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1948-10-07 第2回国会 衆議院 議院運営委員会 第84号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十月七日(木曜日)     午後六時五十八分開議  出席委員    委員長 淺沼稻次郎君    理事坪川 信三君       稻田 直道君    小澤佐重喜君       高橋 英吉君   山口喜久一郎君       松澤 兼人君    笹口  晃君       山下 榮二君    吉川 兼光君       小島 徹三君    椎熊 三郎君       石田 一松君    田中 健吉君       中野 四郎君    林  百郎君  委員外出席者         議     長 松岡 駒吉君         副  議  長 田中 萬逸君         議     員 大瀧亀代司君         議     員 只野直三郎君         議     員 玉井 祐吉君         議     員 細川 隆元君         事 務 総 長 大池  眞君 十月七日委員野坂參三君辞任につき、その補欠と して林百郎君が議長指名委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  國会法第六十四條による内閣通知に関する件  内閣総理大臣指名に関する件     —————————————
  2. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 これより運営委員会を開きます。  お諮りいたすことがあります。運営委員会は日時、議題を指定して、通知を差上げてから開くのが慣例になつておりますが、本日は皆さんの御了解を得て、これをもつて正式の運営委員会とするに御異議ありませぬか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう取計らいます。     —————————————
  4. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 議長より報告される事項がございますから、これを承ることにいたします。
  5. 松岡駒吉

    松岡議長 新聞で皆さんすでに御存じのことと思いますが、今日午後三時に、内閣総理大臣代理として、官房長官の苫米地さんがお見えになりました。一応御披露いたします。  内閣閣甲第四〇一号   昭和二十三年十月七日     内閣総理大臣 芦田  均    衆議院議長松岡駒吉殿 といたしまして正式に  内閣は、本日、総辞職をすることに決定いたしましたから、國会法第六十四條によつて、この旨、通知いたします。  これは前片山内閣のときの総辞職の場合における内閣手続が、多くを説明するまでもなく、皆さんの御承知通りいろいろな意見が指摘されましたために、すなわちこういう方法をおとりになつたものと思われます。この種の正式な文書をもつてする通知というものは最初のことであります。そこで運営委員会の各位にお集まりを願つて、この問題を中心に、ひとつ御協議を願いたいと思います。なおこれは申し上げるまでもないのでありますが、九日に運営委員会をお開きになることは、すでに前の運営委員会において決定されておるのでありますけれども、それまでこの問題をうつちやらかしておくわけにいかなかつたものでありますから、今日正式な運営委員会を開くことができない場合があつたとしても、とりあえず、運営委員の院内におられる人の御会合を願うことはしなければならぬと思いまして、急遽御通知申し上げたようなわけであります。その点お含みの上御協議をお願いしたいと思います。
  6. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ただいま議長から御報告がありましたが、それについて何か議長に対して聴くことなり御意見がありますか。
  7. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 ただいまの正式かどうかということはまだきまつてないようでありますが、これはやはり今後の慣例上も内閣が総辞職するというような非常に緊急な事態至つた場合においては、その収拾手続に遺漏がない限り、緊急運営委員会を正式に開くというようなことは正しい前例である、こういうふうに解釈する。よつてさらに正当な手続をふまれた方がいいと思います。
  8. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それではあらためてお諮りいたしますが、ただいま山口君から正式にするかどうかということでありますが、そう決定して御異義ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それでは決定いたします。
  10. 細川隆元

    細川隆元君 先ほどの辞職の形式がこの前のときと違つておりますが、初めてですからはつきりと正式なことにしなければならないと思いますが、第六十四條に「辞表を提出したときは、直ちにその旨を両議院通知しなければならない。」とありますが、この「辞表を提出したとき」という事実をどういう形で現われているのでありますか。
  11. 松岡駒吉

    松岡議長 辞表を提出するといいますのは、どこに辞表を提出するかということ、要するに六十四條によるところの辞表を提出したときという意味において議院に通告したのであつて、ほかにはおそらく参議院にも通告されただろうということが考えられるだけのことであつて……。     〔「これが辞表ですか」と呼ぶ者あり〕
  12. 松岡駒吉

    松岡議長 そう解釈して差支えないと思う。
  13. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 これはやはり辞意を表明したということに受取つて差支えない。
  14. 高橋英吉

    高橋(英)委員 辞表というものは正式に各大臣から総理大臣に移出してあるが、内閣全体の総辞職というものはないわけですね。
  15. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 高橋さん、ここに直接来たということは、この前の片山内閣が、今細川さんから言われた通り辞意が表明したときという行為が当時あつた。そのことがあとで非常に批判になりまして、そうして表明したから通知があつたということになつてつたということを御了解願いたい。
  16. 林百郎

    ○林(百)委員 議長から運営委員会諮問のあるのは、議長としてこの時局の収拾にどういうように出るべきかということなのか、それとも國会として、この辞表提出についてどう動くべきかということか、あるいは十一日に召集になつている臨時國会に対して、どういう対策を講ずべきかということで諮問されたのか、もう少し議長諮問の具体的な内容をわれわれに説明してください。
  17. 松岡駒吉

