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1948-06-23 第2回国会 衆議院 決算委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十三日(水曜日)     午前十時二十五分開議  出席委員    委員長 松原 一彦君    理事 冨田  照君 理事 竹谷源太郎君    理事 中曽根康弘君       大上  司君    樋貝 詮三君       松本 一郎君    河合 義一君       高津 正道君    辻井民之助君       戸叶 里子君    田中源三郎君       矢野 政男君    田中 健吉君       木村  榮君  出席國務大臣         國 務 大 臣 野溝  勝君  出席政府委員         新聞出版用紙割         当事務局長   成田勝四郎君         臨時人事委員長 淺井  清君  委員外出席者         専門調査員   大久保忠文君     ————————————— 六月二十二日  行政官廳法等の一部を改正する法律内閣提  出)(第一七一号)  昭和二十一年度國有財産増減計算書  昭和二十二年三月三十一日現在國有財産現在額  総計算書審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件、  新聞出版用紙割当事務廳設置法案内閣提出)  (第一三五号)  國家公務員法第十三條第二項及び地方自治法第  百五十六條第四項の規定に基き、臨時人事委員  会の地方事務所設置に関し承認を求めるの  件(内閣提出承認第五号)     —————————————
  2. 松原一彦

    松原委員長 これより会議を開きます。  本日は新聞出版用紙割当事務廳設置法案内閣提出、第百三十五号を議題とし、政府説明を伺います。成田勝四郎君。
  3. 成田勝四郎

    成田政府委員 野溝國務大臣が今に見えて本法案提出根本理由について御説明申し上げたいと思いますが、その間に私から事務廳設置法の各條につきまして、現在の制度との比較、それから各條の内容についてのやや詳細な御説明を申し上げたいと思います。  ここにお手もとに差し上げました新聞出版用紙割当事務廳設置法、これと用紙割当規程、この二つについて比較して申し上げます。設置法の第一條、これはこの法律を設けて、割当事務廳というものを設置する必要を書いてあるのでございまして、やや特殊な規定でございますが、これは関務方面との関係によつてこういう書き方をいたしたのであります。「用紙供給不足している國家経済の現然にかんがみ、新聞出版部門供給受げ得る限度の用紙を、適正に割当てるための機関が必要なので、この法律により、内閣総理大臣管理の下に、臨時に、新聞出版用紙割当事務廳(以下事務廳という。)を置く。」要するにこの割当事務廳というものが臨時に緊急の必要があつてできたものである、第一條はそういう趣旨でございます。  第二條に、用紙割当と申しますものは、いろいろ思想的に及ぶところの非常に多い問題でありますので、用紙割当ということを惡用して言論の自由を害したり、あるいは特定思想への誘導というようなことがあるといけませんので、こういう規定を設けたのでありまして、「何人も如何なる方法によるを問はず、用紙割当に関し圧迫を加え、又はこれを利用して言論の自由を害し、若しくは特定思想への從属を強制してはならない。」「何人も」、と書きましたのは、政府側もそういうことをやつてはいけませんし、また委員会側も、業者團体が結托して何か特定思想だけ引立てるとか、あるいは抑えるというようなことをやつてはいけない。あるいはまた第三者たる各種團体あるいは民間人用紙割当委員会に圧力を加えて、その事業をわきへ曲げるというなうなことがあつてはいけないので、こういう規定を設けたのでありまして、これも現在の割当規程にその趣旨のことは書いてあります。  第三條は、割判事務廳所掌事務権限のことを書いてあります。「事務廳所掌事務範囲は左の通りとし、その権限の行使は、その範囲内で法律法律に基て命令を含む。)に從つてなされなければならない。」「一 新聞出版用紙割当申請書を受理し、審査の上、新聞出版用紙割当審議会(以下本條中審議会という。)に附議すべき割当原案を作成すること。」これは現在の割当規程にもこれと同様な文句がございます。「二 審議会議決に基き、需要者割当証明書を発行し、及び必要に應じこれを取消すこと。」一に書いてありますように、割当原案をつくりまして、それを審議会にかけるのであります。それから二では、その審議会割当決定をいたしますから、その審議会議決に基いて需要者割当証明書、いわゆる紙を入手するための切符でありますが、これを事務廳が発行する、必要に應じこれを取消すというのは、必要のないような文句でありますけれども、発行する以上は、また不正行為等があつた場合に、これを取消す場合もありますので、そのことを書いたわけであります。二はこれは現在通りであります。取消すということを特に書きましたのは新しい点であります。三は現在通りであります。四も現行と変りはございません。五、六、七、これも現行制度通りであります。第二項、内閣総理大臣は、他の國務大臣にその権限を委任する云々もこれも現行通りであります。  第四條は「事務廳の長は、事務廳長官とする。」これは局が廳に変りました結果の当然の規定でありまして、從つて現在の局という官制にはこれはございませんが、新しい規定であります。  第五條「事務廳に、新聞出版用紙割当審議会を置く。」これは現在の委員会行政組織法構想に從いまして、審議会という名前になりまして、割当事務廳におかれるという点だけ異なつておるところであります。第二項の重要事項について審議すること、あるいはまた第六條の審議会議決事項また事務廳は「その議決從つて、これを決定しなければならない。」云々の点も現在通りであります。  第七條審議会機構、これも現在と同様であります。  第八條委員選定方法、これが現在と多少変つておるところでありまして、現在の規定でまいりますと、委員選定の場合には委員会議長候補者を立てる、そして部会が選挙するということになつておりまして、政府は何ら発言権がないのであります。この案によりますと、委員選定の場合に審議会議長候補者選定することは同様でありますけれども、その候補者が不適当と認められる正当な理由がある場合におきましては、事務廳長官がその撤回を要求することができる、いわゆる拒否権があるという規定が設けられてあります。この点だけが現在の制度と異なつております。  第九條は、審議会細目について政令をもつて定めることができるという規定であります。これも現行通りであります。  第十條は、割当に関する方針基準等原則を定めておるのであります。これも大体今までやつておりましたことを成文化いたしましただけでありましてこれと同様趣旨委員会方針というものは、各種声明等におきまして明らかにされておるところであります。  附則の第三項に「用紙割当を継続する必要の有無及び割当制度可否に関して國会に再審議の機会を與える為に政府はこの法律を無修正で継続させることにつき、毎通常國会確認を求める手続をとらなければならない。」これが新しい規定でありまして、要するに事務廳設置臨時のものでありますために、毎通常國会ごと事務廳をこのまま続けていいかどうか、今の制度が改正の必要があるかどうかということを毎國会議決により確認を求めるということにいたしたわけであります。國会におきましてこのまま続けてよろしいという議決がありました場合には、この法律はそのまま続くのであります。國会修正を要するとかあるいは廃止を可とするというような議決をなさいましたときには、政府はそれぞれそのような処置をとらなければならない。こういう規定になつております。大体以上が現行制度との相違点でございます。
  4. 松原一彦

