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1948-06-22 第2回国会 衆議院 決算委員会 第18号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十三年六月二十二日(火曜日) 午前十時三十一分
開議
出席委員
委員長代理理事
冨田
照君
理事
竹谷源太郎
君
理事
中曽根康弘
君 大上 司君 長尾 達生君
樋貝
詮三君 松本 一郎君
宮幡
靖君 花月 純誠君
河合
義一君
戸叶
里子君 矢野 政男君
田中源三郎
君
田中
健吉君
木村
榮君
出席政府委員
臨時人事委員
長 淺井 清君
総理廳事務官
佐藤
朝生君
委員外
の
出席者
会計檢査院長
佐藤
基君
専門調査員
大久保忠文
君 ————————————— 本日の会議に付した
事件
昭和
二十一
年度
歳入歳出総決算
、
昭和
二十一
年度
特別会計歳入歳出決算
特殊財産資金歳入歳出決算
昭和
二十一
年度
第一
予備金支出
総
計算書
昭和
二十一
年度
特別会計
第一
予備金支出
総
計算書
昭和
二十一
年度
特別会計予備費支出計算書
昭和
二十一
年度
経済安定費支出
総
調書
昭和
二十二年承
予備費使用総調正書
昭和
二十二
年度
特別会計予備使用
総
調書
(
承認
を求める件)
昭和
二十二
年度
予備費使用
総
調書
(その二)
昭和
二十二
年度
特別会計予備費使用
総
調書
(その二)(
承認
を求める件)
國家公務員法
第十三條第二項及び
地方自治法
第百五十六條第四項の
規定
に基き、
臨時人事委員会
の
地方
の
事務所
の
設置
に関し
承諾
を求めるの件(
内閣提出
)(
承諾
第五号) —————————————
冨田照
1
○
冨田委員長代理
開会いたします。 本日は突然
委員長
がやむを得ない
事情
で、まだ出席いたされておりませんので、私が
委員長
の
職務
を代行いたします。右御了承願います。 昨日に引続いて、
昭和
二十二
年度
歳入歳出総決算
ほか一件並びに
昭和
二十一
年度
第一
予備金支出
総
計算書
ほか七件を
議題
といたします。すでに
大蔵当局
からは大綱の
説明
を伺
つて
おりますので、本日は
会計檢査院
の
立場
から
決算
に対する御
報告
を承
つた
上にその後の
審議
に入りたいと存じます。
佐藤基
君。
佐藤基
2
○
佐藤会計檢査院長
昭和
二十一
年度
歳入歳出決算檢査報告
につきまして
概要
を御
説明
いたします。 この
檢査報告
は昨年五月改正されました
会計檢査院法
の
規定
によ
つて
作成されたものてありまして、従来の
檢査報告
と異なり
歳入歳出決算
及び國の
財産
に関する
事項
のほかに、
収納職員
の金銭または
物品
の亡失または毀損に対する
弁償責任
の檢定、
主務官廳
に対する
改善意見
の表示、
会計事務職員
の
職務
上の
犯罪
につき
檢察廳
に通告いたしました。
事項
及び
会計
検査院
が
檢査
を
行つて
おりますところの
政府出資團体
などに関する
檢査事項
が記述してあります。また
会計檢査院法
では常時に
檢査
をしなければならないことにな
つて
おりますので
昭和
二十二
年度
に属する
事項
につきましても、特に記述したものがございます。
昭和
二十一
年度
の総
決算
は、
歳入
千百八十八億九千九百余万円、
歳出
千百五十一億七百余万円、また各
特別会計
の
決算額合計
は、
歳入
千九百七億七千八百余万円、
歳出
千七百八十二億五百余万円でありまして、この一般特別両
会計
の
決算額
を総計いたしますと、
歳入
二千九十六億七千七百余万円、
歳出
二千九百三十四億一千二百余万円となりますが、このうち両
会計
間の
重複額
や、
國債整理基金特別会計
における
食糧証券
の借換え
償還額
などを控除して
歳入歳出
の純
計額
を概算いたしますと、
歳入
千七百六億円、
歳出
千六百四十八億円となります。 以上申し上げました一般特別両
会計
の
決算額
のうち、
会計檢査院
においてまだ
檢査
が済んでいないもの、すなわち未
確認
となりました
金額
が、
一般会計
におきまして、
歳入
において五億六百余万円、
歳出
において二百六十八億千九百余万円、また
特別会計
におきましては
歳入
において十七億六千四百余万円、
歳出
において六億一千九百余万円でありまして、未
確認額
は一般特別両
会計
の
歳入歳出
を通計して二百九十七億八百余万円に上ります。これらの未
確認
となりました
金額
は本院への
証明書類
が未だ提出されてていないもの、または本院の
質問
に対する
答弁
がまだ來ていないものがありますのと、本院でなお
調査
中のものがあるためでありまして、その款項の
金額
は
檢査報告書
の
附表
第一及び第二に掲げてございます。この未
確認金額
は昨
年度
の五億八千八百余万円に比べましで、著しく増加しているばかりでなく既往においても未だか
つて
ないほどの
巨額
に上
つて
いる次第でありまして、はなはだ遺憾とするところであります。これは主として
終戰処理費
におきまして、
概算拂い
の
精算遅延
のものがあるため、本院においてなお
調査
せねばならぬものが、きわめて
多額
に上りますのと、
租税
その他のもので、
証明未済
のものがあるためであります。 次に
会計檢査院
は
歳入徴収官
、
支出官
などの証明するものを
檢査
いたしますとともに、他方これと
日本銀行
における
現金
の出し入れの事実とが符合するかどうかをも
檢査
しておりますが、
檢査
の結果、
一般会計
におきましたは
歳入
において
日本銀行証明額
の方が六千余万円多くな
つて
おり、また
特別会計
におけるおもなる不符合といたしましては、
財産税等收入金特別会計歳入
において二千四百余万円、
通信事業特別会計歳入
において二億百余万円だけ、それぞれ
日本銀行証明額
の方が少くな
つて
おります。次に
会計檢査
の結果、
会計経理
上違法または不当と認めた
事項
「すなわち批難いたしました
事項
について申し上げますと、
法令
または
予算
に違反すると認めた
事項
三十四件その他
措置当
を得ないと認めた
事項
四十三件、
職員
の
犯罪
によ
つて國
に損害を與えた
事項
七件、違法または不当の
事項
で、本院の
注意
により是正させた
事項
九十一件、
合計
百七十五件でありまして、前
年度
の三十四件に比較して著しく増加しておりますことは、まことに遺憾にたえないところであります。これら百七十五件の
批難事項
につきましては、
檢査報告書
に詳しく記述してありますが、次にこれらの
事項
を総合して、その
概要
を
説明
いたします。第一に
歳入
についてでありますが、
昭和
二十一
年度
の收入
未済額
は一般特別両
会計
を通じますと、実に百八十六億八千三百余万円に達しております。この大
部分
は
租税
でありまして、
一般会計
の分とじで九十九億八千四有余万円へ
財産税等收入金特別会計
の分として、五十七億千六百余万円で、総額百五十七億余万円の
巨額
に上
つて
おりまして、その
調停済額
に対する割合は約二五%で前
年度
の八%に比較し、著しく増加しております。 また
特殊物件收入
、
返納金
、
物品拂下げ代等
においても
多額
の
収入未済
があり、なおこの他に收入すべきもので、まだ納入の告知さえしていないものが相当
多額
に上るものと認められます。また
徴收
上の取扱の過誤によりまして、
租税
、
價格差益納付金等
について
徴収不足
を生ぜしめたものなどが、多数に上り、この
檢査報告
に掲載したものだけでも六十九件、九百八十余万円に達しておりまして、國の財政の現況に鑑みますと
改善
の要緊切なものがあると認められます。次に
特殊物件
について申し上げます。
特殊物件
には國が
連合軍
から正式に返還を受けた
奮陸海軍
の
軍需品
、すなわち
狭義
の
特殊物件
と、
廃兵器
の類のほかに、
終戰直後
旧
陸海軍
がその保有する
資材物資
を緊急に
関係官廳
または
公共團体
などに引渡したもの、いわゆる
放出物件
とだありまして、これらの三者を包括して
