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1948-06-22 第2回国会 衆議院 決算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年六月二十二日(火曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長代理理事 冨田  照君    理事 竹谷源太郎君 理事 中曽根康弘君       大上  司君    長尾 達生君       樋貝 詮三君    松本 一郎君       宮幡  靖君    花月 純誠君       河合 義一君    戸叶 里子君       矢野 政男君    田中源三郎君       田中 健吉君    木村  榮君  出席政府委員         臨時人事委員         長       淺井  清君         総理廳事務官  佐藤 朝生君  委員外出席者         会計檢査院長  佐藤  基君         専門調査員   大久保忠文君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十一年度歳入歳出総決算昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算  特殊財産資金歳入歳出決算  昭和二十一年度第一予備金支出計算書  昭和二十一年度特別会計第一予備金支出計算書  昭和二十一年度特別会計予備費支出計算書  昭和二十一年度経済安定費支出調書  昭和二十二年承予備費使用総調正書  昭和二十二年度特別会計予備使用調書承認を求める件)  昭和二十二年度予備費使用調書(その二)  昭和二十二年度特別会計予備費使用調書(その二)(承認を求める件)  國家公務員法第十三條第二項及び地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、臨時人事委員会地方事務所設置に関し承諾を求めるの件(内閣提出)(承諾第五号)     —————————————
  2. 冨田照

    冨田委員長代理 開会いたします。  本日は突然委員長がやむを得ない事情で、まだ出席いたされておりませんので、私が委員長職務を代行いたします。右御了承願います。  昨日に引続いて、昭和二十二年度歳入歳出総決算ほか一件並びに昭和二十一年度第一予備金支出計算書ほか七件を議題といたします。すでに大蔵当局からは大綱の説明を伺つておりますので、本日は会計檢査院立場から決算に対する御報告を承つた上にその後の審議に入りたいと存じます。佐藤基君。
  3. 佐藤基

    佐藤会計檢査院長 昭和二十一年度歳入歳出決算檢査報告につきまして概要を御説明いたします。  この檢査報告は昨年五月改正されました会計檢査院法規定によつて作成されたものてありまして、従来の檢査報告と異なり歳入歳出決算及び國の財産に関する事項のほかに、収納職員の金銭または物品の亡失または毀損に対する弁償責任の檢定、主務官廳に対する改善意見の表示、会計事務職員職務上の犯罪につき檢察廳に通告いたしました。事項及び会計検査院檢査行つておりますところの政府出資團体などに関する檢査事項が記述してあります。また会計檢査院法では常時に檢査をしなければならないことになつておりますので昭和二十二年度に属する事項につきましても、特に記述したものがございます。昭和二十一年度の総決算は、歳入千百八十八億九千九百余万円、歳出千百五十一億七百余万円、また各特別会計決算額合計は、歳入千九百七億七千八百余万円、歳出千七百八十二億五百余万円でありまして、この一般特別両会計決算額を総計いたしますと、歳入二千九十六億七千七百余万円、歳出二千九百三十四億一千二百余万円となりますが、このうち両会計間の重複額や、國債整理基金特別会計における食糧証券の借換え償還額などを控除して歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入千七百六億円、歳出千六百四十八億円となります。  以上申し上げました一般特別両会計決算額のうち、会計檢査院においてまだ檢査が済んでいないもの、すなわち未確認となりました金額が、一般会計におきまして、歳入において五億六百余万円、歳出において二百六十八億千九百余万円、また特別会計におきましては歳入において十七億六千四百余万円、歳出において六億一千九百余万円でありまして、未確認額は一般特別両会計歳入歳出を通計して二百九十七億八百余万円に上ります。これらの未確認となりました金額は本院への証明書類が未だ提出されてていないもの、または本院の質問に対する答弁がまだ來ていないものがありますのと、本院でなお調査中のものがあるためでありまして、その款項の金額檢査報告書附表第一及び第二に掲げてございます。この未確認金額は昨年度の五億八千八百余万円に比べましで、著しく増加しているばかりでなく既往においても未だかつてないほどの巨額に上つている次第でありまして、はなはだ遺憾とするところであります。これは主として終戰処理費におきまして、概算拂い精算遅延のものがあるため、本院においてなお調査せねばならぬものが、きわめて多額に上りますのと、租税その他のもので、証明未済のものがあるためであります。  次に会計檢査院歳入徴収官支出官などの証明するものを檢査いたしますとともに、他方これと日本銀行における現金の出し入れの事実とが符合するかどうかをも檢査しておりますが、檢査の結果、一般会計におきましたは歳入において日本銀行証明額の方が六千余万円多くなつており、また特別会計におけるおもなる不符合といたしましては、財産税等收入金特別会計歳入において二千四百余万円、通信事業特別会計歳入において二億百余万円だけ、それぞれ日本銀行証明額の方が少くなつております。次に会計檢査の結果、会計経理上違法または不当と認めた事項「すなわち批難いたしました事項について申し上げますと、法令または予算に違反すると認めた事項三十四件その他措置当を得ないと認めた事項四十三件、職員犯罪によつて國に損害を與えた事項七件、違法または不当の事項で、本院の注意により是正させた事項九十一件、合計百七十五件でありまして、前年度の三十四件に比較して著しく増加しておりますことは、まことに遺憾にたえないところであります。これら百七十五件の批難事項につきましては、檢査報告書に詳しく記述してありますが、次にこれらの事項を総合して、その概要説明いたします。第一に歳入についてでありますが、昭和二十一年度の收入未済額は一般特別両会計を通じますと、実に百八十六億八千三百余万円に達しております。この大部分租税でありまして、一般会計の分とじで九十九億八千四有余万円へ財産税等收入金特別会計の分として、五十七億千六百余万円で、総額百五十七億余万円の巨額に上つておりまして、その調停済額に対する割合は約二五%で前年度の八%に比較し、著しく増加しております。  また特殊物件收入返納金物品拂下げ代等においても多額収入未済があり、なおこの他に收入すべきもので、まだ納入の告知さえしていないものが相当多額に上るものと認められます。また徴收上の取扱の過誤によりまして、租税價格差益納付金等について徴収不足を生ぜしめたものなどが、多数に上り、この檢査報告に掲載したものだけでも六十九件、九百八十余万円に達しておりまして、國の財政の現況に鑑みますと改善の要緊切なものがあると認められます。次に特殊物件について申し上げます。特殊物件には國が連合軍から正式に返還を受けた奮陸海軍軍需品、すなわち狭義特殊物件と、廃兵器の類のほかに、終戰直後陸海軍がその保有する資材物資を緊急に関係官廳または公共團体などに引渡したもの、いわゆる放出物件とだありまして、これらの三者を包括して廣義特殊物件と称しております。狭義特殊物件につきましては、その処分原則として有償でありまして、無償処分ができますのは、生活必需品などを生活困難な者などに交付する場合に限られておりますにもかかわらず地方公共團体などに無償で交付している事例が少くないのであります。またその賣拂い價格原則として賣拂いのときの公定價格によつておりますが、鐵鋼類等の原材料につきましては、特に終戰時公定價格で各統制機関に賣り拂つておりまして統制機関が他に賣渡しの際に生じた差益の一部で約八億円の價格安定資金を設定させておりますのは、その措置当を得ないものであります。また廃兵器のごときは、その数量價格も決定しないまま、一民間團体である兵器処理委員会に一括して賣拂い契約をしているような状況で、その措置当を得ないものがあります。放出物件につきましては都道府縣または市町村で收納したその処分代金は その処理に要した直接費及び間接費を差引きまして残額は國の歳入に納付する取扱いでありますが、地方廳では、その徴收した代金國庫に納付すべきものを勝手に手元に保管しているもの、または処分代金取立て未済のものがいずれも相当多額に上つております。また直接費として計上した金額のうちには、あるいはこれを寄附金に、または職員に対する慰労金に使用したものなど適当でないものが七件あります。  次に歳出については、第一に、内務、大蔵厚生、農林、運輸逓信各省におきまして、國会の議決いたしました予算の目的以外に経費を使用したり、または他の費目から予算を流用しまして職員官舎等を購入したり、手当等の名目で給與の増加をはかつたり、あるいは職員給食用食糧増産のため多顔経費を使用しているものなど、予算使用当を得ないものが七件ございます。これらのうちには事情の了とすべきものもございますから、そういう類のものは予算に計上して実施すべきものと認められます。第二に、大藏、司法。文部、厚生、商工、運輸逓信各省におきまして、工事施行または物件の購入に当つて年度内完成または納入していないのに、完成または納入したものとして事実を作為して経費支拂つたものなど、措置公明を欠いているものが十三件ございます。このように経費年度区分を乱つたものは前年度檢査報告にも多数掲げられてありますが、これは一つにに予算の繰越しについてその承認手続が嚴重に過ぎることによるものと認められますから、繰越しの承認に当つては考慮の余地があると認められます。第三に、補助費について申し上げます、補助費の二十一年度支出額は一般特別両会計を通じまして二百四十億九千七百余万円に達しておりますが、その使用実績をみますと種々不当の事事がございます。まず專賣局で交付した自給製塩補助金につきましては補助條件に適合しないものに対し、これを交付したもの、または補助の基本となる設備費の査定について当を得ないものが数件ございます。なお自給製塩補助金につきましては、さらに檢査を要するものが相当ありますので、目下その調査を続行中であります。また農林省等における各種の補助金につきましては、事業実施の程度を考慮せずに過大な補助金を交付しましたため、交付を受けた團体において翌年度になつても、その大部分を使用しないで保有しているものが三件、一億八千四百余万円あるなど、措置当を得ないものがあります。第四に、終戰処理費について申し上げます。終戰処理費の二十一年度支出額は三百七十九億二千九百余万円に上つておりますが、うち大部分を占めております工事費及び物件調達費概算拂いによつて支拂われているものが多いのでありますが、その精算は著しく遅延しており、また本院に提出すべき証拠書類を亡失したものがあるなど、措置当を得ないものが多く、前に申し述べました通り、大部分は本院においてなお調査中であります。このように終戰処理費経理につきましては、改善の要切なるものかあると認めております。次に、國の財産に関する事項につき一言いたします。物品経理につきましては“従來現金に比して軽視された傾きがありまして、物品出納簿記帳整理も十分でなく帳簿外物品を保有しているものがあるなど、措置当を欠くものが少くないのでありまして、物品経理は今後特に注意を拂う要があると認められます。また土地建物等いわゆる國有財産として整理してあるものの管理等についても妥当を欠くものが数件あります。なお、会計檢査院法その他の法律によりまして会計檢査行つております團体について、檢査の結果措置当を得ないと認めましたものは、庶民金庫及び日本蚕糸統制株式会社に対するもの二件であります。  また出納職員現金及び物品を亡失しました事実に対して、二十三年二月末日までに百一件、二言余万円に対しその弁償責任の有無を檢定いたしました。さらに会計事務職員職務上の犯罪があると認め檢察廳に通告した事項が二件、法令制度または行政に関して主務官廳改善意見を表示した事項が四件ございます。以上申し述べました事項の具体的な事案につきましては、この檢査報告によつて御了承願いたいと存じます。以上をもつて説明を終ります。
  4. 冨田照