  5. 野溝勝

    野溝國務大臣 御指名によりまして新聞出版用紙割当事務廳設置法案提案理由説明いたします。  今回國家行政組織法制定されることとなつたにつきまして、從來新聞出版用紙割当事務局及び新聞及出版用紙割当委員会に関する規定行政組織法の定むるところに從つて改正することが必要となりましたので、本法を立案致した次第であります。しかるに諸般の関係から國家行政組織法実施期日は六箇月先へ延びたのでありますが、用紙割当事務廳法の方は急速実施を必要と致す事情がありますので、ここに提案いたす次第であります。すなわち用紙供給が極度に不足しておる現状において、用紙割当機構を整備することが急務であります。從來用紙割当事務局については官制がありますが、用紙割当委員会につきましては何ら法律命令等根拠がなかつたのでありまして、運営上種々の不便がありましたので、これが法制化の必要をかねがね痛感いたしまして研究を進めておつたのでありますが、たまたま行政組織法制定企てに伴い、これが急速実現をはかるに至つた次第であります。從いまして行政組織法実施期とは別に割当事務廳法を実施いたしたいと存ずる次第であります。  本法趣旨といたしますところは、割当委員会自主的決定権をもたせる從來制度はそのまま取入れますると同時に、割当業務責任政府に存することに鑑みまして、政府審議会との関係を判然とせしめ、政府責任をとるべき根拠を明確にいたしたという点にあるのでありまして、右以外に本法制定に際して政府権限を拡張し、あるいは審議会権限を制限した点はないのであります。たとえば事務廳という名前がいかにも新しく大きな役所をつくるかのごとき印象を與えておるようでありますが、これは國家行政組織法によりますと、外局としての局という制度がなくなりまして、外局の一番下の單位は廳ということになりましたので、事務廳といたしたにすぎないのであります。  次に法案の各條について簡單に御説明申し上げますと、第一條には用紙割当制度というものが紙の不足によつて必要となつ臨時制度でありますので、その旨を記し、また第二條には政府審議会もその他いかなる人も用紙割当を惡用してはならないという原則を記し、第三條ないし第七條事務廳所掌事務及び審議会の構成並びに権限に関する規定でありまして、從來事務局委員会時代と実質的に同様な規定であります。第八條委員選定に関する規定でありまして、新委員候補者委員長選定することは從來と同様でありますが、候補者を不適当と認める正当な理由がある場合に、事務廳長官議長に対しその撤回を求めることができるといろ点が新しい規定であります。これは政府割当業務について責任を負います以上、委員の人選についてこのくらいの発言をもつことが必要であるからであります。第九條は審議会に関する細目政令規定に讓り得るという趣旨でありまして、新聞出版用紙割当審議会令というものを制定いたす予定であります。第十條には用紙割当を行うについての方針基準を定める原則を定めました。附則においては用紙割当を継続する必要の有無及び割当制度可否に関して國会審議判断していただくために、毎通常國会に対して議決による確認を求めるべき旨を規定してあります。  以上をもつて提案理由及び趣旨説明を終ります。何とぞ御審議の上速やかに可決あらんことを希望いたす次第であります。
  6. 松原一彦

    松原委員長 成田政府委員から補足の説明ありませんか。
  7. 野溝勝

    野溝國務大臣 ただいまの提案説明によりまして、大体の骨子は申し上げたのでございますが、なおそれを集約して一言申し上げてみたいと思います。  用紙割当委員会事務局については、官制があつたのでありますが、用紙割当委員会については今まで法律命令等根拠がなかつたのでありまして、閣議了解事項に基いてやつてきただけでありまして、よるべき根拠がありませんために、今日まで超えず問題を起しておりたのでございます。具体的に申し上げますと、委員の任命は内閣総理大臣がしておりますが、その委員会権限については、法律にも政令にも根拠をもたなかつたので、いきおい申合せ的なもので今日までやつてきたのでありますが、今日のごとく紙の少い時代におきましては、用紙割当は非常に問題となるのでございます。特に用紙割当基準並びにその内容等についても、民間側から幾多の疑義希望あるいは強い意見等があつたのであります。そこで事務局といたしましては、もちろんこの委員会方針に基いて案は立てておりますけれども、それが明るみに出ておらない関係から、ややともすると一般から委員会誤解受げ、なお事務局においても誤解を受けておるという関係におかれておつたのであります。なお所管大臣とじての國務大臣も、この用紙割当につきましては、何らの関係と申しましようか、権限はもち合わせておらなかつたのであります。よつてもし委員会の執行上疑義があるような場合において警告を発するという程度でございまして、それ以上は政府として何ら容喙することができなかつたのでございます。もともと民主的な機関として育成することが大事でありますから、必要以上に政府が容喙することは、これは非民主的であると思います。しかし少くとも政府が、この委員会を通して用紙割当上に対する業務遂行事業をやる、たとえば輿論調査をやるというような場合におきましては、政府はこれに対する支援のために予算を計上しておるのでございます。かようなわけで予算を計上してこの事業の経過並びに結果を一應議会に報告するの責任をもたなければならぬと思います。かような責任のある政府が、この委員会もの間において有機的な連繋がもち得ないという点は、何というても不合理なのでありまして、かような点をこの際是正することに努めよう、さればといつて必要以上に政府がこの委員会重圧を加えるというようなことは絶対に排すべきでありまして、われわれはあくまでも民意を尊重する代りに、同時に政府の妥当なる意見もこの委員会に反映せしめていこうという構想でございます。なお今回は委員会法的性格をもたしめまして審議会と改めました。しかし審議会と名を改めましても、その権限におきましては從來と何ら変つておらないのでございます。以上のような次第でありまして、特に事務局長からも説明申し上げました通り、しいて変つたという点は、第八條の点でありまして、委員候補者選定にあたりまして、たれが見ても文化國家建設の役割を果すべき用紙割当委員会委員として、自他ともに不適当であるというような者に対しましては、これに対して拒否する権限だけをもつたということが、從來委員会と違つている点でございます。しかし本法案の最後にもあります通り、かようなことは政府越権、行過ぎになりはしないかという御意見もいろいろとありますが、これについては附則におきまして、用紙割当を継続する必要の有無及び割当制度可否に関して、國会審議判断していただくために、毎通常國会に対して議決による確認を求めるべき旨を規定してあるのでございますから、政府が行き過ぎであるとか、あるいは重圧を加えるとか、あるいは越権的行為をなすことは、おそらくでき得ないと思いますし、またそういうことは第一條規定してあります通り、絶対に相ならぬことになつておりますのでさような点も十分考慮勘案いたしまして本法案を提出した次第でございます。
  8. 松原一彦

    松原委員長 委員長から念のためお尋ねしますが、今度の國家行政組織法案によると、廳には官房、局、部、課を置くことができるとなつておりますが、この内部機構組織があがつておらぬのですが、どういう内部機構をおもちになる御予定でございますか。
  9. 成田勝四郎

    成田政府委員 行政組織法によりますと局、部、課を置くことができるとなつておりますが、この用紙割当事務廳にはこの局部あるいは官房というようなものを置くつもりはありません。内部組織長官の下に課が庶務課新聞課出版課雑誌課と四つ現在ありまするものをそのまま置くつもりでございまして、第四條の四項に「事務廳組織細目について必要な事項事務廳長官がこれを定める。」と書いてございますのも、この分課の規定以外にございませんので、從つてこういうようになつている次第でございます。
  10. 松原一彦

    松原委員長 なお人員は、この臨時設置令によりますると、專任が二級七人、三級が十二人となつておりますが、この定員は動かないのでございますか。
  11. 成田勝四郎