廣義
の
特殊物件
と称しております。
狭義
の
特殊物件
につきましては、その
処分
は
原則
として有償でありまして、
無償処分
ができますのは、
生活必需品
などを生活困難な者などに交付する場合に限られておりますにもかかわらず
地方公共團体
などに
無償
で交付している事例が少くないのであります。またその賣
拂い
價格
は
原則
として賣
拂い
のときの
公定價格
によ
つて
おりますが、
鐵鋼類等
の原材料につきましては、特に
終戰時
の
公定價格
で各
統制機関
に賣り拂
つて
おりまして
統制機関
が他に賣渡しの際に生じた差益の一部で約八億円の
價格
安定
資金
を設定させておりますのは、その
措置当
を得ないものであります。また
廃兵器
のごときは、その
数量價格
も決定しないまま、一
民間團体
である
兵器処理委員会
に一括して賣
拂い
契約をしているような状況で、その
措置当
を得ないものがあります。
放出物件
につきましては都道
府縣
または市町村で收納したその
処分代金
は その
処理
に要した直接費及び
間接費
を差引きまして残額は國の
歳入
に納付する取扱いでありますが、
地方廳
では、その
徴收
した
代金
で
國庫
に納付すべきものを勝手に手元に保管しているもの、または
処分代金
で
取立て未済
のものがいずれも相当
多額
に上
つて
おります。また直接費として計上した
金額
のうちには、あるいはこれを
寄附金
に、または
職員
に対する
慰労金
に使用したものなど適当でないものが七件あります。 次に
歳出
については、第一に、内務、
大蔵
、
厚生
、農林、
運輸
、
逓信
の
各省
におきまして、
國会
の議決いたしました
予算
の目的以外に
経費
を使用したり、または他の費目から
予算
を流用しまして
職員
の
官舎等
を購入したり、
手当等
の名目で
給與
の増加をはか
つた
り、あるいは
職員給食用
の
食糧増産
のため
多顔
の
経費
を使用しているものなど、
予算
の
使用当
を得ないものが七件ございます。これらのうちには
事情
の了とすべきものもございますから、そういう類のものは
予算
に計上して実施すべきものと認められます。第二に、大藏、司法。文部、
厚生
、商工、
運輸
、
逓信
の
各省
におきまして、
工事
の
施行
または
物件
の購入に当
つて年度内
に
完成
または納入していないのに、
完成
または納入したものとして事実を作為して
経費
を
支拂
つた
ものなど、
措置公明
を欠いているものが十三件ございます。このように
経費
の
年度区分
を乱
つた
ものは前
年度
の
檢査報告
にも多数掲げられてありますが、これは一つにに
予算
の繰越しについてその
承認手続
が嚴重に過ぎることによるものと認められますから、繰越しの
承認
に当
つて
は考慮の余地があると認められます。第三に、
補助費
について申し上げます、
補助費
の二十一
年度
支出額
は一般特別両
会計
を通じまして二百四十億九千七百余万円に達しておりますが、その
使用実績
をみますと種々不当の事事がございます。まず專賣局で交付した
自給製塩
の
補助金
につきましては
補助條件
に適合しないものに対し、これを交付したもの、または
補助
の基本となる
設備費
の査定について当を得ないものが数件ございます。なお
自給製塩
の
補助金
につきましては、さらに
檢査
を要するものが相当ありますので、目下その
調査
を続行中であります。また
農林省等
における各種の
補助金
につきましては、
事業実施
の程度を考慮せずに過大な
補助金
を交付しましたため、交付を受けた
團体
において翌
年度
にな
つて
も、その大
部分
を使用しないで保有しているものが三件、一億八千四百余万円あるなど、
措置当
を得ないものがあります。第四に、
終戰処理費
について申し上げます。
終戰処理費
の二十一
年度
支出額
は三百七十九億二千九百余万円に上
つて
おりますが、うち大
部分
を占めております
工事費
及び
物件調達費
は
概算拂い
によ
つて
支拂
われているものが多いのでありますが、その
精算
は著しく遅延しており、また本院に提出すべき
証拠書類
を亡失したものがあるなど、
措置当
を得ないものが多く、前に申し述べました
通り
、大
部分
は本院においてなお
調査
中であります。このように
終戰処理費
の
経理
につきましては、
改善
の要切なるものかあると認めております。次に、國の
財産
に関する
事項
につき一言いたします。
物品
の
経理
につきましては“
従來現金
に比して軽視された傾きがありまして、
物品出納簿
の
記帳整理
も十分でなく
帳簿外
の
物品
を保有しているものがあるなど、
措置当
を欠くものが少くないのでありまして、
物品
の
経理
は今後特に
注意
を拂う要があると認められます。また
土地建物等
いわゆる
國有財産
として
整理
してあるものの
管理等
についても妥当を欠くものが数件あります。なお、
会計檢査院法
その他の
法律
によりまして
会計
の
檢査
を
行つて
おります
團体
について、
檢査
の結果
措置当
を得ないと認めましたものは、
庶民金庫
及び
日本蚕糸統制株式会社
に対するもの二件であります。 また
出納職員
が
現金
及び
物品
を亡失しました事実に対して、二十三年二月末日までに百一件、
二言余
万円に対しその
弁償責任
の有無を檢定いたしました。さらに
会計事務職員
に
職務
上の
犯罪
があると認め
檢察廳
に通告した
事項
が二件、
法令制度
または
行政
に関して
主務官廳
に
改善意見
を表示した
事項
が四件ございます。以上申し述べました
事項
の具体的な事案につきましては、この
檢査報告
によ
つて
御了承願いたいと存じます。以上をも
つて
御
説明
を終ります。
冨田照
3
○
冨田委員長代理
ただいま
会計檢査院長
から御
報告
がありましたが、これにつきまして御
質問
がありましたら御発言を願います。
木村榮
4
○
木村
(榮)
委員
ちよつとお尋ねしますが、今
農林省
の
補助費
の中で不正なものが二、二件あ
つて
一億何千万円という御
報告
があ
つたの
ですが、その例はどんなものでございますか。
佐藤基
5
○
佐藤会計檢査院長
檢査報告
をおもちかと思いますが、その
檢査報告
に出ております。
河合義一
6
○
河合委員
檢査院
からいただいた
報告
でありますが、各
議員
の
ボツクス
に配付ざれたものと思うのでありますが、ないのがある。私も今朝
同僚議員
の
ボツクス
から
書類
を一冊も持出していない人の
書類
を調べましたところが、一部だけ出てきましで大事な
書類
がないのであります。これは配付するときに
注意
して配付してもらいたい。こういう
審議
をいたしますときに差支えますので、
決算委員
だけは特別に配付するようお願いいたします。実は私も困
つて
おるのです。
検査院
の方で余冊があ
つた
ら一時拝借しても結構です。
冨田照
7
○
冨田委員長代理
印刷物の件は
委員長
の方から連絡をとりまして、ありましたらお手許に差上げるようにいたします。
木村榮
8
○
木村
(榮)
委員
僕らはいまの
報告書
とかなんとかいうものをもら
つて
ないのです。
戸叶里子
9
○戸
叶委員
私も探してりみたけれどもございません。
冨田照
10
○
冨田委員長代理
そうすると必要な
書類
の配付がないために御
質問
に非常にお差支えになるようですが“今日の
質問
ばどういたしましようか。この
決算
につきましてはただいま
皆様方
から
お話
のありました
書類不備
の点もございましようが、これは連絡して配付するようにしていただくことにいたします、それと同時にいずれこれは各貧からお出しになりまして御
説明
があるわけでありますから、今日は一般的にただいま
会計檢査院長
から御
説明
になりました
部分
に対する御
質問
を願
つて
おきたいと思います。
河合義一
11
○
河合委員
ただいま
報告
を聽きまして、実は
檢査報告
が前
年度
に比しまして多いのに驚いたわけであります。しかしそれにいたしましても私はまだまだ他にもこういう
間違つた
