしまおうということはどうしても無理ではないかと考えております。
  7. 松原一彦

    松原委員長 ちよつと樋貝委員の御発言中でございますが、御相談申し上げます。実は本日の本会議の日程第三に、國家行政組織法案参議院から送付されてまいつております。これはお聽きの通り参議院修正を加えまして、総務長官の條を一條削りとる、そうして次官をば政務次官でない事務次官にするような案に直してまいつておるほか、数箇所に衆議院で決議しました案とは違つたものを書いてまいつております。これを今朝から私はそれぞれ各党運営委員諸君とも御相談申しておりますが、どうでしようか。皆樣方の各党ではどういうお取扱いになつておるかを一應伺いたいと思うのでございます。
  8. 田中健吉

    田中(健)委員 参議院修正案には一應論議しなければならぬ点もないではありませんが、時間もありませんので、大体一應見て参議院修正に同調しようというのが社会革新党意見であります。
  9. 松原一彦

    松原委員長 本会議が始まりましたから午後一時まで休憩いたします。     午前十一時四十一分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後二時九分開議
  10. 松原一彦

    松原委員長 これより会議を開きます。  午前中に引続きまして質問を継続いたしますが、その前に委員長から政府当局に対して、本設置法案審議に関し資料要求をいたしたいと思います。  第一は、特に取急ぎ本法を制定するに要する理由、第二は、本法現行官制と異なる主要の点、並びにこれにより期待さるるおもなる効果、第三、昭和十年度における官制並びに既往五箇年間における官制改正の沿革並びに主要改正理由、第一、昭和十年度及び既往五箇年間における定員並びに人件費予算額本省地方機関別並びに官職別に、第五、昭和十年度及び既往五箇年間における主要業務の消長、第六、昭和十年度及び既往五箇年間における事業收支の概況、第七、現在定員並びに実人員及び人件費予算等、第八新法において予想さるる定員並びに人件費予算額本省地方機関別並びに官職別等)かような資料委員長から御要求いたしたいと思います。なお委員諸君からも御要求のあることと思いますから、それは委員諸君からお述べを願いとうございます。
  11. 木村榮

    木村(榮)委員 私も資料要求をいたしたいと思います。それはこの法律案について政府説明によれば、大体今まであつた七十億円の赤字を克服して、独立採算制がとれるようなりつぱな機構に改組するというのでございますから、少くともそれを御採用にあたつては大体の予算概既ができて、こういう計算になつて七十億円の今までの赤字が克服されて、そうして完全な独立採算制がとれるというような基礎資料というものが、少くともこの法律案に添えて提出なされるのが妥当であると思いますから、そういつた資料も併せて御提出願いたいと思います。ただこの法律をこしらえたから赤字が克服できるのだという抽象論では、われわれは納得がいかぬのでありますから、そういつた具体的な計数の基礎的なものをいろいろ分類させて、これとともに提出されることが、本法審議する上において、最も重要なことだと思いますからその資料を御提出願います。
  12. 松原一彦

    松原委員長 質疑を継続いたします。木村君。
  13. 木村榮

    木村(榮)委員 大体この法案の各章にわたつて、相当厖大なものでありますから以下各條項を追つてやりたいと思います。  最初にこの法律の制定されます基礎はむろん國家行政措置法がこのたび制定になるわけでございますから、そのためにこうしたものが生れなければならないことも一つの目的だろうと思います。それと同時にここにも幾分は書いてございますが、この逓信省能率的に運営するということが最も大事である。そのためには大体職能組織基本点と申しましようか、職能的な組織の点と、合理化能率増進というようなことの基礎になる條件、その二つのものを基礎にいたしまして、民主的に運営するということが新しい憲法下における行政組織の最も重要な問題だと思う。特に現業官廳となつておりますところの逓信省においては、そういつたことは最も必要だと思います。そういつた三つ條項に基いてつくられたものとするならば、基礎的なねらい、基礎的な線を明確に出すところの各條項というものが、この法律案に盛られるのがあたりまえだと思います。そういう点はこの法律案のどの部分からどの部分でこういつたことを基礎づけておるかということについて、総括的に御説明を願いたいと思います。
  14. 冨吉榮二