    成田政府委員 この事務廳法案設置のために定員を増加するということはございません。
  12. 松原一彦

    松原委員長 現状、現員でございますか。
  13. 成田勝四郎

    成田政府委員 さようでございます。但し昨年來非常に手不足のために、ある数の定員の増加を大藏省に対して要求しておるのでございますが、この要求が通れば、これは事務廳法設置のために殖えるわけではございませんので、昨年來のわれわれの希望が通るということになる次第でございます。
  14. 松原一彦

    松原委員長 御質問の方がございましたら、どうぞお申込みを願います。
  15. 河合義一

    河合委員 先ほど大臣説明の中にも國家行政組織法制定されたから、自然こういう提案をしたという説明がありましたが、これは何でもないようなことでありますが、まだあれは確然とでき上つておるのではないし、少し早過ぎるのではないでしようか、この組織法がきまつてから今の説明を聽くとしましても、あと先になつているように思うのですが、手まわしで早くやられるのも結構でありまして、ただいま委員長から質問されたようなことも、從つて國家行政組織法がいよいよ制定されてからならば、はつきりすると思うのです。委員長にひとつ御意見を伺つておきます。
  16. 松原一彦

    松原委員長 委員長同時制定でいいと心得ております。それで同時制定のできるものはなるべく念を入れて審議はしますが、制定していいと心得ておりますが、その内容行政組織法の今委員会において決定しておるものと、どういうふうな関係をもつかを一應調ベてみたいと思つてお尋ねした次第であります。何ゆえにこれが急がねばならないかという河合委員の御疑問は当然だと思います。この点につきまして野溝國務大臣ひとつ御説明願います。
  17. 野溝勝

    野溝國務大臣 これは先ほど提案説明の中にも申し上げておいたのですが、第一点はもともとから、國家行政組織法というものができる以前から、私就任をすると同時にこの必要を痛感しておつたのでございます。その理由といたしましては、この用紙割当に対して、特に紙不足関係から既存新聞紙あるいは既存出版社と、新興新聞社あるいは新興出版社との間にいろいろ意見の相剋があるのでございます。なお増配等についてもいろいろと意見があるのでございます。すべてこれらの決定委員会がやることになつております。その委員会がどこに一体根拠をおいてできたのかと申しますと、これは閣議申合せ了解事項に発足しておるのでございます。もし議員たるものが閣議申合せ了解事項でよいというならば何をか言わんやでございますが、議員としては法律的な根拠にすべての内容を明らかにするということでなければ、法治下における制度としてはふさわしくない、かように私は就任当初から考えておるのでございます。かような点で私はその立法化を急いでおりました。たまたま行政組織法という組織全体に対する基本法というものができることになりましたので、いきおいその線に沿つて、特に内閣にある用紙割当事務局といたしましては、その線に基きまして、ここに用紙割当事務廳設置法案というものを出しだ次第でございます。なお河井委員のお説にもありました通り、何がゆえに急ぐかという点でございます。御承知の通り、非常に紙が不足なのでございます。特に各新聞出版界からの要望も非常に強いのでございます。それを了解事項に基く委員会が左右しておるということになりますると、せつかくその委員会が最善の努力をしてくれても、なかなか一般関係業者了解が得られないという点が多いのでございます。なお政府当局といたしましても新興新聞新興出版社の陳情並びに抗議に対しましても、それは了解事項のもとにできた委員会がやつておるのであるからいたし方ないというようなことで、いやしくも行政の衝に当つておる政府といたしましては、さような簡單な言葉で過すことはできないのであります。よつて明るみに出されまして、法律によつてこれが決定され規定されておるということになりますならば、委員会方々も非常にやりよいし、かつまた一般人民方々に対しても非常に了解ができます。この間の疑義というものが拂拭される、かように考えておるのであります。よつて私どもはかような点において一日も早く明らかにいたしまして、法律的な根拠に基いて用紙割当をやつていきたい、かように考えておる次第でございます。
  18. 中曽根康弘

    中曽根委員 この仮刷の法案がなかつたために今拜見したので勉強していないのですけれども、野溝國務大臣にいろいろ教えていただきたいと思います。  まず第一に割当事務所長官責任の問題です。これによると独立の官廳のようでもあり、またそうでもない審議会のようなものでもあり、会議制官廳でもあつて、そのあいのこのようなものでもあるのですが、一体事務廳性格はどういうものであるか、もう少し御説明願いたい
  19. 成田勝四郎

    成田政府委員 事務廳性格は、用紙割当に関する主務廳事務廳でございます。從いまして用紙割当に関する責任をとるのは事務廳長官であると存じます。ただ総理廳外局として割当事務廳が置かれますために、内閣総理大臣管理のもとに事務廳長官が属するりでありまして、同時に内閣総理大臣はその管理事務を他の國務大臣に行わせることができるのでありますから、その場合はその管理事務特定國務大臣が行うのでありまして、國務大臣管理のもとに事務廳長官割当に関する主務を行う、こういうことになります。ただただいま御質問のございましたように、割当に関する方針基準、手続き、まだ個々の割当決定審議会がやるのでございますから、その審議会議決割当廳長官はそれを変えることなくそのまま実行しなければならない。從いまして意思決定審議会がやるように見えるのでありますが、その意思内容は確かに審議会がきめるのでありますけれども、その文句にも書いてありますように、審議会議決從つて事務廳長官決定しなければならぬ。議決内容を変えることばできないけれども、決定事務廳長官がやる。從いましで割当責任はやはり事務廳長官にあるというふうに考えております。
  20. 中曽根康弘

    中曽根委員 もう一つお伺いしますが、今まで割当委員会というものによつて民間人の声を入れてやつたようですが、一体そのどういうところが惡くてこういうふうな官廳制度にかえるのか、ここに書いてある政府説明では納得できないところがあるのですが、公式的な話でなく、実際事務上あるいは行政運営上どういう点が惡いのかということを、もう少し具体的に御説明願いたと思います。
  21. 成田勝四郎