    冨田委員長代理 ただいま会計檢査院長から御報告がありましたが、これにつきまして御質問がありましたら御発言を願います。
  5. 木村榮

    木村(榮)委員 ちよつとお尋ねしますが、今農林省補助費の中で不正なものが二、二件あつて一億何千万円という御報告があつたのですが、その例はどんなものでございますか。
  6. 佐藤基

    佐藤会計檢査院長 檢査報告をおもちかと思いますが、その檢査報告に出ております。
  7. 河合義一

    河合委員 檢査院からいただいた報告でありますが、各議員ボツクスに配付ざれたものと思うのでありますが、ないのがある。私も今朝同僚議員ボツクスから書類を一冊も持出していない人の書類を調べましたところが、一部だけ出てきましで大事な書類がないのであります。これは配付するときに注意して配付してもらいたい。こういう審議をいたしますときに差支えますので、決算委員だけは特別に配付するようお願いいたします。実は私も困つておるのです。検査院の方で余冊があつたら一時拝借しても結構です。
  8. 冨田照

    冨田委員長代理 印刷物の件は委員長の方から連絡をとりまして、ありましたらお手許に差上げるようにいたします。
  9. 木村榮

    木村(榮)委員 僕らはいまの報告書とかなんとかいうものをもらつてないのです。
  10. 戸叶里子

    ○戸叶委員 私も探してりみたけれどもございません。
  11. 冨田照

    冨田委員長代理 そうすると必要な書類の配付がないために御質問に非常にお差支えになるようですが“今日の質問ばどういたしましようか。この決算につきましてはただいま皆様方からお話のありました書類不備の点もございましようが、これは連絡して配付するようにしていただくことにいたします、それと同時にいずれこれは各貧からお出しになりまして御説明があるわけでありますから、今日は一般的にただいま会計檢査院長から御説明になりました部分に対する御質問を願つておきたいと思います。
  12. 河合義一

    河合委員 ただいま報告を聽きまして、実は檢査報告が前年度に比しまして多いのに驚いたわけであります。しかしそれにいたしましても私はまだまだ他にもこういう間違つた事実があるのてはないかということを危惧するのであります。終戰当時において軍が保有しておりました品物を放出したことに関しましては、ただいま御報告がありました件数ですべてのものであるということを承知してよろしいのでありましようか、それは一部分にすぎないのか、その檢査が全國的に行渡つた結果としての件数でありましようか、まだ他にもたくさんあるのでありましようが。私は自分の住んでおります土地において起つた事柄についてもよく知つておりますが、事はささいでありますけれども、けしからぬ事件がたくさんあるのであります。そういう事柄はただいま御報告なつ件数のうちにはないと思います。会計檢査院としてただいま御報告なつ事件以外にまだあるというお見込みでありましようか、檢査が徹底的に全國に行渡りました結果あれだげの件数であるのてありましようか。その辺のことをお伺いいたしたいのであります。
  13. 佐藤基