    松岡議長 まず第一に、十一日に召集されます國会が正式に成立することのためには、かねて御協議いただいております、まず議席の指定、國会法の一部を改正する法律案上程衆議院規則改正案上程特別委員会の設置、常任委員選任常任委員長選挙等議題が予定されているわけであります。常任委員をきめて、委員長をきめて、次の内閣がどういうものができるかによつて、また常任委員長も動かなければならないということが十分予想できるのでありますけれども、しかしながら國会はやはり正式に成立いたしまして、休会するなら休会する、あるいは休会というような悠長なことをしないで、間髪を入れず後継首班指名するというようなところまで手続がとれれば、もちろんそれに越したことはないのでありますが、不幸にしてそううまくいかない場合においても、はつきりと國会は正式に成立し、かつ休会したという手続をとるべきであるか、後継内閣成立するまで國会不成立のままで行つた方がいいという意見もあるいはあるかもしれないと思います。いろいろ御意見があろうと思いますが、私といたしましては、やはり十一日に正式に國会成立したということに、ぜひしたいものと思います。そうして委員長なんかもきめて、休会するときは休会し、次の内閣ができればまた委員長も更迭していただくのがほんとうじやないかと考えております。こういうことをまず御相談しなければならないと思います。
  18. 椎熊三郎

    椎熊委員 國会成立というのは、委員会が完全に成立することによつて國会成立するということになるのですか。
  19. 大池眞

    大池事務総長 それは國会がいつどういう活動をしてもいいような状態になれば、國会内部構成は完備しておりますから、そこまでいけば非常に結構ですが、その前の第一國会のときに、ちようどこれと同様でございまして、内閣総理大臣指名をどうしてもしなけれがならない状態なつたものでありますから、片山内閣が一旦できました際、そのときには召集当日は当然内閣総理大臣指名をなすべき要素たる議長、副議長ができておりませんので、議長、副議長選挙を、二十日に召集になりまして二十一日に行い、二十二日には会期決定を五十日間といたしました。それから内部の役員たる常任委員会委員の数を一応決定いたし、委員長選挙もする予定になつておりましたところ、委員長與党側から出すべきであるという議論が出たために、しからば内閣総理大臣ができなければ與党側が見当がつかぬということで、委員だけをきめて委員長は残し、それから事務総長選挙をいたしまして、二十三日に総理大臣指名をいたしたのであります。従つて今度は、先日御決定願いました委員の数は、ただいま議長が申し上げた通りのことになつておりますが、そのうちで内閣総理大臣指名前にどれだけのことをやつたらいいだろうかというような御議論が出るであろうという点があるのであります。
  20. 林百郎

    ○林(百)委員 ただいまの常任委員選任、殊に委員長選任というのは、第一國会の際の申合せとして、委員長與党側から選ぶというような不文律というか、申合せになつてつたのです。そうすると、かりに常任委員の数、あるいは常任委員だけは決定し得ても、委員長というのは、だれが首班になつて、どこが與党になるかということがきまるまで決定しかねるじやないかと思います。そういう意味で、やはり國会召集になつても、首班決定するまでは具体的に國会活動はなし得ないじやないかというように解釈するのでありますが、その点について事務総長はどう考えられますか。
  21. 大池眞

    大池事務総長 その点もあろうかと思いますので、ただ一応現状のままの委員会としてこしらえますと、先日の二十だけしかできないことになり、先日両院とも一致をして内定されております人事委員会独立等がその後にすぐにまたやるといたしますと、二十に全員を割当てたものをもう一遍やり返すというようなことになりますので、それで國会法の一番最初構成分子たる人事委員会と、内閣委員会独立規定をまずきめていただいて、それに基く規則人数等もきめていただいて、その委員並びに委員長選挙は後に譲つても、一応会期なら会期を御決定願う。会期のない國会が開かれるということは、おかしなことだと思いますので、従つてそういうことをきめておいてそれから内閣総理大臣指名というところへ行つても差支えないことじやないかと、事務的には考えております。
  22. 松澤兼人