    成田政府委員 その御疑問はごもつともでございますから、いきさつを少し簡單に申し上げて見ます。先ほど野溝國務大臣から御説明申し上げました通りに、現存の制度によりますと割当事務局というものは官制があるのでございますけれども、割当委員会には何ら法制上の根拠がないのであります。年々数十億の貴重な資材を扱うこの委員会業務が、法制上の根拠なしに行われているということは、まことに不都合なことが多いのであります。從いまして割当委員会に関しても法制化しなければならないという必要がかねがね痛感されておつたのでありまして、野溝國務大臣も、就任されましてから、早く法制化する必要があるということを認められまして、研究を進めておられたのであります。しかるにたまたま國家行政組織法という官廳根本通則を定める法律制定という企てがありましたので、この國家行政組織法構想に基いて事務局委員会法制化しようじやないか、こういうことに変つてまいりまして、その案を練つたのであります。國家行政組織法構想内で割当組織をきめることになりますと、二つ方法があるのであります。第一は、割当委員会というものを表面に出して、割当委員会という行政官廳をつくりまして、その下に事務局を置く、こういう方法であります。第二は、ただいまの法案に出ております通りに、事務廳というものを置いてそれに審議会を置く、こういう方法であります。第一の案は、委員会が表面に出るのでありまして、きわめて民主的のように見えるのでありますが、また事実われわれも最初は委員会法案というものを作成いたしたのであります。しかるにそれが各方面の賛同を得ませんでした、その理由というのは、委員会行政官廳として表面に立ちます結果、政府の監督が直接かつ強力に委員会に及ぶという結果になります。つまり委員の選任でありますとか、委員会業務につきましても、政府が事ごとに監督を及ぼすような結果に法制上ならざるを得ないのでありまして、これは委員会も業界も、またその他関係の筋におきましても、そううようなことは困る、もう少し政府の関與を少からしめる方法でやつてもらいたい、こういう意向でございましたので、第二の方法である事務廳を置いて、それに審議会を設けるという方法をとつた次第であります。これによりますと一見大きな割当事務廳というものを新しくつくりまして、その事務廳が何でも割当事務をやるように見えまするので、それは官僚統制の復活ではないかという議論が起つて來たのでありますけれども、事実は反対でありまして、事務廳の中に置かれる審議会になりますので、割当に間接でありますために、審議会委員の選任業務その他につきましても、政府の監督が間接に及ぶ、つまり從來のような委員自主的決定権というものを非常に尊重し得るような立法の方法があるわけであります。從いまして、事務廳を表面に出すあの方が、現在の委員会の自由的決定権をそのまま存続させるという点におきましてよい案であるということになつて、この法案を出したわけであります。御承知の通り、新聞等に、出版界、新聞界のこの法案に対する反対意見が二、三出ておりますけれども、その反対意見のおもな点も、委員会自主的決定権を保存してもらわなければ困るということと、委員の選出は從來通り方法にしてもらいたいこと、また割当原案の作成権を現在通り出版協会、新聞協会に残してもらいたい、この三点がおもなるものであります。この第一点の自主的決定権を残してもらいたいということは、法案をごらんになりますとわかります通りに、そのまま完全に残つております。審議会のきめましたことをそのまま内容を変えずに割当廳長官は実行しなければならない。第二の委員の選任の方法でありますが、現在の制度は、委員の選任の場合委員長候補者を立てまして、その候補者について委員会が選挙する、具体的には部会が選挙するということになつております。この方法を続けますると、野溝大臣からも御説明申し上げましたように、委員の選任についても政府は何ら関係しないということ、選任の際に委員長候補者を立てて委員会が選挙するというのでは、そこに政府発言権は全然ないわけであります。まだ委員会業務につきましても、その委員会がきめた通り政府が実行しなければならないので、これまた政府は何ら発言権がないのであります。委員会の構成についても、業務についても、政府は何ら関係がないということになりますと、政府としてはその委員会のやつた仕事について責任を負うことが非常に困難なのであります。しかるに用紙割当業務についてはG・H・Qの方から指令が出ておりまして、用紙割当業務に対する責任政府がとれということになつておるのであります。政府責任をとる以上は委員会業務に何らかの段階において関與していなければならぬ。そういう建前から、委員の選任の際に、委員長が立つた候補者何人が見ても不適当であるというような正当の理由がある場合に撤回を要求することができるというきめ方をいたしたのであります。かようにいたしておりますれば不適当な委員を排除することができまするので、從いまして政府が適当と認めた委員だけで委員会が構成ざれるということになります。從つて政府としても責任の負いようがある、こういう考えでございます。第三の反対意見であります出版協会、新聞協会の割当原案の作成権を残してくれという希望がございますが、これは前々からのいきさつもありまして、出版物については日本出版協会、新聞につきましては日本新聞協会が、割当原案を作成して委員会に提出することができるようになつておるのであります。事務局割当原案をつくるのでありますが、それと並んでこれらの民間の團体割当原案を作成して委員会に出しておるわけであります。この割当原案作成権を今後も続けて認めてくれ、こういうわけでありますが、この問題は実は割当事務廳法案とは直接の関係がございませんので、これは御承知の事業團体法というものが今期の國会提案になつておりまして、この事業團体法によりますと、業者團体割当原案をつくつてはいけないことになつております。その方の関係で日本出版協会、日本新聞協会の原案作成権というものも影響を受けるような解釈に一應なつておるわけでございまして、その事業團体法案規定に対する反対意見なのでございます。
  22. 中曽根康弘

    中曽根委員 私のお尋ねしたのは実際どこに不便があるかという実務上の問題でありますが、國家行政組織法に伴つてこういう体系を整備するという形式的なものじやなくて、また関係筋の指令との関係という抽象的な観念からではなくて、実際用紙割当の上にこういうふうにかえることが必要なのだという具体的事実に基いてこういう改正を行うという現実的な理由を、もう少し伺いたいという意味であります。
  23. 野溝勝

    野溝國務大臣 簡單に申し上げます。先ほどその具体的の例としての輪廓を私申し上げたのでございますが、さらに中曽根委員からもつと具体的に示せどいう御意見でありますから、現実の問題を一つばかり申し上げます。現に大阪におきましてはある新聞業者に対して用紙割当をしておつたのでございます。しかるにその用紙割当をしておつた某新聞社が、たまたま紙の横流しをやつたというような事例があがつております。これに対しましてもちろんそれは委員会におきまして、一應配給停止をやりましたが、またそれが復活を要請した。かような問題に対する最後的の処置を考慮しなければならぬときに、もちろん委員会としては公正妥当なる方針をもつて処置をする、またはしたものと思ますけれども、これが第三者から見ますと、なかなかそれを承知しないのでございます。どうして承知しないかというと、法律的な根拠に基いた委員会でないという建前から、かえつて委員会が公正妥当だと思つてやつた処置に対して非常な不満の意思を表示しておるというようなこと、あるいはまたたとえばこれは新聞でも雑誌でも同じでございますが、ただいま割当をしておるその新聞社なり雑誌社なりが重役の対立によりまして結局その会社なりあるいは新聞社なりに対する割当を中止せざるの余儀なきに至らしめる。その後重役間の軌轢が解決いたしましたという理由でまた再割当を要求してくる。かような場合に委員会がそれを是認するか是認しないかということについても、いろいろと問題があるのでございます。かような点で、むしろ私はこれを反対するところの理論的根拠がわからぬのでございまして、ただ官僚的だというだけでありまして、われわれ法治下にある國民といたしましては最高の民主機関であります議会において法律決定を経て、そのもとにおける制度の運営ということが最も合理的だと思うのでございます。かような点においてむしろ私はその内容においての意見があるという点ならばよくわかるのでありますが、法律にすることに異議があるという意見に対してはどうしても割り切れぬと考えております。
  24. 中曽根康弘

    中曽根委員 私はこの法案自体はなかなか味のあるおもしろい構想だと思つておるのですが、ただ國会がきめたものはすべて民主的だ、こういう形式論だけでは済ませないものがあるだろうと思う。というのは國会がきめた内容がやはり問題であつて、たとえばヒトラーが國会を操縱して手をあげさしてきめた法律も、あれは國会がきめたのだということで、あれも民主的だということになる。やはり内容自体を一般の國民が歓迎するかどうかということによつて決定しなければならぬ。そういう点からお聽きしておるわけでありまして、私はまだ賛成とも反対とも言つてない。この点は誤解のないように願います。この用紙割当委員会の問題についてはわれわれも巷間いろいろ聞いておりますが、今お示しになつた例の中でもう少しつつこんで説明していただかないとわからないところがある。重役間の対立でやめたものが復活をする場合に、今までの委員会では復活することができないことになつておつたが、今度の法律ではそれがどういうふうに変るのか、もう少し詳細に御説明を願いたいと思います。
  25. 野溝勝

