運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1948-04-27 第2回国会 衆議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年四月二十七日(火曜日)     午前十一時二十一分開議  出席委員    委員長 竹山祐太郎君       岩本 信行君    冨田  照君       樋貝 詮三君    松本 一郎君       片島  港君    河合 義一君       高津 正道君    辻井民之助君       戸叶 里子君    中曽根康弘君       西田 隆男君    馬越  晃君       田中 健吉君  出席國務大臣         國 務 大 臣 船田 享二君  出席政府委員         総理廳事務官  前田 克己君  委員外出席者         專門調査員   大久保忠文君 三月十六日委員島村一郎君辞任につき、その補欠 として樋貝詮三君が議長指名委員に選任され た。 四月六日委員水田三喜男君、竹内克巳君、受田新 吉君、斎藤昇君及び大瀧亀代司君辞任した、 同日中山マサ君、田中源三郎君、早川崇君、田中 健吉君、木村榮君及び花月純誠君が議長指名委員補欠に選任された。 三月三十日  昭和二十一年度歳入歳出総決算昭和二十一年  度特別会計歳入歳出決算特殊財産資金歳入歳出  決算 四月二十三日  國家行政組織法施行までの暫定措置に関する法  律案内閣提出)(第四六号) 二月二十三日  國家公務員法の一部を改正する請願外一件(平  工喜市紹介)(第三七号) 三月十六日  金沢市に北陸地方商工局設置請願竹田儀一  君紹介)(第一三五号)  林野行政砂防行政との統一に関する請願(山  名義芳紹介)(第一六六号) 三月二十五日  水産廳設置請願馬越晃紹介)(第二一三  号)  同(馬越晃君紹村)(第二三九号)  林野行政砂防行政との統一に関する請願外十  二件(多賀安郎君外六名紹介)(第二六九号) 四月六日  鉄鋼課鉄鋼局に昇格の請願伊藤卯四郎君紹  介)(第三三八号)  林野行政砂防行政との統一に関する請願外一  件(萬田五郎紹介)(第三六八号) 四月十五日  厚生省に藥務局新設請願榊原亨紹介)(  第四四八号) の審査を本委員会に付託された。 三月十三日  國土建設関係行政機関の一元化に関する陳情書  (第一六号)  建設院設置法案修正に関する陳情書  (第三八号)  建設省設置に関する陳情書  (第四三号)  林野行政砂防行政との統一に関する陳情書  (第七八号)  國家的観光機関設置に関する陳情書  (第八八号) 四月八日  林野行政砂防行政との統一に関する陳情書  (第  一〇九号)  同(第一九一  号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  國家行政組織法施行までの暫定措置に関する法  律案内閣提出)(第四六号)     ―――――――――――――
  2. 竹山祐太郎

    竹山委員長 これより会議を開きます。  本委員会に付託になりました國家行政組織法施行までの暫定措置に関する法律案、これの御審議を願います。國務大臣説明を求めます。
  3. 船田享二

    船田國務大臣 國家行政組織法施行までの暫定措置に関する法律案について、その大要を御説明いたします。  限行行政官廳本は、來る五月二日限りその効力を失うこととなつておりまして、これに代るべき國の行政組織に関する恒久法制定する必要があるのであります。よつて政府におきましても鉛意準備中でありましたが、相当なお研究を要すべき問題が残つておりますので、とりあえず現行制度をそのまま五月一ぱい延長し、その間に新基本法制定をお願いいたし、六月一日から新制度に乘り移ることといたしたい所存であります。  次に、日本國憲法施行の際現に効力を有する命令規定効力に関する法律により、行政官廳に関する從來命令規定法律をもつて規定すべき事項を規定するものの効力も、本年五月二日までとなつておりまして、全部これに代るべき法律制定いたさなければならないのでありますが、これら法律は、いずれもただいま申し上げました行政官廳法に代るべき新法律の基礎の上に制定を要しますので、行政官廳法規定効力を延長するのに伴い、その有効期限を延長しようとするものであります。  経済安定本部令は、その有効期限が本年四月三十日までとなつておるのでありますが、現下のわが國の経済事情に鑑み、当分その存続を必要といたすのでありまして、その設置法とも申すべきものにより五月一日以後存置すべきでありますが、これまたさきに申し述べましたと同樣の理由により、現行経済安定本部令規定効力を五月三十一日まで延長する必要があるのであります。  終りに建設法設院置法の附則第二項により、國費の支弁に属する建物の営繕に関する事務のうち、各省大臣所管分は暫定的に本年五月二日までそのままとし、五月三日以後は新たな措置を必要とすることとなつておるのでありますが、これまた各省官制の新たな法的措置がとられるまで從前通りとしておくことを適当と認むるものであります。  以上が本法案提案理由であります。何とぞ愼重御審議の上速やかに可決せられんことを希望いたします。
  4. 竹山祐太郎