    松澤(兼)委員 私はこの委員会構成終つて、かりにいつまで続くかわかりませんけれども、一応は委員長もきめて、それで普通の國会議事が進行して、また首班がきまりましたら、そのときに変更するということが適当じやないかと思います。それまで委員会が全然何もしないということはぐあいが悪いと思います。
  23. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 今お話がありましたけれども、御承知通り國会法には首班指名ということは他の議案に優先してこれを行うということがはつきりしている。ただ問題は國会構成は旧議院法とは違つて、今は成立とか構成ということがないのでありますから、國会召集があつて議員召集に応ずれば成立したと言えば言えるのであります。しかし実際の機能を発揮し得る状態になければ、やはり國会成立とは言えないと常識的に考えます。そういうことになると、委員の問題については、今申し上げた通り公務員法に関連して人事院とかいうような問題がありますので、これはやはり前にきめておかぬと、こういう場合は今後はちよつと少いと思うのですが、特別の例としてやはり考えておくことがいいと思います。従つて前回委員会決定した國会法改正というような問題は、國会法規定とは別個に、これは成立までの一つの過渡的な問題だという意味成立させておくことが必要じやないか。それに基く衆議院規則の制定ということも、やはり國会運営をする上において必要な規定ですから、これの成立もやはり必要だというような意味に解釈することが正当であり、さらに委員選挙までもすることはいいと思うけれども、今お話のように、委員長までも決定するというようなことはどうかと思う。なぜかというと、委員長の問題については今林君の言われた通り、すでに與党側がとるということになつておるので、與党が今どうなるかわからない状態委員長をきめるというやり方は、少し進み過ぎだと思います。そういう意味で、委員をきめるかどうかという点までは、私あえて反対はしないけれども委員長をもきめて、普通の状態と同じように行くというようなことは、首班がきまつておらない状態においてはいけないと思います。殊に事務総長お話によると、片山内閣のときもそういう順序で進んでいるということでありますから、片山内閣成立と同じような形で、事務総長お話のあつたような程度までは進める。それに構成に必要な國会法改正衆議院規則改正という問題だけは國会成立のための必要条件だというように見て、これは國会法法律違反ではないのだ。成立のために必要な条件なんだというような解釈で進んで、委員をどうするかという問題は、いろいろな意見がありましようが、委員長だけは正式にきめずにいくのがほんとうだろうと思います。
  24. 石田一松

    石田(一)委員 これは議事進行のことで、特に重要なる問題だと私考えます。ただいまこの委員会において、いろいろと論議がされておりますが、この議院運営委員会常任委員会一つである関係上、ただいま議長が一応報告してくださいました「内閣閣甲第四〇一号」の問題を議題とするこの運営委員会が開かれることが、國会法あるいは衆議院規則において正当であるかどうか。院議によつて議決され、閉会中といえどもこの審議継続することができるという許された範囲内に属するかどうか。私はこれは大いなる疑問だと思うのですが、それを根拠づけるためには、どの法律をもつてこの運営委員会を正式な委員会なりとするか。閉会中にこの運営委員会が、内閣の総辞職に関する問題を取扱うについては、どの法律根拠によつてこの委員会が正しい運営委員会であると決定をするか。
  25. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 ただいま議長から伺いましたのは、一つ議長が取扱いました報告を承つたのでありまして、報告を承ることは、少しも私は違法じやないと思うのであります。ただこれをどういうぐあいに処理していくかということを、この委員会でやるかやらぬかということになりますれば、おのずから議論がわかれると思いますが、この議会運営を掌つておる当委員会が、内閣総理大臣から衆議院議長たる松岡駒吉殿あてにきて、内閣辞職辞意の表明があり、さらにそれを國会法六十四條によつて通知をした。これをわれわれが承ることは違法じやないと思います。ただそれをどういうふうに扱うかということは、また一遍御相談願つてやることにして、一応その報告に接して、それならば十月十一日から開かれる召集日の次第は一体どういうようにするかということを扱つて、その後にもう一遍帰つてきて、この扱い方をどうするか相談をすればいいではないかと思います。
  26. 石田一松

    石田(一)委員 ただいまの委員長説明によりますと、議長報告なさいました内閣総理大臣芦田均氏の辞職に関する件は、非公式な運営委員会において各派が了承をするという形で聴きおいて、第三國会が開かれるに臨んでのいろいろな事務的な手続をこの運営委員会審議することは、これは第二國会の間にすでに継続されておる議案として私たちは了承するのです。新たなるこの問題を審議するためには、この運営委員会に相当法律的な根拠がなければ、この総理大臣芦田均氏の辞職に関する問題について正式な委員会で論議することは法的根拠がないと思う。
  27. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 その点は今の私の申し上げておることよりも、扱い方をここでやつていいかどうかということの議論になつてくると思います。報告を承るについても、いろいろこの休会中にわれわれが審議すべき事項については、決定されますが、議会閉会されておつても、議会運営の根本というものは、やはりわれわれは考えておかなければならない立場を運営委員会としては当然もつておると考えております。その運営根拠となるべき対象物の政府が総辞職するという形態をとられたのでありますから、それを受けてわれわれがどうするかというようなことは、ちつとも違法じやないと思います。このあとがどういうぐあいに扱つて次期政権について、この委員会でどう扱うかということになつていけば、まだ議論を第二義的に考えなければならない問題だと思うのですが、伺うのは何も正式の委員会であろうと正式でなく伺おうと同じことであります。
  28. 石田一松

