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前田政府委員 ただいまお尋ねのございました
國家行政組織法案は、実はまだいろいろの
事情から延び延びになりまして、閣議の最終の決定を経ておりません。
從つてここで最終的な内容を御披露するわけにもいきかねるのであります。
大体今日まできまりました
構想を申し上げますと、
法案の体裁といたしましてはやはり現在の
行政官廳法と同じく、
國家の
行政組織に関する
基準をきめるということを
目的といたしておる
法律であります。
從つて個々の
行政組織がいかなる
権限をもち、いかなる構成をとるかということは、これは
個々の
行政機関の
組織法に讓ることにいたしております。
行政組織法案におきましては、
行政組織の大体の形及び型をきめるという
目的で書いておるのであります。
從つて條文も二十数條の
此較的簡單なものであります。本
法案におきまして、今回、
從來の
行政官廳法と違いまして、特に力を入れておりますのは、現在の
行政組織のいろいろの部局の
名前が相当
乱雜に
なつておりまして、またその中の
職員の
名前等も
大分区々に
なつております点をできるだけ
統一いたしまして、わかりやすくする。こういうことを目指しておるのであります。
從つて省というような
名前については現在と
変りはございませんが、たとえば現在
外局につきまして非常にたくさんの
名前が使われておりますのを、院と廳、こういうものに
統一をしていこうと考えております。またそれらの長の
名前につきましても、現在あるいは総裁といい、あるいは
長官といい、あるいは單に局長というふうに、非常に
一般の人からはわかりにくい場合が少くないのでありますが、こういう点に疑義が起らないように
統一をしていこう。また
官廳内部の
組織でも現在局あり部あり、課あり大体の型はきまつておりますが、これも相当区々に流れておりますのを整頓いたしまして、大体一定の
基準においていこうということを考えておるのであります。
行政機関の長の
権限、たとえば政令を発布する、あるいは
省令等を出す
権限につきまして、大体現在の
機構を踏襲しておるのでありまして、特に実体的な大きな
変りのある部分はありません。また
行政機関の
地方團体の長が國の
事務を執行いたします場合の
監督権等につきましては、
地方自治法の
規定によりましてこれを
規定いたしておる次第であります。
次に
行政機関の中に置かれますいろいろの職についての
規定でありますが、この中にやや
変つた構想といたしましては、
次官の
規定と、
総務長官と今名づけておりますが、そういう
構想の
規定をおいておるのであります。このうち
各省の
次官は先年の
國家公務員法におきましてこれを
特別職とする建前に
なつておりますので、
將來の
次官は現在のような
一般の
事務の
職員がそのままに上つていく場合だけを考えずに、
各省大臣が自己の好む
人物を自由に任用し得るような途が開かれることになりますので、この
行政組織法におきましてもそれに対應いたしまして、
次官をそういう性格のものにおきかえようといたしております。
從つて各省の
事務の
統轄者、現在の
事務次官が執行いたしております
仕事をやりますために、別に
総務長官という
制度を設けておる次第であります。なお
國家行政組織というふうに、現在
名前をかえることを考えておりますが、これは廣く
國家の
行政組織と申しますときは、現在におきましては
公團のごときも
行政組織の一部とみなされておりますので、そういうものをやはり包含いたしますためには、
行政官廳法という
名前はやや狭きに失する憾みがりますので、
名前を変更いたそうと考えておるのであります。なおこの
行政組織法は一方におきまして、そういうふうに
行政組織の型及び形式をできるだけ整頓して
規定いたしますると同時に、この
組織法に基いてどういう
官廳ができるかということを一目瞭然たらしめるために、この
行政組織法案には
別表をつけまして、その
別表に
官廳の
名前だけを一覽し得るようにいたそう。さようなことも考えております。ただこの点につきましては、
行政組織法に基きまして、いかなる
官廳ができるかは、
ちようど一方また
機構改革の問題とも相交錯いたしておりまするので、
別表につきましては、現在やや特殊の
規定をお願いする
構想も考えておるのであります。大体これが現在考えております
行政組織法案の
大要でございます。現在
行政官廳法と形においては
此較的似たものでありますが、ただいま申し上げました点についてやや新しい
規定がはいりましたので、かように御
承知を願いたいと思います。