    野溝國務大臣 中曽根委員は、どうも私の言うことをよく割り切つて考えてもらわなければ困る。今さらヒトラーの例をあげて、ヒトラーの國会論を出すこと自体がナンセンスだと思う。私は新憲法における國会法に基いての意見を出しておるのでありまして、その点は中曽根委員においてよく了承してもらおなければ困ると思います。  なお具体的の例についてもつと掘り下げで申せと申されるのでありますが、具体的の例ならば枚挙にいとまのないほどいろいろの疑義、いろいろの問題の点があるのでございます。そういう点につきましては事務当局の方でいつでもこの委員会において雑誌社においてどういう点において困つた点があり、あるいは新興新聞紙あるいは新興雑誌社から要求があつてどういう点に困つた点があつたか、あるいは実際問題として内容についてこれがはたして民主的なものであるか、あるいは民主的の雑誌であるかどうかということについて、どういうふうに困つたとか、あるいはこの新聞社においてはたしてこういう設備があるか、あるいはこういう設備では困るというようなことに対してどういうような問題があつたか、ということに対する方針上の問題等に対しましてもいろいろ意見があるのでございます。今中曽根委員が御指摘になりました通り、現在の委員会におきましても、先ほど申したような例があつた場合におきましては、それに対して委員会は処置をしております。しかし、私の申すのはその委員会が処置しておることが惡いという意味ではないのでありまして、ただその間に関係出版界、関係新聞等々から諸種の意見が出てまいつておるのでございます。それらの意見に対して公正妥当な方針委員会がやつておるといたしましても、その間いろいろの疑義が起ることだけでも、この用紙割当の運用上に対して明瞭を欠くから、かえつて委員会の公正妥当な方針を裏づけるためには、法制化した方が委員の諸君としてもやりよいから、さような方針をとるということにいたしたのであります。なお中曽根委員から具体的の事例に対しまして、もつと堀り下げての御意見もありましたが、もし委員長がお許しを願えれば、これからこういう点においてこういう問題があつた、あるいはこういう点においてこういう遺憾の点があつた、あるいはかえつて委員会方々に非常に誤解を起しておる、こういうような点があるという点について、申し上げてもよいと私は思います。  なお一言申し上げておきますが、本法案は先ほどからもくどく申し上げました通り、官僚化は私自身反対でございます。しかし政府が一應この用紙割当事務の運営をしていく上におきまして、その業務上に対する有機的な関係をもつということについては、私は反対する論理的根拠はないと想うのであります。ただ問題が行過ぎか、行過ぎでないかという点は、非常に疑義あるいは意見があると思います。よつて私どもはその点を十分勘案いたしまして、すでに本法案を出すまでに、今までの各方面のいろいろの意見も徴したのでございます。その徴した結果が大体了解をある程度得たと思つたのでございますが、未だ割切れない点がある。それは法律案から見ると、大体民主的にも見えるけれもど、いよいよ政令ということになつてきますと、相当これはその政令内容について、十分検討しなければならぬというような御意見があつたのでございます。そのうち、先ほど問題のあつた点は、事務局長から申し上げました三つの点に相当の問題があるのですが、この二つ意見は、この法文を見てもらえばはつきりしておると思いますが、委員会自主的決定権——これは審議会決定がなくてはどうすることもできないのであります。審議会從來委員会名前をかえたというだけでございまして、あくまでも民間團体決定権でございます。  それから次に委員選任の方針でございますが、この委員選任も、あくまでも民間からこれを選任することになつております。ただたれが見てもしかたないというものは、これは政府が拒否するというくらいのことは、なにも越権でもなければ、行過ぎでもないと私は思います。しかしこの場合といえども、政府が見まして、これはおもしろからざる人物であると思つて委員会から選任されてくる者を一々断つておるということになりますならば、これははなはだ行過ぎであり、また越権でございます。かような点において、たれが見ても、これは少し考えてもらいたいということは、政府としては当然なことであると思います。業務上に対して責任を負えというその筋からの命がある以上は、少くともいかがわしき人物に対して、その参考資料として意見を提出するということに対しまして、かつまたよろしくないという決定的な人物に対して、これをやめてもらいたいということを審議会なりに申し出ることは当然ではないかと私は思つております。  それから原案作成の問題でありますが、原案作成につきましては、これまた審議会が最後決定をするのでございますから、審議会事務局の、たとえば案を出したところで、これはよろしくないと言えば審議会決定心服するのでございますから、かような点においても了承できるのではないかと思います。大体以上のような概要でございまして、なおそのほかに私は行過ぎがあつてはいかぬという点を非常に各方面から心配されておりますので、本法案臨時立法でありますから、年々國会に出しまして、年々この法案に対する審議あるいは修正等をすることができるように毎年國会に出す。未だかつてないやり方でありますが、かような内容をこの法律の中に織りこんだ次第であります。私はこれは今までにかつてない文化立法であると心得ております。
  26. 中曽根康弘

    中曽根委員 どうもこの法案内容の御説明ばかりあつて、私はなぜこういうものをつくらなければいかぬかという今の委員会の不便な点とか、あるいは改正しなければいかぬという点に対する説明がどうも納得がいかないのですが、たとえばやり方によつて長官候補者を拒否できる、こういうことになつておる。しからば今までそういう点について拒否すべき人間がはいつてつたのかどうかということも聽きたいところであります。それからまたこの法案によるとしても、審議会決定したものを長官が、たとえば用紙割当にしても覆す権限がないならば今まで通りではないか、單に候補者を拒否しただけであつて、その点は若干のチエツクをやるだけに過ぎないので、用紙割当自体は昔と大してかわりないのではないかという疑問が出てきます。今までの委員会の惡い点とか不都合な点とか、そういう具体的の点について御説明を願いたい、こういう意味でございます。
  27. 成田勝四郎