    石田(一)委員 そうすると同会法の第四十七條の第二項「常任委員会及び特別委員会は、各議院の議決で特に付託された事件については、閉会中もなお、これを審議することができる。」という條文でありますが、ただいま委員長の御説明によると、内閣の総辞職の件に関しては、これは審査するのではなくして、正式に開かれた運営委員会で一応これが報告を受けるのだ、そう了解してよろしいのですか。
  29. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 そうです。
  30. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 今石田君の言われることは、法理論としてまことに理路整然たる議論である。私どもはその理論そのものには賛成するのです。ところが、それでは具体的にいつて、本委員会休会中に審議する事項というものがどういう事項が付託されたかということが問題になる。私も記憶しておりますが、また記録を見ればわかると思いますが、議会運営に関する件ということも休会中に審議ができるということが付託してあるとすれば、やはり総理大臣辞職したことによつてその次期の措置を考えることは、議会運営にあると思う。君の議論は正当であるが、すでに付託されてあつたと考えることが正当ではないか。ただ単に淺沼委員長の言われるように報告を承るというのではなくして、次の段階まで進んでも差支えない、こう考えるのですが、これは事務総長から付託された事項を伺いたい。
  31. 石田一松

    石田(一)委員 それについて事務当局としては、どういう見解をもつておられるかということをお聴きしたい。
  32. 大池眞

    大池事務総長 この前は議院運営委員会閉会中の付託事項として「議院運営に関する件」とございますし、もう一つ議長諮問の件」とありまして、議長の方から議院運営委員会の方にどうしたらいいかという諮問をしたものは、それに対して運営委員会がどの程度まで諮問に応ずるかということを運営委員会がみずから決定をして答申ができることになつております。それ以外に規則改正とか二点ばかりあります。
  33. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 石田君、御了解を願います。
  34. 松岡駒吉

    松岡議長 先ほど委員長もという、きわめて簡単な言葉で言いましたが、必ずしもこれを固執する意味じやありませんけれども、どう考えたかということを一応申し上げておきたいと思います。多くを説明するまでもなく、特別委員会の中の不当財産取引調査のための委員会は、御承知のごとき経緯をもつて設置されたものでありまして、殊にこれは休会中も継続して審議されていることは御承知通りであり、かつ、かくのごとき政局に直面いたしまして、このことだけはこういうことのために委員会活動のできないようなことになつてしまうということに、議会として至らしめておくことは相ならぬのではないか。この委員会政局がいかに動きましようが、活発に動いていただかなければならぬわけでありますから、どうしたつてこの委員会委員はもとよりのこと、委員長決定しなければならないであろう。にもかかわらず、これだけは捨ておいていいか、またつり合い上の問題もあるから、これは改めるべきときにはさらつと改めていいんだ。國会全体の委員長も、ちやんときめてしまつたらどうだろうかという考え方でさきのようなことを御相談申し上げたわけであります。この点一つ御了承願います。
  35. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 議長があえて固執されるという意味じやなくして、釈明するに止まつておりますけれども、たとえば不当財産とか、あるいは特別委員会というものは継続を要するものがたくさんあります。ありますが、私どもから言うと、今委員長をきめられるところまではむしろ早過ぎる。情勢がそこまでいけば委員長まできめても、もちろんいいと思いますが、今ここできまるかもしれぬ内閣が、一箇月も二箇月もかかるんだという前提の下に、一つの先走つた決定をこの委員会がすることは望ましくない。そういう意味で、議員としては委員長をきめる前に内閣がきまるのだという建前で一応進んでみたが、やはりこういう不都合があるのだというなら、また委員会を開いてあらためて考えることが至当ではないか。原則はどこまでもできるだけ崩さないようにして、前例を崩さぬような方法で進むことによつて、かえつて総理大臣指名も早くなることになりはしないかと考える。議長も強いてこれに反対される意味ではないと思いますから……。
  36. 小島徹三

    小島委員 委員会は、委員だけはできておるが、委員長が欠員の場合において、臨時委員会を開く場合には、だれか代理委員長を選ぶとか、臨時委員長を選ぶとかいうことは差支えないのですか。
  37. 大池眞

    大池事務総長 それはいけないでしよう。委員ができておれば、委員長ができて、委員長委員会の開会並びに委員会運営をするわけですから、委員だけできておつても、委員長がなければ……。
  38. 小島徹三

    小島委員 そういうことであれば、小澤君の言う、委員だけを選んで、委員長を選ばないというのでは筋道が立たない。
  39. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 私の言うのは委員だけ選べという意味じやない。そこまでいくならば、そのくらいまではよかろうというだけで、小島君の言うことはその通りです。私はそういうことまでも行かずに、まず國会法規定に基いて、あらゆる議案に優先して総理大臣指名しろという明文があるのですから、そういう問題を超越して総理大臣指名にいくことが至当であるけれども、しかしながらいろいろの國会運営を考えると、論理に反しない限りはできるだけ研究した方がよかろう、こういう気持から考えたので、小島君が委員もきめるなというならば、もとよりそれは理論に合うのですから、賛成します。
  40. 笹口晃