    冨吉國務大臣 政府委員から答弁させます。
  15. 鈴木恭一

    鈴木説明員 ただいまの御質問にお答えいたしますが、お手許に逓信省設置法案参考資料もございますので、お目通しを願いたいと思うのでございます。この法案をつくりました理由等につきまして、若干大臣提案理由説明に補足したいと存じます。御承知のように逓信省は現在從業員が四十三万五千、これは資本勘定と損益の勘定を合わせまして、その程度厖大事業を営んでおるのでございます。しかもその組織総務局郵務局電務局工務局電波局貯金保險資材営繕航空八局二部一研究所電氣試驗所をもつておるのでございまするが、この仕事はどれもこれも監督行政といたしまして、電波航空を除きましては、國営事業として営んでおる一つ企業であるのでございます。しかしながら現在の機構は、御承知のように、一般行政官廳組織によりましてつくられておりますので、これを企業的に運営するのにもどういうようにしたならばよろしいかということが、まず第一に組織能率化という点について、問題が起つてくるのでございます。これは申し上げるまでもなく、電氣通信郵便、ひとしく通信と申しまするが、その内容経営方法におきましても、きわめて特異なものであるのでございます。郵便はポストに入れられますものを引受けまして、それを逓送路線を通じ、あるいは集配路線を通じて各戸に配達されるものであります。電氣通信におきましては、御承知のように、電話のごどきは一つの施設を提供いたしまして、それによつて加入者が相互に通話できるような組織でございます。しかも電氣通信はその事業の性格から申しまして、きわめて高度の機械を要するのでございます。ひとしく通信といいましても、電氣通信郵便とはきわめてその企業形態を異にいたしております。なお貯金保險に至りましては、御承知のように、非常な厖大貯蓄事業、しかもそれは一面におきましては銀行の仕事、他面におきましては保險仕事でございまして、これまた通信事業と異なつておりますることはもちろん、その貯金保險仕事経営の面に相当の方針なり、あるいは経営の形というものが変つてくるべき性質をもつておると思うのでございます。これらのものを一丸として企業企業として経営いたしております。そのほかに電波監督あるいは航空保安仕事というものをもつておるのが、逓信省の姿でございます。これを渾然一体とした一つの形において、通信事業特別会計というものができ上つておるのが現在の制度でございます。そこでわれわれといたしましては、この仕事をいかに能率的に合理的に運営するかということが問題になるのでございます。昨年の議会におきまして、御審議をいただきました通信事業特別会計制度全面的改正も、やはりこの線に沿つて改正されたものでございます。ところでその特別会計制度の上にありまする組織というものを、実は昨年より研究を進めてまいりまして、今日ここに成案を得たのでございまするが、その骨子といたしますることは、一つ事業——電氣通信電氣通信としての人事の面におきましても、その専門的な技術を要する点から見まして、二つ形態をそこで考える。郵便郵便としての一つの形を考えてまいる。貯金保險も同樣その線において、合理的な経営の仕方を考えていくというので、今まで仕事といたしまして並立いたしておりましたものを、その事業別仕事をわけまして、これを末端に至るまで一つ企業としての線をそこへつくつてまいるというのが骨子でございます。從つて現在、通信局という一つ地方部局をもつておるのでございますか、これは本省と同じような意味において、地方逓信局一つあるのでございますが、これを大きくわけまして、電氣通信郵便貯金保險を営む二つ官廳といたしまして、その仕事が中央から地方末端に至るまで垂直に仕事が取運ぶような仕組を考えたようなわけでございます。これが大体の骨子でございまして、從つて人事の面におきましても、経営のしかたの面におきましても、その事業に最も適した人が、最も適した方法によつて末端まで仕事が迅速に取運ぶというのが趣旨でございます。もつともこれに対しまして、この二つ仕事を截然区別することによりまして、仕事能率と申しまするか、仕事経営自体に対しまして不経済な点もあるのでありまして、そこであるいは経理の面におきまして、あるいは資材の面におきまして、職員の面におきまして、営繕の面面におきまして、これらを一つ事務総局といたしまして、郵政、あるいは電政におきまして、仕事の差支えのない程度におきまして、そのサービスの仕事をなす部局をつくりまして、本省事務総局と、電氣通信総局と、郵政総局と三大別いたしまして、電波廳大臣直属の外局といたしまして、從來ややともいたしますれば、監督行政事業行政が混然いたしておりましたものをはつきりわけまして、事業経営というものはどこまでも一つ監督行政のもとにおいて完全な運営をいたし、一般民間事業との関係をはつきりいたしたのでございます。なお從來電氣試験所と申しまして、一つ試験研究機関逓信省官制とは独立した一つ機関であつたのでありまするが、研究機関がややともすると事業から離れまして、その研究の結果が実際に反映するということにやや疎いような形になつておりましたものを、電氣通信総局の中に一つ研究機関を置きまして、電氣通信研究所を包含させておるのでございます。大体の概要はそういうことでありますので、御了承をいただきたいと思います。
  16. 木村榮