    佐藤会計檢査院長 会計檢査院といたしましては、最近におきまして國費も非常に殖えております。その國費が国民の非常に重い負担において支出されておる。そういう見地から國民のためにできるだけ詳細に檢査をやつております。ただ会計檢査院といたしましては、定員のあることでありまして、その能力の限度においてやつでおります。それに関して申し上げたいのでありますが、前の憲法時代におきましては、会計檢査院職員は大体三百人くらいでありました。ところが憲法が改正になりまして、会計檢査重要性が認識されたと申しますか、現在におきましては定員約千二百人おります。そういう関係で急に定員が増してその多くの定員を十分活用して檢査をしてまいつておるのでありますが、御承知通り会計檢査という仕事は、相当の熟練を要します。そういう意味におきまして定員が急に四倍になつたから四倍の檢査ができるかというと、それまではいきませんので、職員養成を今一生懸命やつておりますから、この職員養成完成し、檢査に慣れてくればもつと現在より完全な檢査ができますが、先ほど申し上げました檢査は、現在の職員の数でその能力の範囲でできるだけの檢査をした。その結果こういう檢査報告がてきたというふうに御了承願いたい。
  14. 河合義一

    河合委員 ただいまの御答弁でよく事情がわかつたのでありますが、そういたしますと、全部行き渡つて檢査ができていないということをお認めになつておるように拝承いたしたのてあります。そこでひとつ檢査院長のお見込みては徹底的にやりましたらどのくらいあるでありましようか、その見当はつかんでしようか。
  15. 佐藤基

    佐藤説明員 どのくらいと言われても、実は困るのてありまして、殊に御指摘になりました特殊物件につきましては「終戰直後からの問題でありまして、当時われわれ会計檢査立場から申しますと、帳簿とかその他のものが非常に不整理である。またあるものは証拠書類が燒けておる。そういう関係てわれわれの方も職責上できるだけの檢査をいたしておりますけれども、なかなか檢査できない分があります。なお世間て問題になつておるのは、その特殊物件が、主として内務省てありますが、内務省府縣から拂下げる、拂下げを受けたものから第三者に移るときにおきまして、いろいろな事件があるように聞いております。そういうふうなすでに政府の手を離れたものについてはわれわれは檢査権限がない。これは問題は檢察廳の問題でございます。そういう事情でございますから、特殊物件檢査が非常に困難であります。ただ特殊物件について世間て問題になつておるのは、拂下げ後においての問題も少くないという点を御了承願いたいと思います。
  16. 河合義一

    河合委員 終戰当時陸軍なり海軍がもつておりました品を、軍の経理の係と民間の者が結托いたしまして略奪同様なことを各地でやつたのでありますが、そのいうことはお調べにはなつていないのでありますか、この報告にありますか。
  17. 佐藤基

    佐藤説明員 そういう部分も若干はこれに出ております。はつきり掠奪という字は使つておりませんけれども、そういう部分に触れた点も若干あります。
  18. 河合義一

    河合委員 そういう事柄がたくさんあるということは御承知なんでありましようか、御存じないのでありましようか。
  19. 佐藤基

    佐藤会計檢査院長 それは現実にそいうう事実があつたかどうかということは存じませんけれども、そういううわさが非常に多かつたということは存じております。従つてそういううわさも全然虚偽のことから起つたのではなく、そういう事実があつたのであろうということは推定できます。そういう意味におきまして極力檢査いたじたいと思います。
  20. 中曽根康弘

    中曽根委員 先はど農林省補助金の件が出ましたが、各省とも補助金の問題は相当大きな問題が内在しておると思いますが、会計檢査院でわかつておりましたら各省の二十年度に支出された補助金内容についての資料を御提出願いたいと思います。
  21. 佐藤基

    佐藤会計檢査院長 今の資料の点でありますけれども、これは会計檢査院が出すのか、各省が出すのか、各省から出してもらつた方が適切ではないかと思います。
  22. 冨田照

    冨田委員長代理 ただいまの中曽根委員からの御要求は各省にお願いして資料を提出していただきたいと思います。     —————————————
  23. 冨田照

    冨田委員長代理 それではこれから審議中であります国家公務員法第十三條第二項及び地方自治注第百五十六條第四項の規定に基き、臨時人事委員会地方事務所設置に関し承諾を求めるの件、これを議題といたしまして前会に引続いて質疑を繼続いたしたいと思います。
  24. 河合義一

    河合委員 この際はなはだうかつなお尋ねをするようでありますが、ひとつ教えていただきたいと思います。実は私はけさ登院いたします際に九時前後の省線電車に乗つたのでありますが、ほとんど息が詰まるくらいの人が乗つております。毎朝九時前後をラツシユ・アワーと申しますがこれは鉄道アワーではないかと思つたのであります。無理押しをして乗らなければ乗り得ないような状態であります。よく考えてみますと、これは出動時間の九時を前後といたしまして役所に出勤する人が多数電車に乗る結果だろうと思います。その点から察しましても、私たちがときどき官廳へ出ましてその実際を見ましても、お役人の出勤するのは九時を過ぎております。そうして十時になつて執務をしていないどいう事実をよく見るのであります。このたび國家行政組織法という法律審議されておりますが、すでに國家公務員法内容についての役人に関する法律ができておるのであります。私は各地え参りまして國民の声を聽きますのに、役人が多過ぎるということをどこえ行つても聽くのであります。從つて行政整理ということは國内の各地でやかましく言われております。陳情書が多数参りますが、すべでそのことに関する陳情書であります。今申し上げましたように、大体十時かち仕事をするのでしようが、役所では午前中二時間、午後は一時から執務しまして四時にはすでに退廳をいたします。よく見ましても五時間より働かない。われわれ農村におるものは、食糧一割増産ということで一生懸命にやつておる。これが五時間や六時間働いておつたのでは、増産はできません。朝から夜までタバコも吸わないようにやらなければなかなか農業というもつのはやつていけない。ところが一方においては國民七人に対して一人の役人があるということがいわれておりますが、その役人執務ぶりを見ましたならば、いま言つた通りであります。一体これはどういうことで規正されるのでありますか。國家公務員法には採用をする場合の試験とか、いろいろのことが規定されておりますが、働きぶりについての何か取締り——それはむずかしいことではなぐ、明日からでもできることでありますから、働きぶりについでの單行の法律をこしらえてもいいのではないか。食糧にいたしましても、アメリカから入れてもらつて、ようやく飢えをしのいでおる。現在まではぞの代金支拂つておりませんが、きようの新聞紙を見ますと、これからはアメリカ代金をもらわなければならぬということを申しておるのであります。そういうことを考えましたならば、ただいますべてのことはなみなみならぬむずかしいことになつておりますので、國民一人々々がよく働かなければならぬのでありますが、役人働きぶりについては國民は非常に不満をもつておる。これは人事に関することでありますが、どういうお考えをもつておられるのでありましようか、何かお気づきになつておりましようか。お気づきになつておればお考えを承つておきたいと思います。
  25. 淺井清