    笹口委員 今小澤さんから議論がありましたが、やはり総理大臣指名というのは各議案に先だつてということであつて委員をきめる、委員長をきめるということは、國会構成の問題だと思う。たとえば今議長からお話があつた問題、あるいは運営委員会自体を考えてみましても、これがなかつたならば一体どういうことになるかというようなことを考えていつたときには、やはり常任委員会はこの際一応つくつておくということがよろしいのじやないか。また各委員会にしましても、休会中いろいろ特に院議をもつて継続審議をいたしました事項等もあるのでありますから、この締括りをつけるためにも、先般の常任委員会では、一応結論の出たものも、出ないものも、新委員会にこれを再付託するということがきまつているのでありますから、そういう意味からいつても、一応委員会構成だけは成立させるというような手続をとる方が至当ではないかと思います。
  41. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 今からそういうことを考えて、その場合にできるならば同時にできるかもしれない。むしろこれは今総理大臣指名が遅れるものだということを前提にして議論をすることが、私は好ましくない。國会法規定がある通り総理大臣指名を急いでやるということがあるのですから、そういう線に沿うて、また実際総理大臣指名がずつと遅れるという場合に、あらためてそういうことを相談してもよいのじやないか。理論としては笹口君の考えは正当と考えるが、たとえば総理大臣指名というものは相当遅れるのだ、そうしてあなたの言うように継続審議したものが、決定したものは前委員長報告するから問題はないが、新しく引継ぐというような問題が起きる、そういう場合には一日でも早く内閣内閣國会國会審議を進めることがふさわしいと思うのであるから、そういう事態が起きた場合にはその場合に考えるべき問題で、今から総理大臣指名が遅れるという前提のもとに審議をすることはおもしろくないから、その事態の起きたときに運営委員会を開いてもおそくないじやないか。
  42. 松澤兼人

    松澤(兼)委員 その点については、日程として総理大臣指名という問題を出して、一方では常任委員会構成をやつてつたら、これは問題はない。日程として上程して、それは別に運営委員会にかけるなり何なりしておいて、一方では常任委員会決定する。並行的にやつてつて構わない。
  43. 石田一松

    石田(一)委員 ただいまの議論は私は受け入れられないと思う。  これは事務総長にお聴きするのですが、國会法の十六條の「各議院に役員は左の通りとする。」という、要するに五つの役員がある。この役員が定まらなければ、國会は正式に成立したことにならない。成立しない國会で、あらゆる議案に先だつて総理大臣指名がなされるということができるか。総理大臣指名というものは、國会構成が完全にできてない國会でやることはできないと考える。
  44. 大池眞

    大池事務総長 それがそこまでいけば完備したものですが、この前やつた場合でも、常任委員の員数をきめておかぬと、皆さまの方で割振りができぬというので、事前の準備として委員の数だけはきめた。そうしてきめ得る役員だけはきめたけれども委員長等は、また委員選任にしても、委員長は与党から出るという原則を守るとすれば、その委員長をその委員会の中に入れておかなければなりません。そういうわけで特に延ばしてやつておりますから、そういう事態もありますので、総理大臣指名をやる前に委員長並びに委員までもきめなければやれないという議論にはならぬと思います。きめていけないということはない。
  45. 石田一松

    石田(一)委員 ただいまの事務総長の御意見は、それは新憲法下第一回の特別國会であつて、今までにこうした機構が全然無であつた。ですから、ただいま事務総長説明通りの実際の慣例が残つたということです。しかし現実においては各常任委員会特別委員会もまだ現存している。その現存している要するに現実に立つて、第一回國会の、無から有を生ずる手続が先例とされることは、私は先例としては少し行過ぎじやないかと思う。
  46. 高橋英吉