    木村(榮)委員 大体私からお聽きしたいと思うこととは、相当御答弁が狂つておりますけれども、私の言い方も惡かつたと思いますので、その問題はまたの機会に讓つて詳細にお聽きしたいと思うのでありますが、今まで御説明になつたことを簡單に要約いたしますと、今までの機構では逓信省運営上不十分であつたから、今度は機構大改革する。簡單に言えば、こういうことになると思うのであります。そこで問題になりますのは、何十年という長年にわたつて日本逓信省はいろいろの活動をやつてきました。國家のいろいろな面においてずいぶん貢献をし、日本文明文化発展のために、非常に大きく役立つたということは認めなければならない。そこで今回大改革をやらなければならないということになれば、相当大きな改革になり、この大改革をやるにあたつてこの決算委員会にこの法案がかかつているわけでありますが、逓信省においてさえも大改革は、今の御説明では相当長時間にわたつて研究をしてやつた。しかしそれはお互いに角度が違いますが、われわれは逓信関係の專門家ではございませんが、また國のいろいろな行政機構運営していくという面には相当研究しておるわけだと思うのであります。その委員会へもつてきて、やぶから棒みたいに一日や二日や半日でこれを早く審議してあげろといつたような話ははなはだもつて合点がいかない。もつ簡單法律でもわれわれは一箇月間も討論をいたしまして、皆さんが納得できるようにしてやつておりますが、この法案だけを突如としてお出しになつて、また突如としてやれと言うに至つてはどうも了解に苦しむのでありますが、それだけの厖大なものをなぜこの会期切迫した、今日やらなければいかぬかというその理由を御説明願いたいと思います。
  17. 冨吉榮二

    冨吉逓信大臣 ただいまのお尋ねは多少誤解があると思うのです。これは決して突如として出したものでもなければ、突如として御審議願つておるものでもございません。これは御案内のごとく、五月の初めに提案いたしたのでございますが、委員会の御都合で御審議が今日まで遅れておるのでありますので、御了承を願います。
  18. 松原一彦

    松原委員長 その点につきましては、委員長からもお断わりいたしますが、これは基本法である國家行政組織法が成立しなければ、審議をしてもそれと矛盾する点がたくさんありますので、それを待つて愼重審議するために委員会は今日まで遅らしておりましたので、多分全部御撤回になると思つてつた、ところがこの法案だけが御撤回にならなかつたのであります。そういういきさつがあることをば委員諸君も御了察願つておきます。
  19. 木村榮

    木村(榮)委員 その点は誤解があつて、そのとき委員長の話では各省設置法案は全部撤回になるという話を承つたので、当然そのときは逓信省設置法案は、各省設置法案が全部という話がございましたから、撤回になつたものだと私は思つてつた從つて一昨日説明を承つたから突如として出たのだと理解をいたしたわけなんであります。
  20. 河合義一

    河合委員 実は私が申すまでもなく新國会國権最高機関でありまして、ただ形が整つたばかりでなく、この内容におきまして、名実とも最高機関でありたいということは、私どもが念願しておるところであります。それでありますから一つ法案提案されましても、私は一生懸命それを檢討し審議する態度をもつております。それでこの前にも委員長にも申し上げました通り常任委員二つ三つ委員をもつておることはいけない、一つ委員で十分である、まだ足りないくらいだ。私はすでに実行しておりますが、この決算委員一つにしておいて、そうして今までは毎日々々うちを八時に出て夜八時より早く帰つたことはないのであります。それほどまでやつておる、私はこの法案提案されましてから決して自分の怠惰でこの内容を檢討しなかつたわけではない、他の委員もそうであろうと思う。今木村君は一旦各省建設法案が提出されまして、これが撤回された、やはり逓信省もその一つとして撤回されたものと思つてつたということでありますが、私はよく知つていた。しかしこれに手をつけるいとまがなかつた。そこで私はお伺いしたいのですが、こういう人員四十三万五千人も擁している一大省におきまして、こういう大改革を決行されるということに氣がつかれたのはいつからでありますか。相当この提案をされるためには時間と努力をされたと思うが、それに対して決算委員がそれを審議するのに、わずか一日や二日でそれができるはずがないのであります。そこで私は木村氏の発言に関連してこのことをお尋ねしたいのでありますが、御答弁あとからでもよろしい、また諸外國の例を参考とされてこういうことをやられたか、そしてこの改革をなさるについては、各階層に働いておる人たち意見を徴してともどもに御研究になつたものであるか、その三つをついでにお尋ねしておきたいと思います。
  21. 松原一彦