    淺井政委員 ただいまの御質疑の趣旨はまことに御同感にたえませんし、はなはだ恐縮にも存じておる次第でございますが、これは申さば、公務員の心構えの問題でございまして、ひとり人事委員会だけの問題ではなくして、すべての行政機関において十分その点を規正すべきものと考えております。その点におきまして七月一日から國家公務員法施行されますれば、ただいまの御指示に合するような方向には十分心して努力いたすつもりでおります。
  26. 河合義一

    河合委員 七月一日からその法律施行されましたならば、こういうことがなくなるであろうというお話でありましたが、これにまつたく期待いたしましても間違いはないでありましようか。私は國民にこのことを報告したいと思う。みんなはそういう不満をもつておるけれども、七月一日から決してそんなことはなくなるということを申して差交えないでありましようか。
  27. 淺井清

    淺井政委員 七月一日からと申しましたのは、國家公務員法施行の期日を申しましたのでございまして、人間の心構えと申しますものは、決して法律施行だけではよくならない、これは不断の努力を要するものということは、もちろん私の御説明の前提といたしたわけであります。七月一日から一遍にさように相なるということは遺憾ながら申しかねると存じますが、その辺はどうか悪しからず御了承を願います。
  28. 河合義一

    河合委員 そういうむつかしい注文をするのではありませんが、これは何か方法を考えてもらわなければならぬ。これはむつかしいことではない、その心懸けになりましたならば、明日からでもやれるのであります。そういう人事に関することを何かお考えになつておるのでありましようか。
  29. 淺井清

    淺井政委員 その点はすべての点にわたりまして十分心し、またこれに対していろいろ準備もいたしておりますが、ただいまここで具体的にまだ申し上げる段階には至つておりません。
  30. 田中健吉

    田中(健)委員 人事委員設置承諾案に関連しまして、ちよつとお尋ねいたしますが、あれは全国全部では二百何十名でなかつたですか、定員は全部で二百二十名くらいだつたのでしよう
  31. 淺井清

    淺井政委員 それは一箇所二級官一名、三級官三名、それに相應ずる若干の雇員もあると思います。
  32. 田中健吉

    田中(健)委員 それは各地に設けるのを全部合わせて二百何名ですか。
  33. 淺井清

    淺井政委員 八箇所であります。その全部で二級官三名、三級官二十四名であります。
  34. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると、総理廳の臨時人事委員会職員の募集をやつていますが、あれは試験は二十七日ですね。あれは全國の試験ですか、あるいは各地て試験をやるのですか。
  35. 冨田照

    冨田委員長代理 ちよつと速記を止めてください。     〔速記中止〕
  36. 冨田照

    冨田委員長代理 速記を始めてください。
  37. 田中健吉

    田中(健)委員 私のお尋ね申し上げましたととは、今度募集するのは、三百人ですか。
  38. 淺井清

    淺井政委員 そうであります。
  39. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると、三百名が二箇月の訓練を受けて、そしてそれが全国八箇所の地方人事委員会の事務所に配置されることになるわけですか。
  40. 淺井清

    淺井政委員 そうではございません。当分の間全部東京の本部において使う予定でございます。
  41. 田中健吉

    田中(健)委員 そういたしますと、地方はどうなりますか。
  42. 淺井清

    淺井政委員 地方は、ただいま申しましたように、当分一箇所二級官一各、三級官三名程度でよろしいようになつております。
  43. 田中健吉

    田中(健)委員 私はその点が合点がいかない点です。そういたしますと、今回二十七日に試験で採る、その採つた者が訓練されて、それが臨時に全國の人事委員会の幹部として配置されるのでしようね。そうじやないですが。
  44. 淺井清

    淺井政委員 当分は東京で使うことになつております。
  45. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると地方で募集した者もやはり東京で使うのですか。
  46. 淺井清

    淺井政委員 そういうわけでございます。
  47. 田中健吉

    田中(健)委員 その使うということは訓練するという意味ですが、
  48. 淺井清

    淺井政委員 訓練もこちらでいたしますが、勤務地といたしましても東京でございます。
  49. 田中健吉

    田中(健)委員 地方で募集して、地方で試験もやられて、三百名東京へ集めて東京で使うことになりましようが、いろいろな宿舎の関係もあるでしようし、給與関係もあるだろうと思うのですが、その辺は東京で訓練しておつて地方事務所委員会の幹部として配置するという意味でやつておるのではないですか。そうでしよう。
  50. 淺井清

    淺井政委員 そうではございません。これはすべて大体東京で使うのでございまして、地方といたしましては、ただいま申しました二級官一名、三級官三名、この程度の事務所で当分はよろしいわけでございます。
  51. 田中健吉

    田中(健)委員 今度募集するものは、それにもかかわらず地方から募集する。そういうことになるのですか。
  52. 淺井清

    淺井政委員 そういうことになります。
  53. 田中健吉

    田中(健)委員 それはどのくらいの比率になつておるか。
  54. 淺井清

    淺井政委員 これは非常に應募者が多うございまして全國において約六千人近くの應募者がただいまございます。殊に私ども驚きましたのは、おそらく四國の高松で試験をやりましも、勤務地は東京でもあり、應募君がほとんどあるまいと思つておりました。ところが四國の高松における試験においては約五百名の應募者を出しております。
  55. 田中健吉

    田中(健)委員 もう一遍お尋ねいたしますが、実は二十万円の廣貸費をかけて、全國の有力な新聞に出して、六千名の應募者が出た、それはわかります。しかしながらこの廣告はどういう御方法をとつたのか私わかりませんが、昨日は締切りでございます。本日あたりも應慕いたしたい者がたくさんあるそうでございます。そこでこの廣告が不徹底じやなかつたのではなかろうかと思います。ただ新聞だけか、その他でもやつたのでございますか。
  56. 淺井清

    淺井政委員 新聞とラジオで廣告をいたしました。
  57. 田中健吉

    田中(健)委員 新聞とラジオですね。そういたしますとまつたく一般から募集するものであつて、現在官吏になつておる者、あるいは現在官公吏として奉職しておる者の中からは募集するようなことは全然やらなかつたわけですか。
  58. 淺井清

    淺井政委員 そういうことはいたしません。
  59. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると現在の官公吏からとらないという方針でございますか。
  60. 淺井清

    淺井政委員 これは新しい採用をめざしておるものでありまして、二種にわかれておりまして、専門職員と一般事務職員、こういうことになつております。
  61. 田中健吉