    高橋(英)委員 石田君の問題は根本問題ですから、私も一言したいのですが、議員構成は、この役員がきまらなければ成立にならないというようなことになつたら、議長とか副議長が欠けたときには、議員構成が瞬時になくなることになる。そういうことは絶対にあり得ない。議員構成と、役員の選定とは全然別個である。構成があつて初めてこういうものができるというふうに私どもは思う。それから現実の問題としてはいろいろな問題もあるし、過去の二回の片山内閣芦田内閣指名のときのごとく、一月かかるだろう、半月かかるだろうというので、ここで常任委員長の選定を急がれるということにもなるけれども、かりにこれが即時にできるような場合、石田君の議論のように常任委員長をまずきめなければならないことになれば、どの党が内閣を組織するかわからないという場合に、まず常任委員長をきめる。そうするとその同じ日に、あるいはその翌日でも総理大臣指名があつて、その常任委員長の属する党と反対の立場の党から総理大臣が出ると、その常任委員長は辞任して、それからあらためて常任委員長をこしらえなければいかぬ。そういう不便なことは法制としてとつておりません。従つてども理論としては小澤君の理論はりつぱなものだと思つております。しかし現実の問題として一月なり半月なりかかるという場合に、この議院運営委員会とか、不当財産委員会成立が絶対必要だということになれば、その絶対的な立場において、こういうもののみをまずこしらえて、そのほかは現実に基いて、まず首班指名が行われて後にやつても差支えないと思う。
  47. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 大体高橋君の議論は賛成ですが、石田君の言うような議論も、首班指名という問題が委員会審議すべき事項であれば当然だと思いますが、これは本会議でやるということにきまつておる。ですから、理論的に言えば石田君あるいは高橋君の言われたことに尽きるのですが、ただ問題はそういうことを議長諮問しているのではないと思う。なぜかというと、内閣が辞任したということがなければ今晩の委員会なんかないんだ、九日に開くことになつているんですから。こういうことについては大体九日にやればいいのであつて首班辞職したということこそ、今晩審議すべき緊急の問題であつて、この問題は石田君の理論を引つこめるとか、ぼくの言うことを引つこめるとかいうことではなくて、緊急なものからやつていく。それから次の問題は九日にできるだけ譲つて、そのとき円満な國会議事運営に沿つてやろうということにして、一番急ぐ問題から決定していつたらどうか。
  48. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それではいろいろ御議論もあるようですが、九日に最後の仕上げをすることになつておるのだから、召集日の次第についてはもう一遍九日に開いてどうするかということを決定をして、今議長から承りました報告に基いて、何か御相談すべきものがあれば御相談申し上げるということにして御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 さよう決定をいたします。
  50. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、問題は芦田内閣の総辞職に関して議長諮問でしたか、今言つたような國会構成、あるいは臨時國会召集の事務的なこと以外に、議院運営として議長から内閣総理大臣の総辞職について試問を受ける事項ありや否やということですね。結局内閣総理大臣辞職したということについて、議長としてただいま申し上げたような、臨時國会召集と関連なくしてわれわれが急遽試問を受けるような事項があるだろうか。その問題がはつきりしないとわれわれの答申というものがあり得ない。松岡議長が政治的に動いて時局を収拾するということなら別ですが、國会法あるいは衆議院規則に基く議長の動きとしての範囲においてわれわれが試問を受けるというようなことになれば、一体そういうことがあり得るかどうか、議長のお考えをお聴きしたい。
  51. 松岡駒吉

    松岡議長 それはそうむずかしく考えるよりは、まず第一に芦田内閣が総辞職をして、次の首班を十一日召集される臨時國会で何ものにも先んじて選挙を行い、指名をしなければならないということになつているのでありますが、さて実際の問題として、ただ十一日召集されて、そのときの出たとこ勝負でやれるようなことが、はたしてできるかどうか。今日の状態を見ますと、これは正式なものではありません、新聞を通じて知つている程度の知識でありますけれども、なかなかそういう事態でないように見受けられますので、十一日本会の議場で、ただちに選挙をやりましようというようなことで、簡単に片づくとも考えられません。これは何というても代表的な党首、他の諸君の御協力にまつて解決する以外には、ちよつと困難であります。その協力にまつてということは、やつぱりなしということにしておいて、はたして協力ができる情勢にあるかどうかということについては、私どうもそうは楽観できない。従つて何か、やはりお集まりを願つて相談でもしていただくというような、対策をとることをしなければならないのではないか。要するに芦田内閣成立の経過においていろいろ御不満があつた方面もあるようでありますし、いろいろな批評もあつたけれども、今日の事態はやはり当時の——不成功には終りはいたしましたけれども、不成功に終つたからといつて、そんなことをやつてもだめだといつて、知らぬ顔をしておくというようなことをすべきではないと思います。そう私は考えるものですから、特にどうしたいと思うが、どうでしようかというようなことを御相談申し上げなくても、そういう経過をよく御存じの皆さんの中で、前はこういうことがあつたけれども、今度はこういうことをしたらよくはないかという御意見もあろうと思いますから、そういうことの御意見を伺う。個人としてとか、何とかおつしやるけれども、個人としてやつてもいいかもしれませんが、これは議会の大勢を察することなくしては何もできないのです。運営委員会には各派から有力な方が出ておられるのですから、皆さんの御意見を聴いた上で、個人として考えましても、それでなければできないのであります。さらに積極的に運営委員会の運びは、ぜひこうしていただきたいというような御決定があるならば、その決定の線に沿つて努力すべきではないか、こう考えている次第であります。
  52. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、芦田内閣辞職に伴う政治的な混乱と空白の状態を、議長がその政治的な収拾に乗り出してよいかどうか。また乗り出すとすれば、どういう方策がよいかということを諮問されるというように解釈してよいですか。
  53. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 これはこの前のことを申し上げますと、この前は片山さんが辞職されて、議長に通告があつて、各派交渉会を開いて、各派交渉会においてはただちに議院運営委員会を開いて、総理指名議決に関する件の取扱いについて相談すべきであるということを申し合わせた。その申し合わせに従つて議院運営委員会を開いて、議院運営委員会は懇談会の形式で議事を進めていく。憲法六十七條の規定に、内閣総理大臣指名議決はすべての案件に先だつてこれを行うとあるのは、その議決を行うには、おのずから時間的制約がある。従つて速やかに指名議決すべきである。それを第一にきめて、候補者選定を円滑にするために、議長がきつかけをつくることには賛成するが、議長はこれ以上出てはならない。それは方法としては四党首会談、あるいは各党各派代表者会議によるか、議長の一任と言うことに決定を見た、こういうことになつているのであります。従つて案件として何を扱うかということになれば、要するに次期総理大臣指名議決に関する件というものが当然議題になつて従つてその取扱いをどうするか、その内容をどうするかということが問題になる。だから、もしきめられるとすれば、速やかに指名議決をすべしだから、要するに召集があつたとすれば、召集と同時にやるべきである。その方針で進めていくということがきめられるわけでしよう。
  54. 林百郎