    成田政府委員 ただいまの中曽根委員の御質問は、どうしてそういう法律をつくつて改めなければならぬかという御趣旨と承りましたが、今までの委員会に具体的に非常に惡いことがありますれば、この立法を改めなければならないのでありますけれども、先ほど來御説明申し上げております通り、大体においてこの立法の趣旨は今までの制度をそのまま取入れておるのであります。つまり從來委員会の民主的な決定権というものはそのまま取入れまして、ただ今までのような法律でも、命令でもなく、用紙割当規程どいうものによつて存立しておつた時代はとにかくといたしまして、今回は法制化いたしたのでありますから、その法制化いたします際に不明瞭であつた点をはつきりさせる、つまり政府責任をとり得るような制度にするという程度の改正をいたしたにすぎないのであります。  先ほど御質問のありました、それではどうして委員会法制化してこういう法律をつくらなければならないかということがございましたが、申すまでもございませんが、用紙というものは非常に貴重な資材でございまして、この委員会が扱つておる紙も、年々数十億円のものを扱つておるのであります。これはもちろん金額ばかりではありません。紙は一國の文化、思想ひいては政治的に非常に関係があるのであります。從いまして、この委員会業務は非常に文化的にも、政治的にも、経済的にも大きな影響のある重大な仕事なのであります。しかるにその重大な仕事を扱つておる委員会は、全然法制根拠のない、一体どこから権限を得て、どういう職権をもつて仕事をやつておるのか、全然法律で表わされていない制度で行われるということはきわめて不自然であつたのであります。從いまして、今回のような機会にこれをはつきり法律的にきめるということを、私ども政府側におきましては考えた次第なのでありまして、この委員会決定次第では、実はある新聞に紙をやり、ほかの新聞に紙をやらないということによりまして、一つの新聞社がつぶれることもあり得るのであります。また一つの出版社が大いに栄え、一つの出版社がつぶれることもあり得るのであります。その利害の及ぶところは非常に大きいのでありまして、現にある新聞社におきまして、先ほど大臣の御説明がありましたように、幹部の間に内紛がありまして、新聞が出ないほどの社内の紊乱状態になりましたので、一時新聞の用紙割当を停止いたしました。そういうようなときにその新聞社からは、一体委員会は何の根拠があつてわれわれの新聞が立ち行かないような措置をとるか、その権限いかんというようなことまで反駁してきたような例もあるのです。こういうような問題は一に止まらないのでありまして、今後も起る問題であります。これほど新聞社、出版社の死命を制せられるような大きな権限を行う委員会、これは一体どういう根拠に立つておるか、これがはつきしりませんと、業界といたしましてもはなはだ納得のいかない点が多々あるというふうに考えられるのでございます。これが立法の根本趣旨であります。
  28. 中曽根康弘

    中曽根委員 そうすると政府責任をとるためにこういうものをつくつて國民に安心させる。一口に言えばこういうよふな考えからこういうふうにまとめたという意味ですね。
  29. 野溝勝

    野溝國務大臣 その通りです。
  30. 中曽根康弘

    中曽根委員 そうしますと、第三條の第二項でちよつとお伺いしたいのですが、主務大臣は一應内閣総理大臣になつておる。ところが管理事務は他の國務大臣に行わせることができる。野溝國務大臣にお伺いしたいのでありますが、たとえば新聞社がつぶされた場合には、賠償責任を負う実体の相手方はたれか。内閣総理大臣でありますか、國務大臣でありますか、事務廳長官でありますか、その点をお聽きしたい。
  31. 野溝勝

    野溝國務大臣 これは総理大臣でございます。
  32. 中曽根康弘

    中曽根委員 法務廳総裁がたしか実体の問題については主務大臣になつてつて、こういう場合でも当るのではないかと思いますが、その場合法務廳総裁は他の國務大臣に委任できるようにたしかなつておると思うのですが、一應は法務廳総裁ではないかと思いますが、今の野溝さんのお考えは間違いではありませんか。
  33. 成田勝四郎

    成田政府委員 実はその問題を法制当局と相談いたしたことがあるのであります。私どもも法務廳総裁だと思つてつたのでありますが、やはりそれは実体の趣旨にもよるのでありましようけれども、こういうような場合には総理大臣の指示になるのだということを聞いたことがあるのでございます。きわめて專門的なことになりますと私ども研究が足りないのでありまして、御趣旨によりましてはざらに研究して御答弁をいたします。
  34. 中曽根康弘

    中曽根委員 私はこの管理事務を他の國務大臣心行おせることができるという、この意味がよくわからないのですが、それは今申し上げた具体的の実体の当事者という問題にもひつかかつてくるので、その点について内閣総理大臣國務大臣と、この間の権限及び法務廳総裁との間の権限関係について、もう少し野溝さんの責任ある正確な答弁をひとついただきたいと思います。
  35. 野溝勝

    野溝國務大臣 大体慣例から申しますと、國務大臣行政大臣というよりも國務大臣という建前が正鵠なんでありまして、そこで各省所管の行政事務に対し、所管大臣内閣総理大臣の命によることになつておりますので、その所管の事項に対しての管理國務大臣がするということは当然であると私は思います。なおただいまの損害賠償等の問題に対しましても、その対象となるべきものは、総理大臣がすべての権限をもつて所管大臣國務大臣を命じたわけでありますから、総理大臣がその対象になることは当然であると思います。しかし実際の技術上の問題になつてきますと、あるいは法務総裁との関係もありますので、その間の技術上の問題については、追つて法務総裁の方と相談いたしまして御回答することにいたします。
  36. 中曽根康弘

    中曽根委員 この法案の中を見ますと、組織法的なもののほかに、非常に理想主義というかなんというか、言論の自由を圧迫してはならないとか、あるいはうしろの方になりますと、文化的價値、社会的有用性というような基準まで書いてあるわけですが、今までの用紙割当委員会の実績について、ひとつ資料を御提出願いたいと思うのです。ここで端的に申しますと、今までの用紙割当の内部において——特に新聞を除いたほかのものですが、割当内容といいますと、たとえば学問的な本にはこれくらい割当てた、一般の雑誌にはこれくらいである、そういうような具体的な資料をひとつ御提出願いたいと思います。  それからもう一つは、これは政党の機関誌その他に対する割当でありますが、たとえばアカハタあるいはその他の共産党系のものは厖大なる出版をやつておる。これに対してその他のものは比較的少いということがある。そういう政党関係機関誌あるいは機関新聞、こういうようなものに対する割当の実績についても、一つ資料を御提出願いたい。
  37. 野溝勝

    野溝國務大臣 中曽根委員の申出の資料の提出はいたします。なおただいま中曽根委員から機関紙アカハタの問題が出ました。この部数が非常に多いという御意見もありますが、かような点が私は最も本法律の必要なる点ではないかと思います。非常にごもつともな御意見でございまして、單に私は共産党にかかわらず、各政党あるいは各團体用紙割当がいかに公正妥当に行われておるかということに対しても、これが法律に基いて論議されることになりますならば非常に明朗になる。かように心得ておりますので、早速資料は御提出いたしたいと思います。
  38. 戸叶里子

    戸叶委員 私もただいまの中曽根委員の御提出願いましたような資料をぜひいただきたい。それと同時にお願いしたいことは、今までの用紙割当委員会に対して、どの程度申請したものに対してどの程度の増配をせられたか。あるいは要請したものが何件くらいあつて、そのらち大体どの程度のものが許されたかということについてもお聽かせ願いたいと思います。それからもう一つお尋ねしたいことは、私どもが本屋さんへ行きまして最も不愉快に感じますのは、エロ本だとか、それからまたこれからの子供たちに見せては惡いようなものが非常にたくさん氾濫しておるのですが、ああいうような紙は一体どういうところから出てきておりますか、お伺いいたしたい。
  39. 野溝勝