    松原委員長 答弁を保留しまして、田中君……。
  22. 田中健吉

    田中(健)委員 不当財産委員会昭和電工の関係東京檢察局へ至急行かなければなりませんので、質問を保留いたしてちよつと行つてまいりますから、後刻もし継続されるならば必ず質問いたします。よろしくお願いいたします。
  23. 松原一彦

    松原委員長 承知いたしました。
  24. 冨吉榮二

    冨吉國務大臣 今の河井さんのお尋ねでございますが、先般のいきさつについては次官から御説明申し上げます。決して國会審議権に対して政府がこれを云々しているのではございません。きようあす中にぜひ審議して出してもらいたいということを私は申しておるのではございませんから、その点誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
  25. 河合義一

    河合委員 大臣のただいまのお言葉でありますが、木村委員発言に対して、それはよほど以前から提案してあるのではないか。その間になぜ内容を檢討しなかつたのであるかというようなおとがめの意味が含まれたように拜聽したので、私は十分なる努力をいたしましても、あとからあとから出てまいつたので、それに手をつけることができなかつたのです。その点をお尋ねしたのです。
  26. 冨吉榮二

    冨吉國務大臣 それはたいへんな誤解でございまして、速記録をお調べくださればわかると思いますが、とんでもない間違いだと私は思うのです。というのは、なぜこんな法案を突如として提案したか、そして短期間にやれと言つてもやれるか、こう仰せられたから、これは突如として出したのではございません。五月の初めに出したのでございまして、何か委員会の御都合で御審議が遅れたと思いますと、こう私は申し上げているのであつて、なにも委員会がサボタージユをしたとか、あるいはまたどうとかいうことについての批判がましいことを決して申した覚えはございません。この点どうか誤解のないように願います。
  27. 河合義一

    河合委員 よく了承いたしました。その問題はそれで結構であります。こういう四十何万という人を擁している一大省改革を断行しますにあたつては、きわめて愼重審議したいと思うのであります。私の考えではとうてい本日あるいは明日の二日ではそういうことはできないと感じておりますから、そのことを一言申し述べておきます。
  28. 松原一彦

    松原委員長 速記をやめて。     〔速記中止〕
  29. 松原一彦

    松原委員長 速記を始めて。
  30. 冨田照

    ○冨田委員 本法案御提出にあたりましての御苦心のほどはよくわかつたのでありますが、われわれとしては何ぞ今日來る日の遅かりしという感がするのでありまして、それだけの決意をもつておられるならば、その御提案になりました五月当時、この席上におきまして、これだけの御熱弁を振われましたならば、われわれ委員も欣然としてこの審議が進められたであろうということを今さら残念に思います。しかし私ども國家行政組織法を檢討いたしまして、これを満場一致をもつて衆議院の本会議において異議なく決議いたしまして、参議院に送られました。ところがその参議院修正が今帰つてきております。そういたしますと、逓信省設置法なるものの、よつて立つ基盤とも言うべき國家行政組織法が決定されておらないのに、この逓信省設置法を論議いたしましても、そこにどうしても割切れない最後の一線が残りますので、この意味においてこれ以上論議いたしますことはむだではございませんけれども、非常に能率的でありません。そこで私は大臣の言うことも十分認めるけれども、しかしまた今お話を承つておりますと、総司令部がわが政府に向つて提案され、特に日本の逓信行政を指導いたしまして、得たであろうところの結論、それは今大臣から拜聽しただけでありますけれども、私どもは大いに教えられるところがたくさんございます。その意味において、ますますこの逓信省設置法案につきましては、熱心にしてかつ細密な檢討を加える必要がある。そうしてあなたが望んでおられるような、いわゆるサービス省としての逓信省、そうして能率的な逓信省、民主的な逓信省を新しくつくり上げる。四十三万五千の從業員諸君も進んでこの仕事をやろうというほんとうに民主的な美しい逓信省建設するためには、どうしても根本的に愼重審議を進めてまいりたい。これが私ども議員としての義務であります。そこで私は一つの動議を提出いたしたいと思います。もし皆様方の御賛成を得ますならば、本日小委員会を設けまして、閉会後におきましても継続してこの逓信省設置法をまじめに研究し、そうして來るべき議会においては万全の措置を講じて、一日も早くこの逓信省設置法が他の省に率先して生れ出るように努力していきたいと思います。その小委員会の氏名、数などは委員長に御一任してよいと思います。
  31. 冨吉榮二