    竹山委員長 なお政府構想をもつておられる國家行政組織法の大体の輪廓を、この際一應御説明を願えれば幸いであると思います。
  5. 前田克己

    前田政府委員 ただいまお尋ねのございました國家行政組織法案は、実はまだいろいろの事情から延び延びになりまして、閣議の最終の決定を経ておりません。從つてここで最終的な内容を御披露するわけにもいきかねるのであります。  大体今日まできまりました構想を申し上げますと、法案の体裁といたしましてはやはり現在の行政官廳法と同じく、國家行政組織に関する基準をきめるということを目的といたしておる法律であります。從つて個々行政組織がいかなる権限をもち、いかなる構成をとるかということは、これは個々行政機関組織法に讓ることにいたしております。行政組織法案におきましては、行政組織の大体の形及び型をきめるという目的で書いておるのであります。從つて條文も二十数條の此較的簡單なものであります。本法案におきまして、今回、從來行政官廳法と違いまして、特に力を入れておりますのは、現在の行政組織のいろいろの部局の名前が相当乱雜なつておりまして、またその中の職員名前等大分区々になつております点をできるだけ統一いたしまして、わかりやすくする。こういうことを目指しておるのであります。從つて省というような名前については現在と変りはございませんが、たとえば現在外局につきまして非常にたくさんの名前が使われておりますのを、院と廳、こういうものに統一をしていこうと考えております。またそれらの長の名前につきましても、現在あるいは総裁といい、あるいは長官といい、あるいは單に局長というふうに、非常に一般の人からはわかりにくい場合が少くないのでありますが、こういう点に疑義が起らないように統一をしていこう。また官廳内部組織でも現在局あり部あり、課あり大体の型はきまつておりますが、これも相当区々に流れておりますのを整頓いたしまして、大体一定の基準においていこうということを考えておるのであります。行政機関の長の権限、たとえば政令を発布する、あるいは省令等を出す権限につきまして、大体現在の機構を踏襲しておるのでありまして、特に実体的な大きな変りのある部分はありません。また行政機関地方團体の長が國の事務を執行いたします場合の監督権等につきましては、地方自治法規定によりましてこれを規定いたしておる次第であります。  次に行政機関の中に置かれますいろいろの職についての規定でありますが、この中にやや変つた構想といたしましては、次官規定と、総務長官と今名づけておりますが、そういう構想規定をおいておるのであります。このうち各省次官は先年の國家公務員法におきましてこれを特別職とする建前になつておりますので、將來次官は現在のような一般事務職員がそのままに上つていく場合だけを考えずに、各省大臣が自己の好む人物を自由に任用し得るような途が開かれることになりますので、この行政組織法におきましてもそれに対應いたしまして、次官をそういう性格のものにおきかえようといたしております。從つて各省事務統轄者、現在の事務次官が執行いたしております仕事をやりますために、別に総務長官という制度を設けておる次第であります。なお國家行政組織というふうに、現在名前をかえることを考えておりますが、これは廣く國家行政組織と申しますときは、現在におきましては公團のごときも行政組織の一部とみなされておりますので、そういうものをやはり包含いたしますためには、行政官廳法という名前はやや狭きに失する憾みがりますので、名前を変更いたそうと考えておるのであります。なおこの行政組織法は一方におきまして、そういうふうに行政組織の型及び形式をできるだけ整頓して規定いたしますると同時に、この組織法に基いてどういう官廳ができるかということを一目瞭然たらしめるために、この行政組織法案には別表をつけまして、その別表官廳名前だけを一覽し得るようにいたそう。さようなことも考えております。ただこの点につきましては、行政組織法に基きまして、いかなる官廳ができるかは、ちようど一方また機構改革の問題とも相交錯いたしておりまするので、別表につきましては、現在やや特殊の規定をお願いする構想も考えておるのであります。大体これが現在考えております行政組織法案大要でございます。現在行政官廳法と形においては此較的似たものでありますが、ただいま申し上げました点についてやや新しい規定がはいりましたので、かように御承知を願いたいと思います。
  6. 竹山祐太郎