    田中(健)委員 優秀なる官吏を求めるという御趣旨はよくわかります。しかしながら優秀なる職員を求めるということになりますと、現在奉職しておるところの官公廳の中にもきわめて優秀なる人材が多数おるのでございうして、この間の募集の方法では不徹底であります。それから一般の新聞廣告で募集してきたというものは、從來官吏でなかつた者、官吏をやめておつた者、大体において大量の失業群の中から應寡者が多かつたのではないかと思います。そこでそれだけの募集方法によつて、はたして諸君の望むがごとき優秀な者が、その六千人の中から求められるかどうかということになりますと、私はまだこれは不徹底でなかつたかと思います。そこで優秀なる官吏を求めるとするならば、朝野を問わずその募集の廣告を徹底せしめる必要があつたのではないかと私は思います。私はまだ東京にどれほどの人間が應募しておるということをつまびらかにいたしておりませんが、しかしながら昨日あたりも、四、五十名の應募者が皆さんの事務局に押しかけておると、いうことを、私は耳にしております。そこでその人物はどういう人物であつたかということを聽いてみたところが、よい者もおるだろうけれども、仕事にあぶれておるような、相当ないかさまの者も多いように見受けてきたと言つております。  そこで一まとめに申し上げますならば、廣告が不徹底であるということ、廣く求める方法がとられておらないということ、そこで試験の期日を、二十七日のものを再延長して、もう少し官界からもとるということにしたらどうか。しかし現在の官公吏からはとらないということであれば別であります。どこまでも官公吏以外の一般からとるということであれば別でありますが、それはやはりあの六千人の中からお選びになるつもりであるか。その点を御答弁願いたいのであります。
  62. 淺井清

    淺井政委員 これは最前申し上げましたように、新しく官吏になるものをめざしておるのであります。現在官吏でございますものは、この試験ではなくて、むしろ轉勤の形をとつて人事委員会に來るようなかつこうでございますから、採用試験の形はとらないものと考えております。これは別途の者でございます。しかしこの試験を受けることは別に拒まないのでございます。
  63. 田中健吉

    田中(健)委員 それでは採用試験によつて他の官廳から本廳に來るであろうといつてみたものの、しかしそれは募集の定員というものもあるでしよう。そうすると三百名現在募集いたしまして、他の方から來るという予定はどのくらいにつけておりますか、あとの六百人がそれですか。どうなんですか。
  64. 淺井清

    淺井政委員 これはただいま申し上げましたように、これまで官吏の経験をもたなかつたものの採用試驗という意味であります。それから他からの轉任で人事委員会の職員を充填するかどうかということとは全然別問題でありまして、この試験の中にははいつておりません。
  65. 田中健吉

    田中(健)委員 お伺いいたしますが、今度の募集の方法は新聞その他ラジオでやつた。募集條件は私は新聞の記事を見ましたけれども抽象的であつてよくわかりません。募集の條件はどういう條件で募集しておいでになるのであるか。それから訓練はいかなる方法によつて訓練するものであるか。当然試験制度というものを採用するのではなかろうかと思うのであります。そこでその試験の内容——問題の内容ではありません。試験は從來の官吏たるべき職員の募集の際における内容とは、どの程度特異な点があるかといつたような点、それから訓練中の給與の問題はいかなる方法をとるか。それからせつかく募集に應じて東京に参りましても、宿舎がないとかなんとかいつたようなことで集國訓練をなさる御意思があるのか、将來において各自思い思いに知人、友人、あるいは親類、あるいは兄弟の所に一應寄宿せしめて、そこから通わして訓練をさせるというのであるが、またこの募集に應じて新しく人事委員会の職員なつたものは、将來の身分の点において、従来の官吏とどういうような差異が生ずるものであるか、差異が生ずべきものでなかろうと思いますけれども、とにかく新しい方法によつて募集された官吏であるから、何かそこに育て方、あるいは昇進その他においては何らか差異があるかどうか。それらの四、五点について御説明願いたい。
  66. 淺井清

    淺井政委員 いろいろ御質疑が多岐にわたりましたが、募集の條件についてただいまここに書いたものがございますから、あとで事務局長から申し上げることにいたします。  次に訓練の大綱でございます。これはいわゆる新しい國家公務員法の趣旨に從つた特殊の訓練が施されることになるわけであります。現にただいま第一回の訓練が終りましたが、それは二箇月かかつております。これは関係方面において講師を派遣してくれまして、非常に成功をいたしております。それからなお、この配置につきましてからあとにも訓練が続けられて、より一層専門化した訓練が続けられておるわけでございます。その訓練の内容はちよつどここで一々申し上げかねるのでございますが、いわゆる人事管理ということのきあめて新しい知識を普及し、将來それでもつて動いていくようになる、そういうことでございます。それから研修は東京に集めて一箇所で行う予定でございます。その間は手当を支給いたします。その額等は事務局長からただいま御説明を申し上げます。それからこの研修が終りますと、人事委員会の事務局へ配置されるわけであります。ただ最後に申し上げたいことは、そのようにしてとりました官吏は、これまでの特殊の方法によつてとりました官吏ではございません。一般の官吏と将來においては全然違いございません。すでに行政科におきましては高等文官試験というものは廃止されておりまして、全然関係はございません。ただ、御参考までに申し上げますと、第一回の募集をいたしました者を、研修のあとて最後に試験をいたしまして、その結果、大学卒業生であつて三級官にならずになお当分雇員に残つておる者もございますれば、中学卒業生であつても、そのやりました試験に優秀なる成績をあげ、ただちに三級官になつておる者もあるような状態でございます。その将来に対しましては全然違いはございません。
  67. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 ただいま委員長から御説明いたしましたこと心補足して、このたびの試験の受験資格等について申し上げます。このたびの試験は甲種職員の試験と乙種職員の試験とございまして、甲種職員は将來人事行政の專門事務を担当する職員であります。乙種職員は一般事務を担当する職員てございます。甲種職員の方の受験資格といたしましては、大学または高等專門学校卒業の者、中等学校卒業者でもこれと同等以上の知能があればよろしいということになつております。專攻学科は法科、経済科、文科、理科、工科、医科、農科その他何でも差支えないことになつております。経験の有無を問わない。年齢は三十五歳未満の人を希望するということになつております。乙種職員の方は、中等学校卒業の者でありまして、甲種と同様に、経験の有無を問わない、年齢は三十歳未満の人ということになつております。  それから、ただいま研修中の手当のことについて御質問がございましたが、研修中は、おのおのその学歴に應じまして大学卒業者、高等專門学校卒業者、中等学校卒業者に対して、一般の官吏に支給する額よりも少し少い程度の給與を支給するつもりであリます。大体この前の研修におきましては、大学卒業程度で一箇月二千二百円程度を支給しました。
  68. 田中健吉