    野溝國務大臣 第一の資料の提出につきましては、中曽根委員と同様に資料の提出をいたします。  第二のいわゆる國民生活の上に、あるいは民主的な意義をもたないようなエロ本等、その地忌まわしき雑誌が各書店に出ておる、かような原料、あるいは紙がどうして一体配給されておるか、こういう御質疑であります。これらの点につきましても、政府といたしましては委員会と連絡をとりまして、委員会の方においても種々その詮索に努力をいたしておるのでございます。これは要するに紙の横流しと、いま一つは仙花紙の二つの方面から、これが出版物の資材となつておるようでございます。これらについても、実は委員会の方でも非常に努力はしておるのでございますが、御承知のごとく、仙花紙につきましては、目下のところ商工省の管轄になつておるのでありまして、特にこれの方には原料、資材を商工省の方から配給をしておらぬという関係から、それに対して手がつけられないという状態にあるというようなことで、遺憾ながらその処置がまだできておりません。私の方の関係といたしましては、生産割当をするのでなく、用紙割当でございますから、その方の権限は商工省になつておりますので、そこまで手が及びません。その点につきましては、商工当局に絶えずその善処方を依頼しておる次第でございます。それからなおかような点々ついても、中曽根委員同様に委員会が非常に努力をしておりますけれども、もつと思い切つたことをやりたい、こう委員会方々は考えておるのであります。しかしそこまで法律的な根拠がないために、どうも必要以上にやりますと、どこに一体お前たちは根拠をおいてやつてくるかということになりますと、二の句が出ないといいましようか、手が出ないのでございます。かような点からも十分私は議会におきまして論議をされまして、法的根拠をもつてやるということになるならば、以上のような点も非常に修正されていくと信じておりますので、かような法案を出した次第であります。
  40. 戸叶里子

    戸叶委員 用紙割当委員会の本来の目的が、用紙割当にあるということはよくわかつておるのであります。今の状態ではやみで非常に多くの資材を手に入れて、そうしてわれわれの見るに見かねるようなものがたくさん出ておる。この委員会で、そういうものがどこから紙が出ておるかということを進んで調べて、それを正規のルートに乘せていくというところまでおやりになるかどうかということをお伺いいたします。
  41. 成田勝四郎

    成田政府委員 お答えいたします。  委員会としましては大臣からお答え申し上げましたようだ、経済安定本部で新聞出版用紙の方に使うべき紙として割り当ててきました量の紙を申請に対して割り当てるだけの業務でありまして、それ以外の仙花紙、あるいはやみで流れておる紙の使用については、委員会としてはもちろん重大な関心をもつておりますけれども、現在のところでは十分な権限がないのであります。その関係はどういうことになつておるかと申しますと、御承知の臨時物資需給調整法というものがございまして、これに基いて指定重要生産資材の割当をいたすわけであります。この臨時物資需給調整法に基く新聞出版用紙割当主務官廳は、現在の新聞出版用紙割当事務局であります。從いまして、臨時物調法の違反と思われるような紙の横流しその他は事務局の方で氣をつけておりまして、違反の具体的な例があれば、これを処罰するために適当な処置をとる、その方法といたしまして、あるいは委員会にお願いしまして、非常に不正なことをした新聞社に対して、その次から割当を減らすとか、やめるとかいう方法もあります。あるいはまた警察官廳に移牒しまして、その他の処罰をとるということもありますが、この紙の横流しの問題についての監督をいたしますのは事務局の方であります。
  42. 戸叶里子

    戸叶委員 それから第十條にあります「新聞出版用紙割当に関する方針は、日本の道徳的」ということが書いてあります。この道徳的という意味はどういう意味であるか伺いたいと思います。つまりそれはエロ本なんかのものは取締るという意味でありますかどうか。
  43. 成田勝四郎

    成田政府委員 お答えいたします。この道徳的というのはまさに御指摘の通りに、エロ本のようなものを防止する趣旨でありますが、取締るといつてもこの委員会割当てていない紙で出しておる本を、委員会は取締るわけにばいかないのでありますが、道徳的に好ましくない本には紙を割り当てない、こういうようなことであります。
  44. 戸叶里子

    戸叶委員 それから第三項の「できる限り客観性のあるようにこれを定められなければならない。」ということの、具体的な御説明を願いたいと思います。
  45. 成田勝四郎

    成田政府委員 これは重要資材の割当でありますから、何人が見てもうなずけるような標準で割当をしなければならぬというところから出てまいりまして、ここに書いてありますような「文化的價値、社会的有用性及び読者の需要度等を考慮して」委員会が主観的にこの本がよい惡いという標準を、頭の中で考えてやるようなことでなしに、何人が見てもうなずけるような客観的な標準に基いてやらなければいけない。こういう趣旨でございますが、具体的には実はこの点は非常にむずかしいのであります。出版物の價値を客観的にきめる物さしをきめるということは、非常にむずかしいのでありますけれども、今までの委員会は、いろいろな方面からこの客観的な標準をつくるということに努力してまいりました。たとえば道徳的に思わしくないものは出さぬということもその一つでありますし、類書——同じようなものがたくさん出ておつて、また同じ本、たとえば「萬葉集」の註釈が、すでに三種類も四種類も出ておるのに、新機軸を出したものであれば格別、そうでない同じようなものを出した場合には、ほかの本に割り当てるというような趣旨でございます。類書はできるだけ避ける、そういうような客観的標準をぼちぼち立てつつあります。
  46. 戸叶里子

    戸叶委員 わかりました。
  47. 木村榮

    ○木村(榮)委員 今中曽根委員から共産党の機関紙の問題が出ました。何かあると共産党の機関紙と言われるが、一体何の恨みがあるかしらぬが、アカハタのごときは今十万部日配から配給を受けております。これは、事務局の方は御存知のように、三十万は実績をもつておる。ところがいくらわれわれが要求いたしましても、十万部しかもらわない。中曽根委員のお話ではアカハタだけのことのように聞えましたが、他にもいろいろうわさがあるのでありますから、そうした資料を全部お出し願つてこれを再檢討したいと思います。地方新聞についてもいろいろうわさが飛んでおります。相当疑わしいものがあつて、配給の半分は横流ししておるということがあります。その他機関紙と稱するものでもそうですが、機関紙と稱しながら実際は官廳にだけ配布して、紙をとるためにやつておるものがたくさんあるのを私は知つておる。共産党ではそういうことはありません。足らぬで困つておる。ところが何かあるとやれ共産党、共産党というようによけいなものをやつておるように見られるのははなはだもつて迷惑至極である。そこでこの際そういつた資料を全部出してもらいたい。そうして、協会その他労働組合、農民組合、いろいろな團体でほんとうにそれだけのものが必要であるかどうか。名前だけ掲げて看板を出して、何もの対象もない、ただ官廳方面に申訳にこしらえて、この通り出版しておりますというようないかがわしいものがたくさんある。こういうものを粛正してもらいたいと思います。中曽根さんの御意見も、アカハタだけの資料を集めるというのではないと思いますから、公平に資料を集めて御檢討願いたいと思います。  その他の問題についてもいろいろ問題がございますから、今後長時間にわたつてまた野溝國務大臣と一席やらなければならぬことになると思いますが、今日は時間の関係で申し上げません。まあ國務大臣より事務局の方に私としては問題があるのであります。事務の取扱い、やり方、そういうものについて大きな問題がある。そこで簡單にお尋ねしままと、第五條に「審議会は第六條各号に規定するものの外、新聞出版用紙割当に関する重要事項につき審議する。」となつておりますが、この審議会というのは今の國家行政組織法の第八條の中にあります「諮問的又は調査的なもの」に該当する審議会になるわけですか。
  48. 野溝勝