    ○林(百)委員 そういう意味議長がこの際政治的な収拾を意図されるということなら、私の方の党としては、実は本日議長まで意見を申し述べたように、速やかに各党の党首あるいは各党の責任者に集まつていただいて相談する。その相談のきつかけをやはり議長がとられたらどうか。やはりこの際四党首と言うことでなく、各党それぞれの立場から各党の責任者をきめられてやられたらどうかということを議長にまで意見を申し述べておいたのであります。
  55. 中野四郎

    ○中野(四)委員 この場合の議長の権限は、今林君が言われたように、政治的に動くということは非常に危ぶまれるので、一定の限界点をつくつておかなければならぬと思う。この前の片山内閣辞職のときにもこの問題が起つたが、限界点をおかなければならぬということで大分議論があつた従つて今度の場合も、今の林君の御意見通り各党代表なり、あるいは特定の人なり、これは皆さん審議にまつべきことであるが、その召集をし、斡旋をする程度に止めるところでやめておかなければならぬと思う。この場合はそこから多分に出るおそれがあるように思われる。
  56. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 私の方の党の考え方としては、ただいま中野君及び林君の御意見前提でもあるし、ごもつともな御意見でもあるが、しかし党の建前からすれば、これを議長に委託するとかいうことを運営委員会決定すること自体が適当でない、こういうふうに党としては考えているので、御承知願いたいと思う。
  57. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 この前の運営委員会の議決でもつて議長は行動するということで、議長を束縛しないで、懇談会の席上で各党各派の意見も徴されて議長は行動したと思う。もしもそれでいいなら、懇談会に移してこの問題をそのように扱うのもいいと思う。その議論の取上げ方にも限界点があると思いますが、こういう取上げ方についてはどうでしようか。
  58. 高橋英吉

    高橋(英)委員 私の方としては今山口さんが発言したが、ちよつと違うところがあるのではないかと思う。私の方の考え方はこうなつております。たとい懇談会の形式にしろ、運営委員会の正式な決議の結果にしろ、議長が動くような場合もまたあり得るということは認めるわけです。しかし情勢のいかんによつて議長に動いてもらうことはわれわれ賛成しないという立場もある。それで私どもの考え方からすると、片山内閣成立のときには片山さんが吉田総理大臣のところに行かれて相談をかけられたところが、第一党に対する敬意を表して、主導権を社会党の片山さんの方でとられたらよかろうというので片山さんが主導権をとつたように思う。この片山内閣成立の際の情勢は、吉田内閣が失政をしたから辞職したというのではなくて、御承知のようにマッカーサー元帥の書簡によつて解散が行われ、各党平等の立場からそれに臨んで、ああいうことになつた。ところが芦田内閣の場合にはまた違つた政治情勢だつたと思う。そしてああいうことになつた。あの場合の行動がよいか悪いかということは、当時いろいろ批判があつたが、ともかく事態はああいうことになつた。ところが今回はまた事情が片山さんの場合とも芦田さんの場合とも違つてつて、私どもは民主自由党の方で主導権を握るべき正当な理由があるからという考え方からきているのです。そういう意味において、私ども民主自由党が今回の政局収拾の責任者、主導権を握る立場にある以上、議長の方でそのきつかけをつくつて、民主自由党に対して主導権を握ることによつて政局収拾してくれというように働きかけていただくことが正当な行き方ではないかと思う。
  59. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 議長がこの後継首班決定に対して動くことが、すでに議長の権能外だという考え方にわれわれは立つている。
  60. 小島徹三

    小島委員 高橋君の今の意見もあるが、一体大統領とか天皇陛下というものがあつて総理大臣を任命するとか、辞職させるという権限があるなら特別だが、現在のような日本の事情において、だれがなるべきだということがわからない状態において、それまでを一応斡旋する限度において議長が出ていくということは、國権の最高機関の責任者として議長のとるべき当然の態度だと思う。
  61. 小澤佐重喜