事実があるのてはないかということを危惧するのであります。
終戰当時
において軍が保有しておりました品物を放出したことに関しましては、ただいま御
報告
がありました
件数
ですべてのものであるということを
承知
してよろしいのでありましようか、それは一
部分
にすぎないのか、その
檢査
が全國的に行渡
つた
結果としての
件数
でありましようか、まだ他にもたくさんあるのでありましようが。私は自分の住んでおります
土地
において起
つた
事柄
についてもよく知
つて
おりますが、事はささいでありますけれども、けしからぬ
事件
がたくさんあるのであります。そういう
事柄
はただいま御
報告
に
なつ
た
件数
のうちにはないと思います。
会計檢査院
としてただいま御
報告
に
なつ
た
事件
以外にまだあるというお
見込み
でありましようか、
檢査
が徹底的に全國に行渡りました結果あれだげの
件数
であるのてありましようか。その辺のことをお伺いいたしたいのであります。
佐藤基
12
○
佐藤会計檢査院長
会計檢査院
といたしましては、最近におきまして
國費
も非常に殖えております。その
國費
が国民の非常に重い負担において支出されておる。そういう見地から
國民
のためにできるだけ詳細に
檢査
をや
つて
おります。ただ
会計檢査院
といたしましては、
定員
のあることでありまして、その
能力
の限度においてやつでおります。それに関して申し上げたいのでありますが、前の
憲法時代
におきましては、
会計檢査院
の
職員
は大体三百人くらいでありました。ところが
憲法
が改正になりまして、
会計檢査
の
重要性
が認識されたと申しますか、現在におきましては
定員
約千二百人おります。そういう
関係
で急に
定員
が増してその多くの
定員
を十分活用して
檢査
をしてまい
つて
おるのでありますが、御
承知
の
通り会計檢査
という
仕事
は、相当の熟練を要します。そういう
意味
におきまして
定員
が急に四倍に
なつ
たから四倍の
檢査
ができるかというと、それまではいきませんので、
職員
の
養成
を今一生懸命や
つて
おりますから、この
職員
の
養成
が
完成
し、
檢査
に慣れてくればもつと現在より完全な
檢査
ができますが、先ほど申し上げました
檢査
は、現在の
職員
の数でその
能力
の範囲でできるだけの
檢査
をした。その結果こういう
檢査報告
がてきたというふうに御了承願いたい。
河合義一
13
○
河合委員
ただいまの御
答弁
でよく
事情
がわか
つたの
でありますが、そういたしますと、全部行き
渡つて檢査
ができていないということをお認めにな
つて
おるように拝承いたしたのてあります。そこでひとつ
檢査院長
のお
見込み
ては徹底的にやりましたらどのくらいあるでありましようか、その見当はつかんでしようか。
佐藤基
14
○
佐藤説明員
どのくらいと言われても、実は困るのてありまして、殊に御指摘になりました
特殊物件
につきましては「
終戰直後
からの問題でありまして、当時われわれ
会計檢査
の
立場
から申しますと、
帳簿
とかその他のものが非常に不
整理
である。またあるものは
証拠書類
が燒けておる。そういう
関係
てわれわれの方も職責上できるだけの
檢査
をいたしておりますけれども、なかなか
檢査
できない分があります。なお
世間
て問題にな
つて
おるのは、その
特殊物件
が、主として
内務省
てありますが、
内務省
、
府縣
から
拂下げ
る、
拂下げ
を受けたものから第三者に移るときにおきまして、いろいろな
事件
があるように聞いております。そういうふうなすでに
政府
の手を離れたものについてはわれわれは
檢査権限
がない。これは問題は
檢察廳
の問題でございます。そういう
事情
でございますから、
特殊物件
の
檢査
が非常に困難であります。ただ
特殊物件
について
世間
て問題にな
つて
おるのは、
拂下げ
後においての問題も少くないという点を御了承願いたいと思います。
河合義一
15
○
河合委員
終戰当時陸軍
なり海軍がも
つて
おりました品を、軍の
経理
の係と
民間
の者が結托いたしまして略奪同様なことを
各地
でや
つたの
でありますが、そのいうことはお調べにはな
つて
いないのでありますか、この
報告
にありますか。
佐藤基
16
○
佐藤説明員
そういう
部分
も若干はこれに出ております。
はつきり掠奪
という字は使
つて
おりませんけれども、そういう
部分
に触れた点も若干あります。
河合義一
17
○
河合委員
そういう
事柄
がたくさんあるということは御
承知
なんでありましようか、御存じないのでありましようか。
佐藤基
18
○
佐藤会計檢査院長
それは現実にそいうう事実があ
つた
かどうかということは存じませんけれども、そういう
うわさ
が非常に多か
つた
ということは存じております。
従つて
そういう
うわさ
も全然虚偽のことから起
つたの
ではなく、そういう事実があ
つたの
であろうということは推定できます。そういう
意味
におきまして極力
檢査
いたじたいと思います。
中曽根康弘
19
○
中曽根委員
先はど
農林省
の
補助金
の件が出ましたが、
各省
とも
補助金
の問題は相当大きな問題が内在しておると思いますが、
会計檢査院
でわか
つて
おりましたら
各省
の二十
年度
に支出された
補助金
の
内容
についての
資料
を御提出願いたいと思います。
佐藤基
20
○
佐藤会計檢査院長
今の
資料
の点でありますけれども、これは
会計檢査院
が出すのか、
各省
が出すのか、
各省
から出してもら
つた
方が適切ではないかと思います。
冨田照
21
○
冨田委員長代理
ただいまの
中曽根委員
からの御要求は
各省
にお願いして
資料
を提出していただきたいと思います。 —————————————
冨田照
22
○
冨田委員長代理
それではこれから
審議
中であります
国家公務員法
第十三條第二項及び
地方自治
注第百五十六條第四項の
規定
に基き、
臨時人事委員会
の
地方
の
事務所
の
設置
に関し
承諾
を求めるの件、これを
議題
といたしまして前会に引続いて
質疑
を繼続いたしたいと思います。
河合義一
23
○
河合委員
この際はなはだうかつなお尋ねをするようでありますが、ひとつ教えていただきたいと思います。実は私はけさ登院いたします際に九時前後の
省線電車
に乗
つたの
でありますが、ほとんど息が詰まるくらいの人が乗
つて
おります。毎朝九時前後をラツシユ・アワーと申しますがこれは
鉄道アワー
ではないかと
思つたの
であります。無理押しをして乗らなければ乗り得ないような状態であります。よく
考え
てみますと、これは出動時間の九時を前後といたしまして
役所
に出勤する人が多数
電車
に乗る結果だろうと思います。その点から察しましても、私たちがときどき
官廳
へ出ましてその実際を見ましても、お
役人
の出勤するのは九時を過ぎております。そうして十時にな
つて
も
執務
をしていないどいう事実をよく見るのであります。このたび
國家行政組織法
という
法律
が
審議
されておりますが、すでに
國家公務員法
の
内容
についての
役人
に関する
法律
ができておるのであります。私は
各地
え参りまして
國民
の声を聽きますのに、
役人
が多過ぎるということをどこえ
行つて
も聽くのであります。
從つて行政整理
ということは國内の
各地
でやかましく言われております。
陳情書
が多数参りますが、すべでそのことに関する
陳情書
であります。今申し上げましたように、大体十時かち
仕事
をするのでしようが、
役所
では午前中二時間、午後は一時から
執務
しまして四時にはすでに退廳をいたします。よく見ましても五時間より働かない。われわれ農村におるものは、
食糧
一割
増産
ということで一生懸命にや
つて
おる。これが五時間や六時間働いてお
つたの
では、
増産
はできません。朝から夜までタバコも吸わないようにやらなければなかなか農業というもつのはや
つて
いけない。ところが一方においては
國民
七人に対して一人の
役人
があるということがいわれておりますが、その
役人
の
執務ぶり
を見ましたならば、いま
言つた通り