    冨吉國務大臣 はなはだ御同情、御理解ある御意見を拜聽いたしまして、まことに感激にたえません。大体法案を提出いたします当局といたしましては、一日も早くこれが通過を望まない者はおそらくございますまい。これが建前でございますけれども、なんぼ私どもが非常識でありましても、今日一日でこれを審議して御決定を願いたいというようなことを決して申し上げているわけではございません。実は今日遅かりしという説はまことに私も同感でございまして、実は私、この機会を與えられることを千秋の思いをして待つてつたのでございます。しかるに委員会の方の御都合が先ほど來お述べの通りで、行政組織法の方が決定しないというので、こちらの方にお手をつけるおひまがなかつたということは、私どもも十分了承いたしまして一日も早く私の提案理由なり、この苦心のことだけはせめてお聽きを願いたいという念願をいたして今日に至つたのでございます。しかしながらこれは近き將來においていろいろとまた御審議を願わなければならぬ機会もございますので、その御参考ともなるならばという意味で、実は懇談の形式でそのいきさつを御報告申し上げた次第でございますから、何ら逓信当局において議会審議権に対して制約をする、あるいはまたこれを火事泥的に何とか滑り込みをやるといつたような意図のもとに組立てなかつたことだけは名委員長のもと、御了承願いたいと思います。
  32. 松原一彦

    松原委員長 ただいま冨田さんからお出しになりました動議に対して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 松原一彦

    松原委員長 それでは冨田君の動議の通りに本審査國家行政組織法案の精神に即して十二分に愼重審議し、提案の御趣旨に反かないように万全を期したいと思います。よつて委員長はここに七名の小委員を指名いたします。冨田照君。樋貝詮三君。高津正道君。戸叶里子君。櫻内義雄君。中曽根康弘君。田中健吉君。以上七名の方を小委員に御指名いたします。どうぞお引受願いとうございます。比較的近距離の方にお集り願うようにいたした次第でございます。  なお閉会中の継続審査の件についてお諮りいたします。御承知通り決算委員会はその所管事項に行政機構に関するものが付記いたされ、決算予備費とともに審議いたしたのでありますが、國家行政組織法案、経済査察廳法案等の審議修正に意外の日時を要したのと、全面的行政機構改革に伴う各省設置法案が六月以降前後して提出付託されたのにより、連日にわたつて愼重審議いたしたにかかわらず、決算を初め二つ法律案はこれを審議決定をいたしかねることになつたのでございます。ただいままで扱いました法案は、法律案十六件、うち修正四件で可決いたしております。衆議院議員提出法律案一件、これも可決になつております。承認案二件、承諾案四件、請願六件を採択いたしました。二つ法律案審議未了になりましたことはまことに万やむを得ない事情と考えますが、以上両案についてはそれぞれ休会中といえども審議いたすことにいたしまして、閉会中に愼重なる審議のために、この際継続審査の件について申請いたしたいと思います。これについて皆様御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 松原一彦

    松原委員長 御異議ないと認めます。それでは委員長においてその手続きをとります。
  35. 河合義一

    河合委員 先ほど私がお尋ねいたしましたこの改革については、いつごろから御研究をお始めになりましたか。外國の例でも参考にされたかということはただいま逓信大臣お話でよくわかりました。  もう一つ各階層といつていいか、各グレードの人員意見を徴されたか。その点だけまだよくわかりませんのでお尋ねいたします。
  36. 鈴木恭一