    小澤(佐)委員 大体山口さんと高橋さんから言われたのですが、われわれの希望としては、こういう際には國権の最高機関の代表者である議長が、たとえば第一党に主導権が行くべきだということを公正に決定して、その上で行動することが望ましい。たとえば、せんだつての片山さんの出る場合に、わが党の吉田総裁のとつたような態度が議長にとれるならば、それに賛成してくれと言うのではないが、それが望ましい。また今回の場合でも、要するに与党の人が責任を負つて辞職したのだから、今度はわれわれは責任を負つて野に下る、そういう建前からこの際の主導権は野党である民自党に行くべきが当然ではないか。もちろん高橋君が言うように、総理大臣をだれにするというのではなくて、政局収拾の主導権を、民主自由党にもたせるべきである。現在の日本の実情に照らして民自党が政局収拾してくれというような決意が議長にあるならば、また皆さんがこれに賛成してくれるならば、こうしたことがわれわれとしては一番望ましい。しかし今までの経験と現在の客観情勢において、そういうことを望んでも、おそらく議長さんはできまいと私は思う。従つて私はそういうことを望もうとはしないが、一方小島君の発言の通り、國権の最高機関である國会の代表の議長が、内閣がつぶれて黙つてじつとしていることもよくない。そこで議長はどういう態度をとることが必要であるかといえば、私は率直に言つて、もちろん新聞やその他の情報で各党は知つておるけれども、たとえば本日ならば本日の午後三時正式にこうこういう書面が内閣から来ました。ついては政治の空白は一日も許されない、この際あなた方が協力して何とかこれをやつてくれと申し出ることは、むしろ議長としてやるべき責任があると思う。そういう見地から議長が行動されることは私どもは了承するけれども、一歩進んで三党首会談を開くとか、四党首会談を開くとか、連立内閣でいくとか、あるいは各党の幹事長が開くとかいうことまでいくことは、遺憾ながらこれに同意できない。なぜかとなれば、私どもの考え方から申すと、次に来る主導権というものは、ただいまこの席できめなくても、客観的にはきまつている。総選挙において第一党をとつた党にやることが適当だということは、前にも吉田総裁あるいは片山さんが言つたように客観情勢がきまつておると思う。しかしこの委員会ではそういうことは許されないかもしれないから、そういうことは強調しないけれども、だからといつて、先ほど言つたように議長が、今正式に内閣から通知が来て、率直に政局を担当するように政党の党首に向つて國権の最高機関としての代表者たる議長が呼びかけて、こういう事態になつているから、あなたの力をもつてやることが適当だということになれば、あえて反対しないという意味で、小島君の意見にも、高橋君の意見にも、山口君の意見にも賛成である。
  62. 山下榮二

    ○山下(榮)委員 今小澤君の話は一応ごもつともですが、それは総選挙後におけるいわゆる首班指名に対する考え方であつて、総選挙が済んですでに一年半も経つた今日、政党の分野というものはそれぞれ異なつてきておる。そういう場合における今回のような政変に対しては、少くとももつと変つた考え方が行われなければならぬと思う。そこでこういう場合に臨んで、ここに議長議院運営委員会で御相談があつた。そういう場合には、できるだけ速やかに議長政局収拾して、あと相談をされるというために、少くとも各党の首領に相談をされてなんというようなことを、この議院運営委員会がされてもよかろう。こういうようなことを言うべきである。総選挙後において國民の審判がまさに何党が第一党であるというふうに決定された直後なら、そういうふうに行われなければならぬと考える。しかしながら、すでに総選挙が済んで、今日に至つて政党の分野がかような情勢にあるときは、さようなことはわれわれはすべきでないと考える。
  63. 中野四郎

    ○中野(四)委員 運営委員会政局収拾のために議長に委嘱するということは、議論の余地があるから、懇談会にまかせて、その席上において少くとも政局収拾のために各党の代表を一応招集するという斡旋を議長がするということによつて話を進めていかなければ、これは議論をしたらきりがない。
  64. 山口喜久一郎

    山口(喜)委員 中野君は懇談会における結論をお話なつたが、懇談会においてこうするということまで、議院運営委員会でやることがそもそもの間違いであり、かかる問題は、むしろ議院運営委員会でかれこれ議論するのでなく、議長個人の資格においてしかるべく善処する。そこは議長の自由であつて議院運営委員会がこれにタツチしないことが、将来のためによいのではないかと考える。
  65. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 先例もあることでありますから、一応きめてよければ、二項はきめないで、一項だけきめたいと思います。憲法第六十七條の規定によつて内閣総理大臣指名は「他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。」とあるが、その議決を行うのに時間的制約もあり、従つて速やかに指名を決すべきである、こういうことになつておりますから、召集も速やかになすべきであるという申し合せをつくつて、議了して、あとは懇談会に移つて今言つたようなことを懇談して議長がやる。そういうことでよろしゆうございますか——もう一遍明確に申します。憲法第六十七條に、総理大臣指名議決は、すべての他の案件に先だつて行うという規定がありますから、必然的に運営委員会としては、来るべき國会においてすべての案件に先だつてこれを行わなければならぬ。行わなければならぬということは、おのずから時間的制限があるから、召集があつた後においては速やかにこれを行う、こういうことに決定するに御異義ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 淺沼稻次郎

    淺沼委員長 それではさよう決定いたしまして、あとは懇談会に移ります。  これで一応この会を閉じます。     午後八時散会