    野溝國務大臣 事務的のことは事務局長からお答えすることにいたします。法案審議の上におきまして、ただいま木村委員から非常によい御意見が出ましたが、この際一言私から申し上げておきたいと思います。一体共産党が三十万部とか、社会党が十万部とか、何が何万部の実績だと言いますが、この実績自体が私から見ると再檢討してもらわなければならぬと思つておるくらいです。なぜならば、終戰後どさくさに紛れて申請したものの七〇%だけは実績に残しておくという考えの根拠自身が私には実際納得できないのです。しかしこういうようなものも、現在の委員会の方に任せておいたのではなかなか私は処置できないと思います。でありますから、公正、妥当にこれをやつていくには、今の委員会方々も大わらわでいろいろやつてはおりますが、こうした議会におきまして十分檢討されて、こういう方法がよいじやないかという意見が出まして、委員会がその意見を参考にして善処するということになりますならば非常に私は明朗であり、公正にいくのではないかと思つておるのでございます。それで共産党にかかわらず、どこの政党であろうとも、どこの團体であろうとも、この実績というのは根拠が薄弱である、かように考えております。さよう御了承を願いたいと思います。  なお檢討につきましては、木村委員の仰せの通り、ひとり共産党のみを対象にする檢討ではありません、また共産党に対する資料という考えでもないのであります。公平妥当に資料を出したい、かように思つております。
  49. 松原一彦

    松原委員長 この問題はなかなか重大でありまして、ことに用紙につきましては、積極的にも消極的にも問題が山積しておりますので、これはいろいろ委員諸君とも御相談の上、なお精密に調査審議いたしたいと思いますから、今日は質疑はこれで打切りたいと思います。木村君に対する答弁がまだ残つておりますから、その答弁だけお述べ願います。
  50. 成田勝四郎

    成田政府委員 審議会行政組織法との関係をお尋ねでございましたが、御承知の通り行政組織法によります審議会というものは、初め諮問的なものあるいは調査的なものとなつておりました。しかるにわれわれの意図しておりました新聞出版用紙割当事務廳審議会と申しまするものは、諮問的でもなければ調査的でもありませんで、はつきりした意思決定機関でありますので、私どもの方から行政組織法の立案者の方に頼みまして「その他」という字をわざわざ入れてもらつたのであります。しかるに最近國会における御審議の段階におきまして「その他」という字を削られたという話を伺いました。そうしますると、用紙割当事務局審議会にはあてはまらないことになりまするけれども、あの行政組織法に定めてありまするのは、政令をもつて置かれる審議会のことでありまして、われわれの審議会法律に定めてありまするので、同じ審議会ではありまするけれども、あの行政組織法規定とは関係なしの、はつきりした決定権をもつ審議会としてあの規定をした次第であります。     —————————————
  51. 松原一彦

    松原委員長 続きまして臨時人事委員会の地方事務所設置に関し承認を求めるの件の審議を継続いたします。本問題に関する質疑はこれで終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
  52. 田中健吉

    田中(健)委員 私は先般昭和二十三年六月二十七日執行臨時人事委員会職員採用試驗委員地方に、配置と申しますか、置く、この六、七名の人々はどういう人であるかということについてお伺いいたしておつたのであります。ここに地方代表とありますが、この地方代表は政府の職員であるのか、いかなる権限を有する人か、いかなる責任をもつものか、これらの点についてお答えを願いたいと思います。
  53. 淺井清

    ○淺井政府委員 この制度は新しい試みでありまして、私どもといたしましては、將來ますます発展いたしたいと存じております。現段階におきましては、ただいまお話のように、この権限法制化するというような気持はもつておりません。そこでいかなる権限ありやということをお尋ねいたされますと、非常に困るわけでございます。一体権限がなければ仕事ができないというのが從來の日本の官僚の惡い癖だと思つております。私どもは新しい試みをいたす上におきましては、まずやつてみる、そういつたつもりでありますから、惡しからず御了承を願います。
  54. 田中健吉

    田中(健)委員 責任は……。
  55. 淺井清

    ○淺井政府委員 現状における責任をもつものと思つております。
  56. 田中健吉

    田中(健)委員 どうもはつきりいたしません。そういたしますると、地方の採用試驗の代表者である限りは政府の仕事を忠実に行うための代表者のようにも思われますし、政府の行う仕事に対しましてはそこには権限責任というものが明確になり、あるいは事務というものも明確にしなければならぬはずのものであります。もしこの試驗を政府が行うに当つて、そこにいろいろ問題が起きたとしますと、問題が起きた場合には、この地方の代表者が責任を負うものであるかどうかをお伺いいたします。
  57. 淺井清

    ○淺井政府委員 つまり人事委員会において責任を負うものと御了解を願います。
  58. 田中健吉

    田中(健)委員 そういたしますると、地方の代表者は何ら責任を負うものではなくして、人事委員会そのものが責任を負うのでございますか。
  59. 淺井清

    ○淺井政府委員 從來のお考えから出発いたしますところの責任論で、割切れないものがございましたならば、それが新しい人事行政のいき方であると御承知を願います。
  60. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると地方の代表者は何らこれには責任がないのでございますか。
  61. 淺井清

    ○淺井政府委員 ないと存じます。
  62. 田中健吉

    田中(健)委員 まことにもつて奇怪なお答えであります。一体責任のない者を地方に配置して、政府の重大な仕事をさせるというのはどういう理由でございますか。ただ新しいからということでは、とても納得がいかないのでございます。どういうわけでございますか。
  63. 淺井清

    ○淺井政府委員 民間人がこの試驗に加わることによりまして、國民の公僕が役人であるということを地方民の頭にしみこませるというところのねらいをもつておることは、すでに御説明申し上げた通りでございます。
  64. 田中健吉

    田中(健)委員 そういう御説明は、私は聽いたことがありません。すでにどういう説明をしたのですか。もしあなたがすでに説明をしたとすれば、政治的効果をねらつたという言葉を——速記録を見なければわかりませんが、そういう御説明であつた。それでは納得できません。
  65. 淺井清

    ○淺井政府委員 速記を止めて、るる御説明申し上げた中にあつたのでございます。
  66. 田中健吉

    田中(健)委員 それは政治的効果という言葉でございますか。
  67. 淺井清

    ○淺井政府委員 そうです。
  68. 田中健吉

    田中(健)委員 私はやはり話がそこまでまいりますと、これは人事委員会地方に代表者として権限もなければ責任もない者を配置してこの責任を負わしめる。よつて生ずるところの一切の問題は全部人事委員会責任を負うのだということになりますならば、最初から人事委員会の職官制の中にある者がこれを行うべきものであつて、ただ單に政府の職員でもなければ、あるいは正当に入民から選ばれた代表者でもない者がこういう職につくということについては、われわれは多大の迷惑を抱かざるを得ないのでございます。こういうやり方ではなくもつとわれわれが納得のいくような選び方がないものであるかどうか。もつと責任の所在が明確なもの、これをおやりになる御意思がないのですか。
  69. 淺井清

    ○淺井政府委員 このやり方が一番よろしく、これからますます発展させるつもりでおります。
  70. 木村榮

    ○木村(榮)委員 そういたしますと今の委員とか地方方々は大体法律的な根拠とか、政令とかいうものはどこにおいておるのですか。
  71. 淺井清

    ○淺井政府委員 一切ないのでございます。
  72. 松原一彦

    松原委員長 ちよつと速記を止めて。     〔速記中止〕
  73. 松原一彦

    松原委員長 速記を始めてください。  本日はこの程度に止めます。なお本日午後一時よりこの部屋で、司法、決算両委員の連合審議会を開きますから御出席を願います。  本日はこれで散会いたします。     午後零時二十二分散会