    竹山委員長 この法律で五月末日まで延期いたしておりまするが、政府はその間に提案通過の自信をもつておられるかどうか。その点を一應伺つておきたいと思います。
  7. 船田享二

    船田國務大臣 ただいまの御質問につきまして、政府におきましても、今政府委員より説明いたさせましたような構想のもとに法律案の作成を急いでおりまして、できるだけ速やかに組織法案を確定いたしまして國会に提案し、十分に御審議願いたい、こういうふうに考えておる次第であります。それに基きます各省各廳の新設法につきましても、鉛意努力いたしまして、なるべく早く成案を得て提案いたし、御審議をお願いいたしたいと考えるのでありまして、大体ただいまのところではこのくらいお延ばし願えれば御審議期間も十分にあるのではないか、また十分に残される程度に早く提案いたしたい。こういうふうに考えておる次第であります。
  8. 竹山祐太郎

    竹山委員長 どうぞ御質問を願います。
  9. 樋貝詮三

    樋貝委員 本案の方は非常に簡單でございますが、行政組織法について今から伺うのもちよつと変ですけれども、編成前にちよつと伺つておいたらどうかと思います。この行政組織法は非常に今の御説明でも外局を多く認めるような意味において制定せられるようなぐあいですけれども、どういう意味で近ごろそういうものをお認めになる傾向なのでしようか。今まで旧憲法のもとにおいて枢密院の存在する時分には、外局を多く存在させることは、政府部内の手続において必要だつたでしようけれども、今度院なり、廳なりにおいて、それにいくつもの局を認めるのは、省内に局を認めても同じことに結果はなるのですが、前の関係とまつたく違うようですが、どういう意味外局をお認めになるおつもりですか。ちよつと参考のために聽かしていただきたいと思います。
  10. 前田克己

    前田政府委員 これは樋貝委員がよく御承知のことでありまするが、從來相当の数の外局がございまして、しばらく前には外局事務は、各省次官を通らないで大臣に直結して仕事をいたしておつたのであります。ところがこれが此較的最近に、これもまた次官監督のもとにはいることになりましたので、現在のままでは外局の意義がきわめて薄くなつておりまして、ほとんど官制が別になつておるというだけの区分になつておるのであります。しかしながら、また最近の行政組織の趨向を見ておりますと、もとより一大臣の管理のもとにはありまするけれども、相当独立権限をもち、独立職務行政権をもつた役所ができる傾向があるのであります。またその官廳首脳者にあたる人等には、あるいは民間の達識者をその長にすえて、かえつて各省次官より年輩、閲歴等も上位の人であるというような場合も時々見えておるのであります。で外局を濫設いたしますることはおもしろくないと思うのでありまするが、そういうほんとうの意味外局の必要は否定できないと思うのでありまして、從つてその意味におきましても外局の存在を今回の法案において確認をいたしまして、かつ先ほど申し上げましたように、その名称等を規格を定めるということを考えておるのであります。從つてただいま私が申し上げましたような意味合いにおきまして、今回の行政組織法案におきましては、外局事務從來事務次官に代りまする総務長官の手は通さない、かような構想にいたしまして、その点はまた昔の姿に返しまして、眞に外局らしい姿にいたそう、かように考えております。特に外局を殖やすという考えはもつておりません。
  11. 樋貝詮三