    田中(健)委員 三十五歳以下ということになつてつて、下の方は二十歳と聞いておりますが、この年齢はどういうわけで上の方は三十五歳となつて下の方は二十歳となつたのてありますか。それから妻帶者もやはりとつておりますか。全部未婚者でありますか。
  69. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 乙種の職員の方は三十歳でございます。最低は変つておりません。大学卒業者とか、高等專門学校卒業者とか、中等学校卒業者という條件があるものですから、それで自然條件がつくわけになります。妻帶の有無はもちろん問いません。
  70. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると学校を出なければならぬということが一言條件になつておるのですが、学校を出なくても、政府職員あるいは地方公共團体職員を永くやつてつて、その点で、國家の試験制度には合格しておりませんけれども、学校を出た者よりも優秀であると認められる者の登用の途はないのでありますか。
  71. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 学校の卒業の関係、一應中等学校卒業というのを最低の標準にいたしておりまして、甲種職員でありましても、一應は大学、高等專門学校卒業程度といたしておりますけれども、自分で自信がありまして、大学、高等專門卒業と同じ知能があるという自信のある者は甲種職員の試驗を受けてもいいということになつております。
  72. 田中健吉

    田中(健)委員 現在まりで訓練は何回おやりになつておりますか。今度の二十七日というのは何回目でございますか。
  73. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 試驗の方は、今年一月十五日に第一回をやりまして、このたびは第二回であります。訓練も、一月十五日に試驗に合格した者を三箇月にわたつて訓練をやりまして、このたびの試験に合格いたしました者を訓練いたしますのは第二回であります。
  74. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると、一月の第一回の訓練をなされたつのは、集團的にどこかに寄宿させてやつてつたのですか。それともばらばらに通わせてやつてつたのですか
  75. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 一月十五日に行いました試驗は、東京で行いまして、大体東京に住居がある者がおもであります。それから各省から派遣された者がおもでありまして、これは宿泊講習はやりませんで、千代田ビルの一番上の講堂でやりました。
  76. 田中健吉

    田中(健)委員 宿泊の関係はどうなつておりますか。
  77. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 宿泊はみな自分の家から通いました。
  78. 田中健吉

    田中(健)委員 やはり二箇月の訓練でございますか。
  79. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 百日てございます。
  80. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると、実際に配置なさつたのはいつごろでございますか。
  81. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 実際に配置いたしましたのは、講習が五月十五日で終りまして、五月下旬だと思います。
  82. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると、一月にやはり三百名の募集であつたのですか。
  83. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 一月は二百二十名でございます。
  84. 田中健吉

    田中(健)委員 それでどのくらいの應募者があつたのですか。
  85. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 千ちよつと超えた程度であります。
  86. 田中健吉

    田中(健)委員 そういたしますと、二百二十名訓練して、二百二十名全部が採用になつて配置さわたのですか。
  87. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 二百二十名全部配置したことになるのでありますが、途中でやめたのがありまして少し減りました。これは自発的にやめましたので、こつちからやめさせたのはありません。
  88. 田中健吉

    田中(健)委員 成績が悪いとかいうのではなくて、自発的にやめたのてす
  89. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 自発的にほかの所へ就職なんかしましてやめたのはございました。
  90. 田中健吉

    田中(健)委員 成績の悪かつたのは一人もいなかつたということになるのてすか。
  91. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 成績のよい者から事務官、嘱託にかわつて臨時職員といたしまして、成績の比較的悪い者は雇として採用いたしまして、試験によつて不合格になつたものはござでいませんでした。試験の成績等もあまり悪いものはございませんでした。
  92. 田中健吉

    田中(健)委員 そうすると、新しい方法によつて募集されて訓練を受けて、そうして訓練所を終えて採用される、そのときに、いろいろと勉強の努力のしぶりによつて差が生じますね。そうすると、その差が採用されたときから計算して将來に回復できますか。その点はどうですか。どこまても差が生じていくのですか。
  93. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 それは、採用してから、今度の國家公務員法の建前で、勤務成績の評定というものをやることになりますので、それがどこまで影響するかちよつと申せませんが、一生あとあとまでまつわるということはないと思います。勤務成績がよければ、またはいりましてからいろいろ昇進試験もございますから、そういう試驗に合格すれば上の方の地位にもいくことができます。
  94. 田中健吉

    田中(健)委員 先ほどの政府委員の御説明によりますと、大分結果が成績がよろしいような答弁でございましたが、まだ経驗は一箇月そこそこでございますけれども、その短期間における顯著なるよいところはどこでございますか、その点をお漏らしを願いたいと思います。まだでき上つたばかりで成績を聽くのはどうかと思いますが、しかし大体十日から二十日一緒になつていればいいところが目にはいるのではないかと思うのであります。その点をお漏らし願いたいと思います。
  95. 淺井清

    淺井政委員 ちよつとそれはむつかしい質問でございまして、われわれはまだ経験が短いものでございますけれども、大体において職員一同にはわれわれのやることは非番に新しいことであつて、新しい官吏制度をやるのだという意識は十分與え得たと思つております。それからなおこの人事行政というものが、これまでのようなただ單なる考えではなぐて、一つの科学になつておるのだ、サイエンスになつておるのだというような氣持は全部もつておるようでございますから、今後非常に合理的に人事行政が動いていく上に役立つものと思つております。
  96. 田中健吉

    田中(健)委員 思想的傾向はいかがでございますか。将來においてたとえば共産主義的思想を懐く者が多いか、社会主義的な傾向の人間が多いか、あるいは資本主義的な傾向、の者が多いか。もちろんそういう特定の主義、主張をもつて訓練をしておるのではなかろうと思いますけれども、しかしながらそういう訓練所を出ると、各自のもつところの自由な考え方によつて、そういう思想傾なはわかるのではないかと思いますが、諸君の今日までの経験によりますと、どういうふうな傾向をとつておるか。その点どうですか。最初から採用するときに特定な考えをもつてつた者はとらぬという建前で思想傾向の調査行つておるのか。それともそれ峯のまま訓練して、本人が共産主義者になろうが、社会主義者になろうが、何になろが一向かまわぬといつたようなことになつておるのか。そして現在卒業した諸君はどういうような考え方の者が多いか。こういうことについてお伺いしたいと思います。
  97. 淺井清

    淺井政委員 その点は特に調査したものはございません。また私どもはそういうことを特にある特殊の目的をもつて調査いたそうとも思つておりません。これは憲法の趣旨に則りまして、また國家公務員法の精神に則りまして、各人の信條、宗教は各人の自由でありますから、私どもは特殊の目的をもつて職員の思想傾向を特に調査したといという氣持はもつておりません。
  98. 田中健吉

    田中(健)委員 次に先ほどの御説明によりますと、地方人事委員会の職員地方において募集する場合には、弁護士会長が委員長になるとかいろいろなことをお伺いいたしましたが、それはどなたがどういう方法によつて地方の試驗委員をお選びになつたものか。何人くらいで試驗委員会を構成しておるものであるか、お伺いいたしたいと思います。
  99. 淺井清