であります。一体これはどういうことで規正されるのでありますか。
國家公務員法
には採用をする場合の試験とか、いろいろのことが
規定
されておりますが、
働きぶり
についての何か
取締り——
それはむずかしいことではなぐ、明日からでもできることでありますから、
働きぶり
についでの單行の
法律
をこしらえてもいいのではないか。
食糧
にいたしましても、
アメリカ
から入れてもら
つて
、ようやく飢えをしのいでおる。現在まではぞの
代金
を
支拂
つて
おりませんが、きようの新聞紙を見ますと、これからは
アメリカ
も
代金
をもらわなければならぬということを申しておるのであります。そういうことを
考え
ましたならば、ただいますべてのことはなみなみならぬむずかしいことにな
つて
おりますので、
國民
一人々々がよく働かなければならぬのでありますが、
役人
の
働きぶり
については
國民
は非常に
不満
をも
つて
おる。これは
人事
に関することでありますが、どういうお
考え
をも
つて
おられるのでありましようか、何か
お気づき
にな
つて
おりましようか。
お気づき
にな
つて
おればお
考え
を承
つて
おきたいと思います。
淺井清
24
○
淺井政
府
委員
ただいまの御
質疑
の趣旨はまことに御同感にたえませんし、はなはだ恐縮にも存じておる次第でございますが、これは申さば、
公務員
の心構えの問題でございまして、
ひとり人事委員会
だけの問題ではなくして、すべての
行政機関
において十分その点を規正すべきものと
考え
ております。その点におきまして七月一日から
國家公務員法
が
施行
されますれば、ただいまの御指示に合するような方向には十分心して努力いたすつもりでおります。
河合義一
25
○
河合委員
七月一日からその
法律
が
施行
されましたならば、こういうことがなくなるであろうという
お話
でありましたが、これにま
つた
く期待いたしましても間違いはないでありましようか。私は
國民
にこのことを
報告
したいと思う。みんなはそういう
不満
をも
つて
おるけれども、七月一日から決してそんなことはなくなるということを申して差交えないでありましようか。
淺井清
26
○
淺井政
府
委員
七月一日からと申しましたのは、
國家公務員法
の
施行
の期日を申しましたのでございまして、人間の心構えと申しますものは、決して
法律
の
施行
だけではよくならない、これは不断の努力を要するものということは、もちろん私の御
説明
の前提といたしたわけであります。七月一日から一遍にさように相なるということは遺憾ながら申しかねると存じますが、その辺はどうか悪しからず御了承を願います。
河合義一
27
○
河合委員
そういうむつかしい注文をするのではありませんが、これは何か方法を
考え
てもらわなければならぬ。これはむつかしいことではない、その心懸けになりましたならば、明日からでもやれるのであります。そういう
人事
に関することを何かお
考え
にな
つて
おるのでありましようか。
淺井清
28
○
淺井政
府
委員
その点はすべての点にわたりまして十分心し、またこれに対していろいろ準備もいたしておりますが、ただいまここで具体的にまだ申し上げる段階には至
つて
おりません。
田中健吉
29
○
田中
(健)
委員
人事
委員
会
設置
の
承諾
案に関連しまして、ちよつとお尋ねいたしますが、あれは全国全部では二百何十名でなか
つた
ですか、
定員
は全部で二百二十名くらいだ
つたの
でしよう
淺井清
30
○
淺井政
府
委員
それは一箇所二級官一名、三級官三名、それに相應ずる若干の雇員もあると思います。
田中健吉
31
○
田中
(健)
委員
それは
各地
に設けるのを全部合わせて二百何名ですか。
淺井清
32
○
淺井政
府
委員
八箇所であります。その全部で二級官三名、三級官二十四名であります。
田中健吉
33
○
田中
(健)
委員
そうすると、総理廳の
臨時人事委員会
で
職員
の募集をや
つて
いますが、あれは試験は二十七日ですね。あれは全國の試験ですか、あるいは
各地
て試験をやるのですか。
冨田照
34
○
冨田委員長代理
ちよつと速記を止めてください。 〔速記中止〕
冨田照
35
○
冨田委員長代理
速記を始めてください。
田中健吉
36
○
田中
(健)
委員
私のお尋ね申し上げましたととは、今度募集するのは、三百人ですか。
淺井清
37
○
淺井政
府
委員
そうであります。
田中健吉
38
○
田中
(健)
委員
そうすると、三百名が二箇月の訓練を受けて、そしてそれが全国八箇所の
地方
人事
委員
会の
事務所
に配置されることになるわけですか。
淺井清
39
○
淺井政
府
委員
そうではございません。当分の間全部東京の本部において使う予定でございます。
田中健吉
40
○
田中
(健)
委員
そういたしますと、
地方
はどうなりますか。
淺井清
41
○
淺井政
府
委員
地方
は、ただいま申しましたように、当分一箇所二級官一各、三級官三名程度でよろしいようにな
つて
おります。
田中健吉
42
○
田中
(健)
委員
私はその点が合点がいかない点です。そういたしますと、今回二十七日に試験で採る、その採
つた
者が訓練されて、それが臨時に全國の
人事
委員
会の幹部として配置されるのでしようね。そうじやないですが。
淺井清
43
○
淺井政
府
委員
当分は東京で使うことにな
つて
おります。
田中健吉
44
○
田中
(健)
委員
そうすると
地方
で募集した者もやはり東京で使うのですか。
淺井清
45
○
淺井政
府
委員
そういうわけでございます。
田中健吉
46
○
田中
(健)
委員
その使うということは訓練するという
意味
ですが、
淺井清
47
○
淺井政
府
委員
訓練もこちらでいたしますが、勤務地といたしましても東京でございます。
田中健吉
48
○
田中
(健)
委員
地方
で募集して、
地方
で試験もやられて、三百名東京へ集めて東京で使うことになりましようが、いろいろな宿舎の
関係
もあるでしようし、
給與
の
関係
もあるだろうと思うのですが、その辺は東京で訓練してお
つて
、
地方
事務所
の
委員
会の幹部として配置するという
意味
でや
つて
おるのではないですか。そうでしよう。
淺井清
49
○
淺井政
府
委員
そうではございません。これはすべて大体東京で使うのでございまして、
地方
といたしましては、ただいま申しました二級官一名、三級官三名、この程度の
事務所
で当分はよろしいわけでございます。
田中健吉
50
○
田中
(健)
委員
今度募集するものは、それにもかかわらず
地方
から募集する。そういうことになるのですか。
淺井清
51
○
淺井政
府
委員
そういうことになります。
田中健吉
52
○
田中
(健)
委員
それはどのくらいの比率にな
つて
おるか。
淺井清
53
○
淺井政
府
委員
これは非常に應募者が多うございまして全國において約六千人近くの應募者がただいまございます。殊に私ども驚きましたのは、おそらく四國の高松で試験をやりましも、勤務地は東京でもあり、應募君がほとんどあるまいと思
つて
おりました。ところが四國の高松における試験においては約五百名の應募者を出しております。
田中健吉
54
○
田中
(健)
委員
もう一遍お尋ねいたしますが、実は二十万円の廣貸費をかけて、全國の有力な新聞に出して、六千名の應募者が出た、それはわかります。しかしながらこの廣告はどういう御方法をと
つたの
か私わかりませんが、昨日は締切りでございます。本日あたりも應慕いたしたい者がたくさんあるそうでございます。そこでこの廣告が不徹底じやなか
つたの
ではなかろうかと思います。ただ新聞だけか、その他でもや
つたの
でございますか。
淺井清
55
○
淺井政
府
委員
新聞とラジオで廣告をいたしました。
田中健吉
56
○
田中
(健)
委員
新聞とラジオですね。そういたしますとま
つた
く一般から募集するものであ
つて
、現在官吏にな
つて
おる者、あるいは現在官公吏として奉職しておる者の中からは募集するようなことは全然やらなか
つた
わけですか。
淺井清
57
○
淺井政
府
委員
そういうことはいたしません。