    樋貝委員 そうすると外局長官大臣に直結するような組織になりますか。
  12. 前田克己

    前田政府委員 この点につきましては先ほども申し上げましたように、大臣の下にやはり次官がありまして、この次官大臣の命を受けて政務に参画するということになりまするから、新しい意味次官を通じまして大臣につながる、かように解釈いたしております。
  13. 樋貝詮三

    樋貝委員 そうすると次官より大物をそこの長にもつてくるといつても、次官の下にはいつて命令系統の下に属するというようなことになると、ちよつと困難があるのではありませんか。
  14. 前田克己

    前田政府委員 この点は先ほども申し上げましたように、將來のこの新しい法案によりまする次官というのは、現在の次官とは違いまして、大臣が好む人物を連れてくる途が開けるわけでありますから、必ずしも現在のように下から上つた人と限らず、時には次官にも相当大物人物が來る場合もあると思うのでありまして、なお外局の長との権衡を失するような場合も、あるいはあるかと思いますけれども、これは現在の事務次官の下に外局がついておりまする形に比べますると、よほどその点は改善をされるのではないか、かように考えております。
  15. 樋貝詮三

    樋貝委員 もと枢密院があつたころには、枢密院逃れというような意味外局を盛んにつくつたのですが、枢密院もなくなつてしまつて大臣のもとにみな権限を集めて、責任ある大臣というものを通さなければおかしいと思うのですが、新憲法のもとには外局が何だか無意味なつたように思います。外局を濫立せしむることはおかしいように感じますけれども、その点どうでしようか。一体大臣のところへ最後にはみな権限も集める、責任も集めるというようなことに、今度の行政組織法もそういうことを目標においてきめられたらどうかと思います。なおこれは御参考に聽いておいていただいただけでもよいと思います。それからもう一つ行政組織法ができるころには各省組織もやはりきまるようなお話つたのですが、両々相並行して進行しましようか、お見込みはどうでしようか。
  16. 前田克己

    前田政府委員 ただいまの聽いておけばよいという外局お話でありますが、外局といえども大臣のもとに権限が集まりますのはこれは間違いございませんが、その場合に特に外局というようなものをなくすかどうかという点は大分意見がございまして研究いたしまして、各省の場合には外局というものをなくすことも困難でないのでありますが、現在の総理廳將來総理府という名前にいたす予定でありますが、この場合には外局という観念を認めませんと非常に法的な措置が困難になりますので、やはり一應外局というものを設けました次第であります。それから各省組織法についてのお話でございますが、これは現在大体官制という名前で呼ばれております勅命による各省規定、これを全部法律に改めなけれどならぬ。これは行政組織法案提出後間もなく各省のそのような法案を提出いたしまして、大体並行して御審議を願えるようなことになるのではないか、かように考えております。
  17. 樋貝詮三

    樋貝委員 いずれ行政官廳法のときにお尋ねいたします。
  18. 竹山祐太郎

    竹山委員長 それでは休憩いたします。     午前十一時四十五分休憩      ━━━━◇━━━━━     午前十一時五十九分開議
  19. 竹山祐太郎

    竹山委員長 再開いたします。
  20. 樋貝詮三

    樋貝委員 字句の点で修正した方がよいと思います。それは題名中に「國家行政組織法」とありますが、まだその法律制定もされず施行もされないわけでありまして、從つて國家行政組織に関する法律制定」という字を「國家行政組織法」という字の代りに入れたらいいかと思います。そういうふうに修正をお願いいたしたいと思います。
  21. 竹山祐太郎

    竹山委員長 ただいま樋貝委員より動議がありますが、修正に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 竹山祐太郎

    竹山委員長 全員御賛成でありますから修正ということにいたします。  それでは本案に対する御質疑は大体この程度で打切ることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 竹山祐太郎

    竹山委員長 それでは本案に対する質疑は打切ります。樋貝委員より修正動議のありました通り、本案修正可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 竹山祐太郎

    竹山委員長 それでは本案修正可決いたしました。  本日はこれにて散会いたします。     正午散会