    淺井政委員 これらは人事委員会で最後にきめたものでございますが、これは一人でございます。その下に事務をいたします者は、人事委員会において職員を派遣いたすことになつております。これはいわばその地方の試験の責任者、代表者というかつこうでございます。
  100. 田中健吉

    田中(健)委員 そうしますと、たとえば東京において試驗する場合には、やはり民間人が一人、それから皆さんの事務局から試驗官とても稱すべき者が出かけて行つて、そうして試験をやるという措置でございますか。
  101. 淺井清

    淺井政委員 東京は人事委員会が直接にやることになつておりますから、ただいまお尋ねのような制度はとつておりません。ただいまのは東京を除きました地方のことでございます。
  102. 田中健吉

    田中(健)委員 そうしますと、東京は人事委員会の事務局が直接にこれをやる。地方は弁護士会長なり、あるいは教育会長がやる。地方はそういう方方を依頼してやることが民主的、東京は直接にやることが民主的だとすると、その辺何だか合点がいかないのでありますが、それはどういうわけでありますか。
  103. 淺井清

    淺井政委員 これは人事委員会のもつております他の行政部門から切離された独立制によつておりまして、これに人事委員会が新しい官廳でありますし、國家公務員法の趣旨に基いて独立性をもつておりますから、これをもつて從來のいわゆる官僚的な機構とは見なかつたのであります。
  104. 木村榮

    木村(榮)委員 中央で檢査をやる場合にテキストか何かあると思いますが、そういうものを参考書としてお出し願えませんか。
  105. 淺井清

    淺井政委員 第一回の研修の場合には、テキストが間に合いませんで、第二回のものを編纂いたしております。それはでき次第お手もとに差出せると思います。
  106. 木村榮

    木村(榮)委員 今の田中委員とも関連いたしますが、東京を除く八箇所でありますか、今度採用いたします職員の場合に東京の委員会から委任を受けました各地方の試験委員長と申しますか、そういう人が結局最後の決定権をもつておるものでありますか、それともそれは東京の委員会にあるのでありますか。
  107. 淺井清

    淺井政委員 最後は人事委員会議と申しますか、そこでやることになつております。
  108. 木村榮

    木村(榮)委員 そうするたとえば福岡何名、仙台何名、函館何名というような割当は今のところないわけですね。募集の割当は……。
  109. 淺井清

    淺井政委員 募集の割当はございません。
  110. 木村榮

    木村(榮)委員 そうするとただ形式的に民主的な理想をやるだけで、各地方の弁護士会とか何とかいうもので、ただ頭数を並べて、そこから募集されたものは東京委員会に集つて、全國六千名のうちから最後に三百人なら三百人を決定するということになるのですか。
  111. 淺井清

    淺井政委員 それはさいぜんも申し上げましたように民間人が試驗を担当いたしますことによつて、官吏が國民の公僕であるという思想を地方民の頭によくしみこませてもらいたい、こういう考え方がありまして、ただいま仰せのように、それではまことに不十分だというおしかりもあろうかと思いますが、私どもの考えはただいま申し上げた通りであります。
  112. 木村榮

    木村(榮)委員 しかしながら私が承つておりますと、ただ單に決定権も何もないものが、試驗委員という名称と申しましようか、そういうものをもつておるだけで、答案なら答案を審査をして、適当と認める、そうして最後の可否を決定するという権限はないわけですね。
  113. 淺井清

    淺井政委員 そうでございます。しかしながら私どもの考えといたしましては、この点に將來非常によい結果をもたらすことと考えておるのでありまして、つまりこれらのいわば地方の名望家というようなものが、この國家の役人の試驗に当られるということは非常によい結果を與えるものというように考えております。
  114. 木村榮

    木村(榮)委員 非常におかしな話であつて民間から選ばれた委員会というものによつて、そういうものが拘束力をもつならわかりますが、むしろこういうことは地方の分子が一々出かけてきて、要らぬおせつかいをして、むしろ賄賂、差金をやつて不正をやる仲立をするような危險が日本の現状では考えられるが、しかも決定権も何もないのに、名前だけ出して民主的になるというのは、どういうわけで民主的になるのか、その解釈がわからない。そういう地方の人間として名前を出すことが民主的な採用方法であるというに至つては、どう全然私にはわからない。
  115. 淺井清

    淺井政委員 これは御意免の相違でございまして、ものは疑えばいくらでも悪く考えられるものでございます。私たちの考えておりますところは、さいぜんから申し上げた通りでございます。
  116. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますと、結論的にその弁護士会長だとか、いろいろな方は具体的にどんな仕事をやるわけですか。
  117. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 お答えいたします、今度の試験にはこちらからもたくさん係員が行きますが、それらの監督をいたしましたり、また試験場におけるいろいろな監督のことについて責任を負つてもらうものであります。
  118. 木村榮

    木村(榮)委員 監督といいますと、たとえばカンニングをやるとか、本人と違つた者が來るとかいうふうなことだと思いますが、そういうものは何か特殊な肩書忍つけた委員長というものが行かなければならぬものじやないと思うのですが、なぜそういう人にそういうことをやらせなければいけないのか。その根本的な御見解を承つておきたいと思います。
  119. 淺井清

    淺井政委員 それがただいまたびたび繰返し申し上げましたところでございまして、もう申し上げる言葉もないのでございますが、私はこういう制度が新しい日本の將來の官吏募集の方法としてよいものと考えておるのでございます。その権限云々にうきましては、私はむしろ枝葉末節の問題であろうと心得ております。
  120. 木村榮

    木村(榮)委員 そうしますと、地方の顔役を試驗場へ侍らしておくということが、官吏を民主的に採用するわけですね。あなた方の御解釈はこういうことなんですか。
  121. 淺井清

    淺井政委員 顔役であるかどうか存じませんが、私はこの制度によりまして、地方民の頭に官吏が國民の公僕であるという観念を植えつける上に非常に役立つものだと思つております。
  122. 田中健吉

    田中(健)委員 政府の御答弁を聽いておりますと、何のために一人の試驗委員長だか何だかを置かなければならぬのかという、その心事のほどがわからないのです。ただ向う様から言われたからこういうふうに置かねばならぬとうようにとれるのてあります。それではとてもわれわれは承認案を承認するこどができないことになるのでございまして、それはどういう権限をもつておるか。その政府から任命されている人間がいかなる監督権をもつものであるか。試験の全般を指揮するところの人間であるかどうか。そういうものが何をやるものであるかということが、きわあて不明瞭でございます。そこで地方に今度そういう事務局が設けられまして、そういう人たちが出て試驗をやるということになりますならば、それは何をやるものであるかということがきわめて明瞭にならない限りにおいては、地方にそういう組織をもつということについて、われわれはとうていあいまいな状態においてその案を承認することはできないことになる。その意味においてこれを明確にしてもらわなければならないと思う。  それから事務局からいろいろな職員募集の申込書のようなものが出ておりますが、その中に何のためにこれだけの項目がこのように書かれておるのであろうかということについても、われわれとしてはきわめて納得のいかない点があるのでございます。一例を申し上げてみますならば、試驗を受くべき受驗者がこの職員を志望するということについて、親族以外の者三者の証明書みたいなものが必要であるから書いてよこせといつたようなことも、あの中にあります。一番よく本人を知つているのは一番身近な者である、それから最も近い交際をもつている人間でなければならないはずである。そうしますと、最も近い交際をもつている者の証明と、まつたく生活をともにして性格なり、癖なりをよく知つている親族なり、そういうものの証明と、その他一般的な証明と三つの証明がなければならぬはずである。そういういろいろな点において私は新しい新しいと言うけれども、事実皆さんから言われてみても非常に納得のいかない点があるのでございます。私のお尋ねに対しても諸君はどうも納得がいかないような顔をしておるようであるけれども、私もどうも納得がいかない点がたくさんあるのでございます。二前段の権限の問題新しく任命された地方の試驗委員長とでも称しましようか、名称はどういう名称のものであるか。それを詳しく御説明をいただきたいと思います。
  123. 佐藤朝生