田中健吉
58
○
田中
(健)
委員
そうすると現在の官公吏からとらないという方針でございますか。
淺井清
59
○
淺井政
府
委員
これは新しい採用をめざしておるものでありまして、二種にわかれておりまして、専門
職員
と一般事務
職員
、こういうことにな
つて
おります。
田中健吉
60
○
田中
(健)
委員
優秀なる官吏を求めるという御趣旨はよくわかります。しかしながら優秀なる
職員
を求めるということになりますと、現在奉職しておるところの官公廳の中にもきわめて優秀なる人材が多数おるのでございうして、この間の募集の方法では不徹底であります。それから一般の新聞廣告で募集してきたというものは、從來官吏でなか
つた
者、官吏をやめてお
つた
者、大体において大量の失業群の中から應寡者が多か
つたの
ではないかと思います。そこでそれだけの募集方法によ
つて
、はたして諸君の望むがごとき優秀な者が、その六千人の中から求められるかどうかということになりますと、私はまだこれは不徹底でなか
つた
かと思います。そこで優秀なる官吏を求めるとするならば、朝野を問わずその募集の廣告を徹底せしめる必要があ
つたの
ではないかと私は思います。私はまだ東京にどれほどの人間が應募しておるということをつまびらかにいたしておりませんが、しかしながら昨日あたりも、四、五十名の應募者が皆さんの事務局に押しかけておると、いうことを、私は耳にしております。そこでその人物はどういう人物であ
つた
かということを聽いてみたところが、よい者もおるだろうけれども、
仕事
にあぶれておるような、相当ないかさまの者も多いように見受けてきたと言
つて
おります。 そこで一まとめに申し上げますならば、廣告が不徹底であるということ、廣く求める方法がとられておらないということ、そこで試験の期日を、二十七日のものを再延長して、もう少し官界からもとるということにしたらどうか。しかし現在の官公吏からはとらないということであれば別であります。どこまでも官公吏以外の一般からとるということであれば別でありますが、それはやはりあの六千人の中からお選びになるつもりであるか。その点を御
答弁
願いたいのであります。
淺井清
61
○
淺井政
府
委員
これは最前申し上げましたように、新しく官吏になるものをめざしておるのであります。現在官吏でございますものは、この試験ではなくて、むしろ轉勤の形をと
つて
人事
委員
会に來るようなかつこうでございますから、採用試験の形はとらないものと
考え
ております。これは別途の者でございます。しかしこの試験を受けることは別に拒まないのでございます。
田中健吉
62
○
田中
(健)
委員
それでは採用試験によ
つて
他の
官廳
から本廳に來るであろうとい
つて
みたものの、しかしそれは募集の
定員
というものもあるでしよう。そうすると三百名現在募集いたしまして、他の方から來るという予定はどのくらいにつけておりますか、あとの六百人がそれですか。どうなんですか。
淺井清
63
○
淺井政
府
委員
これはただいま申し上げましたように、これまで官吏の経験をもたなか
つた
ものの採用試驗という
意味
であります。それから他からの轉任で
人事
委員
会の
職員
を充填するかどうかということとは全然別問題でありまして、この試験の中にははい
つて
おりません。
田中健吉
64
○
田中
(健)
委員
お伺いいたしますが、今度の募集の方法は新聞その他ラジオでや
つた
。募集條件は私は新聞の記事を見ましたけれども抽象的であ
つて
よくわかりません。募集の條件はどういう條件で募集しておいでになるのであるか。それから訓練はいかなる方法によ
つて
訓練するものであるか。当然試験制度というものを採用するのではなかろうかと思うのであります。そこでその試験の
内容
——問題の
内容
ではありません。試験は從來の官吏たるべき
職員
の募集の際における
内容
とは、どの程度特異な点があるかとい
つた
ような点、それから訓練中の
給與
の問題はいかなる方法をとるか。それからせつかく募集に應じて東京に参りましても、宿舎がないとかなんとかい
つた
ようなことで集國訓練をなさる御意思があるのか、将來において各自思い思いに知人、友人、あるいは親類、あるいは兄弟の所に一應寄宿せしめて、そこから通わして訓練をさせるというのであるが、またこの募集に應じて新しく
人事
委員
会の
職員
に
なつ
たものは、将來の身分の点において、従来の官吏とどういうような差異が生ずるものであるか、差異が生ずべきものでなかろうと思いますけれども、とにかく新しい方法によ
つて
募集された官吏であるから、何かそこに育て方、あるいは昇進その他においては何らか差異があるかどうか。それらの四、五点について御
説明
願いたい。
淺井清
65
○
淺井政
府
委員
いろいろ御
質疑
が多岐にわたりましたが、募集の條件についてただいまここに書いたものがございますから、あとで事務局長から申し上げることにいたします。 次に訓練の大綱でございます。これはいわゆる新しい
國家公務員法
の趣旨に從
つた
特殊の訓練が施されることになるわけであります。現にただいま第一回の訓練が終りましたが、それは二箇月かか
つて
おります。これは
関係
方面において講師を派遣してくれまして、非常に成功をいたしております。それからなお、この配置につきましてからあとにも訓練が続けられて、より一層専門化した訓練が続けられておるわけでございます。その訓練の
内容
はちよつどここで一々申し上げかねるのでございますが、いわゆる
人事
管理ということのきあめて新しい知識を普及し、将來それでも
つて
動いていくようになる、そういうことでございます。それから研修は東京に集めて一箇所で行う予定でございます。その間は手当を支給いたします。その額等は事務局長からただいま御
説明
を申し上げます。それからこの研修が終りますと、
人事
委員
会の事務局へ配置されるわけであります。ただ最後に申し上げたいことは、そのようにしてとりました官吏は、これまでの特殊の方法によ
つて
とりました官吏ではございません。一般の官吏と将來においては全然違いございません。すでに
行政
科におきましては高等文官試験というものは廃止されておりまして、全然
関係
はございません。ただ、御参考までに申し上げますと、第一回の募集をいたしました者を、研修のあとて最後に試験をいたしまして、その結果、大学卒業生であ
つて
三級官にならずになお当分雇員に残
つて
おる者もございますれば、中学卒業生であ
つて
も、そのやりました試験に優秀なる成績をあげ、ただちに三級官にな
つて
おる者もあるような状態でございます。その将来に対しましては全然違いはございません。
佐藤朝生
66
○
佐藤
(朝)
政府
委員
ただいま
委員長
から御
説明
いたしましたこと心補足して、このたびの試験の受験資格等について申し上げます。このたびの試験は甲種
職員
の試験と乙種
職員
の試験とございまして、甲種
職員
は将來
人事
行政
の專門事務を担当する
職員
であります。乙種
職員
は一般事務を担当する
職員
てございます。甲種
職員
の方の受験資格といたしましては、大学または高等專門学校卒業の者、中等学校卒業者でもこれと同等以上の知能があればよろしいということにな
つて
おります。專攻学科は法科、経済科、文科、理科、工科、医科、農科その他何でも差支えないことにな
つて
おります。経験の有無を問わない。年齢は三十五歳未満の人を希望するということにな
つて
おります。乙種
職員
の方は、中等学校卒業の者でありまして、甲種と同様に、経験の有無を問わない、年齢は三十歳未満の人ということにな
つて
おります。 それから、ただいま研修中の手当のことについて御
質問
がございましたが、研修中は、おのおのその学歴に應じまして大学卒業者、高等專門学校卒業者、中等学校卒業者に対して、一般の官吏に支給する額よりも少し少い程度の
給與
を支給するつもりであリます。大体この前の研修におきましては、大学卒業程度で一箇月二千二百円程度を支給しました。
田中健吉
67
○
田中
(健)
委員
三十五歳以下ということにな
つて
お
つて
、下の方は二十歳と聞いておりますが、この年齢はどういうわけで上の方は三十五歳とな