    鈴木説明員 河合さんの御質問にお答えいたします。この法案をいろいろ調査研究いたしましたのは、約一年半程度前でございます。その間の事情はただいま大臣からお述べになりましたのでありますが、その間いろいろ調査研究をいたしておりまして、実は機構の形ができ上りましたのは、きわめて最近のことに属しているのでございます。私ども研究をいたしておりました際におきましても、組合の方からいろいろの御意見が出てまいつております。昨年の要求事項の中にも電氣通信の民主的一現化といつたような條項が出ておりまして、この問題を中心といたしましていろいろ組合の方とも折衝をいたし、同時にこの機構の問題の方面にも参酌いたしまして研究を進めていつたのでございますが、結論的にこの問題について組合と話をいたしましたのは最近のことに属します。ようやくその形ができ上りまして、私どもとしてはこういうふうな結論に到達したというふうな意味を本年の四月ごろ組合の方とも話をしております。その後だんだんこの案が固まつてまいります道程におきまして私どもとしては十分組合從來員の認識を深めてもらうという意味におきましてその都度連絡はとつてまいつたのでございますが、働く人の各階層と個々にわたつてこれを討議したというふうなことは別にございません。
  37. 木村榮

    木村(榮)委員 ちよつと委員長並びに小委員の方のお願いしたいと思います。それは休会中の小委員の方がいろいろ御奔走くださることだろうと思いますので、小委員の方でいろいろデーターなんか手にはいつたものは各委員の方へ何かの原稿でもあれば輸送願つて、できるだけやつていただくこと、それから各方面のいろいろの御調査や御研究がいろいろあると思います。そういつたものを基礎にいたしまして、次の國会の早々において出かけてきてまだ何ももらつておらぬというのは非常に困るから、そういつた連絡もしていただく、また全逓のその方面のスタツフなんかきていただいて公聽会を開くといつた準備も特にしていただきたいと思います。
  38. 松原一彦

    松原委員長 承知いたしました。どうか皆様連絡のとれますように、閉会中の御住所を專門調査員の方までお知らせおきを願います。なおこの次には通信委員の方との連合審査会を開き公聽会も開きたいと思います。
  39. 片島港

    ○片島委員 ひとつ資料をお願いいたしておきたいと思うのであります。次に議会まででありますと、相当の期間もありますので、十分にでき得るかと思いますが、現在の本省逓信局別の定員の配置及び新機構によつて、どういうふうにこれらの現在の配置人員が配置替えをせられるかといつたようなものを、ひとつ資料としてお願い申し上げておきます。それから大臣に一言お尋ねしておきたいのですが、この法案提出のいきさつから考えまして、もうどうにもある程度までしかいたし方がないのだというふうに私たち受け取つたのでありますが、しかしながら一たび法案を提出されるからには、十分の自信と、これによつてつていけるという確信をもつて出されておるものと考えるのであります。次に提出せられますときも、やはりこれとまつたく同じような形で出されるのか、あるいはまた今度の閉会中においてさらに構想を変えて適当な改正といいますか、手を入れるというようなことを考えられる考えでありますか、この点を一言承つておきたいと思います。
  40. 冨吉榮二

    冨吉國務大臣 それは大体御決定になりますところの行政組織法との関連においては、若干変るかもしれませんが、私どもの方から特にこの構想をかえるというような考えは現在のところもつておりません。
  41. 松原一彦

    松原委員長 委員長からも希望を申し上げておきますが、実は國家行政組織法一般普通行政の組織の基準をきめたものでございまして、現業官廳である方面については、なお別個に考慮すべき要があるということを、委員会でもたびたび意見が発表せられているのであります。これにつきましては名目に拘泥せず、來る新しい議会に御提案の際までには、なお十二分に御檢討の上に、絶対必要な機構現業廳の上においてお考えの上に御提出を願いたい。このままでは國家行政組織法とはよほど大きな食違いがあつて審議ができかねているものがあるのであります。以上御了承願つておきます。  御挨拶を申し上げます。委員長は途中から代りました。さきには竹山委員長が長くその任を帶びてまいつてつたのでありますが、私はなはだ不慣れなものでございまして、皆様の御期待に背いて、よい委員会運営もできなかつたことをおわび申し上げます。長い間精根を盡して御精勤をいただきましたが、閉会中にはどうぞ十二分に御休養の上に、多分近くお目にかかる機会があるかと思いますので、どうぞこの次おいでの上は、冨田委員から痛切な御要求もありましたように、他の委員会以上にりつぱな成績をあげて、模範的な運営のできまするように、私も努めますが、皆様にも御精励をお願い申し上げたいと思います。  これにて決算委員会を散会いたします。     午後三時五分散会