    佐藤(朝)政府委員 ただいまのお尋ねは、今度の試驗の地方の代表者の資格、権限の問題だろうと思います。これは何と申しますか、官吏でもございませんで、私の方から、たとえば廣島の試驗につきましては、廣島の試驗の事務についてのいろいろなことを依頼したような形になつております。何と申しますか嘱託——現在嘱託という制度はありませんで臨時職員といろ制度がございますが、そういうものと同じ性質のものと心得ております。
  124. 田中健吉

    田中(健)委員 嘱託制度はない。そんなことはよくわかつている。しかしながらさつぱりわからないのは、何と申しましようか嘱託のようなものだ。差し嘱託は今ないんだ。ただ依頼したものだと言われる。これではどうもはつきりしないのであつておよそ國家の仕事をする場合においては必ずそこには明確な権限なり、何なりがはつきりしていなければならぬはずである。ただ頼んだ、おれはお上から頼まれたということでは將來國家を双肩に担つていく官吏を募集するにあたつて、あまりにもあいまいなものであつて、それならば私はとてもこの案というものは、皆さんからせつかく出されたものであるけれども、承認するわけにはまいらぬと思います。しかしいいことはいいでしよう。民間人を求めてそういうことをやらせることはいいと思いますけれども、その点は何らかそこには明確なものがなければならぬ。つまり権限、それからその職務を行うところの地位、給與、待遇そういす全般的なものがきわめて明確に考慮せられ、それがはつきりしなければならぬものだと思つておりますが、この点はいかがなものでありましようか。はつきりできないあいまいな状態においてやらなければならぬものであるか。明確にすることができないものか。こういう点を御説明願います。
  125. 淺井清

    淺井政委員 さいぜんからたびたび申し上げましたように、これはいわば一つの政治的な効果をねらつたものでありまして、世の中には権限を明確にいたすことによつて効果をあげることもございますれば、政治的な効果をねろうものもございますからさよう御承知を願います。
  126. 木村榮

    木村(榮)委員 そういたしますと、その御依頼になつた六名の委員の方々の前歴、現職その他むろん公職追放になつている者はいないと思いますが、そういろ資格問題までも嚴重に調査する必要がありますから、詳細な調査状を各個人にわたつて委員会に提出していただきたい。かように考えます。
  127. 淺井清

    淺井政委員 これはこの委員会で御調査になるものでございましようか。ただいま当方において御承認を求めておる事項それ自体ではないと思いますが、いかがでございましようか。
  128. 木村榮

    木村(榮)委員 承認をするかしないかという問題は、具体的には、その人間を採用するかせぬかという問題にも関連してくる問題でありますから、從つてわれわれ承認する場合には承認して差支えないという自信のもとにやるのがあたりまえだと思います。從つて関連事項として資料はこの際お出し願うのが当然だと考えております。
  129. 淺井清

    淺井政委員 ただいま御承認を求めますのは、國家公務員法によりまして地方事務所設置自体と考えておりますが、その試驗のやり方その他については、これは人事委員会にお任かせを願いたいと存じます。
  130. 木村榮

    木村(榮)委員 事務所を置くにいたしましても、ただ家を建てるというだけの問題ではないに、そこには人間が要るわけであります。人間が附随しない事務所とうものはない。むろん法律的には皆さん方の御解釈もあると思いますが、こういつた画期的な特殊の制度は、私らとしましても納得がいきませんが、われわれを納得をいかせて初めて皆さんのやる仕事も放果があるわけであります。納得させるために必要だと思いますから……
  131. 樋貝詮三

    樋貝委員 人事委員長の御答弁もわかるが、そういう資料をお出しになつた方がよいじやないかと思つております。由中君、木村君の御質問もこまかいようでどうかと先ほどから考えておりますが、資料資料でお出しになつておいた方がよいじやないかというふうに考えております。  それからもう一つ、今までの官吏制度で、人の採用についてはほとんど秘密のうちに採用しておりましたが、それが公開されたとは一進歩たるを失わないと思う。地方の弁護士会長であるか何かしらないが、その人を依頼した地方の名望家で、おそらくそれを依頼して、委員長にしたか、嘱託にしたか存じませんが、その人が採用の権限があるないということは無関係にやはり進歩は進歩で有効であつたろうと私は考えます。さらに進んで、その人が採用に対してある種の権限をもてば、ベターでしよう。しかしながら、権限がないといつて、進歩を拒むことはないてしようが、それらの点については人事委員長はそういう権限をもつ方向に進もうというふうにお考えになつているのですか、それともそれは打切ろうというようなお考えをもつてお進みになつているのですか、参考のために聽かしていただきたいと思います。
  132. 淺井清

    淺井政委員 私は今回とりました方法がへ將來ますます発展するように考えております。その方が官吏が國民の公僕であるということの趣旨に合致するように思つております。  なお、ただいまの木村さんにお答えいたしますが、今回お願いいたしましたのは、この試驗だけの問題でございますから、その点はあらかじめお含み願います。
  133. 木村榮

    木村(榮)委員 この試驗だけの問題だと思いますが、ただそれにこだわるわけじやないですけれども、將来そういうことをやつていく上においては、こういつたふうなのがやりいいのだといつたことで、大体おやりになつていると思います。從つて政府の見解はそういつたふうな人間を目標においてやるのだということを研究いたしますために、今回どういう人を採用するのかということを、われわれとして調査しておくことが妥当だと思いますので、お願いしているわけであります。
  134. 樋貝詮三

    樋貝委員 なお最後に一言政府に御註文いたしたいのですが、そういうような下級職員でありましても、思想的にあま力偏した——左翼であるとか、右翼にしても同様ですが、あまり偏屈な者はおとりにならないように御注意願います。
  135. 冨田照

    冨田委員長代理 まだ大分質疑も残つているようでありますが。部屋の都合等で、委員会も輻輳しておりますから、次会は公報をもつて御通知することにいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。     午後零時五分散会