つて
下の方は二十歳とな
つたの
てありますか。それから妻帶者もやはりと
つて
おりますか。全部未婚者でありますか。
佐藤朝生
68
○
佐藤
(朝)
政府
委員
乙種の
職員
の方は三十歳でございます。最低は変
つて
おりません。大学卒業者とか、高等專門学校卒業者とか、中等学校卒業者という條件があるものですから、それで自然條件がつくわけになります。妻帶の有無はもちろん問いません。
田中健吉
69
○
田中
(健)
委員
そうすると学校を出なければならぬということが一言條件にな
つて
おるのですが、学校を出なくても、
政府
職員
あるいは
地方
の
公共團体
の
職員
を永くや
つて
お
つて
、その点で、國家の試験制度には合格しておりませんけれども、学校を出た者よりも優秀であると認められる者の登用の途はないのでありますか。
佐藤朝生
70
○
佐藤
(朝)
政府
委員
学校の卒業の
関係
、一應中等学校卒業というのを最低の標準にいたしておりまして、甲種
職員
でありましても、一應は大学、高等專門学校卒業程度といたしておりますけれども、自分で自信がありまして、大学、高等專門卒業と同じ知能があるという自信のある者は甲種
職員
の試驗を受けてもいいということにな
つて
おります。
田中健吉
71
○
田中
(健)
委員
現在まりで訓練は何回おやりにな
つて
おりますか。今度の二十七日というのは何回目でございますか。
佐藤朝生
72
○
佐藤
(朝)
政府
委員
試驗の方は、今年一月十五日に第一回をやりまして、このたびは第二回であります。訓練も、一月十五日に試驗に合格した者を三箇月にわた
つて
訓練をやりまして、このたびの試験に合格いたしました者を訓練いたしますのは第二回であります。
田中健吉
73
○
田中
(健)
委員
そうすると、一月の第一回の訓練をなされたつのは、集團的にどこかに寄宿させてや
つて
お
つたの
ですか。それともばらばらに通わせてや
つて
お
つたの
ですか
佐藤朝生
74
○
佐藤
(朝)
政府
委員
一月十五日に行いました試驗は、東京で行いまして、大体東京に住居がある者がおもであります。それから
各省
から派遣された者がおもでありまして、これは宿泊講習はやりませんで、千代田ビルの一番上の講堂でやりました。
田中健吉
75
○
田中
(健)
委員
宿泊の
関係
はどうな
つて
おりますか。
佐藤朝生
76
○
佐藤
(朝)
政府
委員
宿泊はみな自分の家から通いました。
田中健吉
77
○
田中
(健)
委員
やはり二箇月の訓練でございますか。
佐藤朝生
78
○
佐藤
(朝)
政府
委員
百日てございます。
田中健吉
79
○
田中
(健)
委員
そうすると、実際に配置なさ
つたの
はいつごろでございますか。
佐藤朝生
80
○
佐藤
(朝)
政府
委員
実際に配置いたしましたのは、講習が五月十五日で終りまして、五月下旬だと思います。
田中健吉
81
○
田中
(健)
委員
そうすると、一月にやはり三百名の募集であ
つたの
ですか。
佐藤朝生
82
○
佐藤
(朝)
政府
委員
一月は二百二十名でございます。
田中健吉
83
○
田中
(健)
委員
それでどのくらいの應募者があ
つたの
ですか。
佐藤朝生
84
○
佐藤
(朝)
政府
委員
千ちよつと超えた程度であります。
田中健吉
85
○
田中
(健)
委員
そういたしますと、二百二十名訓練して、二百二十名全部が採用にな
つて
配置さわたのですか。
佐藤朝生
86
○
佐藤
(朝)
政府
委員
二百二十名全部配置したことになるのでありますが、途中でやめたのがありまして少し減りました。これは自発的にやめましたので、こつちからやめさせたのはありません。
田中健吉
87
○
田中
(健)
委員
成績が悪いとかいうのではなくて、自発的にやめたのてす
佐藤朝生
88
○
佐藤
(朝)
政府
委員
自発的にほかの所へ就職なんかしましてやめたのはございました。
田中健吉
89
○
田中
(健)
委員
成績の悪か
つたの
は一人もいなか
つた
ということになるのてすか。
佐藤朝生
90
○
佐藤
(朝)
政府
委員
成績のよい者から事務官、嘱託にかわ
つて
臨時
職員
といたしまして、成績の比較的悪い者は雇として採用いたしまして、試験によ
つて
不合格に
なつ
たものはござでいませんでした。試験の成績等もあまり悪いものはございませんでした。
田中健吉
91
○
田中
(健)
委員
そうすると、新しい方法によ
つて
募集されて訓練を受けて、そうして訓練所を終えて採用される、そのときに、いろいろと勉強の努力のし
ぶり
によ
つて
差が生じますね。そうすると、その差が採用されたときから計算して将來に回復できますか。その点はどうですか。どこまても差が生じていくのですか。
佐藤朝生
92
○
佐藤
(朝)
政府
委員
それは、採用してから、今度の
國家公務員法
の建前で、勤務成績の評定というものをやることになりますので、それがどこまで影響するかちよつと申せませんが、一生あとあとまでまつわるということはないと思います。勤務成績がよければ、またはいりましてからいろいろ昇進試験もございますから、そういう試驗に合格すれば上の方の地位にもいくことができます。
田中健吉
93
○
田中
(健)
委員
先ほどの
政府
委員
の御
説明
によりますと、大分結果が成績がよろしいような
答弁
でございましたが、まだ経驗は一箇月そこそこでございますけれども、その短期間における顯著なるよいところはどこでございますか、その点をお漏らしを願いたいと思います。まだでき上
つた
ばかりで成績を聽くのはどうかと思いますが、しかし大体十日から二十日一緒にな
つて
いればいいところが目にはいるのではないかと思うのであります。その点をお漏らし願いたいと思います。
淺井清
94
○
淺井政
府
委員
ちよつとそれはむつかしい
質問
でございまして、われわれはまだ経験が短いものでございますけれども、大体において
職員
一同にはわれわれのやることは非番に新しいことであ
つて
、新しい官吏制度をやるのだという意識は十分與え得たと思
つて
おります。それからなおこの
人事
行政
というものが、これまでのようなただ單なる
考え
ではなぐて、一つの科学にな
つて
おるのだ、サイエンスにな
つて
おるのだというような氣持は全部も
つて
おるようでございますから、今後非常に合理的に
人事
行政
が動いていく上に役立つものと思
つて
おります。
田中健吉
95
○
田中
(健)
委員
思想的傾向はいかがでございますか。将來においてたとえば共産主義的思想を懐く者が多いか、社会主義的な傾向の人間が多いか、あるいは資本主義的な傾向、の者が多いか。もちろんそういう特定の主義、主張をも
つて
訓練をしておるのではなかろうと思いますけれども、しかしながらそういう訓練所を出ると、各自のもつところの自由な
考え
方によ
つて
、そういう思想傾なはわかるのではないかと思いますが、諸君の今日までの経験によりますと、どういうふうな傾向をと
つて
おるか。その点どうですか。最初から採用するときに特定な
考え
をも
つて
お
つた
者はとらぬという建前で思想傾向の
調査
を
行つて
おるのか。それともそれ峯のまま訓練して、本人が共産主義者になろうが、社会主義者になろうが、何になろが一向かまわぬとい
つた
ようなことにな
つて
おるのか。そして現在卒業した諸君はどういうような
考え
方の者が多いか。こういうことについてお伺いしたいと思います。
淺井清
96
○
淺井政
府
委員
その点は特に
調査
したものはございません。また私どもはそういうことを特にある特殊の目的をも
つて
調査
いたそうとも思
つて
おりません。これは
憲法
の趣旨に則りまして、また
國家公務員法
の精神に則りまして、各人の信條、宗教は各人の自由でありますから、私どもは特殊の目的をも
つて
職員
の思想傾向を特に
調査
したといという氣持はも
つて
おりません。
田中健吉
97
○
田中
(健)
委員
次に先ほどの御
説明
によりますと、
地方
の
人事
委員
会の
職員
を
地方
において募集する場合には、弁護士会長が
委員長
になるとかいろいろなことをお伺いいたしましたが、それはどなたがどういう方法によ
つて
地方
の試驗
委員
をお選びに
なつ
たものか。何人くらいで試驗
委員
会を構成しておるものであるか、お伺いいたしたいと思います。
淺井清
98
○
淺井政
府
委員
これらは
人事
委員
会で最後にきめたものでございますが、これは一人でございます。その下に事務をいたします者は、
人事
委員
会において
職員
を派遣いたすことにな
つて
おります。これはいわばその
地方
の試験の責任者、代表者というかつこうでございます。
田中健吉
99
○
田中
(健)
委員
そうしますと、たとえば東京において試驗する場合には、やはり
民間
人が一人、それから皆さんの事務局から試驗官とても稱すべき者が出かけて
行つて
、そうして試験をやるという措置でございますか。
淺井清
100
○
淺井政
府
委員
東京は
人事
委員
会が直接にやることにな
つて
おりますから、ただいまお尋ねのような制度はと
つて
おりません。ただいまのは東京を除きました
地方
のことでございます。
田中健吉
101
○
田中
(健)
委員
そうしますと、東京は
人事
委員
会の事務局が直接にこれをやる。
地方
は弁護士会長なり、あるいは教育会長がやる。
地方
はそういう方方を依頼してやることが民主的、東京は直接にやることが民主的だとすると、その辺何だか合点がいかないのでありますが、それはどういうわけでありますか。
淺井清
102
○
淺井政
府
委員
これは
人事
委員
会のも
つて
おります他の
行政
部門から切離された独立制によ
つて
おりまして、これに
人事
委員
会が新しい
官廳
でありますし、
國家公務員法
の趣旨に基いて独立性をも
つて
おりますから、これをも
つて
從來のいわゆる官僚的な機構とは見なか
つたの
であります。
木村榮
103
○
木村
(榮)
委員
中央で
檢査
をやる場合にテキストか何かあると思いますが、そういうものを参考書としてお出し願えませんか。
淺井清
104
○
淺井政
府
委員
第一回の研修の場合には、テキストが間に合いませんで、第二回のものを編纂いたしております。それはでき次第お手もとに差出せると思います。
木村榮
105
○
木村
(榮)
委員
今の
田中
委員
とも関連いたしますが、東京を除く八箇所でありますか、今度採用いたします
職員
の場合に東京の
委員
会から委任を受けました各
地方
の試験
委員長
と申しますか、そういう人が結局最後の決定権をも
つて
おるものでありますか、それともそれは東京の
委員
会にあるのでありますか。
淺井清
106
○
淺井政
府
委員
最後は
人事
委員
会議と申しますか、そこでやることにな
つて
おります。
木村榮
107
○
木村
(榮)
委員
そうするたとえば福岡何名、仙台何名、函館何名というような割当は今のところないわけですね。募集の割当は……。
淺井清
108
○
淺井政
府
委員
募集の割当はございません。
木村榮
109
○
木村
(榮)
委員
そうするとただ形式的に民主的な理想をやるだけで、各
地方
の弁護士会とか何とかいうもので、ただ頭数を並べて、そこから募集されたものは東京
委員
会に集
つて
、全國六千名のうちから最後に三百人なら三百人を決定するということになるのですか。
淺井清
110
○
淺井政
府
委員
それはさいぜんも申し上げましたように
民間
人が試驗を担当いたしますことによ
つて
、官吏が
國民
の公僕であるという思想を
地方
民の頭によくしみこませてもらいたい、こういう
考え
方がありまして、ただいま仰せのように、それではまことに不十分だというおしかりもあろうかと思いますが、私どもの
考え
はただいま申し上げた
通り
であります。
木村榮
111
○
木村
(榮)
委員
しかしながら私が承
つて
おりますと、ただ單に決定権も何もないものが、試驗
委員
という名称と申しましようか、そういうものをも
つて
おるだけで、答案なら答案を審査をして、適当と認める、そうして最後の可否を決定するという権限はないわけですね。
淺井清
112
○
淺井政
府
委員
そうでございます。しかしながら私どもの
考え
といたしましては、この点に將來非常によい結果をもたらすことと
考え
ておるのでありまして、つまりこれらのいわば
地方
の名望家というようなものが、この國家の
役人
の試驗に当られるということは非常によい結果を與えるものというように
考え
ております。
木村榮
113
○
木村
(榮)
委員
非常におかしな話であ
つて
、
民間
から選ばれた
委員
会というものによ
つて
、そういうものが拘束力をもつならわかりますが、むしろこういうことは
地方
の分子が一々出かけてきて、要らぬおせつかいをして、むしろ賄賂、差金をや
つて
不正をやる仲立をするような危險が日本の現状では
考え
られるが、しかも決定権も何もないのに、名前だけ出して民主的になるというのは、どういうわけで民主的になるのか、その解釈がわからない。そういう
地方
の人間として名前を出すことが民主的な採用方法であるというに至
つて
は、どう全然私にはわからない。
淺井清
114
○
淺井政
府
委員
これは御意免の相違でございまして、ものは疑えばいくらでも悪く
考え
られるものでございます。私たちの
考え
ておりますところは、さいぜんから申し上げた
通り
でございます。
木村榮
115
○
木村
(榮)
委員
そうしますと、結論的にその弁護士会長だとか、いろいろな方は具体的にどんな
仕事
をやるわけですか。
佐藤朝生
116
○
佐藤
(朝)
政府
委員
お答えいたします、今度の試験にはこちらからもたくさん係員が行きますが、それらの監督をいたしましたり、また試験場におけるいろいろな監督のことについて責任を負
つて
もらうものであります。
木村榮
117
○
木村
(榮)
委員
監督といいますと、たとえばカンニングをやるとか、本人と違
つた
者が來るとかいうふうなことだと思いますが、そういうものは何か特殊な肩書忍つけた
委員長
というものが行かなければならぬものじやないと思うのですが、なぜそういう人にそういうことをやらせなければいけないのか。その根本的な御見解を承
つて
おきたいと思います。
淺井清
118
○
淺井政
府
委員
それがただいまたびたび繰返し申し上げましたところでございまして、もう申し上げる言葉もないのでございますが、私はこういう制度が新しい日本の將來の官吏募集の方法としてよいものと
考え
ておるのでございます。その権限云々にうきましては、私はむしろ枝葉末節の問題であろうと心得ております。
木村榮
119
○
木村
(榮)
委員
そうしますと、
地方
の顔役を試驗場へ侍らしておくということが、官吏を民主的に採用するわけですね。あなた方の御解釈はこういうことなんですか。
淺井清
120
○
淺井政
府
委員
顔役であるかどうか存じませんが、私はこの制度によりまして、
地方
民の頭に官吏が
國民
の公僕であるという観念を植えつける上に非常に役立つものだと思
つて
おります。
田中健吉
121
○
田中
(健)
委員
政府
の御
答弁
を聽いておりますと、何のために一人の試驗
委員長
だか何だかを置かなければならぬのかという、その心事のほどがわからないのです。ただ向う様から言われたからこういうふうに置かねばならぬとうようにとれるのてあります。それではとてもわれわれは
承認
案を
承認
するこどができないことになるのでございまして、それはどういう権限をも
つて
おるか。その
政府
から任命されている人間がいかなる監督権をもつものであるか。試験の全般を指揮するところの人間であるかどうか。そういうものが何をやるものであるかということが、きわあて不明瞭でございます。そこで
地方
に今度そういう事務局が設けられまして、そういう人たちが出て試驗をやるということになりますならば、それは何をやるものであるかということがきわめて明瞭にならない限りにおいては、
地方
にそういう組織をもつということについて、われわれはとうていあいまいな状態においてその案を
承認
することはできないことになる。その
意味
においてこれを明確にしてもらわなければならないと思う。 それから事務局からいろいろな
職員
募集の申込書のようなものが出ておりますが、その中に何のためにこれだけの項目がこのように書かれておるのであろうかということについても、われわれとしてはきわめて納得のいかない点があるのでございます。一例を申し上げてみますならば、試驗を受くべき受驗者がこの
職員
を志望するということについて、親族以外の者三者の証明書みたいなものが必要であるから書いてよこせとい
つた
ようなことも、あの中にあります。一番よく本人を知
つて
いるのは一番身近な者である、それから最も近い交際をも
つて
いる人間でなければならないはずである。そうしますと、最も近い交際をも
つて
いる者の証明と、ま
つた
く生活をともにして性格なり、癖なりをよく知
つて
いる親族なり、そういうものの証明と、その他一般的な証明と三つの証明がなければならぬはずである。そういういろいろな点において私は新しい新しいと言うけれども、事実皆さんから言われてみても非常に納得のいかない点があるのでございます。私のお尋ねに対しても諸君はどうも納得がいかないような顔をしておるようであるけれども、私もどうも納得がいかない点がたくさんあるのでございます。二前段の権限の問題新しく任命された
地方
の試驗
委員長
とでも称しましようか、名称はどういう名称のものであるか。それを詳しく御
説明
をいただきたいと思います。
佐藤朝生
122
○
佐藤
(朝)
政府
委員
ただいまのお尋ねは、今度の試驗の
地方
の代表者の資格、権限の問題だろうと思います。これは何と申しますか、官吏でもございませんで、私の方から、たとえば廣島の試驗につきましては、廣島の試驗の事務についてのいろいろなことを依頼したような形にな
つて
おります。何と申しますか嘱託——現在嘱託という制度はありませんで臨時
職員
といろ制度がございますが、そういうものと同じ性質のものと心得ております。
田中健吉
123
○
田中
(健)
委員
嘱託制度はない。そんなことはよくわか
つて
いる。しかしながらさつぱりわからないのは、何と申しましようか嘱託のようなものだ。差し嘱託は今ないんだ。ただ依頼したものだと言われる。これではどうもはつきりしないのであ
つて
およそ國家の
仕事
をする場合においては必ずそこには明確な権限なり、何なりがはつきりしていなければならぬはずである。ただ頼んだ、おれはお上から頼まれたということでは將來國家を双肩に担
つて
いく官吏を募集するにあた
つて
、あまりにもあいまいなものであ
つて
、それならば私はとてもこの案というものは、皆さんからせつかく出されたものであるけれども、
承認
するわけにはまいらぬと思います。しかしいいことはいいでしよう。
民間
人を求めてそういうことをやらせることはいいと思いますけれども、その点は何らかそこには明確なものがなければならぬ。つまり権限、それからその
職務
を行うところの地位、
給與
、待遇そういす全般的なものがきわめて明確に考慮せられ、それがはつきりしなければならぬものだと思
つて
おりますが、この点はいかがなものでありましようか。はつきりできないあいまいな状態においてやらなければならぬものであるか。明確にすることができないものか。こういう点を御
説明
願います。
淺井清
124
○
淺井政
府
委員
さいぜんからたびたび申し上げましたように、これはいわば一つの政治的な効果をねら
つた
ものでありまして、世の中には権限を明確にいたすことによ
つて
効果をあげることもございますれば、政治的な効果をねろうものもございますからさよう御
承知
を願います。
木村榮
125
○
木村
(榮)
委員
そういたしますと、その御依頼に
なつ
た六名の
委員
の方々の前歴、現職その他むろん公職追放にな
つて
いる者はいないと思いますが、そういろ資格問題までも嚴重に
調査
する必要がありますから、詳細な
調査
状を各個人にわた
つて
本
委員
会に提出していただきたい。かように
考え
ます。
淺井清
126
○
淺井政
府
委員
これはこの
委員
会で御
調査
になるものでございましようか。ただいま当方において御
承認
を求めておる
事項
それ自体ではないと思いますが、いかがでございましようか。
木村榮
127
○
木村
(榮)
委員
承認
をするかしないかという問題は、具体的には、その人間を採用するかせぬかという問題にも関連してくる問題でありますから、從
つて
われわれ
承認
する場合には
承認
して差支えないという自信のもとにやるのがあたりまえだと思います。從
つて
関連
事項
として
資料
はこの際お出し願うのが当然だと
考え
ております。
淺井清
128
○
淺井政
府
委員
ただいま御
承認
を求めますのは、
國家公務員法
によりまして
地方
事務所
設置
自体と
考え
ておりますが、その試驗のやり方その他については、これは
人事
委員
会にお任かせを願いたいと存じます。
木村榮
129
○
木村
(榮)
委員
事務所
を置くにいたしましても、ただ家を建てるというだけの問題ではないに、そこには人間が要るわけであります。人間が附随しない
事務所
とうものはない。むろん
法律
的には皆さん方の御解釈もあると思いますが、こうい
つた
画期的な特殊の制度は、私らとしましても納得がいきませんが、われわれを納得をいかせて初めて皆さんのやる
仕事
も放果があるわけであります。納得させるために必要だと思いますから……
樋貝詮三
130
○
樋貝
委員
人事
委員長
の御
答弁
もわかるが、そういう
資料
をお出しに
なつ
た方がよいじやないかと思
つて
おります。由中君、
木村
君の御
質問
もこまかいようでどうかと先ほどから
考え
ておりますが、
資料
は
資料
でお出しにな
つて
おいた方がよいじやないかというふうに
考え
ております。 それからもう一つ、今までの官吏制度で、人の採用についてはほとんど秘密のうちに採用しておりましたが、それが公開されたとは一進歩たるを失わないと思う。
地方
の弁護士会長であるか何かしらないが、その人を依頼した
地方
の名望家で、おそらくそれを依頼して、
委員長
にしたか、嘱託にしたか存じませんが、その人が採用の権限があるないということは無
関係
にやはり進歩は進歩で有効であ
つた
ろうと私は
考え
ます。さらに進んで、その人が採用に対してある種の権限をもてば、ベターでしよう。しかしながら、権限がないとい
つて
、進歩を拒むことはないてしようが、それらの点については
人事
委員長
はそういう権限をもつ方向に進もうというふうにお
考え
にな
つて
いるのですか、それともそれは打切ろうというようなお
考え
をも
つて
お進みにな
つて
いるのですか、参考のために聽かしていただきたいと思います。
淺井清
131
○
淺井政
府
委員
私は今回とりました方法がへ將來ますます発展するように
考え
ております。その方が官吏が
國民
の公僕であるということの趣旨に合致するように思
つて
おります。 なお、ただいまの
木村
さんにお答えいたしますが、今回お願いいたしましたのは、この試驗だけの問題でございますから、その点はあらかじめお含み願います。
木村榮
132
○
木村
(榮)
委員
この試驗だけの問題だと思いますが、ただそれにこだわるわけじやないですけれども、將来そういうことをや
つて
いく上においては、こうい
つた
ふうなのがやりいいのだとい
つた
ことで、大体おやりにな
つて
いると思います。從
つて
政府
の見解はそうい
つた
ふうな人間を目標においてやるのだということを研究いたしますために、今回どういう人を採用するのかということを、われわれとして
調査
しておくことが妥当だと思いますので、お願いしているわけであります。
樋貝詮三
133
○
樋貝
委員
なお最後に一言
政府
に御註文いたしたいのですが、そういうような下級
職員
でありましても、思想的にあま力偏した——左翼であるとか、右翼にしても同様ですが、あまり偏屈な者はおとりにならないように御
注意
願います。
冨田照
134
○
冨田委員長代理
まだ大分
質疑
も残
つて
いるようでありますが。部屋の都合等で、
委員
会も輻輳しておりますから、次会は公報をも
つて
御通知することにいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。 午後零時五分散会